JP2007210511A - 車両用ホイールキャップ - Google Patents
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Abstract
【課題】通風部をパンチングメタル形状に形成しながら、全体の強度を高めることができる車両用ホイールキャップを提供する。
【解決手段】ホイールキャップの通風部2は複数の孔部4からなるパンチングメタル形状に形成されている。通風部2の裏面にはリブ6が形成されている。このリブ6は、孔部4を環状リブ6aで囲繞すると共に各環状リブ6aが互いに連結することにより形成されている。ホイールキャップ1を成形する際に、孔部4の周囲に内部ウエルドが発生して強度が低下するような場合であっても、リブ6により通風部2、ひいてはホイールキャップの強度を高めることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ホイールキャップの通風部2は複数の孔部4からなるパンチングメタル形状に形成されている。通風部2の裏面にはリブ6が形成されている。このリブ6は、孔部4を環状リブ6aで囲繞すると共に各環状リブ6aが互いに連結することにより形成されている。ホイールキャップ1を成形する際に、孔部4の周囲に内部ウエルドが発生して強度が低下するような場合であっても、リブ6により通風部2、ひいてはホイールキャップの強度を高めることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両のホイール側への通風を確保するための通風部を有した樹脂成形からなる車両用ホイールキャップに関する。
従来から、車両のスチールホイールに樹脂製のホイールキャップを被せることにより意匠性を向上することが行われている。このホイールキャップの機能としては、意匠性の向上に加えて通風によるスチールホイールの冷却が求められていることから、周方向に複数の通風部を設けることが行われている。
特願2001−220995号公報
特許文献1のものでは、ホイールキャップの周方向に複数形成された比較的大きな通風口を、冷却用隙間が確保されるように隠蔽部で閉鎖することにより、通風性を確保しながら通風部の意匠性の向上を図ることを提案しているものの、外観上は通風口が完全に閉鎖した様に見えることから、意匠性という観点からは面白みに欠ける。
そこで、出願人は、通風部の通風性を確保しながら、意匠性を向上するために、通風部をパンチングメタル形状に形成したものを試作した。つまり、通風部を複数の孔部から形成することにより、パンチングメタル調の外観を演出したのである。
しかしながら、パンチングメタル形状に形成するには通風部に複数の孔部を形成する必要があることから、樹脂成形時に孔部間でウエルドが発生しやすくなる。このようなウエルドの発生に対しては、部分加熱金型、通気性金型、断熱金型などの各種金型方案により、表面のウエルドラインの発生は改善することができたものの、内部ウエルドによる強度低下については十分な性能が得られていない。このため、衝撃時の撓みにより内部ウエルドが破断してしまう虞があることから、パンチングメタル調のホイールキャップを採用できていないのが実情である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、通風部をパンチングメタル形状に形成しながら、全体の強度を高めることができる車両用ホイールキャップを提供することにある。
本発明は、車両のホイール側への通風を確保するための通風部を有した樹脂成形からなる車両用ホイールキャップであって、前記通風部は、複数の孔部からなるパンチング形状からなり、前記通風部の裏面において前記孔部間となる部位に一体形成されたリブを備えているものである(請求項1)。
上記構成において、前記リブは、孔部を囲繞する環状リブからなるのが望ましい(請求項2)。
また、前記環状リブは、互いに連結されているのが望ましい(請求項3)。
上記構成において、前記リブは、孔部を囲繞する環状リブからなるのが望ましい(請求項2)。
また、前記環状リブは、互いに連結されているのが望ましい(請求項3)。
請求項1の発明によれば、通風部は、複数の孔部から形成されているので、孔部を通じて車両のホイール側への通風を確保することができる。ここで、通風部の裏面において孔部間となる部位にはリブが一体形成されているので、孔部間に内部ウエルドが発生するにしても、通風部、ひいてはホイールキャップの強度を高めることができる。
請求項2の発明によれば、孔部は環状リブにより囲繞されているので、各孔部、ひいては通風部の強度を高めることができる。
請求項3の発明によれば、環状リブを互いに連結するようにしたので、リブ全体、ひいては通風部の強度を高めることができる。
請求項3の発明によれば、環状リブを互いに連結するようにしたので、リブ全体、ひいては通風部の強度を高めることができる。
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図2は、ホイールキャップの正面図、図3は、ホイールキャップの縦断側面図である。これらの図2及び図3において、ホイールキャップ1は、例えばABSとポリカーボネートとの混合樹脂からなる樹脂部材の金型成形から形成されており、車両のスチールホイールの側面に装着されて意匠性を高めるようになっている。樹脂部材としてABSとポリカーボネートとの混合樹脂を採用しているのは、成形のしやすさと強度を両立させるためである。
図2は、ホイールキャップの正面図、図3は、ホイールキャップの縦断側面図である。これらの図2及び図3において、ホイールキャップ1は、例えばABSとポリカーボネートとの混合樹脂からなる樹脂部材の金型成形から形成されており、車両のスチールホイールの側面に装着されて意匠性を高めるようになっている。樹脂部材としてABSとポリカーボネートとの混合樹脂を採用しているのは、成形のしやすさと強度を両立させるためである。
ホイールキャップ1は、全体として円盤形状をなしており、正面から見て周方向に複数の通風部2が間欠的に形成されている。この通風部2は、ホイールキャップ1の凹状部3の底面に複数の孔部4を形成することによりパンチングメタル形状に形成されており、意匠性と通風性とを兼ね備えている。通風部2を構成する複数の孔部4は、ホイールキャップ1を樹脂成形する際に同時に形成されている。
図3に示すようにホイールキャップ1の外周部には複数の爪部5が後方に突出形成されており、その爪部5によりホイールキャップ1が図示しない車両のスチールホイールの側面に着脱自在に装着されるようになっている。
図3に示すようにホイールキャップ1の外周部には複数の爪部5が後方に突出形成されており、その爪部5によりホイールキャップ1が図示しない車両のスチールホイールの側面に着脱自在に装着されるようになっている。
このような形状のホイールキャップ1を樹脂成形で形成するには、ホイールキャップ1の中心部に対応した金型のゲートからABSとポリカーボネートとの混合樹脂を金型内に注入する。すると、金型内に注入された樹脂が中心部から周辺部に流動する際に、ホイールキャップ1の通風部2に対応した部位を流動する。このとき、ポリカーボネートの流動性が悪いことから、金型内における孔部4の周辺部に対応した部位において異なる方向から流動した樹脂同士が出会う部位にウエルドが発生しやくなる。この場合、金型として、部分加熱金型、通気性金型、断熱金型などの各種金型方案がなされたものを使用することにより表面にウエルドラインが発生することは防止できるものの、内部ウエルドが発生することは完全に防止することはできない。
このようにホイールキャップ1の成形時に、通風部2に内部ウエルドが発生したホイールキャップ1は、社内の落錘衝撃試験の社内規格を満足しなかった。これは、ホイールキャップ1に落錘衝撃試験の衝撃が作用した際に、通風部2が大きく撓んで内部ウエルド部で破断するためである。尚、落錘衝撃試験とは、所定重量の重錘を所定高さからホイールキャップに落下させて耐衝撃性を試験するものである。
そこで、本実施例では、金型の成形時に通風部2の裏側にリブを一体形成することにより当該通風部2の強度の向上を図るようにした。
図1は、通風部2の裏面を拡大して示す斜視図である。この図1において、通風部2を形成する各孔部4を囲繞するように環状リブ6aが一体形成されている。この環状リブ6aは六角形状に形成されており、隣接する環状リブ6aと互いに連結している。このような構成により、通風部2の裏側に形成されたリブ6は、環状リブ6a同士が互いに連結したハニカム形状をなしている。
図1は、通風部2の裏面を拡大して示す斜視図である。この図1において、通風部2を形成する各孔部4を囲繞するように環状リブ6aが一体形成されている。この環状リブ6aは六角形状に形成されており、隣接する環状リブ6aと互いに連結している。このような構成により、通風部2の裏側に形成されたリブ6は、環状リブ6a同士が互いに連結したハニカム形状をなしている。
図4は、リブ6の断面図である。この図4において、ホイールキャップ1における通風部2の厚さ寸法は1.5mmであり、リブ6は、高さ寸法が1.5mm、横幅寸法が1.0mm、抜き勾配が3°に設計されている。
上述したように通風部2の裏面に一体形成したリブ6により通風部2の強度を高めたホイールキャップ1に対して落錘衝撃試験を行ったところ、ホイールキャップ1に衝撃が作用した際の撓み量が減少し、社内規格を満足する十分な耐衝撃性能を得ることができた。
そして、ホイールキャップ1を車両のスチールホイールの側面に装着して走行すると、車輪の回転に伴ってホイールキャップ1が回転し、それに伴ってパンチングメタル調の通風部2の孔部4を介して通気されるので、スチールホイールの冷却を図ることができる。
そして、ホイールキャップ1を車両のスチールホイールの側面に装着して走行すると、車輪の回転に伴ってホイールキャップ1が回転し、それに伴ってパンチングメタル調の通風部2の孔部4を介して通気されるので、スチールホイールの冷却を図ることができる。
このような実施例によれば、複数の孔部4からなるパンチングメタル形状の通風部2の裏面に、孔部4を囲繞する環状リブ6aを形成するようにしたので、通風部2の強度を環状リブ6aにより高めることができる。従って、パンチングメタル形状の通風部を有したホイールキャップを形成した際に、通風部に内部ウエルドが発生するにしても、ホイールキャップに衝撃が作用した際の通風部の撓み量を減少させることができるので、内部ウエルドで破断してしまうことを防止でき、以ってパンチングメタル調の通風部2を有しながら十分な強度を有したホイールキャップ1を製作することができる。
しかも、環状リブ6aを互いに連結することによりリブ6を構成するようにしたので、リブ6全体、ひいてはホイールキャップ1の強度を一層高めることができる。
また、このように優れた効果を奏するリブ6は、ホイールキャップ1を樹脂成形する際に同時に通風部2の裏側に一体形成するようにしたので、製造コストが高くなることがないと共に通風部2の意匠性が低下することなく容易に実施することができる。
また、このように優れた効果を奏するリブ6は、ホイールキャップ1を樹脂成形する際に同時に通風部2の裏側に一体形成するようにしたので、製造コストが高くなることがないと共に通風部2の意匠性が低下することなく容易に実施することができる。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
図5に示すように孔部4を配置することにより、リブ6を完全なハニカム形状に形成するようにしてもよい。
環状リブ6aの形状は、六角形状に限らず、三角形状、四角形状、五角形状などの多角形状としてもよいし、図6に示すような円形状、或いは楕円形状としてもよく、さらに図7に示すように格子状としてもよい。この場合、図6に示す環状リブ6aを互いに連結するのが望ましい。
リブ6の形状として、図8に示すように内部ウエルドが発生しやすい方向のみにリブを形成したり、そのリブ6を図9に示すように補強したりしてもよい。
図5に示すように孔部4を配置することにより、リブ6を完全なハニカム形状に形成するようにしてもよい。
環状リブ6aの形状は、六角形状に限らず、三角形状、四角形状、五角形状などの多角形状としてもよいし、図6に示すような円形状、或いは楕円形状としてもよく、さらに図7に示すように格子状としてもよい。この場合、図6に示す環状リブ6aを互いに連結するのが望ましい。
リブ6の形状として、図8に示すように内部ウエルドが発生しやすい方向のみにリブを形成したり、そのリブ6を図9に示すように補強したりしてもよい。
図面中、1はホイールキャップ、2は通風部、4は孔部、6aは環状リブ、6はリブである。
Claims (3)
- 車両のホイール側への通風を確保するための通風部を有した樹脂成形からなる車両用ホイールキャップであって、
前記通風部は、複数の孔部からなるパンチング形状からなり、
前記通風部の裏面において前記孔部間となる部位に一体形成されたリブを備えていることを特徴とする車両用ホイールキャップ。 - 前記リブは、孔部を囲繞する環状リブからなることを特徴とする請求項1記載の車両用ホイールキャップ。
- 前記環状リブは、互いに連結されていることを特徴とする請求項2記載の車両用ホイールキャップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006033951A JP2007210511A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 車両用ホイールキャップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006033951A JP2007210511A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 車両用ホイールキャップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007210511A true JP2007210511A (ja) | 2007-08-23 |
Family
ID=38489312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006033951A Pending JP2007210511A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 車両用ホイールキャップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007210511A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014199652A1 (ja) * | 2013-06-11 | 2014-12-18 | 住友ゴム工業株式会社 | 非空気式タイヤ |
-
2006
- 2006-02-10 JP JP2006033951A patent/JP2007210511A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014199652A1 (ja) * | 2013-06-11 | 2014-12-18 | 住友ゴム工業株式会社 | 非空気式タイヤ |
US9895933B2 (en) | 2013-06-11 | 2018-02-20 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Non-pneumatic tire |
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