JP2007198475A - 回転センサ付き転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサ素子を組み込んだセンサケースを、コンパクトで容易に着脱できるように固定軌道輪に装着することである。
【解決手段】センサ素子8を組み込んだセンサケース10を、固定軌道輪である外輪1の端面の円周方向で2箇所に設けられたピン穴12に、自身の側端面の円周方向両端部に設けられた2つのピン状突起13を係合させて位置決めし、外輪1の端面に設けられたタップ穴14に、1本のねじ15で中央部を固定することにより、環状の芯金を不要として、センサケース10をコンパクトで容易に着脱できるように外輪1に装着できるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】センサ素子8を組み込んだセンサケース10を、固定軌道輪である外輪1の端面の円周方向で2箇所に設けられたピン穴12に、自身の側端面の円周方向両端部に設けられた2つのピン状突起13を係合させて位置決めし、外輪1の端面に設けられたタップ穴14に、1本のねじ15で中央部を固定することにより、環状の芯金を不要として、センサケース10をコンパクトで容易に着脱できるように外輪1に装着できるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転センサ付き転がり軸受に関する。
各種回転機器の回転軸等を支持する転がり軸受には、その回転速度(回転数)を検出するために回転センサ付き転がり軸受が使用されることがある。この回転センサ付き転がり軸受は、内外輪の軌道輪のうちの回転軌道輪に、円周方向で交互に異なる磁極に着磁された環状の磁気エンコーダを装着し、この磁気エンコーダの回転に伴う磁極の変化を、円周方向の一箇所で検出するセンサ素子を組み込んだセンサケースを固定軌道輪に装着して、回転軌道輪の回転を検出するものである。センサケースには、センサ素子で検出される磁極の変化から回転速度を演算する電気回路基板も組み込まれることが多い。
従来、前記センサ素子を組み込んだセンサケースは、固定軌道輪端部の内径面または外径面に圧入される環状の芯金に取り付けて、固定軌道輪に装着されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたものでは、センサケースを芯金に接着するとともに、芯金に形成した凸部とセンサケースに設けた凹部を係合させて、センサケースを芯金に固定し、芯金を固定軌道輪としての外輪の端部の内径面に圧入している。なお、磁気エンコーダは、回転軌道輪としての内輪の端部の外径面に圧入された環状の芯金に取り付けられている。
上記センサ素子を組み込んだセンサケースは、電気回路基板も組み込まれることが多いので、磁気エンコーダよりも振動等によって故障する可能性が高い。このため、上述したように、センサケースを取り付けた環状の芯金を固定軌道輪端部の内径面または外径面に圧入した従来の回転センサ付き転がり軸受は、このような故障が発生したときに、センサケースを容易に取り外すことができず、分解修理や部品の交換を行うのが難しい問題がある。センサケースの着脱を容易にするために、芯金を圧入する締め代を少なくすれば、センサケースが芯金と一緒に脱落する恐れがある。
また、円周方向の一箇所で磁極の変化を検出するセンサ素子を組み込んだセンサケースを、環状の芯金を介して固定軌道輪に装着する方法は、環状の芯金のために余分なスペースを必要とし、コンパクトな設計を阻害する問題もある。
そこで、本発明の課題は、センサ素子を組み込んだセンサケースを、コンパクトで容易に着脱できるように固定軌道輪に装着することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、内外輪の軌道輪のうちの回転軌道輪に、円周方向で交互に異なる磁極に着磁された環状の磁気エンコーダを装着し、この磁気エンコーダの回転に伴う磁極の変化を検出するセンサ素子を組み込んだセンサケースを固定軌道輪に装着して、前記回転軌道輪の回転を検出する回転センサ付き転がり軸受において、前記センサ素子を組み込んだセンサケースを、前記固定軌道輪に2箇所で位置決めして、前記固定軌道輪に設けたタップ穴にねじで固定した構成を採用した。
すなわち、センサ素子を組み込んだセンサケースを、固定軌道輪に2箇所で位置決めして、固定軌道輪に設けたタップ穴にねじで固定することにより、環状の芯金を不要として、センサケースをコンパクトで容易に着脱できるように固定軌道輪に装着できるようにした。
前記センサケースを固定軌道輪に2箇所で位置決めする手段のうち、少なくとも1箇所で位置決めする手段を、ピン穴とピン状突起の係合によるものとすることにより、センサケースを簡単で精度よく固定軌道輪に位置決めすることができる。
前記ピン穴を前記固定軌道輪側に設け、このピン穴の径寸法を前記タップ穴の下穴径寸法と等しくすることにより、ドリルを交換することなく、ピン穴とタップ穴の下穴を効率よく短時間で加工することができる。
また、本発明は、内外輪の軌道輪のうちの回転軌道輪に、円周方向で交互に異なる磁極に着磁された環状の磁気エンコーダを装着し、この磁気エンコーダの回転に伴う磁極の変化を検出するセンサ素子を組み込んだセンサケースを固定軌道輪に装着して、前記回転軌道輪の回転を検出する回転センサ付き転がり軸受において、前記センサ素子を組み込んだセンサケースを、前記固定軌道輪に設けた鍔部の内径面または肩部の外径面で位置決めして、前記固定軌道輪に設けたタップ穴にねじで固定した構成も採用した。
すなわち、センサ素子を組み込んだセンサケースを、固定軌道輪に設けた鍔部の内径面または肩部の外径面で位置決めして、固定軌道輪に設けたタップ穴にねじで固定することにより、環状の芯金を不要として、センサケースをコンパクトで容易に着脱できるように固定軌道輪に装着できるようにした。
前記センサケースを固定軌道輪に固定するねじの本数を1本とすることにより、センサケースをより容易に短時間で固定軌道輪に着脱することができる。
本発明の回転センサ付き転がり軸受は、センサ素子を組み込んだセンサケースを、固定軌道輪に2箇所で位置決めして、固定軌道輪に設けたタップ穴にねじで固定するようにしたので、環状の芯金を不要として、センサケースをコンパクトで容易に着脱できるように固定軌道輪に装着でき、センサケース内で故障が発生したときに、センサケースを容易に取り外して、分解修理や部品の交換を行うことができる。
前記センサケースを固定軌道輪に2箇所で位置決めする手段のうち、少なくとも1箇所で位置決めする手段を、ピン穴とピン状突起の係合によるものとすることにより、センサケースを簡単で精度よく固定軌道輪に位置決めすることができる。
前記ピン穴を固定軌道輪側に設け、このピン穴の径寸法を前記タップ穴の下穴径寸法と等しくすることにより、ドリルを交換することなく、ピン穴とタップ穴の下穴を効率よく短時間で加工することができる。
また、本発明の回転センサ付き転がり軸受は、センサ素子を組み込んだセンサケースを、固定軌道輪に設けた鍔部の内径面または肩部の外径面で位置決めして、固定軌道輪に設けたタップ穴にねじで固定するようにもしたので、環状の芯金を不要として、センサケースをコンパクトで容易に着脱できるように固定軌道輪に装着することができる。
前記センサケースを固定軌道輪に固定するねじの本数を1本とすることにより、センサケースをより容易に短時間で固定軌道輪に着脱することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は、第1の実施形態を示す。この回転センサ付き転がり軸受は、図2に示すように、外輪1と2分割された内輪2a、2bの間に2列のボール3が保持器4で保持された複列玉軸受であり、外輪1が固定軌道輪、内輪2a、2bが回転軌道輪とされて、外輪1の両端部の内径面に軸受空間をシールするシール5a、5bが取り付けられている。外輪1の外周部にはハウジング等への固定用のボルト孔1aが設けられ、右側の内輪2aは、左側の内輪2bの外径段差部に外嵌され、後述する磁気エンコーダ7の芯金を兼ねる押さえリング6で、軸受内部に予圧を付与するように押さえ込まれている。押さえリング6はボルト孔6aで内輪2bにボルト結合される。
図1乃至図3に示すように、前記内輪2a、2bと一緒に回転する押さえリング6の外径面には、円周方向で交互に異なる磁極に着磁された環状の磁気エンコーダ7が固着されている。また、固定軌道輪である外輪1の端面には、磁気エンコーダ7の回転に伴う磁極の変化を検出するセンサ素子8と、センサ素子8で検出される磁極の変化から回転速度を演算する電気回路基板9とを組み込んだセンサケース10が装着されている。センサ素子8と電気回路基板9は、センサ素子8が磁気エンコーダ7と対向するようにモールドで固定され、電気回路基板9には、演算された回転速度を出力する出力ケーブル11が接続されている。
前記センサケース10は、外輪1の端面の円周方向で2箇所に設けられたピン穴12に、自身の側端面の円周方向両端部に設けられた2つのピン状突起13を係合させて、センサ素子8が磁気エンコーダ7と所定の間隔で対向するように位置決めされ、外輪1の端面に設けられたタップ穴14に、1本のねじ15で中央部を固定されている。なお、外輪1の端面に設けられた各ピン穴12の径寸法は、タップ穴14の下穴径寸法と等しくされ、ドリルを交換することなく効率よく短時間で加工されるようになっている。
図4乃至図6は、第2の実施形態を示す。この回転センサ付き転がり軸受は、基本的な構成は第1の実施形態のものと同じであり、前記センサケース10が、円周方向一端部に設けられたピン状突起13を、外輪1の端面に設けられた1つのピン穴12に係合させるとともに、ピン状突起13と反対側の円周方向端部の外径面に設けられた凸部16を、外輪1の端面に設けられた鍔部17の内径面に押し当てて、位置決めされている点が異なる。
図7および図8は、第3の実施形態を示す。この回転センサ付き転がり軸受も、基本的な構成は第1の実施形態のものと同じであり、前記センサケース10の外径面18が円弧面で形成され、この円弧面で形成された外径面18を外輪1の端面に設けられた鍔部17の内径面に沿わせて、センサケース10が位置決めされている点が異なる。
図9および図10は、第4の実施形態を示す。この回転センサ付き転がり軸受も、基本的な構成は第1の実施形態のものと同じであり、前記センサケース10の側端面に、内径面が円弧面で形成された鍔部19が設けられ、この円弧面で形成された鍔部19の内径面を、外輪1の肩部20の外径面に沿わせて、センサケース10が位置決めされている点が異なる。
上述した各実施形態では、転がり軸受を内輪が回転軌道輪とされた複列玉軸受としたが、本発明に係る回転センサ付き転がり軸受は、単列の玉軸受やころ軸受等の他のタイプの転がり軸受にも適用することができる。また、外輪が回転軌道輪とされた転がり軸受にも適用でき、この場合は、回転センサの磁気エンコーダを外輪側に、センサ素子を内輪側に装着すればよい。
1 外輪
1a ボルト孔
2a、2b 内輪
3 ボール
4 保持器
5a、5b シール
6 押さえリング
6a ボルト孔
7 磁気エンコーダ
8 センサ素子
9 電気回路基板
10 センサケース
11 出力ケーブル
12 ピン穴
13 ピン状突起
14 タップ穴
15 ねじ
16 凸部
17 鍔部
18 外径面
19 鍔部
20 肩部
1a ボルト孔
2a、2b 内輪
3 ボール
4 保持器
5a、5b シール
6 押さえリング
6a ボルト孔
7 磁気エンコーダ
8 センサ素子
9 電気回路基板
10 センサケース
11 出力ケーブル
12 ピン穴
13 ピン状突起
14 タップ穴
15 ねじ
16 凸部
17 鍔部
18 外径面
19 鍔部
20 肩部
Claims (5)
- 内外輪の軌道輪のうちの回転軌道輪に、円周方向で交互に異なる磁極に着磁された環状の磁気エンコーダを装着し、この磁気エンコーダの回転に伴う磁極の変化を検出するセンサ素子を組み込んだセンサケースを固定軌道輪に装着して、前記回転軌道輪の回転を検出する回転センサ付き転がり軸受において、前記センサ素子を組み込んだセンサケースを、前記固定軌道輪に2箇所で位置決めして、前記固定軌道輪に設けたタップ穴にねじで固定したことを特徴とする回転センサ付き転がり軸受。
- 前記センサケースを固定軌道輪に2箇所で位置決めする手段のうち、少なくとも1箇所で位置決めする手段を、ピン穴とピン状突起の係合によるものとした請求項1に記載の回転センサ付き転がり軸受。
- 前記ピン穴を前記固定軌道輪側に設け、このピン穴の径寸法を前記タップ穴の下穴径寸法と等しくした請求項1または2に記載の回転センサ付き転がり軸受。
- 内外輪の軌道輪のうちの回転軌道輪に、円周方向で交互に異なる磁極に着磁された環状の磁気エンコーダを装着し、この磁気エンコーダの回転に伴う磁極の変化を検出するセンサ素子を組み込んだセンサケースを固定軌道輪に装着して、前記回転軌道輪の回転を検出する回転センサ付き転がり軸受において、前記センサ素子を組み込んだセンサケースを、前記固定軌道輪に設けた鍔部の内径面または肩部の外径面で位置決めして、前記固定軌道輪に設けたタップ穴にねじで固定したことを特徴とする回転センサ付き転がり軸受。
- 前記センサケースを固定軌道輪に固定するねじの本数を1本とした請求項1乃至4のいずれかに記載の回転センサ付き転がり軸受。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006016592A JP2007198475A (ja) | 2006-01-25 | 2006-01-25 | 回転センサ付き転がり軸受 |
DE112007000136T DE112007000136T5 (de) | 2006-01-12 | 2007-01-11 | Rolllager mit einem Drehgeschwindigkeitssensor |
US12/086,642 US7982455B2 (en) | 2006-01-12 | 2007-01-11 | Rolling bearing with rotational speed sensor |
PCT/JP2007/050229 WO2007080917A1 (ja) | 2006-01-12 | 2007-01-11 | 回転センサ付き転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006016592A JP2007198475A (ja) | 2006-01-25 | 2006-01-25 | 回転センサ付き転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007198475A true JP2007198475A (ja) | 2007-08-09 |
Family
ID=38453267
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006016592A Pending JP2007198475A (ja) | 2006-01-12 | 2006-01-25 | 回転センサ付き転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007198475A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015127936A1 (de) * | 2014-02-27 | 2015-09-03 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Wälzlager mit einer integrierten winkelmesseinrichtung |
-
2006
- 2006-01-25 JP JP2006016592A patent/JP2007198475A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015127936A1 (de) * | 2014-02-27 | 2015-09-03 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Wälzlager mit einer integrierten winkelmesseinrichtung |
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