JP3976627B2 - 電気接続箱の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の電線を並列に有するフラット回路体を層間接続させてフラット回路体アセンブリを形成し、そのフラット回路体アセンブリを接続箱本体に装着する電気接続箱の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13(a)(b)は従来のフラット回路体相互の接続構造と接続方法の一形態を示すものである(特開平8−17259号参照)。
このフラット回路体61,62は合成樹脂製の絶縁層63と、絶縁層63内に埋め込まれた複数のフラット導体64とで構成されている。各フラット導体64に対応して絶縁層63の片面側に穴部65が設けられ、両フラット回路体61,62の穴部65を対向させて、穴部65内でフラット導体64がハンダ66を介して相互に接続される。これにより、両フラット回路体61,62が相互に接続される。
【0003】
しかしながら、上記フラット回路体相互の接続構造と接続方法にあっては、絶縁層63の片面側のみに穴部65を設けたり、両フラット導体64をハンダ66を介して接続させる作業に多くの工数を要したり、作業の正確性を要するといった懸念があった。
【0004】
一方、図14は従来の電気接続箱の一形態を示すものである(実開平7−9023号参照)。
この電気接続箱71は、合成樹脂製の上カバー72と下カバー73すなわち接続箱本体と、両カバー72,73の間に積層して収容される電線配線板74やバスバー配線板75とを備えている。
【0005】
電線配線板74は合成樹脂製の絶縁基板76と、絶縁基板76の表面に布線される複数本の絶縁被覆電線77と、絶縁基板76を貫通し、電線77に圧接された端子78とを備えている。端子78は一方に圧接部78a、他方に雄タブ状の電気接触部78bを有している。
【0006】
また、バスバー配線板75は絶縁基板79と、絶縁基板79の表面に配索された複数本のバスバー80とを備えている。バスバー80は一体に立ち上げ又は立ち下げられた雄タブ状の端子81を有している。各端子78,81は上カバー72や下カバー73の各ハウジング82,83内に突出され、端子78,81とハウジング82,83とでコネクタが構成される。コネクタには外部ワイヤハーネスのコネクタ(図示せず)が接続される。コネクタに代えてハウジング82,83内に中継端子を介してヒューズやリレーを接続させることも可能である。
【0007】
しかしながら、上記従来の電気接続箱71にあっては、複数枚の硬質な絶縁基板76,79や多数本の電線77や重量のあるバスバー80等によって構造が肥大化・重量化すると共に、接続回路数が制限されたりするといった問題や、電線77の布線作業やバスバーの配索作業に多くの工数を要するという問題があった。
【0008】
この問題を解消するべく、前記図13のフラット回路体61,62を電気接続箱71内に配置する等した場合でも、フラット回路体相互の接続作業性や電気的接続の信頼性を一層向上させる必要があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した点に鑑み、コンパクトで且つ多くの接続回路に対応でき、しかも層間接続の信頼性を向上させることのできるフラット回路体相互の接続方法を適用した電気接続箱の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る電気接続箱の製造方法は、各フラット回路体の絶縁層にレーザで切れ込みを入れた後、パンチで切れ込み部分を打ち抜いて各フラット回路体の導線を露出させ、フォーミング加工用の押圧突部で少なくとも一方の露出導線を押圧変形させて他方の露出導線に接触させ、その状態で両露出導体を溶着させてフラット回路体アセンブリを形成し、該フラット回路体アセンブリを接続箱本体内に収容して、外周側に枠状の電線固定部を有する絶縁プレートの上にセットし、該フラット回路体アセンブリの各端末電線を該電線固定部の並列な各スリット部内に圧入しつつ、該接続箱本体側の端子の圧接部に圧接することを特徴とする。
上記構成により、フラット回路体の絶縁層がレーザの照射で容易に且つ確実に除去される。レーザは金属製の導線の表面に反射し、導線には何ら傷が付くことがなく、絶縁層のみが除去される。そして、露出した導線を相互に溶着することで、フラット回路体相互の層間接続が行われる。導線は所望(所要)の位置で露出され、且つ各層の所望(所要)の導線同士が直接接続される。
また、レーザの照射で絶縁層に正確な寸法で切れ込みが入れられ、切れ込み部分が絶縁層本体から分離される。次いでパンチで切れ込み部分を押圧することで、容易に絶縁層が導線から剥離される。さらに、一方の露出導線が他方の露出導線に向けてフォーミング加工で押圧されつつ変形し、他方の露出導線に接触する。これにより、両露出導線が正確に位置決めされ、次工程の両露出導線の直接接続が正確に行われる。
また、複数枚の薄いフラット回路体を積層して薄いフラット回路体アセンブリが得られ、電気接続箱内に少ないスペースでフラット回路体アセンブリが収容される。そして、フラット回路体アセンブリの端末電線を端子の圧接部に接続することで、端子にヒューズ等の電気部品を接続したり、端子を収容したコネクタに外部ワイヤハーネスのコネクタをしたりして、フラット回路体と電気部品や外部ワイヤハーネス等との多くの回路接続を得ることができる。端子の圧接部と端末電線との接続に皮剥きは不要である。
また、フラット回路体アセンブリの端末電線を絶縁プレートに固定したり、それと同時に絶縁プレート上で端子の圧接部に端末電線を効率良く接続したりすることができる。また、絶縁プレートを介して複数層にフラット回路体アセンブリを配置することができる。各フラット回路体アセンブリは絶縁プレートで確実に絶縁される。
【0013】
請求項2に係る電気接続箱の製造方法は、請求項1記載の電気接続箱の製造方法において、前記露出導体相互の溶着を抵抗溶接で行わせることを特徴とする。
上記構成により、レーザであけられた絶縁層の孔部に電極を挿入して露出導線同士が容易に且つ確実に抵抗溶接される。
【0016】
請求項3に係る電気接続箱の製造方法は、請求項1又は2記載の電気接続箱の製造方法において、前記フラット回路体アセンブリを前記絶縁プレートと共に複数層に積層することを特徴とする。
上記構成により、請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。すなわち、電気続箱内で少ないスペースでフラット回路体アセンブリが収容される。また、端子を介してフラット回路体と電気部品や外部ワイヤハーネス等との多くの回路接続を得ることができる。また、フラット回路体の端末電線を絶縁プレートに固定したり、それと同時に絶縁プレート上で端子の圧接部に端末電線を効率良く接続したりすることができ、絶縁プレートを介して複数層にフラット回路体アセンブリを配置することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るフラット回路体相互の接続構造の一実施形態を示すものである。
【0018】
フラット回路体1〜4は上下に積層して配置されている。本形態で上側のフラット回路体1,2は二枚、下側のフラット回路体3,4は二枚である。各フラット回路体1〜4の枚数や長さは本形態に限らず適宜設定される。各フラット回路体1〜4は合成樹脂製の薄肉の絶縁シート(絶縁層ないし絶縁体)5,5′と、絶縁シート5,5′内に並列に埋入された複数本の断面丸形の真直な導線(芯線ないし導体)6,6′とで構成されている。上層の絶縁シートと導線を符号5,6,下層の絶縁シートと導線を符号5′,6′で示している。
【0019】
絶縁シート5,5′としては塩ビ、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、又はフィルム状のPETやPEN等が使用されている。導線6,6′は一本の銅線で構成されている。導線6,6′は各絶縁シート5,5′間に挟み込まれたり、あるいは各絶縁シート5,5′内にインサート成型されたりしている。
【0020】
上下の各フラット回路体1〜4は板厚方向に重ねられて接触し、上下の各導線6,6′は直交して位置している。各導線6,6′は端部を含む全長に渡って絶縁シート5,5′で覆われている。上下のフラット回路体1〜4には所要な導線6,6′の長手方向の所要位置において絶縁シート5,5′に複数の矩形状の孔部7が貫通して設けられている。
【0021】
図2(a)(b)に一部のフラット回路体3を代表で示す如く、孔部7の中央にフラット回路体3の導線6′が露出して位置している。孔部7は導線周囲の環状の絶縁シート部分5aから導線6′の両側の薄肉のシート本体(連結部)5bにかけて矩形状に形成される。
【0022】
孔部7はレーザとパンチとダイスとで簡単且つ正確にあけることができる。上下両層のフラット回路体1〜4の孔部7を対向させた状態で、上下層の導線6,6′が孔部7内で溶接により直接接続される。以下にその方法についてフラット回路体3を用いて説明する。
【0023】
先ず図3(a)の如く絶縁シート5′にレーザで矩形状に切り込みを付ける。切り込み(切れ込み部分)8は符号8aの如く導線6′を径方向に横断し、符号8bの如くシート本体(連結部)5bを導線6′に沿って平行に切断している。導線6′は銅であるので銅表面でレーザを強く反射し、導線6′にレーザで傷が付くことを防止する。レーザにより、絶縁シート5′のみが板厚方向に完全に切り込まれる。但しこのままでは、導線6′の周囲をシート部分5aが環状に覆っているので、絶縁シート5′が剥がれることはない。
【0024】
そこで次に図4(a)(b)の如くパンチ10とダイス11を用いて、導線6′の径方向両端部において絶縁シート5′の環状部5aにパンチ10で導線長手方向の切れ込み12を入れつつ、絶縁シート5′の切れ込み部分8を下方に押圧して導線6′から完全に切り離す。絶縁シート5′の切断カス13は矩形状で且つ中央に略半環状の部分を有した状態でダイス11の孔部15内に落下し、外部に廃棄される。導線6′の上側における円弧状のシート切断片14も同時に落下する。剥がれにくい場合はエアブロー等で強制的に剥がすことも可能である。
【0025】
あるいは、図3のレーザ照射工程で導線6′の径方向両端部に沿って導線長手方向に絶縁シート5′をレーザで切り込ませておいてもよい。この場合はパンチ10を用いなくともエアブロー等で簡単に切断カス13,14を剥離させることができる。
【0026】
パンチ10は一対の横断面矩形状のブレード状の突出部16を有し、一対の突出部16の間の内幅寸法は導線6′の外径よりも大きく、導線6′の周囲の絶縁シートの環状部5aの外径よりも小さい。各突出部16の先端は直角ないし刃状の鋭利なエッジ16aとなっている。ダイス11は絶縁シート5′のシート本体すなわち平板状の連結部5bを支持する一対の薄板状の突出部17と、一対の突出部17の間の孔部15とを少なくとも有している。
【0027】
フラット回路体3はダイス11で絶縁シート本体5bを支持された状態でパンチ10で導線6′の周囲を矩形状に打ち抜かれる。この状態を図5に示す。図5は図2を拡大したものである。全てのフラット回路体1〜4について上記同様に孔部7が形成され、孔部7内で導体6,6′が露出される。
【0028】
絶縁シート5,5′の孔あけは複数のパンチ10で複数箇所を同時に行ってもよく、あるいは一つのパンチ10でフラット回路体1〜4を水平方向に移動させながら一つづつ孔あけしてもよい。孔あけはフラット回路体1〜4ごとに一枚づつ行うことが、絶縁シート5,5′の剥離精度(露出導体6,6′の位置精度)や作業性の面から好ましい。
【0029】
次いで好ましくは図6の如く、少なくとも一方(本例では上層)のフラット回路体1の露出した導線6を孔部7内で他方(下層)のフラット回路体3の露出した導線6′に向けてフォーミング加工して、両導線6,6′を接触ないしほぼ接触させる。フォーミング加工は、絶縁シート5,5′の厚みの分だけ両導線6,6′が離間しているから必要となる。フォーミング加工によって次工程の両導線6,6′の溶接が電極の中心線上で位置ずれなく正確に行われる。
【0030】
図6のフォーミング加工の例はプレスで押圧突部18を上側のフラット回路体1の露出した導線6に押し付ける形態をとっている。この際、下側のフラット回路体3は未だセットされていない。押圧突部18の先端は略台形状や矩形状に形成される。少なくとも次の溶接工程における電極の先端が露出導線6にフラットに面当たりする形状にフォーミング加工されることが必要である。
【0031】
なお、上下両方の導線6,6′を同時に合わせ方向にフォーミング加工することも可能である。この場合は、上下から両導線6,6′を挟むように一対の押圧突部18を変位させる。
【0032】
フォーミング加工は全ての孔部7について複数の押圧突部18で同時に行ったり、あるいはフラット回路体1〜4を水平方向に移動させつつ一つの押圧突部18で各孔部7毎に行ってもよい。なお、次工程の溶接用の電極でフォーミング加工を兼ねることも可能である。但し、その場合はフォーミング加工と溶接とがほぼ同時に(僅かな時間差で)行われるので、両導線6,6′を位置ずれなく溶接するには(溶着を安定に行わせ、電気的接続の信頼性を高めるには)、やはり事前にフォーミング加工を行うことが好ましい。
【0033】
図7は上下のフラット回路体1,3の導線6,6′同士を孔部7内で一対の電極20,21によって抵抗溶接する状態を示すものである。孔部7は電極20,21の外寸法よりも少し大きく形成されている。一例として矩形状の電極20,21の一辺の長さは3mm程度である。両導線6,6′は一対の電極20,21で加圧されつつ通電されて溶着する。これにより、ハンダに較べて接続強度が高く、引張や剥がし方向の力に対して強い接続部が構成される。
【0034】
溶接接続性及び接触安定性を高めるべく、少なくとも一方ないし両方のフラット回路体1〜4の導線6,6′を全長に渡って予め錫メッキ等しておくことも可能である。錫メッキは接続部の酸化防止にも有効である。
【0035】
なお、フラット回路体1〜4の上下の方向性は必ずしも限定される必要はなく、例えば絶縁シート5,5′の孔部7の形成や両導線6,6′の溶接を左右方向から行う、すなわちフラット回路体1〜4を水平ではなく垂直に縦置きした状態で行うことも可能である。これら上下前後左右の方向性は後述の実施形態においても限定されるものではない。
【0036】
図8は、上記方法によって形成されたフラット回路体アセンブリ(相互接続体)22を絶縁プレート23に組み付ける状態を示すものである。フラット回路体アセンブリ22と絶縁プレート23とでフラット回路ユニットが構成される。
【0037】
本例でフラット回路体24〜28は上層に四枚、下層に一枚配置されている。上層のフラット回路体24〜27は下層の長いフラット回路体28に直交して横断方向に配置されている。フラット回路体24〜28の枚数や導線6,6′の本数は回路接続形態に応じて適宜設定される。各層の導線6,6′は等ピッチで平行に配列されている。上層と下層とで導線6,6′のピッチは異なっていてもよい。
【0038】
絶縁プレート23は合成樹脂で矩形状に形成され、平板状のプレート本体29の前後左右の端部に電線固定部30が一体に設けられている。電線とは各導線6,6′が絶縁シート5,5′の環状部分5aで覆われた部分を言い、特にフラット回路体24〜28の端末部において各導線6,6′が絶縁シート5,5′の環状部分5aで覆われつつシート本体(連結部)5bから切り離されて長手方向に一本づつ並列に突出した部分(図1の符号31)を含む。
【0039】
電線固定部30は電線31すなわち環状の絶縁シート部分5aの外径よりも幅狭なスリット部32を成す複数の挟持壁33で構成されている。複数の挟持壁33が絶縁プレート23の周囲に並列に立設されている。絶縁プレート23は電線固定部30と一体に樹脂成形される。
【0040】
上層のフラット回路体24〜27の両端末の電線部分すなわち端末電線31は絶縁プレート23の長辺側の固定部30で固定され、下層のフラット回路体28の両端末の電線部分31は絶縁プレート23の短辺側の固定部30で固定される。各端末電線31は隣接の一対の挟持壁33の間に上方からブレード等で圧入され、挟持壁33の弾性力でスリット部32内に抜け出しなく挟持固定される。
【0041】
各挟持壁33の間の凹所又は各挟持壁33の手前側(プレート本体29側)には圧接端子(図示せず)が配置される。各端末電線31は圧接端子で圧接されつつ挟持壁33で安定に挟持固定される。なお、圧接端子との圧接のみで電線31を固定させることも可能である。但し、引張や振動等に対しては挟持壁33等による電線固定部30が必要である。絶縁プレート30の外周の要部には電気接続箱への固定用の孔部34が設けられている。
【0042】
図9〜図12は、上記同様のフラット回路体アセンブリ及び絶縁プレートを備える電気接続箱の一実施形態を示すものである。
【0043】
この電気接続箱35は、合成樹脂製のケース(接続箱本体)36と、ケース36内に収容されるフラット回路体アセンブリ37と、ケース36内で回路体アセンブリ37を載置する絶縁プレート38と、回路体アセンブリ37を構成する上下二枚のフラット回路体1〜4(図1参照)の各電線31を接続する圧接部41を一方に有する複数の端子42(図12)と、端子42の他方の雄タブ状の電気接触部43を突出させたコネクタ部44と、端子(図示せず)の音叉状の電気接触部45(図11)に接続されるヒューズ(図示せず)とを少なくとも備える。
【0044】
回路体アセンブリ37はケース36の上壁46の開口47内に収容され、開口47はカバー(図示せず)で覆われる。カバーはケース36に係止手段である係止突起48(図11)と係合枠部(図示せず)で係止される。フラット回路体アセンブリ37は上層の二枚の平行なフラット回路体1,2と下層の二枚の平行な且つ上層側とは直交するフラット回路体3,4とで構成されている。
【0045】
各フラット回路体1〜4の導線6,6′は孔部7内で抵抗溶接されている。導線6,6′によっては孔部49で長手方向中間部で切断されて、二本ないしそれ以上の回路に分割されているものもある。各導線6,6′は等ピッチで平行に配列されている。
【0046】
図12の如く上下のフラット回路体1〜4は絶縁シート5,5′の環状部分5a同士が接して位置している。上下の導線6,6′は前述の如く一方ないし両方がフォーミング加工により接近した状態で溶接されることが好ましい。
【0047】
下層のフラット回路体3,4は絶縁プレート38の垂直なリブ50で支持されている。絶縁プレート50の下には下層(第一層)側のフラット回路体アセンブリ51が配置されている。両回路体アセンブリ37,51は絶縁プレート38を介して位置し、絶縁プレート38で両層37,51の絶縁が確実に行われている。絶縁プレート38の下面に接して第一層の上層のフラット回路体52が位置している。
【0048】
本形態で第一層の回路体アセンブリ51の上下のフラット回路体52,53の配索方向は上記上層(第二層)側の回路体アセンブリ37のフラット回路体1〜4の配索方向とは90°逆になっている(第二層側の下層の導線と第一層側の上層の導線とは平行に配置されている)。第一層の回路体アセンブリ51は下側(第一層)の絶縁プレート54で支持されている。各絶縁プレート38,54はケース36の内壁で支持されている。
【0049】
両層の回路体アセンブリ37,51のX方向(幅方向ないし短辺方向)の二層のフラット回路体3,4,52の導線の両端末はケース36の左右両側で各端子42の圧接部41に圧接されて各端子42の上下二層のタブ状接触部43に続き、図10の如く各電気接触部43はケース36と一体ないし別体の合成樹脂製のコネクタハウジング55内に突出して、左右両側のコネクタ44を構成している。コネクタ44には外部ワイヤハーネスのコネクタ(図示せず)が嵌合接続される。
【0050】
また、両層の回路体アセンブリ37,51のY方向(長手方向ないし長辺方向)の二層のフラット回路体1,2,53の導線の両端末はケース36の前後両側で各端子(図示せず)の圧接部41に圧接されている。各端子は図11の如く複数層の音叉状接触部45に続き、各音叉状接触部45はケース36と一体ないし別体の合成樹脂製のヒューズ装着部(ハウジング)56内に突出して、ブレード型ヒューズのタブ端子(図示せず)に接続される。
【0051】
このように二層のフラット回路体1〜4,52〜53を交差方向に接合して成る薄型の回路体アセンブリ37,51を用いることで、電気接続箱35内の空間を省スペースで活用でき、電気接続箱35のコンパクト化を図ることができると共に、何層にも回路体アセンブリ37,51を配設して多数のヒューズや多極コネクタを接続することができる。回路体アセンブリの層数は二層に限らずそれ以上ないしそれ以下とすることも容易である。
【0052】
電気接続箱35は自動車のパネル等に一対のブラケット57で固定される。ブラケット57はケース36の外壁のレール部58(図9)に離脱可能にスライド式に装着されている。車種等に応じてブラケット57のみを変更し、電気接続箱35の内部を共用することも可能である。
【0053】
その場合、回路体アセンブリ37,51のどの導線同士を溶接接続するか、また導線本数やフラット回路体の枚数をどの位にするか等は、ワイヤハーネスやヒューズ等の負荷側の回路仕様に応じて適宜変更される。この接続回路の変更が容易である点もこの回路体アセンブリ37,51の特徴である。
【0054】
なお、上記電気接続箱35はヒューズやコネクタを回路体アセンブリ37,51を介して接続させるものであるが、それ以外に電気部品としてリレーを接続したり、電子部品を含む電子ユニット等を接続するようにすることも可能である。また、一つの回路体アセンブリ51においてフラット回路体の枚数を二枚に限らず三枚ないしそれ以上に積層して、溶接で導線の層間接続を行わせることも可能である。
【0055】
また、二枚のフラット回路体を直交ではなく斜め方向に交差させたり、平行にした状態で直接接続させることも可能である。但し平行な場合は露出導線同士の位置決めが必要である。また、レーザによる絶縁シート5,5′の除去は矩形状に限らず円形等に行うことも可能である。この場合、それに見合った形状のパンチ(10)を容易する。また、レーザで絶縁シート5,5′を切断ではなく直接溶かして除去させることも可能である。
【0056】
また、溶接に代えて超音波溶着により導線6,6′の層間接続を行わせることも可能である。この場合は溶接用の電極20,21(図7)に代えて超音波ホーンを用いる。また、ビーム溶接で導線同士を溶着させることも可能である。また、端子の圧接部41に代えて端子の接続部をフラット回路体の導線6,6′に圧着や溶着等で接続させることも可能である。また、端子の電気接触部43,45の形状はタブ状や音叉状に限らず雌型としたり種々の形態に成型可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、フラット回路体の絶縁層のみをレーザで容易に且つ確実に除去することができるから、フラット回路体アセンブリの生産性が向上する。また、従来の布線板を用いない薄いフラット回路体アセンブリにより、構造がコンパクト化・低コスト化される。また、フラット回路体の所望の導線同士を接続させることができるから、種々の回路形態に容易に対応でき、フラット回路体アセンブリの共用化により、低コスト化が可能となる。
【0058】
また、上記効果に加えて、レーザとパンチとでフラット回路体の絶縁層を一層正確に且つ容易に剥離させることができるから、フラット回路体アセンブリの生産性が一層向上する。
【0059】
また、両層のフラット回路体の露出導線が接触ないしほぼ接触した状態で直接接続されるから、直接接続すなわち両フラット回路体の層間接続の信頼性が向上する。
また、複数枚の薄いフラット回路体を積層接続した薄いフラット回路体アセンブリにより、電気接続箱の薄型化が達成され、自動車等の狭い設置スペースに電気接続箱を容易に且つ確実に組み付けることができる。また、回路数を増やして多くの補機や電装品等の接続に対応することができる。また、圧接により、導線を露出させることなく端子に端末電線を容易に接続させることができる。また、車種等ごとにフラット回路体アセンブリを共用して電気接続箱のコストを低減させることができる。
また、フラット回路体同士を層間接続させた後、絶縁プレート上に組み付けることで、例えば従来の布線板に断面丸形の絶縁被覆電線を一筆書き状に布線する構造に較べて、絶縁プレートにフラット回路体を容易に組み付けることができ、生産性が向上する。
【0060】
請求項2記載の発明によれば、レーザであけられた絶縁層の孔部に電極を挿入することで、両層のフラット回路体の露出導線同士を容易に且つ確実に溶着させることができ、電気的接続の信頼性が向上する。
【0062】
請求項3記載の発明によれば、絶縁プレートを介して複数層にフラット回路体アセンブリを配置することで、一層多くの接続回路に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフラット回路体アセンブリの一実施形態を示す平面図である。
【図2】(a)はフラット回路体の要部を示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図3】フラット回路体の製造方法の第一工程(切り込み工程)を示す要部平面図である。
【図4】(a)はフラット回路体の製造方法の第二工程(打ち抜き工程)を示す要部断面図、(b)は同じく打ち抜き時の状態を示す要部断面図である。
【図5】打ち抜きで導線を露出させた状態を示す要部平面図である。
【図6】フラット回路体の製造方法の第三工程(フォーミング工程)を示す要部断面図である。
【図7】フラット回路体アセンブリの層間接続方法の一形態を示す要部斜視図である。
【図8】フラット回路体アセンブリを絶縁プレートにセットする状態を示す分解斜視図である。
【図9】フラット回路体アセンブリ等をケース内に組み付けた電気接続箱の一実施形態を示す平面図である。
【図10】同じく電気接続箱を示す一側面図である。
【図11】同じく電気接続箱を示す正面図である。
【図12】図9のB−B断面図である。
【図13】(a)は従来のフラット回路体アセンブリの製造方法の一形態を示す分解斜視図、(b)は同じく回路体アセンブリを示す断面図である。
【図14】従来の電気接続箱の一形態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1〜4、24〜28 フラット回路体
5,5′ 絶縁シート(絶縁層)
6,6′ 導線
8 切れ込み部分
10 パンチ
22,37 フラット回路体アセンブリ
23,38 絶縁プレート
31 端末電線
35 電気接続箱
36 ケース(接続箱本体)
41 圧接部
42 端子
Claims (3)
- 各フラット回路体の絶縁層にレーザで切れ込みを入れた後、パンチで切れ込み部分を打ち抜いて各フラット回路体の導線を露出させ、フォーミング加工用の押圧突部で少なくとも一方の露出導線を押圧変形させて他方の露出導線に接触させ、その状態で両露出導体を溶着させてフラット回路体アセンブリを形成し、該フラット回路体アセンブリを接続箱本体内に収容して、外周側に枠状の電線固定部を有する絶縁プレートの上にセットし、該フラット回路体アセンブリの各端末電線を該電線固定部の並列な各スリット部内に圧入しつつ、該接続箱本体側の端子の圧接部に圧接することを特徴とする電気接続箱の製造方法。
- 前記露出導体相互の溶着を抵抗溶接で行わせることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱の製造方法。
- 前記フラット回路体アセンブリを前記絶縁プレートと共に複数層に積層することを特徴とする請求項1又は2記載の電気接続箱の製造方法。
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