JP2007198494A - 補強ホースの端面構造及びその端面処理方法並びにホース端面処理キット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ホース切断面1dと連続してその内外径と同じ二重筒状の成形用空間Sに、ホース本体1の材料と同類の材料からなる熱硬化型の被覆液2aを充填し、この被覆液2aを熱硬化させて、ホース切断面1dと一体化される密封材2を成形することにより、被覆液2aの充填に伴い該被覆液2aがホース切断面1dの微細な凹凸形状に沿って流れ込み、このホース切断面1dの微細な凹凸と密着した密封材2が成形される。
【選択図】 図1
Description
詳しくは、ホース本体の内部に軸方向へ延びる補強線材を埋設し、そのホース切断面を密封材で密封してなる補強ホースの端面構造、及び、その端面処理方法、並びに、それに使用するホース端面処理キットに関する。
それ以外の例としては、ゴム系のシール材や接着剤等の材料からなる密封材を加熱溶融しホース切断面に接着させることで密封したり、又は加熱溶融の必要がないゴム系のシール材や接着剤等の密封材をホース切断面に塗布することで密封したり、或いは金属製の密封材をホース切断面に嵌合しカシメ固定することで密封している(例えば、特許文献1参照)。
特に、主成分がシリコーンゴムからなる補強ホースは軟らかいため、ホースが潰れたり変形し易く、その切断面を軸方向に対して直角状に切断することが困難であり、このホース切断の際にも微細な凹凸が発生し易かった。
更に、ゴム系のシール材や接着剤等の材料からなる密封材を加熱溶融しホース切断面に接着させることで密封する場合には、ホース切断の際に生じる凹凸で密封材が剥離し易く、これらホース切断面と密封材の接着面に段差が生じ易く実用的ではないという問題があった。
また、ゴム系のシール材や接着剤等の密封材をホース切断面に塗布することで密封する場合には、密封材の厚さ寸法が薄いため、擦れで密封材が剥離したり僅かな密封材の傷付きで流体が浸透する恐れがあるという問題があった。
また更に、金属製の密封材をホース切断面に嵌合しカシメ固定することで密封する場合には、ホースの内外面に段差が生じるため、気密性に劣るという問題があった。
しかも、ホースの接続時にはホースの先端部を拡径させながら挿入するが、その際に密封材の材料がホースの材料と少しでも違うと、ホースの拡径に密封材が追従できず、該密封材が取れてしまうという問題があった。
そして、ホースとは別個にリング板状の密封材が必要になるが、ホースは使用目的に応じて外径や内径や肉厚寸法が異なるため、それに合わせて寸法の異なる密封材を多数用意しなければならず、これらの管理作業や選択作業が面倒で実現的でないという問題もあった。
一方、ホース全体を透明なシリコーンゴムで成形した場合には、ホース切断面の気密性が劣ると、毛細管現象により流体が補強線材が通る孔に沿ってホース内部へ浸透し、ホースの透明性を阻害するだけでなく、それが腐敗して汚染の原因になる恐れがあり、特に食品工場や医薬工場などの衛生面に気を遣うに場所では、衛生面の上から不安要素があった。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明の目的に加えて、浸透した流体によるホースの不透明化を防止することを目的としたものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の目的に加えて、ホース切断面の形状に関係なく隙間や剥離がない端面処理を簡単な作業で行うことを目的としたものである。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の発明の目的に加えて、簡単な作業で被覆液充填用の成形型を作成することを目的としたものである。
請求項5記載の発明は、請求項3または4に記載の発明の目的に加えて、補強ホースの端面処理を現場施工することを目的としたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、前記ホース本体の材料が透明なシリコーンゴムである構成を加えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の補強ホースの端面構造を製造するに際し、ホース切断面に対し、その内周及び外周を囲むように形成された二重筒状の成形型を取り付ける工程と、この二重筒状の成形型の内部に、ホース本体の材料と同類の材料からなる熱硬化型の被覆液を充填する工程と、この被覆液を加熱ヒータにより熱硬化させて、ホース切断面と一体化される密封材を成形する工程とからなることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、前記成形型が、ホース本体の内周に挿着される芯柱部と、ホース本体の外周面に沿って挿着される外筒部とからなる構成を加えたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の補強ホースの端面処理方法に使用するホース端面処理キットであって、前記ホース切断面にその内周及び外周を囲むように取り付けられる二重筒状の成形型と、ホース本体の材料と同類の材料からなる熱硬化型の被覆液と、この被覆液を熱硬化させるための加熱ヒータとからなり、上記被覆液が充填された筒状成形型に対して加熱ヒータを着脱自在に取り付けたことを特徴とするものである。
従って、ホース切断面の形状に関係なく隙間や剥離がない端面処理が行われた補強ホースの端面構造を提供することができる。
その結果、ゴム材料からなる密封材の周辺部又は密封材を加熱溶融して接合させる従来のものに比べ、ホースと密封材の材質に関係なく確実に密封できて、毛細管現象による流体の浸透をも完全に防止できると共に、ホース切断面から補強線材が露出したり、補強線材が剥落するのを防止できる。
更に、ゴム系のシール材や接着剤等の密封材をホース切断面に塗布することで密封する従来のものに比べ、密封材が厚いため、擦れや僅かな傷付きで流体が浸透する恐れがなく、金属製の密封材をホース切断面に嵌合しカシメ固定することで密封する従来のものに比べ、ホースの内外面に段差ができず、気密性に優れる。
また、ホースの接続時にホースの先端部を拡径させながら挿入してもホースの拡径に密封材が追従して取れることがない。
従って、浸透した流体によるホースの不透明化を防止することができる。
その結果、浸透した流体の腐敗による汚染をも防止できて、特に食品や医薬用に使用しても安全である。
従って、ホース切断面の形状に関係なく隙間や剥離がない端面処理を簡単な作業で行うことができる。
従って、簡単な作業で被覆液充填用の成形型を作成することができる。
その結果、誰でも簡単に被覆液を充填できる。
従って、補強ホースの端面処理を現場施工することができる。
この付加反応型シリコーンとして、2液混合型の熱硬化型液状シリコーンを使うと、硬化が早いので好ましい。
この二重筒状の成形型3は、後述するホース端面処理キットBの構成要素の一つであり、ホース本体1の端部内周に挿着される芯柱部3aと、ホース本体1の端部外周面に沿って挿着される外筒部3bとからなると共に、夫々が例えば180℃又はそれ以上の耐熱性に優れた金属やそれ他の材質で形成される。
この場合には、芯柱部3aをホース本体1のサイズに合わせて多種類用意する必要がなく、芯柱部3aの在庫管理が容易であるという利点がある。
この場合には、外筒部3bをホース本体1のサイズに合わせて多種類用意する必要がなく、外筒部3bの在庫管理が容易であるという利点がある。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
先ず、ホース切断工程は図1(a)に示す如く、ホース本体1の端部内周に成形型3の芯柱部3aだけを挿着し、この芯柱部3aを軸方向へ出し入れして位置調整することにより切断位置を決める。
この位置決めされた芯柱部3aの先端面に沿って、例えばカッターなどの刃物Cを移動させれば、このホース本体1の軸方向と直角なホース切断面1dが得られる。
しかも、このような切断方法であれば、そのホース切断面1dに微細な凹凸が発生し難くなるという利点もある。
なお、予めホース切断面1dを直角に切断したものを用意できれば、このホース切断工程の作業は不用となる。
この際、芯柱部3aと外筒部3bの先端面を同一レベルにすることが好ましい。
それにより、充填された被覆液2aはホース切断面1dに沿って流れ込むため、該ホース切断面1dに微細な凹凸があったとしても、その微細な凹凸形状と被覆液2aとが隙間なく密接する。
実験では、被覆液2aとして付加反応型2液熱硬化シリコーンが所定比率で混合されたものを使用し、約180℃で3〜5分間加熱したところ、厚さ1〜2mm程度の密封材2を成形することができた。
しかし、上述した本発明の補強ホースの端面構造Aとすれば、ホース切断面1dから補強線材1cが剥落するのを防止できるという利点がある。
C 刃物 S 成形用空間
1 ホース本体 1a 内層
1b 外層 1c 補強線材
1c1 縦編み列 1c2 横編み列
2 密封材 2a 被覆液
3 成形型 3a 芯柱部
3b 外筒部 4 加熱ヒータ
Claims (5)
- ホース本体(1)の内部に補強線材(1c)を軸方向へ埋設し、そのホース切断面(1d)を密封材(2)で密封してなる補強ホースの端面構造において、
前記ホース切断面(1d)と連続してその内外径と同じ二重筒状の成形用空間(S)に、ホース本体(1)の材料と同類の材料からなる熱硬化型の被覆液(2a)を充填し、この被覆液(2a)を熱硬化させて、ホース切断面(1d)と一体化される密封材(2)を成形したことを特徴とする補強ホースの端面構造。 - 前記ホース本体(1)の材料が透明なシリコーンゴムである請求項1記載の補強ホースの端面構造。
- 請求項1又は2記載の補強ホースの端面構造を製造するに際し、ホース切断面(1d)に対し、その内周及び外周を囲むように形成された二重筒状の成形型(3)を取り付ける工程と、この二重筒状の成形型(3)の内部に、ホース本体(1)の材料と同類の材料からなる熱硬化型の被覆液(2a)を充填する工程と、この被覆液(2a)を加熱ヒータ(4)により熱硬化させて、ホース切断面(1d)と一体化される密封材(2)を成形する工程とからなることを特徴とする補強ホースの端面処理方法。
- 前記成形型(3)が、ホース本体(1)の内周に挿着される芯柱部(3a)と、ホース本体(1)の外周面に沿って挿着される外筒部(3b)とからなる請求項3記載の補強ホースの端面処理方法。
- 請求項3または4記載の補強ホースの端面処理方法に使用するホース端面処理キットであって、前記ホース切断面(1d)にその内周及び外周を囲むように取り付けられる二重筒状の成形型(3)と、ホース本体(1)の材料と同類の材料からなる熱硬化型の被覆液(2a)と、この被覆液(2a)を熱硬化させるための加熱ヒータ(4)とからなり、上記被覆液(2a)が充填された筒状成形型(3)に対して加熱ヒータ(4)を着脱自在に取り付けたことを特徴とするホース端面処理キット。
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