JP2007211270A - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空状態を維持したまま簡易な機構によってマスクを交換できる成膜装置を提供する。
【解決手段】真空容器10は、被処理物14を搭載するための二つのキャリア11、各キャリア11に搭載されたマスク13、及び各キャリア11において各マスク13を支持するマスクホルダ12を収容しておくためのマスクストック室10cと、成膜材料Maを拡散させるための成膜室10bと、成膜室10b上に配置され、所定の搬送方向Aに延びており、その一端がマスクストック室10cに繋がっている搬送室10aとを有する。また、成膜装置1は、搬送室10a内に設けられ、キャリア11を搬送方向Aに搬送するための搬送機構3と、真空容器10内において被処理物14をマスク13、マスクホルダ12、及びキャリア11から分離して支持するための被処理物支持部2とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、成膜装置に関するものである。
被処理物の表面に成膜する装置としては、例えば蒸着装置が知られている。蒸着装置は、真空容器内において成膜材料を気化させ、拡散した成膜材料を被処理物の表面に付着させて成膜する。このような蒸着装置においては、生産効率上、真空容器の真空状態を維持したまま成膜作業を連続して行うことが好ましい。
特許文献1には、膜を所望のパターンに形成するためのマスクを、真空装置の真空状態を維持したまま交換可能にするための真空成膜装置が開示されている。図5は、この真空成膜装置の概略を示す図である。図5に示すように、真空成膜装置100は、真空槽101と、真空槽101内において左右方向に配置された搬送機構103と、真空槽101内の左右に設けられたマスクホルダ機構105及び106と、マスクホルダ機構105とマスクホルダ機構106との間に配置され、ルツボ107、電子銃108、及びシャッタ109を含む薄膜形成部110とを備える。
更に、真空成膜装置100は、搬送機構103によって移動可能に支持された搬送トレイ111と、搬送トレイ111に吊持された基板ホルダ112と、基板ホルダ112に固定された電磁石113とを備える。そして、基板ホルダ112には、被処理物として基板が取り付けられている。マスクホルダ機構105及び106には、強磁性体からなり互いに異なるパターンを有するマスク115及び116が保持されている。
真空成膜装置100の動作は次のとおりである。まず、基板ホルダ112を一方のマスクホルダ機構105の直上へ移動し、マスクホルダ機構105を上昇させてマスク115を基板面に密着させる。そして、電磁石113によってマスク115を基板面に吸着させながら、薄膜形成部110において成膜を行う。マスク交換の際には、マスク115をマスクホルダ機構105へ戻した後に、基板ホルダ112を他方のマスクホルダ機構106の直上へ移動する。そして、マスクホルダ機構106を上昇させてマスク116を基板面に密着させた後、電磁石113によってマスク116を基板面に吸着させながら、薄膜形成部110において再び成膜を行う。
特開平02−173261
しかしながら、真空成膜装置100には、次の問題点がある。すなわち、真空成膜装置100においては、成膜の際、マスク115または116を電磁石113によって基板面に吸着させながら、基板(基板ホルダ112)を移動する必要がある。従って、可動機構である基板ホルダ112において、電磁石113へ励磁電流を供給するための機構(配線の取り回し等)が必要となり、装置が複雑化してしまう。また、電磁石113を使用することにより、磁場が発生し、これが膜性能に悪影響を及ぼすことがある。
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、真空状態を維持したまま簡易な機構によってマスクを交換できる成膜装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による成膜装置は、成膜材料を拡散させて被処理物に付着させることにより成膜を行う成膜装置であって、被処理物を搭載するためのN個(N≧2)のキャリア、N個のキャリアそれぞれに搭載され被処理物の成膜面の一部を覆うN個のマスク、及びN個のキャリアそれぞれにおいてN個のマスクそれぞれを支持するN個のマスクホルダを収容しておくためのマスクストック室と、成膜材料を拡散させるための成膜室と、成膜室上に配置され、所定の搬送方向に延びており、その一端がマスクストック室に繋がっている搬送室と、搬送室内に設けられ、被処理物、マスク、及びマスクホルダを搭載したキャリアを搬送方向に搬送するための搬送機構と、被処理物をマスク、マスクホルダ、及びキャリアから分離して支持するための被処理物支持部とを備えることを特徴とする。
上記した成膜装置の動作は、次のとおりである。まず、マスクストック室から一つのキャリア(以下、第1のキャリアという)が搬送機構によって搬送される。このとき、該第1のキャリアにはマスクホルダに支持されたマスクと、該マスク上に載置された被処理物とが搭載されている。第1のキャリアは、被処理物を搭載したまま成膜室上に搬送される。そして、マスクを介して被処理物の表面に膜が形成された後、第1のキャリアは被処理物支持部へ搬送される。被処理物支持部は、被処理物をマスク、マスクホルダ、及び第1のキャリアから分離して支持する。第1のキャリアはマスクストック室へ搬送され、再び収容される。続いて、マスクストック室から別のキャリア(以下、第2のキャリアという)が搬送機構によって被処理物支持部へ搬送される。被処理物支持部に支持されていた被処理物は、第2のキャリアに搭載されたマスク上に載置される。そして、被処理物を搭載したまま、第2のキャリアは成膜室上に搬送され、マスクを介して被処理物の表面に膜が形成される。以降、N個のキャリアをマスクストック室から順次取り出しつつ、これらのキャリア上に搭載されたマスクを用いて成膜を行う。
上記した成膜装置においては、複数(N個)のキャリアそれぞれに複数のマスクを予め搭載し、マスクを交換する際にキャリアごと交換しているので、従来の成膜装置(図5参照)のようにマスクを保持するための電磁石113といった複雑な機構を必要とせず、磁場の影響も受けない。従って、上記した成膜装置によれば、真空状態を維持したまま簡易な機構によってマスクを交換できる。
また、成膜装置は、搬送室の他端にゲートバルブを介して繋がるロードロック室を更に備え、被処理物支持部が、ロードロック室内に配置されていることを特徴としてもよい。このように、成膜装置が通常備えているロードロック室に被処理物支持部を配置することにより、成膜装置を小型に構成できる。
また、成膜装置は、被処理物支持部が、被処理物を引っ掛けて支持するためのアームと、被処理物を下方から突き上げることにより該被処理物をマスク、マスクホルダ、及びキャリアから分離するための突き上げ部材とを有し、N個のキャリアそれぞれが、突き上げ部材を通過させるための貫通孔を有することを特徴としてもよい。この被処理物支持部においては、被処理物を搭載したキャリアが搬送されてくると、まず突き上げ部材がキャリアの貫通孔を通過して被処理物を突き上げる。そして、アームが被処理物を引っ掛け、被処理物を持ち上げる。その後、突き上げ部材が引っ込み、キャリアが搬送可能な状態となる。このような構成を有する被処理物支持部によって、真空容器内において被処理物をマスク、マスクホルダ、及びキャリアから好適に分離して支持することができる。また、この場合、N個のマスクホルダそれぞれが、突き上げ部材との干渉を回避するための切り欠きまたは孔を有することが好ましい。
また、成膜装置は、マスクストック室内に設けられ、N個のキャリアそれぞれを支持するためのN個のキャリア支持部を更に備え、N個のキャリア支持部が、上下方向に並設されるとともに上下方向に移動可能に設けられていることを特徴としてもよい。これにより、N個のキャリアをマスクストック室から効率的に送り出すことができる。
本発明による成膜装置によれば、真空状態を維持したまま簡易な機構によってマスクを交換できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による成膜装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明による成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。本実施形態の成膜装置1は、いわゆるイオンプレーティング法に用いられるイオンプレーティング装置である。なお、図1には、説明を容易にする為にXYZ直交座標系も示されている。
本実施形態の成膜装置1は、被処理物14の表面に成膜を行うための装置であって、被処理物支持部2、搬送機構3、ハース機構4、プラズマ源5、補助陽極6、及び真空容器10を備える。
真空容器10は、キャリア11(後述)を搬送するための搬送室10aと、成膜材料Ma(Ma)を拡散させるための成膜室10bと、キャリア11、マスクホルダ12、及びマスク13(後述)を収容しておくためのマスクストック室10cと、成膜室10bの真空状態を維持しつつ被処理物14を入れ替えるためのロードロック室10dとを有する。搬送室10aは、所定の搬送方向(図中の矢印A)に延びており、成膜室10b上に配置されている。本実施形態においては、搬送方向(矢印A)はX軸に沿って設定されている。そして、搬送室10aと成膜室10bとの境界部分には、シャッタ機構16が設けられている。また、成膜室10bは、導電性の材料からなり接地電位に接続されている。
搬送室10a内には、搬送機構3が設けられている。搬送機構3は、被処理物14を搭載するキャリア11を移動させるための機構である。搬送機構3は、搬送室10a内に設置された複数の搬送ローラ31によって構成されている。搬送ローラ31は、搬送方向(矢印A)に沿って等間隔で並んでおり、キャリア11を支持しつつ搬送方向に搬送することができる。
成膜室10bには、ハース機構4、プラズマ源5、及び補助陽極6が設けられている。プラズマ源5は、圧力勾配型であることが好ましく、その本体部分が成膜室10bの側壁に設けられている。プラズマ源5において生成されたプラズマPは、成膜室10bの側壁に設けられたプラズマ口から成膜室10b内へ出射される。プラズマPの出射方向は、プラズマ源5の出射口を囲むように設けられたステアリングコイル51によって制御される。
ハース機構4は、二種類の成膜材料Ma,Maを保持するための機構である。ハース機構4は、成膜室10b内に設けられ、搬送機構3の下方(Z軸方向の負方向)に配置されている。ハース機構4は、プラズマ源5から出射されたプラズマPを成膜材料Ma,Maそれぞれへ導く複数のハース41a,41bを有する。すなわち、複数のハース41a,41bは、それぞれ成膜材料Ma,Maを保持する主陽極である。ハース41a,41bは、回転可能なテーブル42上の周方向に並置されており、一方のハース41a(または41b)がハース押上げ機構43によって上方の所定位置へ押し上げられることにより、成膜材料Ma(またはMa)が成膜に供される。ハース41a(または41b)は、ハース押上げ機構43によって押し上げられた状態で、接地電位である真空容器10に対して正電位に保たれ、プラズマPを吸引する。
成膜材料Ma,Maとしては、ITOなどの透明導電材料や、SiOなどの絶縁封止材料が例示される。成膜材料Ma(Ma)が絶縁性物質からなる場合、ハース41a(41b)にプラズマPが照射されると、プラズマPからの電流によってハース41a(41b)が加熱され、成膜材料Ma(Ma)の先端部分が蒸発する。また、成膜材料Ma(Ma)が導電性物質からなる場合、ハース41a(41b)にプラズマPが照射されると、プラズマPが成膜材料Ma(Ma)に直接入射し、成膜材料Ma(Ma)の先端部分が加熱されて蒸発する。蒸発した成膜材料Ma(Ma)は、プラズマPによってイオン化されてイオン化成膜材料粒子となる。イオン化成膜材料粒子は、成膜室10b内に拡散しながら成膜室10bの上方(Z軸正方向)へ移動し、搬送室10a内において被処理物14の表面に付着する。なお、成膜材料Ma(Ma)は、その先端部分が所定の位置を常に維持するように、ハース41a(41b)の下方から材料押上げ部材44によって押し出される。
補助陽極6は、プラズマPを誘導するための電磁石である。補助陽極6は、押し上げられたハース41a(41b)の周囲に配置されており、環状の容器、並びに該容器内に収容されたコイル及び永久磁石を有する。コイル及び永久磁石は、コイルに流れる電流量に応じて、ハース41a(41b)に入射するプラズマPの向きを制御する。
マスクストック室10cは、搬送方向Aにおける搬送室10aの一端と繋がっている。マスクストック室10c内には、キャリア11の個数に応じて二つのキャリア支持部18が上下方向(Z軸方向)に並設されている。また、二つのキャリア支持部18は、マスクストック室10c内において上下方向に移動可能に設けられており、いずれかのキャリア支持部18のZ軸方向位置を搬送機構3のZ軸方向位置と一致させ得るしくみになっている。また、図1に示すように、各キャリア支持部18は、搬送機構3と同様の搬送ローラを有することが好ましい。
二つのキャリア支持部18のそれぞれには、被処理物14を搭載するための二つのキャリア11それぞれが搭載される。また、二つのキャリア11には、被処理物14の成膜面の一部を覆うマスク13、及びマスク13を支持するためのマスクホルダ12からなる組が、それぞれ一組ずつ搭載される。なお、図1は、一方のキャリア支持部18上に搭載されていたキャリア11がキャリア支持部18から移動した後の状態を示している。
ここで、図2は、キャリア11、マスクホルダ12、マスク13、及び被処理物14の形状の一例を示す分解斜視図である。図2においては、矩形板状の被処理物14を例示している。なお、被処理物14としては、例えばガラス基板やプラスチック基板などの板状部材や、該板状部材の上に有機EL層などの機能素子層が形成された基板生産物が例示される。
図2を参照すると、キャリア11は、被処理物14の外形に応じた枠状に成形されており、枠内の側面11aに台座部分11bを有する。台座部分11bは、マスクホルダ12、マスク13、及び被処理物14を支持するための部分であり、互いに対向する台座部分11b同士の間隔はマスクホルダ12の外形寸法よりも小さく形成されている。また、キャリア11は、後述する被処理物支持部2の突き上げ部材21(図1参照)を通過させるための貫通孔11cを有する。貫通孔11cは、被処理物14の外形に応じた位置に形成されている。本実施形態では、貫通孔11cは、矩形状の被処理物14の四隅と重なる位置に形成されている。
マスクホルダ12は、マスク13の外形に応じた枠状に成形されており、枠内の側面12aに台座部分12bを有する。台座部分12bはマスク13を支持するための部分であり、互いに対向する台座部分12b同士の間隔はマスク13の外形寸法よりも小さく形成されている。また、マスクホルダ12は、後述する被処理物支持部2の突き上げ部材21(図1参照)との干渉を回避するための切り欠き部分12cを有する。切り欠き部分12cは、キャリア11の貫通孔11cの配置に応じて形成されている。本実施形態では、切り欠き部分12cは、矩形状の被処理物14の四隅に対応する位置に形成された貫通孔11cを避けるように面取り形状に形成されている。
マスク13は、被処理物14の成膜面14aの一部を覆うことにより、膜を所望のパターンに形成するための部材である。マスク13は、被処理物14の外形に応じた板状に成形されており、所望のパターンに応じた開口13aを有する。なお、開口13aの形状は、図2に示した形状に限られるものではなく、任意の形状にできる。また、二つのキャリア11のそれぞれに搭載される二つのマスク13それぞれは、互いに異なるパターンを有する。すなわち、各マスク13のパターンは、成膜材料Ma及びMaそれぞれに応じた所望のパターンに形成されている。なお、マスク13は、従来の装置(図5参照)とは異なり、強磁性体に限らず様々な材料によって構成されることができる。
再び図1を参照する。ロードロック室10dは、搬送室10aの他端にゲートバルブ10eを介して繋がっており、搬送室10a及び成膜室10bとは独立して真空状態を制御できるしくみになっている。また、ロードロック室10dには、被処理物14を出し入れするためのゲートバルブ10fと、ロードロック室10d内に搬送されたキャリア11を支持するためのキャリア支持部15とが設けられている。図1に示すように、ゲートバルブ10eのZ軸方向位置(すなわち搬送機構3のZ軸方向位置)とゲートバルブ10fのZ軸方向位置とが異なる場合には、キャリア支持部15を上下方向(Z軸方向)に移動可能とすることにより、被処理物14を好適に出し入れできる。
また、ロードロック室10dには、被処理物支持部2が設けられている。被処理物支持部2は、真空容器10内において、被処理物14をキャリア11、マスクホルダ12、及びマスク13から分離して支持するための機構である。本実施形態の被処理物支持部2は、キャリア支持部15を貫通するように設けられた突き上げ部材21と、キャリア支持部15の上方(Z軸正方向)に配置されたアーム22とを有する。突き上げ部材21は、被処理物14を下方から突き上げることにより、被処理物14をマスク13、マスクホルダ12、及びキャリア11から分離することができる。また、アーム22は、被処理物14を引っ掛けて支持するための鉤部22aを下端に有しており、被処理物14に対して上方から接離可能に設けられている。
ここで、図3は、本実施形態の被処理物支持部2の詳細な構成例を示す斜視図である。図3を参照すると、被処理物支持部2は、4本の突き上げ部材21と、4本のアーム22とを有する。4本の突き上げ部材21は、キャリア11の貫通孔11cに対応してそれぞれ配置されており、キャリア11の下方から貫通孔11cを通過して被処理物14の四隅を突き上げる。なお、このとき、マスクホルダ12に切り欠き部分12c(図2参照)が形成されていることによって、マスクホルダ12と突き上げ部材21との干渉が回避される。
また、4本のアーム22は、被処理物14の四辺に対応してそれぞれ配置されている。4本のアーム22は、鉤部22aが被処理物14の下方に位置するまで降下したのち、回動して鉤部22aを被処理物14に引っ掛け、被処理物14を支持する。4本のアーム22は、鉤部22aを被処理物14に引っ掛けた状態で一斉に上昇することにより、被処理物14を上方へ持ち上げることができる。この後、4本の突き上げ部材21はキャリア11の下方へ引っ込み、キャリア11が搬送可能な状態となる。なお、被処理物14を上方へ持ち上げる方法としては、これ以外にも、例えば4本のアーム22が上下動せず、突き上げ部材21によって被処理物14が鉤部22aの高さまで持ち上げられた後、鉤部22aを被処理物14に引っ掛けるような構成でもよい。
次に、図1を参照しながら、成膜装置1の動作について説明する。まず、成膜材料Ma,Maを装着したハース41a,41bをハース機構4へ配置するとともに、マスク13及びマスクホルダ12をそれぞれ搭載した二つのキャリア11をマスクストック室10cに収容する。このうち、一つのキャリア11上(マスク13上)には、被処理物14が搭載されている。そして、被処理物14を搭載したキャリア11は、マスクストック室10cから成膜室10b上へ搬送される。
続いて、シャッタ機構16を開き、被処理物14の表面に成膜を行う。まず、接地電位にある真空容器10を挟んで、負電圧をプラズマ源5に、正電圧をハース41aに印加して放電を生じさせ、プラズマPを生成する。プラズマPは、補助陽極6に案内されてハース41aへ照射される。本実施形態では、キャリア11を搬送方向(矢印A)に搬送しつつ、このようにプラズマPをハース41aへ照射する。これにより、イオン化成膜粒子が発生し、被処理物14の表面に付着する。このとき、被処理物14の表面の一部はマスク13によって覆われているので、イオン化成膜粒子はマスク13に覆われていない被処理物14の表面に付着する。こうして、被処理物14の表面に、成膜材料Maからなり所望のパターンを有する膜が形成される。
被処理物14の表面に膜が形成された後、該被処理物14を搭載したキャリア11は被処理物支持部2へ搬送される。被処理物支持部2は、被処理物14をキャリア11、マスクホルダ12、及びマスク13から分離して支持する(図3参照)。この後、キャリア11はマスクストック室10cへ搬送され、再びマスクストック室10cに収容される。
続いて、マスクストック室10c内の二つのキャリア支持部18が上方(または下方)に移動し、マスクストック室10cから別のキャリア11が排出される。このキャリア11は、搬送機構3によって被処理物支持部2へ搬送される。そして、被処理物支持部2に支持されていた被処理物14は、このキャリア11に搭載されたマスク13上に載置される。キャリア11は、被処理物14を搭載したまま成膜室10b上に搬送される。続いて、ハース41a(成膜材料Ma)がハース41b(成膜材料Ma)へ交換されたのち、上記と同様にして被処理物14の表面に膜が形成される。
本実施形態の成膜装置1による効果について説明する。成膜装置1においては、複数(本実施形態では二つ)のキャリア11それぞれにマスク13を予め搭載し、マスク13を交換する際にキャリア11ごと交換している。従って、従来の成膜装置のようにマスクを保持するための電磁石といった複雑な機構を必要とせず、磁場の影響も受けないので、本実施形態の成膜装置1によれば、真空状態を維持したまま簡易な機構によってマスク13を交換できる。
また、本実施形態のように、搬送室10aの他端にゲートバルブ10eを介して繋がるロードロック室10dを真空容器10が有し、被処理物支持部2がロードロック室10d内に配置されていることが好ましい。このように、成膜装置が通常備えているロードロック室に被処理物支持部2を配置することにより、成膜装置1を小型に構成できる。もちろん、被処理物支持部2は、真空容器10内であれば様々な場所に配置されることができ、例えば搬送室10a内において搬送機構3に沿った位置に配置されてもよい。
また、本実施形態のように、被処理物支持部2は、突き上げ部材21及びアーム22を有することが好ましい。また、この場合、二つのキャリア11それぞれは、突き上げ部材21を通過させるための貫通孔11cを有することが好ましい。このような構成を有する被処理物支持部2によって、真空容器10内において被処理物14をキャリア11、マスクホルダ12、及びマスク13から好適に分離して支持することができる。また、この場合、二つのマスクホルダ12それぞれが、突き上げ部材21との干渉を回避するための切り欠き12c(図2参照)を有することが好ましい。
ここで、図4(a)及び(b)は、突き上げ部材21との干渉を回避するためのマスクホルダの形状に関する他の例を示す図である。例えば、図4(a)に示すマスクホルダ72は、突き上げ部材21との干渉を回避するための切り欠きとして半円筒状の溝72aを有する。また、図4(b)に示すマスクホルダ73は、突き上げ部材21との干渉を回避するための孔(貫通孔)73aを有する。突き上げ部材21との干渉を回避するためのマスクホルダの形状は、これらのような切り欠きまたは孔であってもよく、或いは突き上げ部材21との干渉を回避できるのであれば他の形状であってもよい。
また、本実施形態のように、成膜装置1は、キャリア11の個数に応じた数のキャリア支持部18をマスクストック室10c内に備えることが好ましい。また、キャリア支持部18は、上下方向に並設されるとともに上下方向に移動可能に設けられていることが好ましい。これにより、二つのキャリア11をマスクストック室10cから効率的に送り出すことができる。
なお、本実施形態では二種類のマスク13を用いる場合を示したが、本発明の成膜装置は、N個(Nは2以上の整数)のマスク交換に対して適用可能である。この場合、成膜装置1は、N個のキャリア11をマスクストック室10c内に収容し、該N個のキャリア11上にN個のマスクホルダ12及びN個のマスク13をそれぞれ搭載するとよい。また、成膜装置1は、N個のキャリア11を支持するためのN個のキャリア支持部18をマスクストック室10cに備えるとよい。
また、本実施形態では成膜装置1が二個のハース41a,41b及び二種類の成膜材料Ma,Maを備える(用いる)場合を示したが、本発明の成膜装置は、N個(Nは2以上の整数)のハースを備える構成が可能であり、N種類(Nは2以上の整数)の成膜材料を用いることができる。
本発明による成膜装置は、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では本発明の構成をイオンプレーティング装置に適用しているが、本発明の構成はこれ以外にも例えば真空蒸着装置やスパッタ装置などの様々な物理蒸着装置に適用できる。
本発明による成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。 キャリア、マスクホルダ、マスク、及び被処理物の形状の一例を示す分解斜視図である。 被処理物支持部の詳細な構成例を示す斜視図である。 (a),(b)突き上げ部材との干渉を回避するためのマスクホルダの形状に関する他の例を示す図である。 従来の真空成膜装置の概略を示す図である。
符号の説明
1…成膜装置、2…被処理物支持部、3…搬送機構、4…ハース機構、5…プラズマ源、6…補助陽極、10…真空容器、10a…搬送室、10b…成膜室、10c…マスクストック室、10d…ロードロック室、10e…ゲートバルブ、11…キャリア、11c…貫通孔、12…マスクホルダ、12c…切り欠き部分、13…マスク、14…被処理物、15,18…キャリア支持部、21…突き上げ部材、22…アーム、22a…鉤部、41a,41b…ハース、Ma,Ma…成膜材料、P…プラズマ。

Claims (5)

  1. 成膜材料を拡散させて被処理物に付着させることにより成膜を行う成膜装置であって、
    前記被処理物を搭載するためのN個(N≧2)のキャリア、前記N個のキャリアそれぞれに搭載され前記被処理物の成膜面の一部を覆うN個のマスク、及び前記N個のキャリアそれぞれにおいて前記N個のマスクそれぞれを支持するN個のマスクホルダを収容しておくためのマスクストック室と、
    前記成膜材料を拡散させるための成膜室と、
    前記成膜室上に配置され、所定の搬送方向に延びており、その一端が前記マスクストック室に繋がっている搬送室と、
    前記搬送室内に設けられ、前記被処理物、前記マスク、及び前記マスクホルダを搭載した前記キャリアを前記搬送方向に搬送するための搬送機構と、
    前記被処理物を前記マスク、前記マスクホルダ、及び前記キャリアから分離して支持するための被処理物支持部と
    を備えることを特徴とする、成膜装置。
  2. 前記搬送室の他端にゲートバルブを介して繋がるロードロック室を更に備え、
    前記被処理物支持部が、前記ロードロック室内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記被処理物支持部が、
    前記被処理物を引っ掛けて支持するためのアームと、
    前記被処理物を下方から突き上げることにより該被処理物を前記マスク、前記マスクホルダ、及び前記キャリアから分離するための突き上げ部材と
    を有し、
    前記N個のキャリアそれぞれが、前記突き上げ部材を通過させるための貫通孔を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記N個のマスクホルダそれぞれが、前記突き上げ部材との干渉を回避するための切り欠きまたは孔を有することを特徴とする、請求項3に記載の成膜装置。
  5. 前記マスクストック室内に設けられ、前記N個のキャリアそれぞれを支持するためのN個のキャリア支持部を更に備え、
    前記N個のキャリア支持部が、上下方向に並設されるとともに上下方向に移動可能に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の成膜装置。
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