JP2007217240A - SiC焼結体、SiC粒子及びSiC焼結体の製造方法 - Google Patents

SiC焼結体、SiC粒子及びSiC焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、従来と比べ非常に緻密で気孔がないSiC焼結体、SiC粒子及びSiC焼結体の製造方法を得ることを課題とする。
【解決手段】不純物として焼結体中に残留する焼結助剤無添加で製造され、かつ主となる立方晶の他に菱面体晶が含まれることを特徴とするSiC焼結体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、製造工程において、不純物として焼結体中に残留する焼結助剤を混合せずに、パルス通電焼結によって製造された、気孔の少ない緻密なSiC焼結体、SiC粒子及びSiC焼結体の製造方法に関する。
SiCはその強度に比して軽量であり、熱伝導率が高いといった特性も持つため、多様な分野で使用されている。しかし、アルミナ等と異なり難焼結性であるため、焼結体を得るにはBやAl、希土類元素等の助剤を用いるのが一般的である。
助剤としてBを使用する方法は最も一般的な方法であるが、常圧焼結では相対密度で98%程度であり、相当量の気孔を含んでいる。Al等の助剤を使用する方法は、助剤によって形成される液相によって焼結が進行する液相焼結であり、比較的低温で焼結が進行し気孔量は少ない。しかし、第2相が残留したり、助剤添加元素が粒界に偏析したりといった問題が起きやすい。また、どちらの方法においても、これらの助剤は不純物として焼結体中に残留するため、高純度が要求される場合には問題がある。
高純度で緻密なSiCを得る方法として、Si含浸による製造方法がある。しかし、この方法で得られるセラミックスはSiCとSiの2相となり、Siの軟化温度以上での使用はできない。また、表面にSi相が露出するため、CVDでSiC膜を形成しなければならないことが多い。
他に、CVDによってSiCの自立体を形成するという方法がある。この方法は、コスト的な問題から薄肉形状に限られるものの、緻密で高純度なSiCセラミックス(SiC自立体)を得ることができる。SiC自立体は、緻密で高純度という特徴を活かし、不純物が問題となる高温プロセス用の治具を中心に製品化されている。しかし、製品形状に制約があり、また作製費用が高くなる為、使用分野は限られている。
ところで、助剤なしでSiCを焼結する手法については、ホットプレスを中心に古くから研究されている。高橋らは、100nmのSiC微粒子から、6GPa、1600℃のホットプレス焼成で密度3.22g/cmの高純度緻密SiCを得ている(非特許文献1)。しかし、6GPaは非常に高圧な条件であり、特殊な装置での微小サンプル作製に限られ、大型品に適用するのは困難であった。本間らは、サブミクロンのSiC粒子から、150MPa、2000℃のHIPで3.20g/cmの緻密SiCを得ている(非特許文献2)。本間らの手法は高橋らに比べれば低圧であるものの、カーボン型を使う通常のホットプレスに比べれば高圧であり、やはり大型品への適用は難しい。また、組織中には多量の気孔が確認できる。
近年になって、数十nmのSiCが供給されるようになり、これらの原料を使うことで、より汎用性の高い製造方法で緻密化することが可能になった。例えば、特許文献1や特許文献2である。しかし、これらの方法を用いても、相対密度は90%以上という範囲であり、最も緻密な条件でも98%と、従来の助剤使用常圧焼結SiCと同等以下の密度に留まっている。
助剤なしでより高密度のSiC焼結体を得る方法としては、放電プラズマ焼結(SPS)等のパルス通電焼結法が挙げられる。特許文献3は、ナノSiC粒子を出発原料に放電プラズマ焼結を行い、相対密度99%のSiC焼結体を得る方法である。この方法により従来の助剤使用常圧焼結SiCと同等以上の緻密なSiC焼結体を得られるが、まだ得られた焼結体には気孔が残留している。このため、気孔の存在が問題となる用途、例えばダストカウント用のSiCダミーウェーハ等では表面の気孔をダストと誤認するために、適用することができない。
特許3023435号 特開平10−67565号公報 特開2004−35327号公報 日本セラミックス協会学術論文誌 96 [5] 603 (1988) 窯業協会誌 95 [2] 1987 223
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、従来と比べ非常に緻密で気孔がないSiC焼結体、SiC粒子及びSiC焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のSiC焼結体は、不純物として焼結体中に残留する焼結助剤無添加で製造され、かつ主となる立方晶の他に菱面体晶が含まれることを特徴とする。
本発明の焼結特性に優れたSiC粒子は、CVD法によって作成され、C−H結合およびSi−H結合が含まれるとともに、粒径が10〜100nmであることを特徴とする。
本発明のSiC焼結体の製造方法は、前記SiC粒子を原料とし、パルス通電焼結によって作製されることを特徴とする。
本発明のSiC焼結体の製造方法は、また、C−H結合を実質的に含まない粒径10〜100nmのSiC粒子0〜90%と、前記SiC粒子100〜10%を混合した混合物を原料とし、パルス通電焼結によって作製されることを特徴とする。
本発明のSiC焼結体の製造方法は、更に、SiC粒子に有機シラン類をSi元素比で0.1〜20%、添加剤として混合した混合物を原料とし、パルス通電焼結によって作製されることを特徴とする。
本発明によれば、高純度でありながら非常に緻密なSiC焼結体を得ることができる。この材料を利用することで、通常SiCに含まれる助剤元素が悪影響を及ぼす分野、例えば半導体製造装置部材等に適用することができる。また、緻密で気孔が存在しないため、気孔が問題となる分野、例えばミラー等に適用することができる。不純物の存在と気孔の存在の両方が問題となる用途としては、例えばダストカウント用のSiCダミーウェーハが挙げられる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
ナノサイズのSiCを出発原料に放電プラズマ焼結することで、助剤を添加せずにSiC焼結体を得る方法は、上記特許文献3に開示されている。しかし、特許文献3では、ナノサイズの結晶粒を持つSiC焼結体を得ることに主眼がおかれており、そのため焼結体中には気孔が存在している。
本発明者らは、結晶粒のサイズではなく、焼結体中に存在する気孔を減らすことを主眼に鋭意研究を重ねた結果、結晶性が低くC−H結合およびSi−C結合を含むナノSiC粒子を原料に放電プラズマ焼結すると、焼結体の構造は主となる立方晶の他に菱面体晶を含み、非常に緻密で気孔が存在しなくなる事を見出した。また、前記ナノSiC粒子と結晶性が高くC−H結合を含まないSiC粒子を混合した原料や、SiC粒子に有機シランを添加した原料を放電プラズマ焼結しても、同様の焼結体が得られることを見出した。以下、本発明の構成について具体的に説明する。
本発明のSiC焼結体は、上述したように、不純物として焼結体中に残留する焼結助剤無添加で製造され、かつ主となる立方晶の他に菱面体晶が含まれることを特徴とする。ここで、焼結助剤としては、例えばB,Al,希土類金属が挙げられる。前記SiC焼結体は、気孔を持たず、密度3.20g/cm以上であることが好ましい。
本発明に係る焼結特性に優れたSiC粒子としては、CVD法によって作製され、C−H結合およびSi−H結合が含まれるとともに、粒径が10〜100nmであるナノSiC粒子が挙げられる。ここで、粒径を上記範囲にしたのは次の理由による。即ち、粒径が10nm未満の中心粒径を持つSiC粒子は、現在では製造困難で適用できない。また、粒径100nmを超えると、粒子の焼結性が落ち、得られる焼結体に気孔が残留する。また、粒径が小さいほど焼結性は向上するが、同時に粉体の充填密度が小さくなるため取り扱いが難しくなる。実際の使用においては20〜50nmの粒子が好ましい。
本発明に係るSiC焼結体は、(イ)前記ナノSiC粒子、あるいは(ロ)C−H結合を実質的に含まない粒径10〜100nmのSiC粒子0〜90%と、前記ナノSiC粒子100〜10%を混合した混合物、あるいは(ハ)SiC粒子に有機シラン類をSi元素比で0.1〜20%、添加剤として混合した混合物を出発原料とし、放電プラズマ焼結等のパルス通電焼結によって作製される。
上記(イ)のナノSiC粒子を用いた場合、有機シランからCVDで粒子生成する方法が適している。ここで、有機シランとは、Si,C,Hからなる化合物で、例えばテトラエチルシランや、ヘキサメチルジシラン、テトラメチルジシランが該当する。有機シランは熱等のエネルギーを受けると脱ガスを伴った重合、分解反応を起こし、SiCナノ粒子を生成する。投入するエネルギー量を調整することで、反応の進行度合いを制御し、C−H結合やSi−H結合をナノ粒子中に残すことが可能である。詳細な機構はいまだ判明していないが、現在、このC−H結合やSi−H結合が、焼結における緻密化を助けることを本発明者らは見出した。
温度を変えて、管状炉でナノSiC粒子を生成した場合の、FT−IR測定結果を図1に示す。図1より、1200℃、1300℃生成のナノSiC粒子にはSi−H結合は存在せず、C−H結合量も少なくなっていることが明らかである。これに伴い、これらの原料からパルス通電焼結で得られた焼結体中には気孔が残留する。なお、ここでの温度は、本発明者が使用した管状炉における測定温度であり、ナノSiC粒子生成の温度を規定するものではない。
最適条件よりも高温でCVD法により生成したナノSiC粒子や、四塩化珪素とプロパンからCVD法により生成したナノSiC粒子はC−H結合が少ないもしくは含まない。そのため、焼結性が落ち、得られる焼結体に気孔が残留する。また、サブミクロン以上の粗大なSiC粒子も焼結性が悪いため、十分緻密化することはない。但し、これら難焼結性SiC粒子に、前記本発明のナノSiCを混合する(即ち、上記(ロ)の混合物とする)ことで、気孔のない焼結体を得ることも可能である。混合量は、難焼結性SiC粒子の特性や、易焼結性の本発明ナノSiC粒子の生成条件に依存するが、10〜100%の範囲で適用することができる。10%未満では混合による効果が十分でないため気孔が残留する。
また、上記(イ)のナノSiC粒子ではなく、上記(ハ)のように通常のSiC粒子に有機シラン類を適宜混合した混合物を用いることによっても気孔のない焼結体を得ることができる。ここで、有機シラン類は、造粒条件で揮発しないものを選択する必要がある。例えば、テトラエチルシランや、Starfire社の商品名:SMP−10が挙げられる。これを、Si元素比で0.1〜20%の範囲で混合することで、焼結性を高め、気孔をなくすことができる。ここで、Si元素比が0.1%未満では量が少ないために効果が十分ではなく、Si元素比が20%より多いと造粒粉の取扱いが難しくなるため好ましくない。
上述したSiC粒子原料あるいはSiC粒子を含んだ混合物原料は、まず適当量、パルス通電焼結用のカーボン型内に充填する。次に、10〜120MPaの力で加圧しながら、パルス電流を流し、電流のジュール熱によって昇温、焼結する。ここで、加圧力が10MPaより低い力では十分に緻密化できず、加圧力が120MPaより大きな力ではカーボン型が負荷で破損する可能性が高いため好ましくない。焼結温度は圧力によって変化するが、通常は1700〜2200℃の範囲となる。
上記の手法で得られたSiC焼結体は、主となる立方晶の他に菱面体晶を含み、非常に緻密で気孔が存在しなくなる。その機構は明らかとなっていないが、菱面体晶が含まれない場合、例えば原料として結晶性が高くC−H結合を全く含まないβ−SiC粉を使用した場合、焼結体密度は相対的に低くなり気孔が残留する。本発明と同様の原料でホットプレス焼結すると、パルス通電焼結と同じように菱面体晶を含むが、焼結の進行が十分でないために、低密度で多孔質な焼結体となる。
本発明に適したSiC原料及び得られた焼結体(SPS)のX線回折パターンを図2に示す。原料に比べて焼結体は、結晶性が向上していることがわかる。また、得られた焼結体の研磨面SEM写真を図3、図4に示す。前記研磨面を大気中1200℃で1時間酸化した後に、10%ふっ酸で酸化膜を除去した面についてのSEM写真を図5に示す。
以下に、本発明の具体的な実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
まず、CVD用ポリマー(商品名:CVD4000、Starfire社製)を原料に、熱CVD法でナノSiCを作製した。これにより、常圧アルゴン雰囲気、反応温度1000℃の条件で、粒径30nmで結晶性が低く、C−H結合およびSi−H結合を含むSiC粒子が得られた。次に、これを内径20mmのカーボン型に5g充填し、放電プラズマ焼結装置で焼結した。つづいて、100MPaで加圧しながらパルス通電し、2000℃で焼結した。
アルキメデス法による密度測定を行ったところ、3.21g/cmであり、相対密度100%であった。X線回折の結果、焼結体には菱面体晶が含まれていることが判った。また、表面を鏡面研磨した後、走査型電子顕微鏡(SEM)で1000〜50000倍の範囲で表面観察を行ったところ、気孔は観察されなかった。
(実施例2)
まず、ヘキサメチルジシランを原料に、熱CVD法でナノSiCを作製した。これにより、常圧水素雰囲気、反応温度1000℃の条件で、粒径30nmで結晶性が低く、C−H結合およびSi−H結合を含むSiC粒子が得られた。次に、これを内径20mmのカーボン型に5g充填し、放電プラズマ焼結装置で焼結した。つづいて、70MPaで加圧しながらパルス通電し、2100℃で焼結した。
アルキメデス法による密度測定を行ったところ、3.20g/cmであり、相対密度99%であった。また、X線回折の結果、焼結体には菱面体晶が含まれていることが判った。表面を鏡面研磨した後、SEMで1000〜50000倍の範囲で表面観察を行ったところ、気孔は観察されなかった。
(実施例3)
まず、四塩化珪素とプロパンを原料に、熱CVD法でナノSiCを作製した。これにより、常圧水素雰囲気、反応温度1300℃の条件で、粒径30nmで結晶性が低く、C−H結合およびSi−H結合を含まないSiC粒子が得られた。次に、これに実施例1で使用したSiC粒子を1:1で混合した後、内径20mmのカーボン型に5g充填し、放電プラズマ焼結装置で焼結した。つづいて、100MPaで加圧しながらパルス通電し、2000℃で焼結した。
アルキメデス法による密度測定を行ったところ、3.20g/cmであり、相対密度99%であった。X線回折の結果、焼結体には菱面体晶が含まれていることが判った。また、表面を鏡面研磨した後、SEMで1000〜50000倍の範囲で表面観察を行ったところ、気孔は観察されなかった。
(実施例4)
まず、四塩化珪素とプロパンを原料に、熱CVD法でナノSiCを作製した。これにより、常圧水素雰囲気、反応温度1300℃の条件で、粒径30nmで結晶性が低く、C−H結合およびSi−H結合を含まないSiC粒子が得られた。これにSiC製造用ポリマー(商品名:SMP−10,Starfire社製)をSi元素比で5%添加して造粒した後、内径20mmのカーボン型に5g充填し、放電プラズマ焼結装置で焼結した。つづいて、100MPaで加圧しながらパルス通電し、2000℃で焼結した。
アルキメデス法による密度測定を行ったところ、3.21g/cmであり、相対密度100%であった。X線回折の結果、焼結体には菱面体晶が含まれていることが判った。また、表面を鏡面研磨した後、SEMで1000〜50000倍の範囲で表面観察を行ったところ、気孔は観察されなかった。
(実施例5)
まず、Aldrich社が販売している、粒径50nmのβ構造ナノSiCに実施例1で使用したSiC粒子を1:1で混合した後、内径20mmのカーボン型に5g充填し、放電プラズマ焼結装置で焼結した。次に、100MPaで加圧しながらパルス通電し、2000℃で焼結した。
アルキメデス法による密度測定を行ったところ、3.20g/cmであり、相対密度99%であった。X線回折の結果、焼結体には菱面体晶が含まれていることが判った。また、表面を鏡面研磨した後、SEMで1000〜50000倍の範囲で表面観察を行ったところ、気孔は観察されなかった。
(実施例6)
まず、Aldrich社が販売している、粒径50nmのβ構造ナノSiCにSiC製造用ポリマー(商品名:SMP−10,Starfire社製)をSi元素比で5%添加して造粒した後、内径20mmのカーボン型に5g充填し、放電プラズマ焼結装置で焼結した。次に、100MPaで加圧しながらパルス通電し、2000℃で焼結した。
アルキメデス法による密度測定を行ったところ、3.20g/cmであり、相対密度99%であった。X線回折の結果、焼結体には菱面体晶が含まれていることが判った。また、表面を鏡面研磨した後、SEMで1000〜50000倍の範囲で表面観察を行ったところ、気孔は観察されなかった。
(比較例1)
まず、Aldrich社が販売している、粒径50nmのβ構造ナノSiCを内径20mmのカーボン型に5g充填し、放電プラズマ焼結装置で焼結した。次に、100MPaで加圧しながらパルス通電し、2000℃で焼結した。
アルキメデス法による密度測定を行ったところ、3.15g/cmであり、相対密度98%であった。X線回折の結果、立方晶のみであることが判った。また、表面を鏡面研磨した後、SEMで1000〜50000倍の範囲で表面観察を行ったところ、1μm前後の気孔が確認できた。
(比較例2)
まず、屋久島電工が販売している、粒径1μmのGCシリーズであるβ構造しCを内径20mmのカーボン型に5g充填し、放電プラズマ焼結装置で焼結した。次に、100MPaで加圧しながらパルス通電し、2000℃で焼結した。
得られた焼結体は多孔質であり、十分に焼結していなかった。寸法重量から求めた密度は2.13g/cmであり、相対密度66%であった。X線回折の結果、立方晶のみであることが判った。
(比較例3)
まず、実施例1で使用したSiC粒子を内径20mmのカーボン型に5g充填し、ホットプレス装置で焼結した。次に、100MPaで加圧しながら、2000℃で焼結した。
アルキメデス法による密度測定を行ったところ、3.00g/cmであり、相対密度93%であった。X線回折の結果、焼結体には菱面体晶が含まれていることが判った。
下記表1は、上記実施例1〜6及び比較例1〜3におけるCVD原料、SiC粒子の結晶状態及び内径、焼結方法、密度、相対密度を夫々示す。
Figure 2007217240
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。具体的には、SiC粒子の径は30nmや50nmに限らず、10〜100nmの範囲にあればよい。CVD原料も上記実施例に記載したものに限らない。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合せてもよい。
図1は管状炉でナノSiC粒子を生成した場合の波数と吸光度との関係を示す特性図を示す。 図2は本発明に適したSiC原料及び得られた焼結体のX線回折パターンを示す。 図3は本発明により得られた焼結体の研磨面のSEM写真図を示す。 図4は図3で観察した研磨面をより高倍率で観察したSEM写真図を示す。 図5は本発明により得られた焼結体を研磨、酸化した後ふっ酸で酸化膜を除去した面のSEM写真図を示す。

Claims (6)

  1. 不純物として焼結体中に残留する焼結助剤無添加で製造され、かつ主となる立方晶の他に菱面体晶が含まれることを特徴とするSiC焼結体。
  2. 気孔を持たず、密度3.20g/cm以上となることを特徴とする請求項1に記載のSiC焼結体。
  3. CVD法によって作成され、C−H結合およびSi−H結合が含まれるとともに、粒径が10〜100nmであることを特徴とする、焼結特性に優れたSiC粒子。
  4. 請求項3に記載のSiC粒子を原料とし、パルス通電焼結によって作製されることを特徴とするSiC焼結体の製造方法。
  5. C−H結合を実質的に含まない粒径10〜100nmのSiC粒子0〜90%と、請求項3に記載のSiC粒子100〜10%を混合した混合物を原料とし、パルス通電焼結によって作製されることを特徴とするSiC焼結体の製造方法。
  6. SiC粒子に有機シラン類をSi元素比で0.1〜20%、添加剤として混合した混合物を原料とし、パルス通電焼結によって作製されることを特徴とするSiC焼結体の製造方法。
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