JP2007201157A - コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】半田実装部の信頼性を高めたコンデンサを提供すること。
【解決手段】支持基板1上に形成された、下部電極層2と、この下部電極層2上の薄膜誘電体層4と、この薄膜誘電体層3上の上部電極層4とからなる容量形成部と、一方は下部電極層2に接続され、他方は上部電極層4に接続されて容量形成部と外部回路とを接続する一対の接続用端子2a,4aと、下部電極層2、薄膜誘電体層3、上部電極層4、および接続用端子2a,4aを覆う保護層6とを有しており、接続用端子2a,4a上の保護層6には、接続用端子2a,4aの上面を露出する開口部6a,6bが形成されているとともに、この露出した接続用端子2a,4aの上面から開口部6a,6bの周辺にかけて半田拡散防止層7が形成されているコンデンサである。開口部6a,6b周辺で半田拡散防止層7の応力が緩和され信頼性が高まる。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜型のコンデンサに関するものであり、特に、製造や実装の際の特性の劣化や特性の経年劣化が起こりにくい信頼性の高いコンデンサに関するものである。
従来から、薄膜からなる誘電体を用いた薄膜型のコンデンサが広く知られている。このようなコンデンサにおいては、誘電体として、常誘電体であるチタン酸ストロンチウム(SrTiO)薄膜や、強誘電体であるチタン酸ストロンチウムバリウム((Ba,Sr)TiO)薄膜が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。これらは、IC用誘電体薄膜キャパシタとして従来より使用されているSiO薄膜,Si薄膜,Ta薄膜に比べ誘電率が高いことから、IC用誘電体薄膜キャパシタの小面積化に好適な誘電体材料として期待されている。
薄膜型のコンデンサは、特許文献1に開示されているように、基本的には、基板上にこのような誘電体薄膜を、下面側に形成される下部電極と上面側に形成される上部電極とで挟んだ構造である容量形成部を形成して構成される。
また、このような薄膜型のコンデンサは、特許文献2に開示されているように、容量形成部と外部回路とを接続するための接続用端子を設け、この接続用端子と下部電極または上部電極とを接続する引出し電極を設けることがある。このような構成にした場合には、コンデンサを、外部回路が形成された別の基板上に実装する際に、コンデンサと外部回路とを接続用端子を介して容易かつ確実に電気的に接続することができる。また、特許文献3には、特許文献2に開示された構成のコンデンサにおいて、引出し電極,下部電極または上部電極の一部に接続用端子としての機能を持たせ、この接続用端子上に半田バンプを設けた構成のコンデンサが開示されている。このような場合には、この半田バンプを介在させてコンデンサと外部回路が形成された別の基板とを機械的に接合するとともに電気的にも接続すればよいことが知られている。また、半田バンプを溶融する際に、半田バンプを構成する元素が接続用端子中に拡散することにより、半田バンプと接続用端子とが混ざり合ってしまって、接続用端子が、それらが形成された基板から剥がれやすくなる。このような現象を抑制するために、半田バンプと接続用端子との間に半田拡散防止層を設ければよいことが知られている。
特開平11−260667号公報 特開2004−56097号公報 特開2002−75782号公報
しかしながら、上述のような従来のコンデンサでは、通常は、半田拡散防止層と接続用端子とは異なる材料からなるために、それら両者の線膨張係数差から、製造や実装の際の温度変化や周囲の環境の温度変化により、両者の接続部において応力が働くことから、その接続部が破壊されたり、接続用端子として機能する引出し電極,下部電極または上部電極が、それらが形成された基板から剥がれやすくなったり、密着性が変わったりして、コンデンサとしての特性が不安定になりやすいという問題点があった。
なお、半田拡散防止層と接続用端子とは異なる材料からなる理由としては、半田拡散防止層は半田バンプが溶融する際に半田バンプに溶けにくい材料を選定するのに対して、接続用端子として機能する引出し電極,下部電極または上部電極は電気的な接合部での仕事関数の差や誘電体薄膜に対する化学的な影響を考慮して選定するためである。
本発明は,以上のような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、製造や実装の際の特性の劣化や特性の経年劣化が起こりにくい信頼性の高いコンデンサを提供することにある。
本発明の第1のコンデンサは、支持基板と、前記支持基板上に形成された下部電極層と、前記下部電極層上に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された上部電極層と、からなる容量形成部と、前記下部電極層に接続された第1接続用端子と、前記上部電極層に接続された第2接続用端子と、前記容量形成部、前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子を覆うとともに、前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子の上面が内部に露出した開口部を有する保護層と、前記開口部内に露出した前記第1接続用端子及び第2接続用端子の上面から、前記開口部の周辺にかけて形成された半田拡散防止層と、を具備することを特徴とするものである。
また、本発明の第2のコンデンサは、支持基板と、前記支持基板上に形成された下部電極層と、前記下部電極層上に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された上部電極層と、からなる容量形成部と、前記容量形成部を前記支持基板にかけて覆うとともに、前記上部電極層の上面が内部に露出した貫通穴を有する絶縁層と、前記貫通孔内に露出した前記上部電極層の上面から、前記絶縁層上にかけて前記容量形成部の外側に形成された引出し電極層と、前記下部電極層に接続された第1接続用端子と、前記引出し電極層に接続された第2接続用端子と、前記容量形成部、前記絶縁層、前記引出し電極層、前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子を覆うとともに、前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子の上面が内部に露出した開口部を有する保護層と、前記開口部内に露出した前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子の上面から、前記開口部の周辺にかけて形成された半田拡散防止層と、を具備することを特徴とするものである。
また、本発明の第1および第2のコンデンサは、上記構成において、前記半田拡散防止層上に、Auよりなり、厚みが0.03μm以上1.0μm以下である金属層を具備することを特徴とするものである。
また、本発明の第1および第2のコンデンサは、上記構成において、前記保護層が、熱硬化性樹脂よりなることを特徴とするものである。
また、本発明の第2のコンデンサは、上記構成において、前記上部電極層は、上面視で、前記誘電体層の内側に配置されていることを特徴とするものである。
また、本発明の第1および第2のコンデンサは、上記構成において、前記容量形成部が、複数個直列に接続されていることを特徴とするものである。
本発明の第1のコンデンサによれば、支持基板と、支持基板上に形成された下部電極層と、下部電極層上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された上部電極層と、からなる容量形成部と、下部電極層に接続された第1接続用端子と、上部電極層に接続された第2接続用端子と、容量形成部、第1接続用端子及び第2接続用端子を覆うとともに、第1接続用端子及び第2接続用端子の上面が内部に露出した開口部を有する保護層と、開口部内に露出した第1接続用端子及び第2接続用端子の上面から、開口部の周辺にかけて形成された半田拡散防止層と、を具備することから、開口部の周辺において第1接続用端子または第2接続用端子と半田拡散防止層との間に挟まれた保護層が、異種材料で構成されるために生じる、第1接続用端子または第2接続用端子と半田拡散防止層との間で働く線膨張係数差等による応力を緩和する働きをするため、製造や実装の際の温度変化や周囲の環境の温度変化等があっても、第1接続用端子または第2接続用端子と支持基板との接合状態を安定にすることができるので、製造や実装の際の特性劣化や特性の経年劣化が起こりにくい信頼性の高いものとなる。
本発明の第2のコンデンサによれば、支持基板と、支持基板上に形成された下部電極層と、下部電極層上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された上部電極層と、からなる容量形成部と、容量形成部を支持基板にかけて覆うとともに、上部電極層の上面が内部に露出した貫通穴を有する絶縁層と、貫通孔内に露出した上部電極層の上面から、絶縁層上にかけて容量形成部の外側に形成された引出し電極層と、下部電極層に接続された第1接続用端子と、引出し電極層に接続された第2接続用端子と、容量形成部、絶縁層、引出し電極層、第1接続用端子及び第2接続用端子を覆うとともに、第1接続用端子及び第2接続用端子の上面が内部に露出した開口部を有する保護層と、開口部内に露出した第1接続用端子及び第2接続用端子の上面から、開口部の周辺にかけて形成された半田拡散防止層と、を具備することから、開口部の周辺において第1接続用端子または第2接続用端子と半田拡散防止層との間に挟まれた保護層が、異種材料で構成されるために生じる、第1接続用端子または第2接続用端子と半田拡散防止層との間で働く線膨張係数差等による応力を緩和する働きをするため、製造や実装の際の温度変化や周囲の環境の温度変化等があっても、第1接続用端子または第2接続用端子と支持基板との接合状態を安定にすることができるので、製造や実装の際の特性劣化や特性の経年劣化が起こりにくい信頼性の高いものとなる。
また、本発明の第1および第2のコンデンサによれば、上記構成において、前記半田拡散防止層上に、Auよりなり、厚みが0.03μm以上1.0μm以下である金属層を具備するときには、金属層がAuよりなることで、半田拡散防止層の酸化を抑制して、半田拡散防止層上に半田が確実に装備されるようになる。また、金属層の厚みを0.03μm以上とした場合、半田拡散防止層の酸化をほぼ確実に防止でき、金属層の厚みを1.0μm以下とした場合には、金属層により半田拡散防止層にかかる応力を抑制して、半田拡散防止層の変形、剥離を防止できるので、より信頼性の高いコンデンサとなる。
また、本発明の第1および第2のコンデンサによれば、上記構成において、保護層が、熱硬化性樹脂よりなるときには、熱硬化性樹脂からなる保護層は一般的に半田拡散防止層や接続用端子を構成する金属よりも弾性が高いので、半田拡散防止層の外周部の変位に応じて、半田拡散防止層との接合部において保護層が変位しやすくなり、半田拡散防止層の外周部が保護層から剥離しにくくなるため、信頼性の高いものとなる。
また、本発明の第2のコンデンサによれば、上記構成において、上部電極層は、上面視で、誘電体層の内側に配置されているときには、上部電極層の外周部が誘電体層の外周部よりも内側に位置することにより上部電極層の外周部における下部電極層側への漏れ電流が小さくなるとともに、上部電極層と誘電体層との接合面は段差のない平滑面となるので接合状態が均一となり、上部電極層に応力が作用しても、上部電極層と誘電体層との接合面に均一に応力が作用するので、応力が集中する箇所はなく、接合面全面に応力が分散する。よって、上部電極層と誘電体層との接合状態が変化しにくくなるために電気特性がより安定し、信頼性のより高いものとなる。
また、本発明の第1および第2のコンデンサによれば、上記構成において、前記容量形成部が、複数個直列に接続されているときには、第1接続用端子,第2接続用端子が支持基板から剥離することがなく信頼性が高いので、複数個の容量形成部を直列接続することにより様々な静電容量を設定しやすくしたコンデンサにおいても信頼性の高いものとなる。
以下、本発明に係るコンデンサの最良の形態について模式的に示す図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1のコンデンサの実施の形態の一例を模式的に示す図であり、(a)および(b)はそれぞれ平面図および(a)のA−A’線における線断面図である。また、図2は、本発明の第2のコンデンサの実施の形態の一例を模式的に示す図であり、(a)および(b)はそれぞれ平面図および(a)のA−A’線における線断面図である。また、図3は、本発明の第2のコンデンサの実施の形態の他の例を模式的に示す断面図である。
図1〜図3において、1は支持基板、2は下部電極層、3は誘電体層としての薄膜誘電体層、4は上部電極層、51は第1接続用端子、52は第2接続用端子、6は保護層、7は半田拡散防止層、8は絶縁層、9は引出し電極層、101,102は半田端子である。また、図3において、C1,C2,C3,C4,C5は容量形成部(第1の容量形成部C1,第2の容量形成部C2,第3の容量形成部C3,第4の容量形成部C4,第5の容量形成部C5)である。
図1に示す本発明の第1のコンデンサの実施の形態の一例は、支持基板1と、支持基板1上に形成された下部電極層2と、下部電極層2上に形成された誘電体層3と、誘電体層3上に形成された上部電極層4と、からなる容量形成部と、下部電極層2に接続された第1接続用端子51と、上部電極層4に接続された第2接続用端子52と、容量形成部、第1接続用端子51及び第2接続用端子52を覆うとともに、第1接続用端子51及び第2接続用端子52の上面が内部に露出した開口部6a,6bを有する保護層6と、開口部6a,6b内に露出した第1接続用端子51及び第2接続用端子52の上面から、開口部6a,6bの周辺にかけて形成された半田拡散防止層7と、を具備する構成である。
図1に示す例では、容量形成部の外側まで形成された下部電極層2の一部2aに第1接続用端子51としての機能を、容量形成部の外側まで形成された上部電極層4の一部4aに第2接続用端子52としての機能を、それぞれ持たせている。また、半田拡散防止層7の上に形成する半田端子(図示せず)の高さを揃えるために、第1接続用端子51の形成位置において下部電極層2の一部2a上に上部電極層4と同じ材料からなる導電層を、第2接続用端子52の形成位置において上部電極層4の一部4aの下に下部電極層2と同じ材料からなる導電層をそれぞれ設けてもよい。このような導電層を設けた場合には、第1接続用端子51,第2接続用端子52はこれらの導電層を含んだものとする。
支持基板1は、アルミナなどのセラミック基板、サファイアなどの単結晶基板などである。そして、支持基板1の上に下部電極層2、薄膜誘電体層3および上部電極層4を、順次、支持基板1の全面への成膜・所定の形状へのエッチングの繰り返しにより、所望の形状を有する容量形成部を得ることができる。
下部電極層2は、薄膜誘電体層3の形成に高温スパッタが必要となるため、高融点であることが必要である。具体的には、Pt,Pdなどの金属材料からなるものである。さらに、下部電極層2は、スパッタにより形成した後、薄膜誘電体層3のスパッタ温度である700〜900℃へ加熱され、薄膜誘電体層3のスパッタ開始まで一定時間保持することにより、平坦な層となる。
下部電極層2の厚みは、下部電極層2自身の抵抗成分,特に図1に示す例では、第1接続用端子51から容量形成部までの抵抗成分や、下部電極層2の連続性を考慮した場合には、厚いほうが望ましいが、支持基板1との密着性を考慮した場合は、相対的に薄い方が望ましく、両方を考慮して決定される。具体的には、0.1μm〜10μmである。なぜなら、0.1μmよりも薄くなると、電極自身の抵抗が大きくなるほか、電極の連続性が確保できなくなる可能性があるからであり、一方、10μmより厚くすると、支持基板1との密着性が低下したり、支持基板1のそりを生じる恐れがあるからである。
また、金属材料からなる導体層を、容量形成部および下部電極層2から離間した、第2接続用端子52の形成位置に対応する部分にも形成しておく。なお、この導体層は下部電極層2と同一材料、同一工程でエッチングするパターンを調整することで形成すれば、導体層を形成するために新たな工程を必要としないので好ましい。この部分の導体層(下部電極層2)はコンデンサとしての容量形成には関与しないが、これにより、後述するように第2接続用端子52の端子強度を確保することができる。
薄膜誘電体層3は、少なくともBa,Sr,Tiを含有するペロブスカイト型酸化物結晶粒子からなる高誘電率の誘電体層であることが好ましい。この薄膜誘電体層3は、上述の下部電極層2の表面に形成されている。例えば、ペロブスカイト型酸化物結晶粒子が得られる誘電体材料をターゲットとして、スパッタリングを所望の厚みになる時間まで行う。基板温度を高く、例えば800℃としてスパッタリングを行うことにより、スパッタ後の熱処理を行うことなく、高誘電率で容量変化率の大きい、低損失の薄膜誘電体層3が得られる。薄膜誘電体層3は、図1に示す例では、下部電極層2上から下部電極層2の外縁を超え支持基板1上にも形成する。このように、薄膜誘電体層3が下部電極層2の外縁を超えて形成されていることより、この後形成される上部電極層4と下部電極層2との絶縁を確保することができる。
上部電極層4の材料としては、電極の抵抗を下げるため、抵抗率の小さなAuが望ましいが、薄膜誘電体層3との密着性向上のために、Ptなどを密着層として用いることが望ましい。この上部電極層4の厚みは0.1μm〜10μmとなっている。この厚みの下限については、下部電極層2と同様に、電極自身の抵抗を考慮して設定される。また、厚みの上限については、薄膜誘電体層3との密着性を考慮して設定される。また、上部電極層4は薄膜誘電体層3の上面から支持基板1上の薄膜誘電体層3の外縁を超え、第2接続用端子52の形成位置まで形成される。
ここで、先述のように、第2接続用端子52の形成位置に対応する部分に導体層(下部電極層2)を形成しておくことにより、第2接続用端子52としての機能を持たせた上部電極層4の一部4aは、金属−金属接合となり密着性が向上し、端子強度が増加する。
保護層6は、コンデンサの構成部材を機械的に保護するほか、薬品等の汚染からも保護するためのものであり、材料としては二酸化ケイ素や窒化ケイ素、シリコーン樹脂などを用いればよいが、特にポリイミド樹脂やBCB(ベンゾシクロブテン)樹脂などの熱硬化性樹脂が好適である。保護層6として弾性の高い熱硬化性樹脂を用いることにより、保護層6に形成された開口部6a,6bの外周部上に形成される半田拡散防止層7の変位に対応することができ、半田拡散防止層7と上部電極層4または下部電極層2との間に発生する応力を効果的に緩和させることができるとともに、半田拡散防止層7と保護層6との剥離も抑制することができるので信頼性の高いコンデンサを提供することができる。
保護層6の開口部6a,6bは、保護層6を容量形成部,第1接続用端子51及び第2接続用端子52から支持基板1にかけて全面に形成してから、通常のエッチングにより、所望の位置に所望の形状に設ければよい。
一方、保護層6として感光性樹脂を用いれば、露光,現像により所望の形状とした後、所定の温度,雰囲気にて硬化させればよいので、より簡便に保護層6を形成することができる。
また、保護層6の開口部6a,6bの断面形状としては、上部電極層4の一部4aまたは下部電極層の一部2aと接する下面が上面よりも小さくなっており、開口部の側面が傾斜を有した構造が好適である。開口部6a,6bの側面を傾斜を有した構造とすることで、保護層6の上面と開口部6a,6b内に露出する上部電極層4あるいは下部電極層2との急激な段差が緩和され、半田拡散防止層7が段差部で局所的に薄くなることなく、第1接続用端子51(2a)上または第2接続用端子52(4a)上から開口部6a、6bの周辺まで均一な膜厚で形成でき、その結果、半田拡散防止層7のどの場所に位置においても、上部電極層4あるいは下部電極層2への半田の拡散を確実に防止できるようになるからである。また、開口部6a,6bの大きさや平面形状等は外部回路と確実に接続できれば特に制限はなく、自由に設計できる。
半田拡散防止層7は、中央部が開口部6aの内側に露出した第1接続用端子51としての下部電極層2の一部2a,開口部6bの内側に露出した第2接続用端子52としての上部電極層4の一部4a上に設けられるとともに、外縁部側が保護層6の開口部6a,6bの周辺にかけて保護層6上に設けられる。
半田拡散防止層7は、半田端子形成の際のリフローや実装の際に、半田の電極への拡散を防止するために形成する。金(Au),銀(Ag)または銅(Cu)系の通常知られる半田バンプに対しては、ニッケル(Ni)が好適である。また、半田拡散防止層7の表面には、半田濡れ性を向上させるために、半田濡れ性の高いAuからなる金属層(図示せず)を、0.03μm〜0.1μm程度形成することが好ましい。このような金属層により、半田拡散防止層7およびその下に位置する層に付加される応力が少ない状態で、半田拡散防止層7の酸化を確実に抑制することができる。さらに、この金属層を半田拡散防止層7の上面内に位置するように形成すれば、一般に半田に対する濡れ性が半田拡散防止層7に比べて良い金属層の位置に半田端子が形成される。このように、半田拡散防止層7上における金属層の形成位置を調整することにより、半田拡散防止層7上への半田端子の形成位置を制御することができるため、半田端子による半田拡散防止層7への応力が、その外周部に集中し、保護層6上から半田拡散防止層7が剥離してしまうことを抑制できるように、半田拡散防止層7上の半田の位置を決めることができる。
半田拡散防止層7上には、実装を容易にするために半田端子部(図示せず)を形成する。半田端子部は、半田ペーストを印刷後、リフローを行うことにより、形成するのが一般的である。
また、第1接続用端子51,第2接続用端子52は、図1に示す例では下部電極層2,上部電極層4の一部2a,4aにその機能を持たせたが、個別に設け、それぞれを下部電極層2または上部電極層4に接続してもよい。
図1に示す本発明の第1のコンデンサによれば、第1接続用端子51としての下部電極層2,第2接続用端子52としての上部電極層4と半田拡散防止層7との間に挟まれた領域の保護層6が、開口部6a,6bの周辺において、通常は異種材料で構成されるために生じる、下部電極層2,上部電極層4と半田拡散防止層7との間で働く線膨張係数差等による応力を緩和する働きをするため、製造や実装の際の温度変化や周囲の環境の温度変化等があっても、第1接続用端子51,第2接続用端子52と支持基板1との各接合状態を安定にすることができるので、製造や実装の際の特性の劣化や特性の経年劣化が起こりにくい信頼性の高いものとなる。
これは、従来まではコンデンサを保護するために、外部回路との接続用端子部に半田拡散防止層を形成した後に、最後に形成されていた保護層6が、本発明においては、半田拡散防止層7の形成前に形成され、半田拡散防止層7が保護層6の開口部6a,6bの内側に露出した第1接続用端子51,第2接続用端子52の上面から、保護層6の開口部6a,6bの周辺部にかけて形成されている構成によるものである。このような構成とすることにより、第1接続用端子51または第2接続用端子52と半田拡散防止層7との間に生じる応力が集中する半田拡散防止層7の外縁部が保護層6と接していることから、外縁部にかかる応力を第1接続用端子51,第2接続用端子52に比べ厚い保護層6に逃がすことができる。さらに、第1接続用端子51,第2接続用端子52が支持基板1から剥離する応力が加わったとしても、保護層6が第1接続用端子51,第2接続用端子52を支持基板1側に押さえる働きをするため、信頼性の高いコンデンサを提供することができる。
さらに、このような構成とすることから、半田拡散防止層7を形成した状態では、保護層6の開口部6a,6bにおいて第1接続用端子51,第2接続用端子52が露出する部位がないため、半田拡散防止層7の上に設けられる半田バンプを溶融する際に、半田バンプが半田拡散防止層7を境にして第1接続用端子51(2a),第2接続用端子52(4a)側に溶け出す、いわゆる半田喰われを確実に防止することができ、信頼性の高いものとなる。
次に、図2に本発明の第2のコンデンサの実施の形態の一例を示す。
図2において、図1と同様の箇所については同一の符号を付し、それらについての重複する説明は省略する。
図1と図2とは、図1に示す例では、第2接続用端子52を上部電極層4と接続したが、図2に示す例では、第2接続用端子52を上部電極層4の上面から容量形成部の外側まで形成する引出し電極層9に接続する点で異なる。
図2に示す本発明の第2のコンデンサの実施の形態の一例は、支持基板1と、支持基板1上に形成された下部電極層2と、下部電極層2上に形成された誘電体層3と、誘電体層3上に形成された上部電極層4と、からなる容量形成部と、容量形成部を支持基板1にかけて覆うとともに、上部電極層4の上面が内部に露出した貫通穴8aを有する絶縁層8と、貫通孔8a内に露出した上部電極層4の上面から、絶縁層8上にかけて容量形成部の外側に形成された引出し電極層9と、下部電極層2に接続された第1接続用端子51と、引出し電極層9に接続された第2接続用端子52と、容量形成部、絶縁層8、引出し電極層9、第1接続用端子51及び第2接続用端子52を覆うとともに、第1接続用端子51及び第2接続用端子52の上面が内部に露出した開口部6a,6bを有する保護層6と、開口部6a,6b内に露出した第1接続用端子51及び第2接続用端子52の上面から、開口部6a,6bの周辺にかけて形成された半田拡散防止層7と、を具備する構成となっている。
図2においては、下部電極層2を容量形成部の外側まで延ばして形成し、容量形成部の外側における一部2aに第1接続用端子51としての機能を、容量形成部の外側における引出し電極層9の一部9aに第2接続用端子52としての機能を、それぞれ持たせている。
また、図2においては、上面視で、下部電極層2の内側に薄膜誘電体層3が配置され、薄膜誘電体層3の内側に上部電極層4が配置されている。このような構成とすることにより、上部電極層4の外周部における下部電極層2側への漏れ電流が小さくなるとともに、上部電極層4と誘電体層3との接合面が段差のない平滑面となるので接合状態が均一であるため、上部電極層4に応力が作用しても、上部電極層4と誘電体層3との接合面に均一に応力が作用するので、応力が集中する部分がなく、接合面全面に均等に応力が分散する。よって、上部電極層4と誘電体層3との接合状態が変化しにくくなるために電気特性がより安定し、信頼性のより高いものとなる。また、支持基板1上全面に下部電極層2,薄膜誘電体層3,上部電極層4を積層してから、上に位置する層から順次パターニングすることができるので、各層の間における付着物等の混入を防ぐことができるので、コンデンサとしての性能の安定した、信頼性の高いコンデンサを提供することができる。
次に本発明の第2のコンデンサに特有の各構成要素について、製造方法も含め、さらに詳細に説明する。
支持基板1は、アルミナなどのセラミック基板、サファイアなどの単結晶基板などである。そして、支持基板1の上に下部電極層2、薄膜誘電体層3および上部電極層4を、順次、支持基板の全面に成膜する。全層成膜終了後、上部電極層4、薄膜誘電体層3および下部電極層2を、順次、所定の形状にエッチングして容量形成部を形成する。
次に、絶縁層8を、この上に形成する引出し電極層9と下部電極層2との絶縁を確保するために形成する。絶縁層8の材料は、耐湿性を向上させるために、例えば、窒化ケイ素および酸化ケイ素の少なくとも1種類よりなるものとすればよい。これらは、被覆性を考慮して、化学気相堆積(CVD)法などにより、成膜することが望ましい。
絶縁層8は、通常のレジストを用いるドライエッチング法などにより、所望の形状にすることができる。ここで、絶縁層8には、引出し電極層9と上部電極層4との接続を確保するために、上部電極層4に貫通孔8aを設けている。また、第1接続用端子51(2a)と後から形成される引出し電極層9と同じ材料で形成される導電層との間、後から形成される第2接続用端子52(9a)と第2接続用端子52形成位置における導電層(下部電極層2)と間の接続をそれぞれ確保するための貫通孔8b,8cを下部電極層2上に設けている。なお、絶縁層8の貫通孔は、上記の上部電極4上(8a)、および2ヶ所の下部電極層2上(8b,8c)のみとしておくことが、耐湿性向上の観点から好ましい。
引出し電極層9は、第2接続用端子52と、容量形成部とを電気的に接続する。引出し電極層9の材料としては、Au,Cu(銅)などの低抵抗な金属を用いることが望ましい。また、引出し電極層9は、絶縁層8との密着性を考慮して、Ti(チタン),Ni(ニッケル)などの密着層の上に形成してもよい。
次に、第1接続用端子51を構成する導電層を、第1接続用端子52の上面における絶縁層8の貫通孔8bに露出する下部電極層2a上に、金属材料で形成する。なお、引出し電極層9を形成する際に、第1接続用電極51を構成する導電層を同時に形成するようにパターニングすれば、引出し電極層9と同一材料、同一工程にて導電層を形成できるので好ましい。
保護層6は素子を外部から機械的に保護するほか、薬品等による汚染から保護する。保護層6形成時には、第1接続用端子51、第2接続用端子52(9a)の一部を露出するような開口部6a,6bを設ける。
次に、図1と同様に半田拡散防止層7、必要に応じて金属層を設け、その上に半田端子部(図示せず)を形成する。これは、実装を容易にするために、半田ペーストを印刷後、リフローを行うことにより、形成するのが一般的である。
図2に示す本発明の第2のコンデンサによれば、第1接続用端子51としての下部電極層2,第2接続用端子52としての引出し電極層9と半田拡散防止層7との間に挟まれた領域の保護層6が、開口部6a,6bの周辺において、通常は異種材料で構成されるために生じる、下部電極層2,引出し電極層9と半田拡散防止層7との間で働く線膨張係数差等による応力を緩和する働きをするため、製造や実装の際の温度変化や周囲の環境の温度変化等があっても、第1接続用端子51,第2接続用端子52と支持基板1と各部との各接合状態を安定にすることができるので、製造や実装の際の特性の劣化や特性の経年劣化が起こりにくい信頼性の高いものとなる。
これは、従来まではコンデンサを保護するために、外部回路との接続用端子部に半田拡散防止層を形成した後に最後に形成されていた保護層6が、本発明においては、半田拡散防止層7の形成前に形成され、半田拡散防止層7が保護層6の開口部6a,6bの内側に露出した第1接続用端子51,第2接続用端子52の上面から、保護層6の開口部6a,6bの周辺部にかけて形成されている構成によるものである。このような構成とすることにより、第1接続用端子51または第2接続用端子52と半田拡散防止層7との間に生じる応力が集中する半田拡散防止層7の外縁部が保護層6と接していることから、外縁部にかかる応力を第1接続用端子51,第2接続用端子52に比べ厚い保護層6に逃がすことができる。さらに、第1接続用端子51,第2接続用端子52が支持基板1から剥離する応力が加わったとしても、保護層6が第1接続用端子51,第2接続用端子52を支持基板1側に押さえる働きをするため、信頼性の高いコンデンサを提供することができる。
さらに、このような構成とすることから、半田拡散防止層7を形成した状態では、保護層6の開口部6a,6bにおいて第1接続用端子51,第2接続用端子52が露出する部位がないため、半田拡散防止層7の上に設けられる半田バンプを溶融する際に、半田バンプが半田拡散防止層7を境にして第1接続用端子51(2a),第2接続用端子52(9a)側に溶け出す、いわゆる半田喰われを確実に防止することができ、信頼性の高いものとなる。
次に、図3は、5個の容量形成部が直列に接続されている場合の本発明の第2のコンデンサの実施の形態の一例を示すものである。図3において、C1,C2,C3,C4,C5は容量形成部(第1の容量形成部C1,第2の容量形成部C2,第3の容量形成部C3,第4の容量形成部C4,第5の容量形成部C5)である。また、101,102は半田端子部である。
図3において、図1、図2と同様の箇所には同一の符合を付し、その部分に関する重複する説明は省略する。
第2接続用端子52と第1の容量形成部C1の上部電極層4とは引出し電極層9により接続され、第1の容量形成部C1と第2の容量形成部C2とは下部電極層2を共有することにより直列接続され、第2の容量形成部C2と第3の容量形成部C3とはお互いの上部電極層4を引出し電極層9で接続されることで直列接続され、第3の容量形成部C3と第4の容量形成部C4とは下部電極層2を共有することにより直列接続され、第4の容量形成部C4と第5の容量形成部C5とはお互いの上部電極層4を引出し電極層9で接続されることで直列接続され、第5の容量形成部C5と第1接続用端子51とは下部電極層2を共有することにより接続されている。このような構成とすることで、第2接続用端子52から第1接続用端子51まで、容量形成部C1〜C5が直列に接続された構成となる。
このように複数の容量形成部を直列接続したものとすれば、全体の容量値に対する、個々の容量形成部の容量値の変動幅が小さなものとなるから、容量値の製造ばらつきを小さくしたり、個々の容量形成部の容量値の様々な組み合わせにより容量値を緻密に設定することができるものとなる。また、第1接続用端子51,第2接続用端子52が支持基板1から剥離することがなく信頼性が高いので、複数個の容量形成部を直列接続することにより様々な静電容量を設定しやすくしたコンデンサにおいても信頼性の高いものとなる。
また、各容量形成部の容量値が等しい場合には、直列に接続したコンデンサの容量値は、各コンデンサの容量形成部の容量値に容量形成部の個数を乗じた値となるので、同容量のコンデンサを得るために、1つの容量形成部により1ヶ所で容量を形成する場合に比べ電極面積を大きくすることができる。このため、例えコンデンサに対する要求特性が低容量であっても製造が簡易となり、上部電極層4の加工精度が向上するとともに、再現性も向上する。また、各容量形成部を直列に接続しているので、高周波電圧が各容量形成部に分圧されるため、各々の容量形成部に印加される高周波電圧は小さくなる。このため、例えば本発明のコンデンサの損失抵抗による単位面積当たりの発熱量を小さくでき、耐電力性を向上させることができる。
以上のように、本発明によれば、製造や実装の際の特性の劣化や特性の経年劣化が起こりにくい信頼性の高いコンデンサを提供することができる。
なお、本発明のコンデンサは上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形・改良が可能である。例えば、図1〜図3に示す例では、下部電極層の一部,上部電極層の一部,引出し電極層の一部に、第1接続用端子,第2接続用端子としての機能を持たせた例について説明したが、第1接続用端子,第2接続用端子として前記材料と異なる導電性材料からなる膜を用いてもよい。その場合には、導電性のみに着眼して材料を選択することができるので、電気的な損失の少ないコンデンサを提供することができる。
また、薄膜誘電体層を印加電圧により容量が変化する材料を用いることにより可変コンデンサとすることもできる。さらに、この場合に容量形成部に別途容量を制御するためのバイアス電極を接続してもよい。
さらに、図3において、第1の容量形成部C1と第2の容量形成部C2とは、下部電極層1のみを共有しているが、上部電極層4が互いに離間していれば誘電体層3も共有した構成としてもよい。第3の容量形成部C3と第4の容量形成部C4とも同様である。
次に、本発明をより具体化した実施例について説明する。実施例として、図3に示す本発明の第2のコンデンサを例にとり説明する。
直列に接続された可変容量素子(容量形成部)の個数を5個として以下のように作製した。
支持基板1としてサファイアのR基板上に、下部電極層2としてPtを、基板温度500℃でスパッタ法にて成膜した。薄膜誘電体層3として(Ba0.5Sr0.5)TiOからなるターゲットを用い、基板温度は800℃,成膜時間は15分で、同一バッチで成膜した。成膜開始前に、Pt電極の平坦化のためのアニールとして800℃で15分間保持した。その上に上部電極層4としてPtを同一バッチで成膜した。次に、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィの手法によりこのフォトレジストを所定の形状に加工した後、ECR装置により上部電極層4をエッチングした。その後、同様に薄膜誘電体層3、下部電極層2をエッチングした。
次に、絶縁層8として、SiO膜をTEOSガスを原料とするCVD装置により成膜した。次に、この上にフォトレジストを塗布し、所望の形状に加工した後、RIE装置により所定の形状にエッチングを行った。
次に、引出し電極層9として、PtおよびAuをスパッタにて成膜し、Ptからなる層の上にAuからなる層を積層し、所定の形状に加工した。
最後に保護層6、半田拡散防止層7、半田端子101,102を順次形成して図3に示す本発明のコンデンサを得た。保護層6には感光性ポリイミド樹脂を、半田拡散防止層7にはNiをそれぞれ用いた。保護層6は、溶液を支持基板全面に塗布後、プリベーク、露光、現像にて所定の形状としたのち、加熱硬化させて形成した。半田拡散防止層7のパターニングは、通常のフォトリソグラフィ法によりレジストを形成後、ウェットエッチング法で、それぞれ行った。
一方、比較用のコンデンサとして、引出し電極層9の作製までは、上記と同じ方法で作製し、その後、半田拡散防止層7を形成してから、保護層6および半田端子101,102を順次形成したものも作製した。すなわち、比較用のコンデンサでは、特許文献3に開示されている従来のコンデンサのように、半田拡散防止層7の全面が下部電極層2,引出し電極層9上に形成されており、その半田拡散防止層7の上に保護層6およびその開口部6a,6bが形成されている。
そして、作製した本発明および比較用のコンデンサについて、次のような温度サイクル試験を行った。
温度サイクル試験は、温度範囲は−40℃〜+85℃として、100サイクル行った。100個の本発明のコンデンサに対して、上記温度サイクル試験を行った結果、全てのサンプルにおいて第1または第2の接続用端子部分の剥離等は見られなかった。初期値に対する容量変化の様子を表す線図を図4に示す。図4において、横軸はサイクル回数、縦軸は初期値に対する容量変化量の割合を示しており、線図は本発明のコンデンサ100個の平均値の推移であり、エラーバーは±3σを示している。図4から明らかなように、初期値に対する容量変化量の割合は±2%以下であった。
一方、比較用のコンデンサに対して同様の試験を行った結果、100個のコンデンサのうち、37個のコンデンサで第1または第2の接続用端子部の剥離が確認された。
比較用のコンデンサでは端子部51,52の剥離が多発したのに対して、本発明のコンデンサでは端子部51,52の剥離はなく、特性変化も極めて小さかった。
以上のように、本実施例においても、本発明のコンデンサが信頼性の高いコンデンサであることを確認できた。
本発明の第1のコンデンサの実施の形態の一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)はそのA−A’部の線断面図である。 本発明の第2のコンデンサの実施の形態の一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)はそのA−A’部の線断面図である。 本発明の第2のコンデンサの実施の形態の他の例を模式的に示す断面図である。 本発明のコンデンサに対する温度サイクル試験における容量変化を示す線図である。
符号の説明
1・・・支持基板
2・・・下部電極層
3・・・薄膜誘電体層
4・・・上部電極層
6・・・保護層
7・・・半田拡散防止層
8・・・絶縁層
9・・・引出し電極層
51・・・第1接続用端子
52・・・第2接続用端子
101,102・・・半田端子

Claims (6)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に形成された下部電極層と、前記下部電極層上に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された上部電極層と、からなる容量形成部と、
    前記下部電極層に接続された第1接続用端子と、
    前記上部電極層に接続された第2接続用端子と、
    前記容量形成部、前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子を覆うとともに、前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子の上面が内部に露出した開口部を有する保護層と、
    前記開口部内に露出した前記第1接続用端子及び第2接続用端子の上面から、前記開口部の周辺にかけて形成された半田拡散防止層と、を具備することを特徴とするコンデンサ。
  2. 支持基板と、
    前記支持基板上に形成された下部電極層と、前記下部電極層上に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された上部電極層と、からなる容量形成部と、
    前記容量形成部を前記支持基板にかけて覆うとともに、前記上部電極層の上面が内部に露出した貫通穴を有する絶縁層と、
    前記貫通孔内に露出した前記上部電極層の上面から、前記絶縁層上にかけて前記容量形成部の外側に形成された引出し電極層と、
    前記下部電極層に接続された第1接続用端子と、
    前記引出し電極層に接続された第2接続用端子と、
    前記容量形成部、前記絶縁層、前記引出し電極層、前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子を覆うとともに、前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子の上面が内部に露出した開口部を有する保護層と、
    前記開口部内に露出した前記第1接続用端子及び前記第2接続用端子の上面から、前記開口部の周辺にかけて形成された半田拡散防止層と、を具備することを特徴とするコンデンサ。
  3. 前記半田拡散防止層上に、Auよりなり、厚みが0.03μm以上1.0μm以下である金属層を具備することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のコンデンサ。
  4. 前記保護層が、熱硬化性樹脂よりなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンデンサ。
  5. 前記上部電極層は、上面視で、前記誘電体層の内側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ。
  6. 前記容量形成部が、複数個直列に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のコンデンサ。

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