JP2007198577A - 湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓 - Google Patents

湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓を提供する。
【解決手段】本発明は、湯及び水を混合して吐出させる湯水混合装置(20)であって、湯水混合装置本体(21)と、湯水混合装置本体の内部に移動可能に配置され、湯水混合装置本体内に流入する湯及び水の流量を変化させる主弁体(30)と、湯水混合装置本体の内部に配置され、所定方向の付勢力を発生する付勢手段(32)と、混合された湯の温度に応じて、付勢手段とは逆方向の付勢力を発生する感温付勢手段(34)と、付勢手段による付勢力及び感温付勢手段による付勢力に応じて位置が移動される付勢力均衡部材(40)と、この付勢力均衡部材の移動を主弁体に伝達し、主弁体を付勢力均衡部材の移動距離よりも長い距離移動させる移動量増幅手段(60)と、を有することを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓に関し、特に、供給された湯及び水を混合し、適温に調整された湯を吐出させる湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓に関する。
特開平8−42744号公報(特許文献1)には、湯水混合装置が記載されている。この湯水混合装置は、円筒状の湯水混合装置本体内部に摺動可能に配置された円筒状の主弁体の両側に感温ばねとバイアスばねが配置され、これらのばねによる付勢力が釣り合う位置に主弁体が移動されるように構成されている。この構造により、主弁体は、混合された湯の温度が上昇すると、感温ばねの付勢力が増加して湯水混合装置本体に形成された湯側シート面と主弁体との間の隙間が狭くなり、水側シート面と主弁体との間の隙間が広くなるように移動される。これにより、湯水混合装置から吐出される湯の温度が所定の温度に調整される。
しかしながら、このような湯水混合装置では、湯又は水の供給圧力が急激に変化した場合等に、吐出される湯の温度が設定温度からずれることがあるという問題がある。特開2000−266227号公報(特許文献2)には、湯水混合装置の温度調節性能を向上させ、吐出される湯の温度の設定温度からのずれを抑制するには、湯側シート面と水側シート面との間で移動される主弁体のストロークを小さくすることが有効であることが記載されている。これは、感温ばねとバイアスばねによる付勢力が釣り合う位置が大きく移動すると、感温ばね及びバイアスばねが発生する付勢力が適正な設計値から外れてしまうためである。
特開平8−42744号公報 特開2000−266227号公報
しかしながら、温度調節性能を向上させるために、特開2000−266227号公報に記載されているように、湯側シート面と水側シート面との間で移動される主弁体のストロークを小さくすると、湯又は水が流入する各シート面と主弁体との間の隙間が狭くなる。このため、供給された湯及び水を湯水混合装置本体内部に流入させる流路面積が小さくなり、湯水混合装置の吐出流量が減少してしまうという問題がある。
従って、本発明は、十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、供給された湯及び水を混合し、適温に調整された湯を吐出させる湯水混合装置であって、湯水混合装置本体と、湯水混合装置本体の内部に移動可能に配置され、移動されることにより、湯水混合装置本体内に流入する湯及び水の流量を変化させる主弁体と、湯水混合装置本体の内部に配置され、主弁体を所定方向に摺動させる付勢力を発生する付勢手段と、湯水混合装置本体の内部に配置され、湯水混合装置本体内に流入して混合された湯の温度に応じて、付勢手段とは逆方向に主弁体を摺動させる付勢力を発生する感温付勢手段と、付勢手段による付勢力及び感温付勢手段による付勢力に応じて位置が移動される付勢力均衡部材と、この付勢力均衡部材の移動を主弁体に伝達し、主弁体を付勢力均衡部材の移動距離よりも長い距離移動させる移動量増幅手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、主弁体が湯水混合装置本体の内部に移動可能に配置されている。また、付勢力均衡部材は、付勢手段の付勢力及びこの付勢力とは逆方向の付勢力を発生する感温付勢手段の付勢力に応じて位置が移動される。移動量増幅手段は、付勢力均衡部材の移動を主弁体に伝達し、主弁体を付勢力均衡部材の移動距離よりも長い距離移動させる。湯水混合装置本体内で混合された湯の温度が変化すると、感温付勢手段が発生する付勢力が変化し、付勢力均衡部材が移動され、この移動が移動量増幅手段によって主弁体に伝達されることにより、湯水混合装置本体内に流入する湯及び水の流量が変化され、吐出される湯の温度が調整される。
このように構成された本発明によれば、付勢力均衡部材の移動距離が、移動量増幅手段によって増幅されて主弁体が移動されるので、付勢力均衡部材の移動距離に対して主弁体が移動されるストロークを大きくすることができ、十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、移動量増幅手段は、付勢力均衡部材の移動距離を増幅して主弁体を移動させるリンク機構である。
このように構成された本発明においては、付勢力均衡部材の移動は、リンク機構によって増幅され、主弁体は付勢力均衡部材の移動距離よりも長い距離移動される。
このように構成された本発明によれば、簡単な機構により、付勢力均衡部材の移動距離を増幅することができる。
本発明において、好ましくは、リンク機構は、先端が主弁体に連結され、基端が湯水混合装置本体内に位置が固定された支点を中心に回動可能に取り付けられた回動アームを備え、この回動アームの先端と基端の間に付勢力均衡部材が当接することによって、付勢力均衡部材の移動距離を増幅して主弁体を移動させる。
このように構成された本発明においては、回動アームが支点を中心に回動可能に取り付けられ、この回動アームの先端が主弁体に連結されている。付勢力均衡部材は、回動アームの先端と基端の間に当接して回動アームを回動させ、付勢力均衡部材の移動距離よりも長い距離主弁体を移動させる。
このように構成された本発明によれば、簡単な機構により、付勢力均衡部材の移動距離を増幅することができる。
本発明において、好ましくは、移動量増幅手段は、付勢力均衡部材に形成された第1雌ねじ部に螺合される第1雄ねじ部、及びこの第1雄ねじ部よりもねじ山のピッチが大きい第2雄ねじ部が第1雄ねじ部と同一の軸線上に形成された回転部材と、第2雄ねじ部に螺合される第2雌ねじ部が形成され、主弁体と共に移動される平行移動部材と、を有し、付勢力均衡部材が回転部材に対して平行移動されると、回転部材が回転され、回転部材の回転により、平行移動部材が付勢力均衡部材よりも長い距離平行移動される。
このように構成された本発明においては、第1雌ねじ部が形成された付勢力均衡部材が移動されると、第1雌ねじ部に螺合された第1雄ねじ部を備えた回転部材が回転される。回転部材が回転されると、その第2雄ねじ部が回転され、第2雄ねじ部に螺合された第2雌ねじ部が形成された平行移動部材が平行移動され、これと共に主弁体が移動される。第2雄ねじ部及び第2雌ねじ部のねじ山のピッチは、第1雄ねじ部及び第1雌ねじ部のねじ山のピッチよりも大きいため、平行移動部材の移動距離は付勢力均衡部材の移動距離よりも長くなる。
このように構成された本発明によれば、簡単な機構により、付勢力均衡部材の移動距離を増幅することができる。
本発明において、好ましくは、移動量増幅手段は、付勢力均衡部材に形成された第1ピストンを摺動可能に受け入れる第1シリンダ、及びこの第1シリンダと連通し、断面積が第1シリンダよりも小さい第2シリンダを形成した圧力室形成部と、第2シリンダに摺動可能に受け入れられる第2ピストンが形成され、主弁体と共に移動される平行移動部材と、を有し、付勢力均衡部材が圧力室形成部材に対して平行移動されると、第1シリンダ内の圧力変化が第2シリンダに伝達され、平行移動部材が付勢力均衡部材よりも長い距離平行移動される。
このように構成された本発明においては、付勢力均衡部材に形成された第1ピストンが圧力室形成部に形成された第1シリンダ内で摺動されると、第1シリンダに連通した第2シリンダ内の圧力が変化し、第2シリンダに受け入れられた第2ピストンが摺動される。第2ピストンが摺動されると、第2ピストンを備えた平行移動部材が移動され、これと共に主弁体が移動される。第2シリンダの断面積は第1シリンダの断面積よりも小さいため、第2ピストンが摺動される距離は、第1ピストンが摺動される距離よりも長くなる。
このように構成された本発明によれば、簡単な機構により、付勢力均衡部材の移動距離を増幅することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、湯水混合装置本体内に配置され、付勢手段、感温付勢手段、付勢力均衡部材、又は移動量増幅手段の少なくとも一部を覆うことによって、湯水混合装置本体内に流入した水及び湯の動圧力が、付勢手段、感温付勢手段、付勢力均衡部材、又は移動量増幅手段に直接作用するのを抑制するシールド部材を有する。
このように構成された本発明によれば、シールド部材が、付勢手段、感温付勢手段、付勢力均衡部材、又は移動量増幅手段に、湯水混合装置本体内に流入した水及び湯の動圧力が直接作用するのを抑制するので、湯水混合装置の温度調節機能が、動圧力によって悪影響を受けるのを防止することができる。
また、本発明の湯水混合水栓は、本発明の湯水混合装置と、この湯水混合装置を収納する水栓本体と、湯水混合装置によって混合された湯の吐水状態と止水状態を切替える開閉弁と、混合された湯を吐出させる吐出部と、を有することを特徴としている。
本発明の湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓によれば、十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による湯水混合水栓を説明する。
まず、図1乃至図5を参照して、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓全体を示す斜視図である。図2は本実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の断面図であり、図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による湯水混合水栓1は、水栓本体2と、この水栓本体2に給湯器(図示せず)からの湯を供給する湯供給脚4と、水栓本体2に水道水を供給する水供給脚6と、を有する。さらに、湯水混合水栓1は、水栓本体2左端部に取り付けられた湯温調節用ダイヤル8と、右端部に取り付けられた吐止水切替ハンドル10と、を有する。また、湯水混合水栓1は、温度調節された湯を吐出させる吐出部であるカラン12及びシャワーヘッド14を有する。さらに、水栓本体2には、開閉弁である切替バルブ16が内蔵されている。本実施形態の湯水混合水栓1は、湯供給脚4及び水供給脚6から夫々供給された湯及び水を、湯温調節用ダイヤル8によって設定された温度になるように混合し、吐止水切替ハンドル10の操作により、カラン12又はシャワーヘッド14から吐出させるように構成されている。
湯供給脚4は、壁面に設けられた給湯管(図示せず)と水栓本体2とを連結し、水栓本体2に湯を供給するように構成されている。
水供給脚6は、壁面に設けられた水道管(図示せず)と水栓本体2とを連結し、水栓本体2に水を供給するように構成されている。
水栓本体2には、湯供給脚4及び水供給脚6を介して導入された湯及び水を、適宜混合して所望の温度に調節する湯水混合装置20(図2)が内蔵されている。また、水栓本体2に取り付けられた吐止水切替ハンドル10は、これを回転操作することによって、水栓本体2に内蔵された切替バルブ16を切替え、止水状態、カラン12からの吐水状態、シャワーヘッド14からの吐水状態が切替えられるようになっている。吐止水切替ハンドル10をカランの側に回転させると、湯水混合装置20(図2)によって適温に混合された湯がカラン12から吐水され、吐止水切替ハンドル10をシャワーの側に回転させると、適温に混合された湯が、シャワーヘッド14から吐水される。
また、湯温調節用ダイヤル8は、これを廻すことによって水栓本体2に内蔵された湯水混合装置20を操作し、湯水混合装置20によって調節される湯の温度を変化させることができるように構成されている。
次に、図2乃至図5を参照して、本実施形態の湯水混合水栓1に内蔵された湯水混合装置20を説明する。図4は湯水混合装置20の分解斜視図である。また、図5は湯水混合装置20に内蔵されたシールド部材の斜視図である。
図2及び図3に示すように、湯水混合装置20は、第1本体部材22と、この第1本体部材22に嵌め込まれる第2本体部材24と、湯温調節用ダイヤル8に連結される送りねじ26と、この送りねじ26に螺合され、送りねじ26が回転されると第1本体部材22内で摺動する摺動部材28と、を有する。また、湯水混合装置20は、第1本体部材22の内部に移動可能に配置された主弁体30と、主弁体30を図2及び図3における右方向に付勢する付勢手段であるバイアスばね32と、バイアスばね32とは反対方向の図2及び図3における左方向に主弁体30を付勢する感温付勢手段である感温ばね34と、を有する。本実施形態においては、感温ばね34として、形状記憶合金製のコイルばねを使用している。
図2乃至図4に示すように、第1本体部材22は、概ね円筒状の形態であり、図2及び図3において右側に位置する第2本体部材24が嵌め込まれることにより湯水混合装置本体21を構成している。また、第1本体部材22には、湯を流入させるための湯導入口22a及び水を流入させるための水導入口22bが夫々円周方向に設けられている。また、湯導入口22aの図3における左側の端面は、主弁体30と当接する湯側シート面22cとして形成されている。
第2本体部材24は概ね円筒状の形態であり、その中心には、一方の端部から他方の開放された端部に向けて軸線方向に延びる支柱24aが形成されている。また、第2本体部材24は、開放された端部を、第1本体部材22の端部に嵌め込むことによって、第1本体部材22に取り付けられている。また、第2本体部材24の開放した端部の先端は、主弁体30と当接する水側シート面24bとして形成されている。さらに、第2本体部材24の水側シート面24bとは反対側の端部には、湯水混合装置本体21内で混合された湯を流出させる吐出口24cが形成されている。
送りねじ26は、第1本体部材22の内部に回転可能に配置されている。送りねじ26の一方の端部には、湯温調節用ダイヤル8が取り付けられるスプライン部26aが形成され、他方の端部には、摺動部材28と螺合される送り雄ねじ部26bが形成されている。
摺動部材28は、概ね円筒形の形態であり、第1本体部材22の内部に摺動可能に配置されている。また、摺動部材28の外側には、軸線方向の溝28a(図4)が形成されており、この溝28aが、第1本体部材22の内部に形成された軸線方向に延びる突起(図示せず)を受け入れることによって、摺動部材28の第1本体部材22に対する回転が拘束されている。さらに、摺動部材28の内側には、送りねじ26の送り雄ねじ部26bと螺合される送り雌ねじ部28bが形成されている。これにより、送りねじ26を回転させると、摺動部材28は第1本体部材22の軸線方向に摺動される。
次に、湯水混合装置本体21内で混合された湯の温度に応じて、主弁体30を移動させる機構を説明する。
図2及び図3に示すように、主弁体30は概ね円筒状の部材であり、その両端には、軸線方向に摺動されることにより湯側シート面22c又は水側シート面24bと当接するシート部が形成されている。また、主弁体30の左側には、可動支柱38と、バイアスばね32と、ばね押え金具36が配置されている。可動支柱38は円柱状の部材であり、その主弁体30側の端部には拡径部38aが形成されている。また、ばね押え金具36は、中央部が隆起したドーナツ板状の金具である。可動支柱38の、主弁体30とは反対側の端部には、Cクランプ36aが取り付けられ、ばね押え金具36を位置決めしている。バイアスばね32は、可動支柱38の拡径部38aとばね押え金具36の間に挟まれ、予め圧縮された状態で可動支柱38の周囲に配置される。
また、図2及び図3に示すように、主弁体30の右側には、第2本体部材24の支柱24aを取り囲むように、付勢力均衡部材である可動スリーブ40と、感温ばね34が配置されている。可動スリーブ40は、概ね円筒状の部材であり、支柱24aの周囲に摺動可能に配置されている。さらに、感温ばね34は、支柱24aを取り囲むように配置され、その図3における左側の端部は可動スリーブ40に当接し、右側の端部は第2本体部材24の内壁面の端部に当接するように配置されている。
また、主弁体30の内側には、第2本体部材24の支柱24aの先端と主弁体30を連結する3本の回動アーム60が配置されている。この3本の回動アーム60は、支柱24aの中心軸線から120゜ずつ間隔を隔てて放射方向に延びるように配置されており、その基端には、概ね円柱状の円柱部60aが形成されている。この円柱部60aは、図2に示すように、支柱24aの先端に形成された凹部24dと支柱24aの先端に差し込まれたピン62の頭との間に回動可能に受け入れられている。この構成により、回動アーム60は、その基端を中心に回動することができる。一方、回動アーム60の先端には凹部60bが形成されており、この凹部60bは、主弁体30の内壁面に形成された円柱状の突起30aを受け入れている。この構成により、回動アーム60が、その円柱部60aを中心に回動されると、主弁体30は図2及び図3における左右方向に移動される。
さらに、図2に示すように、回動アーム60の両側面の中間部には、可動支柱38及び可動スリーブ40が当接されている。摺動部材28が、図2及び図3における右方向に移動され、摺動部材28とばね押え金具36が当接するようになると、可動支柱38の拡径部38aは、バイアスばね32の付勢力により、右方向に付勢される。一方、この状態では、可動スリーブ40は、感温ばね34の付勢力により、図2及び図3における左方向に付勢される。このため、可動支柱38と可動スリーブ40の間に挟まれた回動アーム60の中間部は、可動支柱38の拡径部38a及び可動スリーブ40の先端部から、互いに反対方向の付勢力を受けることになる。
湯水混合装置20の使用時においては、可動支柱38及び可動スリーブ40は、バイアスばね32の付勢力と感温ばね34の付勢力が釣り合う位置まで移動される。この可動支柱38及び可動スリーブ40の移動に伴って、それらの間に挟まれた各回動アーム60が回動される。回動アーム60が回動されると、回動アーム60の先端に係合された主弁体30が、軸線方向に移動される。本実施形態においては、回動アーム60の回動中心から主弁体30と回動アーム60が係合する点までの距離は、回動アーム60の回動中心から回動アーム60と可動スリーブ40が当接する点までの距離の約2倍である。従って、主弁体30は、バイアスばね32及び感温ばね34の付勢力によって、付勢力均衡部材である可動スリーブ40が移動された距離の約2倍の距離移動される。
即ち、回動アーム60は、可動支柱38及び可動スリーブ40の移動距離を増幅して主弁体を移動させるリンク機構として作用する。また、本実施形態においては、回動アーム60は、可動支柱38及び可動スリーブ40の移動を主弁体に伝達し、主弁体を可動支柱38及び可動スリーブ40の移動距離よりも長い距離移動させる移動量増幅手段として機能する。
一方、図2及び図3に示すように、湯水隔離手段であるゴム製のOリング42が、主弁体30の外周に配置されている。このOリング42は、主弁体30の外周と第1本体部材22の内壁面との間に位置し、湯水混合装置本体21内に流入した湯及び水が主弁体30の外側で混合されるのを防止している。また、Oリング42に隣接して、位置規制部材である脚付スペーサーリング46が配置されている。図4に示すように、脚付スペーサーリング46は、軸線方向に延びる6本の脚部46aを備えた、環状のリングである。図3に示すように、この脚部46aの先端は、第2本体部材24の水側シート面24bに当接するように配置されている。また、脚付スペーサーリング46の反対側には、第1本体部材22の内壁に設けられた段部22dが形成されている。これにより、Oリング42の位置は、第1本体部材22の内壁の段部22d及び脚付スペーサーリング46によって規制され、第1本体部材22内の所定の位置に位置決めされる。
一方、第1本体部材22の、図2及び図3における左側の端面には、ばね金具48が配置されている。このばね金具48は、送りねじ26と共に回転されるように、スプライン部26aの基端部に係合されている。さらに、ばね金具48をスプライン部26aの基端部に押付けるために、Oリング50がスプライン部26aの基端の周囲に配置されている。ばね金具48は、円弧状に延びる2本の板ばね部48aと、その先端に夫々形成された、山形に折り曲げられた係合部48bと、を有する。
また、図4に示すように、第1本体部材22の端面には、その外周部に設けられた放射状のスプライン部22eが形成されている。このスプライン部22eには、ばね金具48の係合部48bが、板ばね部48aを介して押付けられている。この構成により、送りねじ26を回転させると、ばね金具48が共に回転され、その際、スプライン部22eに押付けられた係合部48bが、スプラインの山を乗り越えることにより、送りねじ26の回転にクリック感が与えられる。
一方、第1本体部材22の外側には、湯導入口22a及び水導入口22bを覆うように、円筒状のフィルター52、54が夫々配置されており、湯又は水に混入したゴミ等が、湯水混合装置20内に流入するのを防止している。
さらに、図2及び図3に示すように、湯水混合装置本体21の内部には、バイアスばね32、感温ばね34等を取り囲むように筒状のシールド部材64が配置されている。
図5(a)はシールド部材64を分解した状態の斜視図であり、(b)は組み立てた状態の斜視図である。図5(a)に示すように、シールド部材64は、シールド部材本体64aとシールド部材キャップ64bから組み立てられている。また、図5(b)に示すように、シールド部材64の側面には、回動アーム60を通すための3つの長円形穴66が形成されている(図5には2つのみ図示)。さらに、シールド部材64の側面には、湯水混合装置本体21内で混合された湯を、シールド部材64の内部に流入させるための9つの丸穴68が形成されている(図5には6つのみ図示)。また、シールド部材64の側面には、3つのスペーサー突起70が形成されており(図5には2つのみ図示)、このスペーサー突起70により、シールド部材64を湯水混合装置本体21内のほぼ中央に位置決めしている。さらに、シールド部材64の一方の端部には、半径方向内方に向かって延びるフランジ部72(図2)が形成されている。図2及び図3に示すように、このフランジ部72は、感温ばね34と第2本体部材24の端部との間に挟まれており、シールド部材64の位置が固定されている。
次に、図1乃至図5を参照して、本発明の実施形態による湯水混合水栓1の作用を説明する。
まず、湯水混合水栓1の使用者は、湯温調節用ダイヤル8を所望の温度に設定する。ここで、湯温調節用ダイヤル8を最低温度に設定した場合には、摺動部材28は図2及び図3における左端に位置される。この状態では、摺動部材28がばね押え金具36から離間するのでバイアスばね32による付勢力は作用せず、主弁体30の湯側のシート部は、感温ばね34の付勢力により湯側シート面22cに当接される。即ち、湯水混合装置本体21内には、水のみが流入できる状態となる。
次に、使用者が設定温度を上昇させるために、湯温調節用ダイヤル8を操作して送りねじ26を回転させると、摺動部材28は図2及び図3における右方向に移動され、摺動部材28はばね押え金具36と当接する。これにより、バイアスばね32による付勢力も主弁体30に作用するようになり、可動スリーブ40及び可動支柱38は、バイアスばね32の付勢力と感温ばね34の付勢力が釣り合う位置に移動される。この移動により、回動アーム60の中間部が可動スリーブ40又は可動支柱38によって押圧され、回動アーム60は円柱部60aを中心に回動される。回動アーム60が回動されると、これと共に回動アーム60の先端に係合された主弁体30も移動される。この際、主弁体30の移動距離は、可動スリーブ40及び可動支柱38の移動距離の約2倍になる。
湯温調節用ダイヤル8を設定した後、使用者が吐止水切替ハンドル10を操作して、切替バルブ16を止水位置からカラン12又はシャワーヘッド14からの吐水位置に切替えると、カラン又はシャワーからの吐水が開始される。吐水が開始されると、湯供給脚4から導入された湯は、フィルター52を介して湯導入口22aに流入し、水供給脚6から導入された水は、フィルター54を介して水導入口22bに流入する。湯導入口22aから流入した湯は主弁体30の湯側のシート部と湯側シート面22cの間を通って湯水混合装置本体21内部に流入し、水導入口22bから流入した水は主弁体30の水側のシート部と水側シート面24bの間を通って湯水混合装置本体21内部に流入する。
湯水混合装置本体21に流入した湯は、主弁体30の内側を通って、図2及び図3における右方向に流れる。また、湯水混合装置本体21に流入した水は、主弁体30の中を流れる湯と混合され、吐出口24cから流出する。この際、混合された湯と水は、ほぼ均一な温度にされて感温ばね34の周囲及び内部を流れる。吐出口24cから流出した湯は、切替バルブ16(図1)を通って、カラン12又はシャワーヘッド14から吐出される。
感温ばね34の周囲及び内部を流れる湯の温度が設定温度よりも高い場合には、感温ばね34は伸びるように作用するので、感温ばね34による付勢力が増大する。これにより、可動スリーブ40は図2及び図3における左側に移動され、その位置で感温ばね34による付勢力とバイアスばね32による付勢力が釣り合うようになる。可動スリーブ40が移動されることにより、各回動アーム60は回動され、これにより、主弁体30も左方向に移動される。上述のように、この際の主弁体30の移動距離は、可動スリーブ40の移動距離の約2倍になる。主弁体30が左方向に移動されることにより、湯側のシート部と湯側シート面22cの間の距離は短くなり、水側のシート部と水側シート面24bの間の距離は長くなるので、湯水混合装置本体21に流入する水の割合が増大し、吐出される湯の温度が低下する。
逆に、感温ばね34の周囲及び内部を流れる湯の温度が設定温度よりも低い場合には、感温ばね34による付勢力は減少し、可動スリーブ40は図2及び図3における右方向に移動され、これに伴って主弁体30も右方向に移動されて、吐出される湯の温度が上昇する。これらの作用により、カラン12又はシャワーヘッド14から吐出される湯の温度が、設定温度に調節される。
また、湯側のシート部と湯側シート面22cの間を通って流入する湯、及び水側のシート部と水側シート面24bの間を通って流入する水は、各シート部とシート面との間の狭い隙間を通過するため、流速が速くなる。湯水混合装置本体21内に配置されたシールド部材64は、バイアスばね32、可動支柱38、可動スリーブ40、感温ばね34、回動アーム60等を取り囲むように配置されているため、大きな流速で湯水混合装置本体21内に流入した湯及び水が、直接これらの部品に衝突するのが防止される。これにより、流入した湯及び水の動圧力がバイアスばね32や感温ばね34等に作用し、これらのばねの付勢力以外の力によって主弁体30が移動され、湯水混合装置20の温度調節機能に悪影響を与えることが防止される。また、混合された湯及び水は、主に丸穴68を通ってシールド部材64の内部に流入して、感温ばね34に接触する。これにより、感温ばね34は、混合された湯及び水の温度に応じた付勢力を発生する。
本発明の第1実施形態の湯水混合水栓によれば、主弁体30は、回動アーム60によって、可動スリーブ40及び可動支柱38が移動した距離の約2倍の距離移動されるため、バイアスばね32及び感温ばね34の伸縮により直接主弁体30を移動させた場合に比べ、約2倍の距離主弁体30を移動させることができる。従って、主弁体30のストロークを従来の湯水混合装置と同程度にした場合、バイアスばね32と感温ばね34の釣り合い位置の移動距離を約1/2にすることができる。これにより、湯及び水を湯水混合装置本体21内に流入させる流路面積を十分に確保しながら、バイアスばね32及び感温ばね34の伸縮量を約1/2にすることができ、湯水混合装置の温度調節性能を向上させることができる。
また、本実施形態の湯水混合水栓によれば、シールド部材64が、バイアスばね32、感温ばね34、可動スリーブ40、又は回動アーム60に、湯水混合装置本体21内に流入した水及び湯の動圧力が直接作用するのを抑制するので、湯水混合装置20の温度調節機能が、動圧力によって悪影響を受けるのを防止することができる。
上述した実施形態においては、バイアスばね32及び感温ばね34の付勢力によって、付勢力均衡部材として機能する可動支柱38及び可動スリーブ40が移動され、これらの部材を介して回動アーム60が押圧され、回動されていたが、変形例として、バイアスばね32及び/又は感温ばね34が、回動アーム60を直接押圧するように構成することもできる。このように構成された場合においては、バイアスばね32又は感温ばね34が、付勢力均衡部材の機能を兼ねることになる。
また、上述した実施形態においては、回動アーム60がリンク機構として作用し、可動スリーブ40の移動量を増幅しているが、付勢力均衡部材の移動距離を増幅して主弁体を移動させる任意のリンク機構を採用することができる。例えば、回動アームを回動させる回動中心をアームの中間部に配置し、その両側に主弁体及び付勢力均衡部材が連結されるように構成することもできる。
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の第2実施形態による湯水混合水栓を説明する。本実施形態の湯水混合水栓は、内蔵されている湯水混合装置の主弁体を移動させる機構が第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
図6は本実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の断面図であり、図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図である。また、図8は湯水混合装置の分解斜視図である。
図6乃至図8に示すように、湯水混合装置120は、第1本体部材122と、第2本体部材124と、送りねじ126と、摺動部材128と、を有する。また、湯水混合装置120は、第1本体部材122の内部に移動可能に配置された主弁体130と、付勢手段であるバイアスばね132と、反対方向に主弁体130を付勢する感温付勢手段である感温ばね134と、を有する。
図6乃至図8に示すように、第1本体部材122は、第2本体部材124が嵌め込まれることにより湯水混合装置本体121を構成している。また、第1本体部材122には、湯導入口122a及び水導入口122bが夫々円周方向に設けられている。また、湯導入口122aの一方の端面は、湯側シート面122cとして形成されている。
第2本体部材124は概ね円筒状の形態であり、その中心には、一方の端部から他方の開放された端部に向けて軸線方向に延びる正方形断面のガイド筒部124aが形成されている。また、第2本体部材124は、開放された端部を、第1本体部材122の端部に嵌め込むことによって、第1本体部材122に取り付けられている。また、第2本体部材124の開放した端部の先端は、主弁体130と当接する水側シート面124bとして形成されている。さらに、第2本体部材124の水側シート面124bとは反対側の端部には、湯水混合装置本体121内で混合された湯を流出させる吐出口124cが形成されている。
次に、湯水混合装置本体121内で混合された湯の温度に応じて、主弁体130を移動させる機構を説明する。
図6及び図7に示すように、主弁体130は概ね円筒状の部材であり、その両端には、シート部が形成されている。また、主弁体130の左側には、平行移動部材である第1可動支柱138と、バイアスばね132と、ばね押え金具136が配置されている。また、主弁体130の中央部には、第1可動支柱138を取り付けるためのボス部130aが形成されている。このボス部130aは、主弁体130の内壁面から半径方向内方に延びる3本のアーム130b(図6には1本のみ図示)により、主弁体130の中心軸線上に支持されている。
第1可動支柱138は円柱状の部材であり、その主弁体130側の端部には拡径部138aが形成されており、この拡径部138aが主弁体130のボス部130aに取り付けられている。また、ばね押え金具136は、中央部が隆起したドーナツ板状の金具である。第1可動支柱138の、主弁体130とは反対側の端部には、Cクランプ136aが取り付けられ、ばね押え金具136を位置決めしている。バイアスばね132は、主弁体130のボス部130aとばね押え金具136の間に挟まれた状態で第1可動支柱138の周囲に配置される。
また、図6及び図7に示すように、主弁体130の右側には、第2本体部材124のガイド筒部124aによって摺動可能に案内される付勢力均衡部材である第2可動支柱140と、感温ばね134が配置されている。第2可動支柱140は、ガイド筒部124aに受け入れられる四角柱状の摺動部140aと、摺動部140aよりも外径の大きい円柱状の形態を有し、感温ばね134と当接する中央部140bと、この中央部140bから摺動部140aの反対側に延びる2本の円柱状の突出部140cと、を有する。さらに、感温ばね134は、摺動部140a及びガイド筒部124aを取り囲むように配置され、その図6及び図7における左側の端部は中央部140bに当接し、右側の端部は第2本体部材124の内壁面の端部に当接するように配置されている。
第2可動支柱140の四角柱状の摺動部140aは、第2本体部材124の正方形断面のガイド筒部124aに摺動可能に受け入れられているので、第2可動支柱140は、その軸線方向の摺動は許容されるが、第2本体部材124に対する回転は拘束されている。また、第2可動支柱140の中央部140bから延びる2本の円柱状の突出部140cは、主弁体130のボス部130aに形成された2つのボア(図示せず)に夫々摺動可能に受け入れられている。これにより、主弁体130の第2可動支柱140に対する軸線方向の摺動は許容されるが、第2可動支柱140に対する回転は拘束されている。従って、主弁体130に取り付けられている第1可動支柱138の第2可動支柱140に対する回転も拘束されている。
また、図6及び図7に示すように、湯水混合装置本体121の中心軸線上には、第1可動支柱138、主弁体130及び第2可動支柱140を貫通するように移動量増幅手段である回転部材160が回転可能に配置されている。回転部材160は、第1雄ねじ部160aと、この第1雄ねじ部160aと同心上に形成された第1雄ねじ部160aよりもねじ山のピッチが大きい雄ねじが形成された第2雄ねじ部160bと、を有する。さらに、回転部材160は、第1雄ねじ部160aから湯水混合装置本体121の中心軸線上に延びる第1シャフト160cと、第2雄ねじ部160bから延びる第2シャフト160dと、を有する。
第1雄ねじ部160aは、第2可動支柱140の中央部140bの中心に形成された第1雌ねじ部140dに螺合されている。また、第1雄ねじ部160aから延びる第1シャフト160cは、第2可動支柱140の摺動部140aを貫通して延び、その先端は、第2本体部材124の軸受け部124dに回転可能に支持されている。
一方、第2雄ねじ部160bは、第1可動支柱138の拡径部138aの中心に形成された第2雌ねじ部138bに螺合されている。また、第2雄ねじ部160bから延びる第2シャフト160dは、第1可動支柱138を貫通して延び、その先端は、送りねじ126の軸受け部126cに回転可能に支持されている。
この構成により、回転部材160は、その中心軸線を中心とする回転は許容されるが、軸線方向の平行移動は拘束されている。従って、第2可動支柱140が軸線方向に移動されると、これに螺合された回転部材160は、第1雌ねじ部140dと第1雄ねじ部160aの作用により回転される。さらに、回転部材160が回転されると、その第2雄ねじ部160bに螺合された第1可動支柱138は、第2雄ねじ部160bと第2雌ねじ部138bの作用により軸線方向に移動される。この第1可動支柱138の移動に伴って、これに取り付けられた主弁体130も移動される。
即ち、第2可動支柱140が軸線方向に移動されると、回転部材160が回転され、それにより、第1可動支柱138及び主弁体130が軸線方向に移動される。ここで、第2雄ねじ部160bのねじ山のピッチは、第1雄ねじ部160aのねじ山のピッチよりも大きいため、第1可動支柱138及び主弁体130の軸線方向の移動距離は、第2可動支柱140の軸線方向の移動距離よりも大きくなる。本実施形態においては、第2雄ねじ部160bのねじ山のピッチは、第1雄ねじ部160aのねじ山のピッチの約2倍であるため、主弁体130の移動距離は、第2可動支柱140の移動距離の約2倍になる。
一方、図6及び図7に示すように、湯水隔離手段であるゴム製のOリング142が、主弁体130の外周に配置されている。また、Oリング142の隣には、位置規制部材である脚付スペーサーリング146が配置されている。Oリング142の位置は、第1本体部材122の内壁の段部122d及び脚付スペーサーリング146によって規制され、第1本体部材122内の所定の位置に位置決めされる。
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の第2実施形態による湯水混合水栓の作用を説明する。
まず、湯温調節用ダイヤル8を最低温度に設定した場合には、摺動部材128は図6及び図7における左端に位置され、バイアスばね132による付勢力は作用しない。この状態では、主弁体130の湯側のシート部は、感温ばね134の付勢力により湯側シート面122cに当接され、水のみが湯水混合装置本体121内に流入される。
次に、湯温調節用ダイヤル8を操作して送りねじ126を回転させると、摺動部材128は図6及び図7における右方向に移動され、摺動部材128はばね押え金具136と当接する。これにより、バイアスばね132による付勢力も主弁体130に作用するようになる。バイアスばね132の付勢力は、第1可動支柱138及び主弁体130を右方向に移動させ、これにより、回転部材160が回転される。この回転部材160の回転は、第2可動支柱140を右方向に移動させる。第2可動支柱140は、バイアスばね132による付勢力と、感温ばね134による付勢力が釣り合う位置まで移動される。
湯温調節用ダイヤル8を設定した後、使用者が吐止水切替ハンドル10を操作して、切替バルブ16を止水位置からカラン12又はシャワーヘッド14からの吐水位置に切替えると、カラン又はシャワーからの吐水が開始される。吐水が開始されると、湯供給脚4から導入された湯は、湯導入口122aに流入し、水供給脚6から導入された水は、水導入口122bに流入する。湯導入口122aから流入した湯は主弁体130の湯側のシート部と湯側シート面122cの間を通って湯水混合装置本体121内部に流入し、水導入口122bから流入した水は主弁体130の水側のシート部と水側シート面124bの間を通って湯水混合装置本体121内部に流入する。
湯水混合装置本体121に流入した湯及び水は混合され、吐出口124cから流出する。この際、混合された湯と水は、ほぼ均一な温度にされて感温ばね134の周囲を流れる。感温ばね134の周囲を流れる湯の温度が設定温度よりも高い場合には、感温ばね134による付勢力が増大する。これにより、第2可動支柱140は図6及び図7における左側に移動され、回転部材160を回転させる。この回転部材160の回転は、第1可動支柱138及び主弁体130を左側に移動させる。第1可動支柱138及び主弁体130は、感温ばね134による付勢力とバイアスばね132による付勢力が釣り合うまで移動される。上述のように、この際の主弁体130の移動距離は、第2可動支柱140の移動距離の約2倍になる。主弁体130が左方向に移動されることにより、湯側のシート部と湯側シート面122cの間の距離は短くなり、水側のシート部と水側シート面124bの間の距離は長くなるので、湯水混合装置本体121に流入する水の割合が増大し、吐出される湯の温度が低下する。
逆に、感温ばね134の周囲を流れる湯の温度が設定温度よりも低い場合には、感温ばね134による付勢力は減少し、第2可動支柱140は図6及び図7における右方向に移動され、これに伴って主弁体130も右方向に移動されて、吐出される湯の温度が上昇する。これらの作用により、カラン12又はシャワーヘッド14から吐出される湯の温度が、設定温度に調節される。
本発明の第2実施形態の湯水混合水栓によれば、主弁体130は、回転部材160によって、第2可動支柱140が移動した距離の約2倍の距離移動されるため、感温ばね134の伸縮により直接主弁体130を移動させた場合に比べ、約2倍の距離主弁体130を移動させることができる。従って、主弁体130のストロークを従来の湯水混合装置と同程度にした場合、感温ばね134の伸縮量を約1/2にすることができる。これにより、湯及び水を湯水混合装置本体121内に流入させる流路面積を十分に確保しながら、感温ばね134の伸縮量を短縮して、湯水混合装置の温度調節性能を向上させることができる。
また、上述した本発明の第2実施形態においては、回転部材160の回転により、平行移動部材である第1可動支柱138が平行移動され、これに取り付けられた主弁体130が移動されていたが、第1可動支柱138と主弁体130を一体に形成することもできる。この場合には、主弁体が平行移動部材を兼ねることになる。
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の第3実施形態による湯水混合水栓を説明する。本実施形態の湯水混合水栓は、内蔵されている湯水混合装置の主弁体を移動させる機構が第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
図9は本実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の断面図であり、図10は、図9のX−X線に沿う断面図である。また、図11は湯水混合装置の分解斜視図である。
図9乃至図11に示すように、湯水混合装置220は、第1本体部材222と、第2本体部材224と、送りねじ226と、摺動部材228と、を有する。また、湯水混合装置220は、第1本体部材222の内部に移動可能に配置された主弁体230と、付勢手段であるバイアスばね232と、反対方向に主弁体230を付勢する感温付勢手段である感温ばね234と、を有する。
図9乃至図11に示すように、第1本体部材222は、第2本体部材224が嵌め込まれることにより湯水混合装置本体221を構成している。また、第1本体部材222には、湯導入口222a及び水導入口222bが夫々円周方向に設けられている。また、湯導入口222aの一方の端面は、湯側シート面222cとして形成されている。
第2本体部材224は概ね円筒状の形態であり、その一方の端部を、第1本体部材222の端部に嵌め込むことによって、第1本体部材222に取り付けられている。また、第2本体部材224の第1本体部材222に嵌め込まれる側の中心軸線上には、圧力室形成部224aが設けられている。この圧力室形成部224aは、第2本体部材224の内壁面から半径方向内方に延びる3本のアーム224b(図11)により、第2本体部材224の中心軸線上に支持されている。圧力室形成部224aの内部には、第1シリンダ224cと、第1シリンダ224cよりも内径が小さい第2シリンダ224dが、同心円状に形成されている。また、第2本体部材224の第1本体部材222に嵌め込まれている端部の先端は、主弁体230と当接する水側シート面224eとして形成されている。
さらに、第2本体部材224の水側シート面224eとは反対側の端部には、第2本体部材キャップ225が取り付けられている。この第2本体部材キャップ225には、湯水混合装置本体221内で混合された湯を流出させる吐出口225aが形成されている。また、第2本体部材キャップ225の中心には、軸線方向に延びる支柱225bが形成されている。
次に、湯水混合装置本体221内で混合された湯の温度に応じて、主弁体230を移動させる機構を説明する。
図9及び図10に示すように、主弁体230は概ね円筒状の部材であり、その両端には、シート部が形成されている。また、主弁体230の左側には、平行移動部材である第1可動支柱238と、バイアスばね232と、ばね押え金具236が配置されている。また、主弁体230の中央部には、第1可動支柱238を取り付けるためのボス部230aが形成されている。このボス部230aは、主弁体230の内壁面から半径方向内方に延びる3本のアーム230b(図9には1本のみ図示)により、主弁体230の中心軸線上に支持されている。
第1可動支柱238は円柱状の部材であり、その中央には拡径部238aが形成されており、この拡径部238aが主弁体230のボス部230aに取り付けられている。また、拡径部238aから、図9及び図10における右方向に突出するように、圧力室形成部224aの第2シリンダ224dに受け入れられる第2ピストン238bが形成されている。
また、ばね押え金具236は、中央部が隆起したドーナツ板状の金具である。第1可動支柱238の、第2ピストン238bとは反対側の端部には、Cクランプ236aが取り付けられ、ばね押え金具236を位置決めしている。バイアスばね232は、主弁体230のボス部230aとばね押え金具236の間に挟まれ、予め圧縮された状態で第1可動支柱238の周囲に配置される。
また、図9及び図10に示すように、主弁体230の右側には、圧力室形成部224aの第1シリンダ224cに受け入れられる第1ピストン240aが形成された付勢力均衡部材240と、感温ばね234が配置されている。感温ばね234は、第2本体部材キャップ225の支柱225bを取り囲むように配置されており、第2本体部材キャップ225と付勢力均衡部材240との間に挟まれて保持されている。
図9及び図10に示すように、圧力室形成部224aに形成された第1シリンダ224c及び第2シリンダ224dは、同心円状に連通するように構成されている。これらの第1シリンダ224c及び第2シリンダ224dには、第1ピストン240a及び第2ピストン238bが夫々嵌め込まれており、これらのピストン及びシリンダによって囲まれた空間にはシリコンオイルが封入されている。
この構成により、第1ピストン240aを第1シリンダ224cの中に押し込むように、図9及び図10における左方向に移動させると、シリコンオイルの圧力により第2ピストン238bが左方向に移動される。逆に、第2ピストン238bを右方向に移動させると、シリコンオイルの圧力により第1ピストン240aが右方向に移動される。また、第1シリンダ224cの断面積は、第2シリンダ224dの断面積よりも大きいため、第1ピストン240aを第1シリンダ224cの中に押し込んだ際の第2ピストン238bの移動距離は、第1ピストン240aを押し込んだ距離よりも長くなる。本実施形態においては、第1シリンダ224cの断面積は、第2シリンダ224dの断面積の約2倍であるため、第2ピストン238bの移動距離は第1ピストン240aの移動距離の約2倍になる。従って、本実施形態において、圧力室形成部224a、第1ピストン240a、及び第2ピストン238bは、移動量増幅手段として機能する。
一方、図9及び図10に示すように、湯水隔離手段であるゴム製のOリング242が、主弁体230の外周に配置されている。また、Oリング242の隣には、位置規制部材である脚付スペーサーリング246が配置されている。Oリング242の位置は、第1本体部材222の内壁の段部222d及び脚付スペーサーリング246によって規制され、第1本体部材222内の所定の位置に位置決めされる。
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の第3実施形態による湯水混合水栓の作用を説明する。
まず、湯温調節用ダイヤル8を最低温度に設定した場合には、摺動部材228は図9及び図10における左端に位置され、バイアスばね232による付勢力は作用しない。この状態では、主弁体230の湯側のシート部は、感温ばね234の付勢力により湯側シート面222cに当接され、水のみが湯水混合装置本体221内に流入される。
次に、湯温調節用ダイヤル8を操作して送りねじ226を回転させると、摺動部材228は図9及び図10における右方向に移動され、摺動部材228はばね押え金具236と当接する。これにより、バイアスばね232による付勢力も主弁体230に作用するようになる。バイアスばね232の付勢力は、第1可動支柱238及び主弁体230を右方向に移動させ、これにより、第2ピストン238bが第2シリンダ224dに押し込まれる。この第2ピストン238bの移動は、第1ピストン240aを右方向に移動させる。第1ピストン240aは、バイアスばね232による付勢力と、感温ばね234による付勢力が釣り合う位置まで移動される。
湯温調節用ダイヤル8を設定した後、使用者が吐止水切替ハンドル10を操作して、切替バルブ16を止水位置からカラン12又はシャワーヘッド14からの吐水位置に切替えると、カラン又はシャワーからの吐水が開始される。吐水が開始されると、湯供給脚4から導入された湯は、湯導入口222aに流入し、水供給脚6から導入された水は、水導入口222bに流入する。湯導入口222aから流入した湯は主弁体230の湯側のシート部と湯側シート面222cの間を通って湯水混合装置本体221内部に流入し、水導入口222bから流入した水は主弁体230の水側のシート部と水側シート面224eの間を通って湯水混合装置本体221内部に流入する。
湯水混合装置本体221に流入した湯及び水は混合され、吐出口225aから流出する。この際、混合された湯と水は、ほぼ均一な温度にされて感温ばね234の周囲を流れる。感温ばね234の周囲を流れる湯の温度が設定温度よりも高い場合には、感温ばね234による付勢力が増大する。これにより、付勢力均衡部材240は図9及び図10における左側に移動され、第1ピストン240aを第1シリンダ224cに押し込む。第1ピストン240aが第1シリンダ224cに押し込まれると、第2ピストン238bが押圧され、第1可動支柱238及び主弁体230が左側に移動される。第1可動支柱238及び主弁体230は、感温ばね234による付勢力とバイアスばね232による付勢力が釣り合うまで移動される。上述のように、この際の主弁体230の移動距離は、第1ピストン240aの移動距離、即ち、付勢力均衡部材240の移動距離の約2倍になる。主弁体230が左方向に移動されることにより、湯側のシート部と湯側シート面222cの間の距離は短くなり、水側のシート部と水側シート面224bの間の距離は長くなるので、湯水混合装置本体221に流入する水の割合が増大し、吐出される湯の温度が低下する。
逆に、感温ばね234の周囲を流れる湯の温度が設定温度よりも低い場合には、感温ばね234による付勢力は減少し、第1ピストン240aは図9及び図10における右方向に移動され、これに伴って主弁体230も右方向に移動されて、吐出される湯の温度が上昇する。これらの作用により、カラン12又はシャワーヘッド14から吐出される湯の温度が、設定温度に調節される。
本発明の第3実施形態の湯水混合水栓によれば、主弁体230は、付勢力均衡部材240が移動した距離の約2倍の距離移動されるため、感温ばね234の伸縮により直接主弁体230を移動させた場合に比べ、約2倍の距離主弁体230を移動させることができる。従って、主弁体230のストロークを従来の湯水混合装置と同程度にした場合、感温ばね234の伸縮量を約1/2にすることができる。これにより、湯及び水を湯水混合装置本体221内に流入させる流路面積を十分に確保しながら、感温ばね234の伸縮量を短縮して、湯水混合装置の温度調節性能を向上させることができる。
また、上述した本実施形態の湯水混合水栓においては、第1ピストン240aの移動が、第2ピストン238bを形成した平行移動部材である第1可動支柱238を移動させ、これに取り付けられた主弁体230を移動させていたが、第1可動支柱238と主弁体230を一体に構成することもできる。この場合には、主弁体が平行移動部材を兼ねることになる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、感温付勢手段として形状記憶合金製の感温ばねが使用されていたが、封入されたワックスが熱により液化される際の体積変化を利用したワックスエレメント等を、感温付勢手段として用いることもできる。
本発明の第1実施形態による湯水混合水栓全体を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の断面図である。 図2におけるIII−III線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の分解斜視図である。 湯水混合装置に内蔵されたシールド部材を(a)分解した状態の斜視図、及び(b)組み立てた状態の斜視図である。 本発明の第2実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の断面図である。 図6におけるVII−VII線に沿う断面図である。 本発明の第2実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の分解斜視図である。 本発明の第3実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の断面図である。 図9におけるX−X線に沿う断面図である。 本発明の第3実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の分解斜視図である。
符号の説明
1 湯水混合水栓
2 水栓本体
4 湯供給脚
6 水供給脚
8 湯温調節用ダイヤル
10 吐止水切替ハンドル
12 カラン
14 シャワーヘッド
16 切替バルブ
20 湯水混合装置
21 湯水混合装置本体
22 第1本体部材
22a 湯導入口
22b 水導入口
22c 湯側シート面
22d 段部
22e スプライン部
24 第2本体部材
24a 支柱
24b 水側シート面
24c 吐出口
24d 凹部
26 送りねじ
26a スプライン部
26b 送り雄ねじ部
28 摺動部材
28a 溝
28b 送り雌ねじ部
30 主弁体
30a 突起
32 バイアスばね
34 感温ばね
36 ばね押え金具
36a Cクランプ
38 可動支柱
38a 拡径部
40 可動スリーブ
42 Oリング
46 脚付スペーサーリング
48 ばね金具
48a 板ばね部
48b 係合部
50 Oリング
52 フィルター
54 フィルター
60 回動アーム
60a 円柱部
60b 凹部
62 ピン
64 シールド部材
64a シールド部材本体
64b シールド部材キャップ
66 長円形穴
68 丸穴
70 スペーサー突起
72 フランジ部
120 湯水混合装置
121 湯水混合装置本体
122 第1本体部材
122a 湯導入口
122b 水導入口
122c 湯側シート面
122d 段部
124 第2本体部材
124a ガイド筒部
124b 水側シート面
124c 吐出口
124d 軸受け部
126 送りねじ
126a スプライン部
126b 送り雄ねじ部
126c 軸受け部
128 摺動部材
128a 溝
128b 送り雌ねじ部
130 主弁体
130a ボス部
130b アーム
132 バイアスばね
134 感温ばね
136 ばね押え金具
136a Cクランプ
138 第1可動支柱
138a 拡径部
138b 第2雌ねじ部
140 第2可動支柱
140a 摺動部
140b 中央部
140c 突出部
140d 第1雌ねじ部
142O リング
146 脚付スペーサーリング
148 ばね金具
148a 板ばね部
148b 係合部
150 Oリング
152 フィルター
154 フィルター
160 回転部材
160a 第1雄ねじ部
160b 第2雄ねじ部
160c 第1シャフト
160d 第2シャフト
220 湯水混合装置
222 第1本体部材
222a 湯導入口
222b 水導入口
222c 湯側シート面
222d 段部
224 第2本体部材
224a 圧力室形成部
224b アーム
224c 第1シリンダ
224d 第2シリンダ
224e 水側シート面
225 第2本体部材キャップ
225a 吐出口
225b 支柱
226 送りねじ
228 摺動部材
230 主弁体
230a ボス部
232 バイアスばね
234 感温ばね
236 ばね押え金具
236a Cクランプ
238 第1可動支柱
238a 拡径部
238b 第2ピストン
240 付勢力均衡部材
240a 第1ピストン
242 Oリング
246 脚付スペーサーリング
248 ばね金具
250 Oリング
252 フィルター
254 フィルター

Claims (7)

  1. 供給された湯及び水を混合し、適温に調整された湯を吐出させる湯水混合装置であって、
    湯水混合装置本体と、
    上記湯水混合装置本体の内部に移動可能に配置され、移動されることにより、上記湯水混合装置本体内に流入する湯及び水の流量を変化させる主弁体と、
    上記湯水混合装置本体の内部に配置され、上記主弁体を所定方向に摺動させる付勢力を発生する付勢手段と、
    上記湯水混合装置本体の内部に配置され、上記湯水混合装置本体内に流入して混合された湯の温度に応じて、上記付勢手段とは逆方向に上記主弁体を摺動させる付勢力を発生する感温付勢手段と、
    上記付勢手段による付勢力及び上記感温付勢手段による付勢力に応じて位置が移動される付勢力均衡部材と、
    この付勢力均衡部材の移動を上記主弁体に伝達し、上記主弁体を上記付勢力均衡部材の移動距離よりも長い距離移動させる移動量増幅手段と、
    を有することを特徴とする湯水混合装置。
  2. 上記移動量増幅手段が、上記付勢力均衡部材の移動距離を増幅して上記主弁体を移動させるリンク機構である請求項1記載の湯水混合装置。
  3. 上記リンク機構が、先端が上記主弁体に連結され、基端が湯水混合装置本体内に位置が固定された支点を中心に回動可能に取り付けられた回動アームを備え、この回動アームの上記先端と上記基端の間に上記付勢力均衡部材が当接することによって、上記付勢力均衡部材の移動距離を増幅して上記主弁体を移動させる請求項2記載の湯水混合装置。
  4. 上記移動量増幅手段が、上記付勢力均衡部材に形成された第1雌ねじ部に螺合される第1雄ねじ部、及びこの第1雄ねじ部よりもねじ山のピッチが大きい第2雄ねじ部が上記第1雄ねじ部と同一の軸線上に形成された回転部材と、上記第2雄ねじ部に螺合される第2雌ねじ部が形成され、上記主弁体と共に移動される平行移動部材と、を有し、上記付勢力均衡部材が上記回転部材に対して平行移動されると、上記回転部材が回転され、上記回転部材の回転により、上記平行移動部材が上記付勢力均衡部材よりも長い距離平行移動される請求項1記載の湯水混合装置。
  5. 上記移動量増幅手段が、上記付勢力均衡部材に形成された第1ピストンを摺動可能に受け入れる第1シリンダ、及びこの第1シリンダと連通し、断面積が上記第1シリンダよりも小さい第2シリンダを形成した圧力室形成部と、上記第2シリンダに摺動可能に受け入れられる第2ピストンが形成され、上記主弁体と共に移動される平行移動部材と、を有し、上記付勢力均衡部材が上記圧力室形成部材に対して平行移動されると、上記第1シリンダ内の圧力変化が上記第2シリンダに伝達され、上記平行移動部材が上記付勢力均衡部材よりも長い距離平行移動される請求項1記載の湯水混合装置。
  6. さらに、上記湯水混合装置本体内に配置され、上記付勢手段、上記感温付勢手段、上記付勢力均衡部材、又は上記移動量増幅手段の少なくとも一部を覆うことによって、上記湯水混合装置本体内に流入した水及び湯の動圧力が、上記付勢手段、上記感温付勢手段、上記付勢力均衡部材、又は上記移動量増幅手段に直接作用するのを抑制するシールド部材を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載の湯水混合装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の湯水混合装置と、
    この湯水混合装置を収納する水栓本体と、
    上記湯水混合装置によって混合された湯の吐水状態と止水状態を切替える開閉弁と、
    混合された湯を吐出させる吐出部と、
    を有することを特徴とする湯水混合水栓。
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