JP2007218030A - 建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】障子3と扉体2とを互いに係止させる係止機構6を備えたドアにおいて、突没部材63を係止部62に向かって突没自在にベース部61で支持するとともに、コイルばね64で突出方向に付勢し、樹脂カラー65をベース部61の他方の案内部611と突没部材63の被当接部631との間に配置して突没部材63をコイルばね64の付勢力に抗して没入した状態に規制した。従って、樹脂カラー65がコイルばね64の付勢力による圧縮方向の力を受けているので、樹脂カラー65の経年変化による係止機構の不慮の作動を防止でき、係止機構6の耐久性と信頼性を向上させることができる。
【選択図】図5
Description
また、規制部材の溶融温度(融点)以上の状況下、例えば200度以上等の高温下においては、規制部材が熱によって塑性化する(溶融する)ので、突没部材の規制状態が解除され、突没部材が付勢手段の付勢力によって突出されて係止部に係止され、面材を枠体に確実に係止させることができ、面材の脱落を防止することができる。
また、規制部材に突没部材が挿通されているので、直状部の断面中にコイルばねによる圧縮力が均等に加わるので、規制部材をベース部と突没部材との間に確実に配置することができ、振動や衝撃等によって規制部材がずれたり外れたりすることが防止できる。
このような構成によれば、規制部材のC字状における開口を突没部材に向けて嵌め込むことで、挿通部に突没部材を容易に挿通させることができる。従って、規制部材を容易にベース部の被当接部と突没部材の被当接部との間に配置することができ、係止機構をスムーズに組み立てることができる。
このような構成によれば、規制部材に突没部材を挿通させる際、挿通部の開口を突没部材に向けて嵌め込むことで、容易に挿通させることができる。
また、直状部の断面積を変更することで、規制部材が塑性変形して(溶融して)突没部材を突出させるまでの時間や、経年変化等で規制部材が劣化した場合の規制部材の撓み難さを容易に設定することができる。さらに、一方の端部にのみ挿通部を有した規制部材は、塑性変形した際に、外れやすくできるので、両端に挿通部が設けられた規制部材よりも、突没部材を突出させるまでの時間を短く設定することができ、逆に両端に挿通部を設けた場合の方は、経年変化等で規制部材が劣化した際の規制部材の撓みを生じ難くすることができる。従って、断面積の違いと挿通部の有無を組み合わせることによって複数の規制部材が構成でき、溶融温度下で係止機構を作動させる時間の異なる係止部材を容易に製造することができる。
図1は実施形態に係る建具であるドア1を室内側から見た内観姿図である。図2および図3はそれぞれドア1を示す縦断面図であり、図2は障子3を閉じた状態を示し、図3は障子3を開いた状態を示している。ここで、図2は、図1に矢視II−II線で示す断面図であり、図3は、図1に矢視III −III 線で示す断面図である。図4〜図6はドア1の係止機構6を示す正面図、側面図および平面図である。図7は、係止機構6を示す分解斜視図である。
ドア1は、金属製の板材を組み合わせて全体略矩形状に形成された枠体としての扉体2と、この扉体2の開口部2A部分に支持された面材としての障子3と、ヒンジを介して扉体2を開閉可能に支持するドア枠(不図示)とを備えて構成されている。開口部2Aは、扉体2の略中央部に縦長矩形状に形成されている。
障子支持部4は、図1に示すように、扉体2の開口部2Aの左右端縁における上下に離隔した位置である上部および下部に、それぞれ開口部2Aを挟んで互いに対向して一対ずつが2組(4箇所に)設けられている。なお、図2および図3において、下部の障子支持部4の図示が省略されている。これらの障子支持部4は、開口部2A端縁に固定された枠側ブラケット41と、障子3の縦框33に固定された障子側ブラケット42と、これらの枠側ブラケット41および障子側ブラケット42に両端部がそれぞれ軸支された支持アーム43とを有して構成されている。支持アーム43は、その一端側が回動自在に枠側ブラケット41に連結されるとともに、他端側が回動自在に障子側ブラケット42に連結され、略鉛直な面内で回動可能に構成されている。
ベース部51は、扉体2に固定される第1部材としての固定部材51Aと、この固定部材51Aに上下方向にスライド自在に支持された第2部材としてのスライドベース部51Bとを有して構成されており、スライドベース部51Bを下方にスライドさせることで、障子3を開放位置に移動させることができるようになっている。
樹脂カラー65は、断面略C字状に形成され、この略C字断面全体によって軸線Aに平行に延びる直状部651が形成されている。そして、略C字状の内周面によって挿通部652が構成されている。樹脂カラー65の軸線A方向の長さ寸法は、没入位置にある突没部材63の被当接部631とベース部61の他方の案内部611との間隔寸法と同一になるように設定されている。
また、突没部材63が没入位置にある状態においては、コイルばね64が圧縮されて、突没部材63が突出方向に付勢力を受けた状態で規制されているとともに、樹脂カラー65の直状部651の両端には軸線Aの方向の圧縮力が加わっている。そして、樹脂カラー65を被当接部631と他方の案内部611との間から取り外せば、コイルばね64に付勢された突没部材63を突出位置に向かって突出させることができるようになっている。
まず、ベース部61および係止部62を縦框33および扉体2の所定位置にそれぞれねじ止めして固定する。次に、突没部材63を二つの貫通孔612に挿通させる。この際、コイルばね64を突没部材63に装着し、Eリング632を溝633に係止させる。最後に、突没部材63をコイルばね64の付勢に抗しながら没入位置に移動させ、樹脂カラー65を突没部材63に嵌めて被当接部631と他方の案内部611との間に挟持させる。
(1)常温下においては、樹脂カラー65が他方の案内部611と被当接部631との間に挟持され、樹脂カラー65がEリング632と他方の案内部611との間に挟持されたコイルばね64の付勢力による圧縮方向の力を受けているので、従来のように、樹脂カラー65にクリープ現象が生じて、樹脂カラー65が変形して所定の位置から外れることはなく、樹脂カラー65の経年変化による係止機構6の不慮の作動(誤作動)、つまり、障子3が扉体2に係止され、障子操作部5を操作しても障子3が開かなくなってしまうことが防止でき、係止機構6の耐久性と信頼性を向上させることができる。
例えば、本発明の建具における規制部材としての樹脂カラーは、図8に示すような構成であってもよい。図8(A)〜(D)は、樹脂カラーの変形例を示す斜視図である。すなわち、樹脂カラー65A〜65Dは、突没部材63の突没方向と平行に延びる直状部651A〜651Dを有し、この直状部651A〜651Dの両方あるいは一方の端部には、突没部材63が挿通可能な断面略C字状の挿通部652A〜652Dが設けられている。図8(A)に示す樹脂カラー65Aには互いに平行に配置された2本の直状部651Aが形成され、これら2本の直状部651Aの両端には、断面略C字状の挿通部652Aが形成されている。図8(B)に示す樹脂カラー65Bは、1本の直状部651Bと2つの挿通部652Bとを有したものである。図8(C)に示す樹脂カラー65Cは、3本の直状部651Cの一端にのみ挿通部652Cを有したものである。図8(D)に示す樹脂カラー65Dは、1本の直状部651Dの一端にのみ挿通部652Dを有したものである。
また、本発明の建具は、障子と枠体とを備えた引戸であってもよく、面材としての障子は、高温下で枠体に係止され、障子の脱落を防止することができる。
また、係止機構の数については、前記実施形態では、4箇所に設けられていたが、特に限定されず、火災時の熱で面材の閉鎖状態を維持できる機能を発揮できる係止機構の数であればよい。
また、前記実施形態では、突没部材は、略円柱状の棒材から形成されていたが、棒材に限らず、ベース部に支持されて突没方向に移動可能な形状であればよい。
また、前記実施形態では、係止部62は、扉体2と別体で形成され、ビス止め固定されていたが、係止部62としては、扉体2自体に形成された切欠きや孔であってもよい。この場合、切欠きや孔に突没部材63の先端が挿入されることで、障子3が扉体2に係止されるように構成すればよい。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- 枠体と、この枠体に支持された面材と、前記面材と枠体とを互いに係止させる係止機構とを備え、
前記係止機構は、前記枠体および面材の一方に固定されるベース部と、他方に設けられる係止部と、この係止部に向かって突没自在に前記ベース部に支持される突没部材と、この突没部材を突出方向に付勢する付勢手段と、突没部材の突出移動を規制する熱可塑性材料からなる規制部材とを有して構成され、
前記ベース部および突没部材は、前記規制部材が当接する被当接部をそれぞれ有し、
前記規制部材は、前記各被当接部の間に配置され、前記突没部材の突没方向と平行に配置された直状部を有し、この直状部の両端に前記付勢手段の付勢力を受けた状態で前記突没部材を前記ベース部に没入した位置で規制し、
前記規制部材が当該規制部材の溶融温度以上になった場合には、前記規制部材が塑性変形して規制が外れることで前記突没部材が突出し、この突出した前記突没部材が前記係止部に係止可能に構成されている建具。 - 前記付勢手段は、前記突没部材が挿通可能なコイルばねで構成されるとともに、前記突没部材と前記ベース部との間に圧縮された状態で配置され、
前記規制部材には、前記直状部に沿って前記突没部材が挿通可能な挿通部が形成されている請求項1に記載の建具。 - 前記規制部材は、全体断面略C字状に形成され、内周面によって前記挿通部が構成されている請求項2に記載の建具。
- 前記規制部材の直状部の両方あるいは一方の端部には、断面略C字状の前記挿通部が設けられている請求項2に記載の建具。
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