JP2007211775A - ターボエンジンの旋回ベーン制御同期リングの中心合わせを調整するための装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成が単純で、ターボエンジンの運転の全ての段階の間、高い信頼性を有する制御リングの同心度を調整する。
【解決手段】ターボエンジンの縦軸(X−X)に中心合わせされ、径方向に延びる複数のねじ穴(36)が設けられた制御リング(26)と、ねじ穴(36)にねじ込まれるねじロッド(34)を備える複数のパッドホルダ(32)とを備え、各パッドホルダ(32)がリングと同軸である円筒状シェル(28)と接触するパッド(30)を内端部で保持する。制御リング(26)は、接線方向に延びるスロット(38)を備え、各スロット(38)が、ねじ穴(36)に連通している。パッドホルダ(32)を適切な位置にロックするように、スロット(38)の各々を長手方向に挟む手段(40、42a、42b)を備える。
【選択図】図2
【解決手段】ターボエンジンの縦軸(X−X)に中心合わせされ、径方向に延びる複数のねじ穴(36)が設けられた制御リング(26)と、ねじ穴(36)にねじ込まれるねじロッド(34)を備える複数のパッドホルダ(32)とを備え、各パッドホルダ(32)がリングと同軸である円筒状シェル(28)と接触するパッド(30)を内端部で保持する。制御リング(26)は、接線方向に延びるスロット(38)を備え、各スロット(38)が、ねじ穴(36)に連通している。パッドホルダ(32)を適切な位置にロックするように、スロット(38)の各々を長手方向に挟む手段(40、42a、42b)を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、ターボエンジンの旋回ベーンの制御を同期させるためのリングを、ターボエンジンの軸に中心合わせさせるように調整するための、装置の一般的な分野に関する。
ターボエンジンにおいて、ターボエンジンの運転条件に従って圧縮部を通過するガスの流量および流れの方向を調整するために、ステータベーンの1段または数段を使用することが知られ、行われている。ステータベーンのこれらの段は、複数のベーン(可変ピッチベーンと呼ばれる)を備えており、この可変ピッチベーンは、ターボエンジンの運転条件に従って可変ピッチベーンのピッチ角度を変更することができるような態様で、可変ピッチベーンをステータに接続するピンを中心として、旋回できるようになっている。
可変ピッチベーンを制御するための知られている装置は、通常、ターボエンジンケーシングの円筒状シェルを取り囲むリングと、複数のレバーまたは連接棒とを備えており、各連接棒が、継手によって制御リングに結合されている第1の端部と、それぞれのベーンの旋回軸に装着されている第2の端部とを有している。したがって、ベーンの角度位置の同期変更は、ターボエンジン軸を中心としてリングを回転させることによって達成される。
ベーン制御リングは、ターボエンジンの軸に中心合わせされている。さらに、ベーン制御リングは、ターボエンジンのケーシングのシェルと同軸的に配置され、一般には、シェルの全周にわたって均等に分散して配置された複数のパッドによってシェル上に載置されている。
ステータベーンのピッチの精度を高めるためには、制御リングがケーシングシェルに対して優れた同心度を確保できるようにすることが必要である。完全な同心度は、パッドとケーシングシェルとの間に非常にわずかな間隙を維持することによって得られる。したがって、非常にわずかな間隙を得るために、制御リングにパッドを装着させるために使用する装置は、パッドが径方向において調整されることを可能にしなければならない。
制御リングの同心度を調整するための装置は、一般に、制御リングにねじ込まれるねじロッドに装着されたパッドを使用する。また、米国特許第5,387,080号明細書から、パッドが知られており、このパッドの径方向位置は、リングに装着され、かつ二重ねじの2つの部分がわずかに異なるねじれ角を有する、二重ねじによって調整される。
米国特許第5,387,080号明細書
制御リングのパッドを調整するためのこれらの装置は、ターボエンジンの全ての運転段階の間、パッド調整用ねじロッドを完全に固定しておくことはできない。実際、いくつかのパッドがケーシングシェルともはや接触していないときには、調整用ロッドのねじ山が振動によって磨耗し、パッドの調整が失われ、その結果として、制御リングの振動が引き起こされ、この振動がベーンのピッチ精度という点において特に有害となる。
本発明の主たる目的は、構成が単純で、かつターボエンジンの運転の全ての段階の間、高い信頼性を有する、制御リングの同心度を調整するための装置を提供することによって、これらの欠点を軽減することである。
この目的は、ターボエンジンの旋回ベーン制御リングの中心合わせを調整するための装置であって、ターボエンジンの縦軸に中心合わせされ、かつ径方向に延びる複数のねじ穴が設けられた制御リングと、リングのねじ穴のうちの1つにねじ込まれるねじロッドを備える、複数のパッドホルダとを備え、各パッドホルダが、リングと同軸である円筒状シェルと接触することを意図されたパッドを内端部で保持する装置によって達成され、本発明によれば、この装置において、制御リングが、さらに、接線方向に延びかつ径方向にリングを貫通する複数のスロットを備え、各スロットが、リングのねじ穴のうちの1つと連通しており、装置が、パッドホルダを適切な位置にロックするような態様でスロットの各々を長手方向に挟む手段を備える。
パッドは、制御リングへねじロッドをねじ込む量を加減することによって径方向において調整される。一旦、正しい調整が行われると、パッドホルダのロッドは、長手方向にスロットを挟むことによって適切な位置にロックされる。したがって、この調整装置は部品を殆ど含まず、そのため構成が単純で、かつターボエンジンの運転の段階にかかわらず、信頼性の高い、パッドのロックを提供することができる。
本発明の好ましい実施形態によると、制御リングは、さらに、長手方向に延びる複数の穴を備え、各穴が、リングのスロットのうちの1つと連通しており、装置が、複数のボルト接続システムを備え、各ボルト接続システムが、対応するスロットを長手方向に挟むような態様で、リングの穴の1つに挿入される。
有利なことに、各スロットは、スロットの接線方向の端部のうちの1つにおいて、制御リングのねじ穴のうちの1つに合流している。この場合、各スロットは、スロットの接線方向の上記ねじ穴とは反対側の端部において、径方向に制御リングを貫通するなめらかな孔に合流することができる。
本発明のさらなる目的は、上述のような旋回ベーン制御リングの中心合わせを調整するための少なくとも1つの装置を備えたターボエンジンを提供することである。
本発明の他の特徴および利点は、限定的な性格を全く持たない、上記本発明の実施形態の一実施例を図示する添付図面を参照して、以下に与えられる説明から明らかになるであろう。
図1は、ターボエンジンの圧縮機の一部分を示したものである。圧縮機は、ターボエンジンの縦軸X−Xに中心合わせされており、かつガスが流れる環状流14をロータ12とともに画定するような態様でロータ12を取り囲んでいる、ステータシェル10を備えている。
圧縮機は、また、環状流14の中で数個の段を形成している複数のベーンを備えている。これらの段のいくつかは、可変ピッチベーン16によって形成されている。これらのベーン16は、ステータシェル10を貫通する径方向ピン18を中心として旋回する。
可変ピッチベーン16の各ピン(または旋回軸)18は、コネクタ22を介して、連接棒または制御レバー20の一方の端部に接続されている。連接棒20の他端は、制御リング26上に径方向に配置されたピン24を中心として連接されている。制御リング26は、ターボエンジンのケーシングの円筒状シェル28を取り囲んでおり、円筒状シェル28は、ターボエンジンの縦軸X−Xに中心合わせされている。制御リング26および円筒状シェル28は、互いに同心状に配置されている。
本発明は、ターボエンジンの縦軸X−Xに対して制御リング26の中心合わせを調整することを可能とする装置に関する。より正確には、この種の装置は、制御リング26とターボエンジンケーシングの円筒状シェル28との間の一定の径方向間隔を維持することができる。
図2から図5に図示されるように、本発明による制御リング26の中心合わせを調整するための装置は、特に、ターボエンジンケーシングの円筒状シェル28と接触することを意図された複数のパッド30を備える。
パッド30は、制御リング26の全周にわたって、均等に分散して配置され、たとえば、2本の隣接したピン24の間に配置される(図1)。
各パッド30は、パッドホルダ32の内端部に、しっかりとロックされており、たとえば、各パッド30はパッドホルダ32に圧着されている。各パッドホルダ32は、制御リング26を貫通して延び、かつ制御リング26に対して径方向に延びるねじ穴36にねじ込まれる、ねじロッド34で構成される。一旦、ねじロッド34が制御リングにねじ込まれると、パッドホルダ32のロッド34は、リングを越えて径方向に突出する(図3および図5)。
本発明によれば、制御リング26は、さらに、リングの接線の(または円周の)方向に延びかつ径方向にリングを貫通する、複数のスロット38を備える。さらに、各スロット38は、リングのねじ穴36のうちの1つと連通する。
図2から図5の実施形態の実施例において、制御リングのスロットとねじ穴との間の連通は、各スロット38がスロットの接線方向の端部の1つにおいてリングの対応するねじ穴36と合流することによって、実現される。
本発明による制御リング26の中心合わせを調整するための装置は、さらに、パッドホルダ32を適切な位置にロックするような態様で、スロット38の各々を長手方向に挟む手段を備える。
このために、制御リング26は、長手方向(すなわち、ターボエンジンの縦軸X−Xに平行)に延び、かつそれぞれリングのスロット38のうちの1つと連通する、複数の穴40(たとえば、なめらかな穴)を備える。
図2から図5の実施形態の実施例において、制御リングのスロットと穴との間の連通は、図4に示されるように、各穴40がスロット38のうちの1つをスロットに対して実質的に直角に貫通することによって、実現される。
この装置は、さらに、リングの穴40の1つにそれぞれ貫通して一体にねじ込まれる、複数のボルト接続システム42を備えており、各ボルト接続システム42は、ボルト42aと調整ナット42bとで構成されている。
穴40のうちの1つに挿入されたボルト42aにナット42bを締め付けることによって、対応するスロット38が長手方向に挟まれる(換言すれば、スロット38は、図4の矢印で示されるように、変形する傾向を有する)。したがって、このようにスロットを挟むことにより、対応するパッドホルダ32を適切な位置にロックすることが可能になる。この種の装置により、ねじロッドの自由端に締め付けられるナットを設けることは、したがって必要でなくなる。
ボルト42aが挿入される穴40が、対応するパッドホルダのねじロッド34がねじ込まれるねじ穴36のより近くに(接線方向において)位置すればするほど、より大きい挟み効果が得られ、したがって、パッドホルダを適切な位置にロックする力がより強くなることに留意されたい。
また、各スロット38は、スロットの接線方向の、ねじロッド34が貫通するねじ穴36とは反対側の端部において、径方向に制御リング26を貫通するなめらかな孔44と合流することができることにも、留意されたい。これらのなめらかな孔44の機能は、スロット38の機械加工を可能にすることである(実際、スロットを機械加工するための道具は、スロットの接線方向の2つの端部に合流することができなければならない)。
円筒状シェル28に対する各パッド30の径方向位置の調整は、制御リング26の対応するねじ穴36にパッドホルダ32のねじロッド34をねじ込む量を加減することによって実現される。パッド30の最適位置が得られると、ボルト42aが、対応する穴40に挿入され、ナット42bが、挟むことによってパッドホルダ32をパッドホルダの最適位置にロックするような態様で、ボルトの自由端に締め付けられる。制御リングに装着された各パッドをこのように調整することによって、ターボエンジンの縦軸X−X上に制御リングを中心合わせすることが可能となる。
10 ステータシェル
12 ロータ
14 環状流
16 可変ピッチベーン
18 径方向ピン
20 制御レバー
22 コネクタ
24 ピン
26 制御リング
28 円筒状シェル
30 パッド
32 パッドホルダ
34 ねじロッド
36 ねじ穴
38 スロット
40 穴
42 ボルト接続システム
42a ボルト
42b 調整ナット
44 孔
12 ロータ
14 環状流
16 可変ピッチベーン
18 径方向ピン
20 制御レバー
22 コネクタ
24 ピン
26 制御リング
28 円筒状シェル
30 パッド
32 パッドホルダ
34 ねじロッド
36 ねじ穴
38 スロット
40 穴
42 ボルト接続システム
42a ボルト
42b 調整ナット
44 孔
Claims (5)
- ターボエンジンの旋回ベーン(16)制御リング(26)の中心合わせを調整するための装置であって、
ターボエンジンの縦軸(X−X)に中心合わせされ、かつ径方向に延びる複数のねじ穴(36)が設けられた制御リング(26)と、
リングのねじ穴(36)のうちの1つにねじ込まれるねじロッド(34)を備える、複数のパッドホルダ(32)とを備え、
各パッドホルダ(32)が、リング(26)と同軸である円筒状シェル(28)と接触することを意図されたパッド(30)を内端部で保持し、
制御リング(26)が、さらに、接線方向に延びかつ径方向にリングを貫通する複数のスロット(38)を備え、各スロット(38)が、リングのねじ穴(36)のうちの1つと連通していることと、
装置が、パッドホルダ(32)を適切な位置にロックするような態様でスロット(38)の各々を長手方向に挟む手段(40、42)を備えることと、
を特徴とする、装置。 - 制御リング(26)が、さらに、長手方向に延びる複数の穴(40)を備え、各穴(40)が、リングのスロット(38)のうちの1つに連通していることと、装置が、複数のボルト接続システム(42)を備え、各ボルト接続システム(42)が、対応するスロット(38)を長手方向に挟むような態様で、リングの穴(40)のうちの1つに挿入されることとを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 各スロット(38)が、スロットの接線方向の端部の1つにおいて、制御リング(26)のねじ穴(36)のうちの1つに合流することを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
- 各スロット(38)が、スロットの接線方向の、前記ねじ穴(36)とは反対側の端部において、径方向に制御リング(26)を貫通するなめらかな孔(44)に合流することを特徴とする、請求項3に記載の装置。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の、旋回ベーン(16)制御リング(26)の中心合わせを調整するための少なくとも1つの装置を備えることを特徴とする、ターボエンジン。
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