JP3928658B1 - 湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓 - Google Patents

湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる湯水混合装置を提供する。
【解決手段】本発明は、湯及び水を混合して吐出させる湯水混合装置(20)であって、湯側シート面(22c)及び水側シート面(24b)を備えた湯水混合装置本体(21)と、両側にシート部が形成されており、湯水混合装置本体の内部に移動可能に配置され、移動されることにより、流入する湯及び水の流量を変化させる主弁体(30)と、湯及び水が主弁体の外側で混合されるのを抑制する湯水隔離手段(42)と、主弁体を所定方向に摺動させるように付勢する付勢手段(32)と、逆方向に主弁体を付勢し、湯の温度に応じて付勢力が変化する感温付勢手段(34)と、を有し、シート部は、湯側シート面又は水側シート面と当接するシート曲線(60d)の長さを延長するために凹凸形状にされていることを特徴としている。
【選択図】図3

Description

本発明は、湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓に関し、特に、供給された湯及び水を混合し、適温に調整された湯を吐出させる湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓に関する。
特開平8−42744号公報(特許文献1)には、湯水混合装置が記載されている。この湯水混合装置は、円筒状の湯水混合装置本体内部に摺動可能に配置された円筒状の主弁体の両側に感温ばねとバイアスばねが配置され、これらのばねによる付勢力が釣り合う位置に主弁体が移動されるように構成されている。この構造により、主弁体は、混合された湯の温度が上昇すると、感温ばねの付勢力が増加して湯水混合装置本体に形成された湯側シート面と主弁体との間の隙間が狭くなり、水側シート面と主弁体との間の隙間が広くなるように移動される。これにより、湯水混合装置から吐出される湯の温度が所定の温度に調整される。
しかしながら、このような湯水混合装置では、湯又は水の供給圧力が急激に変化した場合等に、吐出される湯の温度が設定温度からずれることがあるという問題がある。特開2000−266227号公報(特許文献2)には、湯水混合装置の温度調節性能を向上させ、吐出される湯の温度の設定温度からのずれを抑制するには、湯側シート面と水側シート面との間で移動される主弁体のストロークを小さくすることが有効であることが記載されている。
特開平8−42744号公報 特開2000−266227号公報
しかしながら、温度調節性能を向上させるために、特開2000−266227号公報に記載されているように、湯側シート面と水側シート面との間で移動される主弁体のストロークを小さくすると、湯又は水が流入する各シート面と主弁体との間の隙間が狭くなる。このため、供給された湯及び水を湯水混合装置本体内部に流入させる流路面積が小さくなり、湯水混合装置の吐出流量が減少してしまうという問題がある。
従って、本発明は、十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、供給された湯及び水を混合し、適温に調整された湯を吐出させる湯水混合装置であって、湯側シート面及び水側シート面を備えた湯水混合装置本体と、両側にシート部が形成されており、湯水混合装置本体の内部に移動可能に配置され、移動されることにより、各シート部と湯側シート面及び水側シート面との間の隙間を変化させ、湯水混合装置本体内に流入する湯及び水の流量を変化させる主弁体と、この主弁体の外周と湯水混合装置本体の内壁面との間に配置され、湯水混合装置本体内に流入した湯及び水が、主弁体の外側で混合されるのを抑制する湯水隔離手段と、主弁体を所定方向に摺動させるように付勢する付勢手段と、この付勢手段とは逆の方向に主弁体を付勢し、湯水混合装置本体内で混合された湯の温度に応じて付勢力が変化する感温付勢手段と、を有し、シート部は、少なくとも一方が、湯側シート面又は水側シート面と当接するシート曲線の長さを延長するために凹凸形状にされ、、主弁体は、湯水隔離手段と主弁体が接触する線によって囲まれた面の面積と、シート曲線によって囲まれた面の面積がほぼ等しくなるように構成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、主弁体が、湯水混合装置本体内に摺動可能に配置されている。また、主弁体は、付勢手段によって所定方向に付勢されると共に、感温付勢手段によって所定方向とは反対の方向に付勢される。主弁体は、付勢手段による付勢力と、混合された湯の温度に応じて変化する感温付勢手段による付勢力のバランスにより摺動される。主弁体が移動されると、その両側に形成されたシート部と、湯水混合装置本体に備えられた湯側シート面及び水側シート面との間の隙間が変化する。少なくとも一方のシート部は、シート部と湯側シート面又は水側シート面が当接するシート曲線の長さを延長するために凹凸形状にされている。供給された湯及び水は、シート曲線の長さに、各シート面とシート部との間の隙間を乗じた断面積の流路を通って、湯水混合装置本体に流入される。混合された湯の温度に応じて主弁体が移動され、湯水混合装置本体に流入される湯及び水の流量が変化することにより、混合された湯の温度が調節される。
このように構成された本発明によれば、少なくとも一方のシート部のシート曲線が凹凸形状にされ、延長されているので、温度調節性能を向上させるために各シート面とシート部との間の隙間を小さく構成した場合でも、断面積が大きい流路を確保することができる。また、湯水隔離手段と主弁体が接触する線によって囲まれた面の面積と、シート曲線によって囲まれた面の面積がほぼ等しくなるように主弁体が構成されているので、主弁体に作用する、湯及び水の一次圧に基づく力による外乱を減少させることができる。これにより、十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる。
また、本発明は、供給された湯及び水を混合し、適温に調整された湯を吐出させる湯水混合装置であって、湯側シート面及び水側シート面を備えた湯水混合装置本体と、両側にシート部が形成されており、湯水混合装置本体の内部に移動可能に配置され、移動されることにより、各シート部と湯側シート面及び水側シート面との間の隙間を変化させ、湯水混合装置本体内に流入する湯及び水の流量を変化させる主弁体と、この主弁体の外周と湯水混合装置本体の内壁面との間に配置され、湯水混合装置本体内に流入した湯及び水が、主弁体の外側で混合されるのを抑制する湯水隔離手段と、主弁体を所定方向に摺動させるように付勢する付勢手段と、この付勢手段とは逆の方向に主弁体を付勢し、湯水混合装置本体内で混合された湯の温度に応じて付勢力が変化する感温付勢手段と、を有し、シート部は、少なくとも一方が、湯側シート面又は水側シート面と当接するシート曲線を主弁体の摺動方向に投影したとき、シート曲線が、湯水隔離手段と主弁体が接触する線によって囲まれた面の内部及び外部を通るように形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、主弁体が、湯水混合装置本体内に摺動可能に配置されている。また、主弁体は、付勢手段によって所定方向に付勢されると共に、感温付勢手段によって所定方向とは反対の方向に付勢される。主弁体は、付勢手段による付勢力と、混合された湯の温度に応じて変化する感温付勢手段による付勢力のバランスにより摺動される。主弁体が移動されると、その両側に形成されたシート部と、湯水混合装置本体に備えられた湯側シート面及び水側シート面との間の隙間が変化する。少なくとも一方のシート部は、湯側シート面又は水側シート面とシート部が当接するシート曲線を主弁体の摺動方向に投影したとき、シート曲線が湯水隔離手段によって囲まれた面の内部及び外部を通るように形成されている。供給された湯及び水は、シート曲線の長さに、各シート面とシート部との間の隙間を乗じた断面積の流路を通って、湯水混合装置本体に流入される。混合された湯の温度に応じて主弁体が移動され、湯水混合装置本体に流入される湯及び水の流量が変化することにより、混合された湯の温度が調節される。
このように構成された本発明によれば、少なくとも一方のシート部のシート曲線が湯水隔離手段によって囲まれた面の内部及び外部を通るように形成されているので、シート曲線によって囲まれた面の面積を湯水隔離手段によって囲まれた面の面積よりも著しく大きくすることなく、シート曲線の長さを延長することが可能になる。
本発明において、好ましくは、主弁体は、シート曲線の長さが、湯水隔離手段と主弁体が接触する線によって囲まれた面の外周の長さよりも長くなるように構成されている。
このように構成された本発明によれば、主弁体を大型化することなく、シート曲線の長さを延長することができるので、各シート面とシート部との間の隙間を小さく構成した場合でも、断面積が大きい流路を確保することができ、十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、主弁体は、湯水隔離手段と主弁体が接触する線によって囲まれた面の面積と、シート曲線によって囲まれた面の面積がほぼ等しくなるように構成されている。
このように構成された本発明によれば、主弁体に作用する、湯及び水の一次圧に基づく力による外乱を減少させることができるので、温度調節性能を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、湯水混合装置本体は、主弁体が移動するストロークを調整可能に構成されている。
このように構成された本発明によれば、湯水混合装置を構成する各部品の寸法誤差に関わりなく、主弁体のストロークを設定することができるので、各湯水混合装置の個体間のバラツキを減少させることができる。
本発明において、好ましくは、湯水混合装置本体が、ねじ込み量を調節することによりストロークを調節することができる、互いに螺合された第1本体部材及び第2本体部材と、これら第1本体部材と第2本体部材の相対回転位置を固定する固定手段と、を有する。
このように構成された本発明によれば、ねじ込み量を調節することにより主弁体のストロークを調節することができるので、ストロークの調節を、簡単な構造で実現することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、第1本体部材と第2本体部材を相対的に回転させる際にクリック感を与えるクリックストップ機構を有する。
このように構成された本発明によれば、ねじ込み量を調節する際の第1本体部材と第2本体部材の相対的な回転にクリック感が与えられるので、一旦設定したストロークを容易に再現することができ、ストロークを容易に調節することができる。
本発明において、好ましくは、湯水隔離手段がC形リングであり、さらに、主弁体が摺動する方向の振動を減衰させる振動減衰手段を有する。
このように構成された本発明においては、C形リングによって流入した湯及び水が隔離されるので、主弁体に作用する摺動抵抗が小さくなる。また、振動減衰手段によって、主弁体の振動が減衰される。
このように構成された本発明によれば、主弁体に作用する摺動抵抗を抑制しながら、主弁体の振動を防止することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、湯水隔離手段の両側に夫々配置され、湯水隔離手段の位置を規制するC形の位置規制部材を有する。
このように構成された本発明によれば、位置規制部材がC形に形成されているので、主弁体が一つの部品から構成されている場合でも、外径が細くなった中央部に位置規制部材を配置することができる。
また、本発明の湯水混合水栓は、本発明による湯水混合装置と、この湯水混合装置を収納する水栓本体と、湯水混合装置によって混合された湯の吐水状態と止水状態を切替える開閉弁と、混合された湯を吐出させる吐出部と、を有することを特徴としている。
本発明の湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓によれば、十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による湯水混合水栓を説明する。
まず、図1乃至図9を参照して、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓全体を示す斜視図である。図2は、本実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の斜視図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による湯水混合水栓1は、水栓本体2と、この水栓本体2に給湯器(図示せず)からの湯を供給する湯供給脚4と、水栓本体2に水道水を供給する水供給脚6と、を有する。さらに、湯水混合水栓1は、水栓本体2左端部に取り付けられた湯温調節用ダイヤル8と、右端部に取り付けられた吐止水切替ハンドル10と、を有する。また、湯水混合水栓1は、温度調節された湯を吐出させる吐出部であるカラン12及びシャワーヘッド14を有する。さらに、水栓本体2には、開閉弁である切替バルブ16が内蔵されている。本実施形態の湯水混合水栓1は、湯供給脚4及び水供給脚6から夫々供給された湯及び水を、湯温調節用ダイヤル8によって設定された温度になるように混合し、吐止水切替ハンドル10を操作して、カラン12又はシャワーヘッド14から吐出させるように構成されている。
湯供給脚4は、壁面に設けられた給湯管(図示せず)と水栓本体2とを連結し、水栓本体2に湯を供給するように構成されている。
水供給脚6は、壁面に設けられた水道管(図示せず)と水栓本体2とを連結し、水栓本体2に水を供給するように構成されている。
水栓本体2には、湯供給脚4及び水供給脚6を介して導入された湯及び水を、適宜混合して所望の温度に調節する湯水混合装置20(図2)が内蔵されている。また、水栓本体2に取り付けられた吐止水切替ハンドル10は、これを回転操作することによって、水栓本体2に内蔵された切替バルブ16を切替え、止水状態、カラン12からの吐水状態、シャワーヘッド14からの吐水状態が切替えられるようになっている。吐止水切替ハンドル10をカランの側に回転させると、湯水混合装置20(図2)によって適温に混合された湯がカラン12から吐水され、吐止水切替ハンドル10をシャワーの側に回転させると、適温に混合された湯が、シャワーヘッド14から吐水される。
また、湯温調節用ダイヤル8は、これを廻すことによって水栓本体2に内蔵された湯水混合装置20を操作し、湯水混合装置20によって調節される湯の温度を変化させることができるように構成されている。
次に、図2乃至図7を参照して、本実施形態の湯水混合水栓1に内蔵された湯水混合装置20を説明する。図3は湯水混合装置20の断面図であり、図4は分解斜視図である。また、図5は湯水混合装置20に内蔵された主弁体の斜視図であり、図6は断面図、図7は側面図である。
図3に示すように、湯水混合装置20は、第1本体部材22と、この第1本体部材22に螺合される第2本体部材24と、湯温調節用ダイヤル8に連結される送りねじ26と、この送りねじ26に螺合され、送りねじ26が回転されると第1本体部材22内で摺動する摺動部材28と、を有する。また、湯水混合装置20は、第1本体部材22の内部に移動可能に配置された主弁体30と、主弁体30を図3における右方向に付勢する付勢手段であるバイアスばね32と、バイアスばね32とは反対方向の図3における左方向に主弁体30を付勢する感温付勢手段である感温ばね34と、を有する。本実施形態においては、感温ばね34として、形状記憶合金製のコイルばねを使用している。
図3及び図4に示すように、第1本体部材22は、概ね円筒状の形態であり、図3において右側に位置する第2本体部材24と螺合されることにより湯水混合装置本体21を構成している。また、第1本体部材22には、湯を流入させるための湯導入口22a及び水を流入させるための水導入口22bが夫々円周方向に設けられている。また、湯導入口22aの図3における左側の端面は、主弁体30と当接する湯側シート面22cとして形成されている。
第2本体部材24は、概ね円筒状の形態であり、その外周端部に形成された雄ねじ部24aを、第1本体部材22の端部に形成された雌ねじ部22dと螺合させることによって、第1本体部材22に取り付けられている。また、第2本体部材24の先端部は、主弁体30と当接する水側シート面24bとして形成されている。このため、第2本体部材24を第1本体部材22に螺合させるねじ込み量を変化させることにより、湯側シート面22cと水側シート面24bの間隔を調整することができる。さらに、第2本体部材24の水側シート面24bとは反対側の端部には、湯水混合装置本体21内で混合された湯を流出させる吐出口24cが形成されている。
また、第2本体部材24の先端部外周には、スプライン状の凹凸面24eが形成されている。第1本体部材22の、スプライン状の凹凸面24eに対応する位置には、固定手段である止めねじ25が、第1本体部材22の半径方向に向けて螺合されている。この止めねじ25の先端が、凹凸面24eと接触することにより、第2本体部材24を第1本体部材22にねじ込む際にクリック感が与えられる。第2本体部材24のねじ込み量を調整した後、第1本体部材22の半径方向に螺合された固定手段である止めねじ25をさらに締め込むことにより、湯側シート面22cと水側シート面24bの間隔が固定される。湯側シート面22cと水側シート面24bの間隔の調整の詳細については後述する。
送りねじ26は、第1本体部材22の内部に回転可能に配置されている。送りねじ26の一方の端部には、湯温調節用ダイヤル8が取り付けられるスプライン部26aが形成され、他方の端部には、摺動部材28と螺合される送り雄ねじ部26bが形成されている。
摺動部材28は、概ね円筒形の形態であり、第1本体部材22の内部に摺動可能に配置されている。また、摺動部材28の外側には、軸線方向の溝28aが形成されており、この溝28aが、第1本体部材22の内部に形成された軸線方向に延びる突起(図示せず)を受け入れることによって、摺動部材28の第1本体部材22に対する回転が拘束されている。さらに、摺動部材28の内側には、送りねじ26の送り雄ねじ部26bと螺合される送り雌ねじ部28bが形成されている。これにより、送りねじ26を回転させると、摺動部材28は第1本体部材22の軸線方向に摺動される。
主弁体30は、図5乃至図7に示すように、概ね円筒状の円筒部60と、この円筒部60の中心を通って延びる弁軸部62と、円筒部60と弁軸部62を連結する放射状に延びる8本のアーム64と、を有する。円筒状の円筒部60の両端には、湯側シート面22cと当接するシート部60aと、水側シート面24bと当接するシート部60bが夫々形成されている。各シート部60a、60bの間の中間部60cは、各シート部60a、60bよりも外径が小さく形成されている。
図7に示すように、シート部60aの湯側シート面22cと当接する部分であるシート曲線60dは、概ね、半円形を交互に多数連結した正弦波に類似した形状にされている。また、図7には、中間部60cの外径を、主弁体30の摺動方向である軸線方向に投影した円Cが想像線で示されている。図7に示すように、シート曲線60dは、想像線で示す円Cの円周を縫うように円周の内部及び外部を通るように延びている。本実施形態においては、シート曲線60dは、円Cの内側にあるシート曲線60dと円Cの円周によって囲まれる面A1の面積の総和と、円Cの外側にあるシート曲線60dと円Cの円周によって囲まれる面A2の面積の総和が、ほぼ等しくなるように構成されている。換言すれば、シート曲線60dは、シート曲線60dによって囲まれる面の面積が、円Cの面積とほぼ等しくなるように構成されている。また、シート部60bの水側シート面24bと当接する部分であるシート曲線60eも、シート曲線60cと同様の形状にされている。
一方、図3に示すように、湯水隔離手段である樹脂製のC形リング42が、主弁体30の中間部60cの外周に当接するように配置されている。このC形リング42は、主弁体30の中間部60cと第1本体部材22の内壁面との間に位置し、湯水混合装置本体21内に流入した湯及び水が主弁体30の外側で混合されるのを抑制している。従って、C形リング42と主弁体30の中間部60cが接触する線は図7の円Cの円周と一致し、C形リング42によって囲まれる面の面積は円Cの面積と等しくなる。また、C形リング42の両側には、位置規制部材であるスペーサーリング44及び脚付スペーサーリング46が夫々配置されている。スペーサーリング44は、切欠を有するC形のリングであり、第1本体部材22の内壁に形成された段部22eに係合するように配置されている。
なお、C形リング42と湯水混合装置本体21の内壁面との間、及びC形リング42と中間部60cとの間には微少な隙間が存在するため、湯水混合装置本体21内に流入した湯及び水が完全に隔離されることはない。しかしながら、それら微少な隙間の流路抵抗が大きいため、湯と水は、主弁体30の外側において必要にして十分な程度に隔離される。また、湯水隔離手段としてOリングを使用することもでき、この場合には湯と水をほぼ完全に隔離することができる。
図4に示すように、脚付スペーサーリング46は、軸線方向に延びる6本の脚部46aを備えた、切欠を有するC形のリングである。図3に示すように、この脚部46aの先端は、第2本体部材24の水側シート面24bに当接するように配置されている。これにより、C形リング42の位置は、その両側に配置されたスペーサーリング44及び脚付スペーサーリング46によって規制され、第1本体部材22内の所定の位置に位置決めされる。
弁軸部62は、円筒部60の中心を軸線方向に貫通するように延びている。図3に示すように、弁軸部62の左側の先端は、送りねじ26に形成されたガイド穴26cに摺動可能に受け入れられ、右側の先端は、第2本体部材24に形成されたガイド穴24dに摺動可能に受け入れられている。これにより、主弁体30は、弁軸部62に沿って湯水混合装置本体21の軸線方向に移動可能に支持される。また、弁軸部62がガイド穴26c及び24dの中で摺動される際、各ガイド穴の中には湯水混合装置本体21内の湯が流入し、又は各ガイド穴の中から湯が流出するため、これが主弁体30の摺動方向の振動を減衰させるダンパーとして作用する。従って、弁軸部62、及びガイド穴26c、24dは、振動減衰手段として機能する。
一方、図3に示すように、主弁体30の左側には、弁軸部62を取り囲むように、脚付環状部材38と、バイアスばね32と、ばね押え金具36が配置されている。脚付環状部材38は、その脚部が主弁体30に当接するように配置されている。ばね押え金具36は、中央部が隆起したドーナツ板状の金具であり、Cクランプ36aによって弁軸部62の所定の位置に位置決めされている。バイアスばね32は、脚付環状部材38の環状部とばね押え金具36の間に挟まれ、予め圧縮された状態で弁軸部62の周囲に配置される。この構成により、バイアスばね32は、摺動部材28がばね押え金具36に当接すると、主弁体30を、図3における右方向に付勢する。
また、図3に示すように、主弁体30の右側には、弁軸部62を取り囲むように、感温ばねガイド部材40と、感温ばね34が配置されている。感温ばねガイド部材40は、概ね円筒状の部材であり、第2本体部材24の内部で摺動可能に配置されている。また、感温ばねガイド部材40の図3における左側の端部は主弁体30に当接するように配置され、この端部には、湯水混合装置本体21に流入した湯及び水を混合させ、温度を均一にするための放射状の羽根40aが設けられている。さらに、感温ばね34は、感温ばねガイド部材40の内部に、弁軸部62を取り囲むように配置されている。この感温ばね34の図3における左側の端部は、感温ばねガイド部材40に当接し、右側の端部は第2本体部材24の内壁面の端部に当接するように配置されている。この構成により、感温ばね34は、感温ばねガイド部材40を介して、主弁体30を図3における左方向に付勢する。
一方、第1本体部材22の、図2及び図3における左側の端面には、ばね金具48が配置されている。このばね金具48は、送りねじ26と共に回転されるように、スプライン部26aの基端部に係合されている。さらに、ばね金具48をスプライン部26aの基端部に押付けるために、Oリング50がスプライン部26aの基端の周囲に配置されている。ばね金具48は、円弧状に延びる2本の板ばね部48aと、その先端に夫々形成された、山形に折り曲げられた係合部48bと、を有する。
また、図2に示すように、第1本体部材22の左側の端面には、その外周部に設けられた放射状のスプライン部22fが形成されている。このスプライン部22fには、ばね金具48の係合部48bが、板ばね部48aを介して押付けられている。この構成により、送りねじ26を回転させると、ばね金具48が共に回転され、その際、スプライン部22fに押付けられた係合部48bが、スプラインの山を乗り越えることにより、送りねじ26の回転にクリック感が与えられる。
一方、第1本体部材22の外側には、湯導入口22a及び水導入口22bを覆うように、円筒状のフィルター52、54が夫々配置されており、湯又は水に混入したゴミ等が、湯水混合装置20内に流入するのを防止している。
次に、図8及び図9を参照して、湯側シート面22cと水側シート面24bの間隔、即ち、主弁体が移動するストロークを調整する手順を説明する。
まず、摺動部材28を螺合させた送りねじ26を第1本体部材22に挿入し、第1本体部材22から突出した送りねじ26のスプライン部26aに、ばね金具48及びOリング50を取り付ける。これにより、送りねじ26は、第1本体部材22に対して回転可能に取り付けられる。次いで、主弁体30の中間部60cの外周に、スペーサーリング44、C形リング42、及び脚付スペーサーリング46を、この順に取り付ける。さらに、脚付環状部材38、バイアスばね32、ばね押え金具36、及びCクランプ36aを主弁体30に組み付け、弁軸部62が送りねじ26のガイド穴26cに挿入されるように、主弁体30を第1本体部材22の中に配置する。
次に、バイアスばね32の反対側の、第1本体部材22から突出している弁軸部62の周囲に感温ばねガイド部材40及び感温ばね34を配置する。さらに、第2本体部材24を、感温ばねガイド部材40が中に受け入れられるように、第1本体部材22に螺合させる。これにより、弁軸部62は、第2本体部材24のガイド穴24dに受け入れられ、感温ばね34は、感温ばねガイド部材40と第2本体部材24の間に挟まれる。
図9に示すように、感温ばね34が感温ばねガイド部材40と第2本体部材24の間に挟まれ、感温ばね34が圧縮された状態では、主弁体30は、感温ばね34により、図9における左方向の付勢力を受ける。一方、図9に示すように、摺動部材28が送りねじ26の送り雄ねじ部26bの基端まで螺合された状態では、摺動部材28は、ばね押え金具36から離間しているため、主弁体30にはバイアスばね32による付勢力は作用しない。従って、この状態では、主弁体30には、感温ばね34による付勢力のみが作用することになる。これにより、主弁体30は、図9における左方向に押圧され、主弁体30のシート部60aが、第1本体部材22の湯側シート面22cに当接される。
図8及び図9に示すように、シート部60aが湯側シート面22cに当接された状態で、隙間ゲージ66を、主弁体30の反対側のシート部60bと第2本体部材24の水側シート面24bとの間に挿入する。次いで、隙間ゲージ66が、シート部60b及び水側シート面24bに当接するまで、第2本体部材24を第1本体部材22にねじ込む。これにより、湯側シート面22cと水側シート面24bとの間で移動される主弁体30のストロークは、各部品の寸法誤差の影響を受けることなく、隙間ゲージ66の厚さによって規定される。なお、本実施形態においては、厚さ0.7mmの隙間ゲージ66を使用して、主弁体30のストロークを0.7mmに調整している。
なお、第1本体部材22に螺合されている止めねじ25を、予めその先端が僅かに突出するようにねじ込んでおくことにより、止めねじ25と第2本体部材24の凹凸面24eが接触する。これにより、第2本体部材24を第1本体部材22にねじ込む際にクリック感が与えられる。このクリック感により、調整中に一旦設定した第2本体部材24のねじ込み量を再現することができ、主弁体30のストロークの調整が容易になる。従って、第2本体部材24の凹凸面24e及び止めねじ25は、クリックストップ機構として機能する。第2本体部材24のねじ込み量を調整した後、止めねじ25をさらに締め込み、第2本体部材24の回転位置を固定する。
次に、図1乃至図9を参照して、本発明の実施形態による湯水混合水栓1の作用を説明する。
まず、湯水混合水栓1の使用者は、湯温調節用ダイヤル8を所望の温度に設定する。ここで、湯温調節用ダイヤル8を最低温度に設定した場合には、摺動部材28は図3における左端に位置される。この状態では、図3に示すように、摺動部材28がばね押え金具36から離間するのでバイアスばね32による付勢力は作用せず、主弁体30のシート部60aは、感温ばね34の付勢力により湯側シート面22cに当接される。即ち、湯水混合装置本体21内には、水のみが流入できる状態となる。
次に、使用者が設定温度を上昇させるために、湯温調節用ダイヤル8を操作して送りねじ26を回転させると、摺動部材28は図3における右方向に移動され、摺動部材28はばね押え金具36と当接する。これにより、バイアスばね32による付勢力も主弁体30に作用するようになり、主弁体30は、バイアスばね32の付勢力と感温ばね34の付勢力が釣り合う位置に移動される。
湯温調節用ダイヤル8を設定した後、使用者が吐止水切替ハンドル10を操作して、切替バルブ16を止水位置からカラン12又はシャワーヘッド14からの吐水位置に切替えると、カラン又はシャワーからの吐水が開始される。吐水が開始されると、湯供給脚4から導入された湯は、フィルター52を介して湯導入口22aに流入し、水供給脚6から導入された水は、フィルター54を介して水導入口22bに流入する。湯導入口22aから流入した湯は主弁体30のシート部60aと湯側シート面22cの間を通って湯水混合装置本体21内部に流入し、水導入口22bから流入した水は主弁体30のシート部60bと水側シート面24bの間を通って湯水混合装置本体21内部に流入する。
ここで、湯を湯水混合装置本体21内部に流入させる流路断面積Afhは、シート部60aと湯側シート面22cの間の距離Lchに、シート部60aのシート曲線60dの長さLshを乗じた面積Lch×Lshとなる。同様に、水を湯水混合装置本体21内部に流入させる流路断面積Afcは、シート部60bと水側シート面24bの間の距離Lccに、シート部60bのシート曲線60eの長さLscを乗じた面積Lcc×Lscとなる。
本実施形態においては、シート曲線60d及びシート曲線60eが凹凸形状にされているため、従来の湯水混合装置よりもシート曲線が長く、湯及び水を湯水混合装置本体21内部に流入させる流路断面積Afh,Afcが大きくなる。即ち、従来の湯水混合装置では、シート曲線は円形に構成されており、その長さは主弁体の円筒部外径の円周とほぼ同一であるのに対し、本実施形態においては、シート曲線が主弁体の円筒部外径の円周(図7の円C)よりも非常に長くなる。即ち、本実施形態においては、主弁体30の円筒部60の周長約59.3mmに対して、シート曲線の長さLsh、Lscの長さは夫々約93.2mmであり、シート曲線の長さは円筒部60の円周の長さの約1.6倍にも達する。従って、主弁体のストローク(Lch+Lcc)を同一とした場合、湯及び水を流入させる流路断面積Afh,Afcは、本実施形態の湯水混合装置20では、従来の湯水混合装置の約1.6倍になる。
湯水混合装置本体21に流入した湯は、主弁体30の円筒部60の中を通って、図3における右方向に流れる。また、湯水混合装置本体21に流入した水は、円筒部60の中を流れる湯と混合され、主に感温ばね34の内部を通って吐出口24cから流出する。この際、感温ばねガイド部材40の羽根40aにより、湯と水の混合が促進され、ほぼ均一な温度に混合されて感温ばね34の内部を流れる。吐出口24cから流出した湯は、切替バルブ16(図1)を通って、カラン12又はシャワーヘッド14から吐出される。
感温ばね34の内部を流れる湯の温度が設定温度よりも高い場合には、感温ばね34は伸びるように作用するので、感温ばね34による付勢力が増大する。これにより、感温ばね34による付勢力とバイアスばね32による付勢力が釣り合う位置が図3における左側に移動し、主弁体30は左方向に移動される。その結果、シート部60aと湯側シート面22cの間の距離は短くなり、シート部60bと水側シート面24bの間の距離は長くなるので、湯水混合装置本体21に流入する水の割合が増大し、吐出される湯の温度が低下する。逆に、感温ばね34の内部を流れる湯の温度が設定温度よりも低い場合には、感温ばね34による付勢力は減少し、主弁体30は図3における右方向に移動されて、吐出される湯の温度が上昇する。これらの作用により、カラン12又はシャワーヘッド14から吐出される湯の温度が、設定温度に調節される。
次に、主弁体30に作用する湯及び水の圧力を説明する。まず、主弁体30の円筒部60の外側には、湯及び水の一次圧が作用する。即ち、図3において、C形リング42の左側には湯の一次圧P1hが、右側には水の一次圧P1cが夫々作用する。夫々一次圧で供給された湯及び水が、主弁体30の各シート部と各シート面との間を通って主弁体30の内側に流入すると、流入の際に圧力損失が発生し、主弁体30の内側の圧力は二次圧P2に低下する。即ち、主弁体30の各シート曲線の外側には一次圧P1h又はP1cが作用し、各シート曲線の内側には二次圧P2が作用する。一般に、湯及び水が通過するシート部とシート面の間の隙間は小さいため、大きな圧力損失が発生し、二次圧は一次圧よりも非常に小さくなる。
ここで、湯側のシート曲線60dによって囲まれる面の面積Ahが、円筒部60の外径円の面積Ar(C形リング42によって囲まれる円の面積)よりも大きい場合には、これらの面積の差(Ah−Ar)に、一次圧と二次圧の圧力差(P1h−P2)を乗じた大きさの、図3における左方向の力(P1h−P2)×(Ah−Ar)が主弁体30に作用する。同様に、水側のシート曲線60eによって囲まれる面の面積Acが、円筒部60の外径円の面積Arよりも大きい場合には、これらの面積の差(Ac−Ar)に圧力差(P1c−P2)を乗じた大きさの、図3における右方向の力(P1c−P2)×(Ac−Ar)が主弁体30に作用する。一般に主弁体の両側の各シート曲線は同一に形成されているため、Ah=Acが成立する。従って、湯及び水の一次圧が等しい(P1h=P1c)場合には、これら左右方向の力は同一になり相殺されることになる。しかしながら、湯及び水の一次圧P1h、P1cは一般に異なるため、上記の左右方向の力の差によって主弁体30が押圧されることになる。この力は、バイアスばね32及び感温ばね34による付勢力と重畳され、主弁体30を移動させるので、湯水混合装置の温度調節性能に悪影響を与える。
しかしながら、本実施形態においては、上述したように、湯側のシート曲線60dによって囲まれる面の面積Ah、及び水側のシート曲線60eによって囲まれる面の面積Acが、円筒部60の外径円の面積Arとほぼ等しいため、湯及び水の一次圧が異なる場合であっても、上述した左右方向の力はほぼゼロになる。一方、従来の湯水混合装置における主弁体のように、各シート曲線が円形である場合には、シート曲線を延長しようとすれば、シート曲線によって囲まれる面の面積Ah,Acが主弁体の外径の円の面積Arよりも大きくなるため、主弁体が湯及び水の一次圧に基づく力を受けることになる。従って、従来の湯水混合装置においては、シート曲線の長さを、主弁体の外径円の円周よりも格段に延長することは困難である。
本発明の第1実施形態の湯水混合水栓によれば、主弁体のシート曲線が凹凸形状にされ、延長されているので、温度調節性能を向上させるために各シート面とシート部との間の隙間を小さく構成しても、十分に断面積が大きい流路を確保することができる。これにより、十分な吐出流量を確保しながら、温度調節性能を向上させることができる。
また、本実施形態の湯水混合水栓によれば、シート曲線を主弁体の摺動方向に投影したとき、シート曲線がC形リングによって囲まれた面の内部及び外部を通るように形成されているので、シート曲線の長さを延長しても、シート曲線によって囲まれた面の面積を、C形リングによって囲まれた面の面積とほぼ同一にすることができる。これにより、主弁体に作用する湯及び水の一次圧に基づく力の影響を回避しつつ、シート曲線の長さをC形リングの円周よりも長くすることができる。
さらに、本実施形態の湯水混合水栓によれば、主弁体のストロークを、第2本体部材の第1本体部材に対するねじ込み量によって調整することができるので、湯水混合装置を構成する部品に寸法誤差がある場合でも、シート部とシート面との間の隙間を正確に設定することができる。これにより、湯水混合装置の個体間のバラツキを減少させることができる。
また、本実施形態の湯水混合水栓によれば、第2本体部材を第1本体部材に対してねじ込む際にクリック感が与えられるので、一旦設定したストロークを容易に再現することができ、ストロークを容易に調節することができる。
さらに、本実施形態の湯水混合水栓によれば、主弁体の周囲に配置された樹脂製のC形リングによって、流入した湯及び水を隔離しているので、主弁体に作用する摺動抵抗を小さくすることができる。また、主弁体の弁軸部がガイド穴に挿入されているので、主弁体の振動を減衰させることができる。これにより、主弁体に作用する摺動抵抗を抑制しながら、主弁体の振動を防止することができる。
また、本実施形態の湯水混合水栓によれば、C形リングの両側に配置するスペーサーリング及び脚付スペーサーリングがC形に形成されているので、主弁体中央の細くなった円筒部に、各スペーサーリングを組み付けることができる。これにより、主弁体を一体成形しても各スペーサーリングを組み付けることができ、部品点数の増加による寸法誤差の累積を回避することができる。
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態による湯水混合水栓を説明する。本実施形態の湯水混合水栓は、内蔵されている湯水混合装置の主弁体を支持する弁軸部の構造が第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図10は、本実施形態の湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の断面図である。
図10に示すように、本実施形態の湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置100は、第1本体部材22と、第2本体部材24と、送りねじ26と、摺動部材28と、を有する。また、湯水混合装置100は、第1本体部材22の内部に移動可能に配置された主弁体30と、付勢手段であるバイアスばね32と、感温付勢手段である感温ばね34と、を有する。さらに、湯水混合装置100は、ばね押え金具36、Cクランプ36a、脚付環状部材38、感温ばねガイド部材40、C形リング42、スペーサーリング44、脚付スペーサーリング46、ばね金具48、Oリング50、フィルター52、及びフィルター54を有する。
主弁体30は、その中心を軸線方向に貫通する弁軸部102を有し、その両側の端部には、Oリング104、106が夫々取り付けられている。このOリング104が取り付けられた弁軸部102の端部は、送りねじ26に形成されたガイド穴26cに摺動可能に受け入れられている。一方、Oリング106が取り付けられた弁軸部102の反対側の端部は、第2本体部材24に形成されたガイド穴24dに摺動可能に受け入れられている。各ガイド穴の内壁面と弁軸部102の端部との間の隙間は、Oリング104、106によりシールされ、水密性が確保されている。また、送りねじ26には、ガイド穴26cと送りねじ26の外周面とを連通させる半径方向の小孔108が形成されている。さらに、第2本体部材24には、ガイド穴24dと第2本体部材24の端面とを連通させる軸線方向の小孔110が形成されている。
湯水混合装置100の作動時において、主弁体30が軸線方向に移動されると、ガイド穴26c、24dと、弁軸部102の端面によって囲まれた空間の体積が変化する。この主弁体30の移動により、ガイド穴26c、24dから小孔108、110を通って水が流出し、又は各小孔を通って各ガイド穴の内部に水が流入する。この水の流れにより、主弁体30の摺動方向の振動が減衰される。また、Oリング104、106と、ガイド穴26c、24dの内壁面との間の摺動抵抗も、主弁体30の振動を減衰させる。従って、弁軸部102、ガイド穴26c、24d、Oリング104、106、及び小孔108、110は、振動減衰手段として機能する。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、湯水混合装置本体21内に流入した湯及び水は、主弁体の周囲に取り付けられたC形リングによって隔離されているが、変形例として、C形リングに代えてゴム製のOリングを使用することもできる。この場合には、Oリングによる摺動抵抗が、主弁体30の振動を減衰させる振動減衰手段として機能する。
また、上述した実施形態においては、主弁体のシート曲線は、正弦波に類似した凹凸形状にされているが、シート曲線を他の凹凸形状に構成することもできる。
図11及び図12に主弁体の変形例を示す。図11はシート曲線を三角波状とした第1変形例の主弁体の斜視図(a)及び側面図(b)であり、図12はシート曲線を矩形波状とした第2変形例の主弁体の斜視図(a)及び側面図(b)である。
図11に示すように、第1変形例の主弁体200は、三角波状のシート曲線202を有する。図11(b)に示すように、シート曲線202は、主弁体200の円筒部204の外径を投影した円である円Cを縫うように、円Cの内部及び外部を通るように延びている。本変形例においては、円Cの周長は約59.3mmであり、シート曲線202の長さは84.0mmである。従って、シート曲線202の長さは円Cの周長の約1.4倍となる。
一方、図12に示すように、第2変形例の主弁体300は、矩形波状のシート曲線302を有する。図12(b)に示すように、シート曲線302は、主弁体300の円筒部304の外径を投影した円である円Cを縫うように、円Cの内部及び外部を通るように延びている。本変形例においては、円Cの周長は約59.3mmであり、シート曲線302の長さは119.2mmである。従って、シート曲線302の長さは円Cの周長の約2.0倍となる。
なお、第1変形例、第2変形例とも、シート曲線に外接する円の直径は約19.6mm、シート曲線に内接する円の直径は約18.1mmであり、上述した実施形態における主弁体30と同一である。しかしながら、これらの内接円及び外接円の直径と、円Cとの割合は適宜に変更することができる。また、本明細書において、シート曲線の「曲線」には、上記の変形例のように、線分を繋ぎ合わせた折れ線も含まれるものとする。
さらに、上述した実施形態においては、主弁体の両側のシート曲線が凹凸形状にされていたが、何れか一方のシート曲線を凹凸形状とし、他方のシート曲線を円形とすることもできる。
また、上述した実施形態では、感温付勢手段として形状記憶合金製のばねが使用されていたが、封入されたワックスが熱により液化される際の体積変化を利用したワックスエレメント等を、感温付勢手段として用いることもできる。
本発明の第1実施形態による湯水混合水栓全体を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の斜視図である。 本発明の第1実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の断面図である。 本発明の第1実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の分解斜視図である。 湯水混合装置に内蔵された主弁体の斜視図である。 湯水混合装置に内蔵された主弁体の断面図である。 湯水混合装置に内蔵された主弁体の側面図である。 湯側シート面と水側シート面の間隔を調整する手順を説明する斜視図である。 湯側シート面と水側シート面の間隔を調整する手順を説明する断面図である。 本発明の第2実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合装置の断面図である。 第1変形例による主弁体の斜視図(a)及び側面図(b)である。 第2変形例による主弁体の斜視図(a)及び側面図(b)である。
符号の説明
1 湯水混合水栓
2 水栓本体
4 湯供給脚
6 水供給脚
8 湯温調節用ダイヤル
10 吐止水切替ハンドル
12 カラン
14 シャワーヘッド
16 切替バルブ
20 湯水混合装置
21 湯水混合装置本体
22 第1本体部材
22a 湯導入口
22b 水導入口
22c 湯側シート面
22d 雌ねじ部
22e 段部
22f スプライン部
24 第2本体部材
24a 雄ねじ部
24b 水側シート面
24c 吐出口
24d ガイド穴
24e 凹凸面
25 止めねじ
26 送りねじ
26a スプライン部
26b 送り雄ねじ部
26c ガイド穴
28 摺動部材
28a 溝
28b 送り雌ねじ部
30 主弁体
32 バイアスばね
34 感温ばね
36 ばね押え金具
36a Cクランプ
38 脚付環状部材
40 感温ばねガイド部材
40a 羽根
42 C形リング
44 スペーサーリング
46 脚付スペーサーリング
48 ばね金具
48a 板ばね部
48b 係合部
50 Oリング
52 フィルター
54 フィルター
60 円筒部
60a シート部
60b シート部
60c 中間部
60d シート曲線
60e シート曲線
62 弁軸部
64 アーム
66 隙間ゲージ
100 本発明の第2実施形態による湯水混合装置
102 弁軸部
104 Oリング
106 Oリング
108 小孔
110 小孔
200 第1変形例による主弁体
202 シート曲線
204 円筒部
300 第2変形例による主弁体
302 シート曲線
304 円筒部

Claims (10)

  1. 供給された湯及び水を混合し、適温に調整された湯を吐出させる湯水混合装置であって、
    湯側シート面及び水側シート面を備えた湯水混合装置本体と、
    両側にシート部が形成されており、上記湯水混合装置本体の内部に移動可能に配置され、移動されることにより、上記各シート部と上記湯側シート面及び上記水側シート面との間の隙間を変化させ、上記湯水混合装置本体内に流入する湯及び水の流量を変化させる主弁体と、
    この主弁体の外周と上記湯水混合装置本体の内壁面との間に配置され、上記湯水混合装置本体内に流入した湯及び水が、上記主弁体の外側で混合されるのを抑制する湯水隔離手段と、
    上記主弁体を所定方向に摺動させるように付勢する付勢手段と、
    この付勢手段とは逆の方向に上記主弁体を付勢し、上記湯水混合装置本体内で混合された湯の温度に応じて付勢力が変化する感温付勢手段と、を有し、
    上記シート部は、少なくとも一方が、上記湯側シート面又は上記水側シート面と当接するシート曲線の長さを延長するために凹凸形状にされ、上記主弁体は、上記湯水隔離手段と上記主弁体が接触する線によって囲まれた面の面積と、上記シート曲線によって囲まれた面の面積がほぼ等しくなるように構成されていることを特徴とする湯水混合装置。
  2. 供給された湯及び水を混合し、適温に調整された湯を吐出させる湯水混合装置であって、
    湯側シート面及び水側シート面を備えた湯水混合装置本体と、
    両側にシート部が形成されており、上記湯水混合装置本体の内部に移動可能に配置され、移動されることにより、上記各シート部と上記湯側シート面及び上記水側シート面との間の隙間を変化させ、上記湯水混合装置本体内に流入する湯及び水の流量を変化させる主弁体と、
    この主弁体の外周と上記湯水混合装置本体の内壁面との間に配置され、上記湯水混合装置本体内に流入した湯及び水が、上記主弁体の外側で混合されるのを抑制する湯水隔離手段と、
    上記主弁体を所定方向に摺動させるように付勢する付勢手段と、
    この付勢手段とは逆の方向に上記主弁体を付勢し、上記湯水混合装置本体内で混合された湯の温度に応じて付勢力が変化する感温付勢手段と、を有し、
    上記シート部は、少なくとも一方が、上記湯側シート面又は上記水側シート面と当接するシート曲線を上記主弁体の摺動方向に投影したとき、上記シート曲線が、上記湯水隔離手段と上記主弁体が接触する線によって囲まれた面の内部及び外部を通るように形成されていることを特徴とする湯水混合装置。
  3. 上記主弁体は、上記シート曲線の長さが、上記湯水隔離手段と上記主弁体が接触する線によって囲まれた面の外周の長さよりも長くなるように構成されている請求項1又は2記載の湯水混合装置。
  4. 上記主弁体は、上記湯水隔離手段と上記主弁体が接触する線によって囲まれた面の面積と、上記シート曲線によって囲まれた面の面積がほぼ等しくなるように構成されている請求項2又は3記載の湯水混合装置。
  5. 上記湯水混合装置本体が、上記主弁体が移動するストロークを調整可能に構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の湯水混合装置。
  6. 上記湯水混合装置本体が、ねじ込み量を調節することにより上記ストロークを調節することができる、互いに螺合された第1本体部材及び第2本体部材と、これら第1本体部材と第2本体部材の相対回転位置を固定する固定手段と、を有する請求項5記載の湯水混合装置。
  7. さらに、上記第1本体部材と上記第2本体部材を相対的に回転させる際にクリック感を与えるクリックストップ機構を有する請求項6記載の湯水混合装置。
  8. 上記湯水隔離手段がC形リングであり、さらに、上記主弁体が摺動する方向の振動を減衰させる振動減衰手段を有する請求項1乃至7の何れか1項に記載の湯水混合装置。
  9. さらに、上記湯水隔離手段の両側に夫々配置され、上記湯水隔離手段の位置を規制するC形の位置規制部材を有する請求項1乃至8の何れか1項に記載の湯水混合装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載の湯水混合装置と、
    この湯水混合装置を収納する水栓本体と、
    上記湯水混合装置によって混合された湯の吐水状態と止水状態を切替える開閉弁と、
    混合された湯を吐出させる吐出部と、
    を有することを特徴とする湯水混合水栓。
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