JP2007208878A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像読取装置において、長尺原稿の読取時に、ランプの光量変動による濃度ムラが発生するのを防ぐ。
【解決手段】1回の原稿読取りの動作中に、イメージセンサ7の有効読取範囲のうちの原稿読取範囲外である補正データ範囲のセンサで、基準白ローラ4を読み取る。補正データ範囲の1ラインあるいは複数ライン中の特定領域の平均値を、補正データとする。電源ON時に取得された補正データか前回の原稿読取りの最終補正データを基準として比較する。比較結果に基づいて、読取画像信号をリアルタイムで補正する。原稿の種類やサイズや読取モードに応じて、読取画像信号を補正しないように設定することもできる。
【選択図】図1
【解決手段】1回の原稿読取りの動作中に、イメージセンサ7の有効読取範囲のうちの原稿読取範囲外である補正データ範囲のセンサで、基準白ローラ4を読み取る。補正データ範囲の1ラインあるいは複数ライン中の特定領域の平均値を、補正データとする。電源ON時に取得された補正データか前回の原稿読取りの最終補正データを基準として比較する。比較結果に基づいて、読取画像信号をリアルタイムで補正する。原稿の種類やサイズや読取モードに応じて、読取画像信号を補正しないように設定することもできる。
【選択図】図1
Description
本発明は、複写機やスキャナやファクシミリ装置等に搭載されるシート原稿搬送型の画像読取装置に関し、特に、露光量の短期変動による悪影響を取り除いて長尺原稿を読み取ることができる画像読取装置に関する。
近年のデジタル複写機に用いられる画像読取装置は、読取りの高密度化と高速化が進み、S/N確保のためにランプ光量を大きくしている。しかしながら、現状のキセノンランプ等では、ランプ光量を大きくすると、その分、発熱等の影響でランプ光量の経時変動が大きくなる。連続して画像を読み取ると、徐々に光量が落ちてくる。このようなランプの光量変動に対処するために、原稿の紙間で基準白板を用いてレベル変動を補正する方法や、複数の基準白板を利用して補正する方法などが提案されている。以下に、これに関連する従来技術の例をいくつかあげる。
特許文献1に開示された「画像形成装置」は、原稿の厚みに拘らず画像データのシェーディング補正を適正に行い、形成画像の画質を安定化するものである。セットされた原稿の厚みを、厚みセンサにより検出する。この検出結果から、原稿がブック原稿か否かを判別する。原稿がブック原稿でないときは、基準白色ローラの基準白色を読み取って得られる基準白色データから、シェーディング補正係数を算出する。シェーディング補正係数により、原稿の画像データのシェーディング補正を行う。原稿がブック原稿のときは、シェーディング補正係数を更新することなく、最新のシェーディング補正係数により、原稿の画像データのシェーディング補正を行う。
特許文献2に開示された「画像読取装置」は、露光ランプの発熱による光量変動による悪影響を解消したものである。電源投入後、画像読取を行う前に、白基準板を光電変換素子で読み取る。白基準板を読み取った時の画像データ値の大小によって、ランプが暖まっていて光量が落ちている状態なのか、ランプが冷えていて光量が大きい状態なのかを判断する。読取画像信号のレベルが所定のレベルになるように、増幅器のゲインを調整する。調整後の読取画像信号のレベルを記憶装置に保持する。原稿載置台に載置された原稿を露光装置によって露光し、原稿の反射光を光電変換素子で電気信号に変換する。
特開平06-350849号公報
特開2003-324587号公報
しかし、従来の画像読取装置では、次のような問題がある。複数枚の連続での画像読取以外の場合でも、ランプ光量の変動による悪影響を受けることがある。例えば、15m程度の長尺の原稿を読み取る際にも、同じようなランプの光量変動が発生する。例えば、先端と後端に濃度の差が出るというような濃度ムラが発生する場合がある。このような濃度ムラは、従来の対処法では解消できない。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、画像読取装置において、長尺原稿の読取時に、ランプの光量変動による濃度ムラが発生するのを防ぐことである。
上記の課題を解決するために、本発明では、原稿を搬送しながら所定の読取位置で原稿を読み取って読取画像信号を出力する原稿読取手段と、読取画像信号を補正する補正手段とを具備する画像読取装置の補正手段に、原稿読取範囲外の補正データ範囲にある基準白ローラを読み取った基準データに基づいて補正データを作成する手段と、補正データに基づいて読取画像信号を補正する手段とを備える構成とした。すなわち、1回の原稿読取の動作中にリアルタイムで、原稿読取範囲外であって有効読取範囲である補正データ範囲にある基準白ローラの読取データから補正データを作成し、補正データに基づいて読取画像信号を補正する。
また、補正データは、補正データ範囲にある1ライン中の特定の基準領域から得た基準データを平均した値とする。あるいは、補正データ範囲にある複数ライン中の特定の基準領域から得た基準データを単純平均あるいは加重平均した値とする。補正手段は、外部からの指示に応じて基準領域を設定する手段を備える。補正データ範囲は、基準白ローラの両端にある。補正手段は、電源ON時に作成された補正データまた前回の原稿読取りの最終補正データと最新の補正データとを比較する手段と、比較結果に基づいて読取画像信号を補正する手段とを備える。原稿の種類とサイズに応じて読取画像信号の補正を行うか否かを決定する手段を備える。
上記のように構成したことにより、画像読取装置で長尺原稿を読み取る場合でも、専用の基準白板を用いることなく、リアルタイムに読取データを精度よく補正でき、ランプの光量変動による濃度ムラの発生を防止できる。また、原稿の幅に応じた補正データ領域を使用して補正でき、基準データの平均値を補正データとすれば、ノイズの急激な変化に反応することなく、滑らかに変わる補正データに基づいて精度よく補正できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例は、1回の原稿読取動作中にリアルタイムで、原稿読取範囲外の有効読取範囲にある基準白ローラの読取データから補正データを作成し、補正データに基づいて読取画像信号を補正する画像読取装置である。
図1は、本発明の実施例におけるシート原稿搬送式の画像読取装置の概略構成を示す横断面図と正面から見た断面図である。画像読取装置の基本的な構成は、従来のものと同様である。原稿搬送ローラを基準白ローラとした点と、読取画像信号の補正方法が、従来のものと異なる。図1において、コンタクトガラス1は、原稿を載せるガラスである。光源2は、原稿を照射するランプである。セルフォックレンズアレイ3は、原稿からの反射光を集束するレンズ群である。基準白ローラ(原稿搬送ローラ)4は、原稿を搬送するローラであり、白の基準となる反射特性の表面をもつローラである。原稿挿入搬送ローラ5は、原稿を挿入するためのローラである。原稿排出搬送ローラ6は、原稿を排出するためのローラである。イメージセンサ7は、原稿からの反射光を電気信号に変換する素子である。従動コロ8と9は、原稿挿入搬送ローラ5と原稿排出搬送ローラ6と対になって原稿を挟むコロである。シート原稿10は、読取対象のシート状の原稿である。
図2は、画像読取装置のイメージセンサの出力からデジタル画像信号を得るまでの信号処理ブロック図である。図3において、CLMP回路11は、交流結合後の入力端子電位を規定するためのクランプ回路である。SH回路12は、イメージセンサの出力信号の信号成分のみを取り出すサンプルホールド回路である。VGA13は、指定された増幅率でサンプルホールド後の信号を増幅する可変ゲインアンプである。ADC14は、アナログ画像信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路である。AGC回路15は、ピーク値が白レベル目標値になるように利得を調整する回路である。
図3は、画像読取装置の補正データの算出期間を説明するためのタイミング図である。図4は、画像読取装置の光量変動対策の動作手順を示すフローチャートである。
上記のように構成された本発明の実施例におけるシート原稿搬送式の画像読取装置の機能と動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、画像読取装置の機能の概略を説明する。図示していない駆動手段により、図中の矢印方向に原稿挿入搬送ローラ5を回転させて、読取り対象となるシート原稿10を搬送する。シート原稿10は、搬送されながら光源2により照明される。その反射光は、セルフォックレンズアレイ3によりイメージセンサ7に結像される。イメージセンサ7から、読取画像信号が取り出される。イメージセンサ7の有効読取範囲のうち、原稿読取範囲外にある補正データ範囲のセンサを使用して、補正データ範囲にある基準白ローラ4を読み取る。その読取データから、光量変動時の補正データを作成する。補正データ範囲は、基準白ローラ4の両端にあるが、一方のみに設けてもよい。補正データは、補正データ範囲にある1ライン中の特定の領域(基準領域)から得た読取データ(基準データ)を平均した値とする。あるいは、補正データ範囲にある複数ライン中の特定の基準領域から得た基準データを単純平均あるいは加重平均した値としてもよい。加重平均の重みは、装置の構成などの条件に応じて決める。外部からの指示により、補正データ範囲のうちの任意の部分を、基準領域として設定することができる。原稿の種類とサイズに応じて、読取画像信号の補正を行わないように設定することもできる。
次に、図2を参照しながら、信号処理ブロックの動作を説明する。イメージセンサ7から、アナログ画像信号を交流結合で入力する。入力したアナログ画像信号の入力端子電位を、クランプ回路(CLMP回路)11で一定値に維持する。イメージセンサ7の出力信号の信号成分のみを、サンプルホールド回路(SH回路)12で取り出す。サンプルホールド後の信号を、AGC回路15で指定された増幅率で、可変ゲインアンプ(VGA)13により増幅する。増幅されたアナログ画像信号を、アナログデジタル変換回路(ADC)14でデジタル信号に変換して、デジタル画像信号として出力する。AGC回路15は、1ライン中のピーク値が白レベル目標値になるように、VGA13のゲインを調整する。
次に、図3を参照しながら、補正データを算出するタイミングを説明する。主走査同期信号を基準として、1ラインの走査が行なわれる。主走査OPB画素データ領域信号により、黒基準となる画素データが取得される。また、この信号を基準として、補正データの読取りが開始される。イメージセンサ7の有効読取範囲であって、原稿読取範囲の外側を、補正データ範囲とする。まず、有効読取範囲の前で、基準白ローラ4を読み取る。次に、1ライン中の有効読取範囲で、原稿を読み取る。さらに、有効読取範囲の後で、基準白ローラ4を読み取る。有効読取範囲の前後で、基準白ローラ4を読み取ったデータに基づいて、補正データを求める。
次に、図4の流れ図を参照しながら、光量変動対策の動作手順を説明する。画像読取装置の電源をONにすると、基準白ローラ4を読み取る。この読取データに基づいて、VGA13のゲイン値を算出する。その後、待機状態になる。読取開始動作がスタートすると、シェーディング補正データを作成して設定し、基準白ローラ4を読み取る。このとき、補正データ領域にある基準白ローラ4の読取値をメモリに記憶しておく。原稿読取りを開始し、原稿を読み取っているときも、常に補正データ領域にある基準白ローラ4を読み取り、原稿読取開始前に記憶した補正データ領域の基準白ローラ4の読取値と比較する。比較した結果、変化がなければ、VGA13のゲイン値をそのままにしておく。変化があれば、現在の補正データ領域にある基準白ローラ4の読取値が、原稿読取開始前に記憶した補正データ領域の基準白ローラ4の読取値になるように、VGA13のゲインを設定する。このとき、VGA13のゲインの設定は、イメージセンサ7の有効画素出力領域以外のダミー出力又は空転送部の領域で行う。VGA13のゲイン値を変えてデータを補正する例を説明したが、アナログデジタル変換回路(ADC)14の出力のデジタル画像信号に対して、デジタル演算によりデータの補正を行ってもよい。
上記のように、本発明の実施例では、画像読取装置を、1回の原稿読取動作中にリアルタイムで、原稿読取範囲外の有効読取範囲にある基準白ローラの読取データから補正データを作成し、補正データに基づいて読取画像信号を補正する構成としたので、長尺の原稿を読み取る場合でも、専用の基準白板を用いることなく、リアルタイムに読取データを補正して、光量変動による濃度ムラの発生を防止できる。
本発明の画像読取装置は、複写機やスキャナやファクシミリ装置等に搭載されるもので、長尺原稿を読み取る場合の露光量の短期変動による悪影響を取り除くことができるシート原稿搬送型の画像読取装置として最適である。
1・・・コンタクトガラス、2・・・光源、3・・・セルフォックレンズアレイ、4・・・基準白ローラ(原稿搬送ローラ)、5・・・原稿挿入搬送ローラ5、6・・・原稿排出搬送ローラ、7・・・イメージセンサ、8・・・従動コロ、9・・・従動コロ、10・・・シート原稿、11・・・CLMP回路、12・・・SH回路、13・・・VGA、14・・・ADC、15・・・AGC回路。
Claims (14)
- 原稿を搬送しながら所定の読取位置で原稿を読み取って読取画像信号を出力する原稿読取手段と、前記読取画像信号を補正する補正手段とを具備する画像読取装置において、前記補正手段は、原稿読取範囲外の補正データ範囲にある基準白ローラを読み取った基準データに基づいて補正データを作成する手段と、前記補正データに基づいて前記読取画像信号を補正する手段とを備えることを特徴とする画像読取装置。
- 前記補正データは、前記補正データ範囲にある1ライン中の特定の基準領域から得た基準データを平均した値であることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
- 前記補正データは、前記補正データ範囲にある複数ライン中の特定の基準領域から得た基準データを単純平均あるいは加重平均した値であることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
- 前記補正手段は、外部からの指示に応じて前記基準領域を設定する手段を備えることを特徴とする請求項2または3記載の画像読取装置。
- 前記補正データ範囲は、前記基準白ローラの両端にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像読取装置。
- 前記補正手段は、電源ON時に作成された補正データまた前回の原稿読取りの最終補正データと最新の補正データとを比較する手段と、比較結果に基づいて前記読取画像信号を補正する手段とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像読取装置。
- 原稿の種類とサイズに応じて前記読取画像信号の補正を行うか否かを決定する手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像読取装置。
- 原稿を搬送しながら所定の読取位置で原稿を読み取って読取画像信号を出力し、前記読取画像信号を補正する画像読取方法において、原稿読取範囲外の補正データ範囲にある基準白ローラを読み取った基準データに基づいて補正データを作成し、前記補正データに基づいて前記読取画像信号を補正することを備えることを特徴とする画像読取方法。
- 前記補正データは、前記補正データ範囲にある1ライン中の特定の基準領域から得た基準データを平均した値であることを特徴とする請求項8記載の画像読取方法。
- 前記補正データは、前記補正データ範囲にある複数ライン中の特定の基準領域から得た基準データを単純平均あるいは加重平均した値であることを特徴とする請求項8記載の画像読取方法。
- 前記基準領域は、外部からの指示に応じて設定されることを特徴とする請求項9または10記載の画像読取方法。
- 前記補正データ範囲は、前記基準白ローラの両端にあることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の画像読取方法。
- 電源ON時に作成された補正データまた前回の原稿読取りの最終補正データと最新の補正データとを比較し、比較結果に基づいて前記読取画像信号を補正することを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の画像読取方法。
- 原稿の種類とサイズに応じて前記読取画像信号の補正を行うか否かを決定することを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の画像読取方法。
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