JP2007207552A - 金属蒸気放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保護管11に対して保護管11軸方向であって保護管11の底に向けて重力、慣性力をはじめとする力が作用したとき、口金40に保護管11を係止させるので、保護管11に対して保護管11の長手方向であって保護管11の底に向けて重力、慣性力をはじめとする力が作用したときに、保護管11と口金40とを接合する耐熱性接着剤がユーザーの使用状況いかんによって完全に脱落していたとしても、保護管11が容易に脱落することを抑制できるので、単に保護管を耐熱性接着剤で口金に接合させた場合に比べて安全性を向上させることができ、また、照明装置側に安全性確保のための保護壁を設ける必要がなくなるので、照明装置の大型化を抑制できる。
【選択図】図1
Description
第1の従来のメタルハライドランプは、屋内用途を想定した小型化の要請に応えるべく、図11に示すように、硬質ガラス製の外管111と、この外管111の内部に配置された発光管130と、これら外管111と発光管130との間に位置し、かつ発光管130を囲繞する石英ガラス製のスリーブ120とを備えている(特許文献1を参照)。
本発明にかかる金属蒸気放電ランプでは、単に保護管が耐熱性接着剤で口金に接合された場合に比べて、上記保護管が脱落し難いので、発光管破損および有害紫外線照射に対する安全性が確実となって好ましい。
上記口金が上記保護管を係止するように、上記口金に係止部を、上記保護管に被係止部を備えさせた構成を採用すれば、上記保護管に対して重力、慣性力をはじめとする力が作用しても、上記保護管が容易に脱落することを抑制でき、よって、単に上記保護管を接着剤で上記口金に接合させた場合に比べて保護管脱落に対する安全性を向上させることができる。
上記気密管の一端がピンチシールされており、ピンチシールされた端部が上記口金の接合部に挿入され、上記接合部が上記保護管の開口部に挿入され、当該接合部に上記係止部が設けられている場合、気密管と口金との接合手段および保護管を係止する手段とを接合部に集約することができる。したがって、口金をかしめることによって保護管を口金に接合し、かつ保護管開口部近傍にステムが設けられた場合に比べて、当該放電ランプでは、保護管の軸方向長さを短縮でき、すなわち金属蒸気放電ランプの軸方向長さを短縮できるので、金属蒸気放電ランプの大型化を抑制することができる。
上記被係止部として上記保護管の内周面において保護管の径方向に凸部を設け、上記係止部として上記接合部において保護管の内周面と対向する面に上記凸部を係止する凹部を設けた場合、あるいは、上記被係止部として上記接合部の外周面と対向する面に凹部を設け、上記係止部として上記接合部の外周面において接合部の径方向に上記凹部を係止する凸部を設けた場合、上記保護管を上記口金に係止させることが容易に実現できる。
上記各金属蒸気放電ランプを屋内用照明装置に装着すれば、金属蒸気放電ランプに保護管が設けられているため、保護管が設けられていない金属蒸気放電ランプに比べて、照明装置側に発光管破損に対する安全性確保のための保護壁を設ける必要がなくなり、照明装置の大型化を抑制し、また軽量化を図ることができ、好ましい。
<放電ランプ10の構成>
図1は、実施の形態1におけるメタルハライドランプ(例えば、消費電力70[W])の概略図であり、保護管および気密管の一部のみ断面で示している。
図1に示すように、実施の形態1におけるメタルハライドランプ10は、一端が閉塞し、かつ他端が開口している略円筒状(一端部を除く)の保護管11と、この保護管11に収納された気密管20と、当該気密管20に収納され、金属ハロゲン化物が封入された発光管30と、保護管11他端の開口部を閉栓する口金40とを備えており、保護管11と口金40との間において保護管11の脱落を防止する構造が設けられている。保護管11の詳細な構造については後述する。
発光管30は、その外囲器が透光性セラミック、例えば多結晶アルミナからなり、内部に一対の電極(図示せず)を有し、放電空間を形成している発光部31と、この発光部31の両端部から延出し、当該発光部31よりも径の小さい細管部32a,32bとを有している。発光管30の内部には、発光物質として例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化タリウム、ヨウ化インジウムなどの金属ハロゲン化物、緩衝ガスとしての水銀、始動補助用ガスとして例えばアルゴンガス等の希ガスがそれぞれ所定量封入されている。また、発光管30の内部には、当該電極に接続された給電体22a,22bが、細管部32a,32bの他端から導出された状態で、シール材によって細管部32a,32bの他端部で封着されている。なお、給電体22a,22bの他端は、口金40を介して周知の手段によってメタルハライドランプの外部と電気的に接続可能な電力供給線23a,23bと接続されている。
<保護管11の構成>
図2(a)は、本実施の形態における保護管11の概略斜視図であり、(b)は、その保護管11を開口部12側から見た概略構成図である。
図2(b)に示すように、保護管11の開口部12の端部において、保護管11の内周面からその保護管11の長手方向の中心軸に向けて突出した凸部(被係止部)13が2つ設けられている。これら凸部13は、先端同士が互いに対向している。また、凸部13は、例えば、保護管11内周面からの高さD1が1.0[mm]、保護管11軸方向に沿って開口縁から保護管11の内方に向けて長さH1が2.0[mm]、保護管11略円周方向に幅Wが2.5[mm]となるように形成されている。
本実施の形態では、保護管11の開口縁をその外周から保護管11軸に向けて窪ませることによって、凸部13を設けている。
<口金40の構成>
図3(a)は、口金40の概略構成図であり、同図(b)は、A断面矢視図であり、同図(c)は、B断面矢視図である。図3(a)に示すように、口金40は、端子部42、フランジ部43を備えており、フランジ部43の主面に外形が略円柱状の接合部41を備えている。接合部41は、碍子としての機能を有する物質、例えば、ステアタイトセラミックなどで作製され、その長手方向の中心軸がフランジ部43主面の円心を通っている。接合部41では、気密管20のピンチシール部21を支持するために、接合部41の長手方向の中心軸を含み、かつその中心軸方向に外周面とともに切り込まれたようなスリット41aが設けられている。気密管20は、そのピンチシール部21がスリット41aに挿入され、耐熱性接着剤によって口金40に接合されて支持されることになる。
(凹部のバリエーション1)
以下、凹部の第1のバリエーションについて説明する。図3(a)に示すように、この凹部44は、接合部41の円周方向に設けられた溝状であって、上記スリット41aの主面と直交する方向から上記各分割部を見たときに分割部の外周曲面の円周方向における半分の位置で凸部13が接合部41の円周方向に回転する運動を止めることができる。つまり、この凹部44は、互いに向かい合う2つの側壁を有し、かつこれらの側壁の一端部が凸部13を挿入するために開口し、他端部が凸部13の上記回転運動を止めるための壁を有する。
なお、凸部13の上記回転運動を止めるための壁が設けられている位置は、既述の位置に限定されず、スリット41aの主面と直交する方向から上記各分割部を見たときに分割部の外周曲面の円周方向における半分の位置から当該円周方向のどちらにずれていてもよい。ただし、後述する脱落防止の効果を確実に発揮させるためには、当該壁は既述の位置に設けられていることが好ましく、さらに、当該壁が既述の位置から凸部13の上記進行方向にずれていれば、後述する脱落防止の効果をより確実に発揮させることができ、よりいっそう好ましい。
(凹部のバリエーション2およびバリエーション3)
図4(a)は、凹部の第2のバリエーションを示す概略構成図であり、同図(b)は、凹部の第3のバリエーションを示す概略構成図である。凹部の第2、第3のバリエーションと凹部の第1のバリエーションとの相違は、凹部の長手方向(接合部41の円周方向)における凹部の幅にあり、ランプ光が鉛直下向きに照射されるようにランプを固定した際、凹部44b、44cの側壁のうち、下側に位置する側壁(図4では、上側)は、バリエーション2ではその幅H2が凸部13を挿入するにしたがって拡がるように(図4(a)参照)、バリエーション3では幅H2が凸部13を挿入するにしたがって段階的に拡がるように(図4(b)参照)形成されている。例えば、凹部44b,44cにおいて凸部13を挿入する開口部での幅H2が4.0[mm]であり、その後、連続的に、あるいは段階的に幅H2が増加し、最終的には5.0[mm]とする。これにより、保護管11と口金40との接着剤による接合が劣化し、保護管11と口金40とが凸部13と凹部44b,44cとによる係止のみで脱落防止を維持している状態において、外部から振動などが加わっても、保護管11がその振動などによって回転し、口金40から外れて脱落するのを防止することができ、凹部のバリエーション2および3で示した凹部44b,44cの脱落防止効果が凹部のバリエーション1で示した凹部44に比べて向上する。
(凹部のバリエーション4およびバリエーション5)
図5(a)は、凹部の第4のバリエーションを示す概略構成図であり、同図(b)は、凹部の第5のバリエーションを示す概略構成図である。凹部のバリエーション4,5と凹部のバリエーション1,2,3との相違は、凹部の長手方向(接合部41の円周方向)における凹部の幅にあり、凹部のバリエーション4,5では、その幅H2は凸部13を挿入するにしたがって拡がるように、あるいは幅H2が凸部13を挿入するにしたがって段階的に拡がり、途中で最大幅をとって、その後連続的または段階的に狭まるように形成されている。例えば、凹部44d,44eにおいて凸部13を挿入する挿入口での幅H2が3.0[mm]であり、その後、連続的に、あるいは段階的に幅H2が増加し、最大で5.0[mm]とする。これにより、保護管11と口金40との接着剤による接合が劣化し、保護管11と口金40とが凸部13と凹部44d,44eとによる係止のみで脱落防止を維持している状態において、外部から振動などが加わっても、保護管11がその振動などによって回転し、口金40から外れて脱落するのを防止することができる。
(接合部の第1のバリエーション)
以下、接合部の第1のバリエーションについて説明する。図3(b),(c)に示すように、略円柱状の接合部41の外周面では、真円柱の周面を面取りすることによって現れる2つの平面が接合部41の長手方向の中心軸に沿ってかつ互いに平行となるよう設けられている。既述した凹部44,44b,44c,44d,44eは、当該2つの平面において接合部41の長手方向における中心軸の方向に平行な辺から周方向に溝状に形成されている。
(接合部の第2のバリエーション)
図6(a)は、接合部の第2のバリエーションを示した概略構成図であり、同図(b)は、A断面矢視図、同図(c)は、B断面矢視図である。接合部の第1のバリエーションにおいて図3で示した接合部41の外周面の構成に限定されず、図6に示すように、接合部71の軸方向に垂直な平面において外周線の曲率が一律でなくても良い。例えば、図6に示すように接合部41の長手方向における中心軸の方向に垂直な平面において外周線の形状が略楕円型でもよい。その根拠については後述する。なお、図6に示すD3,H3は、図3で示したD2,H2と同じ寸法である。
<保護間11、気密管20、口金40のはめあい関係について>
以下に、保護管11、気密管20、口金40のはめあい関係を説明する。図7,8は、本実施の形態におけるメタルハライドランプの要部組立工程図であり、図7(a)は、保護管11、気密管20、口金40の組み立て順を示す概略工程図、図7(b)は、保護管11の開口縁におけるC面矢視図、図7(c)は、気密管20のピンチシール部21のD断面矢視図であり、図8(a)は、保護管11の凸部13を口金40の接合部41の凹部44に嵌める手順を示した概略工程図、図8(b)は、E断面矢視図、図8(d)は、F断面矢視図である。
すると、図8(c),(d)に示すように、保護管11の凸部13が口金40の接合部41に設けられた凹部44に進入し、かつ、凹部44に係止される。この状態で、塗布された無機接着剤を焼成することにより保護管11の開口部12と口金40のフランジ部43とを接合する。
<その他>
なお、保護管11と口金40との間において凹凸関係が逆転していても良い。すなわち、保護管11に凹部が設けられ、口金40の接合部41に凸部が設けられていても良い。図9(a)は、保護管の他のバリエーションを示した概略構成図であり、同図(b)は、口金の接合部の第3のバリエーションを示した概略構成図である。例えば、図9(a)に示すように、保護管51に略L字状の切欠部54を設け、口金の接合部61外周面に凸部63を設けて、保護管51に対して保護管51の長手方向であって閉塞された保護管51の端部に向けて重力、慣性力をはじめとする力が作用したとき保護管51が口金60に係止されるようにしても良い。
凹部のバリエーション6(図10参照)に凹部のバリエーション2,3,4,5(図4,5参照)を組み合わせることも可能である。すなわち、第1の凹部84dと凹部44b,44c,44d,44eとを組み合わせてもよい。
また、保護管11の凸部13を係止する凹部44を、接合部41の外周面に設けることのできる限度において、保護管11の凸部13が保護管11の開口端よりもその内方に設けられていてもよい。例えば、接合部41において、その軸方向の中間で接合部41の外周面に上述した形態で凹部44を設け、接合部41の凹部44が凸部13を係止できるように、保護管11の内周面に凸部13を設けても良い。もちろん、保護管11の開口縁に凸部13が設けられた保護管11は、凸部13が開口縁よりもその内方に設けられた保護管11に比べて、凸部13の形成が容易である点で、優れていることはいうまでもない。
《実施の形態1における金属蒸気放電ランプの効果》
本実施の形態における金属蒸気放電ランプでは、口金40にフランジ部43が設けられており、保護管11が、発光管30を内包した気密管20を覆って、かつその開口縁でフランジ部43と無機接着剤により接合されているため、発光管30の破損および有害紫外線照射に対する安全性が確保されている。
なお、当該金属蒸気放電ランプでは、接着剤の接合機能が実用的に維持されている場合において、当該係止関係を構成していなくても、その接合機能が実用的に失われて脱落しようとするときに凸部13を係止することができ、いわば、二重の脱落防止機能を備えており、単に保護管を口金に無機接着剤で接合した放電ランプに比べて安全性が高い。
そして、当該金属蒸気放電ランプでは、上記構成を採用したことにより、当該金属蒸気放電ランプを装着予定の下面開放型照明装置に硬質ガラス製の前面ガラスを設ける必要が無くなるので、当該前面ガラスを固定する部材を省略することができ、照明装置の小型化・軽量化を推進することができる。
また、口金40の接合部41を、ステアタイトセラミックなどの粉体材料を用い、その成型手段に粉体加工を用いる場合、本実施の形態では、保護管11の凸部13を係止する接合部41の凹部44が略円柱状接合部41の外周面に形成されていることから、保護管の外周面と口金の内周面との間で係合関係を形成するランプに比べて、口金側の係止部である凹部44の成型が容易である。同様の理由から、口金側の係止部を凸部63に成型することも容易である。
11,51 保護管
12 開口部
13,63 凸部
20 気密管
21 ピンチシール部
22a,22b 給電体
23a,23b 電力供給線
30 発光管
31 発光部
32a,32b 細管部
40,60,70,80 口金
41,61,71,81 接合部
41a,71a スリット
42,72 端子部
43,73,83 フランジ部
44,44b,44c,44d,44e,
54,74,84d,84e 凹部
Claims (8)
- 発光管と、前記発光管が収納された気密管と、前記気密管の一端部に接着剤で接合された口金とを備えた金属蒸気放電ランプであって、
前記気密管は保護管に覆われており、前記保護管は前記口金に二重の脱落防止構造で取り付けられていることを特徴とする金属蒸気放電ランプ。 - 前記二重の脱落防止構造は、接着剤による接合と、係止部と被係止部とによる係止であることを特徴とする請求項1に記載の金属蒸気放電ランプ。
- 前記口金が前記保護管を係止するように、前記口金が係止部を、前記保護管が被係止部をそれぞれ備えていることを特徴とする請求項2に記載の金属蒸気放電ランプ。
- 前記気密管の一端はピンチシールされており、ピンチシールされた端部が前記口金の接合部に挿入され、前記接合部が前記保護管の開口部に挿入され、当該接合部に前記係止部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の金属蒸気放電ランプ。
- 前記接合部の外周面に前記係止部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の金属蒸気放電ランプ。
- 前記被係止部は、前記保護管の内周面において保護管径方向に設けられた凸部であって、前記係止部は、前記接合部において前記保護管の内周面と対向する面に設けられ、かつ前記凸部を係止する凹部である、あるいは、前記被係止部は、前記接合部の外周面と対向する面に設けられた凹部であって、前記係止部は、前記接合部の外周面において接合部径方向に設けられ、かつ前記凹部に係合する凸部であることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の金属蒸気放電ランプ。
- 前記口金は、回転されることによってこれに対応するソケットに取り付けられ、
前記凹部は、前記口金が回転される場合において前記凸部を係止することができることを特徴とする請求項6に記載の金属蒸気放電ランプ。 - 請求項1から7のいずれかに記載の金属蒸気放電ランプが装着された照明装置。
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