JP4578394B2 - 可変タービン形状のターボ過給機 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前文に基づく可変タービン形状（ＶＴＧ）のターボ過給機に関する。

ＥＰ１２３６８６６Ａから知られているようなターボ過給機のＶＴＧカートリッジは、タービン・ケーシング側において羽根、レバー、ディスクを備えた案内装置からなっている。ディスクは、螺合又は溶接によって汎用ターボ過給機の羽根支持組立体の羽根支持リングに固定される。羽根支持リングとディスクとの間に形成されかつＶＴＧの羽根が配置される流路に対して限定された幅を設定できるようにするために、溶接結合の場合に溶接後に再び除去されうるスペーサ・スリーブが要求される。しかし、溶接は厳しい熱導入のためにディスクを歪める（ゆがめる）ことがある。ディスクの歪み（ゆがみ）は、それによって羽根とディスクとの間に局部的に発生されるギャップ減少のために羽根のジャミングを招くことがある。

ＥＰ１２３６８６６Ａ

したがって、本発明の目的は、請求項１の前文に特定されている形式のターボ過給機であって、可能ならば、いかなる歪みをも生ぜずに、ディスクを羽根支持リングに接続する溶接結合部を形成することができ、その結果、ネジ接続の場合のように一定の均等な離間を形成するターボ過給機を提供することにある。

この目的は、請求項１の特徴部分によって達成される。
従属請求項２−４は、本発明に基づくターボ過給機の有利な展開に関する。
請求項６−８は、本発明に基づくターボ過給機用羽根支持組立体を製造する本発明の方法を示す。
請求項５は、独立して売買可能な対象物として羽根支持組立体を特定している。溶接中にディスクの望ましくない歪みを避けるために、熱スロットルすなわち熱絞り部（熱の伝達を絞る部分）が格別な好適実施例において設けられる。熱スロットルすなわち熱絞り部は、溶接すべき支持ピン端のための凹部を包囲する。
格別な好適実施例においては、前記熱絞り部は、支持ピン端が溶接される凹部の周りに延びる溝として形成される。

このような熱スロットルを設けることによって、ディスクに入力するエネルギができるだけ小さく維持されうる。前記熱スロットルの別の利点は、溶接結合部を包囲するディスクの材料にエネルギがほとんど放出されないので、すなわち、エネルギが溶接結合部において「捕捉された」ままになっているので、全体から見て少量の溶接エネルギがディスク材料を溶接するために要求されることを理解されたい。

支持ピンの第１の端部は、ディスクに螺合、リベット止め、又は別の仕方で固定されてもよい。
支持ピンは、数ミリメートルの非常に小さい直径を有することが好ましいので、関連した流の渦ばかりではなく流れの断面において生じた減少が最少に留まる。
本発明の詳細、利点、特徴は添付図面を参照して実施例の以下の記載から明らかになるであろう。

可変タービン形状のターボ過給機についてすべての構造詳細を完全に説明することは、本発明の構成上の原理を以下の記載において要求されないので、図１は本発明に基づくターボ過給機１５の基本的構成部品のみを示す。ターボ過給機１５は、圧縮機ハウジング１７内の圧縮機羽根車１６と、シャフト１９に必要な支持を有する支持ハウジング１８と、タービン・ケーシング２１内にある標準仕様のタービン羽根車２０とを備えている。残りの部品は、本発明の原理のすべてを示すために本発明を説明するのに必要がないが、前記部品はもちろん設けられている。

したがって、図２は本発明に基づくターボ過給機の羽根支持組立体１のみを示す。羽根支持組立体１は、ディスク３が限定された距離で配置された羽根支持リング２を備えている。ディスク３は、好ましくは羽根支持リング２と同じ材料から作られ、既に述べたように、流路４を形成する正確な軸方向ギャップを設定するように働く。
ディスク３を羽根支持リング２に固定するために、少なくとも１つの支持ピン、しかし通常は複数の支持ピンが設けられる。１つの支持ピン５が図２に示されている。支持ピン５は、第１の端部６及び第２の端部７をそれぞれ備えている。装着状態においては、流路４に配置されたシャフト部８が第１の端部６と第２の端部７との間に配置される。

図２及び３を併せてわかるように、図示された例において第１の端部６は、外ネジ９を有する。外ネジ９は、第１の端部６を羽根支持リング２に固定するために羽根支持リング２の対応する内ネジ１０と協働するすなわち係合する。

図３の拡大図面から特に明らかになるように、支持ピン５の第２の端部７はディスク３の凹部すなわち穴１１内に配置され、凹部１１の円錐形状の拡張部分１２において溶接部１３を介してディスク３に接続される。この目的のために、第２の端部７は完全な溶接部１３を得るようにその表面に屋根状にテーパ（円錐面）を付けられている。

図２及び３に示す格別な好適実施例において、熱スロットルすなわち熱絞り部（熱の伝達を絞る部分）が包囲溝１４の形体でディスク３の凹部１１の周りに設けられる。包囲溝１４は、熱がディスク３の中実部分を直接に貫通することを防ぎ、溶接中にディスク３の歪みを避ける働きをし、さらに入力されるべき溶接エネルギの必要量を減少する。

本発明の方法によれば、ディスク３は、羽根支持リング２、羽根シャフト、レバー、通常設けられているその他の部品の標準製造工程と共に、上述したように、本発明の羽根支持リング組立体を製造するために、支持ピン５毎に対応する凹部すなわち穴１１が設けられている。上述した熱絞り部は、包囲溝１４の形体で各凹部１１の周りに装着される。

次いで、ディスク３を羽根支持リング２に固定するために、支持ピン５の第１の端部６が羽根支持リング２にまず螺合される。スペーサ本体（図面では詳細に示されていない）は、羽根支持リング２とディスク３との間に挿入されて、羽根支持リング２とディスク３との間の限定された距離を調節する。次いで第２の端部７が溶接され、スペーサ本体が取り除かれる。

本発明に基づくターボ過給機の斜視図である。 本発明に基づくターボ過給機用の本発明の羽根支持組立体を示す断面図である。 図２の細部Ｘを拡大して示す。

符号の説明

１ 羽根支持リング組立体 ２ 羽根支持リング
３ ディスク ４ 流路
５ 支持ピン（複数の支持ピン） ６ 支持ピン５の第１の端部
７ 溶接されるべき支持ピン５の第２の端部
８ シャフト部 ９ 外ネジ
１０ 羽根支持リング２の内ネジ １１ 凹部すなわち穴
１２ 円錐形状膨張部分 １３ 溶接部
１４ 熱絞り部（溝） １５ ターボ過給機
１６ 圧縮機羽根車 １７ 圧縮機ハウジング
１８ 支持ハウジング １９ シャフト
２０ タービン羽根車 ２１ タービン・ケーシング

Claims (8)

1. 羽根支持リング（２）、流路（４）を形成するように前記羽根支持リング（２）に固定されうるディスク（３）を含む羽根支持リング組立体（１）と、
   第１の端部（６）が前記羽根支持リング（２）に接続されかつ第２の端部（７）が前記ディスク（３）に溶接された少なくとも１つの支持ピン（５）とを備え、
   前記ディスク（３）は前記支持ピン端（７）が溶接される支持ピン（５）毎に１つの凹部（１１）を備え、該凹部（１１）は熱絞り部（１４）によって包囲されていることを特徴とした、
   可変タービン形状のターボ過給機。
2. 前記熱スロットルは、前記凹部（１１）の周りで延びる溝（１４）として形成されていることを特徴とした請求項１に記載のターボ過給機。
3. 前記支持ピン（５）の第１の端部（６）には、外ネジ（９）が設けられていることを特徴とした請求項１−２の任意の一項に記載のターボ過給機。
4. 前記支持ピン（５）は、前記第１の端部６と前記第２の端部７との間にあって外径にテーパが付けられているシャフト部（８）を備えていることを特徴とした請求項１−３の任意の一項に記載のターボ過給機。
5. 羽根支持リング（２）、及び流路（４）を形成するように前記羽根支持リング（２）に固定されうるディスク（３）と、
   第１の端部（６）が前記羽根支持リング（２）に接続されかつ第２の端部（７）が前記ディスク（３）に溶接された少なくとも１つの支持ピン（５）であって、請求項１ないし４に特定する特徴の少なくとも１つによって特徴付けられた支持ピンとを備えた、
   可変タービン形状のターボ過給機用羽根支持リング組立体（１）。
6. 請求項５に記載の羽根支持リング組立体（１）を製造する方法。
7. 前記支持ピン（５）の第１の端部（６）が前記羽根支持リング（２）に螺合されることを特徴とした請求項６に記載の方法。
8. 熱スロットルが前記凹部（１１）の周りに延びる溝（１４）の形体をしていて前記ディスク（３）に装着されていることを特徴とした請求項６又は７に記載の方法。

Images