JP2007211284A - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空容器の真空状態を維持したまま膜厚補正板の形状を変更できる成膜装置を提供する。
【解決手段】成膜装置1は、真空容器10と、被処理物11を搬送する搬送機構3と、成膜材料Ma(Ma)を保持するハース機構4と、真空容器10内における搬送機構3とハース機構4との間の開口部10gに設けられ、X軸方向における開口部10gの開口幅W(Y)をY軸方向に沿って変化させることにより、イオン化成膜材料粒子Mb(Mb)に対する被処理物11の暴露時間をY軸方向に沿って変化させる膜厚補正板8,9と、開口部10gに設けられX軸方向に開閉するシャッタ7a及び7bとを備える。膜厚補正板8,9は、その形状が互いに異なっており、Z軸方向に並設されている。一方の膜厚補正板9はシャッタ7aに固定されており、シャッタ7aは、開閉の途中で停止可能となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、成膜装置に関するものである。
被処理物の表面に成膜材料を成膜する方法として、物理蒸着法がある。物理蒸着法では、真空容器内において成膜材料に加熱、プラズマ照射、或いはイオン照射を行うことによって成膜材料を拡散させ、被処理物の表面に該成膜材料を付着させて成膜する。この方法では、真空容器内に成膜材料の濃度分布が生じると、成膜材料が被処理物の表面に均一に到達せず、均質な膜を得ることが難しい。
例えば、特許文献1には、被処理物と成膜材料との間の開口面積を増減可能とする開閉シャッタを取り付けることにより、被処理物の半径方向の膜厚分布を調整する成膜装置が開示されている。
特開2003−166055
成膜装置においては、真空容器の真空状態を維持しながら、できるだけ長時間にわたって成膜を続け得ることが求められる。しかしながら、例えば成膜材料の種類を変更する際に、膜厚補正板の形状を変更することがある。従来より、膜厚補正板を変更する作業は真空容器を解放して行われていたので、長時間にわたる連続成膜を阻む一因となっていた。
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、真空容器の真空状態を維持したまま膜厚補正板の形状を変更できる成膜装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による成膜装置は、成膜材料を拡散させて被処理物に付着させることにより成膜を行う成膜装置であって、真空容器と、真空容器内において被処理物を保持する被処理物保持部と、真空容器内において成膜材料を保持する材料保持部と、真空容器内における材料保持部と被処理物保持部との間の開口部に設けられ、膜厚分布を補正する複数の膜厚補正板とを備え、複数の膜厚補正板が、互いに異なる形状を有し、厚さ方向に並設されるとともに、少なくとも一つの膜厚補正板が可動であることを特徴とする。
上記した成膜装置においては、可動となっている膜厚補正板を他の膜厚補正板より大きくせり出させると、この膜厚補正板によって膜厚分布を補正でき、また、可動となっている膜厚補正板を他の膜厚補正板より引っ込めると、他の膜厚補正板によって膜厚分布を補正できる。従って、上記した成膜装置によれば、真空容器の真空状態を維持したまま膜厚補正板の形状を容易に変更できる。
また、成膜装置は、開口部を開閉するシャッタを更に備え、少なくとも一つの膜厚補正板がシャッタに固定されていることを特徴としてもよい。これにより、別途膜厚補正板用の駆動機構を設けることなく簡易な構成によって膜厚補正板を可動にできる。
また、成膜装置は、シャッタが開閉の途中で停止可能となっていることを特徴としてもよい。この成膜装置によれば、シャッタを開閉の途中で停止させることにより、上記少なくとも一つの膜厚補正板によって膜厚分布を補正でき、また、シャッタを完全に開けた場合には、他の膜厚補正板によって膜厚分布を補正できる。
また、成膜装置は、シャッタを開閉の途中で停止させるストッパ機構を更に備えることを特徴としてもよい。或いは、成膜装置は、シャッタを駆動するモータを更に備え、モータが、回転角制御によりシャッタを開閉の途中で停止させることを特徴としてもよい。これらの構成により、シャッタを開閉の途中で停止させるための機構を簡易に構成できるとともに、シャッタに固定された膜厚補正板を精度良く位置決めできる。
本発明による成膜装置によれば、真空容器の真空状態を維持したまま膜厚補正板の形状を変更できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による成膜装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明による成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。本実施形態の成膜装置1は、いわゆるイオンプレーティング法に用いられるイオンプレーティング装置である。なお、図1には、説明を容易にする為にXYZ直交座標系も示されている。
本実施形態の成膜装置1は、搬送機構3、ハース機構4、プラズマ源5、補助陽極6、シャッタ7a及び7b、膜厚補正板8及び9、並びに真空容器10を備える。
真空容器10は、成膜対象である被処理物11を搬送するための搬送路10aと、成膜材料Ma(またはMa)を拡散させて被処理物11の表面に付着させるための成膜室10bと、プラズマ源5から照射されるプラズマPを真空容器10内へ受け入れるプラズマ口10cと、酸素等の雰囲気ガスを真空容器10内部へ導入するためのガス供給口10d、10eと、成膜室10b内の残余ガスを排気する排気口10fとを有する。なお、この真空容器10は、導電性の材料からなり、接地電位に接続されている。
搬送路10aには、搬送機構3が設けられている。搬送機構3は、被処理物11を保持するキャリア32をハース機構4の上方において支持しつつ移動させるための機構である。すなわち、本実施形態においては、真空容器10内において被処理物11を保持するための被処理物支持部が、搬送機構3及びキャリア32によって構成されている。搬送機構3は、真空容器10の搬送路10a内に設置された複数の搬送ローラ31によって構成されている。搬送ローラ31は、X軸方向に沿って等間隔で並んでおり、キャリア32を支持しつつX軸方向に搬送することができる。なお、被処理物11としては、例えばガラス基板などの板状部材が例示される。
成膜室10bには、ハース機構4、プラズマ源5、及び補助陽極6が設けられている。プラズマ源5は、圧力勾配型であることが好ましく、その本体部分が成膜室10bの側壁に設けられている。プラズマ源5において生成されたプラズマPは、成膜室10bの側壁に設けられたプラズマ口10cから成膜室10b内へ出射される。プラズマPの出射方向は、プラズマ源5の出射口を囲むように設けられた図示しないステアリングコイルによって制御される。
ハース機構4は、成膜材料Ma,Maを保持するための材料保持部である。ハース機構4は、成膜室10b内に設けられ、搬送機構3に対し、X軸方向と交差するZ軸方向の負方向に配置されている。ハース機構4は、プラズマ源5から出射されたプラズマPを成膜材料Ma,Maそれぞれへ導く複数のハース41a,41bを有する。すなわち、複数のハース41a,41bは、それぞれ成膜材料Ma,Maを保持する主陽極である。ハース41a,41bは、回転可能なテーブル42上の周方向に並置されており、一方のハース41a(または41b)がハース押上げ機構43によって上方の所定位置へ押し上げられることにより、成膜材料Ma(またはMa)が成膜に供される。ハース41a(または41b)は、ハース押上げ機構43によって押し上げられた状態で、接地電位である真空容器10に対して正電位に保たれ、プラズマPを吸引する。
成膜材料Ma,Maとしては、ITOなどの透明導電材料や、SiOなどの絶縁封止材料が例示される。成膜材料Ma(Ma)が絶縁性物質からなる場合、ハース41a(41b)にプラズマPが照射されると、プラズマPからの電流によってハース41a(41b)が加熱され、成膜材料Ma(Ma)の先端部分が蒸発する。また、成膜材料Ma(Ma)が導電性物質からなる場合、ハース41a(41b)にプラズマPが照射されると、プラズマPが成膜材料Ma(Ma)に直接入射し、成膜材料Ma(Ma)の先端部分が加熱されて蒸発する。蒸発した成膜材料Ma(Ma)は、プラズマPによってイオン化されてイオン化成膜材料粒子Mb(Mb)となる。イオン化成膜材料粒子Mb(Mb)は、成膜室10b内に拡散しながら成膜室10bの上方(Z軸正方向)へ移動し、被処理物11の表面に付着する。なお、成膜材料Ma(Ma)は、その先端部分が所定の位置を常に維持するように、ハース41a(41b)の下方から材料押上げ部材44によって押し出される。
補助陽極6は、プラズマPを誘導するための電磁石である。補助陽極6は、押し上げられたハース41a(41b)の周囲に配置されており、環状の容器、並びに該容器内に収容されたコイル及び永久磁石を有する。コイル及び永久磁石は、コイルに流れる電流量に応じて、ハース41a(41b)に入射するプラズマPの向きを制御する。
また、真空容器10内には、シャッタ7a及び7b、並びに複数の膜厚補正板8及び9が設けられている。シャッタ7a及び7bは、真空容器10内部における搬送機構3とハース機構4との間の開口部10gのうち、搬送路10aと成膜室10bとの境界部分に設けられている。シャッタ7a及び7bは、真空容器10内の開口部10gにおいて、X軸方向に開閉可能に設けられている。具体的には、シャッタ7aは、真空容器10の側壁のうちプラズマ源5が配置された側壁とは反対側の側壁の上方に設けられている。また、シャッタ7bは、真空容器10の側壁のうちプラズマ源5が配置された側壁の上方に設けられている。そして、シャッタ7a及び7bは、互いに近接するようX軸方向に移動することにより開口部10gを閉じ、また、互いに離間するようX軸方向に移動することにより開口部10gを開く。
膜厚補正板8及び9は、開口部10gに設けられており、互いに厚さ方向(Z軸方向)に並設されている。膜厚補正板8及び9は、膜厚分布を補正するための部材である。本実施形態では、膜厚補正板8及び9は、真空容器10の側壁のうちシャッタ7aが設けられた側の側壁の上方に設けられている。そして、一方の膜厚補正板8は真空容器10に固定されており、他方の膜厚補正板9はシャッタ7aの先端に固定され、シャッタ7aと共に可動となっている。膜厚補正板8及び9は、X軸方向における開口部の開口幅W(Y)をY軸方向に沿って変化させることにより、拡散したイオン化成膜材料粒子Mb(Mb)に対する被処理物11の暴露時間をY軸方向に沿って変化させる。
ここで、図2〜図4は、開口部10g付近の詳細な構造及び動作を示す図である。図2(a)、図3(a)、及び図4(a)は開口部10g付近の断面図を示しており、図2(b)、図3(b)、及び図4(b)は開口部10g付近の平面図を示している。以下、図2〜図4を参照して、シャッタ7a及び7b、並びに膜厚補正板8及び9の構造及び動作について説明する。
シャッタ7a及び7bは、XY平面に沿った板状に形成されており、Y軸方向における幅が開口部10gの幅と同じかそれよりも大きくなっている。シャッタ7a及び7bは、Y軸方向を長手方向とするガイド孔7c及び7dをそれぞれ有している。該ガイド孔7c及び7dのそれぞれには、アーム12a及び12bそれぞれの一端に設けられたピン12c及び12dがスライド可能に挿入されている。アーム12a及び12bの他端は駆動機構(不図示)に連結されており、Z軸周りに回動可能な状態で真空容器10に支持されている。従って、アーム12a及び12bの他端が回動することにより、シャッタ7a及び7bがX軸方向に開閉することができる。図2(a)及び(b)はシャッタ7a及び7bが完全に開いた状態を示しており、図3(a)及び(b)はシャッタ7a及び7bが完全に閉じた状態を示している。
膜厚補正板8及び9は、膜厚補正板9が膜厚補正板8に対して上方(Z軸正方向)に位置するように、互いに厚さ方向に並設されている。そして、一方の膜厚補正板8が真空容器10に固定され、他方の膜厚補正板9がシャッタ7aの端部に固定されることにより、それぞれのX軸方向位置が相対的に可変となっている。すなわち、シャッタ7aが開くと、X軸負方向へ膜厚補正板8の端部8aが膜厚補正板9の端部9aよりも突出する(図2(a),(b))。この場合、開口部10gの開口幅W(Y)は、膜厚補正板8の端部8aの形状に依存する。また、シャッタ7aが開閉動作の途中で停止すると、X軸負方向へ端部9aが端部8aよりも突出する(図4(a),(b))。この場合、開口部10gの開口幅W(Y)は、膜厚補正板9の端部9aの形状に依存する。このように、シャッタ7aの停止位置を適宜調整することにより、膜厚補正板の端部の形状として端部8a及び9aのいずれかの形状を選択できる。
膜厚補正板8の端部8a、及び膜厚補正板9の端部9aは、X軸方向における開口部10gの開口幅W(Y)をY軸方向に沿って変化させるように形成されている。通常、成膜室内において拡散したイオン化成膜材料粒子Mb(Mb)の濃度は、ハース41a(41b)の直上が最も高く、ハース41a(41b)から離れるに従って減少する。すなわち、成膜室10b内におけるイオン化成膜材料粒子Mb(Mb)の濃度分布は、Y軸方向における中央付近で最も高くなり、中央付近から遠ざかるに従って減少する。従って、図2(b)に示すように、端部8a及び9aは、Y軸方向における成膜室10bの中央付近において開口部10gの開口幅W(Y)が最も狭くなるように形成されている。そして、端部8a及び9aは、成膜室10bの中央付近からY軸方向に離れるに従って開口部10gの開口幅W(Y)が広くなるように形成されている。
また、膜厚補正板8及び9それぞれの端部8a及び9aの形状は互いに異なっている。例えば、膜厚補正板8の端部8aの形状はイオン化成膜材料粒子Mb特有の濃度分布に対応する形状であり、膜厚補正板9の端部9aの形状はイオン化成膜材料粒子Mb特有の濃度分布に対応する形状である。成膜材料Ma及びMaの種類が互いに異なる場合(例えば成膜材料MaがITOであり、成膜材料MaがSiOであるような場合)、イオン化成膜材料粒子Mb及びMbの濃度分布は互いに異なる。従って、膜厚補正板8及び9が成膜材料Ma及びMaのそれぞれに適した形状を有し、使用する成膜材料に応じて膜厚補正板8及び9のいずれか一方を選択的に用いることにより、成膜材料の種類に依らず一定の膜厚分布が得られる。
ここで、図5は、成膜装置1が備えるストッパ機構13の構成を示す図である。ストッパ機構13は、シャッタ7aを開閉の途中で停止させるための機構である。本実施形態のストッパ機構13は、アーム12aの他端を軸支する駆動軸12eに取り付けられたクランク13aと、クランク13aの先端にピン支持されたロッド13bと、ロッド13bの移動経路に挿入されるストッパ13cとを有する。ロッド13bは、シャッタ7aの移動(すなわち駆動軸12eの回動)に応じて平行移動する。ストッパ13cが突き出ると、ロッド13bは、平行移動の途中でストッパ13cに当接して停止する。これにより、駆動軸12eの回動が停止され、シャッタ7aも停止する。このとき、X軸負方向へ膜厚補正板9の端部9aが膜厚補正板8の端部8aよりも突出することとなる。
また、図6は、シャッタ7aを開閉の途中で停止させるための機構の他の例を示す図である。図6に示すように、成膜装置1は、モータ14を備えてもよい。モータ14は、アーム12aの他端を軸支する駆動軸12eをZ軸周りに回動させるための駆動機構である。また、モータ14は、ステッピングモータ等の回転角制御が可能なモータであり、この回転角制御によってアーム12aの角度を制御し、シャッタ7aを開閉の途中で停止させることができる。
次に、本実施形態による成膜装置1の動作の一例について説明する。まず、成膜材料Ma,Maを装着したハース41a,41bをハース機構4へ配置する。そして、キャリア32に被処理物11を搭載し、搬送室10a内を成膜室10b上へ搬送する。
続いて、シャッタ7a及び7bを開き、被処理物11の表面に成膜材料Maを成膜する。このとき、成膜材料Maに対応する膜厚補正板8を用いるために、シャッタ7a及び7bを完全に開いた状態とする(図2(a),(b)参照)。そして、接地電位にある真空容器10を挟んで、負電圧をプラズマ源5に、正電圧をハース41aにそれぞれ印加して放電を生じさせ、プラズマPを生成する。プラズマPは、補助陽極6に案内されてハース41aへ照射される。本実施形態では、被処理物11を搬送方向(X軸方向)に搬送しつつ、このようにプラズマPをハース41a(成膜材料Ma)へ照射する。これにより、イオン化成膜材料粒子Mbが発生し、被処理物11の表面に付着する。このとき、開口部10gの開口幅W(Y)は膜厚補正板8の端部8aによって規定され、この開口幅W(Y)に応じた時間、イオン化成膜材料粒子Mbが被処理物11の表面に付着する。すなわち、被処理物11において成膜速度が遅い部分ではイオン化成膜材料粒子Mbに対する暴露時間が比較的長くなり、成膜速度が早い部分ではこの暴露時間が比較的短くなる。こうして、イオン化成膜材料粒子Mbの不均一な濃度分布が補正され、均一な厚さの成膜材料Maからなる膜(以下、Ma膜)が被処理物11の表面に形成される。
続いて、被処理物11のMa膜上に、更に成膜材料Maを成膜する。まず、成膜材料を交換するために、シャッタ7a及び7bを完全に閉じる(図3(a),(b)参照)。そして、ハース機構4のハース押し上げ機構43を降下させて、成膜材料Maを保持しているハース41aをテーブル42へ戻す。テーブル42を回転させて、成膜材料Maを保持しているハース41bをハース押し上げ機構43の直上に移動させた後、ハース41bをハース押し上げ機構43によって押し上げる。
その後、成膜材料Maに対応する膜厚補正板9を用いるために、シャッタ7aを、開く途中で停止させる(図4(a),(b)参照)。なお、このとき、シャッタ7bは完全に開かれる。そして、上述した方法と同様にしてプラズマPをハース41b(成膜材料Ma)へ照射する。これにより、イオン化成膜材料粒子Mbが発生し、被処理物11のMa膜上に付着する。このとき、開口部10gの開口幅W(Y)は膜厚補正板9の端部9aによって規定され、この開口幅W(Y)に応じた時間、イオン化成膜材料粒子Mbが被処理物11のMa膜上に付着する。こうして、イオン化成膜材料粒子Mbの不均一な濃度分布が補正され、均一な厚さの成膜材料Maからなる膜がMa膜上に形成される。
以上述べたように、本実施形態の成膜装置1によれば、真空容器10の真空状態を維持したまま、膜厚補正板の形状(膜厚補正板8の端部8a、または膜厚補正板9の端部9a)を容易に変更できるので、より長時間の連続成膜作業が可能となる。また、成膜装置1はシャッタ7a及び7bを備え、膜厚補正板9がシャッタ7aに固定されていることが好ましい。これにより、簡易な構成によって膜厚補正板9を可動にできる。また、成膜装置1はストッパ機構13またはモータ14を備えることが好ましく、これにより、シャッタ7aを開閉の途中で停止させるための機構を簡易に構成できるとともに、シャッタ7aに固定された膜厚補正板9を精度良く位置決めできる。
本発明による成膜装置は、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では本発明の構成をイオンプレーティング装置に適用しているが、本発明の構成はこれ以外にも例えば真空蒸着装置やスパッタ装置などの様々な物理蒸着装置に適用できる。
また、上記実施形態では成膜装置1が2枚の膜厚補正板8,9を備えているが、本発明による成膜装置は、膜厚補正板を3枚以上備えてもよい。そして、このうち少なくとも一枚の膜厚補正板がシャッタに固定されることにより、本発明による効果を好適に得ることができる。
また、上記実施形態では搬送機構を有する方式の成膜装置が示されているが、本発明はこの方式に限らず、被処理物を所定位置に固定して成膜を行う方式の成膜装置にも適用できる。
本発明による成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。 開口部付近の構造(シャッタが開いた状態)を示す(a)断面図、及び(b)平面図である。 開口部付近の構造(シャッタが閉じた状態)を示す(a)断面図、及び(b)平面図である。 開口部付近の構造(シャッタが開閉途中で停止した状態)を示す(a)断面図、及び(b)平面図である。 ストッパ機構の構成を示す図である。 シャッタを開閉の途中で停止させるための機構の他の例を示す図である。
符号の説明
1…成膜装置、3…搬送機構、4…ハース機構、5…プラズマ源、6…補助陽極、7a,7b…シャッタ、7c…ガイド孔、8,9…膜厚補正板、8a,9a…端部、10…真空容器、10a…搬送路、10b…成膜室、10g…開口部、11…被処理物、13…ストッパ機構、14…モータ、31…搬送ローラ、32…キャリア、41a,41b…ハース、Ma,Ma…成膜材料、Mb,Mb…イオン化成膜材料粒子、P…プラズマ。

Claims (5)

  1. 成膜材料を拡散させて被処理物に付着させることにより成膜を行う成膜装置であって、
    真空容器と、
    前記真空容器内において前記被処理物を保持する被処理物保持部と、
    前記真空容器内において前記成膜材料を保持する材料保持部と、
    前記真空容器内における前記材料保持部と前記被処理物保持部との間の開口部に設けられ、膜厚分布を補正する複数の膜厚補正板と
    を備え、
    前記複数の膜厚補正板が、互いに異なる形状を有し、厚さ方向に並設されるとともに、少なくとも一つの前記膜厚補正板が可動であることを特徴とする、成膜装置。
  2. 前記開口部を開閉するシャッタを更に備え、
    前記少なくとも一つの前記膜厚補正板が前記シャッタに固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記シャッタが開閉の途中で停止可能となっていることを特徴とする、請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記シャッタを開閉の途中で停止させるストッパ機構を更に備えることを特徴とする、請求項3に記載の成膜装置。
  5. 前記シャッタを駆動するモータを更に備え、
    前記モータが、回転角制御により前記シャッタを開閉の途中で停止させることを特徴とする、請求項3に記載の成膜装置。
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