本発明に係る半導体装置の製造方法は、集積回路を形成するために行う露光工程に位相シフト露光法または、ホログラムマスク若しくは計算機合成ホログラムマスクを用いたホログラフィ露光法を用いている。なお以下の説明において、ホログラムマスクという場合には、計算機合成ホログラムマスクを含むものとする。ホログラムマスクは物体光と参照光との干渉縞を記録して作製されるものである。計算機合成ホログラムは物体光と参照光との干渉縞を計算機によって導き直接ホログラムマスクを作製するものである。露光工程は集積回路の配線やコンタクトホール等のパターンを形成するために、フォトレジスト塗布、露光、現像等を行う工程を含んでいる。
この半導体装置の製造方法としては、ゲート電極を形成する工程、ゲート電極上に絶縁層を形成する工程、絶縁層を貫通する開口部を形成する工程とを含んでいる。このとき、ゲート電極を形成する工程と絶縁層を貫通する開口部を形成する工程の一方または双方を、位相シフトマスクを用いた露光工程で行う。また、当該露光工程を、ホログラムマスクを用いたホログラフィ露光法を用いて行っても良い。また、一方を、位相シフトマスクを用いた露光法で行い、他方を、ホログラムマスクを用いたホログラフィ露光法で行っても良い。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法の態様として、半導体層上に絶縁層を介してゲート電極を形成する工程と、ゲート電極上に層間絶縁層を形成する工程と、層間絶縁層にコンタクトホールを形成する工程と、層間絶縁層上及びコンタクトホールに配線層を形成する工程とを含んでいる。このとき、ゲート電極を形成する工程とコンタクトホールを形成する工程の一方または双方は、位相シフトマスクを用いた露光工程で行う。また、当該露光工程を、ホログラムマスクを用いたホログラフィ露光法を用いて行っても良い。また、一方を、位相シフトマスクを用いた露光法で行い、他方を、ホログラムマスクを用いたホログラフィ露光法で行っても良い。
前記した半導体装置の製造方法において、配線層の上層に、第2の層間絶縁層を介して第2の配線層を形成する工程を有し、該第2の層間絶縁層にコンタクトホールを形成する工程を位相シフト露光法若しくはホログラフィ露光法を用いた露光工程で行っても良い。
位相シフトマスクを用いた露光工程は縮小露光装置(ステッパ)又は等倍露光装置(アライナー)で行うことで、ガラス基板等のように平坦性の劣る基板に対しても焦点深度を大きくとることができ、微細なマスクパターンを広い領域に短い時間で形成することができる。また、この位相シフトマスクを用いた露光工程は等倍以上の倍率で行っても良い。
なお、位相シフトマスクを用いた露光工程、またはホログラムマスクを用いた露光工程をゲート電極の形成やコンタクトホールの形成に用いることを示しているが、半導体層の形成、ドーピング領域を画定するマスクの形成、その他の露光工程に適用しても良い。半導体装置の製造工程に含まれる全ての露光工程に位相シフトマスクを用いた露光工程、またはホログラムマスクを用いた露光工程を適用しても良い。しかしながら、マスクコストやスループットを考慮すると、ゲート電極の形成、またはコンタクトホールの形成に、位相シフトマスクを用いた露光工程若しくはホログラムマスクを用いた露光工程を適用することが好ましい。
位相シフト露光法若しくはホログラフィ露光法を用いてゲート電極を形成するマスクパターンを形成することで、ゲート電極の微細化をすることができる。また、位相シフト露光法若しくはホログラフィ露光法を用いてコンタクトホールを形成するマスクパターンを形成することで、コンタクトホールの微細化をすることができる。それにより、トランジスタが周期的に配列されるようなメモリセルアレイのようなパターンの場合、隣接するゲート間隔(ゲートピッチ)を縮小することができる。
本発明によれば、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタで集積回路が形成された半導体装置を得ることができる。この半導体装置は、微細化を図るために、高解像度露光技術として、位相シフト露光法やホログラフィ露光法によって、配線及びコンタクトホールをはじめ各種のパターンが形成された集積回路を有している。すなわち、ガラス基板上の絶縁層に狭いコンタクトホールを開口し、狭いゲートピッチで薄膜トランジスタを配列させた集積回路を有する半導体装置である。
本発明によれば、このような半導体装置として、無線信号を受信するアンテナに接続する高周波回路部と、受信した命令やデータなどの情報を処理するロジック回路部と、外部から送信されたデータ若しくは個体認証データを記憶するメモリ部とを備えた半導体装置を得ることができる。
本発明において半導体装置とは、半導体特性を利用して機能する装置全般を指している。具体的には、マイクロプロセッサ、画像処理プロセッサ等の機能デバイス、メモリ等の記憶デバイス及びそれらを使用する電子機器全般が含まれる。また、液晶の電気光学特性を利用した表示装置、エレクトロルミネセンス等の発光特性を利用した表示装置の製造工程にも適用することができる。
以下、本発明の実施の態様について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細をさまざまに変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ要素を指す符号は異なる図面で共通して用い、その場合における繰り返しの説明は省略する場合がある。
本発明の実施の態様として、無線信号により命令やデータの送受信を行うことのできる半導体装置について図面を参照して説明する。
(本発明の一実施態様である半導体装置について)
図1は無線信号により命令やデータの送受信を行うことのできる半導体装置の一構成例を示すブロック図である。この半導体装置は、アンテナ部102、高周波回路部103、電源回路部105、ロジック回路部107を要素として含んでいる。アンテナ部102は、リーダライタとも呼ばれる通信装置と信号の送受信を行う。信号を送る搬送波の周波帯は、長波帯の1〜135kHz、短波帯の6.78MHz、13.56MHz、27.125MHz、40.68MHz、5.0MHz、マイクロ波帯の2.45GHz、5.8GHz、24.125GHz等が適用される。アンテナ部102は通信周波数帯に応じてコイル型やモノポール若しくはダイポール型の形態となる。
アンテナ部102が受信した搬送波は、検波容量部104を介して電源回路部105と、ロジック回路部107に分流する。電源回路部105では整流回路部110によって半波整流され、それが保持容量部112に充電される。定電圧回路部114は受信した搬送波の電力に対して、ある一定以上の電力が供給されても一定電圧を出力してこの半導体装置にあるロジック回路部107等の動作に必要な電力を供給する。
高周波回路部103における復調回路部108は搬送波を復調して、ロジック回路部107の動作に必要なクロック信号を生成し、さらにそれを補正する機能を有するPLL回路部118と、コード認識及び判定回路部116に信号を出力する。例えば、復調回路部108は、振幅変調(ASK)の受信信号から、振幅の変動を”0”または”1”の受信データとして検出する。復調回路部108は、例えばローパスフィルターを含んで構成されている。また、変調回路部106は送信データを振幅変調(ASK)の送信信号として送信する。
コード認識及び判定回路部116は、命令コードを認識し判定する。コード認識及び判定回路部116が認識及び判定する命令コードは、フレーム終了信号(EOF、end of frame)、フレーム開始信号(SOF、start of frame)、フラグ、コマンドコード、マスク長(mask length)、マスク値(mask value)等である。また、コード認識及び判定回路部116は、送信エラーを識別する巡回冗長検査(CRC、cyclic redundancy check)機能も含む。コード認識及び判定回路部116からの結果は、メモリコントローラ部120に出力される。メモリコントローラ部120は、判定結果に基づいて、メモリ部122の読み出しを制御する。メモリ部122から読み出されたデータは、符号化回路部124にて符号化され、変調回路部106によって変調を行い、応答信号を生成する。
メモリ部122の構成としては、固定データのみを記憶するマスクROM(Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などの任意読み出し書き込み可能メモリ、電荷蓄積浮遊電極を有する不揮発性メモリなどを適用可能である。
このように、図1で示す半導体装置は、リーダライタとも呼ばれる通信装置からの命令を受信して、メモリ部122にデータを書き込み、若しくはメモリ部122からデータを読み出す機能を有している。
上記構成及び機能を有する半導体装置における回路のレイアウトの一例について図2を参照して説明する。電源回路部105を構成する整流回路部110と保持容量部112は近い領域に設けられる。高周波回路部103の復調回路部108と、ロジック回路部107のコード認識及び判定回路部116は複数箇所に分けて配置することができる。復調回路部108は、PLL回路部118とコード認識及び判定回路部116の間に設けられる。また、PLL回路部118とコード認識及び判定回路部116は隣接して設けることで、ノイズの影響を抑制することができる。検波容量部104は高周波回路部103に設けられるが、ロジック回路部107にも検波容量部104bを分けて設けている。変調回路部106は、この二つの検波容量部104と検波容量部104bの間に設けている。
メモリ部122にマスクROMを含ませるには、電子ビーム露光若しくはレーザビーム露光を用いて回路の形成を行う。電子ビーム露光やレーザビーム露光はプログラムに応じてマスクROMに書き込むデータを異ならせることができるので、チップ毎に異なる認証用の情報を記憶させることが可能となる。
また、メモリ部122に追記型メモリとして、ヒューズ型若しくは相変化型の有機メモリを含ませるには、メモリコントローラ部120に書き込み回路を設ける。この半導体装置の製造時において有機メモリにデータを書き込む場合には、書き込み用の電圧を印加する電極を回路レイアウトの中に設けても良い。
このような半導体装置は、単結晶シリコン基板を用いてMOSトランジスタで形成することができる。また、外観形状の自由度や生産性を考慮すると、ガラス等の絶縁基板を用い、薄膜トランジスタを用いて半導体装置を製造しても良い。
すなわち、このような非接触でデータの送受信が可能な半導体装置を社会に普及させるためには、そもそも製造原価を下げる必要がある。しかしながら、半導体集積回路の製造技術を使って、新たな製造ラインを構築するには、設備投資の額が増大してしまうので低コスト化を図ることが難しい。例えば、12インチウエハーを使う製造ラインを作るには、概略1500億円の設備投資が必要であり、さらにランニングコストを追加すると単価を100円以下とすることは非常に困難である。また、12インチウエハーの面積は約73000mm2であり、仮に、幅20μm〜50μmのブレードを持つダイシング装置によって分断する際に、約100μmのマージン幅が必要とされることを無視したとしても、1mm角のチップを切り出す場合には73,000個、0.4mm角のチップを切り出すことにしても182,500個しか取ることができないので、十分な供給量を確保することは非常に困難となる。
一方、ガラス等の絶縁基板を用いる薄膜トランジスタで当該半導体装置を製造する場合には、大面積基板を用いることが可能である。しかし、回路の微細化が十分でなくチップ面積が大きい場合には、単価を十分に下げることが困難となる。そこで、本実施の形態では、ガラス基板等であっても微細パターンの形成が可能である露光工程を採用する。
(位相シフト露光法について)
上記したようにガラス基板等であっても微細パターンを形成するために、ハーフトーン型位相シフトマスクを採用した位相シフト露光法を用いる。この方法によれば、フォトマスクに設けた位相シフタにより一部の光の位相を反転させ、回路パターン等の光学像に対しエッジ部のコントラストを向上させることができる。すなわち、主パターン(孤立したコンタクトホールパターンなど)の周囲に位相を反転させた補助パターンを配置した位相シフトマスクを用いる。主パターンと補助パターンとを透過する露光光の間に位相差が生じるようにする。
図3は位相シフト露光法の一例を説明する図である。図3(A)は透光性基板にクロム等で形成された遮光膜204と位相シフタ205a、205bが形成されているフォトマスク202の断面図である。遮光膜204には開口部203aと開口部203bが設けられ、これが主パターンに相当するものである。位相シフタ205a、205bは開口部203aと開口部203bの周囲に設けられ、これが補助パターンに相当する。位相シフタ205a、205bは位相シフトフィルム等を用い、位相差と透過率を設定する。例えば、位相差を180度±5度、透過率を4%乃至8%とする。位相シフトフィルムとしては、Crの酸化膜若しくはMoSiの酸化膜、SiO2膜、または薄いCr膜、或いはそれらの積層膜が用いられる。
このフォトマスク202の開口部203aと開口部203bを通過するマスク透過光の振幅分布は、図3(B)に示すように開口部203a、203bを透過した露光光と、それに隣接する位相シフタ205a、205bを透過した露光光で振幅分布が反転している。開口部203a、203bの透過光の光振幅分布はベッセル関数で与えられ、中心の0次ピークの周囲にいくつかの高次ピークを持つ。それに対し、位相シフタ205a、205bの中心位置をこの高次のピークのうち、同相で最大のピークの位置に置くようにする。これにより、主パターンの光強度分布の裾部分が周辺の逆位相の補助パターンによって相殺されて、実効的に主パターンの光強度分布を狭めることができる。
主パターンの強度分布の裾部分の広がりを狭めることにより、図3(C)に示すように、露光面における光強度分布はエッジ部が急峻な強度分布を持つようになる。主パターンである開口部203a、203bの光強度分布の裾部分が、周辺の逆位相の補助パターンによって相殺されて実効的に主パターンの光強度分布を狭めることができる。また、位相シフタ205a、205bによる透過光の振幅分布が、その中心部だけでなく周辺にも高次のピークをもつ。このピークの位置が本来の開口部203a、203bの位置と一致することにより、主パターンの中央付近の光強度が強調されるため、光強度分布のコントラストも増大する。この結果、開口部203a、203bの解像度向上と焦点深度の拡大が可能になる。
図3(D)は、半導体層206とゲート電極208の上に形成された層間絶縁層にコンタクトホール210a、210bを形成する場合を一例として示している。位相シフト法は露光に用いる光の波長を変えず、解像度を上げることができるので、従来1.5μmであった解像度を1μm程度にすることができる。開口部203a、203bが1μmである場合にも、半導体層206のレイアウトとして、余計なマージンを見込んでおく必要がない。すなわち、ガラス等の絶縁基板上における集積回路においても、微細化を図ることが可能となる。
図4は、図3と同様に位相シフト露光法の他の一例を説明する図である。図4(A)は透光性基板に位相シフタ205に開口部203a、203bが形成されているフォトマスク202の断面図である。位相シフタ205は例えば、位相差を180度±5度、透過率を4%乃至8%とする。この場合も、図4(B)で示すように、開口部203a、203bを透過した露光光と、それに隣接する位相シフタ205を透過した露光光で振幅分布が反転している。それにより、図4(C)で示すように露光面でエッジ部が急峻になる光強度分布が得られる。図4(D)は、半導体層206とゲート電極208の上に形成された層間絶縁層にコンタクトホール210a、210bを形成する場合を一例として示している。この場合も、図3と同様の効果を奏し、微細なコンタクトホールパターンを形成することができる。
なお、図3及び図4では、半導体層206に対するコンタクトホールパターンを形成する場合を例示したが、その他にも、電極、配線、半導体層など集積回路を形成するために必要なさまざまなパターンを露光するときに適用することができる。
位相シフトマスクを用いる露光工程では、ステッパのような縮小露光装置を用いることができる。しかし、解像度が上がるほど焦点深度が小さくなる。ガラス基板等の平坦性の劣る基板に対しては、等倍露光装置を用いて行うことが好ましい。等倍露光装置を用いることにより、大面積ガラス基板を用いる場合においても、処理時間を短縮することができる。
(ホログラフィ露光法について)
ガラス基板等であっても微細パターンを形成するために、ホログラフィ露光法を用いる。ホログラフィ露光法は、ホログラムの原理を用いて露光を行うものである。この露光法は、ホログラムが描かれたマスク上のパターンを露光することにより、レジスト層を形成したウェハ上に再生する。ホログラムマスクは、集積回路のパターンを記録した原板(フォトマスク)にレーザ光(物体光)を照射して回折を生じさせると同時に、ホログラム記録層の裏面から該レーザ光と可干渉なレーザ光(参照光)を照射し干渉させて、その干渉パターンを記録したものである。露光工程では、ホログラムマスクに露光ビーム(再生光)を照射して、露光面に回折光を結像させてフォトレジストの露光を行う。ホログラムは原理上、収差が無いため解像度が良いという特徴がある。
ホログラムマスクは光の位相情報が記録されているので、位相シフトマスクの原理を応用して、エッジ強調型のマスクパターンを形成しても良い。位相シフタを有するマスク情報を記録したホログラムマスク、若しくは露光面での位相シフト効果を利用したホログラムマスクを適用しても良い。それにより、より微細なパターンを有するマスク層を形成することができる。
(第1の実施形態)
このような微細化可能な露光技術を用いた半導体装置の製造方法について図面を参照して説明する。以下の説明では、図5に示すように、6個のトランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)のメモリセルを例として説明する。
このSRAMは、インバータ301、302の各入力は、スイッチS1、S2を介してビット線BL1、BL2にそれぞれ接続されている。スイッチS1、S2は、ワード線WLによって伝達される行選択信号によって制御される。各インバータ301、302は、高電圧VDDと一般に接地である低電圧GNDとにより電力供給される。メモリセルに情報を書き込むために、電圧VDDがビット線BL1、BL2の一方に印加され、電圧GNDはそれらのビット線の他方に印加される。
インバータ301は、直列接続されたnチャネル型トランジスタN1とpチャネル型トランジスタP1とを含んでいる。pチャネル型トランジスタP1のソースは電圧VDDに接続され、nチャネルトランジスタN1のソースは電圧GNDに接続されている。pチャネル型トランジスタP1、nチャネルトランジスタN1のドレインは、ノード305Aで相互接続されている。pチャネル型トランジスタP1、nチャネルトランジスタN1のゲートは、ノード306Aで相互接続されている。同様に、インバータ302は、pチャネル型トランジスタP1、nチャネル型トランジスタN1のように接続されたpチャネル型トランジスタP2、nチャネル型トランジスタN2を含み、pチャネル型トランジスタP2、nチャネル型トランジスタN2のゲートは、ノード306Bに接続され、pチャネル型トランジスタP2、nチャネル型トランジスタN2の共通ドレインは、ノード305Bに相互接続されている。
図5で示すSRAMの動作では、スイッチS1、S2がオンとなり、インバータ301、302の入力及び出力の状態が設定される。次いで、スイッチS1、S2がオフとなり、インバータ301、302内の信号の状態が保持される。メモリセルから情報を読み出すために、各ビット線BL1、BL2は、電圧VDDとGNDとの間の電圧範囲にプリチャージされる。スイッチS1、S2がオンとなり、ビット線上の電圧がインバータ301、302の信号の状態に基づいて変化するようになっている。ビット線に接続されたセンスアンプによって、メモリセル内に保存されているデータが読み出される。
図5で示すSRAMの回路配置の一例を図6に示す。図6は、半導体層と、ゲート配線層を含む2層の配線層で形成されるSRAMである。nチャネル型トランジスタが形成される半導体層402と、pチャネル型トランジスタが形成される半導体層404が下層に配置されるものとすると、その上層には絶縁層を介して第1配線層406、408、410が配置されている。第1配線層406はゲート電極を形成する層であり、半導体層402、404と交差してnチャネル型トランジスタN1及びpチャネル型トランジスタP1を形成している。第1配線層408はゲート電極を形成する層であり、半導体層402、404と交差してnチャネル型トランジスタN2及びpチャネル型トランジスタP2を形成している。第1配線層410はワード線(WL)であり、半導体層402と交差してスイッチS1、S2を形成している。第1配線層406、408、410は、半導体層402、404とこのような関係にあり、ゲート電極を形成している。
第2配線層412、414、416、418は、第1配線層406、408、410と絶縁層を介して形成されている。第2配線層412はビット線(BL1)、第2配線層414はビット線(BL2)、第2配線層416は電源線(VDD)、第2配線層418は接地電位線(GND)を形成している。
コンタクトホールC1は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層412と半導体層402とを接続する。コンタクトホールC2は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層414と半導体層402とを接続する。コンタクトホールC3は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層422と半導体層402とを接続する。コンタクトホールC4は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層422と半導体層404とを接続する。コンタクトホールC5は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層420と半導体層402とを接続する。コンタクトホールC6は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層420と半導体層404とを接続する。コンタクトホールC7は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層416と半導体層402とを接続する。コンタクトホールC8は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層418と半導体層404とを接続する。コンタクトホールC9は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層422と第1配線層408を接続する。コンタクトホールC10は絶縁層に形成される開口であって、第2配線層420と第1配線層406を接続する。このように半導体層と第1配線層及び第2配線層の間を接続するコンタクトホールC1〜C10によって、図5に示すSRAMが形成されている。
次にこのようなSRAMの製造工程について、図6に示すA−B線(pチャネル型トランジスタP1)及びC−D線(nチャネル型トランジスタN2)に対応する断面図を図7を参照して説明する。
図7において、基板400はガラス基板、石英基板、金属基板(例えばセラミックス基板またはステンレス基板など)、Si基板等の半導体基板から選択されるものである。他にもプラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、アクリルなどの基板を選択することもできる。
基板400には不純物に対するブロッキング層として第1絶縁層401を形成する。第1絶縁層401は半導体層402、404に対する下地膜となる。第1絶縁層401は、基板400として石英を用いるような場合には省略することもできる。
第1絶縁層401としては、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、第1絶縁層401を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。このように、ブロッキング層として機能する第1絶縁層401を形成することによって、基板400からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、この上に形成する素子に悪影響を与えることを防ぐことができる。
半導体層402、404は結晶性半導体層で形成することが好ましい。結晶性半導体層は、第1絶縁層401上に形成した非晶質半導体層を熱処理やレーザビームの照射によって結晶化させたもの、第1絶縁層401上に形成した結晶性半導体層を非晶質化した後、再結晶化させたものなどが含まれる。
レーザビームの照射によって結晶化若しくは再結晶化を行う場合には、レーザ光源としてLD励起の連続発振(CW)レーザ(YVO4、第2高調波(波長532nm))を用いることができる。特に第2高調波に限定する必要はないが、第2高調波はエネルギー効率の点で、さらに高次の高調波より優れている。CWレーザを半導体膜に照射すると、連続的に半導体膜にエネルギーが与えられるため、一旦半導体膜を溶融状態にすると、溶融状態を継続させることができる。さらに、CWレーザを走査することによって半導体膜の固液界面を移動させ、この移動の方向に沿って一方向に長い結晶粒を形成することができる。また、固体レーザを用いるのは、気体レーザ等と比較して、出力の安定性が高く、安定した処理が見込まれるためである。なお、CWレーザに限らず、繰り返し周波数が10MHz以上のパルスレーザを用いることも可能である。繰り返し周波数が高いパルスレーザを用いると、半導体膜が溶融してから固化するまでの時間よりもレーザのパルス間隔が短ければ、常に半導体膜を溶融状態にとどめることができ、固液界面の移動により一方向に長い結晶粒で構成される半導体膜を形成することができる。その他のCWレーザ及び繰り返し周波数が10MHz以上のパルスレーザを使用することもできる。例えば、気体レーザとしては、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等がある。固体レーザとして、YAGレーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、GdVO4レーザ、KGWレーザ、KYWレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ等がある。また、YAGレーザ、Y2O3レーザ、GdVO4レーザ、YVO4レーザなどのセラミックスレーザがある。金属蒸気レーザとしてはヘリウムカドミウムレーザ等が挙げられる。また、レーザ発振器において、レーザビームをTEM00(シングル横モード)で発振して射出すると、被照射面において得られる線状のビームスポットのエネルギー均一性を上げることができるので好ましい。その他にも、パルス発振のエキシマレーザを用いても良い。
ゲート絶縁層として用いる第2絶縁層403は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等を適用する。このような絶縁層は、気相成長法やスパッタリング法で形成する。また、半導体層402、404に酸素雰囲気下(例えば、酸素(O2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、または酸素と水素(H2)と希ガス雰囲気下)または窒素雰囲気下(例えば、窒素(N2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、または窒素と水素と希ガス雰囲気下またはNH3と希ガス雰囲気下)で高密度プラズマ処理を行うことにより、半導体層402、404の表面を酸化処理または窒化処理することによって、ゲート絶縁層として適用する第2絶縁層403を形成することもできる。高密度プラズマ処理により半導体層402、404の表面を酸化処理または窒化処理を行うことによって第2絶縁層403を形成することにより、電子やホールのトラップとなる欠陥準位密度を低減することができる。
ゲート電極として用いる第1配線層406、408は、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、クロム、ニオブなどその他高融点金属を用いて形成する。或いは、モリブデンとタングステンの合金、窒化チタン、窒化タングステンなど前記した金属の合金または導電性金属窒化物若しくは導電性金属酸化物を用いても良い。そして、窒化タンタルとタングステンとの積層構造で形成することができる。また、リン等の不純物元素をドーピングしたポリシリコンを用いても良い。
ゲート電極として用いる第1配線層406、408として前記した導電層を第2絶縁層403上のほぼ全面に堆積した後、フォトマスク(PMG)を用いてマスク層424を形成する。このマスク層424を用いてエッチングを行い、第1配線層406、408を形成する。マスク層424は露光工程により形成する。このとき、フォトマスク(PMG)を図3、図4で説明した位相シフトマスクを用いて露光することにより、平坦度の劣るガラス基板であっても微細なゲート電極として用いる第1配線層406、408を形成することができる。例えば、i線(365nm)で1.5μmの解像度の等倍露光装置を用いた場合でも、位相シフトマスクを用いて露光することにより、1μm程度のゲート長のゲート電極として用いる第1配線層406、408を形成することができる。
図8は、第1配線層406、408にそれぞれサイドウォール426、428を形成し、さらにパッシベーションとして第3絶縁層434を形成している。第3絶縁層434は窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等で形成する。半導体層402には、ソース及びドレインとして機能させるn型不純物領域432を形成する。さらに、サイドウォール428を利用して、所謂低濃度ドレイン領域433(LDD領域)を形成しても良い。また、半導体層404には、ソース及びドレインとして機能するp型不純物領域430を形成する。サイドスペーサ426を利用して、所謂低濃度ドレイン領域431(LDD領域)を形成しても良い。
図9は、第4絶縁層436を形成し、コンタクトホールC4、C5、C7、C8を形成する工程である。第4絶縁層436は、プラズマCVDや熱CVDなど気相成長法やスパッタリング法で形成する、酸化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)などを適用する。また、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料、またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料、オキサゾール樹脂などからなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。オキサゾール樹脂は、例えば、感光性ポリベンゾオキサゾール等である。感光性ポリベンゾオキサゾールは、誘電率が低く(常温1MHzで誘電率2.9)、耐熱性が高く(示差熱天秤(TGA:thermal gravity analysis)昇温5℃/minで熱分解温度が550℃)、吸水率が低い(常温24時間で0.3%)材料である。オキサゾール樹脂は、ポリイミド等の比誘電率(3.2〜3.4程度)と比較すると、比誘電率が低いため(2.9程度)、寄生容量の発生を抑制し、高速動作を行うことができる。
第3絶縁層434及び第4絶縁層436を貫通し、n型不純物領域432及びp型不純物領域430を露出させるコンタクトホールC4、C5、C7、C8の形成はマスク層438を用いて行う。マスク層438は露光工程により形成する。このとき、フォトマスク(PMC)を図3、図4で説明した位相シフトマスクを用いて露光することにより、平坦度の劣るガラス基板であっても、微細なコンタクトホール径を有するマスク層438を形成することができる。例えば、i線(365nm)で1.5μmの解像度の等倍露光装置を用いた場合でも、位相シフトマスクを用いて露光することにより、1μm程度のコンタクトホール径を有するマスク層438を形成することができる。その後マスク層438を用いて第3絶縁層434及び第4絶縁層436をエッチングすることにより、コンタクトホールC4、C5、C7、C8を形成することができる。
図10は、第2配線層416、418、420、422を形成する工程である。これらは、アルミニウム、タングステン、チタン、タンタル、モリブデン、ニッケル、ネオジウム(Nd)から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなる単層構造または積層構造を用いることができる。例えば、当該元素を複数含む合金からなる導電膜として、チタンを含有したアルミニウム合金、ネオジウムを含有したアルミニウム合金などで形成することができる。また、積層構造で設ける場合、例えば、アルミニウム層若しくは前記したようなアルミニウム合金層を、チタン層で挟んで積層させた構造としても良い。第2配線層416は電源線(VDD)、第2配線層418は接地電位線(GND)を形成している。
位相シフトマスクを用いて口径の小さいコンタクトホールを形成することにより、半導体層402、404と第2配線層416、418、420、422がコンタクトを形成する面積を小さくすることができる。それによりコンタクトホール同士の間隔を狭めることができ、集積度を向上させることができる。
以上、第1の実施形態は、図6に示す回路配置に含まれるpチャネル型トランジスタP1とnチャネル型トランジスタN2を例示して、その製造工程を説明している。その他のトランジスタも同様にして形成可能である。なお、本実施の形態では、ゲート電極及びコンタクトホールの形成に位相シフトマスクを用いる例を示した。この位相シフトマスクによる露光工程は、ゲート電極またはコンタクトホールの一方にのみ用いても集積度を向上させる目的においては同様の効果を奏する。また、半導体層や配線層の形成に必要な露光工程においても位相シフトマスクを用いることができる。
(第2の実施形態)
図5で示すSRAMの回路配置の他の一例を図11に示す。図11は、半導体層とゲート電極層と、3層の配線層で形成されるSRAMである。nチャネル型トランジスタが形成される半導体層501、502と、pチャネル型トランジスタが形成される半導体層503、504が設けられている。これに対して、ゲート配線層として機能するゲート電極層505、506、507、508が絶縁層を介して設けられている。それにより、nチャネル型トランジスタN1、N2、pチャネル型トランジスタP1、P2、及びスイッチS1、S2が形成されている。
ゲート電極層とコンタクトする第1配線層510、512、514、516、518、520、522、524、526、528は第1層間絶縁層を介して設けられている。ビット線を形成する第2配線層532、536、及び接地電位線を形成する第2配線層530、538は第2層間絶縁層を介して設けられている。さらにワード線を形成する第3配線層540が第3層間絶縁層を介して設けられている。
コンタクトホールC21〜C30は、第1配線層と半導体層とのコンタクトを形成するもので、第1層間絶縁層に形成されている。コンタクトホールC31〜C40は、第2配線層と第1配線層とのコンタクトを形成するもので、第2層間絶縁層に形成されている。コンタクトホールC41、C42は、第3配線層と第1配線層とのコンタクトを形成するもので、第1層間絶縁層及び第2層間絶縁層に形成されている。これらによって図5に示すSRAMが形成されている。
次にこのようなSRAMの製造工程について、図11に示すE−F線(pチャネル型トランジスタP2及びnチャネル型トランジスタN2)に対応する断面図を図12を参照して説明する。
図12において、基板400に形成する第1絶縁層401、半導体層502、504、第2絶縁層403、ゲート電極層506、サイドウォール426、428、第3絶縁層434、第4絶縁層436は第1の実施形態と同様にして形成される。
第3絶縁層434及び第4絶縁層436を貫通し、n型不純物領域432及びp型不純物領域430を露出させるコンタクトホールC26、C27、C29、C30の形成は、マスク層550を形成してエッチング処理により形成する。マスク層550は露光工程により形成する。このときフォトマスク(PMC)を図3、図4で説明した位相シフトマスクを用いて露光することにより、平坦度の劣るガラス基板であっても微細なコンタクトホール径を有するマスク層550を形成することができる。例えば、i線(365nm)で1.5μmの解像度の等倍露光装置を用いた場合でも、位相シフトマスクを用いて露光することにより、1μm程度のコンタクトホール径を有するマスク層550を形成することができる。このようなマスク層550を用いて第3絶縁層434及び第4絶縁層436をエッチングすることにより、コンタクトホールC4、C5、C7、C8を形成することができる。
図13はコンタクトホールC26、C27、C29、C30に埋込導電層554を形成し、第1配線層520、522、528を形成する構成を示している。埋込導電層554としては、代表的にはタングステンを用いることができる。好ましくは、コンタクトホールC26、C27、C29、C30に密着層552として窒化チタン膜またはチタン膜と窒化チタン膜を成膜し、次いで埋込導電層554としてタングステン膜を成膜する。タングステン膜は、WF6ガスを用い、水素還元若しくはジシラン還元により形成する。また、タングステン膜はスパッタリング法により形成しても良い。その後、SF6ガスを用いてエッチバックするか、若しくは化学的機械研磨により平坦化して、埋込導電層554を形成する。その後、埋込導電層554と接触するように、第1配線層520、522、528を形成する。
第1配線層520、522、528の上層には、パッシベーションとして第5絶縁層556を窒化シリコン膜などで形成する。第6絶縁層558は、プラズマCVDや熱CVDなど気相成長法やスパッタリング法で形成する、酸化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)などを適用する。また、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料、またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料、オキサゾール樹脂などからなる単層または積層構造で設けることができる。これらの樹脂材料は、熱硬化型または光硬化型の原料を用い、スピンコート法で形成することが好ましい。スピンコート法で形成することにより、下層にある配線層の凹凸を緩和して、第6絶縁層558の表面を平坦化することができる。
以降、同様にして第2配線層536、パッシベーションとして用いる第7絶縁層560、平坦化のために形成する第8絶縁層562、第3配線層540を形成する。なお、図11において示す第2配線層と第1配線層とのコンタクトを形成するコンタクトホールC31〜C40、第3配線層と第1配線層とのコンタクトを形成するコンタクトホールC41、C42も同様に、位相シフトマスクによる露光工程を用いて形成することができる。
以上、第2の実施形態は、図11に示す回路配置に含まれるpチャネル型トランジスタP2とnチャネル型トランジスタN2を例示して、その製造工程を説明している。その他のトランジスタも同様にして形成可能である。なお、本実施の形態では、ゲート電極及びコンタクトホールの形成に位相シフトマスクを用いる例を示した。この位相シフトマスクによる露光工程は、ゲート電極またはコンタクトホールの一方にのみ用いても集積度を向上させる目的においては同様の効果を奏する。また、半導体層や配線層の形成に必要な露光工程においても位相シフトマスクを用いることができる。
図14は、埋込導電層を形成しない一例であり、絶縁層を形成する材料をコンタクトホールに充填する一例を示している。図14で示す断面構造は、図11のG−H線に対応している。
図14において、nチャネル型トランジスタN1は図13で示すnチャネル型トランジスタN2と同様の構成を有している。第3絶縁層434及び第4絶縁層436を貫通し、n型不純物領域432及びゲート電極層507を露出させるコンタクトホールC21、C22、C31は、図12と同様に位相シフトマスクを用いてマスク層を形成し、エッチングすることで形成することができる。
第1配線層510、512、518はアルミニウム、タングステン、チタン、タンタル、モリブデン、ニッケル、ネオジウム(Nd)から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなる単層構造または積層構造により形成する。例えば、当該元素を複数含む合金からなる導電膜として、チタン、シリコン、又はネオジウムを含有したアルミニウム合金などで形成することができる。第1配線層510は、nチャネル型トランジスタN1と接地電位線(GND)である第2配線層530とを接続する配線である。第1配線層518は、nチャネル型トランジスタN1とpチャネル型トランジスタP1のドレインを接続する配線である。第1配線層512は、スイッチS1のゲート電極層507とワード線である第3配線層540を接続する配線である。
第1配線層512と第3配線層540を接続するためのコンタクトホールC41は、第5絶縁層556、第6絶縁層558、第7絶縁層560、第8絶縁層562を貫通する。このように深いコンタクトホールを形成する場合でも、位相シフトマスクを用いた露光工程を行うことができる。なお、図14では、nチャネル型トランジスタN1について示しているが、図11に示す他のトランジスタについても同様に形成することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した位相シフト露光に換えて、ホログラフィ露光を行っても良い。ホログラフィ露光をゲート電極及び/またはコンタクトホールの形成に用いることでトランジスタの縮小を図り、ゲートピッチの縮小(コンタクトホールの狭間隔化)を図ることができる。
この場合、ゲート電極の形成にホログラフィ露光技術を用い、コンタクトホールの形成に位相シフトマスクを用いた露光工程を用いても良い。ホログラフィ露光は微細化ができるが、マスク数が増加してコストが増加する。計算機合成ホログラムマスクであっても、パターンが微細なのでマスク製造コストが増加する。これに対し位相シフトマスクを用いた露光工程を組み合わせることにより、マスクコストの増加やスループットの低下を極力防ぎ、微細化と生産性の両者を確保することができる。
(第4の実施形態)
ホログラフィ露光を行う際に用いるホログラムマスクに、位相シフタを設けても良い。ホログラムマスクは光の位相情報が記録されているので、位相シフトマスクの原理を応用して、エッジ強調型のマスクパターンを形成しても良い。それにより、より微細なパターンを有するマスク層を形成することができる。
(第5の実施形態)
第1乃至第4の実施形態ではSRAMの回路を例示して説明したが、本発明はこれに限定されずさまざまな構成の集積回路を形成して半導体装置を製造することができる。例えば、無線信号により命令やデータの送受信を行うことのできる半導体装置において、暗号処理された命令を複号化する機能を備えることもできる。
図15はそのような半導体装置の構成を示すブロック図である。この半導体装置は、アンテナ部102、高周波回路部103、電源回路部105、ロジック回路部107を要素として含んでいる。なお、図1と共通する要素は同じ符号で示しその説明は省略する。
図15において、ロジック回路部107には、PLL回路部118、コード抽出回路130、制御レジスタ132、CPUインターフェース134、CPU136(中央処理ユニット)、ROM138(読み出し専用メモリ)、RAM140(ランダムアクセスメモリ)、符号化回路部124が備えられている。
図15で示す半導体装置は、アンテナ部102で受信した信号を復調回路部108で復調し、コード抽出回路130で制御コマンドや暗号文のデータなどに分解する。本実施例における、無線チップとして機能する半導体装置の動作を説明する。まず、リーダ/ライタより半導体装置が制御コマンドや暗号文データを含む受信信号を受信する。そして、その受信信号が含む制御コマンドや暗号文のデータは制御レジスタ132に格納される。制御コマンドは、固有ID番号の送信、動作停止、暗号解読などを指定するものである。
暗号解読の制御コマンドを受信した場合、CPU136が、ROM138に格納された暗号解読プログラムにしたがって、ROM138にあらかじめ格納された秘密鍵142を用いて暗号文を解読(復号)する。復号された暗号文(復号文)は、制御レジスタ132に格納される。この際、RAM140をデータ格納領域として用いる。なお、CPU136は、CPUインターフェース134を介してROM138、RAM140、制御レジスタ132にアクセスする。CPUインターフェース134は、CPU136が要求するアドレスより、ROM138、RAM140、制御レジスタ132のいずれかに対するアクセス信号を生成する機能を有している。データを送信する場合には、符号化回路部124において、復号文から送信データを生成し、変調回路部106で変調し、アンテナ部102より送信信号を送信する。
図15で示す演算方式として、ソフトウェア的に処理する方式、すなわち、CPUと大規模メモリとで演算回路を構成し、プログラムをCPUで実行する方式について説明したが、目的に応じて最適な演算方式を選び、当該方式に基づいて構成することも可能である。例えば、演算方式として、他にも、演算をハードウェア的に処理する方式と、ハードウェア及びソフトウェアを併用する方式と、が考えられる。ハードウェア的に処理する方式では、専用回路で演算回路を構成すれば良い。ハードウェア及びソフトウェアを併用する方式では、専用回路と、CPUと、メモリと、で演算回路を構成し、専用回路で演算処理の一部分を行い、残りの演算処理のプログラムをCPUで実行すれば良い。
図15では、ロジック回路部107の他に、アナログ回路である高周波回路部103、電源回路部105を含んでいる。このような回路であっても、第1乃至第4の実施形態で説明したように、位相シフト露光法やホログラフィ露光法を用いて集積回路を形成することができる。このような露光法を用いることで、トランジスタのサイズを縮小することが出来、ガラス基板等の平坦性の低いものであってもチップサイズの縮小を図ることができる。
図15で示す高周波回路部103、電源回路部105、ロジック回路部107とアンテナ部102を基板602上に形成する一例を図16に示す。アンテナ608は平坦化層606上に形成され、13.56MHzに代表される短波帯で主に使用されるループアンテナである。アンテナ608は900MHz〜960MHzを用いるUHF帯やマイクロ波帯を用いる場合には、ダイポールアンテナやパッチアンテナを形成しても良い。素子形成層604は、第1の実施形態若しくは第2の実施形態で説明したトランジスタ及び配線構造を含む回路が形成されている。この場合において、位相シフト露光法やホログラフィ露光法を用いて集積回路を形成することで、基板602のサイズを10mm2以下、好ましくは5mm2以下にすることができる。
このような、無線信号により命令やデータの送受信を行うことのできる半導体装置600において、通信距離を伸ばすための一構成例を図17に示す。図17(A)は、半導体装置600と通信装置706のアンテナの関係を示す回路図である。半導体装置600に搭載されたアンテナ608の他に、通信装置706のアンテナとして、第2のアンテナ703、第3のアンテナ704、電気容量705が示されている。
リーダ/ライタからの通信信号を、第3のアンテナ704で受信すると、第3のアンテナ704では電磁誘導による誘導起電力が生じる。この誘導起電力により、第2のアンテナ703から、誘導電磁界が発生する。この誘導電磁界を、第1のアンテナ608で受信することで、アンテナ608では、電磁誘導による誘導起電力が生じることになる。
ここで、第3のアンテナ704のインダクタンスを大きくすることで、第1のアンテナ608が受信する誘導電磁界を大きくすることができる。すなわち、第1のアンテナ608のインダクタンスが小さくても、半導体装置600を動作させるのに十分な誘導電磁界を供給することができる。第1のアンテナ608をオンチップアンテナとした場合、半導体装置600は面積が小さいため、インダクタンスはあまり大きくできない。したがって、第1のアンテナ608のみ用いた場合は半導体装置600の通信距離を伸長することは困難である。しかしながら、図17(A)の構成を適用することで通信距離を伸長することができる。
図17(B)は、本実施形態における半導体装置のアンテナレイアウトを示す一例である。図17(B)は、第3のアンテナ704の外部に第2のアンテナ703を形成した例である。第1のスルーホール707と、第2のスルーホール708とは電気的に接続されており、第2のアンテナ703と、第3のアンテナ704と、電気容量705とから外側アンテナを形成する。電気容量705には、チップコンデンサ、フィルムコンデンサなどを用いることができる。図17(B)のようなレイアウトは、幅の狭いアンテナを形成することができるので、幅の狭い形状の半導体装置を提供するときに有効である。
図17(C)は、本実施形態における半導体装置のアンテナレイアウトを示す他の例である。図17(C)は、第3のアンテナ704の内部に第2のアンテナ703を形成した例である。第1のスルーホール709と、第2のスルーホール710とは電気的に接続されており、第2のアンテナ703と、第3のアンテナ704と、電気容量705とから外側アンテナを形成する。電気容量705には、チップコンデンサ、フィルムコンデンサなどを用いることができる。図17(C)のようなレイアウトは、幅の狭いアンテナを形成することができるので、幅の狭い形状の半導体装置を提供するときに有効である。以上のような構成とすることで、通信距離を伸長した高性能な半導体装置を提供することができる。
図19はこのような半導体装置600の応用例を示している。容器804の中に入っている半導体装置600との通信を、情報端末805を使って行う態様を示している。容器804はペットボトルのようなプラスチック製のものや、ガラス製のものを用いることができる。半導体装置600は容器804の内側に固着するか、内容物の中に遊離させておく。また、図20に示すように、容器804に装着されるラベル807に半導体装置600を取り付けても良い。半導体装置600は、ラベル807の印刷面とは反対側に設けることが望ましい。また、TFTで機能回路を形成することで、ラベル807と一体形成することで薄型にすることができる。情報端末805は、携帯型の電話機や、コンピュータなどである。通信機能を持ち、記録媒体や表示部を備えていると良い。
図19では、情報端末805として、携帯型の電話機で半導体装置600と通信を行う態様を例示している。この情報端末805の操作により、半導体装置600を動作させて内容物の状態を検知する。その情報は情報端末805の表示部806に表示させる。また、半導体装置600に記録されているデータを読み出して、その商品の履歴を知ることができる。例えば、直射日光に当たるところに放置されて、高温になり内容物が変質したものでないか判別することができる。半導体装置600は、その物品の個体情報を記録しておくことで、内容物が何であるか識別することもできる。