JP2007197397A - 多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法 - Google Patents

多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法 Download PDF

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康弘 盛田
Kuniaki Kawamura
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Abstract

Figure 2007197397

【課題】市販されている原料から、穏和な反応条件の下、高価な試薬を大過剰に用いることなく、短工程で、工業上簡便な操作により、副生成物の生成を抑制して効率的に多置換エチレンジアミン誘導体を製造することができる製造方法を提供すること。
【解決手段】一般式(I)
で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と、その2から3モル当量の
一般式(II);
Figure 2007197397

Figure 2007197397

で表されるアミンとを有機溶媒中90℃から130℃の範囲内で反応させることを特徴とする脱炭酸的開環反応による、
一般式(III);
で表される多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法を提供した。
【選択図】なし

Description

本発明は医薬品合成中間体、とくに、強力な血小板凝集抑制作用を有する環状アミン誘導体の合成中間体として有用な多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法に関する。
本発明で製造される多置換エチレンジアミン誘導体は抗ムスカリン作用(Farmaco,Edizizone Scientifica,39,991−1007(1984))、抗ヒスタミン作用(Journal of Pharmaceutical Sciences,61,974−976(1972)、米国特許US2623880号公報、英国特許1306450号公報)、あるいは強力な血小板凝集抑制作用を有する化合物(特願2005−298483)の合成中間体として有用である。本多置換エチレンジアミン誘導体に関する近似の公知例としては、例えば置換インドリン誘導体(特許文献1)およびカルボスチリル誘導体(特許文献2)などが挙げられるが、これら特許文献中には本発明の多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法に関する記載はない。
公知の多置換エチレンジアミン誘導体を製造する方法としては、例えば、四工程を要する製造方法が挙げられる。具体的には、アニリン類のカルバモイル化反応により、N−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体を合成し、これを中間体として単離後にN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体の分子内環化反応により3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体を得る。得られた3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と臭化水素酸との脱炭酸的開環反応により、臭化アルキル化剤を合成した後に、第2級アミン類とのアルキル化反応によりエチレンジアミン部位を構築する方法(特許文献3)が知られている。しかしながら、本法は人体に有害な臭化アルキル化剤を合成すること、四工程を要すること、という問題点があり、工業的に実施するためには改善の余地があった。
本発明の方法で用いられる3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体の製造方法の公知技術としては、例えば無機塩基類である炭酸カルシウムを用いて、加熱条件下、カルバモイル化反応を行いN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体を合成し、次いで単離および精製を行った後に、水酸化カリウムまたは金属アルコキシドを用いて分子内環化反応を行う方法(特許文献4および特許文献5)が挙げられる。また、N−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体合成法には、アニリン類をイソシアナートへ変換後、2−クロロエタノールを反応させる方法(非特許文献1)が知られている。単離されたN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体の分子内環化反応では無機塩類である炭酸カリウムを用いる方法(特許文献6)が知られている。しかしながら、いずれの方法も、中間体としてのN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体を単離する必要があり、また、精製を行うため、アニリン類から2工程で3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体を製造する必要があるため、操作が煩雑で、生産時間、生産費用および生産効率の面で問題があった。
多置換エチレンジアミン誘導体を短工程にて製造する方法としては、例えばアニリン類塩酸塩とオキサゾリジン−2−オン誘導体との脱炭酸的開環反応を用いる方法(非特許文献2)や第2級アミン類とオキサゾリジン−2−オン誘導体との脱炭酸的開環反応を用いる方法(特許文献7)などが知られている。前者の方法は、アニリン類塩酸塩の使用および高温条件が必須であり且つ低収率であるという問題があった。後者の方法は、反応溶媒を用いずに高温条件下反応を行い、且つ高価な2級アミン類を大過剰用いなければならないこと、基質によっては反応促進剤の添加が必要なこと、過剰脱炭酸的開環反応が起こったポリマー性副生成物が得られることという、生産費用面および生産効率の面での問題があった。
さらに、従来は、アミン原料として特に第一級アミン類を用いてオキサゾリジノン類の脱炭酸的開環反応を行うと、脱炭酸的開環反応は全く進行せず目的とする多置換エチレンジアミン誘導体が得られないばかりか、副生成物としてイミダゾリジノンが得られるか、若しくは原料であるオキサゾリジノン類の回収にとどまるという問題点があった(特許文献7)。
国際公開WO01/0207081号公報 特開平5−194405号公報 特開昭52−003836号公報 特開平3−122169号公報 米国特許US4910341号公報 特開平10−147578号公報 米国特許US5491263号公報 Bulletin of Chemical Society of Japan,35,1309−1312(1962). J.Org.Chem.,57,6257−6265(1993).
本発明は、医薬中間体として有用な多置換エチレンジアミン誘導体を製造するための、前記問題点を解決した製造方法を提供することを目的とする。すなわち、市販されている原料から、穏和な反応条件の下、高価な試薬を大過剰に用いることなく、短工程で、工業上簡便な操作により、副生成物の生成を抑制して効率的に多置換エチレンジアミン誘導体を製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、多置換エチレンジアミン誘導体を医薬として有用な鍵中間体として設定し、これの製造方法を鋭意検討した。その結果、市販されているアニリン類からわずか2工程によって当該誘導体を製造できる新規な製造方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
〔1〕一般式(I);
Figure 2007197397
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、またはニトロ基を表す。)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と、その2から3モル当量の
一般式(II);
Figure 2007197397
(式中、R、Rは一緒になって、−(CH−,−(CH−,−(CH−,−CHCH(OH)−(CH−,または−(CH−CH(OH)−(CH−を表し、あるいは、Rは水素原子でRはベンジル基を表す。)で表されるアミンとを有機溶媒中90℃から130℃の範囲内で反応させることを特徴とする脱炭酸的開環反応による、
一般式(III);
Figure 2007197397
(式中、R、R、R、R、R、R、Rは上記と同一の意味を表す。)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法、
〔2〕一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体のR、R、R、Rが、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基を表し、Rが、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基であり、一般式(II)で表されるアミンのR、Rが一緒になって、−(CH−CH(OH)−(CH−である〔1〕記載の製造方法、
〔3〕前記有機溶媒として、芳香族炭化水素系有機溶媒、アミド系極性有機溶媒、脂肪族アルコール系有機溶媒、スルフォキシド系炭化水素系有機溶媒から選ばれる一つ以上の溶媒を用いる〔1〕又は〔2〕記載の製造方法、
〔4〕前記有機溶媒として、スルフォキシド系炭化水素系有機溶媒であるジメチルスルフォキシドを用いる〔1〕又は〔2〕記載の製造方法、及び
〔5〕前記有機溶媒の使用量が、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体1重量に対して5から10重量倍となる量である〔1〕ないし〔4〕のいずれか1つに記載の製造方法に関する。
また、本発明は、
〔6〕一般式(IV);
Figure 2007197397
(式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、またはニトロ基を表す。)で表されるアニリン類と、
一般式(V);
Figure 2007197397
(式中、Mはアルカリ金属イオンを表し、XはCOを表す。)で表される無機塩基の存在下、前記アニリン類に対し1.25から2モル当量の2−クロロエチルクロロフォルマートを有機溶媒中0℃から25℃の範囲内で反応させ、カルバモイル化反応により、
一般式(VI);
Figure 2007197397
(式中、R、R、R、R、Rは上記と同一の意味を表す。)で表される2−クロロエチルアリールカルバマート誘導体を反応系内で発生させ、これを単離操作および精製操作をすることなく反応温度を50℃から100℃の範囲に昇温することで分子内環化反応を行い、
一般式(I);
Figure 2007197397
(式中、R、R、R、R、Rは上記と同一の意味を表す。)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体を製造し、該製造物とその2から3モル当量の
一般式(II);
Figure 2007197397
(式中、R、Rは一緒になって、−(CH−,−(CH−,−(CH−,−CHCH(OH)−(CH−,または−(CH−CH(OH)−(CH−を表し、あるいは、Rは水素原子でRはベンジル基を表す。)で表されるアミンとを有機溶媒中90℃から130℃の範囲内で反応させることを特徴とする脱炭酸的開環反応による、
一般式(III);
Figure 2007197397
(式中、R、R、R、R、R、R、Rは上記と同一の意味を表す。)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法、
〔7〕一般式(IV)で表されるアニリン類のR、R、R、Rが、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基を表し、Rが、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基であり、一般式(II)で表されるアミンのR、Rが一緒になって、−(CH−CH(OH)−(CH−である〔6〕記載の製造方法、
〔8〕一般式(V)の無機塩基の使用量が、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体に対し2から3モル当量である〔6〕又は〔7〕記載の製造方法、
〔9〕一般式(V)の無機塩基が、炭酸カリウムである〔6〕ないし〔8〕のいずれか1つに記載の製造方法、
〔10〕カルバモイル化反応および分子内環化反応において、有機溶媒としてニトリル系溶媒有機溶媒であるアセトニトリルを用いる〔6〕ないし〔9〕のいずれか1つに記載の製造方法、
〔11〕カルバモイル化反応および分子内環化反応において、有機溶媒の使用量が一般式(IV)で表されるアニリン類1重量に対して、10から25重量倍となる量である〔6〕ないし〔10〕のいずれか1つに記載の製造方法、
〔12〕脱炭酸的開環反応において、有機溶媒として芳香族炭化水素系有機溶媒、アミド系極性有機溶媒、脂肪族アルコール系有機溶媒、スルフォキシド系炭化水素系有機溶媒から選ばれる一つ以上の溶媒を用いる〔6〕ないし〔11〕のいずれか1つに記載の製造方法、
〔13〕脱炭酸的開環反応において、有機溶媒としてスルフォキシド系炭化水素系有機溶媒であるジメチルスルフォキシドを用いる〔6〕ないし〔11〕のいずれか1つに記載の製造方法、及び
〔14〕脱炭酸的開環反応において、有機溶媒の使用量が一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体1重量に対して、5から10重量倍となる量である〔6〕ないし〔13〕のいずれか1つに記載の製造方法に関する。
本発明の製造方法を用いることにより、多置換エチレンジアミン誘導体を、市販されているアニリン類からワンポット反応により3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体を製造後、得られた3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体のアミンを用いた有機溶媒共存下における脱炭酸的開環反応により、わずか2工程で製造することができる。本発明の製造方法は、穏和な反応条件の下、高価な試薬を大過剰に用いることなく、短工程で、工業上簡便な操作により、副生成物の生成を抑制して効率的に多置換エチレンジアミン誘導体を製造することを可能とした、きわめて有利な製造方法である。本発明の製造方法で得られる多置換エチレンジアミン誘導体は、抗ムスカリン作用、抗ヒスタミン作用、あるいは強力な血小板凝集抑制作用を有する化合物(特願2005−298483)の合成中間体として有用に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本明細書で使用する次の用語は、特に断りがない限り、下記の定義の通りである。
「ハロゲン基」は、フッ素基、塩素基、臭素基、ヨウ素基を意味する。
「アルキル基」は、炭素原子及び水素原子からなる、一価の直鎖又は分岐状の飽和炭化水素基を意味する。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などが挙げられるが、これらは限定的なものではない。
「アルコキシ基」は、−OR基を意味し、このRは、ここで定義されているアルキル基である。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられるが、これらは限定的なものではない。
「ジアルキルアミノ基」は、独立する2個のここで定義されているアルキル基で置換されたアミノ基を意味する。ジアルキルアミノ基の例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基などが挙げられるが、これらは限定的なものではない。
本発明の製法で用いられる化合物の一般式(I)、(III)、(IV)および(VI)中のR、R、R、R、Rとしては、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基(例えばフルオロ基、クロロ基)、炭素数1から6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基)、炭素数1から6のアルコキシ基(例えばメトキシ基、)、フェニル基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基(例えばジメチルアミノ基)、またはニトロ基が好ましい例として挙げられる。
本発明の製法で用いられる化合物の一般式(I)、(III)、(IV)および(VI)中のR、R、R、Rのより好ましい例としては、それぞれ同一または異なって、水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基、メトキシ基が挙げられる。Rのより好ましい例としては、メチル基、フルオロ基、クロロ基、メトキシ基が挙げられる。
本発明の製法で用いられる化合物の一般式(II)で表されるアミンとしては、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、3−ヒドロキシピペリジン((+)、(−)、または(±)を含む)、4−ヒドロキシピペリジン、ベンジルアミンが挙げられ、4−ヒドロキシピペリジンが特に好ましい。
本発明の製法で用いられる化合物の一般式(I)、(III)、(IV)および(VI)中のR、R、R、R、Rの具体的な組み合わせを表1に示すが、これらは本発明を限定するものではない。なお、表1中、n-Pr:ノルマルプロピル、i-Pr:イソプロピル、n-Bu:ノルマルブチル、i-Bu:イソブチル、s-Bu:セカンダリーブチル、t-Bu:ターシャリーブチルを表す。
Figure 2007197397
〔A〕本発明の一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体は、下記の工程式(i)に示す一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と一般式(II)で表されるアミンとを有機溶媒中で反応させることを特徴とする脱炭酸的開環反応により製造することができる。
Figure 2007197397
以下に上記の工程式(i)について詳述する。
本発明の一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の製造に使用する一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体は、例えば無機塩基類である炭酸カルシウムを用いて、加熱条件下、アニリン類のカルバモイル化反応を行いN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体を合成し、次いで単離および精製を行った後に、水酸化カリウムまたは金属アルコキシドを用いて分子内環化反応を行う方法(特開平3−122169および米国特許4910341)により誘導される。また、アニリン類をイソシアナートへ変換後、2−クロロエタノールを反応させる方法(Bulletin of Chemical Society of Japan,35,1309−1312(1962))などによりN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体を合成した後に、無機塩類である炭酸カリウムを用いた分子内環化反応(特開平10−147578)により誘導することもできる。
工程(i)で使用されるアミンを表す一般式(II)中のR、Rとしては、R、Rが一緒になって、−(CH−,−(CH−,−(CH−,−CHCH(OH)−(CH−,または−(CH−CH(OH)−(CH−を表すか、あるいは、Rは水素原子でRはベンジル基を表すことが好ましい。具体的には、一般式(II)で表されるアミンの例としては、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、3−ヒドロキシピペリジン((+)、(−)、または(±)を含む)、4−ヒドロキシピペリジン、ベンジルアミンが挙げられ、4−ヒドロキシピペリジンが特に好ましい。
工程式(i)で使用される、一般式(II)で表されるアミンは、試薬として市販されているものを未精製のまま用いてよい。なお、一般式(II)で表されるアミンは、空気に対して不安定であるので、これらとの接触を避けて保存し、活性の十分あるものを使用するのが好ましい。
工程式(i)で使用される、一般式(II)で表されるアミンは、通常その使用量が一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体1モルに対して対して通常1から5モルの割合となる量(1から5モル当量)が好ましく、特に好ましくは2から3モルの割合となる量(2から3モル当量)である。高価な一般式(II)で表されるアミンの使用量を削減し、該脱炭酸的開環反応完結まで5日間以内とし、且つ反応液の抽出・洗浄のみで反応原料である一般式(II)で表されるアミンの除去を可能とするための選択的条件は、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体1モルに対して2から3モルの割合となる量(2から3モル当量)の一般式(II)で表されるアミンを用いることである。さらに詳しくは実施例で述べる。
工程式(i)で使用する有機溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えば芳香族炭化水素系有機溶媒(トルエン、キシレン等)、アミド系極性有機溶媒(N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、脂肪族アルコール系有機溶媒(1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)、スルフォキシド系炭化水素系有機溶媒(ジメチルスルフォキシド等)が挙げられ、より好ましくはトルエン、N,N−ジメチルフォルムアミド、1−ブタノール、ジメチルスルフォキシドが挙げられ、特に好ましくはジメチルスルフォキシドである。これらの溶媒は、単独で用いることも、2つ以上を組み合わせて用いることも可能である。一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と一般式(II)で表されるアミンの溶解性を向上し、高価な一般式(II)で表されるアミンの使用量を削減し、該脱炭酸的開環反応完結まで5日間以内とし、且つ過剰な脱炭酸的開環反応が起こったポリマー性副生成物の生成抑制を可能とするための選択的条件は、有機溶媒としてジメチルスルフォキシドを用いることである。さらに詳しくは実施例で述べる。
工程式(i)で使用される有機溶媒の使用量は特に制限はなく任意であるが、通常、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体1重量に対して、1重量倍から20重量倍となる量である。該脱炭酸的開環反応完結まで5日間以内とし、且つ過剰な脱炭酸的開環反応が起こったポリマー性副生成物の生成抑制を可能とするための選択的条件は、有機溶媒の使用量を、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体1重量に対して、5から10重量倍となる量とすることである。
工程式(i)における反応温度は、大気圧で通常使用する有機溶媒の沸点までの温度であればよいが、好ましくは0℃から200℃の範囲であり、特に好ましくは、90℃以上で反応が加速する傾向にあるので、90℃から150℃の範囲である。該脱炭酸的開環反応完結まで5日間以内とし、過剰な脱炭酸的開環反応が起こったポリマー性副生成物の生成を抑制し、用いる有機溶媒の分解抑制を可能とするための選択的条件は、脱炭酸的開環反応を90℃から130℃の範囲で行うことである。さらに詳しくは実施例で述べる。
工程式(i)における反応時間は、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体の消失及び一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の生成をクロマトグラフィー等で確認し、決定すればよい。工程式(i)における反応時間は、3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体を表す一般式(I)中の置換基R、R、R、R、Rの種類、反応溶液濃度及び反応温度により影響を受けるが、通常7日間以内で反応は完結する。なお、特に限定されないが、工程式(i)の反応は20時間以上行なわれる場合が多い。
工程式(i)における反応は通常、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体、一般式(II)で表されるアミン、及び有機溶媒を混合することにより行なわれる。その混合順序は特に限定されず、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と有機溶媒よりなる反応溶液に一般式(II)で表されるアミンを混合して反応させてもよいし、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と一般式(II)で表されるアミンを混合させてから、有機溶媒を添加してもよい。
工程式(i)において生成した一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の単離は、洗浄操作、分液操作を組み合わせて行えばよい。洗浄操作では、一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体を含有する抽出液や有機溶媒層を水洗浄(特に好ましくは、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩化物の水溶液(好ましくは1重量%から飽和濃度の水溶液))するのがよい。具体的には、反応液に疎水性有機溶媒を添加後、水を添加し、原料として用いた過剰の一般式(II)で表されるアミンを洗浄操作により除去した後に、抽出有機層を減圧濃縮することで、該誘導体の粗生成物が得られる。
上記の疎水性有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロフォルム、1,2ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒などを挙げることができ、好ましくはジクロロメタン、クロロフォルム、1,2ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒であり、より好ましくはジクロロメタン、酢酸エチルである。
上記の方法で得られた粗生成物を精製する場合には、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶法などで精製すればよいが、精製法は各化合物について適宜選択すればよい。
工程式(i)に示す、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と一般式(II)で表されるアミンとを有機溶媒中で反応させることを特徴とする脱炭酸的開環反応は、穏和な反応条件の下、高価な試薬を大過剰に用いることなく、工業上簡便な操作により副生成物の生成を抑制して効率的に多置換エチレンジアミン誘導体を製造することを可能とした、きわめて有利な製造方法である。特に、本発明の製造方法に従えば、アミン原料として第一級アミンを用いても、脱炭酸的開環反応が進行し、目的の多置換エチレンジアミン誘導体が得られる。詳細は実施例1から12に記載する。
〔B〕本発明の一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体は、下記の工程式(ii)−工程 (a)および工程 (b)の2工程にて製造することができる。下記の工程式(ii)−工程 (a)は、一般式(IV)で表されるアニリン類を、一般式(V)で表される無機塩基類存在下、2−クロロエチルクロロフォルマートと有機溶媒中で反応させることで、カルバモイル化反応により、一般式(VI)で表される2−クロロエチルアリールカルバマート誘導体を反応系内で発生させ、その後、該誘導体を単離、精製することなく、この反応溶液の温度を昇温させることで分子内環化反応を行う、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体のワンポット製造方法である。続く、工程式(ii)−工程 (b)は、工程式(ii)−工程 (a)で得られた一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と一般式(II)で表されるアミンとを有機溶媒中で反応させることを特徴とする脱炭酸的開環反応による、一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法である。
Figure 2007197397
以下に工程式(ii)−工程 (a)について詳述する。
従来の問題点に対し、一般式(IV)で表されるアニリン類からワンポットにて一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体を製造可能な方法について鋭意検討した結果、本発明者らは工程式(ii)−工程 (a)を開発するに至った。工程式(ii)−工程 (a)によれば、一般式(IV)で表されるアニリン類を、一般式(V)で表される無機塩基類存在下、2−クロロエチルクロロフォルマートと有機溶媒中で反応させることで、一般式(VI)で表される2−クロロエチルアリールカルバマート誘導体を反応系内で発生させ、その後、該誘導体を単離、精製することなく、引き続いて反応温度を昇温させれば、ワンポットにて一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体を製造することができる。工程式(ii)−工程 (a)には中間体の単離操作や精製操作がなく、生産費用や製造効率の面で工業的にきわめて有利である。
一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の製造に使用する一般式(IV)で表されるアニリン類は、試薬として市販されているものを未精製のまま用いてよい。なお、一般式(IV)で表されるアニリン類は、空気に対して不安定であるので、これらとの接触を避けて保存し、活性の十分あるものを使用するのが好ましい。
工程式(ii)−工程 (a)で使用される一般式(V)で表される無機塩基のMとしては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属を挙げることができ、好ましくはナトリウム、カリウムである。本発明の製法で使用される一般式(V)で表される無機塩基のXとしては、COを挙げることができる。このような、M、Xで表される無機塩基としては、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを挙げることができ、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウムであり、特に好ましくは炭酸カリウムである。
本発明の製法で使用される一般式(V)で表される無機塩基は、その使用量が一般式(IV)で表されるアニリン類1モルに対して通常1から10モルの割合となる量(1から10モル当量)が好ましく、特に2から5モルの割合となる量(2から5モル当量)が好ましい。本ワンポット法は、有機溶媒中、無機塩類を添加し行うものであり、反応液は懸濁状となる。大過剰な無機塩類を有機溶媒中に添加した場合は、効率的な攪拌が困難となる場合がある。効率的な攪拌を可能とする選択的条件は、一般式(V)で表される無機塩基の使用量を、一般式(IV)で表されるアニリン類1モルに対して2から3モルの割合となる量(2から3モル当量)にすることである。
工程式(ii)−工程 (a)で使用される2−クロロエチルクロロフォルマートは、試薬として市販されているものを未精製のまま用いてよい。なお、2−クロロエチルクロロフォルマートは、水分や空気に対して不安定であるので、これらとの接触を避けて保存し、活性の十分あるものを使用するのが好ましい。
工程式(ii)−工程 (a)で使用される2−クロロエチルクロロフォルマートは、その使用量が一般式(IV)で表されるアニリン類1モルに対して通常1から10モルの割合となる量(1から10モル当量)が好ましく、1.1から5モルの割合となる量(1.1から5モル当量)がより好ましい。過剰に2−クロロエチルクロロフォルマートを用いることは経済性の観点より好ましくない。また、未反応の2−クロロエチルクロロフォルマートは、後処理後にエチレンカルボナートへと変換されるため、粗生成物中に副生成物としてエチレンカルボナートが含有されることになる。経済性の向上及び副生成物の生成抑制を可能とする好ましい選択的条件は、2−クロロエチルクロロフォルマートの使用量を、一般式(IV)で表されるアニリン類1モルに対して1.25から2モルの割合となる量(1.25から2モル当量)とすることである。
工程式(ii)−工程 (a)で使用する有機溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、クロロフォルム、1,2ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などを挙げることができる。一般式(VI)で表されるN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体および一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体の有機溶媒への溶解性を考慮すると、工程式(ii)−工程 (a)において使用する有機溶媒としては、好ましくはニトリル系溶媒であり、特に好ましくはアセトニトリルである。
工程式(ii)−工程 (a)で使用される有機溶媒の使用量は特に制限はなく任意であるが、一般式(IV)で表されるアニリン類1重量に対して通常5から50重量倍となる量が好ましい。工程式(ii)−工程 (a)で表されるワンポット法は、有機溶媒中、無機塩類を添加し行うものであり、反応液は懸濁状となる。そのため、効率的な攪拌を可能とする選択的条件は、一般式(IV)で表されるアニリン類1重量に対して10から25重量倍となる量とすることである。
工程式(ii)−工程 (a)における反応方法として、反応試薬である2−クロロエチルクロロフォルマートの添加する順序およびその際の温度設定は、2−クロロエチルクロロフォルマート分解抑制のために重要である。具体的な好ましい反応手順としては、一般式(IV)で表されるアニリン類、一般式(V)で表される無機塩基、及び前記有機溶媒から調製した懸濁液に、好ましくは撹拌しながら2−クロロエチルクロロフォルマートの滴下を行うことが挙げられる。
工程式(ii)−工程 (a)における反応温度は、反応試薬である2−クロロエチルクロロフォルマートの添加時から一般式(VI)で表されるN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体の反応系内における発生時までは、好ましくは−15℃から40℃の範囲であり、特に好ましくは0℃から25℃の範囲である。反応系内で発生した一般式(VI)で表されるN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体の分子内環化反応温度としては、通常使用する有機溶媒の沸点までの温度であればよいが、好ましくは40℃から200℃であり、より好ましくは50℃から100℃である。該分子内環化反応は、加熱条件下にて反応を行うことにより通常72時間以内に完結させることができ、そのための温度下限としては50℃である。工程式(ii)−工程 (a)で有機溶媒としてアセトニトリルを用いた場合の反応温度の上限としてはアセトニトリルの沸点である81℃から82℃である。
工程式(ii)−工程 (a)における反応時間は、工程式(ii)−工程 (a)に表されるカルバモイル化反応では、原料である一般式(IV)で表されるアニリン類の消失及び一般式(VI)で表されるN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体の生成をクロマトグラフィー等で確認することにより反応の進行具合をみて決定すればよく、通常24時間以内であり、好ましくは6時間以内、特に好ましくは3時間以内である。なお、特に限定されないが、該カルバモイル化反応は1時間以上行われる場合が多い。工程式(ii)−工程 (a)に表される連続する分子内環化反応では、一般式(VI)で表されるN−アリール−2クロロエチルカルバマート誘導体の消失及び一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体の生成をクロマトグラフィー等で確認することにより反応の進行具合をみて決定すればよく、前記の使用する有機溶媒および反応温度により影響を受けるが、通常72時間以内であり、好ましくは48時間以内、特に好ましくは24時間以内で反応は完了する。なお、特に限定されないが、該分子内環化反応は3時間以上行われる場合が多い。
工程式(ii)−工程 (a)において生成した3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体の単離は、通常の洗浄操作、分液操作を組み合わせて行えばよく、例えば反応液に疎水性有機溶媒を添加後、水を添加し無機塩類を洗浄により除去した後に、抽出有機層を減圧濃縮することで該誘導体の粗生成物が得られる。疎水性有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロフォルム、1,2ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒などを挙げることができ、好ましくはジクロロメタン、クロロフォルム、1,2ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒であり、より好ましくはジクロロメタン、酢酸エチルである。
上記の方法で得られた粗生成物を精製する場合には、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶法などで精製すればよいが、精製法は各化合物について適宜選択すればよい。
一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体の上記工程式(ii)−工程 (a)に示すワンポット反応を用いた製造方法は、中間体の単離操作や精製操作がなく簡便で、生産費用や製造効率の面で工業的にきわめて有利な製造方法である。詳細は実施例13から24に記載する。
一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体は、上記の工程式(ii)−工程 (b)に示す、一般式(II)で表されるアミンを用いた有機溶媒中での脱炭酸的開環反応により、一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体への変換に用いることができる。上記の工程式(ii)−工程 (b)に表される反応は、前記〔A〕に詳述した工程式(i)に示す反応と同様である。
〔C〕本発明で得られる多置換エチレンジアミン誘導体のうち、
一般式(VII);
Figure 2007197397
で表される多置換エチレンジアミン誘導体(式中、R、R、R、Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基を表し、Rはハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基を表す。)またはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で生成される酸付加塩、又は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、酪酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ラウリル硫酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で生成される酸付加塩が挙げられる。)は、強力な血小板凝集抑制作用を有する環状アミン誘導体(特願2005−298483)の合成中間体として有用に用いることができる新規化合物である。
〔D〕本発明で得られる一般式(VII)の多置換エチレンジアミン誘導体から血小板凝集抑制作用を示す環状アミン誘導体を導くための、一般式(VIII)で表される合成中間体(特願2005−298483)への該多置換エチレンジアミン誘導体の変換例を、下記の工程式(iii)に具体的に記す。製造に使用する試薬は一般に入手することができるか、又はOrganic Reaction (Wiley & Sons)、Fieser and Fieser's Reagent for Organic Synthesis (Wiley & Sons)などの参考文献に記載の手順に従って合成できる。なお、下記の工程式(iii)において、一般式(VIII)中のR、R、R、R、Rは一般式(VII)の定義と同一の意味を表し、Rは炭素数1から6のアルキル基を表し、そのアルキル基は前記と同一の定義である。下記の工程式(iii)は、その製造方法を単に例示するものであり、その製法条件の範囲はこれによって何ら制限をうけるものではない。
Figure 2007197397
上記工程式(iii)の一般式(VII)で表される多置換エチレンジアミン誘導体は前記〔A〕の工程式(i)あるいは〔B〕の工程式(ii)に示す製造方法により、製造することができる。工程式(iii)は、一般式(III)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の水酸基に選択的なエーテル化反応である。本反応は一般式(VII)で示される多置換エチレンジアミン誘導体(例えば、4−クロロ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリン、4−メチル−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリン、あるいは4−メトキシ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリン)とブロモ酢酸エステル誘導体を、テトラブチルアンモニウムブロミドや硫酸水素テトラブチルアンモニウムなどの相間移動触媒存在下、トルエンまたはベンゼンと水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液中で反応させることで行える。さらに詳しくは実施例25で述べる。
以下、実施例によって本発明の製法をより詳細に説明するが、本発明の製法はこれら実施例により限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。なお、実施例の各物性の測定には次の機器を用いた。H核磁気共鳴スペクトル(400MHzH−NMR)は、日本電子(株)製JNM−AL410型核磁気共鳴装置を用いて測定した。ケミカルシフトはテトラメチルシランを基準として、δ(単位:ppm)で表し、シグナルはそれぞれ、s(一重線)、d(二重線)t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br.(幅広)で表した。IRスペクトルは、日本電子(株)製FT/IR−410型フーリエ変換赤外分光光度計を用いて測定した。MSスペクトルは、Waters社製Micro Mass ZQを用いて行った。工程分析は必要に応じて高速液体クロマトグラフィー[株式会社ワイエムシィ社製YMC−PackProC18AS−303,250×46mmI.D.(S−5μm,12nm)]を用いた。
実施例1
4−メトキシ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−(4−メトキシフェニル)オキサゾリジン−2−オン(200mg,1.04mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.04mL)へ4−ヒドロキシピぺリジン(314mg,3.11mmol)を添加後、110℃で6日間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする4−メトキシ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリン(収量202mg、収率77.9%)を得た。
MS m/e:251(EI,M+H)
IR(film,cm−1):3366.1,2830.0,2941.9,1512.9,1235.2,1064.5
H−NMR(CDCl):δ6.79ppm(2H,d,J=8.0Hz),6.62(2H,d,J=8.0Hz),3.75−3.69(4H,m),3.11(2H,t,J=4.0Hz),2.79−2.76(2H,m),2.61(2H,t,J=4.0Hz),2.17(2H,br.t,J=12.0Hz),1.91−1.87(2H,m),1.63−1.54(2H,m)
実施例2
4−クロロ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−(4−クロロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(200mg,1.01mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.01mL)へ4−ヒドロキシピペリジン(307mg,3.04mmol)を添加後、110℃で5日間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする4−クロロ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリン(収量208mg、収率80.6%)を得た。
IR(KBr,cm−1):3364.2,3097.1,2927.4,2829.1,1602.6,1511.0,1491.7,1474.3,1450.2,1319.1,1264.1,1172.5,1122.4,1068.4,811.9
H−NMR(CDCl):δ7.12ppm(2H,dt,J=10.0,3.2Hz),6.55(2H,dt,J=9.6,3.2Hz),4.36(1H,br.s),3.73(1H,m),3.12(2H,dd,J=16.8,5.6Hz),2.79−2.76(2H,m),2.61(2H,t,J=6.0Hz),2.19(2H,br.t,J=9.6Hz),1.93−1.89(2H,m),1.63−1.54(2H,m),1.48(1H,br.s)
実施例3
本発明の製造方法における工程最適化条件の検討を以下に示す。
1.反応溶媒の検討
3−(4−クロロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(100mg,0.51mmol)のジメチルスルフォキシド、ブタノール、トルエン、あるいはN,N−ジメチルフォルムアミド溶液(0.51mL)へ4−ヒドロキシピペリジン(57mg,0.56mmol)を添加後、24時間加熱攪拌を行った。工程分析は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行った。反応途中である24時間後の収率(%)を求めた。反応溶媒の検討結果を表2に示す。
Figure 2007197397
Figure 2007197397
表2に示す結果より、芳香族炭化水素系有機溶媒(トルエン)、アミド系極性有機溶媒(N,N−ジメチルフォルムアミド)、脂肪族アルコール系有機溶媒(1−ブタノール)、スルフォキシド系炭化水素系有機溶媒(ジメチルスルフォキシド)を用いても脱炭酸的開環反応が進行することが明らかとなった。本脱炭酸的開環反応ではジメチルスルフォキシドが、高収率を達成する面で好ましい溶媒と考察された。
2.アミン当量の検討
3−(4−クロロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(100mg,0.51mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(0.51mL)へ4−ヒドロキシピペリジン(1.1当量、2.0当量あるいは3.0当量)を添加後、24時間加熱攪拌を行った。工程分析は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行った。反応途中である24時間後の収率(%)を求めた。アミン当量の検討の結果を表3に示す。
Figure 2007197397
Figure 2007197397
表3内の収率(%)より、2当量から3当量のアミンを用いれば脱炭酸的開環反応の反応速度が向上することが明らかとなった。
3.反応温度および反応時間の検討
3−(4−クロロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(200mg,1.01mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.01mL)へ4−ヒドロキシピペリジン(307mg,3.04mmol)を添加後、5日間加熱(70,90,110,130,150℃)攪拌を行った。工程分析は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行った。1日毎の収率(%)を求めた。反応温度および反応時間検討の結果を表4に示す。
Figure 2007197397
Figure 2007197397
表4内の収率(%)より、反応温度を90℃以上にした場合は、脱炭酸的開環反応の反応速度が一挙に向上することが明らかとなった。反応温度を150℃にした場合は、用いた有機溶媒の分解が観察されたことより、本反応の温度幅としては、90℃から130℃の範囲であることが好ましい。
実施例4
N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−フェニルオキサゾリジン−2−オン(200mg,1.23mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.23mL)へ4−ヒドロキシピペリジン(372mg,3.68mmol)を添加後、110℃で5日間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とするN−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリン(収量221mg、収率81.9%)を得た。
MS m/e:221(EI,M+H)
IR(film,cm−1):3399.9,1602.6,1507.1,1391.1,1260.3,1063.5
H−NMR(CDCl):δ7.18ppm(2H,ddd,J=9.6,4.4,2.8Hz),6.70(1H,ddd,J=9.2,4.2.1.2Hz),6.64(2H,dd,J=8.8,1.2Hz),3.72(1H,m),3.15(2H,t,J=6.0Hz),2.80−2.77(2H,m),2.62(2H,t,J=6.0Hz),2.18(2H,br.t,J=10.0Hz),1.93−1.88(2H,m),1.63−1.54(2H,m)
実施例5
4−ニトロ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−(4−ニトロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(200mg,1.00mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.00mL)へ4−ヒドロキシピぺリジン(292mg,3.00mmol)を添加後、110℃で21時間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする4−ニトロ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリン(収量158mg、収率61.9%)を得た。
MS m/e:266(EI,M+H)
IR(film,cm−1):3363.2,2940.9,1601.6,1469.5,1305.6,1111.8,1064.5
H−NMR(CDCl):δ8.10ppm(2H,d,J=8.4Hz),6.54(2H,d,J=8.4Hz),5.23(1H,br.s),3.77(1H,m),3.23(2H,dd,J=10.8,5.2Hz),2.80−2.77(2H,m),2.65(2H,t,J=5.2Hz),2.22(2H,t,J=8.8Hz),1.94(2H,m),1.65−1.59(2H,m)
実施例6
N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−フェニルオキサゾリジン−2−オン(163mg,1.00mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.00mL)へピロリジン(297μL,3.00mmol)を添加後、110℃で5日間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とするN−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アニリン(収量144mg、収率75.7%)を得た。
IR(film,cm−1):3384.5,2962.1,2789.2,1602.6,1506.1,1320.0,1147.4
H−NMR(CDCl):δ7.17ppm(2H,t,J=8.0Hz),6.69(1H,t,J=7.6Hz),6.64(2H,d,J=7.6Hz),4.25(1H,br.s),3.19(2H,t,J=6.0Hz),2.74(2H,t,J=6.4Hz),2.55−2.52(4H,m),1.80−1.77(4H,m)
実施例7
N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−フェニルオキサゾリジン−2−オン(163mg,1.00mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.00mL)へピぺリジン(297μL,3.00mmol)を添加後、110℃で7日間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とするN−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)アニリン(収量168mg、収率82.2%)を得た。
IR(film,cm−1):3378.7,2934.2,1602.6,1505.2,1430.0,1303.6,1260.3
H−NMR(CDCl):δ7.18ppm(2H,ddd,J=8.8,2.8,1.2Hz),6.69(1H,ddd,J=9.2,2.0,1.2Hz),6.64(2H,dd,J=8.8,1.6Hz),4.32(1H,br.s),3.15(2H,t,J=6.4Hz),2.57(2H,t,J=6.4Hz),2.39(4H,m),1.57(4H,dt,J=5.6Hz)1.45(2H,m)
実施例8
N−(2−(アゼパン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−フェニルオキサゾリジン−2−オン(163mg,1.00mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.00mL)へホモピぺリジン(338μL,3.00mmol)を添加後、110℃で8日間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とするN−(2−(アゼパン−1−イル)エチル)アニリン(収量169mg、収率77.4%)を得た。
IR(film,cm−1):3369.0,2922.6,2850.3,1602.6,1505.2,1482.0,1429.0,1318.0
H−NMR(CDCl):δ7.18ppm(2H,t,J=7.6Hz),6.69(1H,t,J=7.6Hz),6.64(2H,d,J=11.6Hz),4.40(1H,br.s),3.10(2H,t,J=6.0Hz),2.75(2H,t,J=6.0Hz),2.66−2.63(4H,m),1.61(8H,m)
実施例9
4−ニトロ−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−(4−ニトロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(208mg,1.00mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.00mL)へピロリジン(250μL,3.00mmol)を添加後、110℃で24時間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする4−ニトロ−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アニリン(収量135mg、収率57.4%)を得た。
IR(film,cm−1):2960.2,2803.0,1601.6,1505.2,1471.4,1306.5,1185.0,1110.8
H−NMR(CDCl):δ8.08ppm(2H,dt,J=10.0,3.2Hz),6.54(2H,dt,J=10.4,3.2Hz),5.41(1H,br.s),3.27(2H,dd,J=10.8,5.2Hz),2.78(2H,t,J=6.0Hz),2.59−2.56(4H,m),1.82(4H,ddd,t,J=6.4,2.8Hz)
実施例10
4−ニトロ−N−(2−(ピぺリジン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−(4−ニトロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(208mg,1.00mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.00mL)へピぺリジン(297μL,3.00mmol)を添加後、110℃で36時間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする4−ニトロ−N−(2−(ピぺリジン−1−イル)エチル)アニリン(収量223mg、収率89.4%)を得た。
IR(film,cm−1):3367.1,2935.1,1601.6,1503.2,1468.5,1305.6,1110.8
H−NMR(CDCl):δ8.09ppm(2H,dt,J=10.0,3.2Hz),6.53(2H,dt,J=10.4,3.2Hz),5.38(1H,br.s),3.22(2H,dd,J=10.8,5.2Hz),2.60(2H,t,J=6.0Hz),2.41(3H,m),1.83(1H,m),1.59(4H,ddd,t,J=11.2,5.6Hz),1.48(2H,m)
実施例11
4−ニトロ−N−(2−(アゼパン−1−イル)エチル)アニリンの合成
Figure 2007197397
3−(4−ニトロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(208mg,1.00mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.00mL)へホモピぺリジン(338μL,3.00mmol)を添加後、110℃で36時間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする4−ニトロ−N−(2−(アゼパン−1−イル)エチル)アニリン(収量225mg、収率85.4%)を得た。
IR(film,cm−1):3367.1,2923.6,1601.6,1469.5,1319.1,1305.6,1110.8
H−NMR(CDCl):δ8.09ppm(2H,dt,J=10.4,3.2Hz),6.53(2H,dt,J=10.4,3.2Hz),5.47(1H,br.s),3.18(2H,dd,J=10.0,5.2Hz),2.79(2H,t,J=6.0Hz),2.67(4H,t,J=5.2Hz),1.77−1.63(8H,m)
実施例12
N−(2−(ベンジルアミノ)エチル)アニリン
Figure 2007197397
3−フェニルオキサゾリジン−2−オン(163mg,1.00mmol)のジメチルスルフォキシド溶液(1.00mL)へベンジルアミン(338μL,3.00mmol)を添加後、110℃で6日間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(2mL)および酢酸エチル(4mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を6%塩化ナトリウム水溶液(2mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とするN−(2−(ベンジルアミノ)エチル)アニリン(収量38mg、収率27.3%)を得た。
IR(film,cm−1):3304.4,3026.7,2850.3,1664.3,1601.6,1499.4,1453.1,1383.7,1319.1
H−NMR(CDCl):δ7.48−7.15ppm(7H,m),6.70(1H,t,J=7.2Hz),6.63(2H,d,J=7.6Hz),5.50(1H,br.s),3.83−3.82(2H,m),3.23(2H,t,J=6.0Hz),2.91(2H,t,J=6.0Hz)
実施例13
3−(4−メトキシフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
4−メトキシアニリン(2.50g,20.3mmol)と炭酸カリウム(6.17g,44.7mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(20.3mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.31mL,22.3mmol)を室温にて添加後、室温で1時間撹拌を行った。4−メトキシアニリンの消失およびN(4−メトキシフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を15時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(8mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(24mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(4−メトキシフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量2.63g、収率67.1%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ7.44ppm(2H,dt,J=10.8,4.0Hz),6.92(2H,dt,J=10.8,3.6Hz),4.47(2H,dd,J=9.6,3.2Hz),4.03(2H,dd,J=8.4,3.2Hz),3.81(3H,s)
実施例14
3−(4−クロロフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
4−クロロアニリン(5.00g,39.2mmol)と炭酸カリウム(13.55g,98.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(50mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(4.45mL,43.1mmol)を室温にて添加後、室温で1時間撹拌を行った。4−クロロアニリンの消失およびN(4−クロロフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を72時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(75mL)および酢酸エチル(50mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(12mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(36mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(4−クロロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量3.05g、収率77.2%)を得た。
IR(KBr,cm−1):3455.8,1734.7,1500.3,1479.1,1425.2,1405.9,1322.0,1218.8,1128.2
H−NMR(CDCl):δ7.50ppm(2H,dt,J=10.0,3.2Hz),7.34(2H,dt,J=10.0,3.2Hz),4.50(2H,dd,J=9.2,6.4Hz),4.05(2H,dd,J=8.0,6.4Hz)
実施例15
3−(4−クロロフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
4−クロロアニリン(2.56g,20.0mmol)と炭酸ナトリウム(5.32g,50.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.59mL,25.0mmol)を0℃にて添加後、0℃にて1時間撹拌を行った。4−クロロアニリンの消失およびN(4−クロロフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を12時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(75mL)および酢酸エチル(50mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(32mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(110mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(4−クロロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量6.02g、収率77.7%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ7.50ppm(2H,dd,J=10.0,3.2Hz),7.34(2H,dd,J=10.0,3.2Hz),4.43(2H,dd,J=9.2,7.6Hz),4.05(2H,dd,J=8.0,6.4Hz)
実施例16
3−(4−メチルフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
4−メチルアニリン(2.14g,20.0mmol)と炭酸カリウム(6.94g,50.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.59mL,25.0mmol)を0℃にて添加後、室温で1時間撹拌を行った。4−メチルアニリンの消失およびN(4−メチルフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を15時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(7mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(35mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(4−メチルフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量3.12g、収率87.6%)を得た。
IR(film,cm−1):1730.8,1517.7,1405.9,1137.8,1047.2,809.0
H−NMR(CDCl):δ7.42ppm(2H,d,J=8.4Hz),7.18(2H,d,J=8.0Hz),4.47(2H,dd,J=9.2,8.0Hz),4.04(2H,dd,J=8.4,6.8Hz),2.33(3H,s)
実施例17
3−(3−メチルフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
3−メチルアニリン(2.14g,20.0mmol)と炭酸カリウム(6.94g,50.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.59mL,25.0mmol)を0℃にて添加後、室温で1時間撹拌を行った。3−メチルアニリンの消失およびN(3−メチルフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を18時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(8mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(40mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(3−メチルフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量3.20g、収率90.4%)を得た。
IR(film,cm−1):1738.5,1585.2,1120.4,1049.1
H−NMR(CDCl):δ7.40−7.24ppm(3H,m),6.96(1H,d,J=7.6Hz),4.47(2H,t,J=8.0Hz),4.05(2H,t,J=9.2Hz),2.37(3H,s)
実施例18
3−(2−メチルフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
2−メチルアニリン(2.14g,20.0mmol)と炭酸カリウム(6.94g,50.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.59mL,25.0mmol)を0℃にて添加後、室温で1時間撹拌を行った。2−メチルアニリンの消失およびN(2−メチルフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を24時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする3−(2−メチルフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量3.26g、収率92.1%)を得た。
IR(film,cm−1):3468.3,1748.2,1496.5,1410.7,1223.6,1141.7,1037.5
H−NMR(CDCl):δ7.26−7.24ppm(4H,m),4.53(2H,dd,J=8.8,8.0Hz),3.96(2H,dd,J=8.0,6.4Hz),2.32(3H,s)
実施例19
3−(2,4,6−トリメチルフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
2,4,6−トリメチルアニリン(2.71g,20.0mmol)と炭酸カリウム(6.94g,50.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.59mL,25.0mmol)を0℃にて添加後、室温で1時間撹拌を行った。2,4,6−トリメチルアニリンの消失およびN(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を12時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し粗生成物を得た。得られた生成物に酢酸エチル(2mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(5mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(2,4,6−トリメチルフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量2.15g、収率52.3%)を得た。
IR(film,cm−1):3458.7,1747.2,1847.8,1409.7,1281.5,1229.4,1113.7,1037.5
H−NMR(CDCl):δ6.93ppm(2H,s),4.54(2H,t,J=8.0Hz),3.82(2H,t,J=8.0Hz),2.25(9H,s)
実施例20
3−(4−ブロモフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
4−ブロモアニリン(3.44g,20.0mmol)と炭酸カリウム(6.94g,50.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.59mL,25.0mmol)を0℃にて添加後、室温で1時間撹拌を行った。4−ブロモアニリンの消失およびN(4−ブロモフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を12時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(40mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(40mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(4−ブロモフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量3.83g、収率79.1%)を得た。
IR(film,cm−1):1739.5,1488.8,1477.2,1415.5,1400.1,1314.3,1218.8,1128.2
H−NMR(CDCl):δ7.50−7.44ppm(4H,m),4.50(2H,t,J=8.0Hz),4.05(2H,t,J=8.0Hz)
実施例21
3−(4−ニトロフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
4−ニトロアニリン(2.50g,18.1mmol)と炭酸カリウム(5.50g,40.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.05mL,19.9mmol)を室温にて添加後、室温で1時間撹拌を行い、さらに2−クロロエチルクロロフォルマート(1.68mL,16.3mmol)を追加添加し、2時間撹拌を行った。4−ニトロアニリンの消失およびN−(4−ニトロフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて3時間加熱攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(50mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(50mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(4−ニトロフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量2.80g、収率75.3%)を得た。
MS m/e:209(EI,M+H)
IR(film,cm−1):3487.6,1761.7,1594.8,1513.8,1480.1,1399.1,1321.0,1301.7,1209.1,1133.9,1109.8
H−NMR(CDCl):δ8.27ppm(2H,dt,J=10.0,2.8Hz),7.74(2H,dt,J=10.4,2.8Hz),4.58(2H,dd,J=8.0,6.8Hz),4.16(2H,dd,J=8.0,6.4Hz)
実施例22
3−フェニルオキサゾリジン−2−オン
Figure 2007197397
アニリン(1.87g,20.0mmol)と炭酸カリウム(6.94g,50.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.59mL,25.0mmol)を0℃にて添加後、室温で1時間撹拌を行った。アニリンの消失およびNフェニルー2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を15時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(10mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(40mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−フェニルオキサゾリジン−2−オン(収量2.74g、収率84.0%)を得た。
IR(film,cm−1):1740.4,1506.1,1457.0,1222.6,1128.2,1050.1
H−NMR(CDCl):δ7.55ppm(2H,dt,J=8.0Hz),7.39(2H,t,J=7.6Hz),7.15(1H,t,J=7.2Hz),4.49(2H,dd,J=9.6,8.0Hz),4.07(2H,dd,J=8.0,6.4Hz)
実施例23
3−(4−エトキシカルボニルフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
4−エトキシカルボニルアニリン(3.30g,20.0mmol)と炭酸カリウム(6.94g,50.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.59mL,25.0mmol)を0℃にて添加後、室温で1時間撹拌を行った。4−エトキシカルボニルアニリンの消失およびN(4−エトキシカルボニルフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を12時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(40mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(40mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(4−エトキシカルボニルフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量3.74g、収率79.6%)を得た。
IR(film,cm−1):1749.1,1731.8,1701.9,1401.0,1279.5,1188.9
H−NMR(CDCl):δ8.07ppm(2H,d,J=8.0Hz),7.63(2H,d,J=12.0Hz),4.53(2H,dd,J=12.0,8.0Hz),4.38(2H,dd,J=12.0,8.0Hz),4.11(2H,dd,J=8.0,4.0Hz),1.40(3H,t,J=8.0Hz)
実施例24
3−(4−シアノフェニル)オキサゾリジン−2−オンのワンポット合成
Figure 2007197397
4−シアノアニリン(2.36g,20.0mmol)と炭酸カリウム(6.94g,50.0mmol)とのアセトニトリル懸濁溶液(40mL)へ2−クロロエチルクロロフォルマート(2.59mL,25.0mmol)を0℃にて添加後、室温で12時間撹拌を行った。4−シアノアニリンの消失およびN(4−シアノフェニル)−2−クロロエチルカルバマートの生成を確認後、80℃にて加熱を3時間行った。室温まで冷却後、反応溶液に水(30mL)および酢酸エチル(20mL)を加え攪拌を行った後、有機層および水層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物に酢酸エチル(8mL)を加え加熱溶解させた後に、ヘキサン(40mL)を添加し、室温にて攪拌晶析を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とする3−(4−シアノフェニル)オキサゾリジン−2−オン(収量2.95g、収率78.5%)を得た。
IR(film,cm−1):2221.6,1763.6,1602.6,1512.9,1400.1,1321.0,1210.1
H−NMR(CDCl):δ7.71−7.66ppm(4H,m),4.55(2H,t,J=8.0Hz),4.10(2H,t,J=8.0Hz)
参考例
tert−ブチル−2−(1−(2−(4−クロロフェニルアミノ)エチル)ピペリジン−4−イルオキシ)アセタートの合成
本発明で得られる4−クロロ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリンは、強力な血小板凝集抑制作用を有する環状アミン誘導体(特願2005−298483)の合成中間体として有用に用いることができる。4−クロロ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリンから、血小板凝集抑制作用を有する環状アミン誘導体の前駆体tert−ブチル−2−(1−(2−(4−クロロフェニルアミノ)エチル)ピペリジン−4−イルオキシ)アセタート(特願平17−298483)への製造例を以下に具体的に記す。
Figure 2007197397
4−クロロ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリン(5.00g,19.6mmol)のトルエン懸濁液(100mL)に硫酸水素テトラブチルアンモニウム(665mg,1.96mmol)、50%水酸化ナトリウム水溶液(100mL)、およびブロモ酢酸tert−ブチルエステル(3.60mL,24.4mmol)を順次添加し、室温にて撹拌を行った。攪拌開始6時間後、ブロモ酢酸tert−ブチルエステル(0.73mL,4.94mmol)を追加添加し、室温にて2.8時間撹拌を行った。反応液のHPLC工程分析結果より、原料4−クロロ−N−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル)アニリンの消失を確認した。反応溶液にトルエン 100mLおよび蒸留水 100mLを加え、2層を分離した。得られた水層をトルエン 150mL×3を用いて抽出した。得られた有機層を全て合わせた後、水 100mL×3および飽和食塩水 100mLにて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮により溶媒を留去して粗生成物を得た。粗生成物をエタノール 15mLに加熱溶解後、0℃に冷却を行った。析出した固体を吸引濾過し、ヘキサン/エタノール=1:1の混合液 10mL×2を用いて洗浄を行った。生成した白色固体を濾取し、次いで恒量になるまで減圧乾燥を行うことにより、目的とするtert−ブチル−2−(1−(2−(4−クロロフェニルアミノ)エチル)ピペリジン−4−イルオキシ)アセタート(収量5.78g、収率79.8%)を得た。
MS m/e:368,370(EI,M+H)
IR(film,cm−1):3354,2980,2943,2858,2793,1745,1601,1516,1482,1451,1409,1368,1322,1236,1161,1118,1084,1051,1018,971,847,821,785,757
H−NMR(CDCl):δ7.11ppm(2H,d,J=8.4Hz),7.74(2H,d,J=8.4Hz),4.35(1H,br.s),3.99(2H,s),3.43(1H,ddt,J=8.5,4.3,4.3Hz),3.10(2H,dt,J=10.8,5.4Hz),2.76(2H,dd,J=6.5,5.6Hz),2.59(2H,t,J=5.9Hz),2.17(2H,br.t,J=9.8Hz),1.92(2H,m),1.66(2H,m),1.48(9H,s)



Claims (14)

  1. 一般式(I);
    Figure 2007197397
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、またはニトロ基を表す。)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体と、その2から3モル当量の
    一般式(II);
    Figure 2007197397
    (式中、R、Rは一緒になって、−(CH−,−(CH−,−(CH−,−CHCH(OH)−(CH−,または−(CH−CH(OH)−(CH−を表し、あるいは、Rは水素原子でRはベンジル基を表す。)で表されるアミンとを有機溶媒中90℃から130℃の範囲内で反応させることを特徴とする脱炭酸的開環反応による、
    一般式(III);
    Figure 2007197397
    (式中、R、R、R、R、R、R、Rは上記と同一の意味を表す。)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法。
  2. 一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体のR、R、R、Rが、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基を表し、Rが、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基であり、一般式(II)で表されるアミンのR、Rが一緒になって、−(CH−CH(OH)−(CH−である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記有機溶媒として、芳香族炭化水素系有機溶媒、アミド系極性有機溶媒、脂肪族アルコール系有機溶媒、スルフォキシド系炭化水素系有機溶媒から選ばれる一つ以上の溶媒を用いる請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記有機溶媒として、スルフォキシド系炭化水素系有機溶媒であるジメチルスルフォキシドを用いる請求項3記載の製造方法。
  5. 前記有機溶媒の使用量が、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体1重量に対して5から10重量倍となる量である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 一般式(IV);
    Figure 2007197397
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、またはニトロ基を表す。)で表されるアニリン類と、
    一般式(V);
    Figure 2007197397
    (式中、Mはアルカリ金属イオンを表し、XはCOを表す。)で表される無機塩基の存在下、前記アニリン類に対し1.25から2モル当量の2−クロロエチルクロロフォルマートを有機溶媒中0℃から25℃の範囲内で反応させ、カルバモイル化反応により、
    一般式(VI);
    Figure 2007197397
    (式中、R、R、R、R、Rは上記と同一の意味を表す。)で表される2−クロロエチルアリールカルバマート誘導体を反応系内で発生させ、これを単離操作および精製操作をすることなく反応温度を50℃から100℃の範囲に昇温することで分子内環化反応を行い、
    一般式(I);
    Figure 2007197397
    (式中、R、R、R、R、Rは上記と同一の意味を表す。)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体を製造し、該製造物とその2から3モル当量の
    一般式(II);
    Figure 2007197397
    (式中、R、Rは一緒になって、−(CH−,−(CH−,−(CH−,−CHCH(OH)−(CH−,または−(CH−CH(OH)−(CH−を表し、あるいは、Rは水素原子でRはベンジル基を表す。)で表されるアミンとを有機溶媒中90℃から130℃の範囲内で反応させることを特徴とする脱炭酸的開環反応による、
    一般式(III);
    Figure 2007197397
    (式中、R、R、R、R、R、R、Rは上記と同一の意味を表す。)で表される多置換エチレンジアミン誘導体の製造方法。
  7. 一般式(IV)で表されるアニリン類のR、R、R、Rが、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基を表し、Rが、ハロゲン基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数2から12のジアルキルアミノ基であり、一般式(II)で表されるアミンのR、Rが一緒になって、−(CH−CH(OH)−(CH−である請求項6記載の製造方法。
  8. 一般式(V)の無機塩基の使用量が、一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体に対し2から3モル当量である請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 一般式(V)の無機塩基が、炭酸カリウムである請求項6ないし8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. カルバモイル化反応および分子内環化反応において、有機溶媒としてニトリル系溶媒有機溶媒であるアセトニトリルを用いる請求項6ないし9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. カルバモイル化反応および分子内環化反応において、有機溶媒の使用量が一般式(IV)で表されるアニリン類1重量に対して、10から25重量倍となる量である請求項6ないし10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 脱炭酸的開環反応において、有機溶媒として芳香族炭化水素系有機溶媒、アミド系極性有機溶媒、脂肪族アルコール系有機溶媒、スルフォキシド系炭化水素系有機溶媒から選ばれる一つ以上の溶媒を用いる請求項6ないし11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 脱炭酸的開環反応において、有機溶媒としてスルフォキシド系炭化水素系有機溶媒であるジメチルスルフォキシドを用いる請求項12記載の製造方法。
  14. 脱炭酸的開環反応において、有機溶媒の使用量が一般式(I)で表される3−アリールオキサゾリジン−2−オン誘導体1重量に対して、5から10重量倍となる量である請求項6ないし13のいずれか1項に記載の製造方法。

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