JP2007186765A - 粉末の供給方法 - Google Patents

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Kenichi Takahashi
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Abstract

【課題】めっき線材の製造において、めっき量の調整を行う粉末の補給し忘れによる不具合を低減することができる粉末の供給方法及び供給装置を提供する。
【解決手段】供給装置1は、溶融金属槽Tに線材Wを導入して溶湯Mに浸漬させ、溶融金属が付着した線材Wを湯面Fから上方に引き出してめっき線材を製造するにあたり、湯面Fにおける線材引き出し箇所に粉末Pを供給するための装置である。この装置1は、粉末Pを保管するホッパ10と、ホッパ10から排出された粉末Pを受け取って保持する受取箱20と、箱20に配された粉末Pに振動を与える振動付与装置30とを具える。ホッパ10の開口部11を開閉する扉部12を自動的に開いて粉末Pを箱20に排出し、粉末Pに振動を与えることで粉末Pを線材引き上げ箇所に自動的に移動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融法によりめっき線材を製造するにあたり、線材表面に過度に付着した溶融金属を除去するために用いられる粉末を溶湯における線材引き上げ箇所に供給する粉末の供給方法、及び粉末の供給装置に関するものである。
鋼線などの線材表面に亜鉛などの金属をめっきする方法として、溶融法が知られている。溶融法では、図5に示すように溶融金属槽Tに線材Wを導入して溶湯Mに浸漬し、槽T内に配されたロールRを介して線材Wを湯面Fから上方に引き上げ、表面に溶融金属が付着した線材Wを冷却することでめっき線材を製造する。溶湯Mに浸漬させた線材を引き上げると、引き上げ箇所付近の溶湯は、その表面張力により線材と共に引き上げられて線材の表面に付着する。その際に線材に余剰に付着した溶融金属を除去する必要がある。そこで、余剰の溶融金属を除去するために、図5に示すように湯面Fにおける線材の引き上げ箇所に木炭粉末Pを山状に配することが行われている(例えば、特許文献1参照)。溶融金属が付着した線材Wがこの粉末Pの山を通過する際、線材Wの表面における余剰の溶融金属は、粉末Pに接することで拭い落とされ、平滑なめっき表面を有する線材Wが得られる。特許文献1には、湯面における線材引き上げ箇所に木炭粉末を充填した円筒部材を配置し、この円筒部材内に線材を通過させる構成が開示されている。また、粉末Pを湯面Fに配することで、湯面Fでの酸化を防止したり、湯面Fにおける線材の引き上げ箇所近傍に形成された金属酸化膜が線材と共に引き上げられることを防止している。
特開2002−60919号公報
木炭粉末は、高温(例えば、亜鉛ならば450℃程度)の溶融金属に接すると次第に灰になる。灰となると、上記除去作用や酸化防止作用が低減する。そのため、適当な時間ごとに木炭粉末を補給する必要があるが、この補給作業を作業者が行う場合、作業者が補給を忘れることがある。木炭粉末の補給を怠ると、めっき線材が平滑な表面とならないといった表面特性の劣化や、酸化膜の引き上げといった不具合が生じる。
作業者の補給忘れ対策として、例えば、一度に大量の木炭粉末を配することが考えられる。しかし、大量の木炭粉末を配すると、粉末の山が高くなるため、線材が粉末に接する長さが長くなる。従って、この対策では、溶融金属を除去し過ぎて適切なめっき量にならない恐れがある。
或いは、作業者の補給忘れ対策として、例えば、自動的に木炭粉末を補給する装置を用いることが考えられる。特許文献1には、自動送込装置により、円筒部材の上方開口部に新しい木炭粉末が送り込まれることが開示されている。しかし、この装置の具体的な構成については何ら開示されていない。また、木炭粉末には、線材に対する滑り性と、溶融金属の除去を行うための荷重とを考慮して、一般に油剤を混合させている。この油剤を混合させた木炭粉末は、長時間動かさない状態で置かれていると固まりができ易く、粉末状態を維持できない恐れがある。木炭粉末が固まってしまうと、線材と十分に接触し難く、表面特性の劣化を招く恐れがある。そのため、木炭粉末をできるだけ固まりがない粉末状態にして、線材と粉末とが十分に接触できるように線材引き上げ箇所に粉末を供給することが望まれる。更に、特許文献1に開示されるように自動送込装置を円筒部材の上方開口部近傍に配しておく場合、自動送込装置は、常時、高温の溶融金属上に配される、つまり、高温環境に曝されることになる。このように自動送込装置が常時高温環境に曝されることで、装置自体が熱による損傷を受ける恐れがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その主目的は、作業者の補給忘れによる表面不良の発生をなくし、表面特性に優れるめっき線材の製造に寄与することができる粉末の供給方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記供給方法に適した粉末の供給装置を提供することにある。
本発明粉末の供給方法は、溶融金属槽に線材を浸漬した後に引き上げてめっき線材を製造する際に溶融金属槽から引き上げられた線材表面に付着する余剰の溶融金属を除去するための粉末を溶湯における線材引き上げ箇所に供給するものである。この供給方法では、上記溶融金属槽から離れたところに貯められた粉末に自動的に振動を与えることで線材引き上げ箇所側に粉末を移動させ、粉末を線材引き上げ箇所に供給することを特徴とする。
本発明供給方法は、粉末に振動を与えることで、保管中に粉末が固まっていても粉砕して粉末状態に戻すことができるだけでなく、線材引き上げ箇所側に自動的に移動させることができる。また、本発明供給方法は、この振動を自動的に付与する構成であるため、作業者が補給作業を随時行わなくても、線材引き上げ箇所に粉末を自動的に供給することができる。従って、本発明供給方法をめっき線材の製造の際に利用すれば、溶融金属槽から引き上げられた線材は、十分に粉末と接触することができるため、表面特性に優れるめっき線材を製造することができる。
上記本発明供給方法は、以下の構成を具える本発明供給装置に適用することができる。具体的には、本発明供給装置は、溶融金属槽に線材を浸漬した後に引き上げてめっき線材を製造する際に溶融金属槽から引き上げられた線材表面に付着する余剰の溶融金属を除去するための粉末を溶湯における線材引き上げ箇所に供給する粉末の供給装置であって、以下の各手段を具えることを特徴とする。
I.溶融金属槽から離れたところに配置され、粉末を貯める保管容器
II.上記保管容器から排出された粉末を受け取って保持する受取部材
III.上記受取部材に保持された粉末に振動を与えて線材引き上げ箇所に排出させる振動付与手段
IV.上記保管容器から受取部材に粉末を自動的に排出するように保管容器を制御する排出制御手段
V.上記受取部材が受け取った粉末に振動付与手段が振動を与えるように振動付与手段を制御する駆動制御手段
本発明供給装置は、高温状態にある溶融金属槽から離れたところに保管容器を配置させておくことで、保管容器が熱によって損傷することを抑制する。また、この供給装置は、保管容器から受取部材に排出された粉末に対して、振動付与手段によって振動を与えることで、粉末が固まった状態となっても、その固まりを粉砕して粉末状態とすることができるだけでなく、振動によって粉末を線材引き上げ箇所に自動的に移動させることができる。そして、この供給装置は、粉末の排出や振動の付与を自動的に行う構成としており、粉末の補給作業を忘れることなく、線材引き上げ箇所に粉末を自動的に、かつ確実に供給でき、表面特性に優れるめっき線材の製造に貢献することができる。以下、本発明をより詳しく説明する。
溶融法よりめっき線材を製造する場合、溶融金属(溶湯)の表面(湯面)における線材引き上げ箇所に粉末を配し、溶湯から引き上げた線材をこの粉末に接触させることで、めっき量(めっき厚さ)を調整したり、めっき表面を平滑にしたり、湯面に形成された酸化膜が引き上げられることを防止したりすることが行われている。本発明供給方法及び本発明供給装置は、上記粉末を湯面における線材引き上げ箇所に供給する際に利用される。めっき用金属としては、例えば、亜鉛、亜鉛アルミニウムなどが挙げられる。めっきが施される線材としては、例えば、鋼線、鉄線などが挙げられる。本発明において供給対象となる粉末としては、例えば、木炭粉末(チャコール)が挙げられる。溶融金属の除去が行い易いように適宜油剤を混合させた木炭粉末を用いてもよい。木炭粉末の大きさは、適宜選択するとよい。市販の木炭粉末を利用することもできる。
本発明では、作業者が頻繁に粉末を補充しなくて済むように、粉末をある程度貯めておく。そこで、本発明装置は、粉末を貯めておく保管容器を具え、この保管容器が熱による損傷を受けることを低減するために、高温環境である溶融金属槽から離れたところに保管容器を配置させる。保管容器を配置させておく「溶融金属槽から離れたところ」とは、溶融金属の熱による影響を受け易い溶融金属槽自体から水平方向に離れた位置や同槽の上方空間から水平方向に離れた位置とすることが好ましい。溶融金属槽の上方に離れた位置に保管容器を配置させた場合、熱による影響が受け難いと考えられるが、溶融金属槽から水平方向に離れた位置の方が保管容器を管理し易い。
保管容器は、粉末を貯めておくことができ、後述する受取部材に粉末を排出できる構成であればよく、例えば、粉末を貯めておく容器本体と、貯められた粉末を排出させる開口部と、この開口部を開閉する扉部とを具える容器が挙げられる。このような容器として、例えば、漏斗形状(円錐状或いは多角錐状で先細りした側に筒状部材(筒口)を具える形状)で、筒状部材の開口部を開閉する扉部を有する容器が挙げられる。具体的には、ホッパが挙げられる。この漏斗形状の容器は、先細り側が下方に位置するように配置すると、内部に貯められた粉末は、重力によって筒状部材側に自動的に移動する。そのため、この容器では、粉末を強制的に排出させるための手段(例えば、圧縮エアで粉末を外部に送り出す場合、圧縮エア発生手段)を別途設けることなく、筒状部材の開口部に配した扉部を開けることで、粉末の排出を容易に行うことができる。この粉末の排出動作を自動的に行うことができるように本発明供給装置は、排出制御手段を具える。排出制御手段は、コンピュータを利用することができる。例えば、上述した扉部を有する容器を保管容器として利用する場合、排出制御手段は、扉部の開閉動作を制御するように構成するとよい。
保管容器から後述する受取部材に一回に排出させる粉末の量は、線材引き上げ箇所に必要とされる一回分の供給量としてもよいし、複数回分の供給量としてもよい。複数回分の供給量とする場合、後述する振動付与手段の振動を調整して、所定量(一回分の供給量)の粉末のみが線材引き上げ箇所に供給されるように振動付与手段を構成するとよい。但し、この方法では、線材引き上げ箇所に過度に粉末が供給される恐れや、次回以降の供給までの間に受取部材に残留した粉末が周囲に飛散する恐れがある。従って、保管容器から一回に排出させる粉末の量は、一回の供給に必要とされる分のみとすることが好ましい。排出量は、保管容器の開口部の大きさや扉部の開閉度合いなどで変化させることができる。後者の場合、開口部を開けておく時間を予め設定しておき、排出制御手段は、設定された時間に基づき開口部の開閉を行うように構成するとよい。
或いは、保管容器に所定量の粉末のみが一時的に貯められる箇所を設け、この箇所に貯められた粉末のみが受取部材に排出されるように保管容器を構成してもよい。例えば、保管容器として、両端が開口した筒状部材が容器本体に突設されたものを用い、粉末は、この筒状部材を通過して排出される構成とする。この筒状部材には、その内側(容器本体に近い側)の開口部を開閉する内側扉と、その外側(容器本体から遠い側)の開口部を開閉する外側扉との二重構造の扉部を設ける。そして、排出制御手段は、これら両扉部の開閉動作を制御するように構成し、外側扉を閉じた状態で内側扉を開いて、外側扉の上に粉末を落として内側扉を閉じ、次に、外側扉を開けるように構成する。この構成により、内側扉の外側扉との対向面と、外側扉の内側扉との対向面と、筒状部材の内周面とで囲まれた空間に貯められた粉末のみを受取部材に排出することができる。上記空間は、筒状部材の大きさと、両扉間の距離とを調整することで大きさを変化させることができ、この空間の大きさを調整することで、排出量の調整を行うことができる。また、扉部の開閉動作により、所定量の粉末を簡単に排出させることができる。
一回の供給に必要なだけ粉末を保管容器から排出して線材引き上げ箇所に粉末の供給を行う場合、所定時間ごとに保管容器から粉末を排出して粉末の供給を行うことが望まれる。そこで、本発明装置は、所定時間ごとに自動的に保管容器から粉末を排出可能な構成であることが好ましい。例えば、本発明装置にタイマ手段を具えておき、タイマ手段にて時刻の計測を行い、所定時間が経過したら保管容器から粉末の排出を行うように排出制御手段を構成しておくことが挙げられる。
保管容器には、ある程度の量の粉末、具体的には、複数回の供給に必要とされる粉末を貯めておくことができると、長時間に亘って作業者は、保管容器に粉末を補充する必要がない。但し、長時間に亘り保管容器に粉末を貯めておくと、粉末に含有された油剤などの影響により粉末が固まってしまう恐れがある。粉末が固まると、保管容器の扉部を開いても、保管容器の開口部から粉末が排出されない恐れがある。従って、保管容器は、固まった粉末を粉砕できるような構成を具えることが好ましい。例えば、保管された粉末を撹拌することができる撹拌手段を保管容器に具えることが挙げられる。例えば、棒状部材或いは板状部材を撹拌手段とし、これらの部材を保管容器内に可動自在に配置して、保管容器内で動かすことで粉末を撹拌する構成が挙げられる。撹拌手段を回転自在に保管容器内に配し、撹拌手段が容器内で回転することで固まった粉末を粉砕してもよいし、撹拌手段を走行可能に容器内に配して、撹拌手段が容器内を走行することで固まった粉末を崩すようにしてもよい。例えば、扉部の容器本体側の面に撹拌手段を突設し、扉部の開閉動作に伴って、撹拌手段が保管容器内を走行するように構成する。この構成の場合、撹拌手段の駆動用機構を別途設ける必要がない。
或いは、保管容器は、内部に貯められた粉末に衝撃を与えて固まった粉末を崩し易くしたり、粉砕できるノック手段を具えてもよい。ノック手段は、例えば、圧縮ガスによりピストンを動かし、このピストンを対象物に衝突可能な装置が挙げられる。このようなノック手段は、例えば、保管容器の外壁に取り付けて外壁に衝撃を与え、外壁を介して容器内部の粉末に衝撃を伝えるようにするとよい。
保管容器は、上記撹拌手段及びノック手段のいずれかを一方を具えてもよいし、双方の手段を具えてもよい。後者の場合、固まった粉末をより確実に粉砕して粉末状態にすることができる。また、撹拌手段とノック手段との双方を具える場合、撹拌手段により粉末を撹拌してからノック手段により粉末に振動を与えてもよいし、その逆でもよい。撹拌手段やノック手段を本発明供給装置に具える場合、供給装置には、各手段の駆動を制御する制御手段を具えておく。上述したように撹拌手段を扉部に設けて、扉部の開閉動作により撹拌手段を動作させる場合は、撹拌手段用に制御手段を設けなくてもよい。粉末の粉砕作業は、所定時間ごとに行うように制御手段を構成してもよいし、受取部材に粉末を排出する際に行うように制御手段を構成してもよい。
本発明では、上述のように保管容器を線材引き上げ箇所から離れたところに配置させるため、線材引き上げ箇所に粉末を供給する際、保管容器から排出された粉末を保管容器側から線材引き上げ箇所側に移動させる手段が必要である。そこで、本発明装置は、受取部材を具えて、この受取部材で保管容器から排出された粉末を受け取り、受け取った粉末に後述する振動付与手段にて振動を与えることで、線材引き上げ箇所側に粉末を自動的に移動させ、線材引き上げ箇所に粉末を供給する。本発明者らは、保管容器から排出した粉末を線材引き上げ箇所に移動させる構成として、保管容器にホースなどの長尺な筒状部材を取り付け、この筒状部材の一端側を線材引き上げ箇所近傍に配置し、圧縮エアなどで粉末を強制的に一端側に送り出す構成を検討した。しかし、この構成では、筒状部材内に粉末が残留して詰まるなどの不具合が生じることがあった。そこで、本発明装置は、受取部材に排出した粉末に振動を与えることで粉末自身が自動的に線材引き上げ箇所側に移動する構成とする。
受取部材は、保管容器から排出された粉末を受け取って保持し、後述する振動付与手段による振動を粉末に伝達して、振動が与えられた粉末が線材引き上げ箇所側に移動できるものであればよい。例えば、受取部材は、板状部材でもよいが、この場合、振動により周囲に粉末が飛散する恐れがある。従って、受取部材としては、振動によって周囲に粉末が飛散しにくいような形状、例えば、底部と側面とを有する形状、具体的には、樋状や、振動が伝達され易いように水平な底部を有する箱状が好ましい。受取部材は、保管容器から排出された粉末を受け取る粉末受取側と、この粉末を線材引き上げ箇所に排出する粉末排出側とを有する。受取部材において保管容器側に配される粉末受取側は、粉末を受け取ることができるように開口させておく。樋状や箱状の受取部材とする場合、上面の全面を開口させてもよいし、上面のうちの一部(保管容器側に配される粉末受取側近傍)を開口させてもよい。また、受取部材において線材引き上げ箇所側に配される粉末排出側は、粉末を線材引き上げ箇所に供給することができるように開口させておく。
受取部材は、保管容器と線材引き上げ箇所との間を橋渡しする部材であり、粉末を線材引き上げ箇所に供給する際、受取部材のうち少なくとも粉末排出側は、高温環境にある線材引き上げ箇所近傍に配することが望まれる。そのため、受取部材は、耐熱性に優れる材料、例えば、ステンレスなどの金属材料にて構成することが好ましい。
また、受取部材は、その一部が溶湯の上方に位置するように配置し、振動付与手段によって振動が与えられた際に粉末が重力に従って湯面に振り落とされるように構成すると、粉末を線材引き上げ箇所に簡単に供給することができる。更に、受取部材は、引き上げた線材に接しないように配することが好ましい。湯面から引き上げられた線材表面は、まだ固化していない溶融金属が付着しているため、受取部材が接すると、溶融金属を削ぎ落とす恐れがある。従って、受取部材における粉末排出側は、湯面から上方にある程度離れた位置で、かつ、湯面より引き出された線材から水平方向にある程度離れた位置に配することが好ましい。具体的には、受取部材における粉末排出側と引き上げた線材との間の距離が10cm程度となり、湯面から受け取り部材における粉末排出側の最下部までの距離が15〜20cm程度となるように受取部材を配置することが好ましい。
受取部材の少なくとも一部を溶湯の上方に配置して、上方から振り落とすように粉末を線材引き上げ箇所に供給する場合、受取部材において開口させた粉末排出側から外側に突出するように滑り部を取り付け、粉末は、この滑り部を滑り降りて線材引き上げ箇所に供給されるように受取部材を構成してもよい。滑り部は、板状部材にて構成するとよい。また、滑り部は、線材引き上げ箇所が存在する斜め下方を向くように取り付けておく。例えば、受取部材として、水平な底部を有する箱状のものを利用し、粉末排出側に設けられた開口部からそのまま粉末を振り落とす構成とし、上述のように粉末排出側が線材と接しないように線材から少し離して受取部材を配置すると、粉末は、粉末排出側の端部からそのまま下方に落ち、線材引き上げ箇所に粉末が配されない恐れがある。これに対し、上記滑り部を設けることで、線材引き上げ箇所に粉末をより確実に供給することができる。滑り部の傾きは適宜調整するとよい。例えば、受取部材として、水平な底部を有する形状のものを利用する場合、この底部の延長面と滑り部において粉末が通過する面とがつくる傾斜角度が20°〜60°となるように滑り部を取り付けることが好ましい。傾斜角度が20°未満及び60°超であると、線材引き上げ箇所に粉末が供給されなかったり、粉末が滑り部を滑り落ちにくい。より好ましい傾斜角度は、40°〜50°である。
また、受取部材は、粉末に振動を伝達可能であれば、固定されて配置位置が変化しない構成としてもよいし、保管容器と線材引き上げ箇所との間で移動可能な構成としてもよい。受取部材を移動可能な構成とする場合、本発明装置には、受取部材の移動手段を具えておく。移動手段は、例えば、保管容器と溶融金属槽との間に配されるガイドと、ガイドに沿って走行するスライダとを具えるものが挙げられる。スライダの走行には、例えば、ギアモータといったモータを利用して行うことが挙げられる。より具体的には、例えば、モータの作動により循環回転可能なチェーンレールなどの駆動レールをガイドに沿って配しておき、スライダは、駆動レールの回転に伴いガイドに沿って走行するように構成することが挙げられる。リニアモータを利用したリニアスライダを利用してもよい。受取部材は、スライダに接続させて移動可能にするとよく、例えば、ガイドを天井に固定する場合、受取部材を支持台に搭載し、この支持台とスライダとの間を支柱にて接続して、受取部材を移動可能としてもよいし、或いは、ガイドを床面に固定する場合、受取部材をスライダの上に搭載して移動可能としてもよい。本発明装置は、移動手段を具える場合、受取部材が粉末を受け取った際に受取部材を自動的に移動させることができるように移動手段の駆動を制御する移動制御手段を具えることが好ましい。そして、粉末を供給し終えたら受取部材を保管容器側に移動させるように移動制御手段を構成することが好ましい。このような移動制御手段は、コンピュータを利用することができる。これら移動手段、特に、モータや制御手段は、熱による損傷を受けることを防止するために、溶融金属槽から離れた箇所に配されることが好ましい。
移動手段を具えることで本発明装置は、粉末の供給を行うときのみ、受取部材を線材引き上げ箇所側に移動させることができるため、受取部材が高温環境にある線材引き上げ箇所近傍に常時配されて熱による損傷を受けることを低減することができる。また、粉末を線材引き上げ箇所に供給する際、受取部材の粉末排出側が溶湯の上方に配され、同粉末受取側が溶融金属槽及び溶湯の上方空間から水平方向に離れて配される、つまり、受取部材の粉末排出側のみが溶湯の上方に突出して配されるように本発明装置を構成すると、受取部材の粉末受取側は、粉末供給時も熱による損傷を受け難くなる。一方、受取部材の粉末排出側が溶湯の上方に配されるのは、粉末供給時のみとすることができるため、受取部材の粉末排出側も、熱による損傷を低減することができる。
受取部材の移動手段及び移動制御手段を具える本発明装置は、粉末供給時に受取部材を線材引き上げ箇所側に移動させ、粉末供給後、受取部材を保管容器側に移動させることを自動的に行うことができる。ここで、めっき線材を製造する場合、生産性を考慮して、通常、複数本(5〜30本程度)の線材を一度にめっきすることが多い。この場合、線材同士が接触して溶融金属が剥離されることを防止するために、線材同士は、その間をある程度離して並行させた状態で溶融金属槽に導入され、その状態で湯面から引き上げられる。従って、湯面における線材引き上げ箇所が複数存在するため、これら線材引き上げ箇所全てに粉末を供給する必要がある。このように複数の線材引き上げ箇所に粉末を供給する場合、例えば、受取部材としてある程度大きなもの、具体的には、線材の並列方向に粉末排出側の幅が広いものを利用して、一度に粉末を供給する構成としてもよいが、上記移動手段により受取部材を線材の並列方向に移動させて、複数の線材引き上げ箇所に順に粉末を供給する構成としてもよい。また、所定の範囲で受取部材を往復するように移動させてもよい。このとき、線材引き上げ箇所には、一回の供給に必要とされる粉末が少しずつ均等に配される。
そして、本発明では、粉末に振動を与えることで、受取部材に保持された粉末自らを線材引き上げ箇所側に移動させる構成である。具体的には、本発明装置は、粉末に振動を与える振動付与手段を具える。振動付与手段としては、受取部材を介して粉末に振動を与えることができればよく、例えば、電磁石が金属を吸着する力により振動を発生させる電磁フィーダ装置が挙げられる。この振動付与手段は、上記受取部材に配された粉末に振動を与えることができるように配置する。例えば、受取部材の下方に振動付与手段を配置し、受取部材の下方から振動を与えるようにしてもよい。このような振動付与手段は、溶湯の熱による損傷を防止するために、保管容器と同様に、通常、金属溶湯槽から離れたところ、具体的には、同槽から水平方向に離れたところや同槽の上方空間から水平方向に離れたところに配置させておくことが好ましく、粉末を供給する際も金属溶湯槽から離れたところから受取部材に振動を与えるように配置されていることが好ましい。例えば、受取部材の粉末排出側のみが溶湯の上方に突出して配されるようにし、振動付与手段は、溶融金属槽から離れたところに配される受取部材の粉末受取側の近傍に配置することが挙げられる。
本発明装置では、上記振動付与手段が自動的に駆動して粉末に振動を与えることができるように、振動付与手段の駆動を制御する駆動制御手段を具える。駆動制御手段は、コンピュータを利用することができる。このように本発明装置は、上述した排出制御手段と駆動制御手段とを具えることで、粉末の排出から供給までの工程を自動的に行うことができ、粉末の補給忘れに伴う不具合をなくすことができる。
本発明供給方法及び供給装置は、粉末に自動的に振動を与えることで粉末自体を移動可能とし、線材引き上げ箇所に粉末を自動的に供給することができる。従って、粉末の補給忘れによる不具合をなくし、余剰の溶融金属を除去して表面特性に優れるめっき線材を製造することができると共に、溶湯表面に形成された酸化膜が引き上げられることを防止することができる。特に、所定時間ごとに所定量の粉末を供給することができるように構成することで本発明供給装置は、常時、所定量の粉末を線材引き上げ箇所に配置させた状態とすることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下、図中同一符号は同一物を示す。
図1は、本発明供給装置の概略構成を示す図であり、(A)は、上方から見た図、(B)は、側面から見た図である。この供給装置1は、めっき用の溶融金属(溶湯)が充填される溶融金属槽Tに線材Wを導入して溶湯Mに浸漬させ、槽T内に配されたロールRを介して、溶融金属が付着した線材Wを湯面Fから上方に引き出して冷却してめっき線材を製造するにあたり、湯面Fにおける線材引き出し箇所に粉末Pを供給するための装置である。具体的な構成としては、溶融金属槽Tから離れた箇所に配され、粉末Pを貯めておくホッパ(保管容器)10と、ホッパ10から排出された粉末Pを受け取って保持する受取箱(受取部材)20と、箱20に配された粉末Pに振動を与える振動付与装置(振動付与手段)30とを具える。ホッパ10は、粉末Pを箱20に排出できるように開口部11を有しており、この開口部11を開閉する扉部12(内側扉12a,外側扉12b)を具える。これら扉部12は、供給装置1に具える制御盤40により開閉動作が制御される。制御盤40は、所定時間ごとに扉部12を開いてホッパ10に保管されている粉末Pを箱20に排出するように扉部12の開閉動作を制御する。また、制御盤40は、振動付与装置30を駆動して受取箱20に搭載された粉末Pに振動を与えるように振動付与装置30を制御する。振動付与装置30により振動が与えられた粉末Pは、その振動により箱20の粉末受取側(ホッパ側)から粉末排出側(線材引き上げ箇所側)に自動的に移動し、線材引き上げ箇所に排出される。この構成により供給装置1は、所定時間ごとに自動的に所定量の粉末Pを線材引き上げ箇所に供給する。以下、各構成をより詳しく説明する。
<ホッパ>
図2(A)は、本発明装置においてホッパの開口部近傍を拡大して示す概略図、(B)は、受取箱の線材引き上げ箇所側近傍を拡大して示す模式図、図3は、本発明装置において制御盤の機能ブロック図である。ホッパ10は、四角錘状の容器本体と、容器本体の先細りした側に固定された断面矩形状の筒状部材とを有する漏斗状容器であり、筒状部材が下方に位置するように配されることで、粉末Pは、重力に従って筒状部材を通過して開口部11から排出される。容器本体は、通常、粉末Pを保管し、線材引き上げ箇所に必要とされる複数回分の供給量を収納することができる大きさを有する。筒状部材は、粉末Pを受取箱20に排出する際の通路として利用されると共に、後述するように一回の供給に必要とされる粉末を一時的に貯めておくのに利用される。
筒状部材には、開口部11を開閉する二重構造の扉部12を配置している。具体的には、扉部12は、筒状部材の内側(容器本体に近い側)に配されて、筒状部材の内側(同)の開口部を開閉する内側扉12aと、同外側(容器本体から遠い側)に配されて、筒状部材の外側(同)の開口部11を開閉する外側扉12bとからなり、両扉12a,12bは、離間して筒状部材に配している。内側扉12aの外側扉との対向面と、外側扉12bの内側扉との対向面と、筒状部材の内周面とで囲まれる空間Sは、一回の供給で必要とされる粉末を貯めておくことができる大きさを有する。これら両扉12a,12bは、制御盤40に具える排出制御手段41(図3参照)によって開閉動作が制御される。具体的には、通常、両扉12a,12bを閉じた状態としておき、粉末Pを受取箱20に排出する場合、排出制御手段41に具える内側扉制御手段41aは、内側扉12aを開いて、外側扉12bの内側扉12aとの対向面に粉末Pを落として空間Sに粉末Pを充填させた後、内側扉12aを閉じる。次に、排出制御手段41に具える外側扉制御手段41bは、外側扉12bを開いて、空間S内の粉末Pを受取箱20に落とした後、外側扉12bを閉じる。
内側扉12aの内側面(容器本体に近い側の面、図1(B),図2(A)において上方側の面)には、内側(同上方側)に突出するように撹拌棒(撹拌手段)13を固定させている。撹拌棒13は、筒状部材の内側開口部を開くために内側扉12aがホッパ10内を走行することで、粉末Pを崩すことができる。粉末Pをホッパ10内に長期に亘り保管していると、図2(A)の太破線で示すようにホッパ10の一内面から別の内面に渡るように粉末Pが固まってしまい、内側扉12aの内側面に粉末Pが落下していない状態となることがある。しかし、この装置1では、撹拌棒13が移動することで固まった状態の粉末Pを崩すことができ、外側扉12bの上に粉末Pを落とすことができる。
更に、ホッパ10の外壁には、貯留された粉末Pに衝撃を与えることが可能なノック装置(ノック手段)14を取り付けて、上述のように固まった状態にある粉末Pを衝撃により崩し易くする構成としている。ノック装置14は、圧縮空気によりピストンを動かし、このピストンをホッパの外壁にぶつけることで粉末Pに衝撃を与える構成であり、市販の装置を利用した。装置1では、ホッパ10の外壁において傾斜した面にノック装置14を配置している。装置1は、上述した撹拌棒13とこのノック装置14とを具えることで、長時間の保管により粉末Pが固まってしまっても、粉末状態に戻すことができる。ノック装置14は、粉末Pを排出させる際に自動的に駆動するように制御盤40に具えるノック制御手段42により制御される。また、制御盤40は、内側扉12aを開いた後、ノック装置14により粉末Pに衝撃を与えるように構成している。
このようなホッパ10は、図1(A)に示すように溶融金属槽Tから水平方向に離れたところに配置されるため、溶湯Mの熱による損傷を受け難い。従って、ホッパは、高強度で耐熱性に優れた金属材料ではなく、耐熱性が多少劣る材料にて作製してもよい。ホッパ10の内面は、フッ素樹脂をコーティングしており、粉末Pが内壁に付着することを抑制すると共に、開口部側に滑り落ち易いようにしている。
なお、粉末Pは、油剤を含有した木炭粉末、溶融金属は、亜鉛(溶湯温度450℃程度)、線材は、C:0.60質量%含有の硬鋼線(JIS G 3521相当材)を用いている。また、装置1は、複数の金属めっき線材を製造する場合を示す。
<受取箱>
ホッパ10から排出された粉末Pは、受取箱20で受け取られ、この箱20の上を移動して湯面Fの線材引き上げ箇所に配される。箱20は、水平な底部を有し、上面の全面及び一端側が開口したステンレス製の容器であり、開口している一端側が線材引き上げ箇所側に位置するように配される粉末排出側、他端側がホッパ側に位置するように配される粉末受取側である。開口した粉末排出側には外側に突出するように滑り部21を取り付けている。滑り部21は、ステンレス製の板状部材であり、図2(B)に示すように線材引き上げ箇所側(先端側)が下方を向くように傾斜させている。傾斜角度(箱20の底部の延長面と滑り部21において粉末Pが通過する面とがつくる角度)θは、40°としている。また、この滑り部21の先端側は、粉末Pを供給する際、表面に溶融金属が付着した線材Wと接触しないように配している。具体的には、先端側と線材Wとの間の距離Lが10cmとなるように箱20及び滑り部21を配置している。また、この受取箱20は、滑り部21の先端側が湯面Fから上方に約20cmのところに位置するように配置させて、湯面Fの上方から粉末Pを振り落とす。装置1では、図1(A)に示すようにホッパ10と同様に箱20も、通常、溶融金属槽Tから水平方向に離れたところに配しておき、粉末Pを供給する際に箱20を溶融金属槽側に移動させる。そこで、装置1は、箱20の移動装置(移動手段)50を具える。
<移動装置>
移動装置50は、箱20が搭載される支持台51と、天井に固定されるガイド52と、ガイド52に沿って走行するスライダ53と、スライダ53と支持台51とを連結する支柱54とを具える。また、移動装置50は、図示しないブレーキ付きギアモータにより循環回転可能なチェーンレールを具えており、スライダ53は、チェーンレールの回転によりガイド52に沿って直線的に走行するように構成される。移動装置50の駆動は、制御盤40に具える移動制御手段43により行う。
箱20は、図1(A)に示すように通常、全体が溶融金属槽Tから離れた位置に配され、他端側(粉末受取側)がホッパ10の開口部11の下方に位置するように配される。そして、箱20は、粉末Pを線材引き上げ箇所に供給する際、移動装置50の駆動により線材引き上げ箇所側に向かって移動される(図1(A)矢印参照)。線材引き上げ箇所側に移動されると、箱20は、滑り部21を具える一端側(粉末排出側)が溶融金属槽Tの上方空間に突出するように配され、他端側(粉末受取側)は、同空間に配されない。従って、受取箱20の他端側は、粉末供給時も、溶融金属槽Tの溶湯による熱影響を受け難い。また、滑り部21や箱20の一端側は、粉末供給時に溶融金属槽Tの上方に配されるが、一時的なものであるため、熱による影響が少ない。この移動手段50も、図1(B)に示すように溶融金属槽Tから水平方向に、かつ槽Tの上方から離れたところに配されているため、熱影響を受け難い。
また、装置1では、複数の線材引き上げ箇所に粉末Pを供給できるように、移動装置50により箱20を移動させる。特に、装置1では、粉末Pの供給時、複数の線材引き上げ箇所の間を箱20が往復するように移動装置50にて移動させる。具体的には、スライダ53の移動範囲を規制することで、箱20が線材の並列方向に往復運動をするように構成している。スライダ53の移動範囲は、線材の本数に応じて適宜変更できるようにしている。具体的には移動装置50は、スライダ53の移動量を測定するセンサ(図示せず)と、スライダ53が予め設定した移動往復回数だけ移動するように制御する移動量制御手段(図示せず)とを具えており、移動量制御手段は、スライダ53が所定の位置に達したら走行方向を逆転して所定の範囲を所定回数往復するようにスライダ53を移動させる。
<振動付与装置>
上記箱20に排出された粉末Pは、振動付与装置30により振動が与えられて、箱20の粉末受取側(他端側)から粉末排出側(一端側)に移動し、滑り部21を介して線材引き上げ箇所に自動的に落下する。振動付与装置30として市販の電磁フィーダ装置を利用しており、装置30の駆動は、制御盤40に具える駆動制御手段44により制御する。この振動付与装置30は、箱20の他端側の下方に配置している。そのため、粉末Pを供給する際に箱20の一端側が溶湯Mの上方に突出するように配されても、上述した箱20の他端側と同様に振動付与装置30は、溶湯Mの上方に配されない。従って、振動付与装置30は、溶融金属槽Tに充填された溶湯の熱による影響を受け難い。また、振動付与装置30は、粉末Pの供給を行っている間、箱20に振動を与え続けるように駆動制御手段44により駆動を制御される。この振動付与装置30も支持台51に搭載され、箱20と共に移動装置50により移動される。
<制御盤>
制御盤40は、上述のように粉末Pを排出するべく、扉部12の開閉動作を制御する排出制御手段41と、ノック装置14の駆動を制御するノック制御手段42と、移動装置50の駆動を制御する移動制御手段43と、振動付与装置30の駆動を制御する駆動制御手段44とを具える。また、制御盤40は、図示しない往復回数を計測するカウンタ手段を具えており、受取箱20が往復移動を行う際、往復回数の計測を行う。更に、制御盤40は、タイマ手段45を具えて時刻の計測を行い、予め設定された所定時間が経過したら各制御手段41〜44を適宜動作させ、粉末Pの供給を行うように制御する。その他、制御盤40は、各種判定を行う判定手段、各制御手段41〜45に命令する命令手段、設定時間などを記憶する記憶手段などを具える。この制御盤40も、図1(B)に示すように溶融金属槽Tから水平方向に離れたところに配しているため、熱影響を受け難い。
<供給手順>
上記構成を具える装置1を用いて、粉末Pを線材引き上げ箇所に供給する際の手順を説明する。図4は、本発明装置を用いて線材引き上げ箇所に粉末を供給する際の手順を示すフローチャートである。この装置1は、所定時間(時刻t)ごとに粉末の供給を行う。そこで、制御盤に具えるタイマ手段は、時刻の計測を行い、制御盤に具える第一判定手段は、記憶手段に予め入力された時刻tとなったか否かを判定し(ステップS10)、時刻tなったら粉末の供給動作を開始する。なお、タイマ手段は、供給動作が開始されたらリセットし、後述する一連の動作が終了してから計測を再度開始するように構成している。
供給動作を行う際、受取箱は、既に粉末が搭載された状態とする。そこで、移動制御手段は、移動装置を駆動させて受取箱の移動を開始する(ステップS11)。また、駆動制御手段は、振動付与装置を駆動させて振動を開始する(ステップS12)。ここでは、受取箱の移動と共に振動付与装置の駆動も開始する構成を説明しているが、受取箱が所定の位置に移動してから、振動付与装置を駆動する構成としてもよい。振動が与えられることで受取箱上の粉末は、箱における粉末受取側から徐々に粉末排出側に自動的に移動していき、線材引き上げ箇所近傍に移動された頃に滑り部を介して線材引き上げ箇所に落下する。
この装置では、予め設定された所定の範囲で受取箱を所定の回数往復させて、複数の線材に順次粉末を供給する構成である。また、受取箱は、線材の並列方向に往復することで、一回の供給に必要とされる粉末を少量ずつ均等に各線材引き上げ箇所に供給する構成である。そこで、制御盤に具える第二判定手段は、記憶手段に予め入力された往復回数に達したか否かを判定し(ステップS13)、往復が終わったら、駆動制御手段は、振動付与装置を停止する(ステップS14)。そして、移動制御手段は、受取箱をホッパ側に移動させ、所定位置に達したら移動装置を停止する(ステップS15)。移動装置の停止により供給動作が終了する。
この装置では、上述した供給作業が終わったら、次の供給に具えて、受取箱に粉末を排出して待機させる構成としている。そこで、受取箱が所定の位置に戻ってきたら、内側扉制御手段は、内側扉を開き(ステップS16)、ノック制御手段は、ノック装置を駆動してホッパに衝撃を与え(ステップS17)、外側扉の上に粉末を落とし、内側扉を閉じる(ステップS18)。内側扉を開くと撹拌棒も同時に動くので、粉末が固まった状態となっていても崩すことができる。また、ノック装置で衝撃を与えることで粉末が固まった状態となっていても固まりを崩して、外側扉の上に粉末を落下させ易くすることができる。次に、外側扉制御手段は、外側扉を開いて受取箱の上に粉末を排出し(ステップS19)、外側扉を閉じる(ステップS20)。外側扉を開く際に内側扉が閉じていることで、外側扉の上に落とされた粉末のみが受取箱の上に配される。受取箱への粉末排出動作が終了したら、上述のようにタイマ手段は、時刻の計測を始め、装置は、ステップS10以降の手順を繰り返す。
この装置では、受取箱が次の供給動作を行うまで、ホッパ近傍で待機している間、通常、受取箱に粉末が配置された状態となっている。従って、ホッパ内の粉末がなくなっていたり、ホッパ内で粉末が詰まったりすると、受取箱に粉末が落ちていないことになる。そのため、作業者は、受取箱を見ることで、ホッパ内の状態を簡単に把握することができる。
なお、上述した装置1では、受取箱20及び振動付与装置30を天井から吊り下げて移動させる構成としたが、床面を走行するように移動する構成としてもよい。この場合、例えば、箱20の滑り部21の先端側が装置1と同様に湯面Fの上方に位置できるような台座を用意し、この台座にガイドを固定し、このガイドに沿って走行するスライダの上に箱20及び振動付与装置30を搭載して、箱20及び振動付与装置30が台座上を走行するように構成してもよい。
上記構成を具える供給装置は、線材引き上げ箇所に自動的に粉末を供給することができることから、線材引き上げ箇所に所定量の粉末を常に存在させることができ、粉末不足による表面特性の劣化をなくすことができる。また、上記構成の供給装置では、粉末供給時以外のとき、粉末の保管容器及び受取部材の双方を高温環境にある溶融金属槽から離れたところに配置させているため、これらの手段が熱による変質を受けることを低減することができる。更に、上記構成の供給装置では、撹拌手段及びノック手段を具えることで、保管容器内で粉末が固まったりしても、固まりを崩して粉末状態として線材引き上げ箇所に供給することができる。また、振動付与手段により粉末に振動を与えることで固まりが粉砕され易いため、より粉末状態とし易い。そして、この供給装置は、粉末に振動を与えるため、十分に粉末状態として線材引き上げ箇所に供給することができる。従って、この供給装置は、線材に粉末を十分に接触させることができ、固まりが存在することで表面特性が劣化することを低減することができる。
本発明製造方法及び本発明製造装置は、溶融金属を用いてめっき線材を製造するにあたり、めっき量の調整や溶融金属の表面の酸化を防止するための粉末を溶湯の線材引き上げ箇所に供給する際に利用することができる。
本発明供給装置の概略構成を示す概略構成図であり、(A)は、上方から見た図、(B)は、側面から見た図である。 (A)は、本発明供給装置において保管容器の開口部近傍を拡大して示す概略図、(B)は、受取部材の線材引き上げ箇所側近傍を拡大して示す模式図である。 本発明供給装置に具える制御盤の機能ブロック図である。 本発明供給装置を用いて線材引き上げ箇所に粉末を供給する際の手順を示すフローチャートである。 溶融法によるめっき線材の製造方法を説明する説明図である。
符号の説明
1 供給装置
10 ホッパ 11 開口部 12 扉部 12a 内側扉 12b 外側扉
13 撹拌板 14 ノック装置
20 受取箱 21 滑り部
30 振動付与装置
40 制御盤 41 排出制御手段 41a 内側扉制御手段
41b 外側扉制御手段 42 ノック制御手段 43 移動制御手段
44 駆動制御手段 45 タイマ手段
50 移動装置 51 支持台 52 ガイド 53 スライダ 54 支柱

Claims (6)

  1. 溶融金属槽に線材を浸漬した後に引き上げてめっき線材を製造する際に、このめっき線材表面に付着する余剰の溶融金属を除去するための粉末を溶湯における線材引き上げ箇所に供給する粉末の供給方法であって、
    前記溶融金属槽から離れたところに貯められた粉末に自動的に振動を与えることで線材引き上げ箇所側に粉末を移動させ、粉末を線材引き上げ箇所に供給することを特徴とする粉末の供給方法。
  2. 溶融金属槽に線材を浸漬した後に引き上げてめっき線材を製造する際に、このめっき線材表面に付着する余剰の溶融金属を除去するための粉末を溶湯における線材引き上げ箇所に供給する粉末の供給装置であって、
    前記溶融金属槽から離れたところに配置され、粉末を貯める保管容器と、
    前記保管容器から排出された粉末を受け取って保持する受取部材と、
    前記受取部材に保持された粉末に振動を与えて線材引き上げ箇所に排出させる振動付与手段と、
    前記保管容器から受取部材に粉末を自動的に排出するように保管容器を制御する排出制御手段と、
    前記受取部材が受け取った粉末に振動付与手段が振動を与えるように振動付与手段を制御する駆動制御手段とを具えることを特徴とする粉末の供給装置。
  3. 更に、受取部材を保管容器側から線材引き上げ箇所側に移動させる移動手段を具えることを特徴とする請求項2に記載の粉末の供給装置。
  4. 受取部材は、水平な底部を有し、粉末排出側が開口した箱状であり、粉末を線材引き上げ箇所に供給する際に粉末排出側が溶湯の上方に位置するように配され、
    前記粉末排出側には、外側に突出するように滑り部が取り付けられ、粉末は、この滑り部を経て線材引き上げ箇所に供給され、
    前記滑り部における粉末の通過面は、受取部材の底部に対して斜め下方を向くように取り付けられ、底部の延長面と滑り部の通過面とがつくる角度が20〜60°であることを特徴とする請求項2又は3に記載の粉末の供給装置。
  5. 更に、保管容器には、貯められた粉末を撹拌可能な撹拌手段及び貯められた粉末に衝撃を与えることが可能なノック手段の少なくとも一方を具えることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の粉末の供給装置。
  6. 振動付与手段は、粉末を線材引き上げ箇所に供給する際に溶融金属槽から離れたところに配されることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の粉末の供給装置。
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