JP2007218404A - スライダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライダ装置の内部振動を抑制し、振動の少ない安定したスライダ装置を提供する。
【解決手段】第1の部材10と、第1の部材10を介して対向する部分を有し第1の部材に対して相対移動可能に配置された第2の部材20と、第2の部材20の第1の部材を介して対向する部分にそれぞれ設けられ第1の部材10との間に空気による静圧を作用させて第1の部材10を非接触で支持する空気静圧軸受30A〜30Dとを備える。空気静圧軸受30Aは、第2の部材20に固定的に配置される固定部32Aと、固定部32Aに対して第1の部材10に向かう方向に進退自在に設けられ第1の部材10に対して空気による静圧を供給する空気静圧部33Aを備える。さらに、空気静圧部30Aは、固定部32Aと空気静圧部33Aとの間にバネ部材34Aと、振動を減衰させる振動減衰部材35Aとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気静圧軸受を用いたスライダ装置に関するものであり、より具体的に説明すると、例えば、三次元測定機のXYZ駆動機構等に組み込まれ、案内機構として機能するスライダ装置に関する。
従来、空気静圧軸受(エアーベアリング)を用いたスライダ装置は、特許文献1に示すように、X軸方向に延びるビーム(第1の部材)と、このビームに対してX軸方向にスライド自在に設けられたスライダ(第2の部材)と、スライダに設けられてビームに対向して配置された複数のエアーベアリングとを備えて構成されている。複数のエアーベアリングは、ビームの案内面に対してエアーによる静圧を与えて、スライダをビームに対して非接触で支持させる。ビームを挟んで対向するエアーベアリングの一方には、エアーベアリングがビームの案内面側にプリロードされるようにバネが設けられており、これにより、剛性が最も高くなる状態でエアーベアリングが使用される。
一般に、プリロード発生用のバネの剛性は、エアーベアリングの空気膜の剛性よりも低くなる。そのため、スライダとビームの案内面との距離が変化した場合に、その変化量をプリロード用バネの収縮で吸収することができる。
しかしながら、上記のようなスライダ装置であっても、スライダに様々な過渡的な力が作用すれば、その力によりスライダに振動が生じる。スライダに作用する過渡的な力とは、例えば、駆動力を発生させる機構(ボールねじなど)に起因する振動、加速時に作用する荷重変動などである。
上述したようにスライダ装置は、空気膜の剛性により物体を支持する案内機構であるため、空気膜の粘性のみによって、振動を減衰させる必要がある。このようなスライダ装置以外、その他の案内機構(転がり案内、すべり案内)であれば、潤滑に用いられるグリースや油の粘性により、振動を減衰させることができる。
しかし、一般的に、転がり案内やすべり案内の潤滑に用いられるグリースや油の粘性と比べて、空気の粘性は低い。そのため、エアーベアリングによるスライダ装置は、他の案内機構(転がり案内、すべり案内)と比較して、減衰効果が低い。
以上のようなスライダ装置において減衰効果を得る方法として、案内面と対向するエアパッドの溝の形に工夫を施したものがある。例えば、特許文献2に記載のエアパッドは、2箇所の空気の噴出し口を形成し、その2箇所の噴出し口からH型とI型を組み合わせた形状の凹みが加工されている。このように加工することにより、空気膜の特性を利用して減衰効果を高めることを可能としている。しかしながら、このようなスライダ装置では、その構造、大きさ及び材料によっては、H型やI型などの複雑な形状の加工が、困難となる場合も考えられる。
特開平8−121481号公報 特開2003−194059号公報
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであって、スライダ装置の振動を抑制し、振動の少ない安定したスライダ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るスライダ装置は、第1の部材と、前記第1の部材を介して対向する部分を有し前記第1の部材に対して相対移動可能に配置された第2の部材と、前記第2の部材の前記第1の部材を介して対向する部分にそれぞれ設けられ前記第1の部材との間に流体による静圧を作用させて前記第1の部材を非接触で支持する流体静圧軸受とを備えたスライダ装置において、前記第2の部材を介して対向する流体静圧軸受の少なくとも一方は、前記第2の部材に固定的に配置される固定部と、前記固定部に対して前記第1の部材に向かう方向に進退自在に設けられ前記第1の部材に対して流体による静圧を供給する流体静圧部と、前記固定部と前記流体静圧部との間に設けられ前記第1の部材に対して静圧をプリロードするための押圧部材と、前記固定部と前記流体静圧部との間に設けられ前記固定部と前記流体静圧部の間の振動を減衰させる振動減衰部材とを備えたものであることを特徴とする。
本発明によれば、スライダ装置の空気静圧軸受に押圧部材及び振動減衰部材により減衰特性を持たせることによって、第1又は第2の部材の振動を減衰させることができる。したがって、前記減衰特性により、スライダ装置の振動を抑制し、振動の少ない安定したスライダ装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るスライダ装置を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るスライダ装置の断面図である。スライダ装置は、主に、紙面と直交する軸方向(三次元測定機の場合、例えばX軸方向)に延びる四角柱状のビーム(第1の部材)10と、このビーム10に対してスライド自在に配置され、ビーム10を取り囲む矩形環状のスライダ(第2の部材)20と、スライダ20のビーム10を介して対向する部分にそれぞれ設けられ、ビーム10との間に空気による静圧を作用させてスライダ20をビーム10に対して非接触で支持させる第1〜第4の空気静圧軸受30A,30B,30C,30Dとを備えている。スライダ20は、例えば、アルミ合金鋳物(AC4C)などで、ビーム10は、例えば、Al−Mg−Si合金(A6063)などで形成されている。
第1の空気静圧軸受30Aは、スライダ20の内周表面20aからスライダ20の軸心に向かって垂直に設けられた押し螺子31Aと、その押し螺子31Aの先端に固定的に配置された固定部32Aと、固定部32Aに対してビーム10に向かってエアーによる静圧を供給する第1空気静圧部33Aと、固定部32Aと第1空気静圧部33Aとの間に設けられたバネ部材34Aと、バネ部材34Aと並列した位置であって固定部32Aと第1空気静圧部33Aとの間に設けられた振動減衰部材35Aと、外部より第1空気静圧部33Aにエアーを吸入する第1エアー配管36Aとを有する。第1空気静圧部33Aは、押し螺子31Aの回転に伴いビーム10に対して進退可能であると共に、第1エアー配管36Aからエアーを供給され、エアーをビーム10の外周表面10aに噴射し、それら第1空気静圧部33Aとビーム10の間に第1空気膜40Aを形成する。なお、振動減衰部材35Aは、例えば、シリコンゲル(GELTEC社製:θ―8)などで形成されている。
第2の空気静圧軸受30Bは、主に、スライダ20の内周表面20aからスライダ20の軸心に向かって伸びた押し螺子31Bと、押し螺子31Bの先端に配置された第2空気静圧部33Bと、その第2空気静圧部33Bに空気を供給する第2エアー配管36Bとを有する。第2空気静圧部34Bは、第1空気静圧部34Aと同様に、押し螺子31Bの回転に伴いビーム10に対して進退可能であると共に、第2空気静圧部33Bにより、第2空気静圧部33Bとビーム10との間に空気膜40Bを形成する。
第1の空気静圧軸受30A及び第2の空気静圧軸受30Bは、ビーム10を挟んで垂直方向に対向するように配置され、第3の空気静圧軸受30C及び第4の空気静圧軸受30Dは、ビーム10を挟んで水平方向に対向するように配置されている。第3の空気静圧軸受30Cは、第1の空気静圧軸受30Aと同様の構成であり、第4の空気静圧軸受30Dは、第2の空気静圧軸受30Bと同様の構成である。したがって、第3の空気静圧軸受30C及び第4の空気静圧軸受30Dは、第1の空気静圧軸受30A及び第2の空気静圧軸受30Bによりビーム10にもたらされる効果と同様の効果を奏する。すなわち、第3の空気静圧軸受30C及び第4の空気静圧軸受30Dは、第3空気膜40C及び第4空気膜40Dをビーム10の外周表面10aに形成する。
このように、スライダ20に設けられた第1〜第4空気静圧軸受30A〜30Dからビーム10の外周表面10aに対して、第1〜第4空気膜40A〜40Dが形成されている。従って、ビーム10は、スライダ20の内周表面20aと接触することなく、浮いた状態に支持可能とされている。
なお、図1においては、説明を簡略化するために、1つのスライダ20に二対の空気静圧軸受、すなわち、第1の空気静圧軸受30A,第2の空気静圧軸受30B及び第3の空気静圧軸受30C及び第4の空気静圧軸受30Dのみ示しているが、一般的には、さらに複数の空気静圧軸受が設けられ、そのような場合であっても、本実施形態は適応可能である。
次に、バネ部材34A及び押し螺子31Aがもたらすプリロードについて説明する。以下の説明においては、その対象を第1の空気静圧軸受30Aと第2の空気静圧軸受30Bとの関係に絞り、簡略化して説明する。なお、第1の空気静圧軸受30Aと第2の空気静圧軸受30Bとの関係は、第3の空気静圧軸受30Cと第4の空気静圧軸受30Dとの関係においてもそのまま適応することができる。プリロードは、バネ部材34Aを押し螺子31A及び31Bにより圧縮することにより発生する。発生したプリロードによる力fは、第1の空気静圧軸受30Aに作用し、その反作用力が、力fとしてスライダ20を押し返す。スライダ20の剛性は、十分に高いので、同時に第2の空気静圧軸受30Bに力fとしてプリロードを与える。
上記の構成により、プリロードを与えている理由は、第1空気静圧部33A及び第2空気静圧部33Bの剛性が最も高くなる状態でスライダ装置を使用するためである。
空気静圧部のみの特性曲線の一例を図2に示す。ここで、横軸は、空気静圧部34とビーム10の外周表面10aとの間隔(以下、軸受すきま)[μm]であり、縦軸は、負荷容量[N]である。図2に示すように、空気静圧部の剛性は、軸受すきまの変化に対して非線形特性を示す。そこで、本実施形態においては、押し螺子31A及び31B、バネ部材34Aを用いてスライダ装置にプリロードを与え、スライダ装置の剛性が最も高くなる状態、例えば、図2に示す領域Aに設定されている。押し螺子31A及び31Bを調整により、空気静圧部からのエアー流量に変動が生じた等の場合であっても、プリロードを修正することが可能である。また、領域A以外の剛性を必要とする場合、押し螺子31A及び31Bの調整によりその領域に設定することが可能である。
一般に、プリロード発生用となるバネ部材34Aの剛性は、第1の空気静圧軸受30A,第2の空気静圧軸受30Bの第1空気膜40A,第2空気膜40Bの剛性よりも低くなる。したがって、スライダ20の内周表面20aとビーム10の外周表面10aとの距離が変化した場合に、その変化量はバネ部材34Aの伸縮により吸収することができる。
次に、図3に、本実施形態に係るスライダ装置の構造の力学モデル1を示す。第1空気静圧部33Aは、そのビーム10側に第1空気膜40Aによる剛性kと、減衰係数cとが働く。また、第1空気静圧部33Aのスライダ20側にバネ部材34Aによるバネ定数kと、振動減衰部材35Aによる減衰係数cとが働く。
一方、第2空気静圧部33Bは、そのビーム10の側に第2空気膜40Bによる剛性kと、減衰係数cとが働く。
ここで、スライダ20がアルミ合金鋳物(AC4C)で形成されているとすれば、剛性が十分に高いとみなすことができる。したがって、スライダ装置の構造の力学モデル1を図4に示されるスライダ装置の構造の力学モデル2のように描き改めることができる。なお、第1空気静圧部33Aの重量をmとし、スライダ20の重量をmとし、定常時からのビーム10の第1空気静圧部33A側への移動量をx、第1空気静圧部33Aのスライダ20側への移動量をx、スライダ20のxと同方向への移動量をxとする。
即ち、書き改められた図3に示すスライダ装置の構造の力学モデル2を運動方程式で表すと、以下に示すように第1空気静圧部33Aに対しては、式(1)となり、ビーム10に対しては、式(2)となる。
Figure 2007218404
Figure 2007218404
これら式(1)及び式(2)をラプラス変換し、整理すると、以下に示すように第1空気静圧部33Aに対して式(3)となり、ビーム10に対して式(4)となる。
Figure 2007218404
Figure 2007218404
ここで、パラメータは以下の通りである。
:xのラプラス変換、X:xのラプラス変換、F:fのラプラス変換、s:ラプラス演算子
式(3)、式(4)をもとに、Xを消去して、スライダ20に作用した外力fから、スライダ20の変位xに関する伝達関数X/Fを求めると、式(5)となる。
Figure 2007218404
このようにして導かれた式(5)の周波数伝達特性の例を図5及び図6に示す。図5は、ゲイン線図であり、図6は位相線図である。図5及び図6において、符号Xにより示される破線は、振動減衰部材35Aが組み込まれていない場合を想定し、式(5)においてc=0としたときの周波数伝関数シミュレーション結果である。同じく、符号Yにより示される実線は、cに粘性減衰係数を設定した場合の周波数伝達関数のシミュレーション結果である。なお、後述する図7においても、符号X及び符号Yは、図5及び図6の場合と同意である。
より具体的には、符号Xにより示される破線は、mを0.004kg、mを526kg、kを154.84N/mm、cを0.0Ns/mm、kを1.1N/mm、kを147.0N/mm、cを0.0Ns/mmとしてシミュレーションを行った結果であり、符号Yで示される実線は、上記定数に加えて、cを1.0Ns/mmとしてシミュレーションを行った結果である。本実施形態においては、上記のような数値を有する構成が好ましいが、シミュレーションは、一例であり、これら数値に限定されるものではない。
シミュレーション結果である図5を参照すると、符号Xで示される破線の振幅特性のピークよりも、符号Yで示される実線の振幅特性のピークの方が小さくなっている。このことから、振動減衰部材35Aの導入により、xの動き、すなわちスライダ20の運動が非振動的になっていることが分かる。同様に、図6に示される位相特性においても、実線の曲線Yが破線の曲線Xよりも緩やかに変化しており、図5と同様にスライダ20の運動が非振動的になっていることが分かる。
次に、図7を参照して、スライダ装置の構造の力学モデル1をもとに機構解析(シミュレーション)を実施した結果(時間波形)を説明する。符号Xで示される破線は、減衰することなく振動的な波形を示しているが、符号Yで示される実線は、経過時間と共に振動が減衰している。したがって、振動減衰部材35Aの導入により、スライダ装置に生じた振動は、共鳴することなく急速に減衰していき、安定状態へと収束することがわかる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るスライダ装置は、第1実施形態と同様に、ビーム10と、スライダ20と、4つの空気静圧軸受30とを備えている(図示略)。しかし、第2実施形態に係るスライダ装置は、空気静圧軸受30A,30Cに替えて図8に示すような空気静圧軸受30Eを用いている点が、第1実施形態と異なる点である。
図8は、本発明の第2実施形態に係るスライダ装置の空気静圧軸受の概略を示す図である。空気静圧軸受30Eは、主に、第1実施形態と同様の構成を持つ空気静圧部33Eと、その空気静圧部33Eをビーム10側に押圧するエアーシリンダ装置34Eとからなる。
エアーシリンダ装置34Eは、主として、円筒型であってスライダ20側に底面を有し、その底面がスライダ20に固定されたシリンダ341と、シリンダ341の開口を塞ぐエンドピース342と、シリンダ341の内周面に当接する円板状のピストン343と、ピストン343の中心から延びエンドピース342の開口342aからシリンダ341の外部に突出したピストンロッド344と、ピストンロッド344の先端に設けられ空気静圧部33Eと接する鋼球からなる球面支持部345とから構成されている。また、スライダ20,シリンダ341の底面及びシリンダ341の開口付近には、それぞれ通気孔20b,通気孔341a,通気孔341bが形成されており、スライダ20に形成された通気孔20bには、流体が流れる流体配管346が接続されている。また、ピストン343の側面には、全周に亘ってOリング347が設けられている。このOリング347により、シリンダ341とピストン343とは密接した状態とされている。したがって、通気孔341aからのみ流体が出入する第1空間348と、通気孔341bからのみ流体が出入する第2空間349とが構成されている。
空気静圧部33Eとエアーシリンダ装置34Eとの間には、球面支持部345を囲むように振動減衰部材35Eが設けられている。
このように形成された第2実施形態に係るスライダ装置においては、エアー配管36Eより流入された空気を空気静圧部33Eからビーム10に噴射させれば、第1実施形態と同様に、空気膜40Eが形成され、スライダ20は、ビーム10に対して被接触で支持された状態とされる。
また、流体配管346より、流体を第1空間348に流入させ、ピストン343を押圧すれば、プリロードが発生する。このプリロードは、ピストン343の断面積と第1空間348に流入される流体の圧力との積により決定される。つまり、エアーシリンダ装置34Eは、第1空間348に流入される流体により剛性を持つので、第1実施形態のバネ部材34Aと同様の効果を生じさせる。さらに、エアーシリンダ装置34Eは、加える流体の圧力調整により、その剛性を変更できるので調整部材としても機能する。そして、振動減衰部材35Eが、エアーシリンダ装置34Eと空気静圧部33Eとの間に設けられているので、エアーシリンダ装置34Eの剛性により生じた振動を急速に減衰させ、空気静圧軸受30Eを安定状態とさせている。
第1及び第2実施形態において、減衰性を与えるために、空気静圧軸受としてバネ部材34A又はエアーシリンダ装置34Eを有することのない構造、すなわち空気静圧部33A(33E)及び振動減衰部材35A(35E)のみを有する構造も想定されうるが、この場合にあっては、ヒステリシスによる変位残差が発生するという問題がある。第1実施形態においてはバネ部材34Aと振動減衰部材35Aとを共に設けていることから、バネ部材34Aの伸縮により補償され、変位誤差の影響が略問題になることはない。また、第2実施形態においてもエアーシリンダ装置34Eと振動減衰部材35Eとを共に設けているので、エアーシリンダ装置34Eによる剛性により補償され、変位誤差の影響が略問題になることはない。
上記のように構成されたスライダ装置を案内機構とする三次元測定機によれば、内部振動が抑制され、測定精度が向上される。或いは、工作機械に使用すれば、高精度な加工が実現できる。
以上、発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。例えば、第1実施形態に係るスライダ装置においては、一つの空気静圧部に対してバネ部材及び振動減衰部材は、それぞれ一つずつであったが、それらは複数であってもよく、空気静圧部とビームとの間の距離がプリロードを発生させる最適な距離に設計されている場合には、上記において説明した押し螺子を備えなくともよい。また、第2実施形態に係るスライダ装置においても、さらに複数の振動減衰部材を配置することが可能である。また、空気静圧部で生じさせる静圧は、空気によらなくとも、流体によるものであればよい。
本発明の第1実施形態に係るスライダ装置の概略を示す図である。 空気静圧部の特性曲線を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るスライダ装置の力学モデルを示す図である。 本発明の第1実施形態に係るスライダ装置の力学モデルを示す図である。 本発明の第1実施形態に係るスライダ装置の周波数応答シミュレーション結果を示すゲイン線図である。 本発明の第1実施形態に係るスライダ装置の周波数応答シミュレーション結果を示す位相線図である。 本発明の第1実施形態に係るスライダ装置の機構解析シミュレーション結果を示す時間経過による振動を表す図である。 本発明の第2実施形態に係るスライダ装置の空気静圧軸受の概略を示す図である。
符号の説明
10…ビーム、10a…外周表面、20…スライダ、20a…内周表面、30A…第1の空気静圧軸受、30B…第2の空気静圧軸受、30C…第3の空気静圧軸受、30D…第4の空気静圧軸受、30E…空気静圧軸受、31…押し螺子、32…固定部、33A,33E…空気静圧部、34A…バネ部材、34E…エアーシリンダ装置、35A,35E…振動減衰部材、36A…エアー配管、40A…第1空気膜、40B…第2空気膜、40C…第3空気膜、40D…第4空気膜、40E…空気膜。

Claims (8)

  1. 第1の部材と、
    前記第1の部材を介して対向する部分を有し前記第1の部材に対して相対移動可能に配置された第2の部材と、
    前記第2の部材の前記第1の部材を介して対向する部分にそれぞれ設けられ前記第1の部材との間に流体による静圧を作用させて前記第1の部材を非接触で支持する流体静圧軸受と
    を備えたスライダ装置において、
    前記第2の部材を介して対向する流体静圧軸受の少なくとも一方は、
    前記第2の部材に固定的に配置される固定部と、
    前記固定部に対して前記第1の部材に向かう方向に進退自在に設けられ前記第1の部材に対して流体による静圧を供給する流体静圧部と、
    前記固定部と前記流体静圧部との間に設けられ前記第1の部材に対して静圧をプリロードするための押圧部材と、
    前記固定部と前記流体静圧部との間に設けられ前記固定部と前記空気静圧部の間の振動を減衰させる振動減衰部材と
    を備えたものであることを特徴とするスライダ装置。
  2. 前記第2の部材から前記第1の部材に向かって進退する調整部材が設けられ、
    前記流体静圧部は、前記調整部材の先端に設けられ、前記調整部材の進退によって前記プリロード量を調整されるものである
    ことを特徴とする請求項1記載のスライダ装置。
  3. 前記振動減衰部材は、シリコンゲルであることを特徴とする請求項1又は2記載のスライダ装置。
  4. 前記流体は、空気であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスライダ装置。
  5. 前記押圧部材は、バネ部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のスライダ装置。
  6. 前記調整部材は、螺子であることを特徴とする請求項2記載のスライダ装置。
  7. 前記押圧部材は、エアーシリンダ装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のスライダ装置。
  8. 前記エアーシリンダ装置は、エアー圧力を可変として前記調整部材を兼ねるものであることを特徴とする請求項7記載のスライダ装置。
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