JP2007218246A - 流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジング内に潤滑油を確実に溜めることができ、且つ、潤滑油の粘度を高めて摺動部への供給を可能とする流体機械を提供する。
【解決手段】膨張部110と、この膨張部110と共に作動する回転電機部120とがハウジング111、121内に収容された流体機械において、回転電機部120を膨張部110の上側に配設する。また、膨張部110から吐出される作動流体をハウジング111、121内の上方に導く流体通路111dを設けて、作動流体が流体通路111dからハウジング111、121内に流入した時に、作動流体の流速低下に伴って作動流体内部に含まれる潤滑油が分離されるようにする。そして、膨張部110の上側に、潤滑油を溜めると共に高温部Vからの熱が伝達されるオイル溜め部101と、オイル溜め部101から膨張部110の摺動部113c、113dへ潤滑油を導くオイル通路102とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば内燃機関の排熱を加熱源とするランキンサイクルに配設される膨張発電機、あるいは冷媒循環用のポンプと一体的に形成される膨張発電機に適用して好適な流体機械に関するものである。
従来の流体機械として、例えば特許文献1に示されるように、ポンプモータ機構(圧縮機兼用の膨張機)と回転電機とがハウジング内に一体的に形成されたものが知られている。この流体機械は、実施例中では作動軸が水平方向となる姿勢で使用されるようになっている。ポンプモータ機構には弁機構が設けられており、ポンプモータ機構は弁機構によって作動流体の流れ方向が切替えられて、圧縮機あるいは膨張機として機能するようになっている。また、ハウジングにおいて、回転電機の反ポンプモータ機構側となる位置に低圧ポートが設けられている。そして、ポンプモータ機構が膨張機として作動する時に、膨張機から吐出される作動流体は、回転電機内を通り低圧ポートから流出する。
特開2004−232492号公報
通常、上記のような流体機械においては、作動流体中に潤滑油を混入して、この潤滑油によって膨張機あるいは回転電機の摺動部の潤滑を果たすようにしている。しかしながら、上記流体機械を膨張機の上側に回転電機が位置する姿勢で使用すると、膨張機から吐出される作動流体は回転電機の下側から上側に向かい、低圧ポートから流出することになる。よって、ハウジングの回転電機領域内で、作動流体から潤滑油を分離しても、順次流入する作動流体によって、潤滑油が低圧ポート側に持ち出されてしまい、回転電機領域内の下方に潤滑油を溜めることができない。また、膨張機の吐出側は吸入側に比べて温度が低く、潤滑油に多くの作動流体が溶け込んでしまい、潤滑油粘度が低下する。その結果、摺動部の油膜厚さが充分に確保できなくなる。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、ハウジング内に潤滑油を確実に溜めることができ、且つ、潤滑油の粘度を高めて摺動部への供給を可能とする流体機械を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、加熱されて気相状態となった作動流体の膨張によって駆動力を発生する膨張部(110)と、膨張部(110)と共に作動する回転電機部(120)とが、ハウジング(111、121)内に収容された流体機械において、膨張部(110)から吐出される作動流体の内部に含まれる潤滑油を分離する分離手段と、ハウジング(111、121)内で、分離された潤滑油を溜めるオイル溜め部(101)と、潤滑油を加熱する加熱手段と、オイル溜め部(101)に溜められた潤滑油を膨張部(110)の摺動部(113c、113d)に供給する供給手段(102)とを設けたことを特徴としている。
これにより、ハウジング(111、121)内のオイル溜め部(101)に分離した潤滑油を確実に溜めることができる。そして、潤滑油を加熱して、潤滑油に含まれる作動流体を蒸発させることができ、粘度の高い潤滑油を供給手段(102)によって膨張部(110)の摺動部(113c、113d)へ供給することができる。
請求項2に記載の発明では、回転電機部(120)は、膨張部(110)の上側に配設され、膨張部(110)から吐出される作動流体を、ハウジング(111、121)内の上方に導く流体通路(111d)が設けられると共に、分離手段は、作動流体が流体通路(111d)からハウジング(111、121)内に流入した時に、作動流体の流速低下に伴って潤滑油を分離するように構成され、オイル溜め部(101)は、膨張部(110)の上側に配設され、加熱手段は、膨張部(110)から吐出される作動流体の温度よりも高い温度となる高温部(V)であり、供給手段(102)は、オイル溜め部(101)から膨張部(110)の摺動部(113c、113d)へ潤滑油を導くオイル通路(102)としたことを特徴としている。
これにより、回転電機部(120)を膨張部(110)の上側に配置して使用する場合に、ハウジング(111、121)内で分離した潤滑油は、自重によって下方に向かうので、作動流体の流れによってそのままハウジング(111、121)の外部に流出されることがない。よって、潤滑油をオイル溜め部(101)に確実に溜めることができる。そして、高温部(V)によってオイル溜め部(101)で潤滑油を加熱して、潤滑油に含まれる作動流体を蒸発させることができ、粘度の高い潤滑油をオイル通路(102)を通して、膨張部(110)の摺動部(113c、113d)へ供給することができる。
請求項3に記載の発明のように、高温部(V)は、膨張部(110)の高圧側領域部(V)として容易に形成することができる。
請求項4に記載の発明では、オイル溜め部(101)と、高温部(V)とを仕切る仕切り部(101a)は、一般部に対して薄肉に形成されたことを特徴としている。
これにより、仕切り部(101a)の熱抵抗を低下させることができるので、高温部(V)からオイル溜め部(101)への熱伝達性能を向上させることができる。
請求項1〜請求項4に記載の発明において、請求項5に記載の発明のように、オイル溜め部(101)は、回転電機部(120)の下側に設けて好適であり、高温部(V、114)とオイル溜め部(101)との間の熱伝達性能を向上させることができる。
請求項5に記載の発明において、請求項6に記載の発明では、膨張部(110)から吐出される作動流体は、回転電機部(120)内を流通して、あるいは回転電機部(120)の作動を制御するインバータ(51A)に近接して流通して、オイル溜め部(101)に至ることを特徴としている。
これにより、回転電機部(120)あるいはインバータ(51A)の発熱によって潤滑油を加熱することができるので、ここでも潤滑油に含まれる作動流体を蒸発させることができ、潤滑油がオイル溜め部(101)に至る前に潤滑油の粘度を上げることができる。
請求項7に記載の発明では、膨張部(110)の作動流体吐出側で、作動流体を循環させるポンプ部(130)が、膨張部(110)と一体的に設けられており、オイル溜め部(101)の潤滑油は、膨張部(110)とポンプ部(130)との間の差圧によって吸引されて、オイル通路(102)から摺動部(113c、113d)へ導かれることを特徴としている。
これにより、潤滑油をスムース且つ確実に摺動部(113c、113d)へ供給することができる。
請求項8に記載の発明では、摺動部(113c、113d)へ導かれた潤滑油は、更にポンプ部(130)のポンプ摺動部(132b、132c)に導かれることを特徴としている。
これにより、高粘度の潤滑油をポンプ摺動部(132b、132c)へも供給でき、ポンプ部(130)の信頼性も向上させることができる。
請求項9に記載の発明では、オイル溜め部(101)には、潤滑油との接触面積を拡大するフィン(101b)が設けられたことを特徴としている。
これにより、高温部(V)からの熱を更に効果的に伝達でき、作動流体の蒸発効果を高めることができる。
請求項10に記載の発明では、膨張部(110)の作動流体吐出側とオイル溜め部(101)との間に、作動流体から潤滑油を分離するオイル分離手段を設けたことを特徴としている。
これにより、更にオイル溜め部(101)に至る潤滑油の粘度を上げることができる。
請求項11に記載の発明では、膨張部(110)の作動流体吐出側で、作動流体を循環させるポンプ部(130)を備え、回転電機部(120)は、膨張部(110)の下側に配設され、ポンプ部(130)は、回転電機部(120)の下側に配設され、オイル溜め部(101)は、ポンプ部(130)の下側に配設され、膨張部(110)から吐出される作動流体をオイル溜め部(101)に導く流体通路(111d)と、オイル溜め部(101)からポンプ部(130)のポンプ摺動部(132b、132c)および摺動部(113c、113d)を経て、流体通路(111d)に合流するオイル通路(102A)と、オイル溜め部(101)の潤滑油をポンプ摺動部(132b、132c)、摺動部(113c、113d)側に圧送するオイルポンプ(105)とを有し、分離手段は、流体通路(111d)においてオイル通路(102A)が合流する合流点の下流側に設けられ、供給手段は、オイル通路(102A)およびオイルポンプ(105)から構成され、加熱手段は、オイル通路(102A)の合流点における膨張部(110)からの吐出作動流体としたことを特徴としている。
これにより、上から順に膨張部(110)、回転電機部(120)、ポンプ部(130)を配置する場合に、流体通路(111d)とオイル通路(102A)とによって循環通路を形成でき、オイルポンプ(105)によって潤滑油を循環させることができる。そして、合流点において膨張部(110)から吐出される高温の作動流体によって潤滑油を加熱して、粘度を高めることができるので、摺動部(113c、113d)およびポンプ摺動部(132b、132c)に高粘度の潤滑油を供給することができる。
請求項12に記載の発明のように、流体通路(111d)は、膨張部(110)の吐出側から一旦、回転電機部(120)が収容されるハウジング(121)内に連通した後に、外部に流出されてオイル溜め部(101)に接続され、オイル通路(102A)は、摺動部(113c、113d)を経た後に、ハウジング(121)内に連通して形成されるようすることができる。
また、請求項13(追加)に記載の発明のように、膨張部(110)、回転電機部(120)、ポンプ部(130)は、1つの軸(118、124、132)によって接続されており、オイル通路(102A)の一部(103)は、軸(118、124、132)内に形成されるようにすれば、容易にオイル通路(102A)を形成することができる。
請求項12、請求項13に記載の発明においては、回転電機部(120)が収容されるハウジング(111、121)内と、ポンプ部(130)が収容されるハウジング(131)内とでは、圧力差が生ずるので、請求項14に記載の発明のように、回転電機部(120)とポンプ部(130)との間に、回転電機部(120)側からポンプ部(130)側への潤滑油の漏れを防止するオイルシール(107)を設けるようにすると良い。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る流体機械を冷媒ポンプ一体型膨張発電機(以下、ポンプ膨張発電機)100として、このポンプ膨張発電機100を、車両用冷凍サイクル30の凝縮器32および気液分離器33が共用されるランキンサイクル40に使用したものとしている。ポンプ膨張発電機100は、膨張機(本発明における膨張部に対応)110、電動機および発電機としてのモータジェネレータ(本発明における回転電機部に対応)120、冷媒ポンプ(本発明におけるポンプ部に対応)130が一体的に形成されたものである。以下、全体のシステム構成について図1を用いて説明する。
まず、冷凍サイクル30について簡単に説明すると、冷凍サイクル30は、低温側の熱を高温側に移動させて冷熱および温熱を空調に利用するもので、圧縮機31、凝縮器32、気液分離器33、減圧器34、蒸発器35が順次環状に接続されて形成されている。
圧縮機31は、駆動ベルト12、プーリ31a、電磁クラッチ31bを介して車両のエンジン10の駆動力が伝達されて作動し、冷凍サイクル30内の冷媒を高温高圧に圧縮するものである。凝縮器32は、圧縮機31で高温高圧に圧縮された冷媒を冷却して、凝縮液化する熱交換器である。尚、ファン32aは、凝縮器32に冷却風(車室外空気)を送るものである。気液分離器33は、凝縮器32で凝縮された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を流出させるレシーバである。
減圧器34は、気液分離器33で分離された液相冷媒を減圧膨脹させる膨張弁である。蒸発器35は、減圧器34にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮する熱交換器であり、空調ケース30a内に配設されている。そして、送風機35aによって空調ケース30a内に供給される空調空気(外気あるいは内気)を冷却する。
そして、ランキンサイクル40は、エンジン10で発生した廃熱からエネルギー(膨張機110にて発生される駆動力)を回収するものであり、上記冷凍サイクル30に対して、凝縮器32、気液分離器33が共用されて形成されている。即ち、凝縮器32と気液分離器33とをバイパスするバイパス流路41が設けられて、このバイパス流路41の気液分離器33側から冷媒ポンプ130、加熱器42、膨張機110が配設されて、凝縮器32に繋がることでランキンサイクル40が形成されている。
冷媒ポンプ130は、ランキンサイクル40内の冷媒(本発明における作動流体に対応し、冷凍サイクル30内の冷媒と同一)を後述する加熱器42側へ圧送して循環させるものであり、詳細についてはポンプ膨張発電機100として後述する。
加熱器42は、冷媒ポンプ130から圧送される冷媒と、エンジン10に設けられた温水回路20内を循環するエンジン冷却水(温水)との間で熱交換することにより、冷媒を加熱する(冷媒を過熱蒸気冷媒とする)熱交換器である。
尚、温水回路20には、エンジン冷却水を循環させる電動式の水ポンプ21、エンジン冷却水と外気との間で熱交換してエンジン冷却水を冷却するラジエータ22、およびエンジン冷却水(温水)を加熱源として空調空気を加熱するヒータコア23が設けられている。また、ラジエータ22には、ラジエータバイパス流路22aが設けられて、エンジン冷却水の温度に応じて弁部が開閉するサーモスタット22bによって、ラジエータ22を流通するエンジン冷却水流量が調節されるようになっている。尚、ヒータコア23は、蒸発器35と共に空調ケース30a内に配設されており、蒸発器35とヒータコア23とによって空調空気は、乗員が設定する設定温度に調整される。
膨張機110は、上記加熱器42から流出される過熱蒸気冷媒(本発明における気相状態となった作動流体に対応)の膨張により、駆動力を発生するものであり、詳細についてはポンプ膨張発電機100として後述する。
そして、上記冷凍サイクル30、ランキンサイクル40内の各種機器の作動を制御するための通電制御回路50が設けられている。通電制御回路50は、インバータ51と制御機器52とを有している。
インバータ51は、モータジェネレータ120の作動を制御するものである。即ち、モータジェネレータ120を電動機として作動させる時に、車両用のバッテリ11からモータジェネレータ120に供給する電力を制御し、また、モータジェネレータ120が膨張機110の駆動力によって発電機として作動される時に、発電される電力をバッテリ11に充電するものである。
また、制御機器52は、上記インバータ51の作動を制御すると共に、冷凍サイクル30およびランキンサイクル40を作動させる際に電磁クラッチ31b、ファン32a、膨張機110内の均圧弁117(電磁弁117e(図2))等を併せて制御するものである。
次に、ポンプ膨張発電機100の構成について図2を用いて説明する。ポンプ膨張発電機100は、膨張機110と、モータジェネレータ120と、冷媒ポンプ130とが同軸上で連結され、一体的に形成されている。ポンプ膨張発電機100は、作動軸が天地方向となり、下から上に向けて順に膨張機110、モータジェネレータ120、冷媒ポンプ130となるように配設されている。
膨張機110は、周知のスクロール型圧縮機構と同一構造を有するもので、具体的には、膨張機ハウジング(本発明におけるハウジングに対応)111を成すフロントハウジング111aとシャフトハウジング111bとの間に固定される固定スクロール112、この固定スクロール112に対向して旋回変位する旋回スクロール113、高圧室114から作動室Vに繋がる流入ポート115、連通路116を開閉する均圧弁117等から成るものである。
固定スクロール112は、板状の基板部112aおよび基板部112aから旋回スクロール113側に突出した渦巻状の歯部112bを有して構成され、一方、旋回スクロール113は、上記歯部112bに接触して噛み合う渦巻状の歯部113b、およびこの歯部113bが形成された基板部113aを有して構成されており、両歯部112b、113bが接触した状態で旋回スクロール113が旋回することにより、両スクロール112、113により形成される作動室Vの体積が拡大縮小するようになっている。
旋回スクロール113とシャフトハウジング111bとの間には、後述する冷媒中の潤滑油が供給されて、旋回スクロール113の滑らかな旋回運動を助ける摺動プレート113cが介在されている。
シャフト118は、シャフトハウジング111bに固定された軸受け118bによって回転可能に支持されている。シャフト118は、一方の長手方向端部に回転中心軸に対して偏心したクランク部118aを有するクランクシャフトである。このクランク部118aは、ベアリング113dを介して旋回スクロール113に連結されている。
また、自転防止機構119は、シャフト118が1回転する間に旋回スクロール113がクランク部118a周りに1回転するようにするものである。このためシャフト118が回転すると、旋回スクロール113は、自転せずにシャフト118の回転中心軸周りを公転旋回する。そして、作動室Vは、例えばシャフト118の回転(モータジェネレータ120からの駆動力)に伴って、更には、加熱器42からの過熱蒸気冷媒の膨張によって、旋回スクロール113の中心側から外径側に変位するほど、その体積が拡大するように変化する。
流入ポート115は、基板部112aの中心部に設けられて、フロントハウジング111aに設けられた高圧室114と、最小体積となる作動室Vとを連通させて高圧室114に導入された高温、高圧の冷媒、つまり過熱蒸気冷媒を作動室Vに導くポートである。尚、上記高圧室114には、加熱器42に接続される高圧ポート111cが設けられている。
尚、膨張機110から凝縮器32に接続される低圧ポート121aは、後述するモータハウジング(本発明におけるハウジングに対応)121の上方(冷媒ポンプ130側)に設けられている。そして、低圧ポート121aの反対側となるモータハウジング121の側方には、膨張機110の両スクロール112、113の低圧側(スクロールの外周側)から、上方に向けて延びてモータハウジング121内の上方に繋がる吐出ガス通路(本発明における流体通路に対応)111dを設けるようにしている。よって、低圧ポート131aと膨張機110の低圧側(スクロールの外周側)との間は、吐出ガス通路111dと、モータハウジング121内の空間とによって連通されるようにしている。
均圧弁117は、ランキンサイクル40内の異常発生時(例えば、モータジェネレータ120の回転数異常、制御不能等の場合)に、高圧室114と両スクロール112、113の低圧側とを繋ぐ連通路116を強制的に開くことで、作動室V内での過熱蒸気冷媒の膨張作動が成されないようにして、膨張機110を安全且つ確実に停止させるための弁である。均圧弁117は、背圧室117b側にバネ117cが介在された弁体117aと、所定の通路抵抗を有して背圧室117bと高圧室114とを連通させる抵抗手段としての絞り117dと、高圧室114側あるいは低圧側の開閉によって背圧室117b内の圧力を調整する電磁弁117eとから成る。
電磁弁117eの開閉は、制御機器52によって制御され、電磁弁117eの低圧側が開かれると、背圧室117bの圧力が低圧側に抜けることで高圧室114より低下して、高圧室114側の圧力によって弁体117aがバネ117cを押し縮めながら図2中の下側に変位して、連通路116が開かれることになる。
モータジェネレータ120は、ステータ122およびステータ122内で回転するロータ123等から成るもので、シャフトハウジング111bに固定されるモータハウジング121内に収容されている。ステータ122は、巻き線が巻かれたステータコイルであり、モータハウジング121の内周面に固定されている。ロータ123は、永久磁石が埋設されたマグネットロータであり、モータ軸124に固定されている。モータ軸124の一端側は、上記膨張機110のシャフト118に接続されており、また、他端側は、直径が細くなるように形成されて、後述する冷媒ポンプ130のポンプ軸132に接続されている。
そして、モータジェネレータ120は、ランキンサイクル40の起動時において、バッテリ11からインバータ51を介して、ステータ122に電力が供給されることで、ロータ123を回転させて、膨張機110、および後述する冷媒ポンプ130を駆動するモータ(電動機)として作動する。また、モータジェネレータ120は、膨張機110の膨張時に発生した駆動力によってロータ123を回転させるトルクが入力されると、冷媒ポンプ130を駆動すると共に、膨張機110での発生駆動力が冷媒ポンプ130用の駆動力を超えた時に、電力を発生させるジェネレータ(発電機)として作動する。そして、得られた電力は、インバータ51を介してバッテリ11に充電されるようになっている。
冷媒ポンプ130は、ローリングピストン型のポンプであって、モータジェネレータ120の反膨張機側に配設されて、モータハウジング121に固定されるポンプハウジング131内に収容されている。
冷媒ポンプ130は、ポンプハウジング131の内部に形成されるシリンダ133a、ロータ134等を有している。シリンダ133aは、シリンダブロック133の中心部で断面円形に穿設されて形成されている。
ポンプ軸132は、上記モータ軸124と接続されており、シリンダブロック133を挟み込む端板137に固定された軸受け132b、132cによって回転可能に支持されている。軸受け132b、132cは、冷媒ポンプ130の主たる摺動部に対応する。ポンプ軸132には、このポンプ軸132に対して偏心した円形のカム部132aが形成されており、このカム部132aの外周側には扁平円筒状のロータ134が装着されている。ロータ134の外径は、シリンダ133aの内径より小さく設定されてシリンダ133a内に挿入されており、ロータ134はカム部132aによってシリンダ133a内を公転する。また、ロータ134の外周部にはロータ134の半径方向に摺動可能として、中心側に押圧されてロータ134に当接するベーン135が設けられている。そして、シリンダ133a内において、ロータ134およびベーン135によって囲まれる空間がポンプ作動室Pとして形成されている。
シリンダブロック133には、ベーン135に近接して、このベーン135を挟むようにシリンダ133a内に連通する冷媒流入部133b、および冷媒流出部(図示省略)が設けられている。冷媒流入部133bはポンプハウジング131を貫通する吸入ポート131aに接続されており、また、冷媒流出部は吐出弁133cを介して、ポンプハウジング131とシリンダブロック133(端板137)との間に形成される高圧室136に連通している。そして、高圧室136はポンプハウジング131のモータジェネレータ120側となる側壁に形成された吐出ポート131bに繋がっている。
この冷媒ポンプ130においては、冷媒はロータ134の公転作動によって、吸入ポート131a、冷媒流入部133bからポンプ作動室Pに流入され、冷媒流出部、吐出弁133c、高圧室136を経て吐出ポート131bから吐出される。
本ポンプ膨張発電機100においては、ポンプ膨張発電機100内を冷媒と共に循環する潤滑油を溜めると共に、その潤滑油の粘度を高めて摺動部に供給するための手段を設けている。
即ち、膨張機110の上方で、且つモータジェネレータ120の下方に、冷媒から分離された潤滑油を溜めるオイル溜め部101を設けている。具体的には、このオイル溜め部101は、シャフトハウジング111bにおいて、モータジェネレータ120のステータ122の下端よりも更に下側に、つまり膨張機110の摺動部としての摺動プレート113c側に近接するように掘り込まれた溝状部として形成されている。
オイル溜め部101と摺動プレート113cとの間は、仕切り部101aとして形成されており、この仕切り部101aの肉厚は、シャフトハウジング111bの一般部よりも薄くなるようにしている。そして、仕切り部101aに、オイル溜め部101の底部から摺動プレート113cの上側に連通する通路としてオイル通路102を形成するようにしている。
また、一体的に形成されたシャフト118、モータ軸124、ポンプ軸132の内部に、クランク部118aの長手方向端部からカム部132aの外周部に連通する通路としてシャフト通路103を形成するようにしている。そして、シャフト通路103内でカム部132aの外周部に近接する位置には、所定の通路抵抗を有する抵抗手段としてのオリフィス104を設けている。
次に、本実施形態におけるポンプ膨張発電機100の作動およびその作用効果について説明する。
まず、エンジン10の廃熱が充分得られる(エンジン冷却水温度が充分高い)場合で、ランキンサイクル40を起動させる際に、制御機器52はインバータ51からの電力供給によりモータジェネレータ120を電動機として駆動させて、膨張機110および冷媒ポンプ130を作動させる。すると、気液分離器33から冷媒が吸引され、加熱器42に圧送され、圧送された冷媒は加熱器42によって加熱される。
そして、加熱器42によって加熱された高温高圧の過熱蒸気冷媒が、膨張機110の作動室Vに導入されて膨脹する。過熱蒸気冷媒の膨脹により旋回スクロール113が旋回すると、旋回スクロール113に接続されたモータジェネレータ120、冷媒ポンプ130が作動される。ここで、膨張機110の駆動力が冷媒ポンプ130駆動のための駆動力を超えると、モータジェネレータ120は発電機として作動されることになり、制御機器52はモータジェネレータ120によって発電される電力をインバータ51を介してバッテリ11に充電する。
そして、膨張機110で膨脹を終えて圧力が低下した冷媒は、凝縮器32→気液分離器33→バイパス流路41→冷媒ポンプ130→加熱器42→膨脹機110の順に循環することになる(ランキンサイクル40を循環)。
尚、制御機器52は、ランキンサイクル40に何らかの異常等が発生した場合は、均圧弁117を開くことで過熱蒸気冷媒が作動室V内を流通しないようにして、膨張機110を確実に停止させる。また、乗員の空調要求がある場合は、電磁クラッチ31bによってプーリ31aと圧縮機31とを接続して、エンジン10の駆動力によって圧縮機31を作動させて、冷凍サイクル30による空調を行う。また、凝縮器32の凝縮能力調整のために、ファン32aの作動回転数を制御する。
上記ランキンサイクル40の作動時に、ポンプ膨張発電機100内においては、加熱器42によって加熱された高圧の過熱蒸気冷媒は、高圧ポート111cから高圧室114に流入し、以下、流入ポート115→作動室V→両スクロール112、113の低圧側(スクロールの外周側)→吐出ガス通路111d→モータハウジング121内→低圧ポート121aの順に流れ、凝縮器32に至る。
ここで、過熱蒸気冷媒が吐出ガス通路111dからモータハウジング121内に流入すると、流路の拡大に伴って流速が低下し、冷媒から潤滑油が分離する。つまり、本実施形態では吐出ガス通路111dおよびモータハウジング121は、潤滑油を分離する分離手段として機能する。そして、分離された潤滑油は、モータジェネレータ120のステータ122やロータ123の巻き線、あるいは部材間の隙間を通り自重によって落下し、最下部のオイル溜め部101に溜まる。オイル溜め部101に溜められた潤滑油は、高温部(高圧側領域)となる膨張機110の作動室Vや高圧室114からの熱を受けて(熱伝達によって)、加熱されることになる。
潤滑油が上記のように加熱されることによって、潤滑油中に含まれる冷媒が蒸発され、潤滑油の粘度が上昇する。例えば、約80℃で作動している膨張機110から、膨張吐出された冷媒は外気温度25℃では1.0MPa、45℃ほどになる。この状態では潤滑油中には冷媒が40%(質量分立)ほど溶け込んだ状態となるため、潤滑油の粘度は7cst程度まで低下している。しかしながら、潤滑油が約60℃まで加熱されると冷媒は半分以上は蒸発し、粘度は10cst程度に上昇して膨張機110の潤滑に適した粘度となる。
更に、オイル溜め部101で加熱されて粘度の上昇した潤滑油は、自重によってオイル通路102を流れ落ち、更には、膨張機110と冷媒ポンプ130間の圧力差によって吸引されて、膨張機110の摺動部としての摺動プレート113c、ベアリング113dに至り、シャフト通路103を経て、冷媒ポンプ130のロータ134から摺動部としての軸受け132b、132cへ至る。軸受け132b、132cへ至った潤滑油は、ポンプ作動室Pから冷媒ポンプ130における液冷媒に再度溶け込み、ランキンサイクル40内を再度循環する。尚、シャフト通路103内を流通する潤滑油量は、オリフィス104によって調整されることになる。つまり、オリフィス104の抵抗によって、潤滑油の流通が許容されつつも、多量の冷媒がモータハウジング121からシャフト通路103を通って直接冷媒ポンプ130に至ることはない。
以上のように、本実施形態のポンプ膨張発電機100においては、膨張機110から吐出される冷媒をモータハウジング121内の上方に導く吐出ガス通路111dを設けて、冷媒が吐出ガス通路111dからモータハウジング121内に流入した時に、冷媒の流速低下に伴って冷媒内部に含まれる潤滑油が分離されるようにしている。更に、オイル溜め部101およびオイル通路102を設けるようにしている。これにより、モータハウジング121内で分離した潤滑油は、自重によって下方に向かうので、冷媒の流れによってそのままモータハウジング121の外部に流出されることがない。よって、潤滑油をオイル溜め部101に確実に溜めることができる。そして、オイル溜め部101で潤滑油を加熱して、潤滑油に含まれる冷媒を蒸発させることができ、粘度の高い潤滑油をオイル通路102を通して、膨張部110の摺動プレート113c、ベアリング113dへ供給することができる。
尚、油膜の厚さは潤滑油の粘度に応じて確保できるので、充分な粘度が確保できることで、例えば摺動部の表面粗さをそれほど精密に研磨仕上げをしなくても、油膜により部材同士の接触を避けることができ、安価な加工でも膨張機110の信頼性を確保することができる。また軸受け(113d)も高粘度雰囲気で使用することで、疲労寿命に至る前に異常な摩耗を起こす恐れもなくなり、より安価な軸受けでも信頼性を確保できるようになる。
また、オイル溜め部101と高温部(作動室V、高圧室114)とを仕切る仕切り部101aを一般部に対して薄肉となるよう形成しているので、仕切り部101aの熱抵抗を低下させて、高温部からオイル溜め部101への熱伝達性能を向上させることができる。
また、膨張機110から吐出されてモータハウジング121内に流入した冷媒は、モータジェネレータ120のステータ122やロータ123の巻き線や部材間の隙間を通り自重によって落下していくようにしている。よって、ステータ122やロータ123の作動時の発熱によって潤滑油を加熱することができるので、ここでも潤滑油に含まれる冷媒を蒸発させることができ、潤滑油がオイル溜め部101に至る前に潤滑油の粘度を上げることができる。
また、シャフト通路103を設けて膨張機110と冷媒ポンプ130間の圧力差で、潤滑油を冷媒ポンプ130側に吸引するようにしているので、潤滑油をスムース且つ確実に摺動部(113c、113d)へ供給することができると共に、冷媒ポンプ130へも高粘度の潤滑油を供給することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図3に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、オイル溜め部101に対する高温部を、主に膨張機110の高圧室(高圧側領域部)114としたものである。具体的には、高圧室114を膨張機110の側方に配置し、この高圧室114がオイル溜め部101に近接するようにしている。
これにより、作動室V内よりも、より高温状態となっている過熱蒸気冷媒によってオイル溜め部101内の潤滑油を加熱することができるので、上記第1実施形態よりも、より効果的に潤滑油内に含まれる冷媒を蒸発させることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図4に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、オイル溜め部101に溜めた潤滑油を加熱する高温部として、モータジェネレータ120用のインバータ51Aとしたものである。
ここでは、インバータ51Aは、モータジェネレータ120のモータハウジング121の外周面に一体的に形成されるものとしており、インバータ51A内の発熱部51Bがオイル溜め部101に近接するようにしている。
これにより、膨張機110の高圧側領域部に限られることなく、インバータ51A(発熱部51B)を加熱源として、オイル溜め部101内の潤滑油を加熱することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図5に示す。第4実施形態は、上記第1実施形態に対して、オイル溜め部101の内壁に伝熱面積(接触面積)を拡大するフィン101bを追加したものである。ここでは、フィン101bは、オイル溜め部101の底部となる仕切り部101aから上方に延びる複数の薄板状のフィンとしている。
これにより、高温部(作動室V)からの熱を更に効果的に伝達でき、冷媒の蒸発効果を高めることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図6に示す。第5実施形態は、上記第1実施形態に対して、ポンプ膨張発電機100における膨張機110、モータジェネレータ120、冷媒ポンプ130の配置を変更すると共に、膨張機110および冷媒ポンプ130の摺動部に対する潤滑油の供給構造を変更したものである。
図6に示すように、ポンプ膨張発電機100は、上側から下側に向けて膨張機110、モータジェネレータ120、冷媒ポンプ130が順に配置されている。膨張機110における膨張機ハウジング111は、フロントハウジング111aと固定スクロール112とによって形成されている。また、膨張機110の両スクロール112、113の低圧側は、モータハウジング121内(ステータ122の上側)に連通されている。
モータジェネレータ120のモータハウジング121の側壁には、上下方向に延びる吐出ガス通路(本発明における流体通路に対応)111dが設けられている。吐出ガス通路111dの上端側は外部に開口して低圧ポート121aを形成している。また、低圧ポート121aの直下において、モータハウジング121に穿設された連通孔111eによって、モータハウジング121内と吐出ガス通路111d内とが連通されている。
連通孔111eと低圧ポート121aとの間には、分離手段としての遠心分離機106が設けられている。遠心分離機106は、上下方向に延びて、吐出ガス通路111dの内径よりも小径となる円筒状のパイプ部材から形成されている。パイプ部材の上端側は大径部として形成されており、この大径部の外周面が吐出ガス通路111dの内周面に当接して、連通孔111eと低圧ポート121aとの間が閉塞されると共に、パイプ部材の内部空間によって連通孔111eと低圧ポート121aとが連通されるようになっている。そして、吐出ガス通路111dの下端側は、後述する冷媒ポンプ130の下側に位置するオイル溜め部101内に連通している。
冷媒ポンプ130において、ポンプハウジング131内の下側空間はオイル溜め部101として形成されている。シリンダ133を上下に挟み込む2つの端板137のうち、下側となる端板137の上部にはロータ134(ロータ134の軸支部)に臨む凹状のポンプ収容部102bが形成されている。ポンプ収容部102b内には、ポンプ軸132の回転に伴って作動するオイルポンプ105が設けられている。オイルポンプ105は、ここでは、内歯歯車(アウタロータ)内で外歯歯車(インナロータ)が噛み合いながら公転して、流体(潤滑油)を圧送するトロコイドポンプとしている。そして、端板137には、オイル溜め部101とポンプ収容部102bとを繋ぐパイプ102aが設けられている。
一体的に形成されたシャフト118、モータ軸124、ポンプ軸132の内部には、ロータ134上端からクランク部118aの長手方向端部に連通するシャフト通路103が形成されている。シャフト連通路103の下端側はロータ134側と連通し、上端側はベアリング113d、軸受け118bを介してモータハウジング121内に連通している。
上記のパイプ102a→ポンプ収容部102b→オイルポンプ105→ロータ134→シャフト通路103→モータハウジング121は、順次連通してオイル通路102Aを形成し、また、上記オイル通路102Aにモータハウジング121→連通孔111e→吐出ガス通路111d→オイル溜め部101が順次連通して潤滑油の循環通路を形成している。
モータジェネレータ120と冷媒ポンプ130との間となるモータ軸124(ポンプ軸132)には、両者120、130間をシールして潤滑油の行き来(漏れ)を阻止するオイルシール107が設けられている。
次に、本実施形態におけるポンプ膨張発電機100の作動およびその作用効果について説明する。
ランキンサイクル40の作動時に、ポンプ膨張発電機100内においては、加熱器42によって加熱された高圧の過熱蒸気冷媒は、高圧ポート111cから高圧室114に流入し、以下、流入ポート115→作動室V→両スクロール112、113の低圧側(スクロールの外周側)を経てモータハウジング121内に至る。
そして、過熱蒸気冷媒は、モータハウジング121内から連通孔111eを通り、吐出ガス通路111dに流入する。吐出ガス通路111dにおいては、過熱蒸気冷媒は、遠心分離機106の外周面に沿って旋回しながら下方へ流れる。この時、過熱蒸気冷媒中に含まれる潤滑油は、冷媒に対して比重量が大きいことから、冷媒から分離されて吐出ガス通路111dの内周面側に集まり、重力によって下方に流れ、オイル溜め部101に溜められる。遠心分離機106によって潤滑油が分離された後の過熱蒸気冷媒は、遠心分離機106のパイプ部材の内部空間を通り低圧ポート121aから流出する。
オイル溜め部101に溜められた潤滑油は、ポンプ軸132の回転に伴って作動するオイルポンプ105によって、パイプ102aから吸引されて、ロータ134の軸支部を通り、シャフト通路103内に流入する。この時、軸受け132b、132cに潤滑油が供給されることになる。
シャフト通路103内を流通する潤滑油は、クランク部118a側から軸受け113d、118bに供給されてモータハウジング121内に至る。この時、潤滑油は膨張機110から吐出されてモータハウジング121内に流入する過熱蒸気冷媒と合流して、加熱されることになり、潤滑油の粘度が高められる。そして、潤滑油は過熱蒸気冷媒と共に連通孔111eから吐出ガス通路111dに流入して、更に下流側となる遠心分離機106に至り、上記循環を繰り返す。
これにより、上から順に膨張機110、モータジェネレータ120、冷媒ポンプ130を配置する場合に、モータハウジング121内から連通する吐出ガス通路111dと、オイル通路102Aとによって循環通路を形成でき、オイルポンプ105によって潤滑油を循環させることができる。そして、オイル通路102Aからモータハウジング121内に合流する合流点において、膨張機110から吐出される高温の過熱蒸気冷媒によって潤滑油を加熱して、粘度を高めることができるので、膨張機110の摺動部(ベアリング113d、軸受け118b)および冷媒ポンプ130の摺動部(軸受け132b、132c)に高粘度の潤滑油を供給することができる。
また、一体的に形成されたシャフト118、モータ軸124、ポンプ軸132の内部に、ロータ134上端からクランク部118aの長手方向端部に連通するシャフト通路103を形成するようにしているので、容易にオイル通路102Aを形成することができる。
また、過熱蒸気冷媒は遠心分離機106によって減圧されるので、モータハウジング121内と、ポンプハウジング131内とでは、圧力差が生ずるが(モータハウジング121内の圧力>ポンプハウジング131内の圧力)、モータジェネレータ120と冷媒ポンプ130との間にオイルシール107を設けるようにしているので、モータジェネレータ120側から冷媒ポンプ130側に潤滑油が漏れることがない。
(その他の実施形態)
上記各実施形態に対して、膨張機110の冷媒吐出側とオイル溜め部101との間に、膨張機110から吐出された冷媒に対して積極的に潤滑油を分離するオイル分離手段、例えば遠心分離機を設けて、この遠心分離機で分離された潤滑油をオイル溜め部101に溜めるようにしても良い。これにより、更に効果的に潤滑油の粘度を上昇させることができる。
また、第3実施形態で説明したインバータ51Aの発熱部51Bをモータハウジング121の中間部に設定して、この発熱部51Bによって、ステータ122やロータ123の巻き線や部材間の隙間を通り自重によって落下していく際の冷媒を加熱するようにしても良い。
また、上記各実施形態においては、膨張機110をスクロール型、冷媒ポンプ130をローリングピストン型としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ギヤポンプ型、トロコイド型等その他の形式のものを適用することができる。
また、上記各実施形態においては、加熱器42における加熱源として、車両用のエンジン10(エンジン冷却水)としたが、これに限らず、例えば、外燃機関、燃料電池車両の燃料電池スタック、各種モータ、インバータ等のように作動時に発熱を伴い、温度制御のためにその熱の一部を捨てるもの(廃熱が発生するもの)であれば、広く適用することができる。
本発明の第1実施形態におけるシステム全体を示す模式図である。 本発明の第1実施形態における冷媒ポンプ一体型膨張発電機を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における冷媒ポンプ一体型膨張発電機を示す模式図である。 本発明の第3実施形態における冷媒ポンプ一体型膨張発電機を示す模式図である。 本発明の第4実施形態における冷媒ポンプ一体型膨張発電機を示す断面図である。 本発明の第5実施形態における冷媒ポンプ一体型膨張発電機を示す断面図である。
符号の説明
51 インバータ
100 冷媒ポンプ一体型膨張発電機(流体機械)
101 オイル溜め部
101a 仕切り部
102 オイル通路(供給手段)
102A オイル通路(供給手段)
105 オイルポンプ(供給手段)
106 遠心分離機(分離手段)
107 オイルシール
110 膨張機(膨張部)
111 膨張機ハウジング(ハウジング)
111d 吐出ガス通路(流体通路、分離手段)
113c 摺動プレート(摺動部)
113d ベアリング(摺動部)
114 高圧室(高温部、高圧側領域部)
118 シャフト(1つの軸)
120 モータジェネレータ(回転電機部)
121 モータハウジング(ハウジング、分離手段)
124 モータ軸(1つの軸)
130 冷媒ポンプ(ポンプ部)
132 ポンプ軸(1つの軸)
132b、132c 軸受け(ポンプ摺動部)
V 作動室(高温部、高圧側領域部)

Claims (14)

  1. 加熱されて気相状態となった作動流体の膨張によって駆動力を発生する膨張部(110)と、
    前記膨張部(110)と共に作動する回転電機部(120)とが、ハウジング(111、121)内に収容された流体機械において、
    前記膨張部(110)から吐出される前記作動流体の内部に含まれる潤滑油を分離する分離手段と、
    前記ハウジング(111、121)内で、分離された前記潤滑油を溜めるオイル溜め部(101)と、
    前記潤滑油を加熱する加熱手段と、
    前記オイル溜め部(101)に溜められた潤滑油を前記膨張部(110)の摺動部(113c、113d)に供給する供給手段(102)とを設けたことを特徴とする流体機械。
  2. 前記回転電機部(120)は、前記膨張部(110)の上側に配設され、
    前記膨張部(110)から吐出される前記作動流体を、前記ハウジング(111、121)内の上方に導く流体通路(111d)が設けられると共に、
    前記分離手段は、前記作動流体が前記流体通路(111d)から前記ハウジング(111、121)内に流入した時に、前記作動流体の流速低下に伴って前記潤滑油を分離するように構成され、
    前記オイル溜め部(101)は、前記膨張部(110)の上側に配設され、
    前記加熱手段は、前記膨張部(110)から吐出される前記作動流体の温度よりも高い温度となる高温部(V)であり、
    前記供給手段(102)は、前記オイル溜め部(101)から前記膨張部(110)の摺動部(113c、113d)へ前記潤滑油を導くオイル通路(102)としたことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記高温部(V)は、前記膨張部(110)の高圧側領域部(V)であることを特徴とする請求項2に記載の流体機械。
  4. 前記オイル溜め部(101)と、前記高温部(V)とを仕切る仕切り部(101a)は、一般部に対して薄肉に形成されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の流体機械。
  5. 前記オイル溜め部(101)は、前記回転電機部(120)の下側に設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の流体機械。
  6. 前記膨張部(110)から吐出される前記作動流体は、前記回転電機部(120)内を流通して、あるいは前記回転電機部(120)の作動を制御するインバータ(51A)に近接して流通して、前記オイル溜め部(101)に至ることを特徴とする請求項5に記載の流体機械。
  7. 前記膨張部(110)の前記作動流体吐出側で、前記作動流体を循環させるポンプ部(130)が、前記膨張部(110)と一体的に設けられており、
    前記オイル溜め部(101)の前記潤滑油は、前記膨張部(110)と前記ポンプ部(130)との間の差圧によって吸引されて、前記オイル通路(102)から前記摺動部(113c、113d)へ導かれることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1つに記載の流体機械。
  8. 前記摺動部(113c、113d)へ導かれた前記潤滑油は、更に前記ポンプ部(130)のポンプ摺動部(132b、132c)に導かれることを特徴とする請求項7に記載の流体機械。
  9. 前記オイル溜め部(101)には、前記潤滑油との接触面積を拡大するフィン(101b)が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の流体機械。
  10. 前記膨張部(110)の前記作動流体吐出側と前記オイル溜め部(101)との間に、前記作動流体から前記潤滑油を分離するオイル分離手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の流体機械。
  11. 前記膨張部(110)の前記作動流体吐出側で、前記作動流体を循環させるポンプ部(130)を備え、
    前記回転電機部(120)は、前記膨張部(110)の下側に配設され、
    前記ポンプ部(130)は、前記回転電機部(120)の下側に配設され、
    前記オイル溜め部(101)は、前記ポンプ部(130)の下側に配設され、
    前記膨張部(110)から吐出される前記作動流体を前記オイル溜め部(101)に導く流体通路(111d)と、
    前記オイル溜め部(101)から前記ポンプ部(130)のポンプ摺動部(132b、132c)および前記摺動部(113c、113d)を経て、前記流体通路(111d)に合流するオイル通路(102A)と、
    前記オイル溜め部(101)の潤滑油を前記ポンプ摺動部(132b、132c)、前記摺動部(113c、113d)側に圧送するオイルポンプ(105)とを有し、
    前記分離手段は、前記流体通路(111d)において前記オイル通路(102A)が合流する合流点の下流側に設けられ、
    前記供給手段は、前記オイル通路(102A)および前記オイルポンプ(105)から構成され、
    前記加熱手段は、前記オイル通路(102A)の前記合流点における前記膨張部(110)からの吐出作動流体としたことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  12. 前記流体通路(111d)は、前記膨張部(110)の吐出側から一旦、前記回転電機部(120)が収容される前記ハウジング(121)内に連通した後に、外部に流出されて前記オイル溜め部(101)に接続されており、
    前記オイル通路(102A)は、前記摺動部(113c、113d)を経た後に、前記ハウジング(121)内に連通して形成されたことを特徴とする請求項11に記載の流体機械。
  13. 前記膨張部(110)、前記回転電機部(120)、前記ポンプ部(130)は、1つの軸(118、124、132)によって接続されており、
    前記オイル通路(102A)の一部(103)は、前記軸(118、124、132)内に形成されたことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の流体機械。
  14. 前記回転電機部(120)と前記ポンプ部(130)との間には、前記回転電機部(120)側から前記ポンプ部(130)側への前記潤滑油の漏れを防止するオイルシール(107)が設けられたことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の流体機械。
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