JP2007193327A - 押出を用いる広幅偏光子を作成する方法 - Google Patents

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ジョン マッケンロー デイヴィッド
Joseph Francis Schroeder Iii
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Abstract

【課題】幅の広いシートまたはストリップ状の偏光子を提供すること。
【解決手段】ガラスを押し出して、押し出されたガラスを延伸し、よってガラス内の偏光を生じさせる金属または金属塩を細長くすることによって広幅ストリップ偏光子を作成する。用いられるダイの寸法に依存して、幅が300mmないしそれより大きい偏光子の形成が可能になる。二組のローラー120,130を用いる延伸システムは寸法をより大きくするに特に有用である。
【選択図】図4

Description

本発明は、銀、銅または銅−カドミウムを含有する、幅の広いシートまたはストリップ状の偏光子に向けられる。特に、本発明は、そのような金属またはハロゲン化金属を含有するガラスのストリップまたはバーを作成するために押出を用い、延伸プロセス中にガラスストリップまたはガラスバーの幅が維持されるようにガラスストリップまたはガラスバーを延伸することによってハロゲン化金属または金属(0)の粒子または結晶を細長くする、方法に向けられる。
偏光効果は、銀、銅または銅−カドミウムの粒子を含有するガラスに生じ得る。これらの粒子は、適する量の上記金属及びフッ素以外のハロゲンを含有する組成を有するホウケイ酸ガラスまたはホウアルミノケイ酸ガラス内に析出できる。粒子が延伸され、金属(0)状態に還元されると、そのような金属は偏光効果を示すようになる。
偏光効果は、上記の結晶を含有するガラスを延伸し、次いでガラス表面を還元雰囲気、一般には水素含有雰囲気にさらすことによってガラスに生じる。[あるいは、還元性金属、例えば、スズ(II)またはアンチモン(III)の、非フッ素ハロゲン化物、硝酸塩または技術上既知のその他の化学種のような、化学種をガラスに添加することによって還元を行うことができる。さらに、ホウアルミノケイ酸ガラスまたはホウケイ酸ガラスの作成中に通常おこる酸化還元反応によっていくらかの還元がおこるであろう。しかし、そのような方法では水素含有還元雰囲気の使用によって可能になるほどの還元工程の慎重な制御が可能にならない]。ガラスは延伸可能な形状、例えばバーに形成され、バーはガラスの焼きなまし点より高い温度において応力の下に置かれる。これはガラスバーを延伸し、よって結晶を細長くして、配向させる。バー内の粒子に作用する剪断応力は延伸中のガラスの粘度及び延伸速度に比例する。剪断力による変形に対抗する復元力は粒子半径に反比例する。したがって、所望の度合いの粒子延伸をおこさせ、与えられた波長における偏光効果を得るための最適条件には、多くのガラス特性及び再延伸プロセスの複雑なバランスが必要である。ガラスが延伸されると、延伸されたガラス品は次いで、120℃より高いがガラスの焼きなまし点より25℃は高くはない、温度において還元雰囲気にさらされる。これにより、ガラス内に存在するハロゲン化金属結晶の少なくとも一部分が還元されて元素の銀または銅または銅/カドミウムになった、表面層が発現する。
偏光子材料としてのハロゲン化銀の使用は、ハロゲン化銀の、特に、(1)液体粒子が極めて変形し易く、(2)他の金属より、大きく、制御された、粒度を得やすいという2つの特性を利用している。ハロゲン化銀の使用の欠点は、(1)ハロゲン化銀の屈折率のため赤(ほぼ650nm)より短波長で動作する偏光子は作成できないこと、及び(2)プロセスに水素還元工程が必要であることである。特許文献1でイー・エイチ・ランド(E. H. Land)により説明され、その後に非特許文献1でエス・ディー・ストゥーキー(S. D. Stookey)及びアール・ジェイ・アラウヨ(R. J. Araujo)により説明されているように、ガラス内の金属銀粒子を延伸することは可能である。しかし、粒子のアスペクト比が小さく、一般に1.5〜2対1である可視光偏光子用途に対しては特に、粒度及び分布の制御の問題に遭遇する。
偏光ガラスの作成には、以下に挙げられる特許文献に述べられるように、大きく分けて、
1.銀、銅または銅−カドミウム及びフッ素以外のハロゲンの原材料を含有するガラスバッチを溶融し、溶融液からガラス体またはガラスフォームを形成する工程、
2.ガラス歪点より高い温度でガラス体を熱処理して、粒度が500〜2000オングストローム(Å)(50〜200nm)の範囲のハロゲン化物結晶を生成する工程、
3.ガラス焼きなまし点より高い温度でハロゲン化物結晶含有ガラス体に力を加えてガラス体を延伸し、よって結晶を細長くして配向させる工程、及び
4.延伸されたガラス体を250℃より高い温度で還元雰囲気にさらして、アスペクト比が少なくとも2:1の金属粒子を含有する還元表面層をガラス体上に発現させる工程、
の4つの工程がある。
ガラス偏光子、ガラスを作成するための材料組成及び方法並びにガラスでつくられた物品は数多くの米国特許明細書に述べられている。製品及び組成は、特許文献2,3,4,5,6,7,8,9,10,11及び12に述べられている。銀を含有する偏光ガラス組成を作成する方法及び/または偏光ガラスまたは銀含有ガラスで作成された物品は、特許文献13,14,15,16,17,18,19,20,21及び22に述べられている。赤外波長で偏光を生じさせるガラス物品は、特許文献23,24,25,26,27,28,29,30,31及び32に述べられている。特許文献31及び32は米国で出願されたものではない。日本国で出願された特許文献31は銀ベース偏光ガラスの代りに銅ベース偏光ガラスを述べている。
ガラスを延伸して偏光子を形成するための装置及び方法は当該技術において、例えば(コーニング社(Corning Incorporated)に譲渡された)ボレッリ(Borrelli)等の特許文献15及びその他のコーニング社の偏光ガラスの特許明細書及び特許出願明細書に述べられている。延伸され(引き伸ばして)偏光子にされる前及び偏光子にされた後の銀含有ガラスバーの例が図1に示されている。図1の左側の物品の上部及び右側の物品の下部は延伸されて偏光子にされる前のバーを示す。図1の中央の物品は延伸された後の偏光子を示す。延伸は、図2に示され、本明細書でさらに説明される、市場で入手した延伸装置を用いて行った。図1及び2に説明されるような装置及び手法を用いて作成された偏光子からは、偏光子の作成に用いたフォームの初期幅よりかなり挟幅の偏光子がつくられる。そのような挟幅は多くの用途に適するが、技術上既知の方法を用いて作成することができない、かなり広幅の偏光子を有することが望ましい用途もある。
米国特許第2319816号明細書 米国特許第6563639号明細書 米国特許第6466297号明細書 米国特許第6775062号明細書 米国特許第5729381号明細書 米国特許第5627114号明細書 米国特許第5625427号明細書 米国特許第5517356号明細書 米国特許第5430573号明細書 米国特許第4125404明細書 米国特許第2319816号明細書 米国特許出願公開第2005/0128588号明細書 米国特許第6536236号明細書 米国特許第6298691号明細書 米国特許第4479819号明細書 米国特許第4304584号明細書 米国特許第4282022明細書 米国特許第4125405号明細書 米国特許第4188214号明細書 米国特許第4057408号明細書 米国特許第4017316号明細書 米国特許第3653863号明細書 米国特許第5430573号明細書 米国特許第5332819号明細書 米国特許第5300465号明細書 米国特許第5281562号明細書 米国特許第5275979号明細書 米国特許第5045509号明細書 米国特許第4792535号明細書 米国特許第4479819号明細書 特公平05−208844号公報 欧州特許出願公開第0719741号明細書 エス・ディー・ストゥーキー(S. D. Stookey)及びアール・ジェイ・アラウヨ(R. J. Araujo),Applied Optics,1968年,第7巻,第五号,p.777−779
本発明の課題は偏光子の形成に用いられる初期形状の幅が維持されるか、あるいは延伸プロセス中の初期形状の幅の減少が最小限に抑えられる、偏光子を形成する方法を提供することである。
一実施形態において、本発明は可視領域、赤外領域及び紫外領域において光を偏光させるに適する広幅ストリップ偏光子を作成する方法に向けられる。本方法は、ガラスフォームの幅が維持されるかまたはガラス幅のいかなる減少も最小限に抑えられるような態様で、ガラス内の偏光性結晶を延伸する。好ましい実施形態において、幅の減少は20%ないしそれより小さい。本発明の方法は、銀、銅及び銅−カドミウムを含有するガラスとともに用いることができる。
別の実施形態において、本発明はガラス偏光子を作成する方法に向けられる。本方法は、偏光材料を塩または金属(0)種として含有する溶融ガラスバッチを作成し、溶融液を注型してブールにする工程、ブールまたはブールからつくられたフォームを押出機に入れる工程、ガラスの粘度が少なくとも10ポアズ(10Pa・秒)になる温度までブールを加熱する工程、ダイを通してガラスを押出し、ダイから押出されたガラスの先端をつかむ工程、押出されたガラスを延伸して、ダイから押出されているときのガラスの幅と同じかまたは実質的に同じ幅を有するリボンにする工程、偏光金属塩を含有するガラスリボンをガラスの軟化点より低い温度で4〜40時間の範囲の時間をかけて還元雰囲気内で処理して、ガラス内に偏光金属(0)層を形成する工程、リボンを研磨する工程及び、リボンを所望の寸法に切断し、よって偏光子を形成する工程を含む。
別の実施形態において、本発明は銀含有可視光ガラス偏光子を作成する方法に向けられる。本方法は、銀及びフッ素以外のハロゲンの原材料を含有するガラスバッチを溶融させ、溶融液からガラス体を形成する工程、ガラス体をガラスの歪点より高い温度で熱処理して、粒度が500〜2000オングストローム(Å)(50〜200nm)の範囲のハロゲン化物結晶を生成する工程、ガラス体を延伸し、よって結晶を細長くして配向させるためにガラス焼きなまし点より高い温度で結晶含有ガラス体に力を加える工程及び、延伸されたガラス体を250℃より高い温度で還元雰囲気にさらして、アスペクト比が少なくとも2:1の金属粒子を含有する還元表面層をガラス体上に発現させる工程を含む。力を加える工程は、ガラスの焼きなまし点より高い温度で、二組のローラーを用いて行われ、ガラスは第1の回転速度で作動している第1の組のローラーに送り込まれ、第1の組のローラーを通過した後、ガラスは第1の回転速度より大きい第2の回転速度で作動している第2の組のローラーによって取り込まれる。二組のローラーの回転速度の差はガラスを延伸し、ガラス内の粒子を引き伸ばすはたらきをする。
本明細書で用いられるように、「ガラスバー」及び「バー」は、延伸してその中に含有される粒子を細長くすることができ、よって、可視領域、赤外領域及び紫外領域内の波長の光を偏光させることができる偏光子を形成することができる、いかなるガラスフォームまたはガラス品も意味する。さらに、本明細書では、例示目的のためであって、本発明の限定は目的とせずに、ハロゲン化銀含有ガラスが本発明にしたがう広幅ストリップ偏光子を作成するために用いられる。銅及び銅−カドミウムを含有する偏光子を銀含有偏光子と同様の態様で作成することができる。
全般的に、本発明はガラス偏光子を作成する方法に向けられる。本方法は、偏光材料(例えば銀塩または銅塩)の原材料を含有するガラスバッチを溶融させ、溶融液からガラス体を形成する工程、ガラス歪点より高い温度でガラス体を加熱処理して、500〜2000オングストローム(Å)(50〜200nm)の範囲の粒度を有する結晶を生成させる工程、ガラス体を延伸し、よって結晶を細長くして配向させるために、ガラス焼きなまし点より高い温度で結晶含有ガラス体に力を加える工程、延伸されたガラス体を250℃より高い温度で還元雰囲気にさらして、アスペクト比が少なくとも2:1の金属粒子を含有する還元表面層をガラス体上に発現させる工程を含む。本発明にしたがえば、力を加える工程は図4〜6に示される実施形態を用いて実施される。例えば、焼きなまし点より高い温度においてガラスが二組のローラーを通過し、ガラスは第1の回転速度で作動している第1の組のローラーに送り込まれ、第1の組のローラーを通過した後、ガラスは第1の回転速度より大きい第2の回転速度で作動している第2の組のローラーに取り込まれる、図4に示される方法を用いることができる。あるいは、焼きなまし点より高い温度においてダイを通してガラスを押出し、ガラス及びガラス内の粒子を引っ張って延伸するに十分な回転速度で作動している一組のローラーをガラスに通過させる、図5に示される実施形態を用いることができる。いずれの実施形態においても説明されるようにガラス及びガラス内の粒子が延伸された後、延伸された粒子は次いで、スズ(II)またはアンチモン(III)のような還元材料のガラス配合物への添加による酸化還元反応によるか、あるいは、例えば銀塩または銅塩を銀(0)または銅(0)に還元するであろうような、ガラス内で生じ得るその他の酸化還元反応による、還元が既に行われていなければ、偏光粒子、例えば銀(0)または銅(0)を形成するために還元することができる。
一実施形態において、本発明は銀含有可視光ガラス偏光子を作成する方法に向けられ、本方法は、
1.銀及びフッ素以外のハロゲンの原材料を含有するガラスバッチを溶融させ、溶融液からガラス体を形成する工程、
2.ガラス歪点より高い温度でガラス体を熱処理して、500〜2000オングストローム(Å)(50〜200nm)の範囲の粒度を有するハロゲン化物結晶を生成させる工程、
3.ガラス体を延伸し、よって結晶を細長くして配向させるために、ガラス焼きなまし点より高い温度で結晶含有ガラス体に力を加える工程、及び
4.延伸されたガラス体を250℃より高い温度で還元雰囲気にさらして、アスペクト比が少なくとも2:1の金属粒子を含有する還元表面層をガラス体上に発現させる工程、
を含む。ここで、力を加える工程はガラスの焼きなまし点より高い温度において二組のローラーを用いて行われ、ガラスは第1の回転速度で作動している第1の組のローラーに送り込まれ、第1の組のローラーを通過した後、ガラスは第1の回転速度より大きい第2の回転速度で作動している第2の組のローラーによって取り込まれる。二組のローラーの回転速度の差はガラスを延伸して、ガラス内の粒子を引き伸ばすに十分な応力を発生させるはたらきをする。
本発明の方法は、光コンポーネントまたは光物品の作成に適したいずれの適切なホウケイ酸ガラス組成またはホウアルミノケイ酸ガラス組成にも用いることができる。適切な組成の例は本明細書の背景技術の章に上掲した特許文献に見ることができる。例として、本発明をこの特定の組成に限定することなく、0.05〜1.0重量%のAgを含有する表1に、塩素成分は含めずに、示される以下の例示的な組成を用いることができる。塩素は、少なくとも、全ての銀が塩化銀として存在するに十分な量で存在する。
Figure 2007193327
ガラス組成の作成において、Si,Al及びBの材料は酸化物として加えることができ(但し、ガラスの作成に適する技術上既知のこれらの材料の他の形態も用いることができる)、Agは非フッ化銀塩として加えられる。そのような銀塩の、限定ではなく、例には、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、硝酸銀、亜硝酸銀、炭酸銀及び酸化銀またはこれらのいずれかの混合物がある。硝酸銀、亜硝酸銀、塩化銀及び酸化銀が、これらの混合物を含み、好ましい銀塩である(同様の塩を銅及びカドミウムを含有する偏光子について用いることができる)。加えられる銀塩の量は銀(0)換算で0.05〜1.0重量%の銀を含有するガラスを作成するに十分な量である。非ハロゲン化銀塩が用いられる場合、ハロゲン源は、ガラスを構成する別の材料の内の1つとすることができ、あるいはハロゲンはNaCl,CaCl,NaBr等のようなハロゲン化アルカリ金属またはハロゲン化アルカリ土類金属の形態で加えることができる。含水塩化アルミニウムのような物質をハロゲンイオン源、この場合は塩素イオン源、として用いることもできる。以下に与える実施例については、SiO,Al,B及び0.05〜1.0重量%の範囲の(Agとしての)銀含有量を得るに十分な塩化銀を石英るつぼ内においてほぼ1350℃でほぼ16時間溶融させて、透明でやや黄色を帯びたガラス(図1の左側を見よ)を作成した。ガラスのやや黄色は実質的に全ての銀が銀(+1)イオンとしてガラス組成に溶け込んでいることを示す。ガラスは紫外光の下で蛍光も発し、少なくともいくらかの銀が還元銀、すなわちAgとして存在することを示す。
一実施形態において、溶融液が完全に出来上がると、次いで延伸(引き伸ばし)の前にガラスが形作られる。例えば、溶融ガラスを金型に注入して冷却し[または、溶融液からガラスブールを形成して冷却し、次いで延伸のために所望の形状、例えばバーに切り分け]、ブランチャード(Blanchard)研磨してバー、例えば、長さがほぼ25〜100cm,幅が7.5〜10cm,厚さが0.5〜1.5cmのバーにすることができる。より強い延伸力をガラスにかけることを可能にするため、延伸工程の前に、必要に応じてエッチング工程または熱処理工程あるいは両工程を、表面欠陥または表面下欠陥、例えば、但し限定ではなく、研磨プロセス中に導入され得る表面下欠陥を除去及び/または治癒するために用いることができる。ガラス表面が機械的に(例えば研磨によって)除去されると、多くの表面及び/または表面下の割れまたは傷が生じるかまたは露出され得る。印加応力の下で、これらの割れまたは傷はガラス体内に広がり、ガラスの破断を生じさせ得る。ガラス表面を化学エッチング及び/または熱処理することで、割れ(傷)面の角を落とすことによって、あるいは熱処理を用いて割れ(傷)を閉じることによって、傷が治癒される。熱処理は一般にガラス組成の軟化点近く(25〜50℃以内)の温度で行われる。エッチングの例として、ガラスを延伸する(引き伸ばす)前に、汚染物及び/または傷を有する表面領域を除去するに十分な時間、ガラスバーは希フッ酸溶液に浸漬される。必要と思えば、プロセス完了時を決定するために、拡大するかまたはしないで、目視検査を用いることができる。
別の実施形態において、溶融液が完全に出来上がると、ガラスブールまたはガラスブールの1つまたは複数のセグメントを高温ガラス押出機に装填して、以下に説明されるように、延伸しながら押出すことができる。
偏光ガラスの作成における基本概念は熱的に発現させたハロゲン化銀粒子相を含有するガラスの再延伸または引き伸ばしを行うことである。ガラスの延伸はハロゲン化銀粒子を細長くすることを可能にするに必要な剪断応力を発現させるに十分に高い粘度で行われる。剪断応力は基本的に、式I、
Figure 2007193327
で示されるように、負荷を断面積で割った値に等しい。
式Iにおいて、τは流動するガラスから結晶に作用する剪断応力、Fは負荷、Aはバーの断面積、ηは粘度、εは歪である。歪速度は基本的にストリップが移動している速度である。バーの寸法変化もこの量に比例するであろう。しかし、最終的にはハロゲン化銀粒子の形状変化によって、2色性、すなわち偏光特性が生じる。粒子の細長化の程度は剪断応力自体に依存し、剪断応力は粒子とガラスの間の粘度差に比例する。粒子のアスペクト比が最終的に最大コントラスト波長を決定する。
体積は保存されるから、再延伸プロセスでは元の処理されたガラスバーの厚さ及び/または幅が減少することが必要である。すなわち、「速度×断面積は一定である」が成立する。図3を参照すれば、経路に沿ういかなる2点においても、式II、
Figure 2007193327
が満たされなければならない。
一般に、偏光ガラスの作成に用いられる工業的な高温再延伸プロセスにおいて、十分に細長い粒子相が作成されたときに得られる減少比w/wは、4〜5対1のオーダーである。このことが図1A、2及び3に示される。しかし、広幅偏光ストリップ、例えば300mm幅のストリップを作成したければ、最終幅300mmを得るために用いられなければならないであろうバーの初期幅寸法は1200〜1500mmのオーダーになり、大きすぎて非現実的である。さらに、そのように広幅のバーにわたって一定の温度(粘度)を維持するという問題により、状況が悪化する。本発明の方法によれば、特に本明細書に説明されるような2ローラー延伸システムが用いられる場合に、それを通してガラスがプレスされるダイの寸法に依存して、300mmより幅の広い偏光子を作成することができる。
図4に示される形状寸法を用いれば、式III、
Figure 2007193327
によって厚さ減少に関係付けられる幅減少を決定することができる。ここで、τは印加圧力(F/wt)に関係付けられる剪断速度、ηは粘度、Lはローラー間隔、Vは送込み速度である。広幅ストリップ偏光子を作成するために必要なことは、剪断速度が細長いハロゲン化物液滴を作成するに十分に高く、おこる幅変化は最小になるであろう、十分に高い粘度で作動させることである。発明者等は、粘度が10ポアズ(10Pa・秒)であり、第2の組のローラーにかかる力が長さ10インチ(ほぼ25.4cm)当り270ポンド(約1.2kg)であると仮定して、いくつかの可能な条件について、式IIIで表される状況を計算した。パラメータは、歪速度の尺度である2つのローラーの相対速度比である。発明者等は、幅減少が20%未満であることを保証するためには、厚さ減少が>3になることが必要であると決定した。10ポアズの代りに10ポアズ(10Pa・秒)の粘度を選べば、速度比パラメータは10倍も大きくなるであろう。発明者等は、実験により、図1Bに示されるような広幅ストリップ偏光子によって立証されるように、変量の実用的な組合せが実現可能であると判断した。270ポンド/インチ(179g/cm)の力を粘度が10ポアズの液体に印加し、送込み速度の5倍の線速度を維持した。
上述したプロセスの別の実施形態は基本的に同じ物理的態様を含む。上述した第1の組のローラーが押出機200で置き換えられた第1の態様が図5に示される。押出機200は、オリフィス240を有する加熱されたダイ230を備える。供給ガラス材料がダイ230内に入れられ、10ポアズないしそれより高い粘度になるまで加熱され、プランジャー232を用いてオリフィス240を押し通されて、シート210に形成される。シート210はある回転速度で作動しているローラー130に送られる。この場合の利点は、より幅の広いストリップを初めに押し出すことができ、供給材料をバーではなくカレットとすることができることである。したがって初期速度Vはガラスが押し出されている速度であり、他の点では、解析は上述した事例と同じである。第2の組のローラーの代りに「グリッパー」が用いられる第2の実施形態が図6に示される。
従来技術の延伸
従来技術の偏光子作成プロセスにおいては、ガラスバーを延伸するために、図2に示されるような、(独国ヴァイルブルグ(Weilburg)のヒースウエイ社(Heathway, Ltd)(現在はハーバート・アーノルド社(Herbert Arnold GmbH & Co. KG))から購入した)延伸タワーを用いていた。このタイプの延伸システムは、図1に示されるような挟幅バーをもたらし、下方給送システム、炉40及び高引張応力の下でガラスバー30を下方に引き伸すために用いられた牽引器(図示せず)を備える。ガラス組成をるつぼ内で溶融させ、次いで金型を用いて注型して粗製バー形状にした。次いでバーを機械加工仕上げするかまたは注型後のままで延伸プロセスに用いた。例えば、バー30は、ほぼ幅5cm×長さ10〜100cmとし、0.6〜1.5cmの範囲の様々な厚さとした。本明細書で説明する試験のために、バーの両端にドリルで孔を開けた(図1を見よ)。一方の孔は下方給送システムの金属シリンダ22からバーを吊り下げるために用い、他方の孔はバーをつかんで延伸プロセスを開始するために用いた。図2に示されるように、下方給送チャック24の所定の位置に保持される金属シリンダ22にロードセル20の一端を取り付け、ロードセル20の他端でガラスバー30を支持した。炉40は広い温度範囲をカバーできる黒鉛抵抗加熱炉である。パイロメータ及びプログラマブルコントローラを用いて炉40を制御した。図2に示されるように、金属シリンダ22+ロードセル20に連結されたワイア26でガラスバー30を炉40内に懸垂した。
バーを炉内においた後、下方引張りが可能になるに十分にガラスが軟化する温度まで炉温を上げた。上に与えた例示的な組成については、650〜725℃の範囲の温度をガラスの延伸(引き伸ばし)に用いた。ガラスバー30の下方への引っ張りが開始されると、制御された速度でガラスバー30を炉内に降ろす下方給送を始動した。バーを下方に延伸してリボン60(図2を見よ)を形成した。ガラスが延伸される(引き伸ばされる)につれてガラスの幅及び厚さは減少した。延伸及び冷却後、リボン60を目的用途、例えば遠距離通信装置の偏光子に適切な寸法に切り分けた。
本発明にしたがうローラーだけを使用する延伸
本発明にしたがう一実施形態においては、延伸後の偏光子の幅が延伸プロセスに用いられたバーの幅と同じかまたは実質的に同じである偏光子が形成される。すなわち、幅減少が最小限に抑えられる。図4を参照すれば、力の印加はガラスの焼きなまし点より高い温度において二組のローラーを用いて行われる。ガラス110が第1の回転速度wで作動している第1の組のローラー120に送り込まれる。第1の組のローラー120を通過した後、ガラス120は第1の回転速度wより大きな第2の回転速度wで作動している第2の組のローラー130に取り込まれる。ガラスは相異なる回転速度で作動している二組のローラーの間140にあるから、図示されるようにガラスは二組のローラーの間140で延伸される。最終的に、ローラー130から出てくるガラスは、ローラー120に送り込まれたガラス110の幅と同じかまたは実質的に同じである幅を有する、参照数字150で示されるような、広幅の、延伸された形態にある。ローラー130から出てくるガラスストリップ150は、ガラス偏光子を形成するために、切断して、還元工程、例えば水素還元を施すことができる。あるいは、ローラー130から出てくるストリップ150を還元炉に送り込んで、水素または水素/不活性ガス混合気を用いて還元することができる。
本発明にしたがえば、延伸後の偏光子の幅が延伸プロセスに用いられるバーの幅と同じかまたは実質的に同じである偏光子が形成される。すなわち、幅減少が最小限に抑えられる。図4は簡略化した形で実施形態を示す。図4において、力の印加はガラスの焼きなまし点より高い温度において二組のローラーを用いて行われ、ガラスは第1の回転速度で作動している第1の組のローラーに送り込まれ、第1の組のローラーを通過した後、ガラスは、第1の回転速度より大きい第2の回転速度で作動している第2の組のローラーに取り込まれる。
押出及び延伸
押出プロセスは、金属、セラミック及びプラスチックについては十分に確立されているが、ガラスに関しては押出プロセスが広く用いられているかあるいは開発されている状況にはない。ガラスの押出は、結晶化効果を弱めることができ、表面張力効果を抑制することにより非円形製品を改善することができる、10ポアズ(10Pa・秒)より高い粘度で達成することができる。押出により、急峻な粘度曲線を有するガラス、低軟化点ガラス、成形温度範囲において液体であるガラスまたは少量ガラス製品の成形が可能になる。
押出プロセスは、矩形ダイを通す押出しにより、ガラスのバーまたはリボンの作成にも有効なツールとなり得る。円筒形のガラスフォームを押出機に装填し、次いでガラスのバーまたはリボンとして押し出すことができる。押出機のさらなる利点は、ダイから出てくるガラスを引抜システムによって細くして、より小さな寸法にできることである。出てくるガラスの粘度を高粘度に制御すれば、ガラスを延伸し、よってガラス内の銀またはハロゲン化銀成分を延伸するための応力を印加することができる。銀成分の延伸によりガラスに偏光効果が発生する。
本発明にしたがえば、矩形ダイを通す押出及び延伸力の印加により、ガラスのバーまたはリボンを作成し、延伸するために、押出プロセスを用いることができる。例えば、円筒形のガラスフォームを押出機に装填し、次いでガラスのバーまたはリボンとして押し出すことができる。ダイを出てくるガラスは引抜システムによって直ちに細くされて、より小さい寸法になる。出てくるガラスの粘度が高粘度に制御されれば、ガラスを延伸し、よってガラス内の銀(0)またはハロゲン化銀成分を延伸するための応力を印加することができる。銀成分の延伸によりガラスに偏光効果が発生する。本明細書に教示されるようなシステムは銅及び銅−カドミウムを含有するガラスとともに用いることもできる。
押出プロセスは市販の5トン高温ガラス押出機(米国マサチューセッツ州ブリムフィールド(Brimfield)のアドヴァンテック・エンジニアリング(Advantek Engineering))を用いて達成される。図7に簡略に示される押出機は、炉364,下方給送システム410(図8),制御キャビネット430及び金属支持構造体上におかれた引抜システム420(図8)を備える。炉364は抵抗線加熱され、使用上限温度は1200℃である。ロッド360が取り付けられたピストン362,バレルまたはスリーブ368及びRA330合金でつくられたダイ370が、炉内に置かれ、スリーブ内のガラス366を押してダイ370を通すために用いられるコンポーネントである。例示されるようにピストンはロッド360によって下方給送システムに取り付けられ、押出プロセス中にガラスに印加される荷重の制御を可能にする。図示されていない引抜システムは、押し出されているガラスストリップ372を保持するための三つ顎チャック400(図6を見よ)が取り付けられた4フィート(約1.2m)長の電動スライダーである。引抜システムは、ダイ370をでるにつれてガラスストリップ366を細くするかまたはガラスストリップを全く細くせずに所定の位置にただ保持することを可能にする、可変速度制御を有する。
ガラス粘度を規定する温度を制御することにより、下方給送システム−ピストン及び引抜きパラメータによる押出速度及び荷重の制御が可能になる。ダイの上方でガラスにかけられている力の大きさを測定するため、ピストンに連結された下方給送シャフトにロードセルが配置される。図8は押出機を上述した主要コンポーネントとともに示す。ガラスが押出機をでるときにおそらくガラスに熱衝撃を与え得る、押出機周りの空気流を制限するために、押出機の下部を囲んでプレクシガラス外囲器を配置した。
図7及び8を参照する。ガラスパックまたはガラスブールを押出機に装填して押出機の金属バレル内部に配置した。ガラスパックまたはガラスブールは、ガラスパックまたはガラスブールが嵌まるように、バレルの内寸法より若干小さくしなければならない。バレルに装填した後、バレルをダイの上部においた。ダイは、位置合せピンをもつ金属支持体上に載る底部に位置決め孔を有する。ダイへの熱伝導を絶つため、金属支持体とダイの間に耐火性リングを配置した。炉を所定の位置に下ろし、バレルをダイ上の所定の位置に保持するバレルの上縁の上においた。次いで炉を下方給送システムから切り離し、下方供給システムを引き上げた。次いで、ガラスとピストンの間に薄い金属プレートを入れて、ピストンをガラスの上においた。下方供給システムをピストンまで下ろして、下方供給ユニットに連結した。加熱時の金属及びガラスの膨張によるガラスの圧潰を防ぐため、ピストンをほぼ半インチ(約1.3cm)持ち上げた。
炉を低温度上昇速度及び熱平衡が確立している(通常は一晩、ほぼ12〜16時間ないしそれより長くかかる)ことを保証するための高温で一晩の保持にプログラムした。平衡に達すると、荷重がロードセルに記録されるまで、ピストンを下げることによって一連の圧縮工程を実施した。圧力を下げるにまかせ、数回の追加圧縮を行ってガラスが流れ出してバレル及びダイに入ったことを保証した。圧力が下がったかまたは低レートで下がっているときに、システムは押出を開始する準備ができている。
押出されたガラスストリップの引抜チャックへの取り付けを可能にするため、押し出されているガラスと同じガラスの犠牲ロッドをチャックに入れてダイの真下に配置し、押し出されたガラスストリップに融着するか、チャックを取り付けることができるまで、押し出されたガラスストリップを自由に垂下させる。ガラスのダイ押し通しを開始するためにコントローラに下方給送速度を設定し、引抜速度も設定した。荷重読み値及び押出されるガラスストリップの最終形状寸法によって速度を決定した。押出時に荷重は広い範囲にあり得るが、ほぼ2500ポンド(約1130kg)の荷重で満足できる結果が得られることがわかった。押出が始まっても荷重が高まり続ければ、ユニットの最大荷重は4500ポンド(約2040kg)であるため、温度または送込み速度を調節した。荷重がこの値をこえれば送込みが停止されることになろう。逆に、押出中に荷重が低下すれば、温度を下げるかまたは送込み速度を高めて、荷重をより高い値に維持することができる。
引抜ユニットが走行下限に達するまで押出を継続することが可能になるように押出パラメータを設定した。長さが3〜3.5フィート(約0.9〜1.1m)のガラスストリップを押し出した。ガラスが炉内にまだ残っていれば(ピストン高がこれを示す)、ガラスストリップに罫書きして割り取り、引抜ユニットを持ち上げ、割取端に取り付けて、生産を継続することができる。荷重力が劇的に高まり始めれば、これはバレル内のガラスがなくなり、生産が終了したことを示す。
本発明の押出法をさらに示すため、3〜4個の丸いガラスパックを押出機バレルに装填した。パックを装填した後、バレルを所定の位置におき、別の生産を上述したように実行した。炉は0.5℃/分のレートで800℃まで加熱するようにプログラムした。加熱及び熱平衡の達成は一晩(ほぼ12〜16時間)かけて行われる。上述したように圧縮を開始して、ガラスがダイを出始めるまで継続し、荷重を維持した。チャックに嵌合し、リボンをつかむようにグラッバーを設計した。グラッバーは、引き下げられたときにガラスリボン上に密接するようなカンチレバーアームを有する。ガラスリボンが押し出されてダイの十分下まで下がると、ガラスリボンはグラッバーに取り付けられ、引抜きユニットが始動される。生産を通して用いられた押出パラメータは、
−開始時:温度はほぼ800℃,下方送込み速度は0.3mm/分,延伸速度はほぼ18mm/分,ロードセル読み値はほぼ1730ポンド(約784kg)、
−送込み速度を0.3mm/分に高め、温度を790℃に下げ、ロードセル読み値を1885ポンド(約854kg)に上げ、延伸速度を25mm/分に上げる、
−より強い引っ張り応力をガラスリボンに印加するため、延伸速度を40mm/分に上げ、荷重は2150ポンド(約974kg)になったが、すこしずつ下がっていった、
−送込み速度を0.4mm/分に変え、ガラスリボンに罫書きして割り取り、延伸を再開した、
−再開後−温度785℃,送込み速度0.35mm/分,延伸速度50mm/分,荷重2585ポンド(約1171kg)、
−生産終了時−温度780℃,送込み速度0.4mm/分,延伸速度75mm/分,荷重2220ポンド(約1006kg)、
であり、
−高延伸速度(>50mm/分)において、リボンは約2インチ(約5cm)幅まで細くなり、良好な引っ張り応力が印加された。800℃より低い温度では生産再開が困難であった。
上述した実験生産により、図1Bに示される広幅偏光子を作成した。ガラスが延伸されると、延伸されたガラス品は次いで、120℃より高いが、ガラスの焼きなまし点より25℃は高くはない、温度で還元雰囲気にさらされる。これにより、ガラス内に存在するハロゲン化金属結晶の少なくとも一部が元素の銀または銅に還元された、表面層が発現する。
図9及び10は、上述した押出プロセスで作成された偏光ガラスを用いて得られた。図は、引っ張り応力の下でのガラスの押出及び延伸によって、ハロゲン化銀成分が延伸され、偏光ガラスの広幅ストリップまたはリボンが得られたことを明らかに示す。
限られた数の実施形態に関して本発明を説明したが、本開示の恩恵を有する当業者であれば、本明細書に開示されるような本発明の範囲を逸脱しない別の実施形態が案出され得ることを認めるであろう。したがって、本発明の範囲は添付される特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
従来技術の方法にしたがって延伸されたガラスバーを示し、バーの延伸されていない上部及び下部並びに、偏光ガラスを形成する、バーの延伸された中間部分を示す 本発明にしたがう広幅偏光ストリップ(上段のストリップ)に対し、従来技術にしたがって延伸されたガラスからの挟幅ストリップ(下段のストリップ)を並べた比較である 図1に示される偏光子を形成するために用いられる、炉、ロードセル及び炉内に懸垂されたガラスバーを示す 延伸(引き伸ばし)プロセスの数学的取扱い及び「体積保存」を示す ガラスバーを延伸し、同時にバーの幅の減少を最小限に抑えるために、相異なる速度で作動している複数の組のローラーが用いられる、本発明の一実施形態を示す ガラスバーを押出して、ガラス及びガラス内の粒子を延伸して偏光効果を生じさせると同時にガラスの幅を維持または実質的に維持することによってガラス厚を減少させるに十分な速度で回転する一組のローラーに送り込むために、押出機が一組のローラーの代りに用いられる、本発明の一実施形態を示す ガラスの一端をつかんで引っ張り、よってガラス内の粒子を細長くするために、「グリッパー」を用いて押出機から直接にガラスを延伸する本発明の一実施形態を示す 押出機の構成及びダイを出てくるガラスバーまたはリボンの図である 押出機システムの主要コンポーネントを示す写真である 本発明の押出機/延伸システムを用いて作成された第1の偏光ガラスを用いて得られたスペクトルである 本発明の押出機/延伸システムを用いて作成された第2の偏光ガラスを用いて得られたスペクトルである
符号の説明
110 ガラス
120,130 ローラー
150 ガラスストリップ
200 押出機
370 ダイ

Claims (11)

  1. ガラス偏光子を作成する方法において、前記方法が、
    偏光金属を塩または金属(0)種として含有する溶融ガラスバッチを作成し、溶融液を注型してブールにする工程、
    前記ブールまたは前記ブールからつくられたフォームを押出機に入れる工程、
    前記ガラスの粘度が少なくとも10ポアズ(10Pa・秒)になる温度に前記ブールを加熱する工程、
    加熱されたダイを通して前記ガラスを押し出し、前記ダイから押し出された前記ガラスの先端をつかむ工程、
    前記押し出されたガラスを延伸して、前記ガラスが前記ダイから押し出されているときの前記ガラスの幅と同じかまたは実質的に同じ幅を有するリボンにする工程、
    前記偏光金属塩を含有する前記リボンを、前記ガラスに偏光金属(0)層をつくるために、前記ガラスの軟化点より低い温度において4〜40時間の範囲の時間、還元雰囲気内で処理する工程、
    前記リボンを研磨する工程、及び
    前記リボンを所望の寸法に切断し、よって偏光子を形成する工程、
    を有してなることを特徴とする方法。
  2. 前記偏光金属塩が、銀、銅及びカドミウムの、非フッ素ハロゲン化物からなり、これらの混合物を含む、群の内の少なくとも1つから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属塩が銀塩であり、銀濃度が0.05〜1.0重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記偏光子が、可視領域、赤外領域及び紫外領域からなる群から選ばれる領域において光を偏光できることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 表面欠陥を除去及び/または治癒するために、延伸の前に、エッチング工程または熱処理工程を、あるいはいずれの工程も、前記ガラスに施すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記ダイを通過した後、前記ガラスが第1の回転速度で作動している第1の組のローラーによって取り込まれ、前記第1の組のローラーを通過した後、前記ガラスが前記第1の回転速度より大きい第2の回転速度で作動している第2の組のローラーによって引き込まれ、前記2つの回転速度の間の差が、前記ガラス及び前記ガラス内の粒子を引っ張って延伸し、よって前記ガラスが前記ダイから押し出されているときの前記ガラスの幅と同じかまたは実質的に同じ幅を有するリボンを提供するに十分であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記ダイを通過した後、前記ガラスが前記ダイから押し出される速度より大きい回転速度で作動している単一の組のローラーによって前記ガラスが取り込まれ、よって、前記ガラス及び前記ガラス内の粒子が引っ張られ、延伸されて、前記ガラスが前記ダイから押し出されているときの前記ガラスの幅と同じかまたは実質的に同じ幅を有するリボンが提供されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記ダイを通過した後、前記ガラスが可動グリッパーによってつかまれ、前記グリッパーは、前記ガラス及び前記ガラス内の粒子を引っ張り、延伸して、前記ガラスが前記ダイから押し出されているときの前記ガラスの幅と同じかまたは実質的に同じ幅を有するリボンを提供するに十分な速度で移動することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 銀含有可視光ガラス偏光子を作成する方法において、前記方法が、
    銀及びフッ素以外のハロゲンの原材料を含有するガラスバッチを溶融させ、溶融液からガラス体を形成する工程、
    前記ガラスの歪点より高い温度で前記ガラス体を熱処理して、粒度が500〜2000オングストローム(50〜200nm)の範囲のハロゲン化物結晶を生成させる工程、
    前記ガラスの焼きなまし点より高い温度で前記結晶含有ガラス体に力を加えて、前記ガラス体を延伸し、したがって前記結晶を細長くして配向させる工程、及び
    前記延伸されたガラス体を250℃より高い温度において還元雰囲気にさらして、アスペクト比が少なくとも2:1の金属結晶を含有する還元表面層を前記ガラス体上に発現させる工程、
    を有してなり、
    前記力を加える工程が前記ガラスの焼きなまし点より高い温度において二組のローラーを用いて行われ、前記ガラスは第1の回転速度で作動している第1の組のローラーに送り込まれ、前記第1の組のローラーを通過した後、前記ガラスは、細長い銀粒子の生成に十分であるような、前記第1の回転速度より十分に大きい第2の回転速度で作動している第2の組のローラーによって引き込まれることを特徴とする方法。
  10. 請求項1に記載の方法にしたがって作成された偏光子において、可視領域、赤外領域及び紫外領域からなる群から選ばれる領域において光を偏光させることができることを特徴とする偏光子。
  11. 請求項9に記載の方法にしたがって作成された銀含有偏光子において、可視領域、赤外領域及び紫外領域からなる群から選ばれる領域において光を偏光させることができ、0.05〜1.0重量%の範囲の銀を含有することを特徴とする偏光子。
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