JP4440488B2 - シェーディング補正データ作成装置、白シェーディング補正装置、画像読取装置、画像形成装置、シェーディング補正データ作成方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
シェーディング補正データ作成装置、白シェーディング補正装置、画像読取装置、画像形成装置、シェーディング補正データ作成方法、プログラム及び記憶媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、白基準からシェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成装置、このシェーディング補正データ作成装置を備えた白シェーディング補正装置、画像読取装置及び画像形成装置、白基準からシェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成方法、プログラム、並びに、記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にデジタル画像読取装置では、読取走査光学系を構成するCCDラインセンサの各画素の感度むらや、レンズにおける透過光量のばらつき、照明光源や光学系のむら及び劣化などを原因として、各画素に対応する受光素子からの出力が必ずしも均一になるとは限らない。
【0003】
これらを補正する手段として白シェーディング補正が知られている。白シェーディング補正は、実際の原稿読取処理に先だって白基準を照明し、その反射光を読み取り、各画素のシェーディング補正用のシェーディング補正データとして取得する。そして、このシェーディング補正データに基づいて原稿の読取画像データの白シェーディング補正を行っている。
【0004】
そして、白シェーディング補正を正確に行なうためには、白基準(白基準板などが用いられる)の読取データからゴミ、汚れ、傷などによるノイズを少なくしなければならない。例えば、読取りデータにノイズが多いシステムでは、正確なシェーディング補正データを生成することができず、上記シェーディング補正データにより補正された読み取り画像は、ノイズの影響を受けた出力画像となってしまう。
【0005】
このような不具合を解決するために、特開平11-289432号公報に開示の技術では、白基準の複数ラインに於いて単純平均を行なうことでシェーディング補正データを生成し、ノイズの影響を最小限に抑える構成をとっている。
【0006】
また、単純平均化では回路構成が複雑で高コストになるため、特開平11-289432号公報に開示の技術で、単純、低コストの回路で実現可能な重み付け平均(重加算平均)を行なうことも考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記各技術では、白基準上のゴミ、汚れ、傷等の影響を完全に取り除くことはできない。特に、複数ラインの重加算平均からシェーディング補正データを生成する場合、最終ラインの影響をもっとも受けることになることから、最終ラインにゴミ、汚れ、傷等があった場合、シェーディング補正データへの影響が大きいものになるという不具合がある。
【0008】
また、この場合に、経時変化などにより白基準を読み取る光学系の劣化、例えば、光源の光量の低下、ミラーの汚れなどを生じるので、この光学系の劣化についても考慮して、シェーディング補正データを作成しなければならない。
【0009】
この発明の目的は、白基準ゴミ、汚れ、傷等の影響を受けた画素を除外して、白シェーディング補正データから充分にノイズを除去することである。
【0010】
この発明の目的は、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することである。
【0011】
この発明の目的は、充分にノイズを除去した白シェーディング補正データを作成することである。
【0012】
この発明の目的は、信号処理回路に設定される増幅率から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することである。
【0013】
この発明の目的は、白基準を読取った画像データの値のばらつきから光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することである。
【0014】
この発明の目的は、この場合に、簡易な回路構成で、容易に画像データのばらつきを検出することができる。
【0015】
この発明の目的は、光学系の光源につき点灯時間の総計から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することである。
【0016】
この発明の目的は、読取画像の枚数から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、白基準を読み取った画像データから白シェーディング補正に用いるシェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成装置において、前記画像データの副走査方向の先頭における複数ラインに統計化処理を施して基準データを作成する基準データ作成手段と、前記画像データを読み取る光学系の劣化の程度を示す情報を取得する取得手段と、この劣化の程度に応じた大きさの値を予め設定する値設定手段と、副走査方向における前記基準データ以後の前記画像データと前記基準データ以後の画像データとの大小を前記予め設定された値を用いて調整をした上で比較する比較手段と、この比較演算により前記基準データ以後の画像データの方が小さいときは当該基準データ以後の画像データを除外する除外手段と、この除外後の前記基準データ以後の画像データを対象として前記シェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成手段と、を備えていることを特徴とするシェーディング補正データ作成装置である。
【0018】
したがって、白基準の先頭の複数ラインを統計化して作成した基準データと、基準データ以後の画像データとに関して比較を行って、ゴミ、汚れ、傷等の影響を受けた画素を除外することができるので、白シェーディング補正データから充分にノイズを除去することができる。また、白基準を読み取る光学系の劣化の程度に応じて予め設定された値の大きさを可変するので、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0019】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、前記比較手段は、前記調整として副走査方向における前記基準データ以後の前記画像データから前記予め設定された値を減算することを特徴とする。
【0020】
したがって、副走査方向における基準データ以後の白基準の読取画像データから予め設定された値を減算することで、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0021】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、前記基準データ作成手段は、前記統計化処理として平均化処理を行なうことを特徴とする。
【0022】
したがって、白基準の先頭の複数ラインを平均化して作成した基準データを用い、充分にノイズを除去した白シェーディング補正データを作成することができる。
【0023】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、前記取得手段は、前記白基準を読み取る光電変換素子が出力するアナログ画像データに所定の信号処理を施す信号処理回路の増幅率を前記アナログ画像データの前記劣化による信号レベルの低下を抑制するように設定する増幅率設定手段から前記増幅率の設定値の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする。
【0024】
したがって、信号処理回路に設定される増幅率から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0025】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、前記取得手段は、前記画像データの値のばらつきを検出して前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする。
【0026】
したがって、白基準を読取った画像データの値のばらつきから光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0027】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、前記取得手段は、前記画像データのばらつきの最大値を検出することを特徴とする。
【0028】
したがって、ばらつきの最大値のみを検出することで、簡易な回路構成で、容易にばらつきを検出することができる。
【0029】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、前記取得手段は、複数の画素から標準偏差を演算して前記ばらつきを検出することを特徴とする。
【0030】
したがって、白基準を読取った画像データについて複数の画素の標準偏差から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0031】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、前記取得手段は、前記劣化の程度を示す情報として前記光学系の光源の点灯時間の総計を示す情報を取得することを特徴とする。
【0032】
したがって、光源の点灯時間の総計から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0033】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、前記取得手段は、前記白基準を読み取る光電変換素子による読取画像の枚数の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする。
【0034】
したがって、読取画像の枚数から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0035】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置と、このシェーディング補正データ作成装置で作成された前記シェーディング補正データにより原稿の読取画像の画像データに対して白シェーディング補正を行なう白シェーディング補正手段と、を備えていることを特徴とする白シェーディング補正装置である。
【0036】
したがって、前記の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0037】
また本発明は、原稿の画像を読取る光電変換素子と、この読取画像の画像データに対して白シェーディング補正を行なう前記の白シェーディング補正装置と、を備えていることを特徴とする画像読取装置である。
【0038】
したがって、前記の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0039】
また本発明は、原稿の画像を読み取る前記の画像読取装置を備え、この読み取った原稿の画像に基づいて記録媒体上に画像形成を行なうことを特徴とする画像形成装置である。
【0040】
したがって、前記の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0041】
また本発明は、白基準を読み取った画像データから白シェーディング補正に用いるシェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成方法において、前記画像データの副走査方向の先頭における複数ラインに統計化処理を施して基準データを作成する基準データ作成工程と、前記画像データを読み取る光学系の劣化の程度を示す情報を取得する取得工程と、この劣化の程度に応じた大きさの値を予め設定する値設定工程と、副走査方向における前記基準データ以後の前記画像データと前記基準データ以後の画像データとの大小を前記予め設定された値を用いて調整をした上で比較する比較工程と、この比較演算により前記基準データ以後の画像データの方が小さいときは当該基準データ以後の画像データを除外する除外工程と、この除外後の前記基準データ以後の画像データを対象として前記シェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成工程と、を含んでなることを特徴とするシェーディング補正データ作成方法である。
【0042】
したがって、白基準の先頭の複数ラインを統計化して作成した基準データと、基準データ以後の画像データとに関して比較を行って、ゴミ、汚れ、傷等の影響を受けた画素を除外することができるので、白シェーディング補正データから充分にノイズを除去することができる。また、白基準を読み取る光学系の劣化の程度に応じて予め設定された値の大きさを可変するので、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0043】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、前記比較工程は、前記調整として副走査方向における前記基準データ以後の前記画像データから前記予め設定された値を減算することを特徴とする。
【0044】
したがって、副走査方向における基準データ以後の白基準の読取画像データから予め設定された値を減算することで、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0045】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、前記基準データ作成工程は、前記統計化処理として平均化処理を行なうことを特徴とする。
【0046】
したがって、白基準の先頭の複数ラインを平均化して作成した基準データを用い、充分にノイズを除去した白シェーディング補正データを作成することができる。
【0047】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、前記取得工程は、前記白基準を読み取る光電変換素子が出力するアナログ画像データに所定の信号処理を施す信号処理回路の増幅率を前記アナログ画像データの前記劣化による信号レベルの低下を抑制するように設定する増幅率設定手段から前記増幅率の設定値の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする。
【0048】
したがって、信号処理回路に設定される増幅率から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0049】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、前記取得手工程は、前記画像データの値のばらつきを検出して前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする。
【0050】
したがって、白基準を読取った画像データの値のばらつきから光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0051】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、前記取得工程は、前記画像データのばらつきの最大値を検出することを特徴とする。
【0052】
したがって、ばらつきの最大値のみを検出することで、簡易な回路構成で、容易にばらつきを検出することができる。
【0053】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、前記取得工程は、複数の画素から標準偏差を演算して前記ばらつきを検出することを特徴とする。
【0054】
したがって、白基準を読取った画像データについて複数の画素の標準偏差から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0055】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、前記取得工程は、前記劣化の程度を示す情報として前記光源の点灯時間の総計を示す情報を取得することを特徴とする。
【0056】
したがって、光源の点灯時間の総計から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0057】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、前記取得工程は、前記白基準を読み取る光電変換素子による読取画像の枚数の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする。
【0058】
したがって、読取画像の枚数から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0059】
また本発明は、白基準を読み取った画像データから白シェーディング補正に用いるシェーディング補正データを作成する処理をコンピュータに実行させるコンピュータに読取り可能なプログラムにおいて、前記画像データの副走査方向の先頭における複数ラインに統計化処理を施して基準データを作成する基準データ作成処理と、前記画像データを読み取る光学系の劣化の程度を示す情報を取得する取得処理と、この劣化の程度に応じた大きさの値を予め設定する値設定処理と、副走査方向における前記基準データ以後の前記画像データと前記基準データ以後の画像データとの大小を前記予め設定された値を用いて調整をした上で比較する比較処理と、この比較演算により前記基準データ以後の画像データの方が小さいときは当該基準データ以後の画像データを除外する除外処理と、この除外後の前記基準データ以後の画像データを対象として前記シェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成処理と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【0060】
したがって、白基準の先頭の複数ラインを統計化して作成した基準データと、基準データ以後の画像データとに関して比較を行って、ゴミ、汚れ、傷等の影響を受けた画素を除外することができるので、白シェーディング補正データから充分にノイズを除去することができる。また、白基準を読み取る光学系の劣化の程度に応じて予め設定された値の大きさを可変するので、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0061】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、前記比較処理は、前記調整として副走査方向における前記基準データ以後の前記画像データから前記予め設定された値を減算することを特徴とする。
【0062】
したがって、副走査方向における基準データ以後の白基準の読取画像データから予め設定された値を減算することで、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0063】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、前記基準データ作成処理は、前記統計化処理として平均化処理を行なうことを特徴とする。
【0064】
したがって、白基準の先頭の複数ラインを平均化して作成した基準データを用い、充分にノイズを除去した白シェーディング補正データを作成することができる。
【0065】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、前記取得処理は、前記白基準を読み取る光電変換素子が出力するアナログ画像データに所定の信号処理を施す信号処理回路の増幅率を前記アナログ画像データの前記劣化による信号レベルの低下を抑制するように設定する増幅率設定手段から前記増幅率の設定値の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする。
【0066】
したがって、信号処理回路に設定される増幅率から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0067】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、前記取得処理は、前記画像データの値のばらつきを検出して前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする。
【0068】
したがって、白基準を読取った画像データの値のばらつきから光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0069】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、前記取得処理は、前記画像データのばらつきの最大値を検出することを特徴とする。
【0070】
したがって、ばらつきの最大値のみを検出することで、簡易な回路構成で、容易にばらつきを検出することができる。
【0071】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、前記取得処理は、複数の画素から標準偏差を演算して前記ばらつきを検出することを特徴とする。
【0072】
したがって、白基準を読取った画像データについて複数の画素の標準偏差から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0073】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、前記取得処理は、前記劣化の程度を示す情報として前記光源の点灯時間の総計を示す情報を取得することを特徴とする。
【0074】
したがって、光源の点灯時間の総計から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0075】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、前記取得処理は、前記白基準を読み取る光電変換素子による読取画像の枚数の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする。
【0076】
したがって、読取画像の枚数から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0077】
また本発明は、前記のプログラムを記憶している記憶媒体である。
【0078】
したがって、前記の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0079】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]
この発明の一実施の形態を発明の実施の形態1として説明する。
【0080】
図1は、発明の実施の形態1である画像読取装置1の全体構成を示す縦断面図である。図1に示すように、画像読取装置1は、フラットベッドタイプのもので、原稿2を載置するコンタクトガラス3と、原稿2の露光用の光源であるハロゲンランプ4及び第1反射ミラー5とからなる第1キャリッジ6と、第2反射ミラー7及び第3反射ミラー8からなる第2キャリッジ9と、光電変換素子であるCCDリニアイメージセンサ10(以下では、単にCCD10という)と、CCD10に結像するためのレンズユニット11と、白シェーディング補正用の白基準となる白基準板12と、第1キャリッジ6及び第2キャリッジ9を駆動するステッピングモータ14とを備えている。CCD10はセンサボード基板13上に設けられている。ハロゲンランプ4、第1、第2、第3反射ミラー5,7,8及びレンズユニット11は走査光学系を構成する。
【0081】
ハロゲンランプ4は、白基準板12やコンタクトガラス3の読取面に対してある角度で光を照射し、白基準板12または原稿2で反射した光は、第1、第2、第3反射ミラー5,7,8及びレンズユニット11を経由してCCD10に入射する。CCD10は入射光量に対応した電圧をアナログ画像データとして出力する。第1、第2キャリッジ6,9は、ステッピングモータ14の駆動により、原稿2の読取面とCCD10との間の距離を一定に保ちながら副走査方向に移動し、原稿2を露光走査する。
【0082】
図2は、画像読取装置1によるスキャン動作で用いるゲート信号を説明するタイミングチャートである。すなわち、シェーディングゲートは、白基準板12の読取範囲を指示するものであり、シェーディングゲートがLレベルのときにCCD10の出力する画像データが取り込まれる。また、ゲート信号XFGATEは原稿2の読取範囲(原稿読取領域)を指示するものであり、ゲート信号XFGATEがLレベルのときにCCD10の出力する画像データが取り込まれる。
【0083】
図3は、画像読取装置1が備えている白シェーディング補正装置21のブロック図である。この白シェーディング補正装置21は所定のASIC中に構成されている。図3に示すように、CCD10から出力されるアナログ画像データは、信号処理回路22で波形整形、サンプルホールド、増幅等の信号処理がなされ、A/D変換器23でデジタル画像データに変換されてから、白シェーディング補正装置21に出力される。
【0084】
このシェーディング補正装置21中には、A/D変換後のデジタル画像データの入力経路となるデータ入力経路24、シェーディング補正データ入力経路25及び基準データ入力経路26が設けられている。
【0085】
ライン数カウンタ27にはライン同期信号が入力され、現在のラインが何ライン目かをカウントする。そのカウント値のデータは、セレクタ28に入力される。セレクタ28には、シェーディングゲート及びゲート信号XFGATEも入力される。セレクタ28は、これらの入力信号に基づいて、A/D変換器23から出力される画像データを選択的に経路24,25,26に振り分ける。
【0086】
平均化回路29は、シェーディングゲートがLレベルとなって、白基準板12の読取が開始した時点から所定のライン数m(m=1,2,3,…)分、すなわち、白基準板12の読取画像データの副走査方向における先頭のmライン分(基準データ生成エリア)の画像データの入力を、基準データ入力経路26からセレクタ28の切換えにより受ける。そして、平均化回路29は、入力されたmライン分の画像データについて統計化、例えば、画素ごとに重み付け平均又は単純平均などの平均化処理をすることで、基準データを作成し、この基準データはFIFO(先入れ先出し回路)30に記憶される。これにより基準データ作成手段、基準データ作成工程を実現している。
【0087】
比較回路31は、セレクタ28の切換えにより、シェーディング補正データ入力経路25から、白基準板12の読取画像データの副走査方向における先頭のmライン分以後、すなわち基準データ生成エリア以後(シェーディング補正データ生成エリア)のデータの入力を受付ける。この比較回路31は、FIFO30に記憶されている基準データと、シェーディング補正データ入力経路25から入力した画像データとに基づく、以下のような比較演算処理を行なう。これにより比較手段、比較工程を実現している。
【0088】
つまり、基準データから予め設定された値NOREFを減算し、この“基準データ−NOREF”と、シェーディング補正データ生成エリアの各ラインの画像データ(シェーディング補正データ生成用データ)とを、画素ごとに比較する。
【0089】
そして、
シェーディング補正データ生成用データ<基準データ−NOREF …… (1)
の関係にある場合には、該当するシェーディング補正データ生成用データを画素ごとに除外する。すなわち、(1)式の関係にないシェーディング補正データ生成用データのみを画素ごとに選択的に平均化回路32に出力し、(1)式の関係にあるシェーディング補正データ生成用データは出力しない。これにより除外手段、除外工程を実現している。
【0090】
このとき、(1)式の関係にあるため、シェーディング補正データ生成用データが出力されない画素については、代わりに、(1)式の比較を行った基準データに置き換えて、平均化回路32に出力する。
【0091】
平均化回路32では、比較回路31から出力された画像データは、ライン間で平均化、例えば重加算平均化を行ない、シェーディング補正データDshを作成する。これによりシェーディング補正データ作成手段、シェーディング補正データ作成工程を実現している。この作成されたシェーディング補正データDshはFIFO33に記憶される。以上のように、平均化回路29、比較回路31、平均化回路32などにより、シェーディング補正データ作成装置37が構成されている。
【0092】
原稿2を読取るときは、セレクタ28の切換えにより、本来の原稿画像読み取り時には、データ入力経路24から原稿2の読取画像データDiが、FIFO33からは画素毎のシェーディング補正データDshが出力されて、ROM34に予め格納されているシェーディング補正のための演算式のアルゴリズムに基づき、ルックアップテーブル方式により演算処理され、読取画像データDiに対し、シェーディング補正データDshに基づいて白シェーディング補正がなされ、補正後の原稿2の画像データDoが生成される。これにより白シェーディング補正手段、白シェーディング補正工程を実現している。
【0093】
なお、この白シェーディング補正後の画像データDoに対して、黒シェーディング補正、MTF補正、フィルタ処理、変倍処理、γ変換、原稿2の地肌除去処理などの画像処理がなされて、その処理後の画像データが画像読取装置1から出力される。これらの処理の具体的な内容については周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0094】
この画像読取装置1によれば、白基準板12の読取画像データについて、先頭の複数(m)ラインを統計化して作成した基準データと、その基準データ以後の画像データとに関して比較を行って、ゴミ、汚れ、傷等の影響を受けた画素を除外することができるので、白シェーディング補正データDshから充分にノイズを除去することができる。
【0095】
この場合に、シェーディング補正データ生成用データが出力されない画素については、その代わりに基準データに置き換えるので、シェーディング補正データDshの生成に使用できる画素数を減らすことなく、精度のよいシェーディング補正データを得ることができる。
【0096】
また、基準データと、その基準データ以後の画像データとに関して比較を行なう際には、予め基準データから所定の値NOREFを減算してから比較することで、基準データを適切な値に調節し、精度のよいシェーディング補正データDshを的確に得ることができる。
【0097】
特に、平均化回路32で、ライン間の重加算平均によりシェーディング補正データDshを作成するときは、最終ラインのゴミ、汚れ、傷等の影響を効果的に除くことができて、シェーディング補正データの作成を的確に行なうことができる。
【0098】
ところで、この画像読取装置1では、経年変化により生じる、ハロゲンランプ4の光量のばらつき、ミラー5,7,8のよごれ、CCD10の感度のばらつき等によるCCD10の出力レベルの変動をA/D変換器23のダイナミックレンジに合わせるために、信号処理回路22内に画像信号を増幅する増幅回路(図示せず)を設けている。そして、この増幅回路の増幅率をゲイン設定回路71で設定している。
【0099】
この増幅率の調整は、
(1)画像読取装置1のメイン電源がONされたとき
(2)画像読取装置1が待機状態(省エネモード)から復帰するとき
(3)画像読取装置1がサービスマンによリメンテテンスされたとき
の各場合に、CCD10で白基準板12を読み取ることで実行される。
【0100】
増幅率調整のためのフィードハック系は、途中まではシェーディング補正データ作成のデータの流れと同様である。すなわち、白基準板12の読み取り画像データのうち、先頭のmライン分は平均化回路29で統計化処理され、FIFO30へ格納される。mライン以後のデータは比較回路31で「基準データNOREF」と比較され、(1)式の関係にあてはまるデータは除外され、代わりに基準データと置き換えられる。その際、平均化回路32で平均化処理されてFIF033に格納される。このとき、白シェーディング補正データDshの作成と相違する点は、CPU35がゲイン設定回路71に設定する増幅寧はデフォルト値(初期値)であり、NOREF演算回路72で演算される値NOREFも、このデフォルト値に対応する値であることである。
【0101】
FIFO33に格納されたデータは、ピーク検出回路77に出力され、ここでピーク値(白ピーク)が検出され、検出されたピーク値がCPU35に入力される。CPU35は、入力されたピーク値に基づき、新たな増幅率を演算する。例えば、入力されたピーク値(8ビットデータ)の値が190で、所定の目標白出力(A/D変換器23の最大出力値の目標値)が220の場合、ピーク値190が目標白出力220になるような増幅率(220/190)を演算する。演算された増幅率はCPU35によりゲイン設定回路71に設定され、この増幅率に基づいて白シェーディング補正データDshの作成時の値NOREFが、NOREF演算回路72で演算される。
【0102】
そして、シェーディング補正データ作成装置37は、NOREF演算回路72を備えている。このNOREF演算回路72には、ゲイン設定回路71が設定する増幅率の設定信号が入力され(これにより取得手段、取得工程を実現している)、この設定信号が示す増幅率に基づいて演算を行ない、設定値NOREFを求める(これにより値設定手段、値設定工程を実現している)。そして、その求めた設定値NOREFを比較回路31(のレジスタ)に設定する。
【0103】
NOREF演算回路72での設定値NOREFの演算は、例えば、下記のような演算式により行なう(データテーブルにより演算してもよい)。
【0104】
NOREF = NOREF_DEF × GAIN × NOREF_ADJ …… (2)
ここで、NOREF_DEF:NOREFの初期値
GAIN:増幅率
NOREF_ADJ:補正係数
【0105】
このように、信号処理回路22内の増幅回路の増幅率により、ハロゲンランプ4の光量のばらつき、ミラー5,7,8のよごれなど走査光学系の劣化の程度を検知して、この増幅率に応じて設定値NOREFを可変できるので、走査光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0106】
これにより、設定される増幅率が小さく、読取画像データのデータばらつきが小さい(S/Nがよい)場合には、設定値NOREFを小さい値とし、白レベルのノイズ成分外のデータのみ有効とすることで、より正確なシェーディング補正データを求めることが可能となる。
【0107】
また、逆に設定される増幅率が大きく、読取画像データのデータばらつきが大きい(S/Nが悪い)場合には、設定値NOREFを大きくして、有効なデータとして使用されるデータの数を増やし、より正確なシェーディング補正データを演算することを可能とすることができる。
【0108】
[発明の実施の形態2]
別の実施の形態を発明の実施の形態2として説明する。
【0109】
以下の説明で、実施の形態1と共通する部材、回路要素等については実施の形態1の説明と同一符号を用い、詳細な説明を省略する。この実施の形態2の画像読取装置1が実施の形態1と相違するのは、図4に示すように、シェーディング補正データ作成装置37にデータ分布検出回路73が設けられ、セレクタ28からはデータ分布入力経路74がデータ分布検出回路73に延びていて、データ分布検出回路73に読取画像データを入力する点にある。
【0110】
この構成では、ハロゲンランプ4の光量のばらつきや、CCD10の感度のばらつき等によるCCD10の出力レベルをA/D変換器23のダイナミックレンジに合わせるための調整がゲイン設定回路71でなされた後、データ分布検出回路73は、その調整が終了したことを検出して、白基準板12の読取レベルのばらつき(読取画像データの最大値及び最小値、又は、ばらつきの標準偏差など)を検出する(これにより取得手段、取得工程を実現している)。そして、そのばらつきに応じて、NOREF演算回路72により設定値NOREFを演算するものである(これにより値設定手段、値設定工程を実現している)。
【0111】
具体的には、データ分布検出回路73は、特定画素について過去の読取データを保有しており、今回の読取データと過去の読取データとから最大値と最小値を検出し、検出された最大値と最小値の差分を演算している。NOREF演算回路72は、この差分値に基づいて設定値NOREFを演算する。この差分値が経時的に大きくなるということは、ゲイン設定回路71に設定される増幅率が経時的に増加していることを表している。つまり、画像データに含まれるノイズも増加した増幅率で増幅されていることを意味する。よって、差分値に応じて設定値NOREFを演算してやれば、このように増幅されたノイズも適切に除去できる。
【0112】
データ分布検出回路73は、差分値の代わりに標準偏差σを演算してもよい。つまり、特定画素について、過去の読取データ及び今回の読取リデータよリ、テータの分布(正規分布)を検出し、その分布から標準偏差σを演算する。NOREF演算回路71は、データ分布検出回路73で演算された標準偏差σに基づいて、次の(3)式に従い、設定値NOREFを演算する。
【0113】
NOREF = σ × 3 …… (3)
【0114】
したがって、白基準板12の読取画像データの値についてのばらつき、すなわち、読取画像データの最大値、最小値、ばらつきの標準偏差などから、ハロゲンランプ4の光量のばらつき、ミラー5,7,8のよごれなど、走査光学系の劣化の程度を判断して、走査光学系の劣化について考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0115】
この場合に、読取画像データの値のばらつきの検出は、主走査方向の複数の画素を対象として行なう。また、データ分布検出回路73でばらつきの最大値のみを検出するようにすれば、簡易な回路構成で、容易にばらつきを検出することができる。
【0116】
[発明の実施の形態3]
別の実施の形態を発明の実施の形態3として説明する。
【0117】
以下の説明で、実施の形態1と共通する部材、回路要素等については実施の形態1の説明と同一符号を用い、詳細な説明を省略する。図5に示すように、この実施の形態3の画像読取装置1が実施の形態1と相違する点は、まず、ゲイン設定回路71がAGC(Auto Gain Control)回路で、ハード的にゲインコントロールを行ない、その設定された増幅率をシェーディング補正データ作成装置37では認識できない構成であることである。そのため、CPU35は、稼動時間検出部75により、ハロゲンランプ4の稼動時間の総計値を検出し、この検出値をNOREF演算回路72に入力する(これにより取得手段、取得工程を実現している)。稼動時間検出部75は、ハロゲンランプ4の点灯回路の電圧などからハロゲンランプ4の点灯の有無を検出し、その点灯時間をカウントし、点灯時間の過去の総計値を不揮発性メモリなどに記憶する。
【0118】
NOREF演算回路72は、ハロゲンランプ4の稼動時間の総計値に基づき、例えば、下記のような演算式によりNOREFを演算する(これにより値設定手段、値設定工程を実現している)。
【0119】
NOREF = NOREF_DEF × TIME × NOREF_ADJ …… (4)
NOREF_DEF:NOREF初期値
TIME:ハロゲンランプ4の稼動時間の総計値
NOREF_ADJ:補正係数
【0120】
したがって、走査光学系の光源であるハロゲンランプ4の点灯時間の総計から走査光学系の劣化の程度を判断して、走査光学系の劣化について考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。しかも、比較的簡易な構成で実現することができる。
【0121】
なお、信号処理回路22での増幅率の設定は、前記のフィードバック系が、図3、図4を参照して前記したものとは若干異なり、ピーク検出回路77で検出されたピーク値を直接ゲイン設定回路71に入力させて、ハード的に増幅率が設定される。
【0122】
[発明の実施の形態4]
別の実施の形態を発明の実施の形態4として説明する。
【0123】
以下の説明で、実施の形態3と共通する部材、回路要素等については実施の形態1の説明と同一符号を用い、詳細な説明を省略する。この実施の形態4の画像読取装置1が実施の形態3と相違する点は、図6に示すように、稼動時間検出部75に代えて、走査光学系による原稿2の読取画像枚数の総計値をカウントし、その枚数を不揮発性メモリなどに記憶する読取枚数検出部76を設けている点にある。
【0124】
この読取枚数検出部76からNOREF演算回路72に原稿2の読取画像枚数の総計値を入力し(これにより取得手段、取得工程を実現している)、この総計値に基づいて、例えば、下記のような演算式によりNOREFを演算する(これにより値設定手段、値設定工程を実現している)。
【0125】
NOREF = NOREF_DEF × PAGE × NOREF_ADJ …… (5)
NOREF_DEF:NOREF初期値
PAGE: 原稿2の読取画像枚数の総計値
NOREF_ADJ:補正係数
【0126】
この場合には、原稿2の読取画像枚数の総計から走査光学系の劣化の程度を判断して、走査光学系の劣化について考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。この場合も、比較的簡易な構成で実現することができる。
【0127】
[発明の実施の形態5]
別の実施の形態を発明の実施の形態5として説明する。
【0128】
この実施の形態5の画像読取装置1が実施の形態1〜4と相違する点は、白シェーディング補正装置21が設けられておらず、その代わりに、実施の形態1〜4の場合と同様の内容の白シェーディング補正を、CPU35が所定の白シェーディング補正プログラムに基づいて行なうことで、シェーディング補正データ作成装置、白シェーディング補正装置を実現している点にある。その他の点については、実施の形態1の場合と同様であり、実施の形態1と同様の符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0129】
以下では、CPU35が白シェーディング補正プログラムに基づいて行なう白シェーディング補正処理の内容について、説明する。
【0130】
まず、図10は、画像読取装置1の制御系の電気的な接続を示すブロック図である。図10に示すように、CPU35とバス86を介して接続されているRAM82は、CPU35の制御により、IPU(Image Processing Unit)84による後述の演算の精果求められたシェーディング補正データを格納する。記憶媒体となるROM81は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリで、シェーディング補正データ作成プログラムや白シェーディング補正プログラム等が格納されている。なお、ROM81内に格納されているプログラムはCPU35の制御により、I/Oポート83を介して図示しない外部装置からダウンロードされるプログラムに書き換え可能である。CPU35は上記制約の他に、走査光学系の劣化の程度を示す情報を取得してNOREFの値を演算する。
【0131】
センサボード基板(SBU:Sensor Processing Unit)13は、CCD10、信号処理回路22及びA/D変換器23を実装したボードであり、IPU84は、CPU35の制御により、ROM(フラッシュメモリ)81からシェーディング補正データ作成プログラムや白シェーディシグ補正プログラムを呼び出して、シェーディング補正テータ作成や白シェーディング補正の演算を行う。シェーディング補正データ作成時にはCPU35によりNOREFの値が設定される。
【0132】
図7は、白シェーディング補正処理の処理手順を説明するフローチャートである。図7に示すように、CPU35は、IPU84などを制御して次のような処理を行う。すなわち、一連の画像読取動作を開始したときは(ステップS1のY)、走査光学系の劣化の程度を示す情報を取得する(ステップS2)。これにより取得手段、取得工程、取得処理を実現している。すなわち、具体的には、実施の形態1のように信号処理回路22の増幅回路に設定する増幅率であってもよいし、実施の形態2のように白基準板12の読取画像データのばらつきであってもよいし、実施の形態3のようにハロゲンランプ4の点灯時間の総計値であってもよい、実施の形態4のように原稿2の読取枚数の総計値であってもよい。
【0133】
そして、ステップS2で取得した走査光学系の劣化の程度を示す情報に基づいて、例えば、前記(1)〜(4)のような演算を行って設定値NOREFを求め(ステップS3)、これから使用する設定値NOREFとして設定する(ステップS4)。これにより値設定手段、値設定工程、値設定処理を実現している。
【0134】
その後、シェーディング補正データを以下のようにして作成する。すなわち、実施の形態1の場合と同様に基準データ生成エリアの最終ラインまで画素ごとに重み付け平均又は単純平均などの平均化処理を行って、基準データとする(ステップS5)。これにより基準データ作成手段、基準データ作成工程、基準データ作成処理を実現している。
【0135】
次に、ステップS6で求めた基準データと、基準データ生成エリア以後の各ラインの画像データとに関し、前記(1)式に基づく比較演算を行って(ステップS6)、
シェーディング補正データ生成用データ<基準データ−NOREF ……(1)
の関係にある場合には(ステップS6のY)、基準データ生成エリア以後の各ラインの画像データを画素ごとに除外し(ステップS7)、その代わりに、その比較演算を行った基準データに置き換える(ステップS8)。ステップS6により比較手段、比較工程、比較処理を、ステップS7により除外手段、除外工程、除外処理を実現している。そして、この置き換え後の基準データ生成エリア以後の各ラインの画像データについて重加算平均を求める。(ステップS9)。これによりシェーディング補正データ作成手段、シェーディング補正データ作成工程、シェーディング補正データ作成処理を実現している。
【0136】
このようにして、シェーディング補正データ生成エリアの最終ラインまで重加算平均を求めたときは(ステップS10のY)、最終的に求められた重加算平均値をシェーディング補正データとして所定のRAMなどに記憶する(ステップS11)。
【0137】
そして、原稿2の読取を開始したときは(ステップS12のY)、このシェーディング補正データを用い、実施の形態1の場合と同様に、1ラインずつ原稿2の読取画像データに対して白シェーディング補正を行なう(ステップS13)。ステップS24により白シェーディング補正手段、白シェーディング補正工程、白シェーディング補正処理を実現している。原稿2の最終ラインまで白シェーディング補正が終了したときは(ステップS14のY)、一連の処理を終了する。
【0138】
この画像読取装置1によれば、実施の形態1〜4と同様に、白基準板12の読取画像データについて、先頭のmラインを統計化して作成した基準データと、その基準データ以後の画像データとに関して比較を行って、ゴミ、汚れ、傷等の影響を受けた画素を除外することができるので、白シェーディング補正データDshから充分にノイズを除去することができる。
【0139】
また、基準データと、その基準データ以後の画像データとに関して比較を行なう際には、予め基準データから所定の値NOREFを減算してから比較することで(ステップS6)、基準データを適切な値に調節し、精度のよいシェーディング補正データDshを的確に得ることができる。
【0140】
この場合に、走査光学系の劣化の程度を示す情報、すなわち、信号処理回路22の増幅回路に設定する増幅率、白基準板12の読取画像データのばらつき、ハロゲンランプ4の点灯時間の総計値、原稿2の読取枚数の総計値などに基づいて、ハロゲンランプ4の光量のばらつき、ミラー5,7,8のよごれなど、走査光学系の劣化の程度を判断して、走査光学系の劣化について考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0141】
なお、シェーディング補正データ作成プログラムは、ROM81に予め格納しておいてもよいし、製品出荷時には、白基準を読み取った複数ライン分のデータの平均値からシェーディング補正データを作成する従来のシェーディング補正データ作成プログラムをROM81に格納しておき、製品出荷後にサービスマンがCD−ROMなどの記憶媒体に格納されている、この実施の形態のシェーディングデータ作成プログラムをPC(Personal Computer)などのプログラムを読み取リ可能な外部機器で一旦読み出し、この読み出されたプログラムを、I/Oポート83を介してCPU35の制御によりROM81にダウンロードするようにしてもよい。
【0142】
[発明の実施の形態6]
別の実施の形態を発明の実施の形態6として説明する。
【0143】
図8は、実施の形態6であるデジタル複写機51の概略構成を示すブロック図である。図8に示すように、このデジタル複写機51は、この発明の画像形成装置を実施するもので、画像読取装置1と、プリンタエンジン52と、デジタル複写機51の全体を制御するマイコンなどからなる制御部53とを備えている。
【0144】
画像読取装置1の構成は、実施の形態1〜5の何れかと同様であるため、以下では実施の形態1〜5と同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0145】
プリンタエンジン52は、用紙などの記録媒体上に画像形成を行なうものであり、その印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、周知の各種方式を用いることができる。
【0146】
制御部53は、画像読取装置1及びプリンタエンジン52を制御して、画像読取装置1で原稿2を読取り、この読取った画像データに基づいてプリンタエンジン52で画像形成を行なう。
【0147】
したがって、このデジタル複写機51によれば、画像データの白シェーディング補正について、実施の形態1〜5と同様の作用、効果を奏することができる。
【0148】
[発明の実施の形態7]
別の実施の形態を発明の実施の形態7として説明する。
【0149】
図9は、実施の形態7である印刷システム61の概略構成を示すブロック図である。図9に示すように、この印刷システム61は、この発明の画像形成装置を実施するもので、画像読取装置1と、与えられたプログラムに基づいて各種の情報処理が可能なPC(Personal Computer)などの情報処理装置62と、プリンタ63とを備え、画像読取装置1及びプリンタ63は、所定のインターフェイスを介して情報処理装置62に接続されている。
【0150】
画像読取装置1の構成は、実施の形態1〜5の何れかと同様であるため、以下では実施の形態1〜5と同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0151】
プリンタ63は、用紙などの記録媒体上に画像形成を行なうものであり、その印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、周知の各種方式を用いることができる。
【0152】
情報処理装置62には、画像読取装置1及びプリンタ63を駆動するドライバソフトが記憶されていて、情報処理装置62の操作により、ドライバソフトに基づいて画像読取装置1及びプリンタ63を制御して、画像読取装置1で原稿2を読取り、この読取った画像データに基づいてプリンタエンジン52で画像形成を行なうことが可能である。
【0153】
したがって、この印刷システム61によれば、画像データの白シェーディング補正について、実施の形態1〜5と同様の作用、効果を奏することができる。
【0154】
【発明の効果】
本発明は、白基準の先頭の複数ラインを統計化して作成した基準データと、基準データ以後の画像データとに関して比較を行って、ゴミ、汚れ、傷等の影響を受けた画素を除外することができるので、白シェーディング補正データから充分にノイズを除去することができる。また、白基準を読み取る光学系の劣化の程度に応じて予め設定された値の大きさを可変するので、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0155】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、副走査方向における基準データ以後の白基準の読取画像データから予め設定された値を減算することで、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0156】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、白基準の先頭の複数ラインを平均化して作成した基準データを用い、充分にノイズを除去した白シェーディング補正データを作成することができる。
【0157】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、信号処理回路に設定される増幅率から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0158】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、白基準を読取った画像データの値のばらつきから光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0159】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、ばらつきの最大値のみを検出することで、簡易な回路構成で、容易にばらつきを検出することができる。
【0160】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、白基準を読取った画像データについて複数の画素の標準偏差から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0161】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、光源の点灯時間の総計から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0162】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成装置において、読取画像の枚数から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0163】
また本発明は、前記の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0164】
また本発明は、前記の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0165】
また本発明は、前記の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0166】
また本発明は、白基準の先頭の複数ラインを統計化して作成した基準データと、基準データ以後の画像データとに関して比較を行って、ゴミ、汚れ、傷等の影響を受けた画素を除外することができるので、白シェーディング補正データから充分にノイズを除去することができる。また、白基準を読み取る光学系の劣化の程度に応じて予め設定された値の大きさを可変するので、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0167】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、副走査方向における基準データ以後の白基準の読取画像データから予め設定された値を減算することで、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0168】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、白基準の先頭の複数ラインを平均化して作成した基準データを用い、充分にノイズを除去した白シェーディング補正データを作成することができる。
【0169】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、信号処理回路に設定される増幅率から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0170】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、白基準を読取った画像データの値のばらつきから光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0171】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、ばらつきの最大値のみを検出することで、簡易な回路構成で、容易にばらつきを検出することができる。
【0172】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、白基準を読取った画像データについて複数の画素の標準偏差から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0173】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、光源の点灯時間の総計から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0174】
また本発明は、前記のシェーディング補正データ作成方法において、読取画像の枚数から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0175】
また本発明は、白基準の先頭の複数ラインを統計化して作成した基準データと、基準データ以後の画像データとに関して比較を行って、ゴミ、汚れ、傷等の影響を受けた画素を除外することができるので、白シェーディング補正データから充分にノイズを除去することができる。また、白基準を読み取る光学系の劣化の程度に応じて予め設定された値の大きさを可変するので、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0176】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、副走査方向における基準データ以後の白基準の読取画像データから予め設定された値を減算することで、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0177】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、白基準の先頭の複数ラインを平均化して作成した基準データを用い、充分にノイズを除去した白シェーディング補正データを作成することができる。
【0178】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、信号処理回路に設定される増幅率から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0179】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、白基準を読取った画像データの値のばらつきから光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0180】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、ばらつきの最大値のみを検出することで、簡易な回路構成で、容易にばらつきを検出することができる。
【0181】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、白基準を読取った画像データについて複数の画素の標準偏差から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0182】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、光源の点灯時間の総計から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0183】
また本発明は、前記のプログラムにおいて、読取画像の枚数から光学系の劣化の程度を判断して、光学系の劣化についても考慮した精度の高いシェーディング補正データを作成することができる。
【0184】
また本発明は、前記の発明と同様の作用、効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1である画像読取装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】前記画像形成装置による画像読取動作で用いるゲート信号を説明するタイミングチャートである。
【図3】前記画像形成装置の白シェーディング補正装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】発明の実施の形態2である画像読取装置の白シェーディング補正装置の回路構成を示すブロック図である。
【図5】発明の実施の形態3である画像読取装置の白シェーディング補正装置の回路構成を示すブロック図である。
【図6】発明の実施の形態4である画像読取装置の白シェーディング補正装置の回路構成を示すブロック図である。
【図7】発明の実施の形態5である画像読取装置の白シェーディング補正装置の回路構成を示すフローチャートである。
【図8】発明の実施の形態6であるデジタル複写機の全体構成を示す説明図である。
【図9】発明の実施の形態7である印刷システムの全体構成を示す説明図である。
【図10】発明の実施の形態5である画像読取装置の制御系の電気的な接続を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 画像読取装置
2 原稿
10 光電変換素子
12 白基準
21 白シェーディング補正装置
35 シェーディング補正データ作成装置
51 画像形成装置
61 画像形成装置
Claims (28)
- 白基準を読み取った画像データから白シェーディング補正に用いるシェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成装置において、
前記画像データの副走査方向の先頭における複数ライン分の画像データに統計化処理を施して基準データを作成する基準データ作成手段と、
前記画像データを読み取る光学系の劣化の程度を示す情報を取得する取得手段と、
この劣化の程度に応じた大きさの値を予め設定する値設定手段と、
副走査方向における前記複数ライン以後の分の画像データであって前記基準データ以後の画像データと、前記基準データから予め設定された前記値を画素毎に減算した調整後の基準データと、を画素毎に比較する比較手段と、
この比較演算により前記基準データ以後の画像データの画素値の方が小さいときは当該基準データ以後の画像データの画素値を除外し、除外された画素値に対応する基準データの画素値に置き換える除外手段と、
この除外後の前記基準データ以後の画像データを対象として前記シェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成手段と、
を備えていることを特徴とするシェーディング補正データ作成装置。 - 前記基準データ作成手段は、前記統計化処理として平均化処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載のシェーディング補正データ作成装置。
- 前記取得手段は、前記白基準を読み取る光電変換素子が出力するアナログ画像データに所定の信号処理を施す信号処理回路の増幅率を前記アナログ画像データの前記劣化による信号レベルの低下を抑制するように設定する増幅率設定手段から前記増幅率の設定値の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする請求項1又は2に記載のシェーディング補正データ作成装置。
- 前記取得手段は、前記画像データの値のばらつきを検出して前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする請求項1又は2に記載のシェーディング補正データ作成装置。
- 前記取得手段は、前記画像データのばらつきの最大値を検出することを特徴とする請求項4に記載のシェーディング補正データ作成装置。
- 前記取得手段は、複数の画素から標準偏差を演算して前記ばらつきを検出することを特徴とする請求項4又は5に記載のシェーディング補正データ作成装置。
- 前記取得手段は、前記劣化の程度を示す情報として前記光学系の光源の点灯時間の総計を示す情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載のシェーディング補正データ作成装置。
- 前記取得手段は、前記白基準を読み取る光電変換素子による読取画像の枚数の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする請求項1又は2に記載のシェーディング補正データ作成装置。
- 請求項1〜8の何れかの一に記載のシェーディング補正データ作成装置と、
このシェーディング補正データ作成装置で作成された前記シェーディング補正データにより原稿の読取画像の画像データに対して白シェーディング補正を行なう白シェーディング補正手段と、
を備えていることを特徴とする白シェーディング補正装置。 - 原稿の画像を読取る光電変換素子と、
この読取画像の画像データに対して白シェーディング補正を行なう請求項9に記載の白シェーディング補正装置と、を備えていることを特徴とする画像読取装置。 - 原稿の画像を読み取る請求項10に記載の画像読取装置を備え、
この読み取った原稿の画像に基づいて記録媒体上に画像形成を行なうことを特徴とする画像形成装置。 - 白基準を読み取った画像データから白シェーディング補正に用いるシェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成方法において、
前記画像データの副走査方向の先頭における複数ライン分の画像データに統計化処理を施して基準データを作成する基準データ作成工程と、
前記画像データを読み取る光学系の劣化の程度を示す情報を取得する取得工程と、
この劣化の程度に応じた大きさの値を予め設定する値設定工程と、
副走査方向における前記複数ライン以後の分の画像データであって前記基準データ以後の画像データと、前記基準データから予め設定された前記値を画素毎に減算した調整後の基準データと、を画素毎に比較する比較工程と、
この比較演算により前記基準データ以後の画像データの画素値の方が小さいときは当該基準データ以後の画像データの画素値を除外し、除外された画素値に対応する基準データの画素値に置き換える除外工程と、
この除外後の前記基準データ以後の画像データを対象として前記シェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成工程と、
を含んでなることを特徴とするシェーディング補正データ作成方法。 - 前記基準データ作成工程は、前記統計化処理として平均化処理を行なうことを特徴とする請求項12に記載のシェーディング補正データ作成方法。
- 前記取得工程は、前記白基準を読み取る光電変換素子が出力するアナログ画像データに所定の信号処理を施す信号処理回路の増幅率を前記アナログ画像データの前記劣化による信号レベルの低下を抑制するように設定する増幅率設定手段から前記増幅率の設定値の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする請求項12又は13に記載のシェーディング補正データ作成方法。
- 前記取得工程は、前記画像データの値のばらつきを検出して前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする請求項12又は13に記載のシェーディング補正データ作成方法。
- 前記取得工程は、前記画像データのばらつきの最大値を検出することを特徴とする請求項15に記載のシェーディング補正データ作成方法。
- 前記取得工程は、複数の画素から標準偏差を演算して前記ばらつきを検出することを特徴とする請求項15又は16に記載のシェーディング補正データ作成方法。
- 前記取得工程は、前記劣化の程度を示す情報として前記光源の点灯時間の総計を示す情報を取得することを特徴とする請求項12又は13に記載のシェーディング補正データ作成方法。
- 前記取得工程は、前記白基準を読み取る光電変換素子による読取画像の枚数の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする請求項12又は13に記載のシェーディング補正データ作成方法。
- 白基準を読み取った画像データから白シェーディング補正に用いるシェーディング補正データを作成する処理をコンピュータに実行させるコンピュータに読取り可能なプログラムにおいて、
前記画像データの副走査方向の先頭における複数ライン分の画像データに統計化処理を施して基準データを作成する基準データ作成処理と、
前記画像データを読み取る光学系の劣化の程度を示す情報を取得する取得処理と、
この劣化の程度に応じた大きさの値を予め設定する値設定処理と、
副走査方向における前記複数ライン以後の分の画像データであって前記基準データ以後の画像データと、前記基準データから予め設定された前記値を画素毎に減算した調整後の基準データと、を画素毎に比較する比較処理と、
この比較演算により前記基準データ以後の画像データの画素値の方が小さいときは当該基準データ以後の画像データの画素値を除外し、除外された画素値に対応する基準データの画素値に置き換える除外処理と、
この除外後の前記基準データ以後の画像データを対象として前記シェーディング補正データを作成するシェーディング補正データ作成処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 前記基準データ作成処理は、前記統計化処理として平均化処理を行なうことを特徴とする請求項20に記載のプログラム。
- 前記取得処理は、前記白基準を読み取る光電変換素子が出力するアナログ画像データに所定の信号処理を施す信号処理回路の増幅率を前記アナログ画像データの前記劣化による信号レベルの低下を抑制するように設定する増幅率設定手段から前記増幅率の設定値の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする請求項20又は21に記載のプログラム。
- 前記取得処理は、前記画像データの値のばらつきを検出して前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする請求項20又は21に記載のプログラム。
- 前記取得処理は、前記画像データのばらつきの最大値を検出することを特徴とする請求項23に記載のプログラム。
- 前記取得処理は、複数の画素から標準偏差を演算して前記ばらつきを検出することを特徴とする請求項23又は24に記載のプログラム。
- 前記取得処理は、前記劣化の程度を示す情報として前記光源の点灯時間の総計を示す情報を取得することを特徴とする請求項20又は21に記載のプログラム。
- 前記取得処理は、前記白基準を読み取る光電変換素子による読取画像の枚数の情報を前記光学系の劣化の程度を示す情報として取得することを特徴とする請求項20又は21に記載のプログラム。
- 請求項20〜27の何れかの一に記載のプログラムを記憶している記憶媒体。
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