JP2007216658A - フィルムの延伸方法及び延伸フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】光学用部材として用いられるフィルムを、効率よく縦延伸して提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂よりなるフィルムを熱風炉3において非接触で加熱しつつ、該フィルムの移動方向8に連続的に延伸し、該フィルム7の延伸工程後に、該フィルム7の幅方向に曲率を有し、上流側の曲率が下流側の曲率よりも小さいローラ11,12を用いてのシワ伸ばし工程を行い、引き取り工程に至る。
【選択図】図3

Description

本発明は、高品位のフィルム、特に光学用部材として用いられる延伸フィルムの延伸方法と該延伸方法により得られた延伸フィルムに関する。
近年、平面的な表示装置の市場拡大に伴い、該表示装置に用いられる部材に対し、種々の要求が高まっている。それに伴い、単なる透明フィルムではなく、より高品位な透明フィルムが光学用部材として求められている。
光学用部材としての透明フィルムには延伸処理が施されていることが多く、具体的な延伸方法としては、予熱工程としてフィルムを上流側の速度の遅い加熱されたロールに接触させた後、下流側の速度の速い冷却されたロールに接触させる延伸方法(ロール縦延伸)が多用されている。
近年、縦延伸に対し、予熱工程の加熱手段として熱風炉を用いてフィルムを水平方向に移動させながら延伸する方法(水平縦延伸)や、予熱工程の加熱手段として板状ヒーターを用い垂直方向にフィルムを移動させながら延伸する方法(垂直縦延伸、特許文献1参照)が提案されている。しかしながら、垂直縦延伸を行うためには、装置高さが異常に高くなり、その設備費は膨大なものとなる。該欠点を解消しようとして装置高さ全体を低くすれば、フィルムの移動速度を落とさざるをえず、生産性を損なう。また、フィルムの移動速度を落とさずに高さを減少させようとして、予熱工程や冷却工程に対応する装置部分を水平方向等とし、延伸工程とは直列でない配置にした時は、フィルム移動の方向転換が必要となり、加熱された状態でフィルムをロールに接触させることになる。その結果、垂直縦延伸の長所を失い、ロール縦延伸と同じ欠点を生じることとなる。
特開2000−147257号公報
本発明は、高品位のフィルム、特に光学用部材として用いられるフィルムを、効率よく縦延伸して提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成する技術を鋭意検討した結果、水平縦延伸が有する欠点を解消する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、熱可塑性樹脂よりなるフィルムを非接触加熱手段にて加熱しつつ、該フィルムの移動方向に連続的に延伸する延伸方法において、該フィルムの延伸工程後に、該フィルムの幅方向のシワ伸ばし工程を経由して引き取り工程に至ることを特徴とするフィルムの延伸方法である。
上記本発明の延伸方法においては、下記の構成を好ましい態様として含む。
非接触加熱手段が熱風炉である。
幅方向のシワ伸ばし工程が、フィルムの幅方向に曲率を有する複数のロールを経由する工程であり、上流側の該ロールの曲率をR1、下流側の該ロールの曲率をR2とした時、R1<R2である。
幅方向のシワ伸ばし工程が、フィルムの幅方向端部の一方を2本一組で挟持する補助ロールを経由する工程であり、該補助ロールのロール中心軸とフィルムの移動方向の上流側とのなす角度θが鋭角である。
熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂、耐熱アクリル系樹脂、アクリル系樹脂と脂肪族ポリエステル系樹脂よりなる樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン系樹脂よりなる樹脂組成物のいずれかである。
また本発明は、上記本発明の延伸方法により延伸されたフィルムを提供するものである。
本発明によれば、ロール縦延伸を用いた時に発生するロールへの粘着痕や延伸ムラ等、及び、水平縦延伸を用いた時に発生しやすいシワや擦り傷等のない、高品位のフィルムを安価に提供することが可能になる。
以下、本発明について具体的に説明する。
図1、図2は本発明のフィルムの延伸方法の一例として、非接触加熱手段として熱風炉を用いた水平縦延伸工程を示す模式図であり、図1は側面図、図2は平面図である。図中、1は供給用ロール、2は引き取り用ロール、3は熱風炉、4は熱風、5はシワ伸ばし手段、6,7はフィルム、8はフィルムの移動方向である。
図1、図2において、供給用ロール1の外周速度は引き取り用ロール2の外周速度よりも遅く、よってフィルム6は、熱風炉3内を通過する間に非接触で加熱されると同時に、ロール1及び2の速度差によって移動方向8に連続的に延伸(縦延伸)される(熱風炉3内では、予熱、延伸、冷却が行われる)。熱風炉3を出た延伸後のフィルム7は、シワ伸ばし手段5によるシワ伸ばし工程を経由して引き取り工程に至る。尚、図1、図2において、熱風炉3の下流部とシワ伸ばし手段5の上流部の位置関係が重複しているのは、熱風炉3内での冷却が充分であれば、シワ伸ばし手段5を熱風炉3内に設けても良いことを示している。
本発明において用いられる非接触加熱手段としては、フィルム6の固体への接触加熱以外であればいかなる方法でも良い。具体的には、板状や棒状の熱源としてのヒーターよりの直接輻射過熱、熱源の熱を金属やセラミックを介して行う間接輻射過熱、熱源の熱をアルミニウム板にて反射させる間接輻射過熱、電磁誘導加熱、レーザー等の高エネルギー波による加熱、過熱された流体を介して行う伝熱加熱等が挙げられる。本発明の目的を損なわなければ、前記流体が液体であってもかまわない。好ましくは、フィルムの均一加熱が可能な方法が良く、供給されるフィルムの主たる加熱手段が、気体による伝熱加熱である熱風炉が好ましく用いられる。該気体としては、経済上からは安価な気体が好ましく、一般的には空気が用いられるが、これに限定されるものではない。該気体は、定圧比熱の大きな気体が好ましい。尚、「主たる加熱手段が気体」とは、「副なる加熱手段」として、熱風炉の加熱された炉壁からの輻射加熱があることを意味する。また、ヒーター等の輻射過熱手段が併用されていてもかまわないのは当然のことである。板状ヒーターよりの直接輻射過熱、熱源の熱をアルミニウム板にて反射させる間接輻射過熱、過熱流体による伝熱加熱、及び、それらの複合の加熱方法が良い。
本発明における「フィルムの移動方向」は、フィルムの長手方向のことであり、MD方向、機械方向等と表現されることもある。
本発明における「移動方向に連続的に延伸する」とは、一般的に言われる縦延伸のことである。具体的には、フィルムの供給部から引き取り部の間においてフィルムが連続的であり、且つ、(フィルム供給部でのフィルムのMD方向加熱伸縮率)<(フィルム引き取り部でのフィルムのMD方向加熱伸縮率)の状態になっていることを言う。加熱伸縮率の比の大きさや、MD方向以外の加熱伸縮率の変化に限定されるものではない。本発明の目的を損なわない範囲であれば、横延伸やその他の加工が複合されていてもかまわない。尚、加熱伸縮率は、JIS K7133やそれに準拠する方法で測定できる。また、縦延伸を生じさせる一方法として、(フィルム供給部での移動速度)<(フィルム引き取り部での移動速度)が知られているが、該方法に限定されるものではない。
本発明における「延伸工程後に、幅方向のシワ伸ばし工程を経由して」とは、延伸開始地点より下流側に、幅方向のシワ伸ばし工程が位置していることを言う。ロール縦延伸と同様の不具合が発生しない範囲であれば、該シワ伸ばし工程が延伸工程の一部と重複していてもかまわない。
本発明において用いられるシワ伸ばし工程としては、フィルム幅方向に曲率を有する複数のロールを経由する工程と、フィルムの幅方向端部の一方を2本一組で挟持する補助ロールを経由する工程とが挙げられる。
図3に、フィルムの幅方向に曲率を有する複数のロールを経由する工程を側面から見た模式図を示す。図中l1、12はフィルム7の幅方向に曲率を有するロールであり、上流側のロール11の曲率R1が下流側のロールの曲率R2よりも小さく設定されている。
図4に、当該工程に用いるロールを引き取りロール2側から見た図を示す。図中21、23はフィルム7の幅方向の端部、22は中央部である。
本発明における「幅方向に曲率を有する」とは、幅方向中央部22のロール径をd1、フィルム7が接する領域の幅方向端部21(または23)のロール径をd21(またはd23)とした時、d1>d21(またはd23)であり、且つ、ロール断面の外形線(端部21〜中央部22〜反対側の端部23)に凹状態がなく滑らかにつながっていることを言う。一般的に言う曲率は一定でなくても良いが、両端部のロール径d21とd23は大差が無い方が好ましい。
本発明における「曲率」とは、幅方向中央部22とフィルム7が接する領域の両端部21,23を結ぶ曲率Rを言う。本発明で言う曲率Rの範囲は、フィルムが接する部分のロールの長さをLとした時、{(d1−d21)/L}=(0.001〜0.1)を満足する曲率が好ましい。さらに好ましくは、{(d1−d21)/L}=(0.005〜0.05)の範囲が良い。曲率Rが大きすぎた時({(d1−d21)/L}の値が小さすぎた時)は、シワ伸ばし手段としての機能が発現しない。また、曲率Rが小さすぎた時({(d1−d21)/L}の値が大きすぎた時)は、該曲率に伴う新たなシワが発生する。
図5に、前記補助ロールを経由するシワ伸ばし工程の平面模式図を、図6に側面模式を示す。図中、31は補助ロール、33はロール中心軸、34はフィルムの移動方向である。
本発明に係る補助ロール31は、ロール長さが引き取りロールの半分未満であり、フィルム7の幅方向端部の一方を2本一組で挟持する。フィルム7は当該一組の補助ロール31間を通過する際にシワが伸ばされる。本発明においては、図5に示すように、当該補助ロールを少なくとも一組用いるが、図7に示すように、フィルム7の幅方向両端部にそれぞれ一組ずつ、合計で2組の補助ロール31と32とをフィルム7の幅方向中央部を中心に対称に配置することが好ましい。
又、必要に応じて更に組み数を増加させても良い。例えば、フィルム7の幅方向両端部にそれぞれ二組ずつ、合計で4組の補助ロールを配置させても良いが、この場合でも幅方向中央部を中心に対称に配置することが好ましい。
本発明においては、補助ロール31のロール中心軸33とフィルム7の移動方向8の上流側とのなす角度θが鋭角である。本発明において、当該角度θは49°以上90°未満が好ましく、より好ましくは70°〜89°である。θが45°未満の時は、フィルム7が補助ロール31及び/または32にひっかかり、破断の原因となる。またθが90°以上の時は、シワの発生を増加させることになる。
本発明において用いられるフィルム6の素材である熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンやアモルファスポリオレフィンを含めたオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のエステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニール等である。光学部材として好ましくは、アモルファスポリオレフィン、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース、エステル系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
また、複屈折、光弾性係数、硬度、耐熱性等の性質より、光学部材としてさらに好ましくは、アクリル系樹脂、耐熱アクリル系樹脂、アクリル系樹脂と脂肪族ポリエステル系樹脂よりなる樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン系樹脂よりなる樹脂組成物が挙げられる。
本発明に用いられる「アクリル系樹脂」としては、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル、より選ばれる1種以上の単量体を重合したものである。なかでも、メタクリル酸メチルの単独重合体または他の単量体との共重合体が好ましい。メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、他のメタクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和酸類が挙げられる。
本発明に用いられる「耐熱アクリル系樹脂」とは、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルと、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和酸類との共重合体が挙げられる。好ましいものとしてはメタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体があり、共重合体中のメタクリル酸メチル単位が40〜90重量%、無水マレイン酸単位が3〜20重量%、スチレン単位が7〜40重量%、且つ無水マレイン酸単位に対するスチレン単位の割合が1〜3倍であることが耐熱性、光弾性係数の点から好ましい。さらに好ましくは、共重合体中のメタクリル酸メチル単位が40〜90重量%、無水マレイン酸単位が5〜19重量%、スチレン単位が10〜40重量%であり、とりわけ好ましくは、共重合体中のメタクリル酸メチル単位が45〜88重量%、無水マレイン酸単位が6〜15重量%、スチレン単位が16〜40重量%である。
本発明に用いられる「脂肪族ポリエステル系樹脂」としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸及びポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート及びポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエステルは、単独ないし2種以上を用いることができる。これらの脂肪族ポリエステルの中でも、ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体が好ましく、特にポリ乳酸系樹脂が好ましく使用される。これらの脂肪族ポリエステル系樹脂成分は1種以上を用いることができる。
ポリ乳酸系樹脂としては、L−乳酸及び/またはD−乳酸を主たる構成成分とする重合体であるが、本発明の目的を損なわない範囲で、乳酸以外の他の共重合成分0.1〜30重量%を含んでいてもよい。かかる他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などを使用することができる。これらの共重合成分は、単独ないし2種以上を用いることができる。
本発明に用いられる「スチレン系樹脂」とは、少なくとも50重量%を超えたスチレン系単量体成分よりなる重合体である。スチレン系単量体とは、スチレンのほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなどのビニル芳香族化合物単量体が挙げられ、代表的なものはスチレンである。本発明に用いられる「スチレン系樹脂」には、スチレン系単量体成分に他の単量体成分を共重合したものも含まれる。共重合可能な単量体としては、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸単量体、無水マレイン酸、イタコン酸、エチルマレイン酸、メチルイタコン酸、クロルマレイン酸などの無水物である不飽和ジカルボン酸無水物単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエンが挙げられ、2種以上を共重合することも可能である。本発明で好適に用いることができる「スチレン系樹脂」としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、スチレン系樹脂においては、共役ジエン、スチレン系単量体のベンゼン環の不飽和二重結合が水素添加されていても良い。
本発明においてアクリル系樹脂とスチレン系樹脂よりなる樹脂組成物におけるスチレン系樹脂の割合(重量部)の範囲は、光弾性係数の点から0.1重量部以上60重量部以下であることが好ましく、0.2重量部以上40重量部未満であることがさらに好ましく、0.3重量部以上30重量部以下であることがとりわけ好ましい。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で変性や複数樹脂の混合や熱硬化性樹脂の添加が行われてもかまわない。さらに、本発明の目的を損なわない範囲で分子量調節材、耐加水分解抑制剤、染顔料等の着色剤、滑剤、離型剤、軟化剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、補強剤等が添加されていてもかまわない。
本発明に用いられる延伸前のフィルムとは、厚みが0.01〜10.0mmのものであり、好ましくは0.03〜3.0mmであり、より好ましくは0.05〜1.5mmである。場合によってはシートと呼ばれることもある。本発明における延伸前のフィルムは、その製造方法の限定は無く、溶融押し出しTダイ成形法、溶融押出しインフレーション成形法等やキャスト成形法、流延法等であってもかまわない。
上記した本発明の延伸方法により得られる延伸フィルムは、厚みが0.001〜2.0mmのものであり、好ましくは0.005〜0.50mmであり、より好ましくは0.005〜0.30mmである。場合によってはシートと呼ばれることもある。
こうして得られたフィルムは、単なる透明フィルムではなく、より高品位な透明フィルムであり、光学材料として、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイ用、太陽電池に用いられる透明基盤等に好適に用いることができ、更なる処理として、反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理等の表面機能化処理を施すこともできる。
以下、本発明を水平縦延伸による実施例に基づいて説明する。但し、本発明はその主旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
(1)押出し成形
単軸押出し成形機(スクリュー径40mm)とコートハンガーダイ(幅400mm)を用い、縦延伸前のフィルムの厚さが150μmになるように、シリンダー温度、ダイ温度、スクリュー回転数、押出し機の引き取りロールの回転数等を調整し、320mm幅のフィルムを得た。
(2)水平縦延伸
ロールまたは熱風の温度を、各樹脂の延伸に適する温度に調整し、延伸倍率を1.1〜3.0の範囲で縦延伸を行った。前記延伸に適する温度としては、各樹脂のガラス転移点より20℃高い温度を基準にして調整した。シワ伸ばし手段として曲率を有するロール(曲率ロール)を用いた時は、上流側のロールとしてd1=55mm、d21(d23)=50mm、ロール長さ=500mmのロールを、下流側のロールとしてd1=52mm、d21(d23)=50mm、ロール長さ=500mmのロールを用いた。シワ伸ばし手段として補助ロールを用いた時は、ロール径=30mm、ロール長さ=150mmのロール2組を、フィルムの移動方向上流側とロール中心軸とのなす角度が85°になるように配置して延伸を行った。
(3)評価
上記(2)の水平縦延伸を実施し、幅305〜185mm、厚さ143〜87μmのサンプルフィルムを得た。各サンプルに関し、以下の評価を行った。
(ア)シワ
○:目視観察でシワはなかった。
×:目視観察でシワの発生を確認した。
(イ)粘着痕跡
○:目視観察で粘着痕跡は認められなかった。
×:目視観察で粘着痕跡を確認できた。
(ウ)光学部材特性
透明性は当然のこととして、複屈折、光弾性係数、耐熱性について評価した。
◎:上記の2項目以上で良好であり、他の1項目も使用可能な範囲内であった。
○:上記の1項目以上で良好であり、他の2項目も使用可能な範囲内であった。
△:上記の1項目以上で良好であったが、他の1項目以上で使用可能な範囲外であった。
×:シワのため高延伸倍率で測定用サンプルの採取ができなかった。
[実施例1]
熱可塑性樹脂としてポリスチレンを用い、フィルムの加熱手段として熱風を、シワ伸ばし手段として曲率ロールを用いて、水平縦延伸を行った。シワの発生等に関する結果を表1に示した。
[実施例2]
熱可塑性樹脂がアクリル樹脂であること以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示した。
[実施例3]
シワ伸ばし手段が補助ロールであること以外は、実施例2と同様である。結果を表1に示した。
[実施例4]
熱可塑性樹脂が耐熱アクリル系樹脂であること以外は、実施例3と同様である。結果を表1に示した。
[実施例5]
熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂とポリ乳酸系樹脂からなる樹脂組成物であること以外は、実施例3と同様である。結果を表1に示した。
[比較例1]
加熱手段がロールであること以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示した。
[比較例2]
加熱手段がロールであること以外は、実施例2と同様である。結果を表1に示した。
[比較例3]
シワ伸ばし手段が無いこと以外は、実施例1と同様である。結果を表1に示した。
[比較例4]
シワ伸ばし手段が無いこと以外は、実施例2と同様である。結果を表1に示した。
Figure 2007216658
表1から、本発明により、高品位のフィルム、特に光学用部材として用いられるフィルムの製造方法、及び、そのフィルムを提供できることがわかる。
本発明に係る、熱風炉を用いた水平縦延伸工程の側面模式図である。 図1の工程の平面模式図である。 本発明に係る、幅方向に曲率を有する複数のロールを用いたシワ伸ばし工程を示す側面模式図である。 図3のシワ伸ばし工程に用いられるロールを示す図である。 本発明に係る、一組の補助ローラを用いたシワ伸ばし工程を示す平面模式図である。 図5の工程の側面模式図である。 本発明に係る補助ローラを2組用いたシワ伸ばし工程を示す平面模式図である。
符号の説明
1 供給用ロール
2 引き取り用ロール
3 熱風炉の内壁
4 熱風
5 シワ伸ばし手段
6 縦延伸前のフィルム
7 縦延伸後のフィルム
8 フィルムの移動方向
11 R1の曲率を有するロール
12 R2の曲率を有するロール
21,23 端部
22 中央部
31,32 補助ロール
33 補助ロールの中心軸

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂よりなるフィルムを非接触加熱手段にて加熱しつつ、該フィルムの移動方向に連続的に延伸する延伸方法において、該フィルムの延伸工程後に、該フィルムの幅方向のシワ伸ばし工程を経由して引き取り工程に至ることを特徴とするフィルムの延伸方法。
  2. 前記非接触加熱手段が熱風炉である請求項1に記載のフィルムの延伸方法。
  3. 前記幅方向のシワ伸ばし工程が、フィルムの幅方向に曲率を有する複数のロールを経由する工程であり、上流側の該ロールの曲率をR1、下流側の該ロールの曲率をR2とした時、R1<R2である請求項1または2に記載のフィルムの延伸方法。
  4. 前記幅方向のシワ伸ばし工程が、フィルムの幅方向端部の一方を2本一組で挟持する補助ロールを経由する工程であり、該補助ロールのロール中心軸とフィルムの移動方向の上流側とのなす角度θが鋭角である請求項1または2に記載のフィルムの延伸方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂、耐熱アクリル系樹脂、アクリル系樹脂と脂肪族ポリエステル系樹脂よりなる樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン系樹脂よりなる樹脂組成物のいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムの延伸方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムの延伸方法により延伸されたことを特徴とする延伸フィルム。
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