JP2007217370A - ポジトロン断層撮影法および該方法に用いるポジトロン放出化合物 - Google Patents

ポジトロン断層撮影法および該方法に用いるポジトロン放出化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、具体的な脳疾患の診断に適用することができるポジトロン断層撮影法と、当該方法に用いるポジトロン放出化合物を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明方法は、ポジトロン放出源の分布と集積度を測定するポジトロン断層撮影法において、当該ポジトロン放出源として、化合物(I)を用いることを特徴とする。

[式中、Rはポジトロン放出能を有するC1-6アルキル基またはハロゲン原子基を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、ポジトロン断層撮影法と当該方法に用いるポジトロン放出化合物に関するものである。
ポジトロン断層撮影法は、ポジトロン放出源から放出されるポジトロン(陽電子)が消滅するときに生成される一対のγ線(消滅放射線)を電子に変換し、この電子を検出器で同時計数するものである。斯かるポジトロン断層撮影法で使用する装置は、例えば特許文献1と2に開示されている。そして、このポジトロン断層撮影法では、ポジトロン放出源の分布や集積濃度を測定できることから、疾病の診断に利用されている。
詳しくは、例えば18Fで標識されたフルオロデオキシグルコースを体内投与すると、ガン細胞は正常細胞よりも盛んに分裂しグルコースを必要とすることから、ガン細胞へより多く取り込まれる。その様子をポジトロン断層撮影装置により撮影すれば、フルオロデオキシグルコースの分布と集積濃度を測定できるため、ガン病巣の有無やその大きさを把握することができる。
また、脳細胞も他の細胞よりエネルギー消費量が大きいことから、18F−フルオロデオキシグルコースを投与すると、脳により多く集積することがポジトロン断層撮影法により分かる。ところが、何らかの原因で一部の脳細胞がダメージを受けていると、その部分ではグルコースの取り込み量が低減する。従って、この場合には、脳機能の不全の有無をポジトロン断層撮影法により診断できることになる。
この様に、ポジトロン断層撮影法は、疾病の診断に適用できるものとして、今後の発展が大いに期待されている。
ところで、ニコチン受容体としては少なくとも12個のサブタイプ(α2〜10とβ2〜4)が知られており、そのうち、α7とアルツハイマー病との関係が疑われている。即ち、非特許文献1によれば、アルツハイマー病患者の死後脳を用いた免疫組織化学的手法によって、患者の前頭皮質においてα7ニコチン受容体の密度が減少していることが報告されている。また、アルツハイマー病において重要な役割を有すると考えられているβアミロイドタンパク質が、非常に高い親和性でα7ニコチン受容体に結合する一方で、他のサブタイプ(α4β2)への親和性は、それよりも約5000倍弱いことも知られている。更に、α7ニコチン受容体は、統合失調症(精神分裂病)における注意障害や情報処理障害と関係があると考えられている。
このα7ニコチン受容体のリガンドとしては、当然ニコチンが挙げられる。しかし、ニコチンとα7ニコチン受容体との親和性はそれほど高いものではない上に、α7ニコチン受容体に対する特異性も低く、他の受容体にも結合してしまう。そこで、従来、α7ニコチン受容体の選択的リガンドが種々検討されている。
例えば、特許文献3にはα7ニコチン受容体リガンドが開示されており、当該化合物がアルツハイマー病などの疾患の処置に有用であることが記載されている。その他にも、α7ニコチン受容体へ選択的に結合するとされている化合物が種々知られている。
特開平6−273529号公報 特開平8−211154号公報 橋本謙二,伊豫雅臣,「アルツハイマー病のアミロイド・カスケード仮説とα7ニコチン受容体」,日本神経精神薬理学雑誌,第22巻,第49〜53頁(2002年) 特表2002−540208号公報(特許請求の範囲、段落[0012])
上述した様に、これまでにもポジトロン断層撮影法を脳機能検査に用いた例はあったものの、より具体的な脳疾患の診断に用いられたことはなかった。そこで、本発明が解決すべき課題は、具体的な脳疾患の診断に適用することができるポジトロン断層撮影法と、当該方法に用いるポジトロン放出化合物を提供することにある。
本発明者らはα7ニコチン受容体の選択的リガンドにポジトロンの放出能を有する置換基を導入してポジトロン断層撮影法を実施すれば、種々の疾病に関係するα7ニコチン受容体の脳内における分布と集積濃度を明らかにできるのではとのアイデアを創出した。ところが、α7ニコチン受容体へ選択的に結合すると謳われている化合物であっても、実際には脳内においてα7ニコチン受容体以外の部位にも結合してしまい、正確な測定ができないものがあることが分かった。また、α7ニコチン受容体リガンドの中には、注射投与しても血液脳関門を通過できず、脳のポジトロン断層撮影に適用できないものがあった。そこで本発明者らは、ポジトロン断層撮影法で使用できる化合物につき鋭意研究を重ねたところ、後述する化合物(I)が血液脳関門の透過性に優れる上に、そのα7ニコチン受容体への選択的結合性が特に優れることから、ポジトロン断層撮影法に極めて適することを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明のポジトロン断層撮影法は、ポジトロン放出源の分布と集積度を測定するものであって、当該ポジトロン放出源として化合物(I)を用いることを特徴とする。
[式中、Rはポジトロン放出能を有するC1-6アルキル基またはハロゲン原子基を示す。]
なお、当該方法は、特定ポジトロン放出源を使いその崩壊を測定機器により検出する工程を含むものであり、医師の行為や機器による人体に対する作用を含んでいないことから、特許法上の産業上利用できる発明に該当する。
ここで「C1-6アルキル基」とは、炭素数が1〜6の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素を意味する。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル等であり、C1-4アルキル基が好ましく、C1-2アルキル基がより好ましく、さらにメチル基が好ましい。
また、「ハロゲン原子基」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができ、これらのうち塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましく、臭素原子またはヨウ素原子がより好ましく、さらに臭素原子が好ましい。
上記ポジトロン放出源である化合物(I)としては、Rが11CH3であるもの、Rが76Brであるもの、およびRの置換位置が4位であるものが好適である。特に、下記化合物(Ia)と(Ib)が好適である。
本発明の化合物(I)は、血液脳関門の存在にも関わらず注射投与により速やかに脳内に到達することができる上に、真にα7ニコチン受容体へ選択的に結合することができる。よって、ポジトロン断層撮影法において当該化合物(I)をポジトロン放出源として用いれば、脳内におけるα7ニコチン受容体の分布と集積度を正確に測定することができる。従って、本発明方法は、α7ニコチン受容体と関係する疾病、例えばアルツハイマー病、統合失調症、認知機能障害、多動性障害、不安神経症、うつ病、てんかん、無痛覚症、トウレット症候群、パーキンソン氏病、またはハンチントン舞踏病などの診断に適用でき得るものとして有用である。
本発明のポジトロン断層撮影法は、ポジトロン放出源の分布と集積度を測定するものであって、当該ポジトロン放出源として、化合物(I)を用いることを特徴とする。
[式中、Rはポジトロン放出能を有するC1-6アルキル基またはハロゲン原子基を示す。]
本発明方法は、ポジトロン放出源の分布と集積度を測定するポジトロン断層撮影法に関する。ポジトロン放出元素は、ポジトロン(陽電子)を放出しつつ徐々に崩壊する。このポジトロンは数mm以下の距離を進行する間に衝突によってエネルギーを失い、陰電子と結合して消滅する。その際、1対のγ線が互いに180°の反対方向へ放出される。ポジトロン断層撮影法では、これらγ線を電子に変換して同時計測することによって、ポジトロンの消滅した位置を検出し、ポジトロン放出源の分布と集積度を測定するものである。
本発明方法では、ポジトロン放出源として、上記化合物(I)を用いる。化合物(I)は、血管脳関門に対して高い透過性を有する上に、脳内においてα7ニコチン受容体へ選択的に結合して他の部分に結合し難いことから、ポジトロン断層撮影法におけるポジトロン放出源として極めて優れるものである。
化合物(I)において、R基としては[11C]C1-6アルキル基、18F、76Brおよび123Iを例示することができる。R基が11CH3である化合物は、血管脳関門の透過性が特に高い上に、α7ニコチン受容体への選択性が優れることから、本発明方法のポジトロン放出源として極めて優れる。また、R基が76Brである化合物も選択性に優れる上に、76Brの半減期は12時間と比較的長く取り扱い易いことから、利便性の面でも優れている。
R基の置換位置は特に制限されないが、4位が好適である。後述する実施例において、当該化合物の高い血液能関門透過性と脳内でのα7ニコチン受容体結合の高い選択性が実証されているからである。
化合物(I)の製造方法としては、ポジトロン放出元素の半減期を考慮すれば、最終合成ステップにおいてポジトロン放出元素であるR基を導入することが好ましい。その例を以下に示す。
上記式において、R基を導入する試薬はR基の種類による。例えば、R基が[11C]C1-6アルキル基である場合には[11C]C1-6アルキルのヨウ化物等を、また、18F、76Brまたは123Iである場合には、18-76Br-または123-を用いる。
これら試薬のうち、11Cの半減期は20分間であるので、R基が[11C]C1-6アルキル基である化合物を製造するには、[11C]C1-6アルキル基の導入直前にそのヨウ化物をサイクロトロン等により調製した後、直ぐにR基導入反応をした方がよい。従って、[11C]C1-6アルキル基を導入する場合には、図1に示す様な合成システムを用いる。
詳しくは、R基が11CH3Iである化合物を製造するには、サイクロトロンにより加速した陽電子を目的とするポジトロン放出元素に応じたターゲット(図1中、TG)に照射して、ポジトロン放出元素を含む11CO2を得る。この11CO2を、例えばマイクロラボ(MEI)でLiAlH4等により還元した上でヨウ化水素酸を作用させて11CH3Iとし、更に反応器(RV1)で得られた11CH3Iと、スピッチ(VA1)から導入する前駆体とを反応させることによって、化合物(I)を合成することができる。
また、R基が11CH3I以外の[11C]C1-6アルキル基である化合物を製造するには、11CO2が得られた段階で、目的とする[11C]C1-6アルキル基よりも炭素数が1つ少ないグリニヤール試薬、即ち[11C]CH3CH2を導入したい場合にはCH3MgBrを加える。後は同様にして、[11C]C1-6アルキル基を導入することができる。
一方、例えば76Br-の半減期は12時間であり、ポジトロン放出能を有するハロゲンイオンの半減期は比較的長いので、ポジトロン放出能を有するハロゲンイオンは上述した様に必要時に調製してもよいが、市販のものを購入して用いてもよい。
得られたポジトロン放出化合物は、注射剤とすることが好ましい。化合物(I)の半減期は短いので、速やかに化合物を脳内に到達させる必要があるからである。注射剤の調製方法は常法に従えばよい。例えば、生理食塩水に溶解または懸濁する。また、その際の濃度は、血管脳関門の透過能や化合物の放射活性等に依存するが、好適には副作用が生じない程度で且つ十分な測定が行える濃度とする。例えば、R基が11CH3である注射剤の濃度は0.1〜0.5μg/mL程度、R基が76Brの場合では4〜20μg/mL程度とすることができる。
本発明のポジトロン断層撮影法は、公知のポジトロン断層撮影装置を用いて実施すればよい。即ち、化合物(I)を注射剤として被験者に投与した後、公知のポジトロン断層撮影装置により測定を行い、化合物(I)の体内分布と集積度を測定する。そして、疾患とα7ニコチン受容体との関係に関する情報に基づいて、特定疾患について診断し得る。例えば、前頭皮質における化合物(I)の分布が通常より少なく、α7ニコチン受容体の密度が減少していることが把握できれば、アルツハイマー病との診断ができ得る。
化合物(I)の投与量は常法に従えばよく、被験者の症状や状態、性別や年齢などにより適宜調整すればよいが、例えば、R基が11CH3の化合物は1.5〜10ng/kg体重程度、76Brの化合物は50〜350ng/kg体重程度とすることができ、注射剤の投与量としては1〜10mLとすればよい。
以上で説明した本発明方法は、α7ニコチン受容体に関係する疾患の診断に役立ち得る。また、本発明に係るポジトロン放出化合物(I)は、後述する実施例で実証されている通り、静脈投与により血液脳関門を透過して脳へ到達し、α7ニコチン受容体へ選択的に結合することによって、α7ニコチン受容体の脳内分布や集積度を測定することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
製造例1−1 4−トリブチルスズフェニル 1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボキシレートの合成
4−ブロモフェニル 2,5−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−2−カルボキシレート(1.0g、0.003mol)を乾燥トルエン(30mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.18g、0.00015mol)を添加した。次いで、ビストリブチルスズ(4.45g、0.0077mol)を滴下し、加熱還流しつつ16時間攪拌した。反応終了後、反応混合液を濾過し、濾液から溶媒を減圧留去した後に、カラムクロマトグラフィ(NHシリカゲル使用、移動相:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することによって、目的化合物を得た(0.7g、収率:43%)。
製造例1−2 11CH3Iの合成
サイクロトロン(住友重機械工業製、HM−18)を使って18MeVに加速した電子を、純窒素ガスを封入したターゲットへ20μAの電流値で約60分間照射して、14N(p,α)11C核反応により11CO2を得た。この11CO2を、−10℃まで冷却されたLiAlH4の0.1Mテトラヒドロフラン溶液(500μL)へ5分間導入した。次いで、N2ガスによりテトラヒドロフランを留去した後、ヨウ化水素酸(0.5mL)を加えた。生成したCH3Iを蒸留精製した。
製造例1−3 4−[11C]メチル−フェニル 1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボキシレート(化合物(Ia))の合成
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(4.5mg)とトリ−O−トリルホスフィン(6.2mg)をジメチルホルムアミド(0.3mL)に溶解し、軽く加熱した。当該溶液へ製造例1−2で得た11CH3Iを加え、放射能が平衡に達した時点で反応器を密閉し、室温で1分間パラジウム錯体と11CH3Iとを反応させた。別途、製造例1−1で得たトリブチルスズ化合物(4mg)と塩化銅(CuCl、1.0mg)、炭酸カリウム(1.4mg)をジメチルホルムアミド(0.3mL)に溶解した。この溶液を11CH3Iの溶液へ加え、70℃で5分間加熱することによりメチル化反応を行なった。得られた反応混合液を下記条件の高速液体クロマトグラフィで精製し、目的化合物(Ia)を得た(7μg、収率:30〜40%)。得られた化合物(Ia)は、生理食塩水(5〜10mL)に溶解し、0.22μmの滅菌フィルターを通して注射剤とした。
高速液体クロマトグラフィの条件
カラム:Megapak SIC C18−10 7.6*250mm(日本分光製)
溶出液:アセトニトリル/30mM酢酸アンモニウム/酢酸=600/400/2
流速:6mL/分
検出波長:220nm
得られた化合物(Ia)の特性は、表1の通りである。
製造例2 4−[76Br]ブロモフェニル 1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボキシレート(化合物(Ib))の合成
上記製造例1−1で得られた4−トリブチルスズフェニル 1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボキシレート(1mg、1.9μmol)を酢酸の1%エタノール溶液(250μL)に溶解した。別途、市販の[76Br]HBr溶液(住重試験検査社製、15〜20mL)を窒素ガス気流下75℃で約200μLまで濃縮した。この[76Br]HBr溶液(約200μL)へ、製造例1−1の化合物の上記溶液と、クロラミン−Tの200mMエタノール溶液(25μL)を加え、75℃で30分間反応させた。反応終了後、アセトニトリル/(30mM酢酸アンモニウム:1000mL+酢酸:4mL)=1/1の混合溶媒を溶出液とする高速液体クロマトグラフィ(日本分光社製のMegapak SIC C18−10 7.6250mm、流速:6mL/分、波長:220nm)で精製した。得られた化合物(Ib)の特性は、表2の通りである。
得られた化合物(Ib)(1μg)を生理食塩水(3.3mL)へ溶解し、注射剤とした。
試験例1 ポジトロン放出源化合物の取込量試験
測定実施日前夜から絶食させたアカゲザル(雄、体重5.5kg)をモンキーチェアに座らせ、頭部固定装置により動物用PETカメラ(浜松ホトニクス社製、SHR−7700)のガンドリー内に頭部を固定した。呼吸補正のために、トランスミッション計測を30分間行なった。その後、上記製造例1−3と製造例2で製造した注射剤を、化合物(Ia)で換算して77ng/kg体重、化合物(Ib)で230ng/kg体重の投与量で静脈より投与し、180分間のダイナミック計測を行なった。得られた画像を再構成した後、脳の各部位に関心領域(ROI)を設定し、それぞれの領域における放射能動態を求めた。化合物(Ia)の結果を図2に、化合物(Ib)の結果を図3に示す。
図2の結果の通り、R基が11CH3である化合物(化合物(Ia))は血管脳関門の透過性に優れており、脳実質細胞へ非常によく取り込まれている。その集積分布は、投与から40〜60分の加算画像を見る限り、海馬、線条体、視床、帯条回、大脳皮質において高く、小脳では低かった。この結果は、脳内におけるα7ニコチン受容体の分布とよく一致している。また、化合物(Ia)の脳内動態は比較的早く、比較的動態が遅く投与から30分後にピーク値が見られる海馬を除けば、大部分の部位において投与からおおよそ10分後にピーク値を示した。
また、図3の通り、R基が76Brである化合物(化合物(Ib))は、化合物(Ia)に比べて脳内動態が全般的に遅く、ピーク値は海馬で投与後60分、他の部分で投与後30〜40分であった。また、取込量は化合物(Ia)ほどではないが、良好な血管脳関門の透過能を有しており、脳内分布もα7ニコチン受容体の分布とよく一致している。
試験例2 α7ニコチン受容体に対する選択性試験
各化合物のα7ニコチン受容体に対する選択性を試験するために、α7ニコチン受容体の選択的アゴニストであるSSR180711A、またはα4β2ニコチン受容体に対する選択性アゴニストであるA85380を事前に投与した上で、化合物(Ia)または(Ib)の取込量を測定した。
具体的には、先ず、上記試験例1と同様の条件でトランスミッション計測をした後、SSR180711A(1または5mg/kg体重)またはA85380(5mg/kg体重)を静脈内注射により投与した。次いで30分後に化合物(Ia)または(Ib)を静脈内注射により投与し、91分間のダイナミック計測を行なった。得られた画像を再構成した後、脳の各部位に関心領域(ROI)を設定し、それぞれの領域における放射能動態を求めた。化合物(Ia)の結果を図4に、化合物(Ib)を図5に示す。なお、比較対照のため、事前に何も投与しなかった試験例1の結果を、各図において(1)として載せた。
図4と5の結果の通り、コントロール(1)とα4β2ニコチン受容体の選択性アゴニストを事前投与した場合(4)とを比べると、化合物(Ia)と化合物(Ib)の脳各部位への取り込みはほとんど影響を受けていない。その一方で、α7ニコチン受容体の選択性アゴニストを事前投与した場合(2)と(3)では、化合物(Ia)と化合物(Ib)の脳各部位への取り込みは、選択的アゴニストの用量に依存して、α7受容体が極めて少ない小脳のレベルにまで低下した。以上の結果より、本発明化合物(Ia)と(Ib)は、α7ニコチン受容体への選択的な結合能を示すことから、本発明方法によって、α7ニコチン受容体に関係する疾病の診断が可能になることが実証された。
本発明に係るポジトロン放出化合物を合成するシステムの概念図である。 化合物(Ia)を静脈注射投与した後の脳各部における化合物(Ia)分布の経時的変化を示す図である。 化合物(Ib)を静脈注射投与した後の脳各部における化合物(Ib)分布の経時的変化を示す図である。 選択的アゴニスト等を投与し、次いで化合物(Ia)を静脈注射投与した後の脳各部における化合物(Ia)分布の経時的変化を示す図である。(1)はコントロール、(2)はα7ニコチン受容体の選択的アゴニストであるSSR180711Aを1mg/kg体重、(3)はSSR180711Aを5mg/kg体重、(4)はα4β2ニコチン受容体に対する選択性アゴニストであるA85380を投与した結果である。 選択的アゴニスト等を投与し、次いで化合物(Ib)を静脈注射投与した後の脳各部における化合物(Ib)分布の経時的変化を示す図である。(1)はコントロール、(2)はα7ニコチン受容体の選択的アゴニストであるSSR180711Aを1mg/kg体重、(3)はSSR180711Aを5mg/kg体重、(4)はα4β2ニコチン受容体に対する選択性アゴニストであるA85380を投与した結果である。

Claims (7)

  1. ポジトロン放出源の分布と集積度を測定するポジトロン断層撮影法において、当該ポジトロン放出源として、化合物(I)を用いることを特徴とするポジトロン断層撮影法。
    [式中、Rはポジトロン放出能を有するC1-6アルキル基またはハロゲン原子基を示す。]
  2. 上記ポジトロン放出源として、Rが11CH3である化合物(I)を用いる請求項1に記載のポジトロン断層撮影法。
  3. 上記ポジトロン放出源として、Rが76Brである化合物(I)を用いる請求項1に記載のポジトロン断層撮影法。
  4. 上記ポジトロン放出源として、Rの置換位置が4位である化合物(I)を用いる請求項1〜3の何れかに記載のポジトロン断層撮影法。
  5. ポジトロン放出源である化合物(I)。
    [式中、Rはポジトロン放出能を有するC1-6アルキル基またはハロゲン原子基を示す。]
  6. ポジトロン放出源である化合物(Ia)。
  7. ポジトロン放出源である化合物(Ib)。
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