JP2003192464A - 無機系多孔質プレート - Google Patents
無機系多孔質プレートInfo
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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- Fuel Cell (AREA)
Abstract
レート、特にプロトン伝導性ポリマーを充填するに適し
た燃料電池用高分子固体電解質の基材のための無機系の
自己保持性多孔質プレートを提供する。 【解決手段】 (1)テトラアルコキシシラン、(2)
ジアルコキシシランおよびトリアルコキシシランからな
る群より選ばれた少なくとも1種のシラン化合物、およ
び(3)ポリエチレンオキシド、ポリプロピレングリコ
ールおよびポリビニルアルコールからなる群より選ばれ
た少なくとも1種の有機高分子化合物、を含有する液を
無機質繊維の織布または不織布基材に含浸させ、これを
焼成することによって得られる無機系多孔質プレートで
ある。
Description
ト、特に細孔内に各種特性を有する材料を充填すること
によりイオンの分離膜その他の応用が可能な自己保持性
を有する無機系多孔質プレートに関するものである。
ラフルオロエチレン(PTFE)膜のような多孔質ポリマー
膜をメタノール直接型燃料電池用高分子固体電解質の基
材として利用して、多孔質ポリマー膜の約0.1〜1μ
mの直径の貫通細孔にプロトン伝導性ポリマーを充填す
ることが試みられている。(Polymer Preprint、Japan
p3493〜3494、Vol.49,No.11)
それほど優れていないので、さらに耐熱性が優れた無機
系の自己保持性多孔質プレートが要望されている。約2
〜50nmの細孔直径を有する無機系の自己保持性多孔
質プレートとしては、特開平11−246665号公報
にテトラアルコキシシランとアルケニルトリアルコキシ
シランを界面活性剤の存在下に重合させた自己保持性の
多孔質シリカ膜が、特開2001−172089号公報
に4官能性アルコキシシランと1〜3官能性アルコキシ
シランと2〜4官能性アルコキシチタンを界面活性剤の
存在下に重合させた自己保持性の多孔質シリカ−チタニ
ア膜がそれぞれ開示されている。サブミクロン〜ミクロ
ンオーダーの孔径を有する多孔質無機材料については中
西の論文(例えば、Bull. Chem. Soc. Jpn.,67,1327-13
35(1994))にテトラアルコキシシラン、ポリエチレンオ
キシド(平均分子量100000)をおよび酸を含む液
を加水分解してゲル化した後に80℃で揮発成分を蒸発
させて製造することが示されている。
孔直径が数十nm程度以下であり、細孔内にプロトン伝
導性ポリマー等を充填することはできず、分離膜として
使用するときは孔の物理的性質に依存した性質しか活か
すことができない。一方、上記論文で得られるものはバ
ルク体であり、このバルク体を薄板化するには研磨工程
が必要となるので煩雑であり、実用的ではない。
メタノール直接型燃料電池用高分子固体電解質の基材に
適した、細孔直径が0.1〜10μmである貫通孔を有
する耐熱性が優れた無機系の自己保持性多孔質プレート
を研磨工程を要することなく提供することを目的とす
る。
アルコキシシラン、(2)ジアルコキシシランおよびト
リアルコキシシランからなる群より選ばれた少なくとも
1種のシラン化合物、および(3)ポリエチレンオキシ
ド(ポリエチレングリコール)、ポリプロピレングリコ
ールおよびポリビニルアルコールからなる群より選ばれ
た少なくとも1種の有機高分子化合物、を含有する液を
無機質繊維の織布または不織布基材に含浸させ、これを
焼成することによって得られる無機系多孔質プレートで
ある。
0.03mm〜2mmの厚み(厚み方向に2.9MPa
の一様な面圧を加えたときの厚み)および10〜220
g/m 2の目付を有することが好ましい。より好ましく
は20〜120g/m2である。厚みが0.03mm未
満または目付が10g/m2未満では無機系多孔質プレ
ートの機械的強度が低くなるとともに無機系多孔質プレ
ート内の細孔体積が小さすぎて細孔に充分な量の高分子
固体電解質を充填させることが困難になる。厚みが2m
mを超えたり目付が220g/m2を超えると無機系多
孔質プレートが厚くなり過ぎる。不織布は織布よりも大
きな空隙率が得られやすいので、例えばセラミックスペ
ーパーのような不織布が特に好ましく用いられる。
〜20μmの平均直径を有することが好ましい。無機繊
維としてはガラス繊維;シリカ、ジルコニア、チタニ
ア、アルミナ、酸化スズなどからなるセラミックスの繊
維またはホイスカ;金属繊維;炭素繊維等を用いること
ができる。
材に含浸させる液に含有させるテトラアルコキシシラン
としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、およびテトラプロポキシシランの単体またはこれら
の混合物が好適に用いられる。またこの液に含有させる
ジアルコキシシランとはアルキル基、アリール基、アル
キレン基のような有機基を含有するジアルコキシシラン
であり、例えばジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、
ジビニルジメトキシシランなどが好適に用いられる。ま
たこの液に含有させるトリアルコキシシランとはアルキ
ル基、アリール基、アルキレン基のような有機基を含有
するトリアルコキシシランであり、例えばメチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリ
メトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランな
どが好適に用いられる。ジアルコキシシランまたは/お
よびトリアルコキシシランを該液に含有させることによ
り、得られる無機系多孔質プレートの細孔の表面に前記
有機基が存在するようになり、細孔内に充填した親油性
の材料例えばプロトン伝導性ポリマーの付着力を増大す
ることができる。該液中のテトラアルコキシシランの含
有量に対してジアルコキシシランまたは/およびトリア
ルコキシシランの含有量が少なすぎると充填剤料の付着
力増大の効果が得られず、逆にこの含有量が多すぎると
無機系多孔質プレートの機械的強度が低下する。従って
該液中のテトラアルコキシシラン量に対する前記シラン
化合物量(合計)のモル分率は好ましくは2〜200モ
ル%であり、より好ましくは10〜100モル%であ
る。
キシドはテトラアルコキシシランおよび前記シラン化合
物と混合した後、テトラアルコキシシランおよび前記シ
ラン化合物の重合が進むにつて相分離を起こし、0.1
〜10μmの直径の連続細孔を生成させるのに重要な働
きを示す。ポリエチレンオキシドの分子量としては50
00〜100000のものが好適に用いられる。分子量
が5000未満では細孔の直径が0.1μm未満とな
り、100000を超えると細孔の直径が10μmを超
えてしまう。ポリエチレンオキシドの代わりにポリプロ
ピレングリコールまたはポリビニルアルコールを使用す
ることができる。ポリプロピレングリコールとしては5
00〜1000の平均分子量を有するものが好適に用い
られ、ポリビニルアルコールとしては2000〜800
00の平均分子量を有するものが好適に用いられる。
ン、前記シラン化合物およびポリエチレンオキシドのよ
うな有機高分子化合物を含有する液は金属アルコキシド
100重量部に対して有機高分子化合物を3〜30重量
部含有することが好ましい。有機高分子化合物が少なす
ぎると得られる無機系多孔質プレートの空孔率が20%
未満となり、また細孔が連続した貫通孔を形成しにくく
なる。有機高分子化合物が少なすぎると得られる無機系
多孔質プレートの機械的強度が低下する。
記シラン化合物を加水分解および重合させるための触媒
としては塩酸、硝酸などの酸を含有させる。焼結後の残
留物から考え、硝酸が好適に用いられる。酸の使用量は
テトラアルコキシシランおよび前記シラン化合物の合計
100重量部に対して10-5〜10重量部が好ましく、
より好ましくは10-3〜1.0重量部である。
び前記シラン化合物の加水分解のために水を含有させ
る。水の量は、酸触媒の水分を含めて、テトラアルコキ
シシランおよび前記シラン化合物シランの合計100重
量部に対して10〜300重量部である。
はアルミニウムのアルコキシドを酸化物換算でテトラア
ルコキシシランおよび前記シラン化合物の合計量に対し
て10モル%以下含有させることもできる。また該液を
含浸させる基材の種類に応じて該液に0.01〜1重量
%のシランカップリング剤またはチタンカップリング剤
を添加しても良い。
不織布基材に該液を塗布、浸漬等により含浸させる。そ
の後に5時間〜48時間保持してテトラアルコキシシラ
ンおよび前記シラン化合物の加水分解・縮重合反応およ
び乾燥させる。その後に300℃以下で30分〜5時
間、加熱焼成して、該有機高分子化合物を気化させるこ
とにより、該基材で補強された有機基を有するシリカゲ
ルの多孔質プレートが得られる。このプレートの細孔部
分は主として該有機高分子化合物が存在していた場所と
一致する。
造、すなわち原料の金属アルコキシドに由来する金属酸
化物が立体的に繋がった三次元状の網目構造をしてい
る。無機系多孔質プレートの細孔はプレートの一方表面
から他方表面に貫通しており、好ましくは細孔も三次元
網目を構成している。
が0.1〜10μmであることが好ましく、より好まし
くは、0.2〜5μmである。細孔径は、走査型電子顕
微鏡(SEM)などで、表面を撮影した写真から、10
0個の細孔の直径の平均値から求めることができる。
〜90%であることが好ましい。より好ましくは50〜
90%である。空孔率は、無機系多孔質プレート全体積
から無機繊維およびシリカの占める体積を減じたものを
無機系多孔質プレート全体積で除した百分率(%)であ
る。空孔率は、無機系多孔質プレートの重量、この無機
系多孔質プレートに液体例えば水を含浸させて多孔質プ
レートの細孔を液体で充填したものの重量および無機系
多孔質プレート全体積から計算して求めることができ
る。
ポリエチレンオキシド0.7gを水10ccに溶解し、
これに1モル/Lの硝酸0.1ccを加えて撹拌した。
ここにテトラメトキシシラン3ccとメチルトリエトキ
シシラン3ccを加えて均一になるまで撹拌した。この
ようにして作製したゾルをガラス板上に配した5cm×
5cmで厚み250μmのセラミックスペーパー(新日
化サーマルセラミックス社製、品番は1260I)の上
に滴下し、このゾルを滴下したセラミックスペーパーを
上から他のガラス板を載せて2枚のガラス板で挟む形に
した。ゾルはセラミックスペーパーの空隙に含浸する。
ガラス板で挟んだセラミックスペーパーを密閉容器に入
れ、40℃で24時間保持した後、密閉容器から取り出
して開放系において40℃で24時間乾燥させた。この
ようにして作製した基材をさらに空気中で300℃で2
時間加熱焼成することにより75%の空孔率を有する2
50μmの厚みの多孔質プレートを得た。得られた多孔
質プレートの表面を電子顕微鏡写真で観察したところ、
図1および図2に示すようにセラミックスペーパーの繊
維1、1’の間にシリカゲル2が存在しており、シリカ
ゲル2には直径約4μmの連続細孔3(黒い部分)が三
次元網目状に形成されていた。
び水溶性アゾ系重合開始剤の混合溶液を上記多孔質プレ
ートの細孔内で重合することにより、プロトン伝導性ポ
リマーを充填したメタノール直接型燃料電池用高分子固
体電解質が得られた。プロトン伝導性ポリマーは多孔質
プレートの細孔内に強固に付着していることが確かめら
れた。
レンオキシド0.5gを水2ccに溶解し、これに1モ
ル/Lの硝酸3ccを加えて撹拌した。ここにテトラエ
トキシシラン3ccとジフェニルジエトキシシラン2c
cを加えて均一になるまで撹拌した。このようにして作
製したゾルをガラス基板上に配したセラミックスペーパ
ー(新日化サーマルセラミックス社製)の上に滴下し、
このゾルを滴下したセラミックスペーパーを上からガラ
ス基板で挟む形にした。ガラス基板で挟んだセラミック
スペーパーを密閉容器に入れ、40℃で24時間保持し
た後、密閉容器から取り出して開放系において40℃で
24時間乾燥させた。このようにして作製した基材を3
00℃で2時間焼成することにより60%の空孔率を有
する250μmの厚みの多孔質プレートを得た。得られ
た多孔質プレートの表面を電子顕微鏡写真で観察したと
ころ、直径約2μmの連続細孔3が三次元網目状に形成
されていた。
のようなポリマー等各種分離・透過機能を有する物質を
強固な付着力で充填できる自己保持性に優れた、高分子
固体電解質の基材に適した多孔質プレートが得られた。
真である。倍率については、写真の右下の矢印の両端間
距離が100μmを表している。
子顕微鏡写真である。倍率については、写真の右下の矢
印の両端間距離が12μmを表している。
Claims (8)
- 【請求項1】(1)テトラアルコキシシラン、(2)ジ
アルコキシシランおよびトリアルコキシシランからなる
群より選ばれた少なくとも1種のシラン化合物、および
(3)ポリエチレンオキシド、ポリプロピレングリコー
ルおよびポリビニルアルコールからなる群より選ばれた
少なくとも1種の有機高分子化合物、を含有する液を無
機質繊維の織布または不織布基材に含浸させ、これを焼
成することによって得られる無機系多孔質プレート。 - 【請求項2】 該液中のテトラアルコキシシランに対す
る、前記シラン化合物の合計量のモル分率が2〜200
モル%であり、テトラアルコキシシランと前記シラン化
合物の合計100重量部に対して該有機高分子化合物を
3〜30重量部含有する請求項1記載の無機系多孔質プ
レート。 - 【請求項3】 該ポリエチレンオキシドは5000〜1
00000の平均分子量を有するものである請求項1ま
たは2記載の無機系多孔質プレート。 - 【請求項4】 該ポリプロピレングリコールは500〜
1000の平均分子量を有するものである請求項1また
は2記載の無機系多孔質プレート。 - 【請求項5】 該ポリビニルアルコールは2000〜8
0000の平均分子量を有するものである請求項1また
は2記載の無機系多孔質プレート。 - 【請求項6】 該テトラアルコキシシランがテトラメト
キシシラン、テトラエトキシシランおよびテトラプロポ
キシシランよりなる群から選ばれた少なくとも1種であ
る請求項1〜5のいずれか1項に記載の無機系多孔質プ
レート。 - 【請求項7】 0.1〜2mmの厚みを有し、0.1〜
10μmの直径の貫通細孔が3次元の網目状に連続し、
空孔率が20〜90%である請求項1〜6のいずれか1
項に記載の無機系多孔質プレート。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の無
機系多孔質プレートからなるプロトン伝導性ポリマーを
充填するに適した燃料電池用固体電解質の基材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001387053A JP3879506B2 (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 無機系多孔質プレート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001387053A JP3879506B2 (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 無機系多孔質プレート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003192464A true JP2003192464A (ja) | 2003-07-09 |
JP3879506B2 JP3879506B2 (ja) | 2007-02-14 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001387053A Expired - Fee Related JP3879506B2 (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 無機系多孔質プレート |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3879506B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007213852A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-23 | Kyushu Institute Of Technology | 燃料電池用電解質膜とその製法及びそれを用いた燃料電池 |
WO2011111367A1 (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-15 | 日本板硝子株式会社 | 固体電解質膜用の補強シート |
-
2001
- 2001-12-20 JP JP2001387053A patent/JP3879506B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007213852A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-23 | Kyushu Institute Of Technology | 燃料電池用電解質膜とその製法及びそれを用いた燃料電池 |
WO2011111367A1 (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-15 | 日本板硝子株式会社 | 固体電解質膜用の補強シート |
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