JP2007191118A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーシング内の凝縮水を車体側の排水孔まで良好に流す。
【解決手段】送風ユニット1からの送風空気が冷房用熱交換機20の下側に流入し、その送風空気が冷房用熱交換機20の熱交換部23を通り上側に流れる。このとき、熱交換部23では、送風空気を冷却する。このとき、熱交換部23では凝縮水が発生する。この凝縮水は熱交換部23側から下側タンク24側に流れ、この凝縮水が下ケーシング10aの水溜部12aに落下する。凝縮水が水溜部12aの排水孔11からドレインカバー40に流れ込み、凝縮水がドレインカバー40によって車体側の排水孔まで案内される。ドレインカバー40の中空部42は、ケーシング10側から車体側排水孔側に向けて狭くなっているので、ドレインカバー40内を凝縮水が流れる際に異音が生じることはない。
【選択図】図3

Description

本発明は、空調ケーシング内に冷房用熱交換器を収納してなる車両用空調装置に関する。
従来、この種の空調装置では、空調ケーシング内に冷房用熱交換器が水平方向に対して斜めに配置されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1には凝縮水の排水構造について詳細に記載されていないが、一般的に次のような構造になっている。
冷房用熱交換器は、下側から上側に流れる空気を冷却する熱交換部と、この熱交換部より下側に配置された下側タンクを備えている。この下側タンク側には、熱交換部で発生した凝縮水が流れ落ちる。これに伴い、凝縮水は、下側タンクの表面を経て空調ケーシングの底面に流れ落ち、この凝縮水は、空調ケーシングの底面の排出孔から車体側排水孔に排出される。
ここで、冷房用熱交換器の下側タンクの下側に空調ケーシングの排出孔が位置し、かつ空調ケーシングの排出孔の下側に車体側排水孔が位置するので、凝縮水は、空調ケーシングの排出孔を通り、良好に、車体側の排水孔に流れるようになっている。
特開平9−123748号公報
上述の車両用空調装置では、上述の如く、冷房用熱交換器の下側タンクの下側に車体側の排水孔が配置されていると、凝縮水が、空調ケーシングの排出孔を通り、車体側の排水孔に流れるが、車体によっては、車体側の排水孔が冷房用熱交換器の熱交換部の下側に配置されているものがある。
この場合、空調ケーシングの排出孔および車体側の排水孔の間においてホースを曲げた状態で連結することが考えられるが、ホース内の流路が細く、かつ曲がっていると、凝縮水がホース内を流れる際に異音が生じることが考えられる。
本発明は、上記点に鑑み、車体側の排水孔の位置に関わらず、車体側の排水孔に凝縮水を良好に流すことを可能にした車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、空気を車室内に向けて流す空調ケーシング(10)と、空調ケーシング内に配置され、空気を冷却する冷房用熱交換器(20)と、を備え、空調ケーシングは、冷房用熱交換器から流出した凝縮水を排出する排出孔(11)を備え、空調ケーシングの排出孔からの凝縮水を車体側の排水孔に導くように形成される中空部(42)と、中空部内から車体側排水孔に凝縮水を排出する排出孔(41)とを有するドレイン排水部(40)を備え、
ドレイン排水部の中空部は、空調ケーシング側から車体側の排水孔側に向けて狭くなるように形成されていることを特徴とする。
したがって、ドレイン排水部の中空部は、空調ケーシング側から車体側の排水孔側に向けて狭くなるように形成されているので、凝縮水がドレイン排水部の中空部を流れる際に異音が生じることはない。このため、車体側の排水孔の位置に関わらず、車体側の排水孔に凝縮水を良好に流すことができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
図1〜図3に本発明の一実施形態の車両用空調装置を示す。図1は、車両用空調装置の室内空調ユニットを車両後方から視た図、図2は室内空調ユニットを車幅方向の右側から視た図、図3は図1中のA−A断面図である。図中の上矢印は天地方向の上方、下矢印は天地方向の下方、右矢印は車幅方向の右方、左矢印は車幅方向の左方、前矢印は車両前方(すなわち、走行方向)、後矢印は車両後方向を示している。
本実施形態の室内空調ユニットは、車室内のインストルメントパネルの車両前方(すなわち、進行方向)に配置されているものであって、図1に示すように、空気流を発生する送風ユニット1と、送風ユニット1からの送風される空気温度を調節する熱交換ユニット2とを備えている。
熱交換ユニット2は、図2に示すように、ケーシング10、冷房用熱交換機20、ヒータユニット25、およびドレインカバー40を備えている。ケーシング10は、樹脂材料からなり、下ケーシング10aに上ケーシング10bを組み合わせて構成され、車室内に向けて空気を流すように形成されている。
ここで、図3に示すように、下ケーシング10aの底壁12は、車両後側よりも車両前側の方が下側になるように傾斜して配置されている。下ケーシング10aの底壁12のうち前側部分には、冷房用熱交換機20で発生した凝縮水を溜める水溜部12aが形成されており、水溜部12aの壁面には、凝縮水を排出する排水孔11が設けられている。
冷房用熱交換機20は、図2に示すように、ケーシング10のうち下側に配置されており、冷房用熱交換機20は、その車両後側よりも車両前側の方が下側になるように傾斜して配置されている。
ここで、冷房用熱交換機20は、図3に示すように、上側タンク22、熱交換部23、および下側タンク24から構成されている。熱交換部23は、上側タンク22および下側タンク24の間に配置されており、熱交換部23は、上側タンク22から冷媒が流入する各プレートチューブおよび熱交換フィンから構成され、冷媒によって空気を冷却する。
上側タンク22は、熱交換部23に対して車両後側(すなわち、斜め上側)に配置され、熱交換部23の各プレートチューブのそれぞれに冷媒を分流する。下側タンク24は、下ケーシング10aの水溜部12aの上側に配置されており、下側タンク24には、熱交換部23の各プレートチューブから流出した冷媒が集められるようになっている。
ここで、下ケーシング10aのうち冷房用熱交換機20よりも下側の空間には、底壁12から上側に延出する仕切壁14が設けられており、仕切壁14は、突起部125と組み合わさって、熱交換部23側から下側タンク24側に空気が流入するのを妨げる。突起部125は、弾性変形可能なゴム等の樹脂材料からなるもので、仕切壁14に填め込まれて、上側に延出するように形成されている。
ヒータユニット25は、図2に示すように、空調ケーシング10内において冷房用熱交換機20の上側に配置されており、ヒータユニット25は、走行用エンジンとの間でヒータパイプ30を通して循環する熱媒体に基づき、冷房用熱交換器20により冷却された空気を加熱する。
また、空調ケーシング10のうち、ヒータユニット25の側方には、冷房用熱交換機20からの冷風を、ヒータユニット25をバイパスして流すバイパス通路が設けられている。ヒータユニット25の空気上流側には、回転可能に支持されるエアミックスドアが設けられ、エアミックスドアの回転角度によってヒータユニット25に流入する空気量とバイパス通路に流入する空気量との比率を調整することにより、吹出口から車室内に吹き出される空気温度を調整されるようになっている。
また、ドレインカバー40は、下ケーシング10aの下側において、下ケーシング10aの垂壁13a、13bに組み合わさるように配置されている。ドレインカバー40は、樹脂材料により一体形成されたものであって、図3に示すように、漏斗(すなわち、朝顔の花)のように形成されている。
具体的には、ケーシング10の排出孔11からの凝縮水を車体側排水孔に導くように形成される中空部42と、中空部42の下側に形成され、かつ中空部42内から車体側排水孔に凝縮水を排出する排出孔41とを有する。ここで、中空部42は、ケーシング10側から車体側排水孔側に向けて狭くなるように形成されている。
また、ドレインカバー40は、図2に示すように、ヒータパイプ30を支持する支持部41を備えている。ここで、支持部41の具体的構造について、説明する。図4に支持部41の拡大図、図5に図4中のB矢視図、図6に図5中C−C断面図を示す。
支持部41は、板状に形成され、図4に示すように、車体側の座面60との間にシール部材50を挟んでいる。シール部材50は、スポンジ等の材料からなり、車体側の排水孔および排水孔41の間を密閉する。
支持部41には、図5に示すように、二つの貫通孔45と、貫通孔45の内側に向けてそれぞれ突起するように形成される各爪部47とが設けられている。
各ヒータパイプ30が支持部41の各貫通孔45にそれぞれ貫通した状態では、図6(図では、一本のヒータパイプ30だけを示す)に示すように、各爪部47がヒータパイプ30の貫通方向に弾性変形してヒータパイプ30をそれぞれ支持するようになっている。
次に、本実施形態の作動について説明する。
送風ユニット1からの送風空気が冷房用熱交換機20の下側に流入し、図3中矢印Yの如く、その送風空気が冷房用熱交換機20の熱交換部23を通り上側に流れる。このとき、熱交換部23では、冷媒が蒸発して送風空気を冷却する。これに伴い、熱交換部23では凝縮水が発生する。この凝縮水は熱交換部23側から下側タンク24側に流れる。
ここで、仕切壁14が設けられていなく、かつ下ケーシング10aの排水孔11および車体側の排水孔が熱交換部23の下側に配置されている場合には、下ケーシング10aのうち冷房用熱交換機20よりも下側の空間においては、送風ユニット1からの空気流が、冷房用熱交換機20に向けて上側に流れる空気流と、下ケーシング10aの排水孔11側に流れる空気流とに分流する。
このとき、下側タンク24においては二つの空気流によって凝縮水を熱交換部23および下側タンク24に保持する力が働くため、熱交換部23および下側タンク24の表面に凝縮水が滞留する。このため、送風ユニット1のオン、オフ時などに、滞留した凝縮水が水滴となって飛散する場合がある。
一方、本実施形態では、下ケーシング10aのうち冷房用熱交換機20よりも下側の空間においては、仕切壁14によって熱交換部23側から下側タンク24側に空気が流入するのを妨げられている。このため、送風ユニット1からの送風空気が下ケーシング10aの排水孔11に流れることはない。
したがって、熱交換部23で発生した凝縮水が、熱交換部23および下側タンク24の表面に凝縮水が滞留することはなく、下側タンク24側に流れ、凝縮水が下側タンク24(これは、特許請求の範囲に記載の排出部に相当する)の表面を経て、下ケーシング10aの水溜部12aに落下する。これに伴い、凝縮水が水溜部12aの排水孔11からドレインカバー40に流れ込み、この凝縮水がドレインカバー40によって図3中の矢印Gの如く、車体側の排水孔まで案内される。
ここで、ドレインカバー40の中空部42は、ケーシング10側から車体側排水孔側に向けて狭くなるように形成されている。このため、ドレインカバー40の中空部42内を凝縮水が流れる際に異音が生じることはない。したがって、凝縮水がドレインカバー40によって車体側の排水孔まで良好に流すことができる。
本実施形態では、ドレインカバー40および車体側座面60との間にシール部材50を配置して、車体側の排水孔および排水孔41の間を密閉しているので、凝縮水が車体側の排水孔および排水孔41の間から漏れることはない。
本実施形態では、ドレインカバー40の支持部41において、各爪部47が弾性変形してヒータパイプ30をそれぞれ支持するようになっているので、振動等によりヒータパイプ30がその貫通方向に対する水平方向に揺れることがあっても、ヒータパイプ30およびヒータユニット25の間の接合部に悪影響を与えることはない。
本発明に係る車両用空調装置の室内空調ユニットを車両後方から観た示す外観図である。 上述の実施形態に係る室内空調ユニットを車両右方から観た示す外観図である。 図1中のA−A断面図である。 図2中のドレインカバーの支持部の拡大図である。 図4中B矢視図である。 図5中のC−C断面図である。
符号の説明
1…送風ユニット、10…ケーシング、10a…下ケーシング、
10b…上ケーシング、12…底壁、11…下ケーシングの排水孔、
12a…水溜部、20…冷房用熱交換機、22…上側タンク、
23…熱交換部、24…下側タンク、25…ヒータユニット、
30…ヒータパイプ、40…ドレインカバー、41…支持部、
47…爪部、47…貫通孔。

Claims (6)

  1. 空気を車室内に向けて流す空調ケーシング(10)と、
    前記空調ケーシング内に配置され、前記空気を冷却する冷房用熱交換器(20)と、を備え、
    前記空調ケーシングは、前記冷房用熱交換器から流出した凝縮水を排出する排出孔(11)を備え、
    前記空調ケーシングの排出孔からの凝縮水を車体側の排水孔に導くように形成される中空部(42)と、前記中空部内から前記車体側排水孔に凝縮水を排出する排出孔(41)とを有するドレイン排水部(40)を備え、
    前記ドレイン排水部の中空部は、前記空調ケーシング側から前記車体側の排水孔側に向けて狭くなるように形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記冷房用熱交換器は、水平方向に対して斜めに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記冷房用熱交換器は、前記空気を冷却する熱交換部(23)と、この熱交換部の下側に配置される排水部(24)とを備えており、
    前記熱交換部で発生した凝縮水が前記排水部を経て前記空調ケーシングの底壁(12)に流れ落ちるようになっており、
    前記空調ケーシングのうち前記冷房用熱交換器よりも下側の空間において、前記熱交換部側から前記排出部側に前記空気が流れることを妨げるように形成される仕切部(14、25)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記ドレイン排水部および前記車体の間に配置され、かつ前記ドレイン排水部の排水孔および前記車体側の排水孔の間を密閉するシール部材(50)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記空調ケーシング内に配置され、走行用エンジンとの間でヒータパイプ(30)を通して循環する熱媒体に基づき、前記冷房用熱交換器により冷却された空気を加熱するヒータユニット(25)を備えており、
    前記ドレイン排水部は、前記ヒータパイプを支持するようになっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記ドレイン排水部は、前記ヒータパイプが貫通する貫通孔(45)と、前記貫通孔の内側に向けてそれぞれ突起するように形成される各突起部(47)と、を備え、
    前記ヒータパイプが前記貫通孔内に貫通した状態では前記各突起部が弾性変形して前記ヒータパイプを支持するようになっていることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
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