JP2007191543A - 紫外線硬化方法及び紫外線硬化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2枚の基板部材を紫外線硬化性接着剤により貼り合わせる際、紫外線照射方向でその両者に温度差のほとんどない状態で紫外線照射を行なう紫外線硬化方法であって、エネルギー消費が最小限であり一工程で効率的に実施できる紫外線硬化方法、及びそれに適した紫外線硬化装置を提供する。
【解決手段】 上下に重ねた2枚の基板部材に挟まれた接着剤の紫外線硬化のための紫外線照射操作と、前記2枚の基板部材の温度差を解消する温度調整操作とを同時並行で行なう。その時、その温度調整操作は、下側に配置した前記基板部材の下面の温度制御と、上側に配置した基板部材の上面の温度制御とを両方同時に行なうようにする。ここで、前者の温度制御は前記2枚の基板部材を下側から加熱する加熱操作であり、後者の温度制御は前記2枚の基板部材を上側から空冷する空冷操作である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種ディスプレイパネルや情報媒体ディスクの基板部材を紫外線硬化性接着剤により貼り合わせる工程における紫外線硬化方法、及びその工程で用いられる紫外線硬化装置に関する。
各種情報媒体ディスクは情報記録加工処理工程を経た2枚の透光性基板部材を紫外線硬化性接着剤を介して密着させ外部から紫外線を照射して貼り合わせることにより製造される。紫外線照射源としては例えばメタルハライドランプ等の、紫外線を発生する紫外線ランプが通常用いられる。しかし、これらの紫外線ランプから発生する電磁波には、接着剤の硬化に必要な紫外線の他に、可視光線や赤外線も含まれているため、紫外線が照射される基板部材は、紫外線照射による熱の他に、この赤外線等の輻射熱による影響も受ける。
従来、情報記録加工処理後の2枚の情報媒体ディスク用基板部材を貼り合わせるには次のように行なっていた。すなわち紫外線硬化処理は、まず情報媒体ディスク用の2枚の基板部材を接着剤を介して上下に重ね合わせ、ステージの上に載置し、次いで上側に配置した基板部材の上方に配置した紫外線照射源から紫外線を照射して行われる。この際、紫外線照射源から発せられる電磁波には赤外線等も含まれるため、基板部材はどの部位でも温度が上昇していく性質がある。しかし、その温度上昇の度合いは部位により差があり、紫外線の直射を受ける上側の基板部材の温度は、熱伝導の影響だけを受ける下側の基板部材に比べて高くなるという問題があった。上側基板部材の上面と下側基板部材の下面とでは温度差が30度以上にも達する場合があるとされている。
貼り合わせるべき2枚の基板部材に温度差があると、例えば次のような問題を引き起こす。上側基板部材を透過した紫外線が接着剤に到達するとその接着剤内で紫外線硬化反応が起きて硬化するが、接着剤は上下両方の基板部材に接触しているため、接着剤の上下で温度差がある状態でその紫外線硬化反応が起こることになる。その為、その接着剤の上部と下部とで硬化速度に差が生じる。接着剤には紫外線重合反応の開始剤が含まれているが、一般に、温度が高い部分では開始剤が拡散しその密度が低くなり易いとされている。そのため、接着剤内部で重合密度の高い部分と低い部分ができムラが生じる。その結果、接着剤が硬化して生成する樹脂の物性が均一でなくなり、基板部材との結合強度を低下させることにつながり、貼り合わせた基板部材が剥がれ易くなる場合がある。
こうした問題を解決するため、基板部材を載置するステージの上面を加熱(場合によっては冷却)する加熱手段を用いて貼り合わせるべき2枚の基板部材を上下で差のない所定温度の状態にした後、紫外線硬化性接着剤に紫外線を照射する手法が既に提案されている(特許文献1ないし3参照)。この加熱手段を用いれば、紫外線照射直前には、上側の基板部材と下側の基板部材の温度差は解消され、従って2枚の基板部材に挟まれた接着剤を、上下方向で温度差がなく均一な温度分布の状態にすることができる。
特開2001−110098号公報 特開2001−266419号公報 特開2005−169624号公報
しかしながらなお、次のような問題を抱えていた。すなわち、例えば特許文献1ないし3に記載のように、従来は、基板部材温度調整(加熱)を行なう工程と紫外線硬化処理を行なう工程は同時には実行されないため、前者の工程から後者の工程へ移行するまでの間で基板部材の温度状態が変化してしまう恐れがあった。この問題を防ぐためには、新たに温度保持手段が必要になるが、その場合は、紫外線硬化処理工程全体に要するエネルギー消費量が増えるという別の問題が加わることになる。
さらに、基板部材温度調整(加熱)工程で達成される基板部材の温度と、その後の紫外線硬化処理工程で基板部材が経験する温度とでは相違がある。この前者の温度は、上下に重ねた2枚の基板部材で両者ほぼ同じ温度となるように調整されるのが普通であるから一つの温度(以下、温度Aと表記する)で表現できるが、後者の温度は、前述のように、紫外線照射を受けている部位(上側の基板部材の上面。その温度を以下、温度Bと表記する)とそうでない部位(その温度は温度B以下)とで温度が異なるという側面もある。そこで、次のような問題が起きてくる。温度Aと温度Bとが一致するのは極めてまれであり、温度Aが温度Bよりも高い場合は、必要以上に基板部材を加熱していることになる。逆に、温度Aが温度Bよりも低い場合は、紫外線照射時には上側の基板部材の上面は温度Bとなり、下側の基板部材の下面は温度Aもしくは温度Aに近い温度になっているので、上下の基板部材で再び温度差が生じる可能性が大きくなることになる。
そこで本発明者は、加熱・冷却が可能な温度制御手段を具備するステージ上に紫外線硬化性接着剤を介して重ね合わせた2枚の基板部材を載置し、この基板部材に向けて紫外線照射が可能なように紫外線光源を配置し、また紫外線光源からの熱的影響を極力抑制するためその基板部材と紫外線光源の間に可視光及び近赤外線を遮断する熱線カットフィルターを配置して、そのステージに基板部材を載置したままで温度制御手段を用いてそのステージ上面を所定温度にまで加熱しながら同時に紫外線照射を行なう手法を試みた。
上下2枚の基板部材の温度差を調査するため、紫外線硬化剤の代わりに適度な薄さのスペーサを介して2枚の基板部材を重ね合わせ、上側基板の下面と下側基板の上面にそれぞれ熱伝対の先端を貼り付け、紫外線硬化処理におけるそれぞれの部位の温度の時間変化を記録した。なお、加熱操作は、30℃/分の加熱速度で40〜100℃の範囲の所定温度まで約70秒間連続して行なった。紫外線照射は加熱操作と同時に開始した。
その結果、紫外線照射を受ける上側の基板部材の温度上昇の度合いは下側の基板部材を上回り、両者の温度差は紫外線照射開始から徐々に開き始め、紫外線硬化完了に必要とされる紫外線照射時間20〜60秒経過後には10〜20数度程度の差が生じ、基板上下の温度差を縮めることができないまま紫外線硬化が行なわれた。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、各種ディスプレイパネルや情報媒体ディスク等の2枚の基板部材を紫外線硬化性接着剤により貼り合わせる際、紫外線照射方向でその2枚の基板部材で温度差がほとんどない状態を作り出しながら紫外線照射を行なう紫外線硬化処理方法であって、エネルギー消費を最小限に抑え一つの工程で効率的に処理を行うことができる紫外線硬化処理方法を提供すること、およびそのような処理方法に適する紫外線硬化装置を提供することを目的とする。
本発明では、上下に重ねた2枚の基板部材の温度差を解消する温度調整操作は、前記2枚の基板部材に挟まれた接着剤の紫外線硬化のための紫外線照射操作と同時並行で行なうようにする。その時、その温度調整操作は、下側に配置した前記基板部材の下面の温度制御と、上側に配置した基板部材の上面の温度制御とを両方同時に行なうようにする。
すなわち、本発明の紫外線硬化方法は、2枚の基板部材を紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせて配置しその上方から紫外線を照射して前記2枚の基板部材を貼り合わせる紫外線硬化方法であって、紫外線照射の操作は、紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせた前記2枚の基板部材のうち下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段と、上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段と、を同時に作動させながら行なうことを特徴とする。
また、本発明の紫外線硬化方法は、前記特徴に加えて、前記下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段は、紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせた前記2枚の基板部材の下側から加熱する加熱手段であり、前記上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段は、該基板部材の上側から空冷する空冷手段であることを特徴とする。
さらにまた、本発明の紫外線硬化方法は、前記加熱手段の作動を前記空冷手段よりも先に開始させ前記2枚の基板部材を下側から予熱することを特徴とする。
本発明の紫外線硬化装置は、2枚の基板部材を紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせて配置しその上方から紫外線を照射して前記2枚の基板部材を貼り合わせるための紫外線硬化装置であって、紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせた前記2枚の基板部材を載置するステージと、該ステージに載置した前記2枚の基板部材の上方に配置される紫外線照射手段と、前記2枚の基板部材のうち下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段と、上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段と、を具備し、前記紫外線照射手段と、前記下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段と、前記上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段とが同時に作動可能に構成したことを特徴とする。
また、本発明の紫外線硬化装置は、前記特徴に加えて、前記下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段は、上下に重ね合わせた前記2枚の基板部材の下側からの加熱が可能なように構成した加熱手段であり、前記上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段は、該基板部材の上側からの空冷が可能なように構成した空冷手段であることを特徴とする。
さらにまた、本発明の紫外線硬化装置は、前記加熱手段の作動が前記空冷手段よりも先に開始され前記2枚の基板部材を下側から予熱することが可能なように構成したことを特徴とする。
本発明の紫外線硬化方法によれば、紫外線照射による熱と紫外線光源からの熱輻射の影響によりもたらされる2枚の基板部材の温度差を解消するための温度調整工程と、接着剤の紫外線硬化のための紫外線照射工程とが同時並行で行われるので、全体の工程数、処理に係る所要時間、エネルギー消費が増えることがなく、また温度保持手段等を別途保有する必要がなく、従来よりも紫外線硬化処理を効率的に実施することができる。
また、重ね合わせた前記2枚の基板部材のうち下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段と、上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段と、を同時に作動させながら紫外線照射を行なうので、紫外線照射時に下側に配置した前記基板部材の下面温度と上側に配置した前記基板部材の上面温度の差を従来よりも相当に小さい状態を作り出しながら紫外線硬化処理を行なうことができる。
そして、紫外線照射時に、前記2枚の基板部材の下側からの加熱操作と該2枚の基板部材の上側からの空冷操作とを同時に行なうので、該2枚の基板部材の紫外線照射方向の温度差を従来よりも縮小させる効果がある。
さらにまた、前記加熱操作を前記空冷操作よりも所定時間だけ先に開始し前記2枚の基板部材を下側から予熱することによって、その両者の前記温度差をより一層小さくすることができる。
以下、実験結果や実施例をもとに本発明を詳細に説明する。
各種ディスプレイパネルや情報媒体ディスク等に用いられる2枚の透光性基板部材を貼り合わせて製造する場合を例に取って説明する。
2枚の基板部材の貼り合わせは次のように行なう。すなわち、まず、内部に加熱手段を具備し載置した物を下側から加熱することが可能なステージ上に紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせた2枚の基板部材を載置し、この基板部材の上面に向けて、紫外線照射が可能な紫外線光源と、空気を吹き付けることが可能な空冷手段を、それぞれ配置し、また紫外線光源からの熱的影響を極力抑制するためその基板部材と紫外線光源の間に可視光及び近赤外線を遮断する熱線カットフィルターを配置する。
そうして、そのステージ上に基板部材を載置したままの状態で、紫外線照射の操作と同時に上記加熱手段と上記空冷手段の作動を開始する。紫外線照射は、使用した紫外線硬化性接着剤の硬化が完了するに要する時間継続する。その間、該加熱手段による加熱は所定の昇温速度で継続する。該空冷手段による空冷は少なくとも紫外線照射の間は継続する。2枚の基板部材の上下の温度差をより効果的に縮小するには、該加熱手段による加熱操作を、該空冷手段による空冷操作及び紫外線照射よりも所定時間だけ先に開始し上記2枚の基板部材を下側から予熱するのが好ましい。
紫外線光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、発光ダイオード、レーザー等のいずれかを単独で、もしくはそれらを組み合わせて用いることができる。紫外線照度は、50〜200mW/cm程度の条件で使用されるが、これらに限定される訳ではない。
加熱手段としては、ハロゲンランプ等の熱輻射源、ペルチェ素子、電熱ヒーター、セラミックヒーター等のいずれかを単独で、もしくはそれらを組み合わせて用いることができる。昇温速度は、紫外線硬化性接着剤の熱変性を避けるため、30℃/分ないしそれ以下とするのが好ましい。加熱手段は、ステージ上面の温度が予め設定した温度に到達したら停止しその到達温度を維持するように制御できるものが好ましい。
前記ステージ上面を加熱する加熱手段(または該ステージの上面温度を制御する温度制御手段)は、照射する紫外線の光量をモニターし、その光量に応じて温度制御を行なう機構を含んでいてもよい。
空冷手段としては、ブロワー等、既存の空冷装置を用いることができる。ブロワー等で空気を吹き付ける場合、基板面に対して30〜50°の角度で吹き付け、風速は、0.2〜1.0m/sec程度が好ましい。
熱線カットフィルターは、ガラス基板上に多層光干渉膜等を形成したもの等、既存のものを用いることができる。
次に、紫外線硬化処理において上下に重ねた2枚のガラス基板の温度差を確認するための実験結果を説明する。その実験では、接着剤の代わりにスペーサを用いて両ガラス基板の間に所定間隔を保持して配置し、種々の条件下での上側ガラス基板下面と下側ガラス基板上面の温度をそれぞれ、熱電対を用いて測定した。
図2及び図3はそれぞれ、上記実験に用いた装置の模式的断面図及び模式的側面図を示す。実験に使用する試料基板20は、上側ガラス基板21及び下側ガラス基板22は、寸法200mm(P)×100mm(Q)×厚さ1.1mmの液晶用ベアガラスを使用し、まず上側ガラス基板21の下面中央と下側ガラス基板22の上面中央にそれぞれ熱電対23、23の先端をポリイミドテープで貼り付けて固定し、次に両基板21及び22の間に厚さ1.2mmのガラス製スペーサ24を両基板21及び22の外周に沿って数個、適宜配置し、その外周全体をポリイミドテープで固定することによって両基板21及び22を貼り合わせて作製し、内部に電熱ヒーターを備え上面のステージ寸法が250mm(R)×250mm(S)の加熱治具16の上に隙間が生じないようポリイミドテープで密着させて配置した。ここで、加熱治具16は、0.5℃/秒(=10℃/20秒)の速度でそのステージ上面の温度を上昇させ、その後設定温度に到達したらその温度を維持するように制御が可能なものを使用した。
実験装置は紫外線照射部13と加熱治具16とから構成される。このうち紫外線照射部13は、全長350mm、有効発光長250mm、出力3kW(負荷120W/cm)の空冷型紫外線ランプ11を1灯、コールドミラー集光タイプの反射鏡12を備えるものを使用し、紫外線照射部13の直下の距離d(=30mm)の位置に480mm×100mm×厚さ3mmの熱線カットフィルタ14を取り付けて構成した。紫外線ランプ11の中心軸と上側ガラス基板21との距離dは、紫外線ランプ11の定格点灯時に同ランプ直下で紫外線照度が100mW/cmとなるような距離とし、この場合は約310mmであった。紫外線照射部13と加熱治具16との位置関係は、加熱治具16の上に載置した試料基板20が紫外線ランプ11の中心直下に配置されるようにした。上側ガラス基板21の上面を空冷するブロワー15は、ガラス基板21の面に対して約30度の角度で取り付け、風速は0.2〜1.0m/secとした。空気の気流温度は18℃であった。
温度測定に際しては、試料基板20に紫外線ランプ11からの光が当たらないよう遮光した状態で同ランプ11を定格点灯させ、同ランプ11の照度特性が安定したことを確認した後、その遮光を解除し、その時点をもって紫外線照射開始とした。実験室温は30℃であった。加熱治具16による加熱は設定温度40〜100℃の範囲で行なった。
図4の各グラフは、加熱治具16による加熱の設定温度が80℃の場合の各種加熱条件下での各部位の温度変化を示したものである。情報媒体ディスク貼り合わせに一般的に使用される紫外線硬化性接着剤の硬化には3000〜6000mJ/cmの紫外線エネルギーが必要とされており、また本実験では100mW/cmの紫外線照度のランプを使用しているので、温度変化を紫外線照射開始から約70秒の時点まで追跡した。図4のグラフで「プレ加熱」とは、紫外線照射よりも所定時間(10秒間)だけ先に設定温度で加熱治具16により加熱操作を開始しガラス基板21及び22を予熱することである。「上ガラス」、「下ガラス」はそれぞれ上側ガラス基板21の下面、下側ガラス基板22の上面の温度を表わす(この両者の温度差を以降、「上下基板間の温度差」と称する。)。「ベース温度」は加熱治具16のステージ上面の温度を表わす。
図4に示されているように、「加熱80℃・送風無し」という従来の手法では、30秒後の上下基板間の温度差が7.1度であった。これに対して、紫外線照射と同時に送風空冷を行なった場合(加熱80℃+送風空冷18℃)でも、紫外線照射の10秒前から80℃加熱を行なった場合(10秒プレ加熱(80℃)後紫外線照射)でも、30秒後の温度差がそれぞれ3.6度、4.0度と、まだ幾分差が生じていた。しかし、紫外線照射と同時に送風空冷を行ない、かつ紫外線照射の10秒前から加熱を開始すると(10秒プレ加熱(80℃)+送風空冷18℃)、上下基板間の温度差は30秒後に0.2度、60秒後でも1.4度と、相当に小さくすることができた。表1に各加熱条件下での上下基板間の温度差を示す。
Figure 2007191543
次に、上下基板間の温度差の、加熱時の設定温度依存性についての実験結果を示す。10秒プレ加熱と、紫外線照射と同時の送風空冷とを行なう条件下で、設定温度を40℃、60℃、80℃、100℃の4通りとした時の温度変化を図5に示す。また表2に、各設定温度での上下基板間の温度差を示す。図5、表2に示されているように、設定温度60〜100℃の場合は、紫外線照射30秒後における上下基板間の温度差は0.2〜0.3度と、ほとんど差がない状態にすることができた。設定温度40℃では6.3度と、大きな差が生じていた。なお、設定温度60℃の時は、上下基板間の温度差が紫外線照射40秒経過後から再び開き始め、60秒後には4.9度に達した。
Figure 2007191543
以上のことから、紫外線照射時には所定温度で下側ガラス基板の下側から加熱を行なうと共に、その加熱は紫外線照射10秒前から開始し、かつ上側ガラス基板上面の送風空冷を一定の風速で同時に行なうという本実験の条件下においては、その加熱の設定温度は70〜90℃が適しており、中でも80℃近辺が最適である。設定温度60℃ないしその近辺の温度(約50〜70℃)は、紫外線照射30秒以内で十分硬化する紫外線硬化性接着剤の場合に使用できる。設定温度100℃ないしその近辺の温度(約90〜110℃)は、その温度に耐えられる紫外線硬化性接着剤の場合に使用できる。設定温度40℃近辺ないしそれ以下の温度、あるいは100℃を大幅に上回る温度は適していない。紫外線照射時間は、紫外線硬化性接着剤の硬化特性に応じて、約20〜60秒の間で適宜選択すればよい。なお、本実験においても、上側ガラス基板上面の送風空冷の風速を、加熱設定温度が低くなるにつれて上記速度よりも速くするように設定温度に応じて適宜変化させれば、上下基板間の温度差を上記実験結果よりも小さくすることができ、例えば設定温度40℃の時でもその温度差を1度以下にすることができる。
本発明の紫外線硬化方法によれば、前述の効果に加えて、次のような効果がある。すなわち、紫外線硬化性接着剤は、紫外線照射が行われる際に温度上昇の時間変化が同じ2枚の基板部材に挟まれる形になり、紫外線硬化反応開始時には紫外線照射方向で温度差のない状態に置かれるので、同接着剤内部で均一に紫外線硬化反応を起こすことができるとともに、急激な加熱が防止できるので、正常な硬化反応を阻害する副次的反応を回避することができる。従って、接着剤が硬化して生成する樹脂の物性が均一になり、基板部材との結合強度が向上し、基板部材を従来よりも一層強固な接着度で貼り合わせることができる。また、基板部材すなわち接着剤を必要以上に加熱することがなく、エネルギー消費の点でも無駄が少ないという効果がある。
本発明による紫外線硬化方法と紫外線硬化装置の一例を説明する。
図1は、本発明による紫外線硬化装置の一例の概略断面図である。上側ガラス基板1と下側ガラス基板2が紫外線硬化性接着剤3を介して上下に重ね合わせられ、加熱治具16上に載置されている。ガラス基板1の直上には、熱線カットフィルター14と、紫外線ランプ11を光源とするコールドミラー集光タイプの反射鏡12とを備えた紫外線照射部13とがその順序で互いに所定間隔を隔てて配置されている。また、ガラス基板1の斜め上方には、ガラス基板1の上面に空気を吹き付けて空冷可能なように配置したブロワー15が設置されている。加熱治具4の内部には加熱治具4の上面を加熱可能なように配置した電熱ヒーター(図示せず)が備えられ、この電熱ヒーターは、所定速度で40〜100℃の所定温度まで加熱しその後その温度を維持するように機能する温度コントローラ(図示せず)に接続している。紫外線照射部13、熱線カットフィルター14、ブロワー15、加熱治具16及びこれらの付帯設備により紫外線硬化装置10が構成される。
ガラス基板1及び2は、例えば200mm×100mm×厚さ1.1mmの大きさである。紫外線ランプ11は、例えば発光長250mm、全長350mm、ランプ出力3kW(負荷120W/cm)の空冷型メタルハライドランプである。上側ガラス基板1の上面までの照射距離は例えば約310mmで、その場合、上側ガラス基板1の上面の紫外線照度は約100mW/cmである。ブロワー15の取付角度はガラス基板1面に対して約30度で、風速は例えば0.4m/secである。熱線カットフィルター14は、480mm×100mm×厚さ3mmのガラス板の例えば片面に多層光干渉膜を形成したものである。
紫外線硬化処理は次の手順で行なわれる。まず、前工程で紫外線硬化性接着剤3を介して上下に重ね合わせられたガラス基板1及び2は、適当な搬送手段で前工程から搬入され、紫外線照射部13の直下に到達するとそこで停止して加熱治具16上に載置される。まず、加熱治具16上面の加熱温度を80℃に設定し、加熱が開始される。次いで、その10秒経過後に紫外線照射部13による紫外線照射とブロワー15による空冷が同時に開始される。50秒(紫外線照射開始から40秒)経過後に紫外線照射と電熱ヒータへの通電が停止され、十分空冷された後、このガラス基板が次工程へ送出される。紫外線照射と電熱ヒータへの通電が停止された時点(50秒経過時点)では、前記実験結果から、ガラス基板1及び2に挟まれた紫外線硬化性接着剤3中における上下の温度差は0度に近い状態になっていると推定される。
以上の説明では、上側ガラス基板の上面、下側ガラス基板の下面の温度制御は、時間軸に対するそれら各部位の温度変化の形態が比較的単調に温度上昇するものであったが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば階段状に温度上昇するもの、一時的な温度低下を含むもの等、複雑な形態で温度変化するものであってもよい。またこれらの温度制御は、ガラス基板と紫外線照射部との間に配置する熱線カットフィルターにおいてその枚数や分光透過特性の制御等を含んでいてもよい。
本発明は、各種ディスプレイパネルや情報媒体ディスクの製造方法の1工程であって、それらの基板部材を紫外線硬化性接着剤を用いて紫外線硬化させて貼り合わせる工程等に用いることができる。
本発明による紫外線硬化装置の一例の概略断面図である。 上下基板間の温度差の測定に用いた実験装置の模式的断面図である。 上下基板間の温度差の測定に用いた実験装置の模式的側面図である。 加熱設定温度80℃の場合の各種加熱条件下での各部位の温度変化を示すグラフである。 本発明で推奨される加熱条件下で加熱設定温度を40℃、60℃、80℃、100℃とした場合の各部位の温度変化を示すグラフである。
符号の説明
1…上側ガラス基板
2…下側ガラス基板
3…紫外線硬化性接着剤
10…紫外線硬化装置
11…紫外線ランプ
12…反射鏡
13…紫外線照射部
14…熱線カットフィルター
15…ブロワー
16…加熱治具
20…試料基板
21…上側ガラス基板
22…下側ガラス基板
23…熱電対
24…スペーサ

Claims (6)

  1. 2枚の基板部材を紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせて配置しその上方から紫外線を照射して前記2枚の基板部材を貼り合わせる紫外線硬化方法であって、紫外線照射の操作は、紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせた前記2枚の基板部材のうち下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段と、上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段と、を同時に作動させながら行なうことを特徴とする紫外線硬化方法。
  2. 前記下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段は、紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせた前記2枚の基板部材の下側から加熱する加熱手段であり、前記上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段は、該基板部材の上側から空冷する空冷手段であることを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化方法。
  3. 前記加熱手段の作動を前記空冷手段よりも先に開始させ前記2枚の基板部材を下側から予熱することを特徴とする請求項2記載の紫外線硬化方法。
  4. 2枚の基板部材を紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせて配置しその上方から紫外線を照射して前記2枚の基板部材を貼り合わせるための紫外線硬化装置であって、紫外線硬化性接着剤を介して上下に重ね合わせた前記2枚の基板部材を載置するステージと、該ステージに載置した前記2枚の基板部材の上方に配置される紫外線照射手段と、前記2枚の基板部材のうち下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段と、上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段と、を具備し、前記紫外線照射手段と、前記下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段と、前記上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段とが同時に作動可能に構成したことを特徴とする紫外線硬化装置。
  5. 前記下側に配置した前記基板部材の下面温度を制御する温度制御手段は、上下に重ね合わせた前記2枚の基板部材の下側からの加熱が可能なように構成した加熱手段であり、前記上側に配置した前記基板部材の上面温度を制御する温度制御手段は、該基板部材の上側からの空冷が可能なように構成した空冷手段であることを特徴とする請求項4記載の紫外線硬化装置。
  6. 前記加熱手段の作動が前記空冷手段よりも先に開始され前記2枚の基板部材を下側から予熱することが可能なように構成したことを特徴とする請求項5記載の紫外線硬化装置。

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