JP2007203848A - 車両用空調ダクトの嵌合構造 - Google Patents

Abstract

【課題】 嵌合爪が形成されている壁面の変形をなくして嵌合爪を爪受け部に確実かつ強固に嵌合保持できる車両用空調ダクトの嵌合構造を提供する。
【解決手段】 車両用空調ダクト１は、分割形成された一方のダクト２と他方のダクト３を一体に固定するダクトの嵌合構造を有している。一方のダクト２は他方のダクト３の端部に挿入して接続される略角形の嵌合部分４を有する。嵌合部分４の壁面には少なくとも１つの突出した嵌合爪９が設けられる。他方のダクト３の端部には嵌合爪９に対応した爪受け部１１が設けられる。嵌合爪９は一方のダクト２の開口部の周縁に沿って細長く形成されている。嵌合爪９が形成された壁面は外方へ湾曲した曲面に形成される。他方のダクト３の端部において、爪受け部１１が形成された壁面は外方へ湾曲した曲面７を有する。爪受け部１１が形成された壁の曲面７は嵌合爪９が形成された壁の曲面よりも小さい曲率に形成される。
【選択図】 図１

Description

本発明は、車両用空調ダクトの嵌合構造に関するもので、特に、分割成形された空調ダクトの接続部分またはエアコンユニットなどの車両用空調装置の吹き出し口と空調ダクトの嵌合構造であって、接続の際に嵌合爪と爪受け部が確実に嵌合され強固に固定されるものである。

車両に装備されるエアコンディショナー用の空調ダクトは、車両の天井裏などに配設されるが、この空調ダクトは角筒状で分割可能であって互いの接続のための係止爪と係止孔による嵌合構造を有する。そして、寸法誤差を吸収するためダクトの挿入方向に係止孔を長孔にして遊びを設けた構造などが知られている（特開２００２−３２１５１７公報参照）。
特開２００２−３２１５１７公報

前掲の特開２００２−３２１５１７公報に記載されている車両用空調ダクトにあっては、互いに挿入して接続する一方のダクト側面に長手方向に延びる係止孔を、かつ他方のダクトの側面に上記係止孔に係止させる係止爪を設けた構造であって、一方および他方のダクト壁面が平坦面であるため成形後の熱収縮および嵌合時の応力により内方へ変形しやすく、係止孔に対する係止爪の係止がはずれることがあり、また、係止孔がダクトの長手方向に延びているので、係止爪との係止位置関係がダクトの挿入部において定まらない場合が生じてしまう欠点があった。

そこで本発明は、このような問題点を解消しようとするものであって、一方のダクトの嵌合部分の壁面には少なくとも１つの突出した嵌合爪を、かつ他方のダクトの端部には前記嵌合爪に対応した爪受け部を設け、嵌合爪をダクトの開口部の周縁に沿って細長く形成するとともに、嵌合爪が形成された壁面を外方へ湾曲した曲面に形成して、一方のダクトの嵌合部分を他方のダクトの端部に挿入することにより、嵌合爪が形成されている壁面の変形をなくして嵌合爪を爪受け部に確実かつ強固に嵌合保持できる車両用空調ダクトの嵌合構造を提供するものである。

上記目的を達成するための本発明の請求項１に係る車両用空調ダクトの嵌合構造は、分割形成された一方のダクトと他方のダクトを一体に連結固定するダクトの嵌合構造であって、一方のダクトは他方のダクトの端部に挿入して接続される略角形の嵌合部分を有し、前記嵌合部分の壁面には少なくとも１つの突出した嵌合爪が設けられ、かつ他方のダクトの端部には前記嵌合爪に対応した爪受け部が設けられており、前記嵌合爪は一方のダクトの開口部の周縁に沿って細長く形成されているとともに、嵌合爪が形成された壁面は外方へ湾曲した曲面に形成され、一方のダクトの嵌合部分を他方のダクトの端部に挿入することにより、嵌合爪が爪受け部に嵌り込み固定されることを特徴とするものである。

また、請求項２に係る車両用空調ダクトの嵌合構造は、請求項１記載の構成において次のように構成されている。すなわち、他方のダクトの前記端部において、爪受け部が形成された壁面は外方へ湾曲した曲面を有しており、爪受け部が形成された壁の曲面は前記嵌合爪が形成された壁の曲面よりも小さい曲率に形成されていることを特徴とするものである。

本発明によれば、一方のダクトの嵌合部分の壁面には少なくとも１つの突出した嵌合爪を、かつ他方のダクトの端部には前記嵌合爪に対応した爪受け部を設け、嵌合爪をダクトの開口部の周縁に沿って細長く形成するとともに、嵌合爪が形成された壁面を外方へ湾曲した曲面に形成して、一方のダクトの嵌合部分を他方のダクトの端部に挿入することにより、嵌合爪が形成されている壁面の変形をなくして嵌合爪を爪受け部に確実かつ強固に嵌合保持できる車両用空調ダクトの嵌合構造を得ることができる。

図１は本発明の一実施の形態に係る車両用空調ダクトの一部を示す斜視図、図２は図１におけるＡ−Ａ断面図、図３は図１におけるＢ−Ｂ断面図である。

図１に示すように、１は車両用空調ダクトである。この車両用空調ダクト１は、分割形成された一方のダクト２および他方のダクト３からなり、一方のダクト２および他方のダクト３にはそれらを接続して一体に固定するダクトの嵌合部分４を備えているものである。一方のダクト２および他方のダクト３は略四角筒状であり、それぞれの一壁面５とその対向壁面６（図では上壁面および下壁面）はそれぞれ外方へ湾曲した曲面７、８となっている。一方のダクト２および他方のダクト３のその他の面（図では両側壁面）は平面状であり、四隅部は丸みをもたせた形状に形成されている。一方のダクト２および他方のダクト３は、ブロー成形によりそれぞれ形成されたものである。

一方のダクト２は他方のダクト３の端部に挿入して接続される嵌合部分４を有するが、嵌合部分４において外方へ湾曲した曲面７、８となっている一壁面５およびその対向壁面６には、１つの突出した嵌合爪９、１０がそれぞれ互いの位置をずらして設けられ、かつ他方のダクト３の端部には嵌合爪９、１０に対応した爪受け部１１、１２が設けられている。前記嵌合爪９、１０は一方のダクト２の開口部１３の周縁に沿って細長く形成されており、一方のダクト２の嵌合部分を他方のダクト３の端部に挿入することにより、嵌合爪９、１０が爪受け部１１、１２に嵌り込み固定される。

他方のダクト３の端部において爪受け部１１、１２が形成された一壁面５および対向壁面６は、前述のように外方へ湾曲した曲面７、８を有しているが、この爪受け部１１、１２が形成された一面壁５および対向壁面６の外方へ湾曲した曲面７、８は、嵌合爪１１、１２が形成された一方のダクト２の一壁面５およびその対向壁面６の曲面よりも小さい曲率に形成されている。１３はエア流路である。

以上のように構成された車両用空調ダクト１は、嵌合爪９、１０が形成された一壁面５およびその対向壁面６が外方に湾曲した曲面７、８を有しているので、これによって嵌合爪９、１０が形成された一壁面５または対向壁面６が内側に凹む（壁面の内倒れ現象）を防止し、嵌合爪９、１０が確実に爪受け部１１、１２に対して嵌合されることとなる。さらに、嵌合爪９、１０は一方のダクト２の開口部の周縁に沿って細長く形成されていることにより、これが一壁面５およびその対向壁面６の内倒れを防止するためのリブの役割を果たし、かつ嵌合爪９、１０が形成された一壁面５およびその対向壁面６が曲面形状となっていることと相まって爪受け部１１、１２に対して嵌合爪９、１０が弾性的に嵌り込み、爪受け部１１、１２に対して嵌合爪９、１０が強固に固定される。

また、嵌合爪９、１０が形成された一壁面５およびその対向壁面６と、爪受け部１１、１２が形成された一壁面５およびその対向壁面６の曲面の曲率を異なるようにすることで、さらに弾性的に嵌り込む作用を増すことができる。

なお、爪受け部１１、１２は嵌合爪９、１０よりやや大きく形成され、嵌合爪９、１０が確実に爪受け部１１、１２に嵌合するように設けることが好ましい。爪受け部１１、１２は嵌合爪９、１０に対応する凹溝とすることもできるが、一般に嵌合爪９、１０を有するダクトはブロー成形等により形成されるため、成形収縮などにより寸法のバラツキが生じることから嵌合爪９、１０の形状に沿った長孔とすることが好ましい。

本発明に係る車両用空調ダクト１は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらの樹脂に低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンランダム重合体を配合したポリオレフィン樹脂などブロー成形可能な樹脂で構成される。

本発明の一実施の形態に係る車両用空調ダクトの一部を示す斜視図である。 図１におけるＡ−Ａ断面図である。 図１におけるＢ−Ｂ断面図である。

符号の説明

１ 車両用空調ダクト
２ 一方のダクト
３ 他方のダクト
４ ダクトの嵌合部分
５ 一壁面
６ 対向壁面
７、８ 外方へ湾曲した曲面
９、１０ 嵌合爪
１１、１２ 爪受け部
１３ エア流路

Claims (2)

1. 分割形成された一方のダクトと他方のダクトを一体に連結固定するダクトの嵌合構造であって、
   一方のダクトは他方のダクトの端部に挿入して接続される略角形の嵌合部分を有し、
   前記嵌合部分の壁面には少なくとも１つの突出した嵌合爪が設けられ、
   かつ他方のダクトの端部には前記嵌合爪に対応した爪受け部が設けられており、
   前記嵌合爪は一方のダクトの開口部の周縁に沿って細長く形成されているとともに、
   嵌合爪が形成された壁面は外方へ湾曲した曲面に形成され、
   一方のダクトの嵌合部分を他方のダクトの端部に挿入することにより、嵌合爪が爪受け部に嵌り込み固定される
   ことを特徴とする車両用空調ダクトの嵌合構造。
2. 他方のダクトの前記端部において、爪受け部が形成された壁面は外方へ湾曲した曲面を有しており、
   爪受け部が形成された壁の曲面は前記嵌合爪が形成された壁の曲面よりも小さい曲率に形成されている
   ことを特徴とする請求項１記載の車両用空調ダクトの嵌合構造。

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