JP2007207638A - ノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁体層と導体との密着力の経時的な上昇がなく、導体と絶縁体層間の剥離性の経時低下を引きおこさないノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線を提供する。
【解決手段】絶縁体が内層、及び該内層の外周を覆う外層の少なくとも2層構造を有する難燃性絶縁電線において、内層が、エチレンのホモポリマーまたはエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とするシラン架橋樹脂組成物により構成され、外層が、エチレンと極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とし、金属水酸化物が含有されてなるシラン架橋難燃樹脂組成物により構成されていることを特徴とするノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノンハロゲン系の難燃性被覆材で絶縁された電線であって、シラン架橋が施されたノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線に関する。
ワイヤーハーネスなどに用いられる絶縁電線、ケーブルとして、従来は、銅や銅合金などからなる導体の周囲をポリ塩化ビニル(PVC)樹脂で絶縁被覆したPVC被覆電線が、難燃性、電気的特性、機械的特性、柔軟性、加工性などの各種特性に優れることから幅広く用いられていた。しかし、PVC樹脂の被覆はハロゲン元素を含むため、電線の焼却廃棄処分時や火災時に環境汚染の原因になるハロゲン系ガスを大気中に放出する。そこで近年では、地球環境の保護の観点から、PVC被覆電線に変えてノンハロゲン系の被覆材で絶縁された電線(ノンハロゲン電線)が提案され実用化されている。
このノンハロゲン系の被覆材(絶縁被覆)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体などのポリオレフィン系樹脂に、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物を配合したものが知られている。
このようなノンハロゲン系難燃樹脂組成物を適用した絶縁電線において、耐熱性を高めるために、シラン架橋や電子線架橋が行われている。中でも、シラン架橋は大規模な架橋設備が不要であり、操作も簡便である利点がある。
シラン架橋は、例えば、ポリオレフィン樹脂に、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシランを配合し、さらにジクミルパーオキサイドなどのラジカル発生剤、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、酸化防止剤などを配合した樹脂組成物を作製し、該樹脂組成物と有機錫化合物などの架橋触媒を含有するマスターバッチを、溶融押出機に投入して導体上に被覆し、得られた被覆導体線を、温水などの水分と接触させる方法により行うことができ、その一例が、特開2001−31831号公報(特許文献1)や特開2005−2245号公報(特許文献2)に提案されている。
しかし、前記のようなシラン架橋樹脂組成物を用いて形成された絶縁体層は、経時的に、導体との密着力が上昇して、導体と絶縁体層(被覆物)との間の剥離性が大幅に低下する。その結果、結線作業などの際に必要な、絶縁体層の剥離を伴う端末加工が困難になる問題があった。
特開2001−31831号公報 特開2005− 2245号公報
本発明は、絶縁体層と導体との密着力の経時的な上昇がない、すなわち、導体と絶縁体層間の剥離性の経時低下を引きおこさないノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線を提供することを課題とする。
本発明者は、検討の結果、エチレンのホモポリマーまたはエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とするシラン架橋樹脂組成物層を内層として導体上に被覆し、さらに、その外周に、エチレンと極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とするシラン架橋難燃樹脂組成物層を外層として被覆することにより、絶縁体と導体の経時的な密着力の上昇を防止でき、長期的に安定した端末加工性を確保できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、絶縁体が内層、及び該内層の外周を覆う外層の少なくとも2層構造を有する難燃性絶縁電線において、内層が、エチレンのホモポリマーまたはエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とするシラン架橋樹脂組成物により構成され、外層が、エチレンと極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とし、金属水酸化物が含有されてなるシラン架橋難燃樹脂組成物により構成されていることを特徴とするノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線(請求項1)を提供するものである。
内層の樹脂組成物におけるベース樹脂は、エチレンのホモポリマー、またはエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーである。エチレンのホモポリマーの一例として、高圧重合法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンが挙げられる。
また、非極性オレフィンとしては、プロペン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが例示される。エチレンと非極性オレフィンとのコポリマーは、これらを、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒で重合したものの何れでも良いが、分子量の尺度としてのメルトフローレート(以下、「MFR」と言う)は、0.5〜30g/10分(ASTM D−1238 に準拠する方法での測定値:以下のMFR値についても同様の方法による)のものが、押出加工性や強度の観点から好ましい。これらを単独で使用しても、2種類以上をブレンドして用いても良い。
内層を構成する樹脂組成物は、ベース樹脂であるエチレンのホモポリマーまたはエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーに、ラジカル発生剤、シラン化合物、シラン架橋触媒、酸化防止剤などを配合したものより得られる。
ラジカル発生剤は、例えば、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられる。
ラジカル発生剤の添加量は、ベース樹脂100重量部に対して(以下、添加量、配合量に関する記述は、全て、ベース樹脂100重量部に対する量である)0.02〜0.15重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.05〜0.1重量部である。0.02重量部未満では、十分なシラングラフト化反応が進行せず、また0.15重量部を超えると押出加工性が低下するとともに成形外観が悪くなるので好ましくない。
シラン化合物は、一般式RR’SiY(Rは、1価のオレフィン性不飽和炭化水素基。Yは、加水分解しうる有機基。R’は、脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基、あるいは、Yと同じもの。)で表される化合物が使用される。中でも、R’がYと同一で、一般式RSiY で表される有機不飽和シランが好ましく、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシランや、これらのオリゴマーを挙げることができる。
シラン化合物の添加量は、0.1〜3重量部が好ましく、より好ましくは、0.5〜1.5重量部である。0.1重量部未満では、十分なグラフト化が起こらず、また3重量部を超えると、成形不良を起こすとともに、ポリマーへのグラフト結合に与らない残留シラン量が増え、導体との密着力を短期で上昇させるので、好ましくない。
シラン架橋触媒は、有機錫系の架橋触媒を使用でき、その一例として、ジブチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエートなどが挙げられる。また、カプリル酸亜鉛、チタン酸テトラブチルエステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの有機金属化合物を使用してもよい。
シラン架橋触媒の添加量は、0.01〜0.1重量部が好ましく、より好ましくは、0.03〜0.07重量部である。0.01重量部未満では、十分な架橋反応が進まず、また0.1重量部を超えると、押出時に押出機内で局部的に架橋が進行し、外観を著しく悪化させることがあるので、好ましくない。
内層における有機シランのグラフト結合は、前記の、エチレンのホモポリマー、またはエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーに、遊離ラジカル発生剤とシラン化合物とを所定量添加し、押出機、加圧ニーダーなどを用いて、加熱、混練することにより行うことができる。
内層の形成は、前記のようにして、混合設備を用い予めグラフト結合を施したコンパウンドを調製した後に、該コンパウンドを押出加工して導体に被覆して行っても良い。また、押出加工時に、ポリマーに対して、遊離ラジカル発生剤と有機不飽和シランとを所定量添加した後に、押出機内で反応混合を行い、直接グラフトポリマーを導体上に被覆することもできる。このとき、予め、ラジカル発生剤、シラン化合物、シラン架橋触媒、酸化防止剤などを、室温で配合、分散させたものを調製しておき、この配合分散物をポリマーとともに溶融押出成形機のホッパーに投入して、内層を形成させる方法を採用することができる。
外層は、エチレンと極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とするノンハロゲン難燃シラン架橋樹脂組成物から構成される。外層のベース樹脂を構成するエチレンと極性オレフィンのコポリマーの具体例としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメチルアクリレート共重合体、エチレンメチルメタアクリレート共重合体、エチレンブチルアクリレート共重合体が挙げられ、MFRが0.1〜20g/10分のものが押出加工性や強度の点で好ましい。
ベース樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、エチレンのホモポリマーやエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーを一部ブレンドしてもよい。
外層を構成する樹脂組成物は、ベース樹脂であるエチレンと極性オレフィンとのコポリマーに、ラジカル発生剤、シラン化合物、シラン架橋触媒、金属水酸化物などを配合したものより得られる。
金属水酸化物は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、およびこれらを主成分とする複合型の難燃剤を用いることができる(請求項2)。脂肪酸、シランカップリングなどで表面処理された金属水酸化物(請求項3)が、樹脂組成物中における分散性などの観点より好ましい。金属水酸化物の配合量は、必要とする難燃性に基づき、適宜決定されるが、一般的には、30〜250重量部が好ましい。
また、外層の樹脂組成物には、上記の配合剤の他に、必要に応じて、メラミン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム系難燃剤、赤リン、シリコーン系難燃剤、錫酸亜鉛、硼酸亜鉛、炭酸亜鉛などの難燃剤を、適宜添加することも可能であり、さらに、その他、無機充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を配合してもよい。なお、ラジカル発生剤、シラン化合物、シラン架橋触媒としては、内層に使用したものと同じものが例示できる。
外層を構成する樹脂組成物の製造においては、ベース樹脂を含む数種類のバッチ混合物を、マスターバッチとして予め準備しておき、それを適宜組み合わせてドライブレンドし、押出機に投入する方法が、作業の利便性や、シラン架橋材料の品質保持の面から好ましい。具体的には、
(1)ベース樹脂に、ラジカル発生剤、シラン化合物、酸化防止剤などを配合したシラン架橋バッチ、
(2)ベース樹脂に、金属水酸化物などの難燃剤などを配合した難燃剤バッチ、
(3)ベース樹脂に、酸化防止剤、シラン架橋触媒などを配合した触媒バッチ、
の3種類のバッチ混合物を予め準備する。このとき、シラン架橋バッチとして、予めベース樹脂にシラン化合物をグラフト結合させたものをベース樹脂に替えて使用してもよい。
また、(1)シラン架橋バッチの組成に、難燃剤を加えて、(1−2)難燃シラン架橋バッチとして使用することも可能である。但し、この場合においては、難燃剤とシラン化合物との相互作用や、シラン化合物とベース樹脂とのグラフト効率などの問題があるので、予めベース樹脂にシラン化合物をグラフト結合させてから、難燃剤、酸化防止剤などを配合する方法が好ましい。この場合には、上記3種類のバッチ混合物に替えて、(1−2)難燃シラン架橋バッチと(3)触媒バッチとの2種類のバッチ混合物を、予め準備すればよいことになる。
(1)シラン架橋バッチの製造には、スーパーミキサーなどを用いて、ベース樹脂を加温、攪拌する作業中に、シラン化合物にラジカル発生剤を混合した混合液を投入、攪拌混合して、シラン化合物/ラジカル発生剤をベース樹脂に含浸させる方法が適用できる。このときの加温温度は、用いる樹脂の融点と、ラジカル発生剤の10時間半減期温度を参考に決定すればよいが、一般的には80℃程度が好ましい。
また、ベース樹脂に、予めグラフト結合させる場合は、前述の要領でシラン化合物/ラジカル発生剤を樹脂に含浸させておき、次いで、これを単軸押出混合機に投入し、押出機設定温度150〜190℃程度で押出、造粒すればよい。
(1−2)難燃シラン架橋バッチ、(2)難燃剤バッチや(3)触媒バッチは、オープンロールミキサー、加圧ニーダー、バンバリーなどの既知の混合設備を用いて、溶融混練して作製することができる。
前記の各マスターバッチを、所定の比率で秤量し、ドライブレンドした後、溶融押出機のホッパーに投入して、内層上に押出成形することにより、外層が形成される。
前記、内層および外層の形成のために行われる押出加工の条件は、一般的なポリエチレン系樹脂組成物の押出条件に倣い、押出機の温度設定を120〜200℃に設定し加工することができる。シラン化合物をポリマーにグラフト結合させる場合は、押出機のシリンダー設定温度を、160〜190℃に設定することが好ましい。内層および外層を形成するそれぞれの材料を、別の押出機に投入して押出成形を行う方法の他、単一のクロスヘッドを用いて同時に被覆する方法、異なる別々のクロスヘッドにより、内層を被覆した後に、外層をタンデムに被覆する方法など、いずれの方法も採用することができる。タンデムに被覆する場合は、外層を被覆する直前に、内層の表面を加熱するなどの処理を施すことにより、内層と外層との密着性を、より向上させることができる。
押出成形により製造した絶縁電線、ケーブルの架橋処理は、成形物を大気中に放置する、温水などの水中に浸漬する、水蒸気中に曝露するなどの方法によって行うことができる。
本発明は、絶縁体を、エチレンのホモポリマーまたはエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とするシラン架橋樹脂組成物からなる内層、及び、エチレンと極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とするノンハロゲン難燃シラン架橋難燃樹脂組成物からなる外層の2層構造としたので、被覆層と導体との間の経時的な密着力の上昇を防止でき、長期的に安定した端末加工性を確保することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を、実施例により、さらに詳しく説明する。なお、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り、他の形態への変更も可能である。
導体は、公称断面積5.0cm軟銅線(素線径:0.32mm、65本撚り)を用い、絶縁体被覆厚の設計値は、総厚(内層と外層の合計)で0.8mmとし、電線仕上がり外径が、約4.6mmとなるようにした。
[内層用樹脂組成物の作製]
表1の「配合剤」の欄記載の各配合剤を用い、同欄記載の処方の40倍濃縮溶液を室温で攪拌により混合分散させて配合剤溶液を得、この配合剤溶液を、表1に示すベース樹脂のそれぞれに、表1に記載の配合量となるよう樹脂に対し1/40希釈して投入して、配合処方(内層1)〜(内層6)で示す6種類の内層用樹脂組成物を得た。なお、配合量は全て重量部である(以下、同様)。
[外層用各マスターバッチの作製]
表2に示配合処方に基づき、シラン架橋バッチ、難燃バッチ、触媒バッチのそれぞれを作製した。
(シラン架橋バッチの作製)
予め配合剤の40倍濃縮混合液を作製した。ベース樹脂をスーパーミキサーにて加温し、攪拌中(回転数:60rpm、温度設定:80℃)に、前記混合液を滴下し攪拌分散させた。次いで、これを単軸押出混合機に投入し、押出機設定温度150〜190℃で押出、造粒して、配合処方(架橋1)〜(架橋2)で示す2種類のシラン架橋バッチのペレットを得た。
(難燃バッチの作製)
10リットルの加圧ニーダーを用いて、ベース樹脂に配合剤を混入し、開始温度140℃、練り上がり温度160℃で、10分間溶融混合した後、フィーダールーダーにより、配合処方(難燃1)〜(難燃2)で示す2種類の難燃バッチのペレットを得た。
(触媒バッチの作製)
10リットルの加圧ニーダーを用いて、ベース樹脂に配合剤を混入し、開始温度140℃、練り上がり温度160℃で、10分間溶融混合した後、フィーダールーダーにより、配合処方(触媒1)で示す触媒バッチのペレットを得た。
[外層用樹脂組成物の作製]
前記で得られたシラン架橋バッチ、難燃バッチおよび触媒バッチの中から表3で示す種類を選び、67/30/3の重量比で秤量し、ドライブレンドして外層用樹脂組成物を得た。
なお、表1および表2の配合処方において使用した各ベース樹脂を以下に列挙する。
(a)エチレン−ブテン共重合体:(商品名:DFDJ−7540、日本ユニカー製)チーグラー系触媒、密度920kg/m、MFR0.6g/10分
(b)エチレン−オクテン共重合体:(商品名:Engage8003、デュポンダウエラストマージャパン製)メタロセン系触媒、密度885kg/m、MFR1.0g/10分
(c)エチレン−ヘキセン共重合体:(商品名:エクセレンGMH CB0002、住友化学製)メタロセン系触媒、密度912kg/m、MFR0.5g/10分
(d)低密度ポリエチレン:(商品名:スミカセンC215、住友化学製)高圧重合法エチレンホモポリマー、密度920kg/m、MFR1.4g/10分
(e)エチレン−酢酸ビニル共重合体:(商品名:エバテートH1011、住友化学製)酢酸ビニル含量15重量%、MFR0.6g/10分
(f)エチレン−エチルアクリレート共重合体:(商品名:レクスパールA1150、日本ポリエチレン製)エチルアクリレート含量15重量%、MFR0.8g/10分
また、各配合剤としては、以下のものを使用した。
(g)金属水酸化物:水酸化マグネシウム
(1)ステアリン酸処理品:(商品名:マグニフィンH5C、アルベマール製)
(2)アミノシラン処理品:(商品名:マグニフィンH5IV、アルベマール製)
(h)酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤:(商品名:イルガノックス1035、チバ・スペシャリティーケミカルズ製)
(i)シラン化合物:ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM1003、信越化学工業(株)製)
(j)ラジカル発生剤:ジクミルパーオキサイド(商品名:パークミルD、日本油脂(株)製)
(k)シラン架橋触媒:ジブチル錫ジラウレート(商品名:STANN BL、三共有機合成(株)製)
Figure 2007207638
Figure 2007207638
[絶縁電線の製造]
前記の内層1〜6から表3に示すように選んだ内層用樹脂組成物、並びに、シラン架橋バッチ1〜2、難燃バッチ1〜2、および触媒バッチ1を、表3に示すように選んで組み合わせた外層用樹脂組成物を、それぞれ2台の溶融押出機(50mmφ、L/D=24)ホッパーに投入し、導体上に内層、外層を、所定の厚み比率で、順次押出形成した。なお、押出機の温度設定は150〜190℃とし、押出線速は10m/分とした。押出後、60℃の温水に12時間浸漬して、表3に示す実施例1〜実施例5、並びに比較例1〜3のノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線を得た。
得られた各ノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線を用いて、以下の項目につき、測定、評価を行った。測定方法、並びに評価の基準を以下に示す。
(1)引張強さ・破断伸び
JIS C3005(ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法)に準拠して、得られた絶縁電線サンプルより導体を除去した管状試験片を、引張試験機を用いて引張速度200mm/分で引っ張り、その最大引張強さと破断時の伸びを測定した。引張強さ:10MPa以上、破断伸び:200%以上を合格とした。
(2)加熱変形
JIS C3005に準拠して、電線による加熱変形試験を実施した。加熱温度条件は120℃とし、30分間の予熱の後、10Nの荷重をかけ、30分間放置した後、そのままの状態で絶縁体厚さを測定し、加熱後の厚さと加熱前の厚さから、減少率を次式により算出し、減少率40%以下を合格とした。
Figure 2007207638
(3)難燃性
JIS C3005に準拠して、電線の60度傾斜燃焼試験により評価した。長さ約300mmの電線サンプルを、水平に対し約60度傾斜させて支持し、還元炎の先端をサンプルの下端から約20mmの位置に、30秒以内で燃焼するまで当て、炎を静かに取り去った後、60秒以内に自然に消火する場合を○と判定した。
(4)導体引抜試験
電線サンプルを、85℃の恒温槽中で600時間放置した後、引張試験機を用いて導体の引抜力を測定した。85℃加熱前の導体引抜力との差異が、±1.5kg以下の場合を、被覆剥離性について、○とした。
なお、導体引抜試験は以下の通り実施した。
<電線サンプルの調製>
電線を、150mmの長さで切り取り、一方の端部より50mm長の絶縁体を残し、他端の100mmの絶縁体を除去する。
<導体引抜試験>
電線サンプルを、85℃の恒温槽中で規定時間加熱して、さらに室温で4時間以上放置した後、図1に示すように、絶縁体を除去した導体部を、「引張治具A」(アルミ板などの適当な硬度のある金属板であって、その中央に直径=(試験用電線サンプルの導体径)+1.0mmの穴が空いている)の穴にセットし、さらに「引張治具A」を、図2に示すように「引張治具B」に装着する。これを室温下において、引張試験機を用いて、引張速度50mm/分で、図2に示すように引張荷重をかける。絶縁体50mmが導体から抜けきる迄の最大荷重を測定し、導体引抜力とした。
(5)押出外観
押出被覆したサンプルの絶縁体表面を観察し、平滑な場合は○、凹凸など外観に不具合が認められる場合を×とした。
各試験の測定結果を、表3に併せて示す。実施例1〜5においては、引張強さ、伸び、加熱変形性、難燃性は、JIS C3005における架橋ポリエチレン電線の規格を満足しており、また、導体引抜力も、85℃×600時間加熱処理前後で差が僅かで、被覆の剥離性は良好であった。さらに、電線の押出外観も良好であった。
一方、内層にエチレンのホモポリマーまたはエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とするシラン架橋樹脂組成物を用いていない比較例1〜3においては、電線としての一般特性は良好だが、85℃×600時間後の導体引抜力は、30kgf以上となり、剥離性が不十分であることが示された。
Figure 2007207638
導体引抜試験に使用した引張治具Aの模式断面図である。 導体引抜試験に使用した引張治具Bの模式断面図である。

Claims (3)

  1. 絶縁体が内層、及び該内層の外周を覆う外層の少なくとも2層構造を有する難燃性絶縁電線において、
    内層が、エチレンのホモポリマーまたはエチレンと非極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とするシラン架橋樹脂組成物により構成され、
    外層が、エチレンと極性オレフィンとのコポリマーをベース樹脂とし、金属水酸化物が含有されてなるシラン架橋難燃樹脂組成物により構成されている
    ことを特徴とするノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線。
  2. 前記金属水酸化物が、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線。
  3. 前記金属水酸化物が、表面処理された金属水酸化物であることを特徴とする請求項2に記載のノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線。
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