JP2007210913A - 液体口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、有効量のカルシウムイオンを安定に配合し、再石灰化を促進することによりう蝕予防効果に優れた液体口腔用組成物を提供することにある。
【解決手段】
水酸基を有する化合物を3種以上含む液体口腔用組成物により、課題が解決される。すなわち、カルシウムイオン供給化合物に、水酸基を有する化合物を3種以上配合すると、再石灰化促進に有効な量のカルシウムイオンが配合でき、そのカルシウムイオンが長期の貯蔵にも安定である液体口腔用組成物が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、再石灰化促進に有効な量のカルシウムイオンを配合し、そのカルシウムイオンが長期の貯蔵においても安定であり、う蝕予防に優れた効果を有する液体口腔用組成物に関するものである。
従来、う蝕のメカニズムはよく研究されており、口中に存在するストレプトコッカス・ミュータンス等の増殖による歯牙表面におけるpHの低下が、う蝕の引き金になるとされている。即ち、食物を摂取した場合、食物に含まれる糖類が歯牙表面に存在するストレプトコッカス・ミュータンス等により代謝されて酸類となり、これが歯牙表面のpHを低下させる。そして、歯牙表面を構成するエナメル質の主成分であるハイドロキシアパタイトが溶解し、カルシウムイオンとリン酸イオンとして溶出してしまう。この現象を脱灰といい、その結果、表層下脱灰病巣といわれる初期う蝕が形成される。
この脱灰に対し、カルシウムイオンとリン酸イオンが歯牙表面と内部に結晶化することを再石灰化といい、脱灰により失われた歯牙のミネラル分は、この再石灰化により補われる。よって、再石灰化を促進することによりう蝕発症の可能性を低減できることになる。再石灰化の度合いは個人の口腔内環境の影響を受けるが、外部因子により再石灰化を促すことも可能である。例えば、フッ化物イオンが再石灰化を促進することは、古くから知られている。
そこで従来、フッ化物イオンとカルシウムイオンを含み、再石灰化を促進するための組成物が開発されている。このように脱灰抑制や再石灰化を目的としてカルシウムイオンを口腔内に導入し、可溶性カルシウム塩とフッ化物を混合した後、歯牙表面へ迅速に適用する方法が特許文献1〜3に記載されている。また、特許文献4にも同様の2成分系組成物が開示されており、やはり歯牙に適用する直前に混合するとされている。しかしもともと、カルシウムイオンとフッ化物イオンは、触れ合うことにより、歯牙に到達する前に、瞬時に不溶性の塩であるフッ化カルシウムを形成してしまう。そのためう蝕予防剤としては不活化してしまい、その効果が大幅に低減される。
また特許文献5には、歯牙の再石灰化を目的とするものであって、カルシウムイオン源、カルシウム金属イオン封鎖剤等およびフッ化物イオン源からなる口腔衛生用製品が開示されている。この特許文献5では、当該製品の構成や使用方法について様々な記載がされており、カルシウム金属封鎖剤とカルシウムイオン源を含む組成物とフッ化物イオン源を含む組成物の2つの組成物を用いる態様も記載されている。しかし金属イオン封鎖剤は、カルシウムイオンと錯体を形成するため、カルシウムイオンの製剤での可溶化を助けるが、一方条件によっては、口腔内で応用された場合、歯牙からのカルシウムの溶出を助け脱灰を促進することがある。
米国特許第5,145,668号明細書 特表2005−112841号公報 特表平10−511956号公報 特開昭58−219107号公報 特開平4−506655号公報
上述した様に、フッ化物イオンとカルシウムイオンをそれぞれ含む2つの組成物を使用直前に混合し、歯牙に適用するという技術はあった。この様に使用直前に混合するのは、歯牙にフッ化物イオンやフッ化カルシウムを作用させることによりう蝕を抑制したり再石灰化を促進したりすることを意図している。しかし一方でフッ化物イオンとカルシウムイオンが存在するとフッ化カルシウムの沈殿を生じ、斯かる沈殿はもはや歯牙に作用しない。これらの先行技術から、う蝕予防の有効な手段としての再石灰化を促進させるために必要な化学種であるフッ化物イオンとカルシウムイオンを、歯牙に適用する前に失活させず、最大量有効に利用できる組成物が求められている。
そこで、本発明が解決すべき課題は、歯牙の再石灰化を促進するための液体口腔用組成物を提供することにある。
WHO(世界保健機構)が推奨しているように、通常の歯磨剤にはごく少数の例外を除いて、フッ化物イオンを口腔内に供給できる化合物が配合されている。また歯磨き行為において、歯磨剤を使用しなければ、歯科医療関係者による処置を除いて、歯牙に沈着するステインを本質的に除くことはできない。そのため大多数の人が、歯磨剤を用いて歯磨き行為を行なっている。これらの事実から考えると、通常の人が歯磨き行為を行なうことは、ほぼフッ化物が配合された歯磨剤で歯磨きを行なっていると考えることに等しい。
本発明者らは、その事実を考慮に入れた上で、上記課題を解決すべく、液体口腔用組成物の構成につき検討を進めた。その結果、このフッ化物イオンを含む歯磨剤を用いて歯牙を洗浄した後に、カルシウムイオンを含む液体口腔用組成物を作用させることによって、再石灰化を効果的に促進できることを見出した。さらに3種以上の水酸基を含む化合物を組み合わせて配合することにより、製剤の安定性が向上し、更に多くのカルシウムイオンを口腔内へ供給できるようになる。また金属イオン封鎖剤等を用いてカルシウムイオンを安定化させることによる脱灰の副作用を無くすることができ、再石灰化力が更に向上することでう蝕を顕著に抑制できることを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明に係る液体口腔用組成物は、カルシウムイオン供給化合物をカルシウム換算で0.05〜5質量%、水酸基を有する化合物を3種以上含むことを特徴とする。
前記液体口腔用組成物は、水酸基を有する化合物を3種以上配合したときの配合量の合計が、液体口腔用組成物における配合量の5〜30質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることが更に好ましい。
さらに液体口腔用組成物中に水酸基を有する化合物を、
A群:アルコール類、多価アルコール類、
B群:糖アルコール類、糖類、
C群:ヒドロキシカルボン酸及びその塩類、
D群:ポリオキシエチレン基を有する界面活性剤類、
E群:フェノール類
の少なくとも3群から1種ずつ選んで配合することが好ましい。
さらに液体口腔用組成物中に水酸基を有する化合物を、前記のA〜E群の少なくとも4群から1種ずつ選んで配合することが好適である。
本発明に係る液体口腔用組成物は、水酸基を有する化合物を3種以上配合することにより製剤の安定性が向上し、更に多くのカルシウムイオンを口腔内へ供給できる。さらに金属封鎖剤等の化合物によりカルシウムイオンを安定化させることによる脱灰の副作用が無く、カルシウムイオンを安定に配合でき、そのことで多くのカルシウムイオンを口腔内へ供給でき、歯牙の再石灰化を効果的に促進でき、う蝕を顕著に抑制することが可能である。
前記液体口腔用組成物は、水酸基を有する化合物を3種以上配合したときの配合量の合計を、液体口腔用組成物における配合量の5〜30質量%、更に好ましくは10〜25質量%とすることにより、カルシウムイオンを安定に多く配合でき、そのことにより多くのカルシウムイオンを口腔内へ供給できる。
さらに液体口腔用組成物中に水酸基を有する化合物を、
A群:アルコール類、多価アルコール類、
B群:糖アルコール類、糖類、
C群:ヒドロキシカルボン酸及びその塩類、
D群:ポリオキシエチレン基を有する界面活性剤類、
E群:フェノール類
の少なくとも3群から1種ずつ選んで配合することで、より好ましくは4群から1種ずつ選んで配合することで、製剤としてのバランスのとれた、より製剤安定性の高く、う蝕を顕著に抑制する液体口腔用組成物を調製することができる。
本発明に係る液体口腔用組成物は、カルシウムイオン供給化合物を、カルシウム換算で0.05〜5質量%、水酸基を有する化合物を3種以上含むことを特徴とする。
通常の歯磨剤には、ごく少数の例外を除いて、フッ化物イオンを口腔内に供給できる化合物が配合されている。このフッ化物イオン供給化合物は、唾液に溶解することによりフッ化物イオンを放出できるものである。口腔内で放出されたフッ化物イオンは、歯磨剤による洗浄によりプラークが除去された後、唾液中のカルシウムイオンと結合して不溶性のフッ化カルシウムを形成し、歯牙表面に沈着して保護する。さらに歯牙表面の近傍におけるフッ化物イオンの濃度が維持され、このフッ化物イオンがその後における再石灰化(リン酸カルシウムの沈着)を触媒する。さらに、その一部が歯牙のアパタイトと緩やかに結合したり或いは取り込まれて化合物を形成したりして、酸に対する歯牙の抵抗力を高めることもできる。
このフッ化物イオンを含む歯磨剤を用いて歯牙を洗浄した後に、カルシウムイオンを含む液体口腔用組成物を作用させることによって、歯牙表面へのフッ化カルシウムの沈着を高めることにより再石灰化を効果的に促進できる。本発明の液体口腔用組成物は、このように使われることにより歯牙の再石灰化を促進し、う蝕を抑制することが可能である。
一方フッ化物は、天然に多く存在し、水道水を含む、井戸水、地下水や海水等の天然より採取された水、茶及びその加工物や抽出物、野菜、海草類や魚類等の海産物、食肉等に含まれている。また人工的に添加して製造された食品、薬品等もある。そこれらの飲食品、薬品等を摂取した後に用いられた場合も有効である。さらに歯科医療において、フッ素塗布が行なわれており、また学校等でもフッ化物洗口が行なわれており、その処置を受けた後で、家庭内で行なうセルフケアとして本発明の液体口腔用組成物を用いてもよい。口腔内に本発明の液体口腔用組成物が用いられるのはここに記載の方法に限られない。
本発明の液体口腔用組成物は、口腔内へカルシウムイオンを放出できるカルシウムイオン供給化合物を含む。このカルシウムイオン供給化合物としては、特に制限されないが、例えば、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、酢酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、硫酸カルシウムを挙げることができる。これらのうち塩化カルシウム、グルコン酸カルシウムおよび乳酸カルシウムが好適であり、グルコン酸カルシウムおよび乳酸カルシウムがより好ましい。
カルシウムイオン供給化合物の含有量は、液体口腔用組成物に対するカルシウム換算で0.05〜5質量%が好ましい。0.05質量%未満であると効果が十分に発揮できないおそれがある一方で、5質量%を超えると他の配合成分との兼ね合いで沈殿が生じる可能性があり得る。より好ましくは0.1〜2質量%であり、さらに好ましくは0.2〜1質量%以下である。
本発明の液体口腔用組成物に用いる水酸基を有する化合物は、特にこれに限定されるものではないが、アルコール類、多価アルコール類、糖アルコール類及び糖類、ヒドロキシカルボン酸及びその塩類、ポリオキシエチレン基を有する界面活性剤類、フェノール類が選ばれる。例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール類;ソルビトール、キシリトール、パラチノース、エリスリトール、トレハロース、ラクチトール、マルチトール等の糖アルコール類及び糖類;乳酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グリコール酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸及びその塩類;ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等のポリオキシエチレン基を有する界面活性剤類;チモール、カルバクロール、3-メチル-4-イソプロピルフェノール、レゾルシノール、オイゲノール、イソオイゲノール、サリチル酸、サリチル酸エステル、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸エチルやパラオキシ安息香酸ブチルやパラオキシ安息香酸プロピル等のヒドロキシ安息香酸エステル、トリクロサン等のハロゲン化ジフェニルエーテル等のフェノール類が選ばれる。
これらのうち、好ましくは、グリセリン、プロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの多価アルコール類;ソルビトール、キシリトール、パラチノース、エリスリトール、トレハロース、マルチトールの糖アルコール類及び糖類;乳酸、グルコン酸、クエン酸、酒石酸及びその塩のヒドロキシカルボン酸及びその塩類;ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレン基を有する界面活性剤類;ヒドロキシ安息香酸エステル、トリクロサンのフェノール類が選ばれる。
更に好ましくは、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールの多価アルコール類;乳酸、グルコン酸、クエン酸及びその塩のヒドロキシカルボン酸及びその塩類;ソルビトール、キシリトール、パラチノース、エリスリトール、トレハロースの糖アルコール類及び糖類;ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレン基を有する界面活性剤類;ヒドロキシ安息香酸エステル、トリクロサンのフェノール類が選ばれる。
還元パラチノースは水酸基を有する糖アルコールであるが、上記水酸基を有する化合物の一つとして用いても良いし、それとは別に、またはそれに兼ねて薬効剤または助剤として、0.005〜15質量%程度含むことが更に好ましい。還元パラチノースは、フッ化物イオンと同様に歯牙の再石灰化を促進する作用を有するからである。
これら水酸基を有する化合物は、3種以上、好ましくは4種以上、さらに好ましくは5種以上を組み合せて配合される。化合物が2種以下の場合は、使用に耐えうる有効なカルシウムイオンの溶解度、濃度の確保ができず、有効な再石灰化促進効果が期待できないのみならず、貯蔵安定性が劣る。
水酸基を有する化合物を3種以上配合したときの配合量の合計は、特に制限されないが、例えば、液体口腔用組成物における配合量の5〜30質量%が好ましく、さらに10〜25質量%がより好ましい。
水酸基を有する化合物の配合量の合計が、5質量%未満であるとカルシウムイオンの溶解度が向上せず、液体口腔用組成物中に、口腔内へ供給する十分量のカルシウムイオンを溶解させることができない。30質量%を超えると水酸基を有する化合物による濃度が高くなりすぎて、そのため液体口腔用組成物の溶質を溶解できる量が減少し、口腔内へ供給する十分量のカルシウムイオンを溶解させることができない。
また、アルコール類及び多価アルコール類をA群とし、糖アルコール類及び糖類をB群とし、ヒドロキシカルボン酸類をC群とし、ポリオキシエチレン基を有する界面活性剤類をD群とし、フェノール類をE群としたとき、このA〜Eの5つの群のなかの少なくとも3群から1種ずつ水酸基を有する化合物を選んで配合することが好ましく、A〜E群の少なくとも4群から1種ずつ選んで配合することがさらに好ましい。
さらに、再石灰化促進によるう蝕予防効果をえるためのカルシウムイオン量を確保し、安定な製剤を確保するために、フッ化物、リン酸化合物を含まない液体口腔用組成物が好ましい。
アルコール類、特にエタノールは水酸基を有する化合物であるが、場合によるが安定性及びCa溶解度の観点から、また口腔内への刺激の観点から低量または無配合が望ましい。そのためエタノール含有量を3質量%以下とすることが好ましく、エタノールを実質的に含まないことが更に好ましい。エタノールは清涼感の向上や非水溶性成分の可溶化等のために口腔用組成物に添加されることがあるが、本発明の液体口腔用組成物へ過剰に添加するとカルシウムイオンの溶解度が低下し、組成物に濁りが生じたり、また、再石灰化に必要なカルシウムイオンの濃度を維持できなくなったりするおそれがある。
本発明の液体口腔用組成物には、殺菌剤、抗炎症剤等の薬効成分、薬効成分の働きを助ける助剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン基を有する界面活性剤類を除く非イオン界面活性剤、湿潤剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、溶媒、甘味料、香料など一般的な添加成分を配合してよい。また例えば嚥下が困難な、幼児や高齢者のためのように、目的や使用者に応じて、粘度を付与するために増粘剤を配合してもよい。
本発明の口腔用組成物へ配合される薬効成分としては、特にこれに限定されるものではないが、抗菌剤としては、例えば、塩酸塩やグルコン酸塩のクロルヘキシジン塩類等のビスビグアニド系抗菌剤、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化デカリニウム等の4級アンモニウム塩抗菌剤、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル-アルギニンエチル塩等のアミノ酸系抗菌剤、メトロニダゾール、ヘキセチジン等の窒素原子を含む複素環化合物抗菌剤、1,8-シネオール、油溶性甘草エキス等の天然抽出物抗菌剤、ヨード、ヨードグリセリン等のハロゲン化合物等があげられる。このなかでも、他の成分との相溶性による安定性から、4級アンモニウム塩抗菌剤が好ましく、更に塩化セチルピリジニウムが好ましい。
抗炎症剤としては、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトロラック、インドメタシン等の非ステロイド系消炎剤、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン等のステロイド系消炎剤、アズレン、アズレンスルホン酸塩、グリチルリチン酸及びその塩類、グリチルレチン酸、トウキ軟エキス、塩化ナトリウム、酢酸やニコチン酸のトコフェロールエステル類、アスコルビン酸及びその誘導体及びその塩類、塩酸ピリドキシン、塩化リゾチーム、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン類、ジヒドロコレステロール、エピジヒドロコレステリン等があげられる。他の成分との相溶性による安定性及びう蝕抑制効果を促進することから、グリチルリチン酸及びその塩類、グリチルレチン酸、酢酸やニコチン酸のトコフェロールエステル類、塩酸ピリドキシンが好ましい。
抗菌活性以外に或いは抗菌活性に加えてさらなる薬効を有する成分を配合してもよい。硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、ゼオライト、ポリエチレングリコール類、ポリビニルピロリドン類、銅クロロフィリン塩類、ヒノキチオール、ラウロイルサルコシン塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、過酸化水素等の過酸化物類酸化亜鉛、クエン酸亜鉛等の亜鉛塩類、カテキンやフラボノイドやタンニン等のポリフェノール類を挙げることができる。他の成分との相溶性による安定性及びう蝕抑制効果を促進することから、酸化亜鉛、クエン酸亜鉛等の亜鉛塩類、カテキンやフラボノイドやタンニン等のポリフェノール類が好ましい。
また、pHは5.5〜8.0が好適である。必要以上に低pHまたは高pHであると組成物の刺激が強くなると共に、pHが低くなり過ぎるとカルシウムイオンの溶解度が低下するからである。
本発明の液体口腔用組成物の製造は、常法に従えばよい。例えば少量の精製水に界面活性剤及び油溶性の薬効成分や香料を加え攪拌し親油性混合物を調製し、カルシウムイオン供給化合物、湿潤剤及び水溶性成分を配合した親水性混合物と混合することにより調製することができる。
つぎに、試験例および実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。また実施例中の配合量はいずれも質量%を意味する。
試験例1:Ca溶解度
表1の実施例1〜12及び比較例1〜4のカルシウムイオン供給化合物を含む液体口腔用組成物を調製直後、口腔内へ供給するのに十分量のカルシウムイオンの組成物中での存在を評価した。評価は、組成物調製後、1Lのメスシリンダーに入れて、10ポイントのアルファベットを記載した紙の上におき、静置後、液面上面より文字を読み下記の基準に基づいておこなった。
◎: はっきりと明確に底の文字が見ることができる
○: すこし透明度が下がるが、底の文字を十分判読することができる
△: 沈殿はないが少し白濁が有り底の文字を十分に判読することができない
×: 底に沈殿がある
試験例2:貯蔵安定性
表1の実施例1〜12及び比較例1〜4の液体口腔用組成物を、調製後に性状等で特に問題が見られなかった薬剤を40℃・3ヵ月、−5℃・1ヵ月の条件下で放置をする。その後、薬剤を取り出して常温に戻し、白濁や析出などの性状変化で安定性を評価した。評価は、明らかに白濁や析出があるものについては、×とした。さらにその白濁の度合いを、上記のCa溶解度の試験に用いた評価基準を用いて◎〜△までの評価をおこなった。

Figure 2007210913
Ca溶解度及び貯蔵安定性の試験結果より、両評価が△以上のものを合格とした。表1の結果より、実施例1〜12は、すべて良好なCaの溶解度及び良好な貯蔵安定性を示した。一方比較例1〜4では、水酸基を有する化合物を2種以下のため貯蔵安定性が十分でなく、商品としての機能を十分満たさないことが認められた。
試験例3:再石灰化試験
牛歯から直径約6mmのエナメル質ブロックを切り出し歯科用レジン(GC社製、Orthofast)に包埋した。表面を耐水研磨紙(Beuhler社製、#600)により研磨し牛歯エナメル質の表面を露出させた。別途、60mL広口瓶へ脱灰液1(0.1mol/mL乳酸、0.2%Carbopol、50%飽和ハイドロキシアパタイト溶液)を50mLずつ入れ、そこへエナメル質ブロックを1個ずつ浸漬し、37℃で96時間インキュベートすることによって、表面を脱灰した。次いで蒸留水で十分に洗浄した。得られた脱灰エナメル質ブロックは、湿雰囲気下で冷蔵保存した。
上記脱灰エナメル質ブロックにつき下記各処理、脱灰液2(塩化カルシウム1.5mM、リン酸二水素カリウム0.9mM、酢酸50mM、pH5)への浸漬、再石灰化液(塩化カルシウム1.5mM、リン酸二水素カリウム0.9mM、塩化カリウム130mM、HEPES20mM、pH7)への浸漬を繰り返すことにより、ヒトの食事後における歯牙の脱灰、口腔内の洗浄および再石灰化を実験的に再現した。
即ち、毎日9時、11時、13時および16時に下記のように、歯磨剤スラリーと実施例もしくは比較例の液体口腔用組成物にて処理を行なった後に蒸留水で十分に洗浄し、11時から13時までの約2時間は脱灰液2に、それ以外の約22時間は再石灰化液に37℃で浸漬した。この処理を12日間行なった。
下記の試験用フッ化物配合歯磨剤5gと蒸留水15mLを混和したスラリーをエナメル質表面へスポイトで滴下し、5分間静置した。その後スラリーを産業用ワイパー(クレシア社製、キムワイプ)で拭取り、表2の実施例13〜18、比較例5〜7の液体口腔用組成物を10mL滴下し、5分間静置した。
その後、エナメル質ブロックから厚さ約100μmの薄切片を作成し、これを測定試料とした。この測定試料をハイレゾリューションプレート(Kodak社製、High resolution plate 1A)に圧着し、X線照射器(HITEX社製、HB50、管電圧:25kV、管電流:2.5mA)にてX線を10分間照射した。このプレートを現像液(Kodak社製、Developer D19)により20℃で5分間現像後、定着処理した。得られたプレートにつきコンピュータ画像処理することによって、横軸:表層からの深さ、縦軸:ミネラル量としたグラフで表されるミネラル分布を得た。そのミネラル分布から実施例及び比較例の液体口腔用組成物の処理をする前に脱灰して得られた初期う蝕病巣と液体口腔用組成物の処理をした後に得られた再石灰化した病巣のミネラル量を求め、その初期の脱灰病巣に対する液体口腔用組成物により再石灰化したミネラル量を算出し、それを再石灰化率とした。
算出された再石灰化率(%)をもとに次のように評価し、それを持って再石灰化促進効果とした。
◎: 再石灰化率が50%以上
○: 再石灰化率が25〜50%
△: 再石灰化率が6〜50%
×: 再石灰化率が6%以下
試験3に係る歯磨剤の調製
下記に示す各成分を煉合し、950ppmのフッ化物イオンを含有する歯磨剤を調製した。なお、配合量の値は全て質量%である。
成分 配合量(質量%)
無水ケイ酸 10
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2
ソルビット液(70%) 40
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.1
グリセリン 3.0
パラベン 0.1
精製水 残分
合計 100.0
Figure 2007210913

上記記載の試験1であるCa溶解度の評価も併せて行ない、両評価が△以上のものを合格とした。表2の結果より、実施例13〜18は、すべて良好なCaの溶解度を示し、併せて良好な再石灰化促進効果を示した。一方比較例5〜7では、水酸基を有する化合物を3種以上含み、上記で水酸基を有する化合物を分類したA〜E群の化合物群のうちの少なくとも3群から選ばれた化合物を配合されていた。しかしカルシウムイオン供給化合物中のカルシウム換算量が、低すぎるまたは高すぎることにより、Ca溶解度が良好な場合は、再石灰化促進効果が不十分であり、再石灰化促進効果が十分である場合は、Ca溶解度が十分でなく、商品としての機能を十分満たさないことが認められた。

Claims (5)

  1. カルシウムイオン供給化合物をカルシウム換算で0.05〜5質量%、
    水酸基を有する化合物を3種以上含む
    液体口腔用組成物。
  2. 請求項1記載の水酸基を有する化合物を3種以上配合したときの配合量の合計が、液体口腔用組成物における配合量の5〜30質量%である請求項1記載の液体口腔用組成物。
  3. 請求項1記載の水酸基を有する化合物を3種以上配合したときの配合量の合計が、液体口腔用組成物における配合量の10〜25質量%である請求項1〜2記載の液体口腔用組成物。
  4. 液体口腔用組成物中に水酸基を有する化合物を、
    A群:アルコール類、多価アルコール類、
    B群:糖アルコール類、糖類、
    C群:ヒドロキシカルボン酸及びその塩類、
    D群:ポリオキシエチレン基を有する界面活性剤類、
    E群:フェノール類
    の少なくとも3群から1種ずつ選んで配合する請求項1〜3記載の液体口腔用組成物。
  5. 液体口腔用組成物中に水酸基を有する化合物を、請求項4記載のA〜E群の少なくとも4群から1種ずつ選んで配合する請求項1〜4記載の液体口腔用組成物。
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