JP2007186632A - 環状オレフィンポリマーのペレット - Google Patents

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弘明 松田
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Abstract

【課題】 500nm以下の短波長の光を長時間照射した後でも変色や劣化が起きない透明性に優れた成形体を得るのに好適な環状オレフィンポリマーのペレットを提供する。
【解決手段】 環状オレフィンとエチレンとの共重合体などに代表される環状オレフィンポリマーを押出機によってストランド状に引き出し、カッターで切り刻みペレットにする。そのペレットを歪み試験機に載せ、輝点が観察されたペレットを取り除き、歪み試験機によって輝点が観察されるペレットの比率が総ペレット中70重量%以下である環状オレフィンポリマーのペレットを得る。この環状オレフィンポリマーペレットを押出成形、射出成形などの成形法によって成形し、光学用成形体を得る。
【選択図】 なし。

Description

本発明は環状オレフィンポリマーのペレットに関する。詳細には、500nm以下の短波長の光を長時間照射した後でも変色や劣化が起きない透明性に優れた光学用成形体を得るのに好適な環状オレフィンポリマーのペレットに関する。
光学用成形体は、屈折、反射、回折、複屈折などの光学的現象を利用して、種々用途に適用される成形体である。光学用成形体としては、例えば、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ、コリメートレンズ、レンチキュラーレンズ、ピックアップレンズ、グレーティングレンズ、ジオデシックレンズ、fθレンズ、非球面レンズなどの光学機器用レンズ;プリズム;MO、DVD、CD等の光情報記録媒体;位相差板、偏光板、光反射板、光拡散板、導光板、プリズムシートなどの表示装置用光学シート若しくは板;などが挙げられる。
これらの中で、光によって情報の書き込み及び読み取りを行う情報機器に用いられる光学成形体、例えば、ピックアップレンズやプリズムなどは、光の積算照射量が多くなっても、その特性が変わらないことが強く求められている。特に、高い記録密度を実現可能なブルーレーザ光を用いた情報機器が開発され、これに対応したブルーレーザ用光学成形体の開発が求められている。
エチレンと環状オレフィンとを共重合して得られる環状オレフィンランダム共重合体などの環状オレフィンポリマーは、透明性に優れていることから光学材料用途等に用いられている。しかし、環状オレフィンとエチレンの共重合体はその耐熱性が充分ではなく、成形時に焼け焦げやゲル状異物の発生により成形品に欠損が発生する不具合がある。その不具合の改善を図るため、成形加工機械の表面に特殊な表面処理を行うことが提案されている(特許文献1)。また、環状ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂のペレットで、空孔を有するペレットの比率を総ペレット中60個数%以下で且つ7メッシュの篩を通過する微小の固形状樹脂の比率が総ペレット中30重量%以下であるものを成形に用いることが提案され、それによって、加工性が良好で外観性に優れた成形体が得られると教示しているものがある(特許文献2)。
しかし、本発明者らが検討したところ、これらの方法で得られる成形体に500nm以下の短波長で高エネルギーのブルーレーザ光を照射しつづけるとすると、ブルーレーザを照射した部分に変色や劣化の起こる場合があった。
特開平6−226802号公報 特開2000−15631号公報
本発明の目的は、500nm以下の短波長の光を長時間照射した後でも変色や劣化が起きない透明性に優れた成形体を得るのに好適な環状オレフィンポリマーのペレットを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、歪み試験機に載せたときに輝点を発するペレットを取り除き、輝点を発するペレットの重量割合を少なくすることによって、500nm以下の短波長の光を長時間照射した後でも変色や劣化が起きない透明性に優れた成形体が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
かくして本発明によれば、
(1)歪み試験機によって輝点が観察されるペレットの比率が、総ペレット中、70重量%以下である環状オレフィンポリマーのペレット。
(2)環状オレフィンポリマーが70℃以上のガラス転移温度を有するものである前記(1)に記載のペレット。
(3)環状オレフィンポリマーが環状オレフィンとエチレンとの共重合体又はその水素添加物である前記(1)に記載のペレット。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のペレットを成形して成る光学用成形体。
(5)成形が、150〜400℃の温度条件下で行われるものである前記(4)に記載の光学用成形体。
(6)成形体が、波長500nm以下のレーザ光の照射を受けるものである前記(4)又は(5)に記載の光学用成形体。が提供される。
本発明のペレットを用いて成形すると、200nm以上から500nm以下、より好ましくは275nm以上から495nm以下、特に好ましくは350nm以上から485nm以下を長時間照射した後でも変色や劣化が起きない透明性に優れた成形体を得ることができる。この成形体は例えば、ブルーレーザを用いた光学機器に好適である。具体的には、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ、コリメートレンズ、レンチキュラーレンズ、ピックアップレンズ、グレーティングレンズ、ジオデシックレンズ、fθレンズ、非球面レンズなどの光学機器用レンズ;プリズム;MO、DVD、CD等の光情報記録媒体;位相差板、偏光板、光反射板、光拡散板、導光板、プリズムシートなどの表示装置用光学シート若しくは板;などが挙げられる。
本発明の環状オレフィンポリマーペレットは、歪み試験機によって輝点が観察されるペレットの比率が、総ペレット中、70重量個数%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50(重量)個数%以下のものである。ペレットは、例えば、環状オレフィンポリマーをストランド状に押出、それをペレタイザーなどで細かく切断して形成されるものである。
本発明におけるペレット形状は、通常、直径が0.5mmから5mm、長さが0.5mmから15mmの円柱状、もしくはこれに相当する体積の楕円柱状、四角柱状、球状のペレットである。インジェクション成形に用いるペレットは、計量性、スクリューへの食い込みの観点から、好ましくは、直径が1.0mmから4.0mm、長さ1.0mmから10mm、の円柱状、もしくはこれに相当する体積の楕円柱状、四角柱状、球状のペレットである。
輝点が観察されるペレットの比率を調整する方法は特に限定されない。例えば、歪み試験機にペレットを載せ、輝点が観察されるペレットと輝点が観察されないペレットとを選り分け、輝点が観察されるペレットの比率が所望の値になるように選り分けたペレットを適宜混合する方法;輝点が観察されるペレットの比率が所望の値になるように輝点が観察されるペレットを取り除く方法などが挙げられる。なお、歪み試験機は、光源と、偏光板と、ペレットを載せることができるガラス板と、その上を被う偏光板(透過軸が前記偏光板の透過軸と直交するように配置;いわゆる「クロスニコル」)とからなるものである。透過軸が直交するように配置された2枚の偏光板を光は透過しないので、観察面は肉眼で黒色に見える。2枚の偏光板の間に歪みのあるペレットを配置すると、その歪みによって偏光が乱され、乱された光はガラス板を被った偏光板を透過し輝点として観察される。観察される輝点の大きさは、ペレットの大きさに依存するが、通常ペレットの大きさよりも小さい。
本発明においては、前記歪み試験機のガラス板の上にペレットを載せ、その上を偏光板で被い、肉眼で観察し、黒色表示の中に、円状、錐状、短管状、あるいは蜂の巣状に見える輝点が有るかどうか判断する。
本発明で用いる環状オレフィンポリマー(A)は、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位を有する重合体である。環状オレフィンポリマー中の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造は主鎖にあっても良いし、側鎖にあっても良いが、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械強度、耐熱性、及びフィルムの成形性の特性が高度にバランスされる。
本発明に使用される環状オレフィンポリマー中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合がこの範囲にあるとフィルムの透明性および耐熱性の観点から好ましい。
この環状オレフィンポリマーの具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、及び(1)〜(4)の水素化物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体の水素化物、ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物が好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体は、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
開環重合によって得られるものとして、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環重合体、ならびにこれらの水素化物などが挙げられる。付加重合によって得られるものとしてノルボルネン系モノマーの付加重合体及びノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体、ならびにこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物が、耐熱性、機械的強度等の観点から好ましい。
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体、などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系モノマーは、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組合せて用いられる。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環重合体は、モノマー成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
ノルボルネン系モノマーの付加重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体は、これらのモノマーを、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合させて得ることができる。
ノルボルネン系モノマーと付加共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。これらの、ノルボルネン系モノマーと付加共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組合せて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと付加共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と付加共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
付加重合体の水素化物は、公知の水素添加方法に従って得ることができる。例えば、重合体を溶解した前記水素添加用の溶媒に、ラニーニッケル、活性炭担持パラジウム、ウィルキンソン錯体、ニッケル−シリカ担持触媒などの金属触媒を加え、20〜200℃、水素分圧0.1〜20MPaで、5分〜12時間水素添加反応させた後、触媒を濾過により除去する方法(特開2002−105131号公報など)が挙げられる。
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
レーザ光の照射を受ける光学用成形体は、通常、耐熱性が求められているため、成形に用いる環状オレフィンポリマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、特に好ましくは90℃以上である。加工性の観点から、Tgの上限は300℃以下、好ましくは200℃以下である。
成形時の温度は、上記ポリマーのTgを考慮すると、150〜400℃であるのが好ましく、より好ましくは180〜380℃、特に好ましくは190〜350℃である。更に窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で成形するのが好ましい。
ペレットには配合剤が含まれていてもよい。配合剤として、老化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、軟質重合体などが挙げられるが、光学特性を維持する観点から、環状オレフィンポリマー100重量部に対して、それぞれ、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1.5重量部以下、更に好ましくは1重量部以下である。
特に軟質重合体を環状オレフィンポリマーに添加する場合、その軟質重合体の環状オレフィン樹脂中での分散粒子とし存在させることが重要であり、その分散粒子の数平均粒子径が5nm以上300nm以下、好ましくは10nm以上200nm以下、特にに好ましくは20nm以上150nm以下の粒子径で分散していることが必要である。
つぎに本発明を実施例を示しながらさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。部及び%は特に断りが無い限り質量基準である。
評価方法
(耐青色レーザ性)
60℃の環境下で、400±10nm、400mW/cmのレーザ光(ネオアーク社製、「TC4030S−F405ASU」)を成形体に500時間照射した。レーザ照射後の成形体の光線透過率を分光光度計(日本分光社製、「V−570」)を用いて測定し、レーザ光照射前後の光線透過率の低下量を求め、それを耐青色レーザ性の指標とした。
(ペレットの調製)
ペレット状樹脂を歪み試験機(新東化学社製)の上に載せ、輝点が観察されるペレット(輝点の有るペレット)と観察されないペレット(輝点の無いペレット)とを選り分けた。
(評価用成形体の製造法)
ペレットを80℃で4時間加熱乾燥させ、次いで射出成形装置(ファナック社製の製品番号:α−100B)を用いて、65mm×65mm×3mmの成形体を得た。
製造例1
窒素雰囲気下に、脱水したシクロヘキサン500部に、1−ヘキセン0.62部、ジブチルエーテル0.15部、トリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れ混合し、次いで45℃に保ちながらビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下、NBという)40部とトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(以下、DCPという)160部との混合モノマー、及び六塩化タングステン0.7%トルエン溶液40部を2時間かけて連続的に添加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06部とイソプロピルアルコール0.52部を加えて重合触媒を不活性化し重合反応を停止させた。重合溶液中に残った未反応NB及びDCPの組成をガスクロマトグラフィー法により求め、その測定値からNB/DCP開環重合体中のNB及びDCPが、重量比で20/80のほぼ仕込み組成に等しい状態で共重合されていることがわかった。
次いで、この重合反応溶液100部に、シクロヘキサン270部を加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒5部を加え、水素により50kg/cmに加圧して撹拌しながら温度200℃まで加温し、4時間反応させて、NB/DCP開環重合体水素添加物を20%含有する反応溶液を得た。濾過によって触媒を除去した水素添加反応溶液をアセトン250部とイソプロパノール250部との混合溶液に、攪拌しながら注いで、水素添加物を沈澱させ、濾別して回収した。回収した水素添加物をさらにアセトン200部で洗浄し、1mmHg以下に減圧した100℃の真空乾燥器で24時間乾燥させた。水素添加物の収率は99%であった。この開環重合体水素添加物の、重量平均分子量(Mw)は37,000、水素添加率は99.9%、Tgは75℃であった。
前記重合体重合体水素添加物100部と、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミン(安定剤A)0.1部とを2軸混練機(東芝機械社製TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度230℃、フィードレート10kg/時間)で混練して押し出し、樹脂組成物のペレットを得た。
製造例2
モノマーを8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下、ETDと略す)30部、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(以下、DCPという)170部、1−ヘキセン0.82部に変更した以外は実施例1に準じた方法でポリマーを得た。
重合体中のETD及びDCPが、重量比で15/85のほぼ仕込み組成に等しい状態で共重合されていることがわかった。
この開環重合体水素添加物の、重量平均分子量(Mw)は31,000、水素添加率は99.7%、Tgは102℃であった。
製造例3
モノマーをテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下、TCDという)80部、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、MTFという)120部、1−ヘキセン1.2部に変更した以外は実施例1に準じた方法でポリマーを得た。
重合体中のTCD及びMTFが、重量比で40/60のほぼ仕込み組成に等しい状態で共重合されていることがわかった。
この開環重合体水素添加物の、重量平均分子量(Mw)は33,000、水素添加率は99.8%、Tgは162℃であった。
製造例4
トルエンと、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンを定法に従い蒸留精製し十分に乾燥した。
ガラス製シュレンクに測り取ったシクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.0073部を、乾燥トルエン12.9部に溶かし、室温で攪拌しながらメチルアルミノキサンの10重量%トルエン溶液(アルベマール社製)2.9部を加え、室温で30分間攪拌して、付加重合触媒を得た。
ステンレス製重合反応器にトルエン1400部を仕込み、乾燥テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン100部を加え、攪拌羽根で攪拌し、70℃に反応器の温度を上げた。該反応器にエチレンガスを50リットル/時間の流量で供給して30分間攪拌した。次いで、該反応器に前記付加重合触媒を添加して70℃で30分間重合した。
イソブチルアルコール6.3部を添加して重合を停止させた。室温まで冷やし、反応液をメタノール12500部と濃塩酸0.9部の混合液に注いで重合体を析出させた。析出した重合体を濾過し、メタノールで洗浄し、0.1kPa以下に減圧した100℃の真空乾燥機で24時間乾燥した。得られた重合体は、ガラス転移温度が137℃であった。
実施例1
製造例1で得られた樹脂ペレットから輝点の無いペレットだけを選び出し、それを用いて160℃の条件で成形し評価用成形体を得た。
実施例2
製造例1で得られた樹脂ペレットを選別して、輝点の有るペレット10重量%、及び輝点の無いペレット90重量%からなるペレットを用いて160℃で成形し評価用成形体を得た。
実施例3
製造例2で得られた樹脂ペレットから輝点の無いペレットだけを選び出し、それを用いて220℃の条件で成形し評価用成形体を得た。
実施例4
製造例2で得られた樹脂ペレットを選別して、輝点の有るペレット60重量%、及び輝点の無いペレット40重量%からなるペレットを用いて220℃で成形し評価用成形体を得た。
実施例5
製造例3で得られた樹脂ペレットから輝点の無いペレットだけを選び出し、それを用いて220℃の条件で成形し評価用成形体を得た。
実施例6
製造例3で得られた樹脂ペレットを選別して、輝点の有るペレット40重量%、及び輝点の無いペレット60重量%からなるペレットを用いて300℃で成形し評価用成形体を得た。
実施例7
製造例4で得られた樹脂ペレットから輝点の無いペレットだけを選び出し、それを用いて260℃の条件で成形し評価用成形体を得た。
実施例8
製造例4で得られた樹脂ペレットを選別して、輝点の有るペレット30重量%、及び輝点の無いペレット70重量%からなるペレットを用いて260℃で成形し評価用成形体を得た。
比較例1
製造例1で得られた樹脂ペレットを選別して、輝点の有るペレット80重量%、及び輝点の無いペレット20重量%からなるペレットを用いて160℃で成形し評価用成形体を得た。
比較例2
製造例2で得られた樹脂ペレットを選別して、輝点の有るペレット80重量%、及び輝点の無いペレット20重量%からなるペレットを用いて220℃の条件で成形し評価用成形体を得た。
比較例3
製造例3で得られた樹脂ペレットを選別して、輝点の有るペレット100重量%、からなるペレットを用いて300℃で成形し評価用成形体を得た。
比較例4
製造例4で得られた樹脂ペレットのうち選別された輝点の有るペレットを重量比で75%、輝点の無い製造例4のペレットにブレンドし260℃の条件で試験片を得た。
Figure 2007186632
これら実施例及び比較例の結果から、輝点の有る環状オレフィンポリマーペレットの比率が小さいペレットを用いて成形すると、光線透過率の低下が少なく耐青色レーザ性が向上することが確認された。特にノルボルネン系モノマー付加重合体を使用した場合に輝点の有るペレットの比率が耐青色レーザ性に大きく影響することがわかる(比較例4と実施例7)。

Claims (6)

  1. 歪み試験機によって輝点が観察されるペレットの比率が、総ペレット中、70重量%以下である環状オレフィンポリマーのペレット。
  2. 環状オレフィンポリマーが70℃以上のガラス転移温度を有するものである請求項1に記載のペレット。
  3. 環状オレフィンポリマーが環状オレフィンとエチレンとの共重合体又はその水素添加物である請求項1に記載のペレット。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のペレットを成形して成る光学用成形体。
  5. 成形が、150〜400℃の温度条件下で行われるものである請求項4に記載の光学用成形体。
  6. 成形体が、波長500nm以下のレーザ光の照射を受けるものである請求項4又は5に記載の光学用成形体。
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