JP6485631B2 - 水栓装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水栓装置に係り、特に磁力により止水状態と吐水状態とを切り替える水栓装置に関する。
特許3687734号公報(特許文献1)には、電磁式給水弁装置が記載されている。
この電磁式給水弁装置は、ダイヤフラム弁と、このダイヤフラム弁に形成されたパイロットオリフィスを開閉するパイロット弁と、このパイロット弁がパイロットオリフィスを閉弁するようにパイロット弁を付勢するコイルスプリングと、流入口および流出口が形成された弁本体と、を有する。
さらに、電磁式給水弁装置は、パイロット弁を取り囲むように配置され、このパイロット弁を摺動可能に支持するガイドケースを有し、このガイドケースを弁本体に水密的に取り付けることにより、水密性の確保された開閉弁のケーシングが構成されている。ガイドケースの内側と、ダイヤフラム弁の上面との間に背圧室が形成され、この背圧室内の圧力により、ダイヤフラム弁は主弁座に着座される。
また、パイロット弁は磁石を有する一方、ガイドケースを取り囲むように配置された可動部材にも磁石が設けられている。
この電磁式給水弁装置において、可動部材が押圧操作されると、パイロット弁に設けられた磁石と可動部材に設けられた磁石が接近するため、パイロット弁は磁力により吸引され、コイルスプリングの付勢力に抗して引き上げられる。
これにより、ダイヤフラム弁のパイロットオリフィスが開弁され、背圧室内の圧力が低下することにより、ダイヤフラム弁が開弁される。
特許3687734号公報
しかしながら、特許文献1記載の電磁式給水弁装置(水栓装置)では、弁本体とガイドケースが別体であるため、開閉弁のケーシングを構成する弁本体とガイドケースとの間で水密を確保する必要があり、水密構造が複雑なものとなる。特に、給水弁装置を開閉操作するための可動部材が、背圧室の一部を構成しているガイドケースを取り囲むように設けられているため、ガイドケース(背圧室)の設計が変更された場合には可動部材の設計にも変更を加える必要がある。さらに、繰り返し押圧操作される可動部がガイドケースを取り囲むように配置されているため、可動部を押圧するための操作力の影響がガイドケースに及ぶと、ガイドケースと弁本体の間の水密性に悪影響を与える虞がある。特に、このような構造を開閉頻度の高い給水弁装置に採用した場合、長期間使用する間に背圧室の水密性が低下するリスクが高くなる。
そこで、本発明は、従来技術の問題や課題を解決するためになされたものであり、磁力により開閉弁を操作する水栓装置において、水密構造が簡便な水栓装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、磁力により止水状態と吐水状態とを切り替える水栓装置であって、開閉弁ケーシングと、この開閉弁ケーシング内に収容された主弁体と、この主弁体の着座する弁座と、を有する開閉弁と、弁体移動部材を有し、主弁体を移動させる弁体移動機構と、開閉弁ケーシングを取り囲むように設けられ、開閉弁および弁体移動機構を内部に水密的に収容している水栓本体と、弁制御部材を有し、水栓本体の外部に配置された開閉弁操作部と、を備え、開閉弁操作部を操作することにより、水栓本体の外部の弁制御部材と、水栓本体の内部に収容された弁体移動部材との間で、水栓本体の壁面を通して磁力が作用して、弁体移動機構が主弁体を移動させ、開閉弁が開閉されることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、開閉弁及び弁体移動機構が水栓本体の内部に水密的に収容されており、この水栓本体の外部に配置された開閉弁操作部の弁制御部材により、磁力を使用して主弁体を移動させ、開閉弁を開閉させることができる。このため、開閉弁の水密構造とは独立して、開閉弁操作部を水栓本体の外部に設けることができるので、水密構造を簡便にすることができる。また、水密的に構成された水栓本体の外部から水栓本体の内部に収容された開閉弁を開閉させることができるので、水栓本体の部分をユニット化することができ、同一の水栓本体に種々の開閉弁操作部を適用することにより、種々の水栓装置を容易に構成することができる。
本発明において、好ましくは、開閉弁操作部は、弁制御部材が設けられ、止水位置と吐水位置との間で移動可能な可動部材を備え、水栓装置は、さらに、可動部材を止水位置に保持する開閉弁操作部保持手段を備える。
このように構成された本発明によれば、開閉弁操作部保持手段が、可動部材を止水位置に保持するので、可動部材が止水位置から吐水位置へ偶発的に回動され、意図しない吐水が行われるのを防止することができる。
本発明において、好ましくは、開閉弁操作部保持手段は磁性材料により構成され、この磁性材料と可動部材との間に作用する磁力により可動部材が止水位置に保持される。
このように構成された本発明によれば、可動部材が磁力により止水位置に保持されるので、簡便な構造で可動部材を止水位置に保持することができると共に、可動部材を止水位置に保持する保持力を、長期間に亘って安定的に作用させることができる。
本発明において、好ましくは、開閉弁操作部は、さらに、可動部材を回動可能に支持する支持軸を有し、可動部材の回動により、弁制御部材が水栓本体と離接し、弁制御部材と弁体移動部材との間に作用する磁力が変化する。
このように構成された本発明によれば、支持軸を中心に回動する可動部材により、可動部材に設けられた弁制御部材を水栓本体と離接させることができるので、開閉弁操作部を簡便な機構で構成することができる。
本発明において、好ましくは、弁制御部材が、開閉弁操作部に埋設されている。
このように構成された本発明によれば、開閉弁操作部の弁制御部材が、開閉弁操作部に埋設されているので、磁性体である弁制御部材が水と接触することを抑制するため、弁制御部材の腐食を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、弁制御部材が、開閉弁操作部と一体成形されている。
このように構成された本発明によれば、開閉弁操作部の弁制御部材が、開閉弁操作部と一体成形されているので、開閉弁操作部の弁制御部材が開閉弁操作部から脱落することを抑制できる。
本発明において、好ましくは、開閉弁が、ダイヤフラム式の弁である。
このように構成された本発明によれば、開閉弁が、ダイヤフラム式の開閉弁であるので、精度よく開閉弁の開閉を行うことができる。
本発明において、好ましくは、弁体移動機構は、弁制御部材が弁体移動部材を吸着したとき主弁体を開弁させるように構成され、弁制御部材又は弁体移動部材は、所定温度以上になると、これらの間に作用する磁力が低下し、かつ、弁体移動機構が開閉弁を開弁させることができなくなるように構成されている。
このように構成された本発明によれば、弁制御部材又は弁体移動部材は、これらの何れか一方又は両方が所定温度以上になると、これらの間に作用する磁力が低下し、かつ、弁体移動機構が、開閉弁を開弁させることができなくなるように構成されている。このため、弁制御部材又は弁体移動部材が加熱されて所定温度以上になると、開閉弁が閉弁され、所定温度以上の湯の吐出を防止することができる。これにより、高温の湯の吐出を防止するハイカット弁等の機構を別に設ける必要がなくなり、水栓装置を小型化させることができる。
本発明において、好ましくは、弁制御部材は永久磁石により構成され、開閉弁操作部が吐水位置に移動された状態においては、弁制御部材の端部が弁体移動部材の端部と接近することにより、弁体移動部材を吸着する。
このように構成された本発明によれば、開閉弁操作部が吐水位置に移動された状態においては、弁制御部材の端部が弁体移動部材の端部と接近するので、弁制御部材の磁力が最も強い端部で弁体移動部材を吸着することができ、磁力の弱い弁制御部材でも弁体移動機構を作動させることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、開閉弁の下流側に配置され、円筒形の弁体の回動により流量を調節する流量調整弁と、この流量調整弁に接続され回動動作によって弁体を回動させる流調弁操作部とを備え、流量調整弁の弁体の回動軸が、流調弁操作部の回動軸に対して偏心している。
このように構成された本発明によれば、流量調整弁の弁体の回動軸が、流調弁操作部の回動軸に対して偏心しているので、流量調整弁の弁体が回動する軸線の径方向に水栓装置を小型化させることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、圧力開放孔を有すると共にこの圧力開放孔が閉鎖されると内部の圧力が上昇して主弁体を弁座に着座させる圧力室と、圧力開放孔を開閉するパイロット弁体と、を有し、弁体移動機構は、弁体移動部材と弁制御部材との間に作用する磁力に基づいてパイロット弁体を移動させ、主弁体を開閉させる。
このように構成された本発明によれば、弁体移動機構はパイロット弁体を移動させるので、弁体移動部材と弁制御部材との間に作用する磁力が弱い場合であってもパイロット弁体を移動させることができ、弁体移動部材又は弁制御部材を小型化することが可能になる。
本発明の水栓装置によれば、磁力により開閉弁を操作する水栓装置において、水密構造を簡便にすることができる。
本発明の第1実施形態による水栓装置が設置されている状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置の正面断面図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置に内蔵されている水栓本体の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置に内蔵されている開閉弁の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置に内蔵されている開閉弁の部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第2実施形態による水栓装置の斜視図である。 本発明の第2実施形態による水栓装置の分解斜視図である。 図7のIX−IX線に沿って見た水栓装置の断面図である。 図7のX−X線に沿って見た水栓装置の断面図である。
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態による水栓装置を説明する。図1は、本発明の第1実施形態による水栓装置が設置されている状態を示す概略図である。
水栓装置1は外形が概ね直方体であり、水栓装置1の背面には壁面Wに設けられた給湯源(図示せず)から延びる湯供給管2と、壁面Wに設けられた給水源(図示せず)から延びる水供給管4とが接続されており、これら湯供給管2および水供給管4によって水栓装置1が壁面Wに固定されている。さらに、水栓装置1の下部にはカラン6が設けられており、水栓装置1の背面にはシャワーホース8aを介してシャワーヘッド8が接続されている。また、水栓装置1の上面には開閉操作部10が設けられ、左側端部には温調ハンドル12、右側端部には流調ハンドル14(流調弁操作部)が夫々設けられている。
本実施形態の水栓装置1は、開閉操作部10を左右方向に操作することにより、止水状態と、カラン6からの吐水と、シャワーヘッド8からの吐水を切り替えることができる。また、水栓装置1は、温調ハンドル12を回動操作することにより吐水温度を調整することができると共に、流調ハンドル14を回動操作することにより吐水流量を調整することができる。
次に、図2乃至図6を用いて本発明の第1実施形態による水栓装置の構造について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態による水栓装置の正面断面図である。図3は水栓装置の分解斜視図であり、図4は水栓装置に内蔵されている水栓本体の分解斜視図である。図5は本発明の第1実施形態による水栓装置に内蔵されている開閉弁の分解斜視図である。図6は、水栓装置に内蔵されている開閉弁の部分を拡大して示す断面図である。
図2及び図3に示すように、水栓装置1は、機能部であり円柱状の水栓本体16と、水栓本体16の前方を覆う前面カバー18と、水栓本体16の後方を覆う背面カバー20と、を備えている。この水栓本体16の左側には温調ハンドル12が取り付けられ、水栓本体16の右側には流調ハンドル14が取り付けられている。温調ハンドル12及び流調ハンドル14は、それぞれ概ね直方体であり、下方が水栓本体16に合わせて膨出している。そして、温調ハンドル12と流調ハンドル14とは、水栓本体16を介して対称な形状となっている。
前面カバー18は、概ね平面である上面部と、この上面部の手前側の端部から後方の下方側に延びる正面部とを備えている。この正面部の底部には、外郭部材22のカラン接続口22e(図4)を収めるように凹部が形成されている。
背面カバー20は、概ね長方形の板状部材であり、左から順番に、水栓本体16の湯供給口と対向する円形の湯供給口挿入穴と、シャワー接続口と対向する円形のシャワー接続口挿入穴と、水供給口と対向する円形の水供給口挿入穴と、を備えている。このように構成された背面カバー20は、水栓本体16の後方背面を覆うものであり、水栓装置1全体の美観を整えると共に、使用者が誤って水栓本体16に触れることを抑制している。
また、図3に示すように、前面カバー18の上面には、プレート状の開閉操作部10が左右にスライド可能に取り付けられている。即ち、開閉操作部10は、後述する吐水位置と止水位置との間で摺動自在となっている。一方、前面カバー18の内側には連結部材10aが配置されており、この連結部材10aは、前面カバー18を貫通して外側の開閉操作部10に取り付けられている。また、連結部材10aの内部には、弁制御部材として永久磁石である円板状のマグネット10bが埋設されている。本実施形態においては、連結部材10aは樹脂製であり、内部にマグネット10bが埋め込まれるように、射出成形によりマグネット10bと一体成形されている。これにより、開閉操作部10が左右にスライド操作されると、これに取り付けられた連結部材10a及びマグネット10bも共に移動され、マグネット10bが埋め込まれた連結部材10aが水栓本体16の表面上を摺動する。マグネット10bは、水栓本体16内に収納された開閉弁との間で磁力を及ぼし合って、開閉弁を開閉操作する。本実施形態において、開閉操作部10、連結部材10a、及びマグネット10bは、開閉弁操作部として機能する。
次に、図2乃至図4を参照して、水栓本体16を説明する。
図4に示すように、水栓本体16は、外郭を構成する概ね円筒状の外郭部材22と、この外郭部材22の端部開口から挿入され、外郭部材22の内部に配置されている概ね円筒状の内部ケーシング24と、この内部ケーシング24の内側に配置されている概ね円柱状の温調ユニット26と、この温調ユニット26と隣接して内部ケーシング24の内部に配置されている概ね円柱状の開閉弁ユニット28と、を備えている。さらに、内部ケーシング24の外側には、弁体移動部材である2つのプランジャ30、31と、これらのプランジャを付勢するプランジャ付勢ばね32、33と、プランジャ30、31を夫々取り囲むように配置された2つのOリング34a、34bが配置されている。これらプランジャ30及びプランジャ付勢ばね32は、開閉弁ユニット28に内蔵されたシャワー吐水用のパイロット弁体を操作するための弁体移動機構を構成し、プランジャ31及びプランジャ付勢ばね33は、開閉弁ユニット28に内蔵されたカラン吐水用のパイロット弁体を操作するための弁体移動機構を構成する。
また、水栓本体16の、開閉弁ユニット28側の端部には、流調ノブ36と、この流調ノブ36を回動可能に支持する軸受部材38が配置されている。さらに、水栓本体16の両側の端部には、環状の押えリング40a、40bが配置され、外郭部材22に内蔵された各部品が固定されている。
図4に示すように、開閉弁ユニット28は、一体に構成された円筒状の外郭部材22の側端部から、その内部に完全に収納されており、開閉弁ユニット28を操作するための機構は、外部に何ら露出していない。後述するように、開閉弁ユニット28は2つの開閉弁54a、54bを備えており、外郭部材22は、これらの開閉弁54a、54bの開閉弁ケーシングを取り囲むように設けられている。ここで、外郭部材22は水密的に一体に構成されているため、開閉弁ケーシングの水密構造とは無関係に水栓本体16の水密性を確保することができる。また、水栓本体16(外郭部材22)は、独立して水密性が確保されているため、内蔵された開閉弁54a、54bを開閉させるための操作部を、水栓本体16とは独立して自由に設計し、組み合わせることができる。
さらに、開閉弁ユニット28は、一体に形成された概ね円筒形の外郭部材22の側端部から、その軸線方向に挿入されて収容されている。一方、開閉弁54a、54bに夫々備えられているパイロット弁体68、69(図6)は、概ね円筒形の外郭部材22の概ね半径方向に移動される。このように、一体的に構成された外郭部材22(水栓本体16)に、開閉弁ユニット28(開閉弁54a、54b)を挿入して組み付ける方向と、パイロット弁体68、69が移動する方向が異なり、それらは交差している。このため、水栓装置1の使用中に繰り返されるパイロット弁体68、69の移動が、水栓本体16(外郭部材22)の水密性に悪影響を与えることがなく、水栓本体16の水密性を長期間に亘り確実に維持することができる。
図4に示すように、外郭部材22は、左右の端面に左開口22a、右開口22bが夫々形成されており、後方背面には円形の湯供給口22cと円形の水供給口22dが形成されており、左右方向の中央部の底面には円形のカラン接続口22eが形成されており、左右方向の中央部の背面には円形のシャワー接続口22fが形成されている。なお、湯供給口22cと水供給口22dはシャワー接続口22fを中心として左右対称に配置されている。
また、湯供給口22cには湯供給管2が、水供給口22dには水供給管4が、カラン接続口22eにはカラン6が、シャワー接続口22fにはシャワーホース8aが夫々接続されている。
図4に示すように、内部ケーシング24は概ね円筒形であり、左右の端面に左開口24a、右開口24bが夫々形成されている。この内部ケーシング24は外郭部材22の内側に配置され、外郭部材22の内周面と内部ケーシング24の外周面との間に、供給された湯及び水を流すための通路を形成している。また、内部ケーシング24の外周面には、プランジャ30、31を夫々収容するための2つの円形の凹部24c、24dが夫々設けられ、これらの凹部24c、24dを取り囲むように、Oリング34a、34bが夫々配置されている。これらの凹部24c、24dの中心には、プランジャ30、31に設けられた突起(図4には図示せず)を突出させるための円形孔が夫々形成されている。プランジャ30、31等の構成及び作用については後述する。
図4に示すように、温調ユニット26は、概ね円筒形であり、外郭部材22の左側の端部に収納されている。
また、図2に示すように、温調ユニット26は、本体を構成する円筒状の第一本体部材42aと、この第一本体部材42aと概ね同じ外径を有する円筒状の第二本体部材42bと、を有し、これら第一、第二本体部材で構成された本体の内部に摺動可能に配置された円筒状の温調主弁体44を有する。
さらに、第一本体部材42aの左側端部には概ね円柱状の送りねじ46が回動可能に配置されており、この送りねじ46の先端部が第一本体部材42a端面の中心から突出している。この送りねじ46の突出部には、温調ハンドル12が取り付けられている。さらに、第一本体部材42aの内部には、送りねじ46と螺合する概ね円柱状の摺動部材48が配置されており、温調ハンドル12を操作することにより、送りねじ46が回動され、これに螺合された摺動部材48が軸線方向に摺動させるようになっている。
さらに、温調ユニット26の内部には、摺動部材48に隣接するように、バイアスばね50と、温調主弁体44と、感温ばね52が、この順序で配置されている。バイアスばね50は、摺動部材48と温調主弁体44の間に配置されたコイルばねであり、温調主弁体44を図2の右方向に付勢している。感温ばね52は、第二本体部材42bの端部内壁面と温調主弁体44の間に配置された形状記憶合金製のコイルばねであり、温調主弁体44を図2の左方向に付勢している。
この構成により、摺動部材48が軸線方向に移動されると、バイアスばね50の付勢力と感温ばね52の付勢力が釣り合う位置が変化し、これらの間に配置された温調主弁体44の初期位置が変化する。一方、第一本体部材42aの右側端部には湯側シート面42cが設けられ、第二本体部材42bの左側端部には水側シート面42dが設けられており、温調主弁体44は、これら湯側シート面42cと水側シート面42dの間で摺動される。内部ケーシング24内に流入した湯は、湯側シート面42cと温調主弁体44の左端部との間を通って温調ユニット26の内部に流入する。一方、内部ケーシング24内に流入した水は、水側シート面42dと温調主弁体44の右端部との間を通って温調ユニット26の内部に流入する。このため、温調主弁体44が軸線方向に摺動されると、温調ユニット26内に流入する湯と水の割合が変化する。流入した湯及び水は、温調ユニット26内で混合され、感温ばね52の内側を通って温調ユニット26の右端部から流出する。従って、温調ハンドル12の操作により温調主弁体44の初期位置が変化され、温調ユニット26から流出する湯の温度を調整することができる。また、温調ユニット26から流出する湯の温度が上昇すると、感温ばね52の付勢力が増大して、温調主弁体44は図2の左方向に移動され、湯の流入量が減少すると共に水の流入量が増大する。一方、湯の温度が低下すると、感温ばね52の付勢力が減少して、温調主弁体44は図2の右方向に移動され、湯の流入量が増大すると共に水の流入量が減少する。これにより、温調ユニット26から流出する湯の温度は、温調ハンドル12によって設定された温度に調整される。
次に、図2乃至図6を参照して、水栓本体16に内蔵されている開閉弁ユニット28を説明する。
開閉弁ユニット28は、図4に示すように概ね円柱状であり、図5に示すように、2つのパイロット弁式の開閉弁54a、54b、及び流量調整用の弁体56を内蔵している。
図5に示すように、開閉弁ユニット28は、外観を形成する概ね円柱形であるケーシング58と、このケーシング58に取り付けられた概ね円盤状の2つの主弁体60、61と、これらの主弁体60、61の上に夫々取り付けられた主弁体抑え62、63と、主弁体抑え固定板64、65と、主弁体抑え62、63及び主弁体抑え固定板64、65をケーシング58に固定する8本の固定ねじ66とを備えている。さらに、主弁体抑え62、63と主弁体抑え固定板64、65の間には、パイロット弁体68、69と、これらのパイロット弁体68、69を夫々開弁方向に付勢する付勢ばね70、71が夫々配置されている。ここで、ケーシング58の、主弁体60を収容している部分、及び主弁体抑え62は開閉弁ケーシングを構成する。また、主弁体60、主弁体抑え62、ケーシング58に設けられた弁座72(図6)、パイロット弁体68、及び付勢ばね70は、開閉弁54aを構成する。同様に、ケーシング58の、主弁体61を収容している部分、及び主弁体抑え63は開閉弁ケーシングを構成する。また、主弁体61、主弁体抑え63、ケーシング58に設けられた弁座73(図6)、パイロット弁体69、及び付勢ばね71は、開閉弁54bを構成する。
概ね円柱状のケーシング58下部には、軸線方向に延びる円形のボア58aが形成され、この中に流量調整用の弁体56が回動可能に挿入されている。これらのボア58a及びこれに挿入された弁体56は、流量調整弁として機能する。
流量調整用の弁体56は丸棒状の部材であり、開閉弁54a、54bに夫々対応する位置に、両側から切欠56a、56bが設けられており、これらの部分が扁平にされている。また、弁体56の、図5における右側の端部には、操作ギア56cが形成されている。この操作ギア56cは、流調ノブ36(図4)の端部に設けられたギア部36aと係合されており、流調弁操作部である流調ハンドル14(図1)を操作して流調ノブ36を回動させると、流量調整用の弁体56がボア58aの中で回動されるようになっている。このように、流調ノブ36の回転軸線に対して、弁体56の回転軸線は偏心している。
図2に示すように、流調ハンドル14は流調ノブ36を介して弁体56と連結されており、流調ハンドル14を回動させると弁体56が回動する。流量調整用の弁体56が回動すると、その扁平部の角度が変化することにより、開閉弁54a、54bから流出した湯水混合水の流路断面積が変更され、下流側へ流出する水量が調整される。
一方、図5に示すように、概ね円柱状のケーシング58の側面には、2箇所に切欠が設けられ、矩形の平面部58c、58dが形成されている。これらの平面部58c、58dの中央には円形の凹部58e、58fが夫々形成されており、これらの凹部58e、58fの中に夫々主弁体60、61が配置される。これらの主弁体60、61を覆うように、主弁体抑え62、63が夫々取り付けられ、主弁体60、61がケーシング58に固定される。また、円形の凹部58e、58fの内側には、同心円状に弁座72、73が夫々設けられ、これらの弁座72、73に、主弁体60、61が夫々着座される。さらに、これらの弁座72、73の内側に形成された各弁口はケーシング58の軸線方向に形成されたボア58aに連通されている(図6)。また、ケーシング58の側面の左側端面には、温調ユニット26から流出した湯水混合水を流入させる流入口58b(図6)が形成されており、この流入口58bは、ケーシング58の内部に形成された流路(図示せず)を通って、弁座72、73の外側の空間72a、73aに夫々連通している。
以下では、主弁体60、主弁体抑え62、弁座72、パイロット弁体68、及び付勢ばね70によって構成された開閉弁54aについて説明するが、開閉弁54bも同様に構成されている。
主弁体60は、概ね円盤状に構成され、その中央の円形の本体部と、この本体部の周囲に設けられた可撓性部から構成されている。主弁体60は、その可撓性部がケーシング58と主弁体抑え62の間に挟持されることにより、弁座72に対して着座/離座可能に支持される。
主弁体抑え62は、概ね正方形状の基部62aと、この基部62aから上方に半球状に膨出した主弁体収納部62bとを備え、この主弁体収納部の頂部には凹部62cが形成されている。
同様に、主弁体抑え固定板64も、概ね正方形状の基部64aと、この基部64aから上方に半球状に膨出した膨出部64bとを備え、主弁体抑え62を覆うように配置されている。
一方、主弁体抑え62の凹部62cには、概ね円柱状のパイロット弁体68および付勢ばね70が収容されており、これらは主弁体抑え62と主弁体抑え固定板64の間に保持されている。さらに、凹部62cの底面中央には、パイロット弁体68によって開閉される円形の圧力開放孔62d(図6)が形成されている。パイロット弁体68は、圧力開放孔62dから離間するように、付勢ばね70によって主弁体抑え固定板64に向けて付勢されている。また、主弁体収納部62bの内側壁面と、主弁体60の上面との間の空間は、主弁体60を弁座72に着座させる圧力室74(図6)として機能する。一方、主弁体60には、開閉弁54aの上流側と圧力室74内とを連通させる小孔60a(図6)が形成されており、開閉弁54aの上流側の空間72aの湯水混合水はこの小孔60aを介して圧力室74内に流入する。ここで、圧力開放孔62dがパイロット弁体68によって閉弁されている状態では、小孔60aを通って流入した湯水混合水が圧力室74内に充満し、圧力室74内の圧力が上昇する。圧力室74内の圧力が上昇すると、この圧力により、主弁体60は弁座72に向けて押圧され、開閉弁54aが閉弁される。このように、開閉弁54aはダイヤフラム式の開閉弁として機能する。
同様に、開閉弁54bにおいて、主弁体収納部63bの内側壁面と、主弁体61の上面との間の空間は、圧力室75として機能する。また、主弁体抑え63の凹部63cの底面中央には、パイロット弁体69によって開閉される圧力開放孔63d(図6)が形成され、主弁体61には、開閉弁54bの上流側の空間73aと圧力室75内とを連通させる小孔61aが形成されている(図6)。
次に、図6を参照して、パイロット弁体を移動させる弁体移動機構を説明する。
本実施形態においては、弁体移動機構は、外郭部材22と内部ケーシング24との間に配置されたプランジャ30、31、及びプランジャ付勢ばね32、33(図4)によって構成されている。なお、以下では、パイロット弁体68を移動させるための、プランジャ30及びプランジャ付勢ばね32によって構成された弁体移動機構について説明するが、パイロット弁体69を移動させるための、プランジャ31及びプランジャ付勢ばね33によって構成された弁体移動機構も同様に構成されている。
プランジャ30は、磁性材料によって構成された概ね円盤状の部材であり、その中央部には、パイロット弁体68を押下するための半球状の突起30aが設けられている。また、プランジャ30は、内部ケーシング24に設けられた円形の凹部の内側に、上下動可能に配置されている。プランジャ30の突起30aは、その先端が、内部ケーシング24及び主弁体抑え固定板64(図5)を貫通して、パイロット弁体68を押下するように構成されている。
プランジャ付勢ばね32は、プランジャ30と外郭部材22との間に配置されたコイルばねであり、プランジャ30をパイロット弁体68に向けて付勢するように構成されている。プランジャ付勢ばね32の付勢力により、プランジャ30がパイロット弁体68を押下すると、パイロット弁体68は、主弁体抑え62に設けられた圧力開放孔62dを閉弁する。
図6に示す状態においては、開閉操作部10に埋め込まれたマグネット10b(図3)は、開閉弁54bのプランジャ31に近接し、開閉弁54aのプランジャ30からは離間している。この状態においては、プランジャ30はプランジャ付勢ばね32の付勢力によって押下されるため、突起30aがパイロット弁体68を押下して圧力開放孔62dが閉弁される。これにより、圧力室74内の圧力が上昇して、主弁体60が弁座72に着座され、開閉弁54aは閉弁される。一方、図6において、マグネット10bは開閉弁54bを構成するプランジャ31に近接しており、この状態では、プランジャ31がマグネット10bに吸着され、プランジャ付勢ばね33の付勢力に抗して上方に引き上げられる。即ち、マグネット10bの磁力は、外郭部材22を通して磁性材料製のプランジャ31に作用し、プランジャ31を引き上げる。プランジャ31が上方に引き上げられると、パイロット弁体69は付勢ばね71の付勢力によって押し上げられ、主弁体抑え63に形成された圧力開放孔63dが開弁される。このため、圧力室75内の圧力が上昇することはなく、主弁体61は弁座73から離座され、開閉弁54bは開弁される。
一方、図2は、開閉操作部10が図2における左側に摺動された状態を示しており、これに伴いマグネット10bは、開閉弁54aのプランジャ30に近接して配置されている。図2に示す状態においては、プランジャ30がマグネット10bの磁力により引き上げられ、これによってパイロット弁体68(図6)が圧力開放孔62dから離座しているため、主弁体60は開弁状態となる。これに対して、マグネット10bは、開閉弁54bのプランジャ31からは離間されているため、プランジャ31は、プランジャ付勢ばね33の付勢力により押下され、パイロット弁体69が圧力開放孔を閉弁する。これにより、開閉弁54bの主弁体61は閉弁状態となる。このように、マグネット10bが開閉弁54aのプランジャ30に近接している位置(開閉操作部10が左側に摺動されている位置:図2)は、開閉弁54bの吐水位置であると共に、開閉弁54aの止水位置に該当する。一方、マグネット10bが開閉弁54bのプランジャ31に近接している位置(開閉操作部10が右側に摺動されている位置:図6)は、開閉弁54aの止水位置であると共に、開閉弁54bの吐水位置に該当する。
さらに、図6に示すように、プランジャ30とプランジャ31の間には、開閉弁操作部保持手段である保持用マグネット76と、この保持用マグネット76の両側に配置された摺動抵抗手段である摺動抵抗用マグネット78、80が夫々配置されている。これらの保持用マグネット76及び摺動抵抗用マグネット78、80は、何れも内部ケーシング24に形成された凹部の中に受け入れられ、外郭部材22と内部ケーシング24との間に挟持されている。
ここで、使用者が開閉操作部10を摺動操作して、図6に想像線で示すように、マグネット10bが保持用マグネット76に対向する位置まで移動されると、マグネット10bは保持用マグネット76に吸着される。この吸着力により、マグネット10bは保持用マグネット76と対向する位置に保持される。この位置においては、マグネット10bは、プランジャ30、31の何れとも離間された状態にあるため、パイロット弁体68、69は各プランジャによって押下され、開閉弁54a、54bは何れも止水状態となる。即ち、マグネット10bが保持用マグネット76と対向している位置は、開閉弁54a、54bの何れに対しても止水位置となる。このように、マグネット10b及びこれに連結された開閉操作部10は、開閉弁操作部保持手段である保持用マグネット76によって適度な力で止水位置に保持されるので、開閉操作部10の偶発的な吐水位置への移動が防止される。なお、本実施形態においては、マグネット10bと吸着力を及ぼしあうように配置された保持用マグネット76が開閉弁操作部保持手段として使用されているが、磁性を帯びていない磁性材料を開閉弁操作部保持手段として使用することもできる。或いは、板ばねと、これに係合するノッチ等、機械的な手段により開閉弁操作部保持手段を構成することもできる。
一方、摺動抵抗用マグネット78、80は、マグネット10bとの間で反発力を及ぼし合うように配置されている。このため、例えば、図6において実線で示す位置から想像線で示す位置へマグネット10bが移動され途中で摺動抵抗用マグネット80からの反発力が作用し、マグネット10b(開閉操作部10)の移動に適度な摺動抵抗が与えられる。これにより、吐水位置と止水位置との間の開閉操作部10の移動に適度なクリック感が与えられる。同様に、摺動抵抗用マグネット78は、マグネット10bが想像線で示す位置から左側へ移動される際に、開閉操作部10の移動に適度なクリック感を与える。なお、本実施形態においては、マグネット10bとの間で作用する反発力によって摺動抵抗が与えられているが、板ばねと、これに係合するノッチ等、機械的な手段により摺動抵抗手段を構成することもできる。
次に、本発明の第1実施形態による水栓装置1の動作について図1乃至図6を用いて説明する。
まず、図6に示すように、止水状態においては、開閉操作部10の弁制御部材であるマグネット10bが、想像線で示す位置に配置され、保持用マグネット76との間の磁力により保持用マグネット76と対向する位置(止水位置)で保持されている。
このとき、湯供給口22c(図2)から水栓本体16内に流入する湯HWは、内部ケーシング24の内側に入り、温調ユニット26内に流入する。一方、水供給口22d(図2)から水栓本体16内に流入する水CWは、内部ケーシング24と外郭部材22との間に形成された流路を通って、温調ユニット26に流入する。
なお、水CWが内部ケーシング24の外周を通ることにより、内部ケーシング24の外側の温度が高くならず、万が一使用者が水栓本体16に触れたとしても安全な構造となっている。
そして、温調ユニット26内で水CWと湯HWが所定の割合で混合されることにより、温度調整された湯水混合水MWが生成され、この湯水混合水MWが温調ユニット26の左端の流出口26a(図4)を通って開閉弁ユニット28に供給される。
開閉弁ユニット28に供給された湯水混合水MWは、開閉弁ユニット28のケーシング58の側面に形成された流入口58b(図2)を介して開閉弁ユニット28内に流入する。流入口58bから流入した湯水混合水MWは、ケーシング58内に設けられた流路(図示せず)を通って、弁座72、73の外側の空間72a、73a(図6)に夫々流入する。空間72aに流入した湯水混合水MWは、主弁体60に設けられた小孔60aを通って圧力室74に流入する。同様に、空間73aに流入した湯水混合水MWは、主弁体61に設けられた小孔61aを通って圧力室75に流入する。ここで、開閉操作部10が止水位置に保持された状態においては、プランジャ付勢ばね32、33の付勢力によりプランジャ30、31がパイロット弁体68、69を夫々押下し、圧力開放孔62d、63dが夫々閉弁されている。
これにより、圧力室74、75に流入した湯水混合水MWが圧力開放孔62d、63dから流出することはなく、圧力室74、75内に充満した湯水混合水MWの水圧により主弁体60、61が弁座72、73に夫々押し付けられる。
したがって開閉弁54a、54bとも閉弁され、各開閉弁よりも下流側に湯水混合水MWが流れなくなる。
続いて、カラン6から吐水する場合の吐水状態について説明する。
図6に示すように、カラン6から吐水する場合は、開閉操作部10を止水位置から右に、開閉操作部10に連結されたマグネット10bの端部がプランジャ31の端部と最接近する位置(吐水位置)まで動かす。
このとき、保持用マグネット76とプランジャ31の間に、摺動抵抗用マグネット80が設けられていることにより、開閉操作部10の移動方向と逆方向の力が発生し、クリック感が生み出される。
なお、吐水位置から止水位置に移動させる際も同様にクリック感が与えられる。
吐水位置においては、開閉操作部10のマグネット10bとプランジャ31との間に作用する磁力によりプランジャ31がマグネット10b側に引き寄せられる。
これにより、図6に示すように、圧力室75内に充満していた湯水混合水MWが圧力開放孔63dから排出されるため、主弁体61が弁座73から離座し、主弁体61と弁座73の間の隙間から弁口に湯水混合水MWが流出する。
流出した湯水混合水MWは、流量調整用の弁体56により流量調整された後、内部ケーシング24から流出し、カラン6から吐水される。
すなわち、本発明の第1実施形態において、開閉操作部10のマグネット10bとの間に作用する磁力によって弁体移動機構を構成するプランジャ31、プランジャ付勢ばね33、パイロット弁体69を開閉操作部10の摺動方向に対して交差する方向に移動させて、開閉弁54bを開閉させている。
なお、弁制御部材であるマグネット10bはプランジャ30、31との間で磁力を作用させるが、マグネット10bは所定温度(例えば55度)以上になると磁性を失うような材質で形成されている。このため、水栓本体16内に高温の湯が流入することにより、マグネット10bが所定温度以上になると、プランジャ30、31を吸着する磁力が低下する。
マグネット10bとプランジャとの間に作用する磁力が低下すると、プランジャ30、31をプランジャ付勢ばね32、33の付勢力に抗して引き上げることができなくなり、開閉弁54a、54bを開弁させることができなくなる。
これにより、水栓本体16内に高温の湯が流入した場合には、各プランジャを引き上げることができなくなり、各開閉弁を開弁させることができなくなるので、カラン6やシャワーヘッド8からの高温の湯の吐出を防止することができる。
続いて、シャワーヘッド8から吐水する場合の吐水状態について説明する。
図2に示すように、開閉操作部10を止水位置から左に動かすことにより、開閉操作部10に連結されたマグネット10bの端部がプランジャ30の端部と最接近する位置(吐水位置)まで移動する。このとき、保持用マグネット76とプランジャ30の間に配置された摺動抵抗用マグネット78により、開閉操作部10の操作にクリック感が生み出される。吐水位置においては、開閉操作部10のマグネット10bとプランジャ30との間に作用する磁力によりプランジャ30がマグネット10b側に引き寄せられる。
これにより、圧力室74内に充満していた湯水混合水MWが圧力開放孔62dから排出されるため、主弁体60が弁座72から離座し、主弁体60と弁座72の間の隙間から弁口に湯水混合水MWが流出する。流出した湯水混合水MWは、流量調整用の弁体56により流量調整された後、内部ケーシング24から流出し、シャワーヘッド8から吐水される。
上述した本発明の第1実施形態の水栓装置1によれば、開閉弁54a、54b及び弁体移動機構が水栓本体16の内部に水密的に収容されているので、この水栓本体16の外部に配置された開閉弁操作部10の弁制御部材であるマグネット10bにより、磁力を使用して主弁体60、61を移動させ、開閉弁54a、54bを開閉させることができる。このため、開閉弁54a、54bの水密構造とは独立して、開閉弁操作部10を水栓本体16の外部に設けることができるので、水密構造を簡便にすることができる。また、水密的に構成された水栓本体16の外部から水栓本体16の内部に収容された開閉弁54a、54bを開閉させることができるので、水栓本体16の部分をユニット化することができ、同一の水栓本体16に種々の開閉弁操作部10を適用することにより、種々の水栓装置を容易に構成することができる。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、開閉弁操作部保持手段である保持用マグネット76が、開閉操作部10を止水位置に保持するので、止水位置と吐水位置との間の開閉操作部10の偶発的な移動を抑制することができ、使用者の意図しない不意の吐水を防止することができる。
さらに、本実施形態の水栓装置1によれば、摺動抵抗手段である摺動抵抗用マグネット78、80が、吐水位置と止水位置との間における開閉操作部10の摺動に抵抗を与えるので、使用者による吐水操作、止水操作にクリック感が与えられ、使用者は自己の操作を手指の感触で認識することができる。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、水栓本体16が複数の開閉弁54a、54bを備えているので、単一の水栓本体16から様々な吐水態様を選択自在にすることができる。
さらに、複数の開閉弁54a、54bが、単一のマグネット10bにより開閉されるので、複数の開閉弁54a、54bに対してマグネット10bを兼用にすることができ、水栓装置1を簡便な構造にすることができる。
さらに、本実施形態の水栓装置1によれば、開閉操作部10のマグネット10bが、開閉操作部10に埋設されているので、マグネット10bが水と接触することを抑制するため、弁制御部材の腐食を抑制することができる。
また、本実施形態による水栓装置1によれば、開閉操作部10のマグネット10bが、開閉操作部10と一体成形されているので、マグネット10bが開閉弁操作部から脱落することを抑制できる。
さらに、本実施形態の水栓装置1によれば、開閉弁54a、54bが、ダイヤフラム式の開閉弁であるので、精度よく開閉弁の開閉を行うことができる。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、開閉操作部10のマグネット10bは、このマグネット10bが所定温度以上になると、マグネット10bとプランジャ30、31との間に作用する磁力が低下して、弁体移動機構が、パイロット弁体68、69を開弁させることができなくなるので、所定温度以上の湯の吐出を防止することができる。これにより、高温の湯の吐出を防止するハイカット弁等の機構を別に設ける必要がなくなり、水栓装置1を小型化させることができる。
さらに、本実施形態の水栓装置1によれば、開閉操作部10が吐水位置に移動された状態においては、マグネット10bの端部が弁体移動部材であるプランジャ30、31と接近するので、マグネット10bの磁力が最も強い端部で弁体移動部材を吸着することができ、磁力の弱いマグネット10bでも弁体移動機構を作動させることができる。
また、本実施形態による水栓装置1によれば、流量調整用の弁体56の回動軸が、流調弁操作部である流調ハンドル14の回動軸に対して偏心しているので、弁体56が回動する軸線の径方向に水栓装置1を小型化させることができる。
さらに、本実施形態の水栓装置1によれば、弁体移動機構はパイロット弁体68、69を移動させるので、プランジャ30、31とマグネット10bとの間に作用する磁力が弱い場合であってもパイロット弁体68、69を移動させることができ、マグネット10bを小型化することが可能になる。
次に、図7乃至10を参照して、本発明の第2実施形態による水栓装置を説明する。
図7は、本発明の第2実施形態による水栓装置の斜視図である。図8は本実施形態による水栓装置の斜視分解図であり、図9は図7のIX−IX線に沿って見た水栓装置の断面図であり、図10は図7のX−X線に沿って見た水栓装置の断面図である。
なお、本発明の第2実施形態は、主として、水栓本体を覆う全面カバーや、開閉弁操作部の構成が第1実施形態と異なっており、水栓本体内部の構成は第1実施形態の水栓装置1とほぼ同一であるので、以下では、第2実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみについて説明する。また、本発明の第2実施形態を構成する各部品には、第1実施形態の対応している部品と下2桁が共通する100番台の符号が付されている。
図7に示すように、水栓装置100は、機能部であり円柱状の水栓本体116と、水栓本体116の前方を覆う前面カバー118と、この前面カバー118に回動可能に取り付けられた2つの可動部材184、186と、水栓本体116の後方を覆う背面カバー120と、を備えている。さらに、この水栓本体116の左側には温調ハンドル112が取り付けられ、水栓本体116の右側には流調ハンドル114が取り付けられている。
上述した第1実施形態においては、開閉弁操作部を水平方向に摺動させることにより、止水、吐水を切り替えていたが、本実施形態の水栓装置100においては、可動部材184、186を水栓本体116に向かって押下することにより、止水、吐水を切り替えることができるように構成されている。
図8に示すように、前面カバー118は水栓本体116に沿って湾曲された板状の部材であり、その上面から前面にかけて矩形状の開口118aが形成されている。そして、この開口118aには、水平方向に延びるように丸棒状の支持軸182が取り付けられている。この支持軸182には、2つの可動部材184、186が回動可能に取り付けられている。可動部材184、186は支持軸182を中心に後述する吐水位置と止水位置との間で回動可能となっており、これにより吐水と止水とが切り換えられる。
可動部材184、186は平面視矩形状の部材であり、前面カバー118と同一の曲面を構成するように湾曲されている。ここで、温調ハンドル112側の可動部材184によりシャワー吐止水が切り替えられ、流調ハンドル114側の可動部材186によりカラン吐止水が切り替えられる。これらの可動部材184、186は、夫々止水状態において前面カバー118と概ね同一面となり、前面カバー118と共に水栓装置100の外観を形成している。
図7および図9に示すように、可動部材186には、支持軸182よりも前方側に弁制御部材として永久磁石である円板状のマグネット186aが埋設されている。本実施形態においては、可動部材186は樹脂製であり、内部にマグネット186aが埋め込まれるように射出成型によってマグネット186aと一体成型されている。このマグネット186aは、水栓本体116内に収納された開閉弁との間で磁力を及ぼし合って、開閉弁を開閉操作する。
同様に、可動部材184にも、永久磁石である円板状のマグネット184aが埋設されている。
本実施形態において、可動部材186、支持軸182、及びマグネット186aは開閉弁操作部として機能する。同様に、可動部材184、支持軸182、及びマグネット184aも開閉弁操作部として機能する。
さらに、図8および図9に示すように、可動部材186には、支持軸182よりも後方側に円板状の磁性部材186bが配置されている。この磁性部材186bは、マグネット186aと同様に、可動部材186の内部に磁性部材186bが埋め込まれるように射出成型によって磁性部材186bと一体成型してもよい。
同様に、可動部材184にも、支持軸182よりも後方側に、円板状の磁性部材184bが配置されている。
磁性部材186bは、水栓本体116内に収納された開閉弁操作部保持手段である保持用マグネット176aとの間で磁力を及ぼし合って、可動部材186を止水位置に保持する。同様に、磁性部材184bは、水栓本体116内に収納された開閉弁操作部保持手段である保持用マグネット176b(図10)との間で磁力を及ぼし合って、可動部材184を止水位置に保持する。
図9に示すように、保持用マグネット176aは概ね円板状であり、内部ケーシング124の頂部に設置されている。図9に示す状態から可動部材186が止水位置に回動されると、可動部材186に埋め込まれた磁性部材186bと、水栓本体116内の保持用マグネット176aが接近し、これらの間に作用する磁力により磁性部材186bが保持用マグネット176aに吸着される。これにより、可動部材186が適度な力で止水位置に保持され、意図しない偶発的な吐水が防止される。
同様に、可動部材184に設けられた磁性部材184bと対向する位置にも、保持用マグネット176b(図10参照)が設置されている。これにより、可動部材184は、磁性部材184bと保持用マグネット176bの間に作用する磁力により、適度な力で止水位置に保持され、意図しない偶発的な吐水が防止される。
なお、本実施形態における水栓本体116の内部構成は、内部に保持用マグネット176a、176bが配置されている点、及び第1実施形態において水栓本体16内部に配置されていた保持用マグネット76、摺動抵抗用マグネット78、80(図6)が設けられていない点を除き、第1実施形態における水栓本体16の内部構成と完全に同一である。
このように、本発明においては、開閉弁を水密的に収納した水栓本体の壁面を通して、水栓本体の外部に配置された弁制御部材(マグネット)により、開閉弁を開閉させることができる。このため、水栓本体の水密構造や、内部に収納された開閉弁の構造とは独立して、開閉弁操作部(第1実施形態における開閉操作部10、第2実施形態における可動部材184、186)を設計することが可能になる。これにより、水栓本体を共通のユニットとして設計しておき、これに種々の開閉弁操作部や外観部材を組み合わせて、複数種類の水栓装置を構成することが可能になる。この際、一体的に構成された水栓本体の内部に、水密的に開閉弁が収容されているので、共通化された水栓本体に対して、種々の開閉弁操作部や外観部材を極めて自由に組み合わせることができる。なお、本発明の第1実施形態と第2実施形態における水栓本体を共通のユニットとする場合には、水栓本体の内部に保持用マグネット176a、176b、保持用マグネット76、及び摺動抵抗用マグネット78、80を全て内蔵しておけばよい。
次に、本発明の第2実施形態による水栓装置100の動作を説明する。
まず、図10を参照して、止水状態を説明する。図10は、シャワーヘッドからの吐止水を操作する可動部材184の止水位置を示すものであるが、カランからの吐止水を操作する可動部材186も止水状態においては同様の回動位置になり、同様に作用する。
可動部材184が図10に示す位置に回動された状態では、可動部材184に取り付けられた磁性部材184bは、開閉弁操作部保持手段である保持用マグネット176bに近接した位置にある。そして、磁性部材184bと保持用マグネット176bの間の磁力により、可動部材184は図10に示す止水位置に保持される。この止水位置では、磁性部材184bが外郭部材122に近接あるいは接触した位置にあると共に、開閉弁操作部の弁制御部材であるマグネット184aはプランジャ130から離間した位置にある。
この状態においては、付勢ばね170の付勢力によりプランジャ130がパイロット弁体168を押圧し、パイロット弁体168が主弁体抑え162の圧力開放孔162dを閉塞する。これにより、ケーシング158の流入部(図示せず)から圧力室174に流入した湯水混合水MWが圧力室174内に充満し、この水圧により主弁体160が弁座172に着座され、開閉弁が閉弁される。
次に、図9を参照して、吐水状態を説明する。図9は、カランからの吐止水を操作する可動部材186の吐水位置を示すものであるが、シャワーヘッドからの吐止水を操作する可動部材184も吐水状態においては同様の回動位置になり、同様に作用する。
図9に示すように、可動部材186が吐水位置へ回動された状態では、マグネット186aはプランジャ131に近接した位置にある。吐水位置においては、開閉弁操作部の弁制御部材であるマグネット186aとプランジャ131との間に作用する磁力によりプランジャ131がマグネット186a側に引き寄せられる。これにより、プランジャ131はパイロット弁体169を押圧しなくなり、パイロット弁体169は、付勢ばね171の付勢力により主弁体抑え163の圧力開放孔163dから離座する。このため、圧力開放孔163dが開弁され、圧力室175内に充満していた湯水混合水MWが圧力開放孔163dから排出されるため、主弁体161が弁座173から離座し、主弁体161と弁座173の間の隙間から弁口に湯水混合水MWが流出する。
流出した湯水混合水MWは、流量調整用の弁体156により流量調整された後、内部ケーシング124から流出し、カランから吐水される。
上述した本発明の第2実施形態の水栓装置100によれば、開閉弁及び弁体移動機構が水栓本体116の内部に水密的に収容されており、この水栓本体116の外部に配置された開閉弁操作部の弁制御部材であるマグネット184a、186aにより、磁力を使用してパイロット弁体168、169を移動させ、開閉弁を開閉させることができる。このため、開閉弁の水密構造とは独立して、開閉弁操作部を水栓本体116の外部に設けることができるので、水密構造を簡便にすることができる。また、水密的に構成された水栓本体116の外部から水栓本体116の内部に収容された開閉弁を開閉させることができるので、水栓本体116の部分をユニット化することができ、同一の水栓本体に種々の開閉弁操作部を適用することにより、種々の水栓装置を容易に構成することができる。
さらに、本実施形態の水栓装置100によれば、支持軸182を中心に回動する可動部材184、186により、可動部材184、186に設けられたマグネット184a、186aを水栓本体116と離接させることができるので、開閉弁操作部を簡便な機構で構成することができる。
また、本実施形態の水栓装置100によれば、開閉弁操作部保持手段である保持用マグネット176が、開閉弁操作部の一部である可動部材184、186を止水位置に保持するので、止水位置と吐水位置との間の可動部材184、186の偶発的な移動を抑制することができ、使用者の意図しない不意の吐水を防止することができる。
さらに、本実施形態の水栓装置100によれば、可動部材184、186が磁力により止水位置に保持されるので、簡便な構造で可動部材184、186を止水位置に保持することができると共に、可動部材184、186を止水位置に保持する保持力を、長期間に亘って安定的に作用させることができる。
また、本実施形態の水栓装置100によれば、水栓本体116が複数の開閉弁を備えているので、単一の水栓本体116から様々な吐水態様を選択自在にすることができる。
さらに、本実施形態の水栓装置100によれば、マグネット184a、186aが、開可動部材184、186に埋設されているので、マグネット184a、186aが水と接触することを抑制するため、マグネット184a、186aの腐食を抑制することができる。
また、本実施形態による水栓装置100によれば、マグネット184a、186aが、可動部材180、181と一体成形されているので、マグネット180a、181aが開閉弁操作部から脱落することを抑制できる。
さらに、本実施形態の水栓装置100によれば、開閉弁が、ダイヤフラム式の開閉弁であるので、精度よく開閉弁の開閉を行うことができる。
また、本実施形態の水栓装置100によれば、マグネット184a、186aは、これらマグネット184a、186aが所定温度以上になると、マグネット184a、186aと開閉弁のパイロット弁体168、169との間に作用する磁力が低下して、弁体移動機構が、パイロット弁体168、169を開弁させることができなくなるので、所定温度以上の湯の吐出を防止することができる。これにより、高温の湯の吐出を防止するハイカット弁等の機構を別に設ける必要がなくなり、水栓装置100を小型化させることができる。
さらに、本実施形態の水栓装置100によれば、開閉弁操作部が吐水位置に移動された状態においては、マグネット184a、186aの端部が弁体移動部材であるプランジャ130、131と接近するので、マグネット184a、186aの磁力が最も強い端部でプランジャ130、131を吸着することができ、磁力の弱いマグネット184a、186aでも弁体移動機構を作動させることができる。
また、本実施形態による水栓装置100によれば、流量調整用の弁体156の回動軸が、流調弁操作部である流調ハンドル114の回動軸に対して偏心しているので、弁体156が回動する軸線の径方向に水栓装置100を小型化させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、弁制御部材として永久磁石であるマグネットが取り付けられ、このマグネットにより磁性材料製の弁体移動部材(プランジャ)を吸着していたが、弁体移動部材を永久磁石により構成することもできる。或いは、弁制御部材を磁性材料製の部材で構成し、弁体移動部材を永久磁石により構成することもできる。
また、弁体移動部材(プランジャ)を永久磁石で構成し、弁制御部材を磁性材料で構成する場合においては、弁体移動部材を、所定温度(例えば55度)以上になると磁性を失うように構成するのが良い。このように構成すると、水栓本体内に高温の湯が流入して、弁体移動部材が所定温度以上になると、弁制御部材との間に作用する磁力が低下して、開閉弁を開弁させることができなくなる。これにより、水栓本体内に高温の湯が流入した場合には、弁体移動部材を引き上げることができなくなり、各開閉弁を開弁させることができなくなるので、高温の湯の吐出を防止することができる。
さらに、上述した実施形態においては、圧力室の壁面を形成する部材(主弁体抑え)に圧力開放孔が形成され、この圧力開放孔がパイロット弁体により開閉されていたが、圧力開放孔は主弁体抑え以外に設けることもできる。例えば、圧力室の一部を構成している主弁体に圧力開放孔を設けておき、この圧力開放孔をパイロット弁体により開閉する形式の開閉弁に本発明を適用することもできる。
また、上述した実施形態においては、弁制御部材であるマグネットにより、弁体移動機構を構成するプランジャを吸着することで、パイロット弁体を移動させ、開閉弁を開閉させていたが、マグネットによりパイロット弁体を直接移動させることもできる。この場合には、マグネットにより吸着可能な磁性材料製の部材又は磁石をパイロット弁体に設けておくのが良い。このような構成においては、パイロット弁体に設けられた磁性材料製の部材又は磁石が、弁体移動機構及び弁体移動部材として機能する。
1 水栓装置
2 湯供給管
4 水供給管
6 カラン
8 シャワーヘッド
8a シャワーホース
10 開閉操作部
10a 連結部材
10b マグネット(弁制御部材)
12 温調ハンドル
14 流調ハンドル
16 水栓本体
18 前面カバー
20 背面カバー
22 外郭部材
22a 左開口
22b 右開口
22c 湯供給口
22d 水供給口
22e カラン接続口
22f シャワー接続口
24 内部ケーシング
24a 左開口
24b 右開口
26 温調ユニット
26a 流出口
28 開閉弁ユニット
30、31 プランジャ(弁体移動部材)
32、33 プランジャ付勢ばね
34a、34b Oリング
36 流調ノブ
40a、40b 押えリング
42a 第一本体部材
42b 第二本体部材
42c 湯側シート面
42d 水側シート面
44 温調主弁体
46 送りねじ
48 摺動部材
50 バイアスばね
52 感温ばね
54a、54b 開閉弁
56 弁体
56a、56b 切欠
56c 操作ギア
58 ケーシング
58a ボア
58b 流入口
58c、58d 平面部
60、61 主弁体
60a、61a 小孔
62、63 主弁体抑え
62a、63a 基部
62b、63b 主弁体収納部
62c、63c 凹部
62d、63d 圧力開放孔
64、65 主弁体抑え固定板
64a、65a 基部
64b、65b 膨出部
66 固定ねじ
68、69 パイロット弁体
70、71 付勢ばね
72、73 弁座
74、75 圧力室
76 保持用マグネット(開閉弁操作部保持手段)
78、80 摺動抵抗用マグネット(摺動抵抗手段)
100 水栓装置
112 温調ハンドル
114 流調ハンドル
116 水栓本体
118 前面カバー
118a 開口
120 背面カバー
122 外郭部材
122d 水供給口
122e カラン接続口
122f シャワー接続口
124 内部ケーシング
130 プランジャ(弁体移動部材)
131 プランジャ(弁体移動部材)
156 弁体
158 ケーシング
160 主弁体
161 主弁体
162 主弁体抑え
163 主弁体抑え
162d 圧力開放孔
168 パイロット弁体
169 パイロット弁体
170 付勢ばね
171 付勢ばね
172 弁座
173 弁座
174 圧力室
175 圧力室
176 保持用マグネット(開閉弁操作部保持手段)
182 支持軸
184 可動部材
184a マグネット(弁制御部材)
184b 磁性部材
186 可動部材
186a マグネット(弁制御部材)
186b 磁性部材

Claims (11)

  1. 磁力により止水状態と吐水状態とを切り替える水栓装置であって、
    開閉弁ケーシングと、この開閉弁ケーシング内に収容された主弁体と、この主弁体の着座する弁座と、を有する開閉弁と、
    弁体移動部材を有し、上記主弁体を移動させる弁体移動機構と、
    上記開閉弁ケーシングを取り囲むように設けられ、上記開閉弁および上記弁体移動機構を内部に水密的に収容している水栓本体と、
    弁制御部材を有し、上記水栓本体の外部に配置された開閉弁操作部と、を備え、
    上記開閉弁操作部を操作することにより、上記水栓本体の外部の上記弁制御部材と、上記水栓本体の内部に収容された上記弁体移動部材との間で、上記水栓本体の壁面を通して磁力が作用して、上記弁体移動機構が上記主弁体を移動させ、上記開閉弁が開閉されることを特徴とする水栓装置。
  2. 上記開閉弁操作部は、上記弁制御部材が設けられ、止水位置と吐水位置との間で移動可能な可動部材を備え、上記水栓装置は、さらに、上記可動部材を上記止水位置に保持する開閉弁操作部保持手段を備える請求項1に記載の水栓装置。
  3. 上記開閉弁操作部保持手段は磁性材料により構成され、この磁性材料と上記可動部材との間に作用する磁力により上記可動部材が上記止水位置に保持される請求項2に記載の水栓装置。
  4. 上記開閉弁操作部は、さらに、上記可動部材を回動可能に支持する支持軸を有し、上記可動部材の回動により、上記弁制御部材が上記水栓本体と離接し、上記弁制御部材と上記弁体移動部材との間に作用する磁力が変化する請求項2又は3に記載の水栓装置。
  5. 上記弁制御部材が、上記開閉弁操作部に埋設されている請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の水栓装置。
  6. 上記弁制御部材が、上記開閉弁操作部と一体成形されている請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の水栓装置。
  7. 上記開閉弁が、ダイヤフラム式の弁である請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の水栓装置。
  8. 上記弁体移動機構は、上記弁制御部材が上記弁体移動部材を吸着したとき上記主弁体を開弁させるように構成され、上記弁制御部材又は上記弁体移動部材は、所定温度以上になると、これらの間に作用する磁力が低下し、かつ、上記弁体移動機構が上記開閉弁を開弁させることができなくなるように構成されている請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の水栓装置。
  9. 上記弁制御部材は永久磁石により構成され、上記開閉弁操作部が吐水位置に移動された状態においては、上記弁制御部材の端部が上記弁体移動部材の端部と接近することにより、上記弁体移動部材を吸着する請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の水栓装置。
  10. さらに、上記開閉弁の下流側に配置され、円筒形の弁体の回動により流量を調節する流量調整弁と、この流量調整弁に接続され回動動作によって上記弁体を回動させる流調弁操作部とを備え、上記流量調整弁の弁体の回動軸が、上記流調弁操作部の回動軸に対して偏心している請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の水栓装置。
  11. 上記開閉弁は、さらに、圧力開放孔を有すると共にこの圧力開放孔が閉鎖されると内部の圧力が上昇して上記主弁体を上記弁座に着座させる圧力室と、上記圧力開放孔を開閉するパイロット弁体と、を有し、上記弁体移動機構は、上記弁体移動部材と上記弁制御部材との間に作用する磁力に基づいて上記パイロット弁体を移動させ、上記主弁体を開閉させる請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の水栓装置。
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