JP2007213852A - 燃料電池用電解質膜とその製法及びそれを用いた燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解エッチング等のマイクロ加工技術を応用して、シリコンウェーハの様なシリコン膜に微細孔を形成させるという手法で、例えば、小型で軽量の燃料電池用の電解質膜及び燃料電池を開発すること。
【解決手段】シリコン膜に、電解エッチングにより平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある多数の貫通孔を形成し、この貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを、充填率が8%以上になるように充填して得られる燃料電池用電解質膜とその製法、並びにそれを具備した燃料電池。
【選択図】図1
【解決手段】シリコン膜に、電解エッチングにより平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある多数の貫通孔を形成し、この貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを、充填率が8%以上になるように充填して得られる燃料電池用電解質膜とその製法、並びにそれを具備した燃料電池。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池用電解質膜、特に小型で高性能のアルコール燃料電池等用の電解質膜とその製法、及びそれを用いた燃料電池に関する。
近年、ノートパソコン、携帯電話等のモバイル機器の普及に伴い、小型且つ高性能の電源が必要とされている。例えば、直接メタノール形燃料電池(DMFC)は、発電効率が高く、携帯に容易な燃料のメタノールを補充することによって、発電を継続できることから、高性能モバイル機器用電源として期待が大きい。しかし、従来、一般的に用いられているナフィオン膜(デュポン社登録商標)では、膜の膨潤によるメタノールのクロスオーバー(透過)が生じやすく、それが燃料電池の性能を低下させるという欠点があった。
従って、かかる問題点を解決するために、電解質膜の改善あるいは新規電解質膜の開発が求められており、これまでに、ポリマーやポリイミドを多孔質基材に充填した細孔フィリング型電解質膜(非特許文献1)や、多孔質シリカを用いたコンポジット膜(非特許文献2)などが研究・開発されてきた。また、有機・無機の多孔質膜にプロトン伝導性の基あるいはポリマーを導入・充填した電解質膜も色々と提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。また、100℃以上の高温で使用可能な燃料電池用電解質膜として、金属膜又はケイ素膜を陽極酸化することにより直径0.01〜150μmの貫通孔を形成し、この貫通孔の内壁にプロトン伝導性の水酸基等の官能基を修飾したものも提案されている(特許文献5)。しかしながら、例えば、特許文献5のものは、孔の内面に水酸基が修飾されているが、残りの部分は空洞なので、アノード極からプロトン以外に燃料も素通りすることが考えられる等、これまでの提案では、実用的に十分満足すべきものは未だ得られていない。
T. Yamaguchi et al., Advanced Materials, 15 (2003), 1198 棟方ら,第45回電池討論会講演要旨集,568, (2004) 特開2004−281271号公報
特開2005−71756号公報
特開2006−12527号公報
WO2002−59996号公報
特開2004−47206号公報
T. Yamaguchi et al., Advanced Materials, 15 (2003), 1198 棟方ら,第45回電池討論会講演要旨集,568, (2004)
本発明者は、電解エッチング等のマイクロ加工技術(MEMS)を応用して、シリコンウェーハの様なシリコン膜(板状のものも含む)に微細孔を形成させるという手法で、例えば、小型で軽量の燃料電池用の電解質膜及び燃料電池を開発することを目的として鋭意研究を行った。
本発明の請求項1に記載された発明は、多数の貫通孔を形成したシリコン膜であって、この貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを充填してなる燃料電池用電解質膜である。
本発明の請求項2記載の発明は、貫通孔の平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある請求項1記載の燃料電池用電解質膜である。
本発明の請求項3記載の発明は、プロトン伝導性ポリマーが、パーフルオロスルホン酸とポリテトラフルオロエチレンのコポリマー(H+型)である請求項1又は2記載の燃料電池用電解質膜である。
本発明の請求項4記載の発明は、プロトン伝導性ポリマーの充填率が8%以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料電池用電解質膜である。
本発明の請求項5記載の発明は、シリコン膜に、電解エッチングにより平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある多数の貫通孔を形成し、この貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを、充填率が8%以上になるように充填することからなる燃料電池用電解質膜の製法である。
本発明の請求項6記載の発明は、貫通孔に、パーフルオロスルホン酸とポリテトラフルオロエチレンのコポリマー(H+型)の溶液を注入し、ポリマーゲルを形成せることからなる請求項5記載の燃料電池用電解質膜の製法である。
本発明の請求項7記載の発明は、平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある多数の貫通孔を形成したシリコン膜であって、この貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを、充填率が8%以上になるように充填してなる燃料電池用電解質膜を具備してなる燃料電池である。
本発明の請求項8記載の発明は、請求項7記載の電解質膜を具備してなるアルコール燃料電池である。
本発明の請求項9記載の発明は、請求項7記載の電解質膜を具備してなる水素燃料電池である。
本発明の電解質膜は、孔の中は隙間なく、例えば、ゲル状態のポリマー電解質で充填されているので、アルコール等の燃料の素通りは起こりにくい。そして、高濃度・高温下における燃料のクロースオーバーが抑えられ、燃料電池の小型化・軽量化が実現できる。
本発明は、シリコン膜(基板や板状のものも含む)に電解エッチング(陽極酸化法)により、好ましくは平均孔径が0.1〜10μm、更に好ましくは1〜6μmの貫通孔を多数設け、この貫通孔に電解質としてプロトン伝導性ポリマーを充填するものである。プロトン伝導性ポリマーとしては、公知のアニオン、カチオン又は両性イオン型のポリマー等が用いられる。貫通孔の孔径は、一般的に0.01μmから数十μmの範囲にあれば良いが、100μm平方の範囲にある貫通孔の孔径の平均が0.1〜10μmの範囲にあるのが好ましい。1〜6μmの範囲にあるのが更に好ましい
プロトン伝導性ポリマーとしては、例えば、分子内に1個以上のスルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基等を有するポリマーが挙げられるが、フッ素系ポリマーにスルホン酸基を導入したものが好ましい。中でも、好ましいのは、パーフルオロスルホン酸とポリテトラフルオロエチレンのコポリマー(H+型)である。かかるコポリマーは、例えば、ナフィオン(デュポン社登録商標)ポリマーとして市販されており、下記一般式で表されるものである(下記式において、x、m、nは1以上の整数を表す)。
この溶液(又は分散溶液)を貫通孔に注入すると、ナフィオンポリマーのゲルが形成され、孔がゲルで充填される。ナフィオンポリマーは末端にスルホン酸基を有しているので、これにより貫通孔の部分にプロトン伝導性が付与される。また、ポーラスシリコンの壁面が、ナフィオン膜の膨潤を抑えるので、アルコール等の燃料のクロスオーバーが抑制される。更に、本発明では、孔の中は隙間なくゲル状態の電解質で充填されているので、燃料の素通りが起こりにくいという特徴もある。また、本発明においては、ナフィオン等のポリマーと硫酸等の低分子の電解質を混合して同時に充填しても良い。かかる充填を行うと、スルホン酸基の増加よるプロトン伝導度の向上を図ることができる。
本発明において、プロトン伝導性ポリマーの充填率とは、ポーラスシリコン膜の質量をm1、電解質を浸透させた後の膜の質量をm2とした場合に、ε=((m2−m1)/m1)×100(%)で計算される、貫通孔内部に充填されている電解質の質量割合(ε)である。本発明においては、プロトン伝導性ポリマーの充填率が8%以上のものが好ましく、更に好ましくは10%以上のものである。
本発明によると、単なるナフィオン膜の場合に問題となっているクロスオーバー(透過)現象が抑制され、高性能のプロトン伝導性を有する電解質膜が得られる。しかも、本発明の電解質膜はシリコンを用いているので、電極、電解質膜、流路を一体化できるという利点もある。
本発明の電解質膜は、シリコン膜(シリコン基板あるいはその他のシリコン板を含む)に、電解エッチングにより平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある多数の貫通孔を形成し、この貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを、充填率が8%以上になるように充填することによって得られる。貫通孔を作成するための電解エッチングの方法・手段としては、公知の方法・手段を採用することができる。その際、貫通孔は、約100μm平方の範囲にある貫通孔の孔径の平均が、0.1〜10μm、好ましくは1〜6μmの範囲にあるように作成するのが良い。
そして、かかる貫通孔に、プロトン伝導性ポリマーを、充填率が8%以上、好ましくは10%以上になるように充填する。充填の方法・手段は特に制限されるものではなく、どのようなやり方でも良い。例えば、パーフルオロスルホン酸とポリテトラフルオロエチレンのコポリマー(H+型)の場合には、その溶液(又は分散液)を貫通孔に注入しポリマーゲルを形成させれば良い。
本発明の燃料電池用電解質膜は、公知の方法で電極等と組み合わせて燃料電池とすることができる。即ち、本発明で得られる平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある多数の貫通孔を形成したシリコン膜であって、この貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを、充填率が8%以上になるように充填してなる燃料電池用電解質膜を具備した燃料電池が得られる。本発明の燃料電池用電解質膜は、燃料電池のなかでも、特に、アルコール燃料電池又は水素燃料電池を製造するのに適している。以下、実施例により本発明を詳述する。
[陽極化成法によるポーラスシリコンの作製]
ポーラスシリコンは、陽極化成法(Anodic Etching)を用いて作製した。これは、シリコン基板を陽極として、ふっ酸水溶液中で表面が電解され、多孔質状にエッチングされる方法として知られている。シリコン基板には、直径4インチで厚み500μmのn型<100>のウェーハを用いた。その比抵抗は、おおよそ11.75Ω・cmである。ウェーハを1.5cm×1.5cmの大きさにカットし、図1に示したような陽極化成装置に装着した。シリコン基板の片面の直径約0.9cmの円形領域を電解液に浸し、その裏側から光を照射させながら、回路に5.0mA/cm2の電流を流した。なお、用いた電解液は、10wt%ふっ酸水溶液に、界面活性剤の10wt%エタノール溶液を添加したものである。
ポーラスシリコンは、陽極化成法(Anodic Etching)を用いて作製した。これは、シリコン基板を陽極として、ふっ酸水溶液中で表面が電解され、多孔質状にエッチングされる方法として知られている。シリコン基板には、直径4インチで厚み500μmのn型<100>のウェーハを用いた。その比抵抗は、おおよそ11.75Ω・cmである。ウェーハを1.5cm×1.5cmの大きさにカットし、図1に示したような陽極化成装置に装着した。シリコン基板の片面の直径約0.9cmの円形領域を電解液に浸し、その裏側から光を照射させながら、回路に5.0mA/cm2の電流を流した。なお、用いた電解液は、10wt%ふっ酸水溶液に、界面活性剤の10wt%エタノール溶液を添加したものである。
陽極化成開始後、最初のうちはシリコン基板の表面がポーラス化され、時間が経過すると共に、ポーラス化した表面から細孔が厚み方向に徐々に伸びていった。8時間のエッチングをしたところ、形成した細孔の深さは約100μmであった。ここで、陽極化成を止め、シリコン基板の裏側を研磨することによって細孔を貫通させた。表面側の細孔は約3μmの直径を持っていたが、裏側の孔径が比較的大きく、約3−6μmとなっていた。なお、この場合のポーラスシリコンの空隙率は、0.636cm2の反応面積に対して約35%に見積もられた。
[ポーラスシリコン膜の作成]
上記で得られた貫通孔を有するポーラスシリコンに、ナフィオン(デュポン社登録商標)分散溶液5wt%、分散溶液10wt%及び分散溶液20wt%を浸透させた。次に、ポーラスシリコンをこれらの電解質溶液に入れたままの状態で、約10分間超音波をかけた。ポーラスシリコン基板の質量をm1、電解質を浸透させた基板の質量をm2として、貫通孔内部に充填されている電解質の質量割合ε(充填率)を式、ε=((m2−m1)/m1)×100(%)で定義し計算したところ、分散溶液5wt%のものはε=6.23%、分散溶液10wt%のものはε=8.39%、分散溶液20wt%のものはε=11.01%であった。
上記で得られた貫通孔を有するポーラスシリコンに、ナフィオン(デュポン社登録商標)分散溶液5wt%、分散溶液10wt%及び分散溶液20wt%を浸透させた。次に、ポーラスシリコンをこれらの電解質溶液に入れたままの状態で、約10分間超音波をかけた。ポーラスシリコン基板の質量をm1、電解質を浸透させた基板の質量をm2として、貫通孔内部に充填されている電解質の質量割合ε(充填率)を式、ε=((m2−m1)/m1)×100(%)で定義し計算したところ、分散溶液5wt%のものはε=6.23%、分散溶液10wt%のものはε=8.39%、分散溶液20wt%のものはε=11.01%であった。
[水素用テストセルを用いた実験]
水素と空気をフィードする図2のようなテストセルを組み立てた。図2において、アノード極とカソード極には、それぞれカーボン紙に触媒としてPt-Ru(0.50mg/cm2)とPt(0.50mg/cm2)を担持させ、従来の電解質膜の代わりに、ポーラスシリコン膜を挟んだ(膜電極接合体)。テストセルのアノード極に水素、カソード極に空気を供給し、それぞれの流量が100ml/min及び200ml/minの一定の条件の下で、電圧、電流密度及びセル抵抗などを計測した。セル抵抗については、鶴賀電機(株)のディジタル低抵抗計3566(交流4端子法、1kHz)を用いた。
水素と空気をフィードする図2のようなテストセルを組み立てた。図2において、アノード極とカソード極には、それぞれカーボン紙に触媒としてPt-Ru(0.50mg/cm2)とPt(0.50mg/cm2)を担持させ、従来の電解質膜の代わりに、ポーラスシリコン膜を挟んだ(膜電極接合体)。テストセルのアノード極に水素、カソード極に空気を供給し、それぞれの流量が100ml/min及び200ml/minの一定の条件の下で、電圧、電流密度及びセル抵抗などを計測した。セル抵抗については、鶴賀電機(株)のディジタル低抵抗計3566(交流4端子法、1kHz)を用いた。
前記で得られたポーラスシリコン膜の中で、一例として、ナフィオン分散溶液5wt%(ε=6.23%)を浸透・充填した膜の例を図3に示した。図3は、電流密度とセル電圧(a)、セル出力密度(b)及びセル抵抗(c)の計測結果を示しており、セルの開回路電圧は0.892V、最大出力密度は1.27mW/cm2であった。
[メタノール用テストセルを用いた実験]
次に、前記で得られたナフィオン分散溶液10wt%(ε=8.39%)を浸透・充填したポーラスシリコン膜を用いた実験を行った。この場合は、図2のテストセルにおいて、アノード極にメタノール水溶液を供給し、カソード極には自然給気として開回路電圧を測定した。メタノール水溶液が10wt%の時、開回路電圧が最大で約0.6V、20wt%では0.7Vに達した。
次に、前記で得られたナフィオン分散溶液10wt%(ε=8.39%)を浸透・充填したポーラスシリコン膜を用いた実験を行った。この場合は、図2のテストセルにおいて、アノード極にメタノール水溶液を供給し、カソード極には自然給気として開回路電圧を測定した。メタノール水溶液が10wt%の時、開回路電圧が最大で約0.6V、20wt%では0.7Vに達した。
次いで、前記で得られたナフィオン分散溶液20wt%(ε=11%)を浸透・充填したポーラスシリコン膜を用いて、前記と同じメタノール用テストセルを用いて実験を行った。メタノール水溶液が10wt%の時、計測した電流密度とセル電圧及びセルの出力密度との関係を図4の(a)と(b)に示した。以上の結果から、本発明のポーラスシリコン膜は、マイクロ燃料電池の電解質膜として十分機能することが検証された。
実施例1と同じ方法で、平均孔径d=1.765μmとd=1.355μmで、空隙率は共に約20%前後であるポーラスシリコン膜を作成した。そして、前記と同様にして、ナフィオン分散溶液20wt%を浸透・充填したポーラスシリコン膜を作成した。この場合の充填率は、両方ともに約8%であった。次に、このポーラスシリコン膜を用いて、メタノールのクロスオーバー抑制に関する実験を行った。図5にその結果を示した。図5において、本発明のポーラスシリコン膜はPSMとして示され、比較のためのナフィオン膜はNafion117(デュポン社の商品番号)として示されている。メタノールの濃度の増加と共に、クロスオーバー(透過)量がナフィオン膜も本発明のポーラスシリコン膜も増加する傾向はあるが、本発明のポーラスシリコン膜の方がNafion117より低くなっていることが分かる。
本発明の高性能のプロトン伝導度を有する電解膜は、従来の電解質膜に代替することができる。そして、また、本発明の電解質膜はシリコンを用いているので、電極、電解質膜、流路を一体化したマイクロ燃料電池の開発につなげることができる。
Claims (9)
- 多数の貫通孔を形成したシリコン膜であって、該貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを充填してなる燃料電池用電解質膜。
- 貫通孔の平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある請求項1記載の燃料電池用電解質膜。
- プロトン伝導性ポリマーが、パーフルオロスルホン酸とポリテトラフルオロエチレンのコポリマー(H+型)である請求項1又は2記載の燃料電池用電解質膜。
- プロトン伝導性ポリマーの充填率が8%以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料電池用電解質膜。
- シリコン膜に、電解エッチングにより平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある多数の貫通孔を形成し、該貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを、充填率が8%以上になるように充填することからなる燃料電池用電解質膜の製法。
- 貫通孔に、パーフルオロスルホン酸とポリテトラフルオロエチレンのコポリマー(H+型)の溶液を注入しポリマーゲルを形成せることからなる請求項5記載の燃料電池用電解質膜の製法。
- 平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある多数の貫通孔を形成したシリコン膜であって、該貫通孔にプロトン伝導性ポリマーを、充填率が8%以上になるように充填してなる燃料電池用電解質膜を具備してなる燃料電池。
- 請求項7記載の電解質膜を具備してなるアルコール燃料電池。
- 請求項7記載の電解質膜を具備してなる水素燃料電池。
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