JP3157120B2 - 中実車軸の超音波自動探傷方法及びその装置 - Google Patents

中実車軸の超音波自動探傷方法及びその装置

Info

Publication number
JP3157120B2
JP3157120B2 JP01772797A JP1772797A JP3157120B2 JP 3157120 B2 JP3157120 B2 JP 3157120B2 JP 01772797 A JP01772797 A JP 01772797A JP 1772797 A JP1772797 A JP 1772797A JP 3157120 B2 JP3157120 B2 JP 3157120B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axle
flaw detection
flaw
gate
ultrasonic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01772797A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10206396A (ja
Inventor
次郎 養祖
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP01772797A priority Critical patent/JP3157120B2/ja
Publication of JPH10206396A publication Critical patent/JPH10206396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3157120B2 publication Critical patent/JP3157120B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/26Scanned objects
    • G01N2291/269Various geometry objects
    • G01N2291/2696Wheels, Gears, Bearings

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中実車軸の超音波
探傷方法に係わり、特には、中実車軸のきずの判定を自
動で行うことが可能な中実車軸の超音波自動探傷方法及
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道用の車軸は車両を支える重要部品で
あり、疲労きずのチェックのために定期的に超音波探傷
による検査を受けながら使用されている。
【0003】図12は、従来の中実車軸(中ぐりしてい
ない車軸)の超音波探傷方法を示した車輪のついた車軸
の断面図である。この超音波探傷方法とは、センサを車
軸の端面または側面に当て、車軸の中に超音波を入射し
てきずからの反射(エコー)がないかを調査するもので
あり、地上設備により車軸を回転させ、車軸の全周を探
傷する方法である。
【0004】図12に示すように、従来の中実車軸の超
音波探傷方法では、垂直探傷及び局部探傷を実施してい
る。垂直探傷とは、車軸両端面から垂直に超音波を入射
し、車軸全般に大きなきずが無いかを検査するものであ
る。局部探傷とは、きずの発生する可能性のあるはめ合
い端部を狙って、車軸両端面から斜めに超音波を入射す
る検査法であり、車輪座内ボスを中心にジャーナル部、
ギヤ座を探傷している。垂直探傷と局部探傷を比較する
と、探傷精度については垂直探傷より局部探傷の方が精
度が高いが、探傷範囲については逆に局部探傷より垂直
探傷の方が車軸の軸方向に対し広い範囲を探傷できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】健全軸の垂直探傷波形
の一例を図13に健全軸の局部探傷波形の一例を図14
に示す。探傷者は健全な車軸の波形を記憶したり、ブラ
ウン管近くに掲示しておくことにより、探傷時にそれと
異なる波形が出ると異常と判断していた。しかし、図1
3、図14に示すように健全軸でも波形が複雑なうえ、
はめ合状態が車軸ごとに異なることなどにより、軸が異
なったり探触子を回転走査させると波形が微妙に変化す
る。このため、これまで判定の自動化は困難とされてき
た。
【0006】上記従来の中実車軸の超音波探傷方法の大
きな問題点は、きずの判定を人が行っていることであ
る。車軸の超音波探傷はブラウン管に現れた複雑な波形
からきずエコーを見つけ出すという熟練を必要とする作
業であるが、作業者が実際にきずエコーに出合うことは
皆無に近い現状では、熟練度を要求することは困難にな
っている。
【0007】人が行う判定作業を容易にするための工夫
として、2チャンネル上下同時表示形の探傷器が用いら
れる。これは1台車2軸同一種類の車軸があるのを利用
して、2本の軸を同時に探傷する方法である。つまり、
異なる2本の軸のA端に同時に2個の探触子を当て、探
傷波形をブラウン管の中央の水平線の上下に2チャンネ
ル同時に表示させる。健全軸同士であれば、多少の高さ
の違いはあるものの全く同じ波形が上下対称に表示され
る。そこで、作業者は対称に現れないエコーをきずエコ
ーとして判定できる。超音波で検出可能なきずの発生が
皆無な状況では、2本の軸の全く同じ位置に全く同様な
きずが発生する確率は極めて低いと考えられるためこの
方法は有効である。しかし、きずははめ合端部に発生す
る確率が高く、きずエコーは妨害エコーのすぐ近くにあ
る可能性があり、探傷範囲の広い垂直探傷などは特に見
逃す恐れがあるという問題がある。
【0008】なお、作業者数は探傷器の取り扱いが1
名、探触子の走査が2名の計3名である。
【0009】この発明は上記のような事情を考慮してな
されたものであり、その目的は、中実車軸のきずの判定
を自動で行うことが可能な中実車軸の超音波自動探傷方
法及びその装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る中実車軸
の超音波探傷方法は、上記課題を解決するため、複数の
健全軸を軸端から超音波探傷し、 この探傷波形の最大
値を抽出し、 この最大値を高さ方向に所定の高さ持ち
上げ、該最大値を車軸の軸方向に所定の長さの余裕をつ
けることにより自在形状のゲートを作成し、 被探傷軸
の探傷を行うことにより得られた探傷波形を該ゲートと
比較し、 このゲートを越えたエコーをきずエコーと判
定することを特徴とする。
【0011】この発明に係る中実車軸の超音波自動探傷
装置は、車軸の軸端から車軸に超音波を伝える探触子
と、 該探触子を車軸の軸端に押しつけて回転走査する
走査装置と、 超音波信号に送受を行う探傷ユニット
と、 複数の健全軸を超音波探傷し、この探傷波形の最
大値を抽出し、この最大値を高さ方向に所定の高さ持ち
上げ、該最大値を車軸の軸方向に所定の長さの余裕をつ
けることにより自在形状のゲートを作成するゲート作成
手段と、 被探傷車軸の探傷を行うことにより得られた
探傷波形を上記ゲートと比較し、このゲートを越えたエ
コーをきずエコーと判定する自動判定手段と、 を具備
することを特徴とする。
【0012】上記中実車軸の超音波自動探傷方法及びそ
の装置により、中軸車軸のきずの判定を自動で行うこと
が可能となる。したがって、超音波探傷の複雑な波形か
らきずエコーを見つけ出すという熟練を要するきずの判
定を人が行う必要がなくなり、中実車軸の超音波探傷の
作業が容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態及び実施例】 1.1 探傷法 (1)垂直探傷 車軸全般に大きなきずがないかを検査するいわゆる車軸
の垂直探傷はきず検出能が低いため行わない。
【0014】(2)局部探傷 検出精度の高い複数の屈折角の異なる局部探触子で車軸
全般(両ジャーナル間)の探傷を行う。車軸を軸方向に
いくつかの部分に分割し、それぞれの部位が最も精度良
く探傷できるような探触子を選定する。その時、ジャー
ナル部などの探傷を目的に垂直探触子を使用する可能性
はある。
【0015】1.2 判定の自動化 従来、人が行っている判定作業は健全軸の波形と比較し
て異なる波形が出た場合きずと判定している。したがっ
て、この作業を自動化するためには、予め記憶しておい
た健全軸の波形と探傷した波形を比較し、健全軸の波形
を大きく上回るものをきずと判定すればよい。
【0016】尚、同一軸種では同じような波形を示すと
はいえ、実際には車軸1本1本微妙に波形が異なるとい
う問題があるが、実際に使用している健全な車軸のデー
タを集積して、健全車軸で高いエコーを示すデータを集
めそれを判定の基準にすることで対処できる。
【0017】また、軸端での探触子の接触状態により探
傷波形全体が上下するという問題があるが、安定した接
触状態が得られるよう探触子の走査(回転)は自動で行
うことで対処でき、また、手動でも安定した探傷のでき
る治具を用いれば対処可能である。
【0018】1.3 探傷精度 自動判定可能なきずの大きさはモデル軸における試験お
よび実車軸により決定するが、現状の手動探傷精度以上
の精度を得ることが可能となる。
【0019】1.4 その他 探傷はこれまで同様、車軸の両側から片側ずつ行うもの
とし、1人の作業者が全ての操作を行うことが可能とな
る。
【0020】以下、図面を参照してこの発明の一実施の
形態について説明する。図1は、この発明の一実施の形
態による中実車軸の超音波探傷方法を示す概略図であ
る。
【0021】図1に示すように、車軸の端面には最大4
個の探触子を装備できる。各探触子は屈折角に応じて車
軸のある軸方向範囲の部位、例えばジャーナル部、車輪
座内ボス部などを探傷する。そして、4個の探触子によ
り軸全長の探傷を行うと同時に、探触子が軸端で1回転
することにより車軸の全周を探傷する。また、車輪座外
ボス部など片側からだけでは探傷しきれない箇所がある
ためと探傷面と反対側は距離が遠くなって探傷精度が落
ちるため、探傷は車軸の両端から行う。
【0022】図2は、探傷結果の自動判定の方法を示す
概略図である。健全軸を多数探傷し、きずのない超音波
探傷波形の最大値を記録する。それを上方に持ち上げ、
さらに距離方向(時間軸)に余裕を持たせた自在形状の
ゲートを作成する。そして、通常の車軸探傷を行いこの
自在形状のゲートをきず判定レベルとし、これを越えた
エコーをきずと判定する。
【0023】つまり、健全車軸の波形のばらつきを考慮
して各探傷範囲ごとにきず判定レベルを予め設定し、探
傷した波形と比較して、きず判定レベルを上回るエコー
をきずと判定する。
【0024】図3は、この発明の一実施の形態による中
実車軸の超音波自動探傷装置を示す構成図である。走査
装置31は車軸30の軸端に図示せぬ探触子を押しつけ
て回転走査をするものである。超音波を車軸に伝えるた
めの接触媒質には油を使用するため、油ポンプ32を別
に装備している。超音波信号の送受は探傷ユニット35
で行う。探傷波形は従来の超音波探傷より、細かな判定
を行うため、拡張ユニット37内のA/D変換器でコン
ピュータに取り込んだ後でデータ処理を行う。走査装置
31、油ポンプ32、拡張ユニット37、および探傷ユ
ニット35の制御は、探傷ユニット35を通じて制御用
コンピュータ39で行う。
【0025】走査装置31において、探触子は取り換え
可能であり、接触媒質はタービン油を使用し、余分な油
は循環して再利用する。
【0026】探傷ユニット35はいわゆる超音波探傷器
にあたるところであり、探傷ユニット35の前面には、
自動探傷、感度較正、手動走査などのための制御スイッ
チが取り付けられている。
【0027】制御用コンピュータ39は、装置全体の制
御を行うと共に、探傷波形のデータ処理ならびに探傷結
果等の表示を行う。
【0028】次に、図3に示す中実車軸の超音波自動探
傷装置の機能について説明する。 2.1 各種設定機能 (1)較正 モデル軸の各部位に入れた人工きずをもとに、エコー高
さを較正する。十分なS/Nが得られているかのチェッ
クを行う。距離方向(時間軸)の調整を行う。 (2)探触子設定 走査装置に取り付けられている探触子に合わせて、周波
数、屈折角、測定範囲などを設定する。 (3)較正条件設定 モデル軸の人工きず位置、較正時のゲート範囲、感度較
正の設定値、目標S/N比、カップリングチェック条件
などを設定する。 (4)探傷条件 探傷時間、きず判定範囲、きず表示範囲などを設定す
る。 (5)車軸形状 エコーの位置をわかりやすくするために画面上に示す車
軸の形状データを入力する。
【0029】2.2 ゲート作成機能 図4(a)〜(c)は、ゲート作成機能を説明する図で
ある。健全軸の定形波を収集して、健全軸の探傷波形の
最大値を抽出し、エコー高さ方向および距離方向に修正
してゲートを作成することができる。図4(a)は、健
全軸の探傷波形の最大値を示す図であり、図4(b)
は、ゲートを作成するため、図4(a)に示す波形を3
dB持ち上げた図であり、図4(c)は、図4(b)に
示す波形に3mm程度距離方向(車軸の軸方向)に余裕を
つけてゲートを作成した図である。尚、ゲートを作成す
る際のエコー高さ方向および距離方向の修正は、エコー
高さ方向に3dB持ち上げ、距離方向に3mm程度余裕を
つけることに限られず、エコー高さ方向に「2dB〜6
dB」の範囲持ち上げ、距離方向に「1mm〜5mm」の範
囲の余裕をつけるものであっても良い。
【0030】2.3 自動探傷機能 探傷には車軸全長を探傷する通常の自動探傷と通常探傷
後特定の部位を精密に探傷する2つのモードがある。通
常の自動探傷では軸方向および円周方向のエコーデータ
が収集され、きずの自動判定が行われる。精密探傷では
特定の軸方向部位での軸方向および円周方向のエコーの
データが収集される。記録は、軸方向に集約された各チ
ャンネルの自動探傷データおよび円周方向データを含む
精密探傷データが保存される。
【0031】軸種はM軸(駆動軸)・T軸(従動軸)の
2種類設定でき、一台車取り付けられている2本の車軸
の方向が反対方向なので探傷はA端(駆動軸の場合ギア
側)・B端(駆動軸の場合反ギア側)を自動で切り換え
ながら行われる。
【0032】2.4 解析機能 図5(a)は、自動探傷によりきずと判定したエコーの
表示を示す図であり、取った直後の探傷波形のビデオ再
生(取ったデータを画面上で再現する)をすることがで
きる。図5(b)は、エコーの軸方向と円周方向の2次
元分布を示す図であり、図5(c)は、ゲートを上回っ
たエコーのみ表示するきずエコー抽出が出力された図で
ある。また、各精密探傷の保存データが表示できる。
【0033】上述した中実車軸の超音波自動探傷方法に
ついて、探傷精度の向上とメンテナンスコストの削減の
両面から考えると、自動判定機能付きの複数の局部セン
サを使用した図1に示すような多チャンネル回転式の局
部探傷が有利である。センサの当たる面を軸端にするこ
とにより、斜角探傷のような広い面の磨き作業をなくす
ことができる。
【0034】また、センサを回転することにより、運転
所などで在姿状態のまま使用できるようになるととも
に、検修工場においては地上設備が簡素化され設備レイ
アウトの変更なども容易になる。
【0035】また、探傷精度は、センサの周波数を高く
したり送信超音波の波の数を少なくすることである程度
向上させることができる。
【0036】センサーである探触子の選定を目的とし
て、どの周波数の探触子でどの範囲を探傷するとどの程
度の探傷精度があるのかを調査するため、上述した中実
車軸の超音波自動探傷装置に周波数の異なる探触子を取
り付けてモデル軸のきず検出精度を調べた。この結果に
ついて以下に説明する。
【0037】使用した探触子を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】図6は、使用したモデル軸の人工きず仕様
を示すものである。
【0040】3.試験法法 3.1 感度調整 モデル車軸の深さ3mmの鋸きず状の人工きず(放電加工
きず)を25dBに設定する。ただし、車軸座外ボスのみ
深さ10mmの人工きずを25dBとする。
【0041】3.2 探触子と検出対象きず 探傷ヘッドに装備された探触子の屈折角と検出対象とな
る人工きずを表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】3.3 探傷方法 表2に示すように各チャンネルに屈折角の異なる探触子
をつけ、4つの探触子で車軸全般をカバーできるように
探傷した。ゲートはモデル輪軸の探傷波形を3dB持ち上
げ車軸方向に2mm程度余裕をつけたものを暫定的に作っ
た。このとき、人工きず位置のゲートは円周方向上人工
きずのない位置でのエコーを参考にゲートを作成した。
【0044】4.試験結果 4.1 周波数別きず検出能 モデル輪軸を探傷した結果をチャンネル及び周波数別に
表したものを図7〜図10に示す。これらの図は上から
Aスコープ、3次元表示、およびきず抽出の状態を表示
している。3次元表示において、円周方向の原点を決め
ていないのできずの位置は円周方向上異なった位置にあ
る。
【0045】各チャンネルとも2MHzのデータはいわ
ゆる圧入エコーが多い。また、周波数が低いため波形の
幅が広くきずとその他のエコーの分離が良くない。5M
Hzは圧入エコーが少なくきずの分離は良いが、圧入し
たことによりきずエコー高さが低くなっている。感度較
正時各チャンネルとも中心ビームに近い3mmの人工きず
エコーは車軸単体で25dBに設定されている。
【0046】3MHzは、2MHzと5MHzの中間的
な特性を示しており、2MHzと5MHzの長所を兼ね
備えている。例えば、圧入エコ−が低く、圧入によるき
ずエコ−の低下が少ない。また、チャンネル4のように
距離が遠くなった場合、周波数が高くなると減衰が大き
くなるため感度を上げる必要があり、5MHzの探触子
の場合は環境ノイズなどの他のノイズが入りやすくなる
が、3MHzはその点でも優れている。
【0047】先に述べた暫定的に決めたゲ−トを用いた
場合検出可能なきずを表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】モデル輪軸での試験結果から、中実車軸超
音波自動探傷装置用として適している探触子の周波数は
チャンネル1、2、および4は3MHz、チャンネル3
は5MHzと考えられる。
【0050】自動探傷時の油膜厚さの変動によるエコ−
の安定性や、きずの傾きなどによる超音波の指向性の点
では、周波数の低い方が有利なことが考えられるので3
チャンネルについては実車軸の定形波のデ−タを比較す
ることにした。
【0051】4.2 実車軸の定形波 図11(a)〜(c)は、3チャンネルにおける実車軸
の定形波のピーク値を示すものであり、3MHzの探触
子を使用したとき(サンプル数31本)と5MHzの探
触子を使用したとき(サンプル数14本)の実車軸の定
形波のピ−ク値を比較した図である。5MHzの探触子
も3MHzの探触子を使用したとき同様比較的高いエコ
−が検出され、圧入エコ−の点では大きな差のないこと
がわかった。したがって、先に述べた自動探傷時の油膜
厚さの変動によるエコ−の安定性や、きずの傾きなどに
よる超音波の指向性を考慮すると3チャンネルも3MH
zの探触子を用いた方がよいと考えられる。
【0052】5.結論 周波数2、3、5MHzの探触子を用いてモデル輪軸の
探傷試験を実施した結果、ジャ−ナル部、車輪座内ボス
部、中央平行部を含む車輪座外ボス部の中実車軸超音波
探傷装置の探触子の周波数は3MHzが適していること
が分かった。
【0053】ギヤ座の探傷にはモデル輪軸の探傷試験結
果からは 5MHzの探触子の優越性が認められたものの
実車軸の探傷からは3MHzとの差が小さく、自動探傷
時のエコ−の安定性を考慮すると3MHzの探触子が適
当と判断された。
【0054】尚、この自動判定方法は垂直探傷における
波形にも応用できるものである。
【0055】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
複数の健全軸を超音波探傷し、この探傷波形の最大値を
抽出し、エコー高さ方向及び距離方向に修正してゲート
を作成し、被探傷車軸の探傷を行うことにより得られた
探傷波形を該ゲートと比較し、このゲートを越えたエコ
ーをきずエコーと判定する。したがって、中実車軸のき
ずの判定を自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による中実車軸の超音
波探傷方法を示す概略図。
【図2】探傷結果の自動判定の方法を示す概略図。
【図3】この発明の一実施の形態による中実車軸の超音
波自動探傷装置を示す構成図。
【図4】この発明の一実施の形態による中実車軸の超音
波自動探傷装置のゲート作成機能を説明する図。
【図5】図5(a)は、自動探傷によりきずと判定した
エコーの表示を示す図であり、図5(b)は、エコーの
軸方向と円周方向の2次元分布を示す図であり、図5
(c)は、ゲートを上回ったエコーのみ表示するきずエ
コー抽出が出力された図である。
【図6】使用したモデル軸の人工きず仕様を示す図。
【図7】チャンネル1でモデル輪軸を探傷した結果を周
波数別に表した図。
【図8】チャンネル2でモデル輪軸を探傷した結果を周
波数別に表した図。
【図9】チャンネル3でモデル輪軸を探傷した結果を周
波数別に表した図。
【図10】チャンネル4でモデル輪軸を探傷した結果を
周波数別に表した図。
【図11】3チャンネルにおける実車軸の定形波のピー
ク値を示すものであり、3MHzの探触子を使用したと
きと5MHzの探触子を使用したときの実車軸の定形波
のピ−ク値を比較した図。
【図12】従来の中実車軸(中ぐりしていない車軸)の
超音波探傷方法を示した車輪のついた車軸の断面図。
【図13】健全軸の垂直探傷波形の一例を示す図。
【図14】健全軸の局部探傷波形の一例を示す図。
【符号の説明】
30…車軸、31…走査装置、32…油ポンプ、35…
探傷ユニット、37…拡張ユニット、39…制御用コン
ピュータ。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の健全軸を軸端から超音波探傷し、 この探傷波形の最大値を抽出し、 この最大値を高さ方向に所定の高さ持ち上げ、該最大値
    を車軸の軸方向に所定の長さの余裕をつけることにより
    自在形状のゲートを作成し、 被探傷軸の探傷を行うことにより得られた探傷波形を該
    ゲートと比較し、 このゲートを越えたエコーをきずエコーと判定すること
    を特徴とする中実車軸の超音波自動探傷方法。
  2. 【請求項2】 車軸の軸端から車軸に超音波を伝える探
    触子と、 該探触子を車軸の軸端に押しつけて回転走査する走査装
    置と、 超音波信号に送受を行う探傷ユニットと、 複数の健全軸を超音波探傷し、この探傷波形の最大値を
    抽出し、この最大値を高さ方向に所定の高さ持ち上げ、
    該最大値を車軸の軸方向に所定の長さの余裕をつけるこ
    とにより自在形状のゲートを作成するゲート作成手段
    と、 被探傷車軸の探傷を行うことにより得られた探傷波形を
    上記ゲートと比較し、このゲートを越えたエコーをきず
    エコーと判定する自動判定手段と、 を具備することを特徴とする中実車軸の超音波自動探傷
    装置。
  3. 【請求項3】 上記探触子から超音波を車軸に伝える際
    の接触媒質としての油を供給する油ポンプをさらに含む
    ことを特徴とする請求項記載の中実車軸の超音波自動
    探傷装置。
  4. 【請求項4】 上記探触子の周波数は3MHz近辺であ
    ることを特徴とする請求項記載の中実車軸の超音波自
    動探傷装置。
JP01772797A 1997-01-17 1997-01-17 中実車軸の超音波自動探傷方法及びその装置 Expired - Fee Related JP3157120B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01772797A JP3157120B2 (ja) 1997-01-17 1997-01-17 中実車軸の超音波自動探傷方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01772797A JP3157120B2 (ja) 1997-01-17 1997-01-17 中実車軸の超音波自動探傷方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10206396A JPH10206396A (ja) 1998-08-07
JP3157120B2 true JP3157120B2 (ja) 2001-04-16

Family

ID=11951787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01772797A Expired - Fee Related JP3157120B2 (ja) 1997-01-17 1997-01-17 中実車軸の超音波自動探傷方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3157120B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200485116Y1 (ko) * 2015-02-11 2017-12-28 정현철 다용도 선풍기

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234807A (ja) * 2005-01-31 2006-09-07 Nsk Ltd 欠陥検出方法
US7343827B2 (en) * 2005-11-08 2008-03-18 M-I L.L.C. System and process for break detection in porous elements for screening or filtering
ES2294942B1 (es) * 2006-09-22 2009-02-16 Interlab, Ingenieria Electronica Y De Control, S.A.U. Procedimiento y aparato para inspeccionar un eje de material rodante ferroviario.
JP6014525B2 (ja) * 2013-03-22 2016-10-25 Jfeスチール株式会社 超音波探傷の探触子および超音波探傷方法
EP3594677A1 (en) * 2018-07-08 2020-01-15 Fundacíon Tecnalia Research & Innovation Method and system for detecting cracks in wind turbines using ultrasound
CN114200013A (zh) * 2020-09-17 2022-03-18 云南缔邦检测有限公司 一种接触网作业车轮对轮轴相控阵检测方法
CN112630303B (zh) * 2020-12-30 2023-05-05 中钢集团邢台机械轧辊有限公司 滚动轴承支承辊辊颈过渡圆弧探伤检测方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200485116Y1 (ko) * 2015-02-11 2017-12-28 정현철 다용도 선풍기

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10206396A (ja) 1998-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7650790B2 (en) Method of inspecting a component and an apparatus for inspecting a component
US20160305915A1 (en) System for inspecting rail with phased array ultrasonics
JP6441321B2 (ja) 超音波伝送による改良型検査方法
DK1930722T3 (en) Fremgangsmåde til ikke-destruktiv afprøvning af et arbejdsemne og ikke-destruktiv afprøvningsindretning
JP4694576B2 (ja) タービン部品の欠陥検出方法および装置
CN105510441B (zh) 多通道组合探头联动检测方法
CA1096033A (en) System and method for residual tire life prediction by ultrasound
JP3157120B2 (ja) 中実車軸の超音波自動探傷方法及びその装置
CN105510442B (zh) 多相控阵探头动态联动聚焦检测方法
KR100975330B1 (ko) 초음파 탐상 장치 시스템 및 그 제어 방법
US10564128B2 (en) Method and device for the near surface, nondestructive inspection by means of ultrasound of a rotationally symmetric workpiece having a diameter that changes from section to section
CN115930851A (zh) 一种t型电子束焊缝熔宽的检测方法及装置
CN108845025B (zh) 一种带铜套的销钉孔的涡流检测系统及方法
JP3484031B2 (ja) 超音波探傷装置
US7805997B2 (en) On-machine method for determining transmission shaft assembly quality
JP2691822B2 (ja) 中ぐり車軸の斜角探傷方法
JPH01158348A (ja) 超音波探傷装置
JPH07167840A (ja) 車軸の斜角探傷方法
CA3092172A1 (en) Method and device for testing a component non-destructively
JPH01299456A (ja) 超音波探傷装置
JPH1082766A (ja) 超音波探傷装置及び欠陥識別支援装置
JP2002214207A (ja) 溶接部の検査方法及び超音波探傷装置
JP2019049503A (ja) 車軸の超音波探傷方法及びそのシステム
JP4049985B2 (ja) 超音波探傷装置および方法
Doyle et al. Ultrasonic method for inspection of the propellant grain in the space shuttle solid rocket booster

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080209

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees