JP2007215371A - 自動車用ジャンクションボックス - Google Patents

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一郎 照沼
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Abstract

【課題】異なる車種間で併用する際やマイナーチェンジなどで回路の変更があった場合にも莫大な費用を発生することなく、回路変更を容易に行うことができる自動車用ジャンクションボックスの提供。
【解決手段】ヒューズ上流側配線とヒューズ下流側配線とがヒューズを介して接続された電源体系を有する自動車用ジャンクションボックスにおいて、ヒューズ上流側が個別のバスバーで構成され、ヒューズ下流側が打ち抜き回路とタブ端子とで構成されたことを特徴とする自動車用ジャンクションボックス。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用ジャンクションボックスに関する。
従来、自動車用ジャンクションボックス(自動車用電気接続箱等とも称される。)の配線媒体としては、銅系の材料を打ち抜き、曲げ加工などを施したバスバー(ブスバー等とも称される。)が主流となっている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
特許文献1には、導電路を構成するバスバーの両側縁の適宜箇所に打出しによりバスバーの幅から突出する圧入片を設け、絶縁基板にバスバーの幅よりも広くかつ両側縁の圧入片間の外法よりも狭い幅を持つ溝を設けると共に、溝の圧入片に対応する位置に屑収容溝を設け、溝にバスバーの両側縁の圧入片を圧入してバスバーを絶縁基板に固定すると共に、圧入片の溝への圧入時に生じる絶縁基板の削り屑を屑収容溝に収容し得るようにしたバスバーと絶縁基板の固定構造が開示されている。
特許文献2には、所望のパターンを有する複数のバスバーを絶縁基板に配設してなるバスバー配線板において、複数のバスバーが導電率の異なる二種以上の導電性金属板から選択的に打抜き形成されているバスバー配線板が開示されている。
特許文献3には、素材から内部回路を形成する形状に打ち抜き折り曲げてできた数種のバスバーを、ブリッジをカットせずに各層のバスバーのブリッジの位置を合わせて所望の間隔をあけて積み重ね、積み重ねたバスバーを絶縁材料によって一括して成型した後、各層のバスバーのブリッジをカットする電気接続箱の製造方法が開示されている。
特許文献4には、隣合うバスバー間に連結片を残して所望の回路パターンを有する複数のバスバーを金属板から一体に打抜いてバスバー回路網板を形成し、回路網板を合成樹脂絶縁体により一体にモールドした後、連結片を切断除去すると共に、バスバーの所望の位置にタブ圧入孔を開孔し、タブ圧入孔に外部接続用のタブを圧入固定することによりバスバー回路板を形成し、連結片の切断除去により生じた切断分離部に接着性の樹脂を注入充填してバスバー回路板を積層固定するバスバー回路板の製造方法が開示されている。
特許文献5には、配線基板の上に複数の所望のパターンを有するバスバーを所定の位置的関係をもって配設し、各バスバーには端部の折り曲げにより必要なタブ状端子を形成して成るバスバー配線板の製造に際し、複数のバスバーのなかで前記タブ状端子が展開状態にあるときに互に干渉するためにその打抜きスペースをパターン形成に利用できない関係にある隣接するバスバーを選び分けることにより、複数のバスバーを少なくとも2つの干渉のないバスバー群に分け、分画された各バスバー群を、該バスバー群を構成する複数のバスバー間に夫々つなぎを残して一枚の導電性金属薄板から打抜いて、必要なタブ状端子を形成することにより作製し、各バスバー群を構成する複数のバスバー相互間のつなぎを切断分離した後、分離された各バスバーを前記所定の位置的関係に従って配線基板の上に配設するバスバー配線板の製造方法が開示されている。
実公平7−47932号公報 特許第2503316号公報 特許第2555052号公報 特許第2561948号公報 特許第2733521号公報
前述したように、従来、自動車用ジャンクションボックスのバスバーは、銅板をプレスで打ち抜き、曲げなどによって作製しているため、設備や金型作製に莫大な費用がかかり、例えば車体のマイナーチェンジに合わせた回路変更などがあった場合、莫大な費用が発生してしまうといった問題があった。また、こうした事情により、異なる車種間の共用も困難となっている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、異なる車種間で併用する際やマイナーチェンジなどで回路の変更があった場合にも莫大な費用を発生することなく、回路変更を容易に行うことができる自動車用ジャンクションボックスの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、ヒューズ上流側配線とヒューズ下流側配線とがヒューズを介して接続された電源体系を有する自動車用ジャンクションボックスにおいて、ヒューズ上流側が個別のバスバーで構成され、ヒューズ下流側が打ち抜き回路とタブ端子とで構成されたことを特徴とする自動車用ジャンクションボックスを提供する。
本発明の自動車用ジャンクションボックスにおいて、ジャンクションボックスとは別体のジョイントコネクタによって回路のジョイント部分が形成されていることが好ましい。
本発明の自動車用ジャンクションボックスにおいて、打ち抜き回路が合成樹脂製のインシュレーションプレート内に熱プレスによって押し込まれ、打ち抜き回路同士の絶縁が確保された構造を有していることが好ましい。
本発明の自動車用ジャンクションボックスは、ジャンクションボックスのヒューズ上流側と下流側を分けて、ヒューズ下流側を打ち抜き回路と汎用性のあるタブで構成し、異なる車種間で使用する際やマイナーチェンジなどで回路の変更があった場合にも莫大な費用を発生することなく、回路変更を容易に行うことができる。
本発明の自動車用ジャンクションボックスは、図1に示すような電源体系図に基づき、設計が行われる。このジャンクションボックス1の電源体型は、ミニヒューズ3を境に、ヒューズ上流側配線2とヒューズ下流側配線4に分けることができる。ヒューズ上流側は、車種が異なってもほとんど変わることはなく、マイナーチェンジなどで変更することもほとんどないのに対し、ヒューズ下流側は、車種間の違いやマイナーチェンジ時の変更も多々起こるといった特徴がある。
そこでこの点に着目し、ヒューズ上流側は従来のような一括でプレスを行う方式から個別のバスバー(一般的に縦バスバーと呼ばれる。)に変更し、ヒューズ下流側はプレス加工などの打ち抜きで作製した回路とタブ端子との組み合わせとする。この場合、基板に打ち抜き回路に接続するタブ端子は専用品ではなく、他のアプリケーションでも使えるような汎用性を持たせた設計とする。
図2は、本発明の自動車用ジャンクションボックスの一実施形態を示す組立斜視図である。本実施形態の自動車用ジャンクションボックス10は、ハウジング11とベース17との間に、ヒューズ上流側回路となる縦バスバー12と、前記縦バスバー12にヒューズを介して一端側が接続され、他端側が打ち抜き回路15に接続された縦長細板状の多数のヒューズ下タブ13と、インシュレーションプレート14(以下、IPと略記する。)に一部が埋め込まれている打ち抜き回路15と、前記IP14の下面側に配置され、一端側が前記打ち抜き回路15の所定位置と接続された縦長細板状の多数の出力側タブ16と、回路のジョイント部分をなす、自動車用ジャンクションボックス10とは別体のジョイントコネクタ18とを挟み込んだ構造になっている。
前記ハウジング11及びベース17を構成する材料としては、ポリアミド、ポリプロピレン等が挙げられる。このハウジング11及びベース17は、前記材料を射出成形法などによって成形して作製することができる。
前記縦バスバー12は、所望形状に加工した平板やFF端子などを組み合わせて作製することができる。なお、この縦バスバー12に代えて、積層バスバーを用いることも可能である。
前記ヒューズ下タブ13及び出力側タブ16としては、細板状に加工した音叉状端子等の汎用のタブ端子を用いることが好ましい。
前記打ち抜き回路15は、黄銅板、耐熱銅合金板などを所望形状に打ち抜き加工したものが用いられる。
また前記IP14は、十分な絶縁性を有していればよく、その材質は特に限定されないが、後述するように該IP14に打ち抜き回路15を熱プレスによって一部埋め込む構造と採用する場合には、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などの熱可塑性樹脂板からなるIP14を用いることが好ましい。
また前記ジョイントコネクタ18は、特に限定されることなく、従来より自動車用ジャンクションボックス等の分野で周知の各種のジョイントコネクタの中から適宜選択して使用することができる。
なお、本実施形態において、ヒューズは、ハウジング11の上部に突出して設けられている。
打ち抜き回路15とヒューズ下タブ13とは、フロー半田で接続されており、異なる車種間やマイナーチェンジ時の回路変更が起きた場合は、これらのヒューズ下流側の打ち抜き回路部分のみを変更すればよいので、バスバーを新たに設計・製造する場合のような莫大な費用を必要とせず、回路変更が行えるようになる。これにより、汎用性を持たせられるだけでなく、設計自由度も増加するといったメリットもある。
しかしながら、この方式の場合、回路変更を行う際には、打ち抜き回路15同士の絶縁を図るIP14を射出成形で製造せざるを得ないため、回路変更の際には、この金型費がかかってしまうという問題がある。そこで、本発明の好ましい実施形態にあっては、打ち抜き回路15が熱可塑性樹脂製のIP14内に熱プレスによって押し込まれ、打ち抜き回路15同士の絶縁が確保された構造を有している。
図3は、この打ち抜き回路15とIP14との一体品の製造過程を示す図である。この一体品を製造するには、まず、図3(a)に示すように、ヒータ21を内蔵したスタンピングダイ20に、IP14及びその上に乗せた打ち抜き回路15をセットする。このとき、スタンピングダイ20は、ヒータ21の加熱により、IP14の樹脂の軟化温度又は溶融温度付近に加熱しておく。次に、図3(b)に示すように、スタンピングダイ20により押圧する。打ち抜き回路15の所望部分は、加熱されながらIP14に押し込まれ、回路相互の絶縁が確保される。
このように、射出成形製のIPを廃止し、熱プレスにて押し付けるという工法を取ることで、今までかかっていたIPの金型代が削減できる上、IP自体の製造コストも削減できるようになる。
本例示では、最初にプレスで打ち抜いた回路(打ち抜き回路15)に樹脂板(IP14)を熱プレスで押し込ませる工法を例に挙げたが、プレスで回路を打ち抜くと同時に熱プレスまで行う工法を採用してもよい。
本発明の自動車用ジャンクションボックス10は、ジャンクションボックスのヒューズ上流側と下流側を分けて、ヒューズ下流側を打ち抜き回路15と汎用性のあるタブ13で構成し、異なる車種間で使用する際やマイナーチェンジなどで回路の変更があった場合にも莫大な費用を発生することなく、回路変更を容易に行うことができる。
本発明の自動車用ジャンクションボックスの電源体系の概略図である。 本発明の自動車用ジャンクションボックスの一実施形態を示す組立斜視図である。 本発明の自動車用ジャンクションボックスに用いる打ち抜き回路とIPとの一体品の製造過程を示す概略断面図である。
符号の説明
1,10…自動車用ジャンクションボックス、2…ヒューズ上流側配線、3…ミニヒューズ、4…ヒューズ下流側配線、11…ハウジング、12…縦バスバー、13…ヒューズ下タブ、14…IP、15…打ち抜き回路、16…出力側タブ、17…ベース、18…ジョイントコネクタ、20…スタンピングダイ、21…ヒータ。

Claims (3)

  1. ヒューズ上流側配線とヒューズ下流側配線とがヒューズを介して接続された電源体系を有する自動車用ジャンクションボックスにおいて、
    ヒューズ上流側が個別のバスバーで構成され、ヒューズ下流側が打ち抜き回路とタブ端子とで構成されたことを特徴とする自動車用ジャンクションボックス。
  2. ジャンクションボックスとは別体のジョイントコネクタによって回路のジョイント部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ジャンクションボックス。
  3. 打ち抜き回路が合成樹脂製のインシュレーションプレート内に熱プレスによって押し込まれ、打ち抜き回路同士の絶縁が確保された構造を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ジャンクションボックス。

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