JP2007186341A - プロジェクションナット用パーツフィーダ - Google Patents

プロジェクションナット用パーツフィーダ Download PDF

Info

Publication number
JP2007186341A
JP2007186341A JP2006030278A JP2006030278A JP2007186341A JP 2007186341 A JP2007186341 A JP 2007186341A JP 2006030278 A JP2006030278 A JP 2006030278A JP 2006030278 A JP2006030278 A JP 2006030278A JP 2007186341 A JP2007186341 A JP 2007186341A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
projection
projection nut
passage
welding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006030278A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Aoyama
好高 青山
Shoji Aoyama
省司 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2006030278A priority Critical patent/JP2007186341A/ja
Publication of JP2007186341A publication Critical patent/JP2007186341A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Feeding Of Articles To Conveyors (AREA)

Abstract

【課題】 表向きナットを効率よく送出し、裏向きナットを確実に排除できるプロジェクションナット用パーツフィーダを提供する。
【解決手段】 表向きナット1の溶着用突起6を係止するガイド形状部19が所定の方向に傾斜している部品搬送路15に設けられ、前記ガイド形状部19の外周側または内周側に沿ってガイド形状部19から滑落した裏向きナット1を反転させて部品搬送路15へ復帰させる反転構造部23が設けられている。ガイド形状部19から転落した裏向きナット1が反転構造部23で直ちに表向きナット1に反転され、部品搬送路15に移載されたナット1が全て表向きで効率よく送出される。
【選択図】図1

Description

この発明は、ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とし、パーツフィーダの振動式ボウルが円形の底板とこの底板の外周部から起立している外壁板によって構成され、前記外壁板の内壁に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有するプロジェクションナット用パーツフィーダに関するものである。
ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットは、溶着用突起が下側になってパーツフィーダから送出振動によって送出される表向き送出と、溶着用突起が上側になってパーツフィーダから送出振動によって送出される裏向き送出とがある。このような表向きあるいは裏向きの送出は所定の向きが確実に維持され、決して逆向きで送出されてはならない。もしも、逆向きで送出されると、溶着用突起が鋼板部品等の相手方部品に対して溶着されないという現象が発生し、ナットが欠如したまま鋼板部品が後工程に移送され、製品の組立工程等において支障を来すことになる。
プロジェクションナットを表向きまたは裏向きで供給することに関する先行技術として、特開平7−215429号公報に開示されている技術がある。ここに開示されている技術は、部品供給管の部品滑動面に突条を設け、プロジェクションナットの溶着用突起が前記突条を跨ぐ状態で部品供給管内を移動するようにし、もし、溶着用突起が逆向きである場合には、前記突条があるためにプロジェクションナットが通過できないようにするものである。同公報の段落0027,0028参照。
さらに、パーツフィーダの振動式ボウルが円形の底板とこの底板の外周部から起立している外壁板によって構成され、前記外壁板の内壁に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有するプロジェクションナット用パーツフィーダが、実開昭60−151821号公報などで知られている。そして、同公報には、部品搬送路に正常な向きである表向きナットを通過させるとともに異常な向きである裏向きナットは通過させないゲージ部材と、部品搬送路にナットの溶着用突起が係止するガイド形状部が開示されている。さらに、ゲージ部材の手前で異常な向きのナットを部品搬送路から滑落させることも開示されている。
特開平7−215429号公報 実開昭60−151821号公報
上述の特許文献1のような突条付きの部品供給管を採用した部品供給装置においては、逆向きのプロジェクションナットが部品供給管の箇所に移動してきたら、部品供給管を外して逆向きナットを除去する必要がある。したがって、逆向きナットが突条で制止される都度、部品供給装置を分解しなければならず、生産を一時停止することになり、生産効率を著しく低下させ実用的ではない。
また、上記のような部品供給管であると、部品供給管の部品通過空間を精密に形成することができない。とくに、通常は柔軟性のある合成樹脂製の部品供給管であるから、上記の精度向上は不可能である。
また、特許文献2のようなゲージ部材,ガイド形状部および滑落構造であると、正常な向きのプロジェクションナットであっても、ナットの寸法誤差によってゲージ部材を通過する恐れがあり、パーツフィーダとしての送出信頼性が十分なものではないという問題がある。
さらに、パーツフィーダのボウル内に山積みのようにして貯留されているプロジェクションナットが順次部品搬送路上に移載される状況を観察すると、約70%のプロジェクションナットが溶着用突起が上側になった裏向きの状態で部品搬送路を移動している。したがって、下向きになった溶着用突起が部品搬送路面上を滑動して送出される、いわゆる表向きで送出する場合には、約70%のプロジェクションナットを部品搬送路から除去し、残りの約30%の表向きナットを送出することになる。なお、実際には、プロジェクションナットが起立していたり、2段重ねになっていたりするものはあらかじめ除去されるので、上記の数値から1〜2%差し引いた値になる。
このように部品搬送路上に移載されたプロジェクションナットの約30%だけがパーツフィーダから送出されるものであると、残りの約70%のものは部品搬送路上に移載されているにもかかわらず部品搬送路から除去されることになり、パーツフィーダとしての送出効率が低いものとなる。すなわち、単位時間あたりの表向きナット送出量が少なくなり、電力等の消費エネルギーが多く必要となり経済的ではない。
上記のように約70%のプロジェクションナットが裏向きで部品搬送路上に移載される現象は、プロジェクションナットの挙動を観察した結果、つぎのような理由で発生しているものと考えられる。
すなわち、表裏混在している山積み状のプロジェクションナットに送出振動が付与されると、上方に存在している溶着用突起が上向きまたは斜め上向きになっているものは、溶着用突起の他のプロジェクションナットに対するひっかかりが少ないので、滑らかにボウルの外周側に移動する。他方、溶着用突起が下向きまたは斜め下向きになっているものは、溶着用突起が下側のプロジェクションナットに多くひっかかるので、ボウル外周側への移動が緩慢になる。そして、溶着用突起が下向きまたは斜め下向きになっているものが部品搬送路に到達するまでに送出振動で反転して溶着用突起が上向きまたは斜め上向きになるので、このように反転したものは先行的にしかも滑らかに部品搬送路の方へ移動する。したがって、部品搬送路上においては、溶着用突起が上向きになった裏向きナットの比率高くなる。
本発明は、上述の種々な問題点を部品の供給源であるパーツフィーダにおいて解消することが前提になったものである。そして、プロジェクションナットの溶着用突起が下向きになった表向きナットの送出を行うものである。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、表向きナットを効率よく送出し、裏向きナットを確実に排除できるプロジェクションナット用パーツフィーダを提供することを目的とする。
問題を解決するための手段
請求項1記載の発明は、ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とし、プロジェクションナットを収容する円形の振動式ボウルが設けられ、このボウルの外壁板に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有し、この部品搬送路に送出管が接続されている形式のものにおいて、
前記溶着用突起が下向きになった正常な向きのプロジェクションナットを送出するとともに、溶着用突起が上向きになった異常な向きのプロジェクションナットは送出しないように機能するものであって、
正常な向きのプロジェクションナットの溶着用突起を係止するガイド形状部が所定の方向に傾斜している部品搬送路に設けられ、前記ガイド形状部の外周側または内周側に沿ってガイド形状部から滑落した異常な向きのプロジェクションナットを反転させて部品搬送路へ復帰させる反転構造部が設けられていることを特徴とするプロジェクションナット用パーツフィーダである。
また、請求項8記載の発明は、ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とし、プロジェクションナットを収容する円形の振動式ボウルが設けられ、このボウルの外壁板に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有し、この部品搬送路に送出管が接続されている形式のものにおいて、
前記溶着用突起が下向きになった正常な向きのプロジェクションナットを送出するとともに、溶着用突起が上向きになった異常な向きのプロジェクションナットは送出しないように機能するものであって、
前記部品搬送路に異常な向きのプロジェクションナットの通過を禁止する通過規制手段が設けられ、この通過規制手段は、プロジェクションナットの通過空間を形成する空間形成部材と、プロジェクションナットのねじ孔の軸線方向に通過空間内に突出している規制部材によって構成され、
前記空間形成部材にいたる部品搬送路に正常な向きのプロジェクションナットの溶着用突起を係止するガイド形状部が空間形成部材に到達した状態で形成され、空間形成部材近傍の部品搬送路が異常な向きのプロジェクションナットを部品搬送路から滑落させる滑落部とされ、
前記規制部材と空間形成部材の入口側端部との間の長さは、規制部材に受け止められている異常な向きのプロジェクションナットが前記入口側端部から露出して向きを変えながら部品搬送路から滑落できる長さとされ、
正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められて向きを変えながら部品搬送路から滑落し通過規制手段の後方への移動が禁止されるように構成したことを特徴とするプロジェクションナット用パーツフィーダである。
なお、以下の記載において、プロジェクションナットを単にナットと表現する場合もある。
発明の効果
請求項1記載の発明においては、正常な表向きナットはその溶着用突起がガイド形状部に係止された状態で送出振動により部品搬送路を移動して行き、送出管から送り出される。一方、異常な裏向きナットがガイド形状部にさしかかると、その溶着用突起は上方を向いているので、ガイド形状部に係止されることなく部品搬送路の傾斜と送出振動により反転構造部に滑落する。反転構造部においては、ナットが移送されながら表向きに反転されて再び部品搬送路に復帰する。
上述のように、表向きナットが部品搬送路を正常に移送されて行くのに並行して、反転構造部に転落したナットが表向きに反転されて部品搬送路に復帰するものであるから、部品搬送路に移載されたナットは全てのものが表向きの状態で送出される。したがって、単位時間当たりの表向きナットの送出量がほぼ100%近くの確率でえられ、パーツフィーダとしての送出効率が著しく向上する。すなわち、前述の数値である約70%の裏向きナットが、表向きナットの移動と並行して表向きに変換されることとなり、上記のような送出効率が確保できる。
さらに、ガイド形状部の外周側または内周側に反転構造部が並行した状態で配置されているので、円周方向で見た構造部分の寸法が短くなり、種々な機能構造部を円周方向に配置することにとってスペース上、効果的である。つまり、部品搬送路には、重合ナットの排除構造,過大または過小ナットの排除構造,表裏選別構造,転落ナットの回収構造,異常な溶着用突起ナットの除去構造など種々な機能構造が設置されるのであるが、このような場合、円周方向のスペースにできるだけ余裕を持たせることが必要となる。このような必要性に応えることにとって前記並行配置がきわめて有効である。
請求項2記載の発明は、前記ガイド形状部が設けられている部品搬送路は、前記反転構造部側が低くなるように傾斜している請求項1記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
このような傾斜によって、裏向きナットは確実に反転構造部へ滑り落ちて、裏向きのまま部品搬送路を移行することが防止できる。
請求項3記載の発明は、前記反転構造部は、少なくとも部品搬送路から滑落したプロジェクションナットを起立状態で移送する起立溝部と、この起立溝部に連続し起立状態のプロジェクションナットを傾倒させる傾斜部材を備えている請求項1または請求項2記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
裏向きナットが部品搬送路から滑落すると、そのナットは直ちに起立溝部を起立状態で移送されるので、前記傾斜部材によって確実に傾倒させることができ、反転が確実に行われる。このように滑落した裏向きナットが一旦正確に起立状態とされるので、次の傾倒変位への移行が確実になされて、反転動作の信頼性が保証される。
請求項4記載の発明は、前記反転構造部の後流側の部品搬送路に、異常な向きのプロジェクションナットの通過を禁止する通過規制手段が設けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
反転構造部の後流側においては、全てのナットが表向きになっているのであるが、何等かの原因で、例えば、作業者によってボウルに投げ込まれたナットが、裏向きで反転構造部後流側の部品搬送路に位置することがある。このような事態が発生した場合であっても、通過規制手段において裏向きナットの通過が禁止されるので、パーツフィーダとしての動作信頼性が確保できる。
請求項5記載の発明は、前記通過規制手段は、プロジェクションナットの通過空間を形成する空間形成部材と、プロジェクションナットのねじ孔の軸線方向に通過空間内に突出している規制部材によって構成され、正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められることにより通過規制手段の後方への移動が禁止されるように構成した請求項4記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
上述の構成であるから、正常な表向きのナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な裏向きのナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められることにより通過規制手段の後方への移動が禁止される。
請求項6記載の発明は、前記反転構造部の後流側の部品搬送路が所定の方向に傾斜させてあり、この部品搬送路には正常な向きのプロジェクションナットの溶着用突起を係止するガイド形状部が設けられているとともに、このガイド形状部が前記通過規制手段に到達した状態で形成され、この通過規制手段近傍の部品搬送路が異常な向きのプロジェクションナットを部品搬送路から滑落させる滑落部とされている請求項4または請求項5記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
表向きナットは、その溶着用突起がガイド形状部に係止されながら所定の方向性を保って部品搬送路上を移動し、このまま通過規制手段の通過空間を通り抜けて送出管の方へ移動する。そして、裏向きナットは、通過規制手段に到達する前に滑落部から滑落する。したがって、表向きナットはガイド形状部によって確実に通過規制手段まで到達させられて、通過規制手段を通過する。一方、裏向きナットは、滑落部から滑り落ちるので、通過規制手段に到達することがなく、通過規制手段に制止されて部品搬送路上で絡み合うようにして渋滞したりすることがない。つまり、裏向きナットは滑落部で事前に排除されるのである。
請求項7記載の発明は、前記規制部材と空間形成部材の入口側端部との間の長さは、規制部材に受け止められている異常な向きのプロジェクションナットが前記入口側端部から露出して向きを変えながら部品搬送路から滑落できる長さとされている請求項5または請求項6記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
万一、裏向きナットが空間形成部材内に入っても、それは規制部材によって受け止められ、しかも裏向きナットが入口側端部から露出して向きを変えながら部品搬送路から滑落できるように規制部材の配置位置が設定されているので、裏向きナットは確実に排除される。さらに、裏向きナットが規制部材を乗り越えて通過規制手段を通り抜けようとしても、空間形成部材の内側上面すなわち高さ方向規制面に溶着用突起が突き当たって、このような通り抜けが防止される。プロジェクションナットの製作誤差によって、溶着用突起の高さが若干低いものが発生することがあるが、内側上面の位置を精密に設定することによって、裏向きナットの通り抜けが防止できる。
請求項8記載の発明は、パーツフィーダの送出効率が厳密に問われない場合に有効なものである。すなわち、部品搬送路上の裏向きナットを通過規制手段とその近傍に配置された滑落部によって確実に排除するものである。正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められて向きを変えながら部品搬送路から滑落し通過規制手段の後方への移動が禁止される。
さらに、裏向きナットが規制部材を乗り越えて通過規制手段を通り抜けようとしても、空間形成部材の内側上面すなわち高さ方向規制面に溶着用突起が突き当たって、このような通り抜けが防止される。プロジェクションナットの製作誤差によって、溶着用突起の高さが若干低いものが発生することがあるが、内側上面の位置を精密に設定することによって、裏向きナットの通り抜けが防止できる。
前記請求項1に関連する通過規制手段や滑落部などの作用効果が、請求項8記載の発明の作用効果として発揮される。
請求項9記載の発明は、前記通過規制手段が前記送出管の上流側に連続した状態で配置されている請求項8記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
通過規制手段の後流側に送出管が連続しているので、通過規制手段を通り抜けた表向きナットが円滑に送出管に移行して送出されてゆく。通過規制手段と送出管との間に隙間などが存在すると、送出管の入口端部に表向きナットがひっかかったりして、送出動作に支障をきたす恐れがあるが、このようなことを回避することが可能である。
つぎに、本発明のプロジェクションナット用パーツフィーダを実施するための最良の形態を説明する。
プロジェクションナットの形状について説明する。
本発明において送出の対象となるプロジェクションナットの形状は、図8に示されている。
プロジェクションナットは符号1で示されている。同図(A)は斜視図である。ナット1は、表面2と裏面3(同図(B),図5参照)を有し、平面図的に見ると正方形の四角い形状をしたもので、中央部にねじ孔4が設けられている。ねじ孔4の軸線と平行な向きになっている4つの横側面5は、平面で構成されている。裏面3の四隅に溶着用突起6が形成されている。この溶着用突起6は、ナット1が塑性加工で作られる際に成形されるもので、表面2側の加圧変形部7の素材が流動して突起形状が構成されている。
図8(B)に示すように、溶着用突起6が後述する部品搬送路の表面を滑動している時に形成される空間が空隙部10である。前記ねじ孔4の軸線方向で見た空隙部10の高さはL1で示されている。
つぎに、パーツフィーダについて説明する。
パーツフィーダ全体は符号11で示されている。そして、パーツフィーダ11の各部の構成部品は鉄製とされている。パーツフィーダ11のボウル12は、円形の底板13の外周部分に起立した状態で外壁板14が溶接されたもので、外壁板14の内壁に沿って段状の部品搬送路15が螺旋状に形成されている。この部品搬送路15は、搬送路形成板22によって構成され、搬送方向に向かって次第に高さが高くなっている。図1に示すように、部品搬送路15上を移動するナット1は反時計方向に旋回しながら搬送され、部品搬送路15の端部に接続されている送出管16から送出されるようになっている。そして、送出管16に、ナット搬送用の圧縮空気を噴射する空気管33が接合されている。
部品搬送路15は前述のように、細長い円弧状の鋼板でできた搬送路形成板22を外壁板14に溶接することによって形成されている。
なお、送出管16の断面形状は、ナット1の外形にほぼ等しい矩形である。そして、送出管16に接合されている部品供給管17はナット1の供給箇所まで伸びており、柔軟性のある合成樹脂で成形され、断面は送出管16と同様な矩形である。
図1(B)はパーツフィーダ11を簡略的に示す側面図であり、ここに示すように、ボウル12の下側に起振部18が配置され、起振部18から送出振動がボウル12に伝達されるようになっている。
前記送出振動によりナット1が部品搬送路15上を移動してくる。このときにナット1が2段重ねになっていたり、横側面5が下側になって起立したりしているものが、前述のように1〜2%の率で発生するので、これらを除去するために、部品搬送路15上に張り出した整合板18が設けてある。この整合板18の下縁と部品搬送路15の表面との間にナット1の高さよりもわずかに大きな空隙が設定されている。したがって、起立していない表向きナットまたは裏向きナットだけが整合板18の下側を通過するようになっている。
この実施例において、「表向きナット」とは、溶着用突起6が下向きになった状態のプロジェクションナット1を意味し、「裏向きナット」とは、溶着用突起6が上向きになった状態のプロジェクションナット1を意味している。そして、表向きナットを正常な向きのものとして送出管16から送り出すものとされている。
つぎに、ガイド形状部について説明する。
部品搬送路15は、外周側が低くなるように傾斜させてあり、その傾斜状態は図3(B)に示すように、角度θの傾斜角とされている。部品搬送路15の途中に表向きナットの溶着用突起6を係止するガイド形状部19が設けてある。このガイド形状部19は、表向きナットが傾斜によって部品搬送路15から滑落しないようにする機能を果たすものであり、ここでは部品搬送路15に沿って伸びる円弧状の突条20によって形成されている。図3(B)に示すように、突条20に溶着用突起6がひっかかっているので表向きナットは部品搬送路15から滑落することなく後流側へ移送される。
一方、裏向きナットは、平坦な表面2が突条20を乗り越えるようにして滑動するので、部品搬送路15から滑り落ちる。このように落ちる箇所は後述の反転構造部とされ、ここで裏向きナットが表向きナットに反転される。
なお、図3(F)に示すように、突条20に代えて円弧状の溝21でガイド形状部19を構成し、ここに溶着用突起6がはまり込んで移送されるようにしてもよい。突条20は部品搬送路15の低い側の端縁から離れた箇所に配置されるが、溝21の場合は、前記端縁に近づけて配置されている。
つぎに、反転構造部について説明する。
反転構造部は符号23で示され、ガイド形状部19が設けられている箇所の部品搬送路15から滑落した裏向きナットを、移送しながら表向きに反転させる機能を果たす。そのために、ガイド形状部19に沿って配置されている。換言すると、ガイド形状部19に並行した状態で反転構造部23が配置されている。つまり、ガイド形状部19と反転構造部23が円弧状に平行な状態で配置されている。したがって、部品搬送路15から滑落した裏向きナットは、移送されながら直ちに反転構造部23で表向きに反転される。また、ここでは、反転構造部23はガイド形状部19の外周側に配置されている。
反転構造部23の具体的な構造としては、ナットの進行方向に向かって転倒させる(前転させる)方式や、移送しながらナットを傾斜させて反転させる方式など種々なものが採用できる。この実施例は、後者の形式である。
図2は、ガイド形状部19と、それに並行した状態で配置されている反転構造部23を拡大した平面図である。そして、A,B,C・・・の各断面は、それぞれに対応させて図3の(A),(B),(c)・・・に図示されている。
図3(B)に示すように、突条20が設けられている箇所の部品搬送路15に沿って起立溝部24が設けられている。この起立溝部24は、外壁板14に溶接した断面L字型の外側板25で構成されている。前記起立溝部24の幅は、ナット1の厚さ(ねじ孔4の軸方向寸法)よりもやや大きく設定され、部品搬送路15から滑落した裏向きナットが1つの横側面5を下側にして同溝24内で起立するようになっている。
部品搬送路15の端縁から起立溝部24の底面26までの深さは、ナット1の進行方向に向かって次第に浅くなっている。そして、起立溝部24の終端近傍に、起立している裏向きナットを表向き側に傾倒させる傾斜部材27が形成されている。この傾斜部材27は、前記底面26の内周側すなわち前記底板13側に寄せ付けて配置され、その高さは進行方向に向かって徐々に高くなっている。それにより、傾斜部材27の角部28も徐々に高くなっている。
図3(D)に示すように、裏向きナットの横側面5が傾斜部材27の角部28に乗り上げることによって、このナット1が傾倒する。傾倒した裏向きナットの裏面3を受け止める受け角部29が設けられている。この受け角部29は、外側板25を屈曲させて形成され、その高さはナットの進行方向に向かって徐々に低くなっている。そして、受け角部29は、起立溝部24の外周側すなわち前記底板13から遠ざかる側に寄せ付けて配置されている。
上述のような構成によって、角部28の外周側には図3(D)に示すように、溶着用突起6を通過させるための補助溝30が形成されている。
起立溝部24の底面26,傾斜部材27および受け角部29などは反転構造部23の端部近傍において部品搬送路15に対して滑らかに連続している。このような連続構造によって表向きに反転されたナット1が部品搬送路15上に復帰するようになっている。また、反転構造部23によって表向きナットに変換されたナット1と、突条20に沿って移動してきた表向きナットとが合流するためにこの部分の部品搬送路15の幅が図2や図3(E)に示すように、拡幅されている。このように拡幅された部分が2点鎖線で示す合流部31である。この合流部31の後流側の部品搬送路15は、図1に示すように、幅が狭くなっている。
したがって、部品搬送路15から滑落した裏向きナットは図3(C)に示すように、起立した状態で起立溝部24を移行し、傾斜部材27にさしかかると角部28によって傾倒が開始され、これにともなって受け角部29が傾倒したナットの裏面3を受け止めながら表向きに変換される。このように裏向きナットは表向きに反転して部品搬送路15に復帰し、ガイド形状部19を通過してきた表向きナットと合流部31で合流し、全てのナット1が表向きナットとなって送出管16の方へ移送される。裏向きナットが上述のように反転するのは、角部28が次第に高くなるのに対して、受け角部29が次第に低くなることによって、滑らかな反転がなされる。
上述の作動から明らかなように、反転構造部23の主たる部材は、滑落した裏向きナットを起立状態で移行させる起立溝部24と、裏向きナットを傾倒させる傾斜部材27であり、受け角部29は傾倒角度を徐々に大きくして確実にしかも滑らかに表向きにする機能を果たしている。
表向きになったナット1は整然と部品搬送路15を移動して行くのであるが、床面に落ちているナット1を作業者がボウル12に投げ込んだりすると、その時の弾みで部品搬送路15において2段重ねになったり、起立状態になったりすることがある。このような事態に備えて反転構造部23の後流側に図1(C)に示すものと同じ整合板18が配置されている。
表向きナットの中には製作誤差などによって溶着用突起6の高さが所定値を下回るものがあり、このようなナット1が送出されると、溶着不良を発生する恐れがある。そのような事態に備えて、図1(D)に示すように、高さの低いナット1を部品搬送路15から排除するための選別ゲージ33が設けてある。この選別ゲージ33には、所定の通過高さH1とされた通過空隙34が設けられている。溶着用突起6の高さが所定値を下回るものが移動してくると、通過空隙34を通過して収容箱35に落下する。溶着用突起6が正常な高さであれば、通過空隙34を通過することなく部品搬送路15上を後流側へ移送される。なお、前記収容箱35は出口のない構造とされ、不良寸法のナット1が再びボウル12内に戻ることが防止されている。また、符号36は、内壁板である。なお、高さの低い小サイズのナットが混入している場合にも、前記選別ゲージ33が排出機能を果たしている。
つぎに、通過規制手段について説明する。
何らかの原因、例えば、床面に落ちているナット1を作業者がボウル12に投げ込んだりすると、その時の弾みで部品搬送路15上を裏向き状態で移送されることが生じ得る。通過規制手段はこのような万一の場合に備えたもので、裏向きナットの通過を禁止してナットの裏向き送出を完全に防止している。
図4〜図6にしたがって説明すると、符号38で示されている通過規制手段は、部品搬送路15と送出管16の境界部に配置されている。この通過規制手段38を構成する部材は、通過空間39を形成する下向きに開放している断面コ字型の空間形成部材(以下、単にゲート部材と表現する場合もある)40と、通過空間39内に突出している規制部材41によって構成されている。そして、この通過空間39は、プロジェクションナット1の外形とほぼ同じ断面形状の空間とされている。図8(B)にもその状態が図示されている。
部品搬送路15と送出管16の境界部に配置されている通過規制手段38は、通過空間39と送出管16の内部通路とを円滑に連続させることができるので、ゲート部材40から送出管16へのナット移行が滑らかに行われるという効果がある。
前記ゲート部材40は、図4に示すように、送出管16の箇所まで伸びてきている搬送路形成板22に溶接されており、ゲート部材40自体はブロック状の鋼鉄材料に精密機械加工を行って形成されている。ゲート部材40の通過空間39は、その通過方向がナット1の搬送方向と同じ方向とされている。
前記規制部材41はボルト42によって構成され、搬送路形成板22に溶接されたナット43にねじ込まれている。このねじ込み量を調節して規制部材41の突出量が設定される。この設定された突出量が変化しないようにするために、ロックナット44をナット43に対して締め付けるようになっている。なお、符号45は、ゆるみ止めのためのスプリングワッシャである。上述のようなねじ構造によって、規制部材41の突出長さL5が微調整できるようになっている。
前記ボルト42は、ナット1のねじ孔4の軸線方向に突出しており、その突出長さL5は前記空隙部10の高さL1よりもわずかに短く設定されている。また、規制部材41は、部品搬送路15や送出管16の幅方向、すなわち通過空間39の幅方向のほぼ中央部に配置されている。
前記通過空間39を形成する内面は、部品搬送路15や送出管16の幅方向すなわち通過空間39の幅方向におけるナット1の移動量を最小化する左右の幅方向規制面47と、ナット1の高さ方向の移動量を最小化する高さ方向規制面48によって構成されている。
とくに、高さ方向規制面48の高さ位置を高い寸法精度で設定することにより、通過規制手段38としての機能が信頼性の高いものとして確保できる。この点を図6にしたがって説明する。
すなわち、図6(A)に示すように、ゲート部材40内に裏向きに入ってきたナット1の溶着用突起6と高さ方向規制面48の間隔L3の寸法精度が低くてL3の寸法が過大であると、裏向きナット1がゲート部材40を通過してしまう現象が発生する。これは、裏向きナット1が規制部材41で制止されていても、後続の表向きナット1によって裏向きナット1に搬送方向の押圧力が作用するので、2点鎖線で示すように、裏向きナット1は規制部材41の先端部に乗り上げた浮上状態になり、そのままゲート部材40を通過してしまうのである。まして、ナット1の表面2の角部に面取り部やアール部が形成されていると、このような浮上現象が顕著に現れる。
そこで、図6(B)に示すように、前述の間隔L3を大幅に狭くして最小限の間隔L4とすることによって、上記のような裏向きナット1の浮上現象を防止することができる。つまり、規制部材41の突出長さL5よりもL4を小さく設定することにより、上記のような通過現象が防止できるのである。
このような通過現象を防止するために、高さ方向規制面48の高さ位置を高精度のもとに求める必要があり、前述のような精密機械加工をブロック状の素材に対して施すのである。
表向きナット1の正常な通過との関連でL4やL5を考察すると、空隙部の高さL1>L5>L4なる関係が成立し、このような関係を維持することにより、表向きナット1の正常な通過と裏向きナット1の確実な規制が実現する。そこで、上記の関係を実現するために、前述の精密機械加工が有効である。ある先行技術においては、鋼板製のゲート部材が知られているが、鋼板を曲げ加工したものではこのような精度が出せないのである。前記不等式の状態は、図6(B)や図8(B)に示されている。図8(B)は、表向きナット1の溶着用突起6が規制部材41を跨いだような状態で同図の紙面に垂直な方向に通過している状態を示している。
表向きナットをゲート部材40まで正しい向きでガイドするために、ガイド形状部49が設けてある。ここでは部品搬送路15に沿って伸びる溝50である。この溝50は部品搬送路15の外周寄りに設けてあり、表向きナットの2つの溶着用突起6が図4(A),(B)に示すように、溝50にはまり込んでいることにより、正しい向きで移送される。
溶着用突起6が溝50にはまり込んでいると、表向きナットは傾いた状態になっているので、ゲート部材40に進入するときにはこの傾きをなくす必要がある。そのために、図4(C)に示すように、溝50の深さがゲート部材40の直前で浅くなり、表向きナットが傾かない状態でゲート部材40に進入するようになっている。この浅くなる部分が傾斜底部であり、符号51で示されている。なお、ガイド形状部49を突条で構成してもよい。この場合には、突条を部品搬送路15の内周寄りに配置する。
上述のような構成により、通過規制手段38近傍の部品搬送路15が裏向きナットを滑落させる滑落部52とされている。したがって、表向きナットはその溶着用突起6が溝50で案内されながらゲート部材40内に入るが、裏向きナットはその表面2が溝50を通過して滑落部52から転落する。転落した裏向きナットは図4(B)に示すように、受け箱53に収容され、開口54をへてボウル12内に戻される。
規制部材41と空間形成部材(ゲート部材)40の入口側端部55との間の長さL2は、規制部材41に受け止められている裏向きナットが前記入口側端部55から露出して向きを変えながら部品搬送路15(滑落部52)から滑落できる長さとされている。なお、入口側端部55は、ゲート部材40の端面である。
図5(A)は、滑落部52から滑落しきれなかった裏向きナットがゲート部材40内に斜め向きで入り込んだ場合を示している。このような裏向きナットは、その横側面5が規制部材41に受け止められ、それ以上の進入が阻止されている。送出振動により裏向きナットは図示の状態から反時計方向に回りながら滑落する。また、図5(B)は、裏向きナットが傾かずにゲート部材40内に真っ直ぐに入り込んだ場合を示している。この場合も(A)図の場合と同様に規制部材41で受け止められ、反時計方向に向きを変えながら滑落する。
前記のような裏向きナットの挙動を確保するために、長さL2は裏向きナットが入口側端部55から露出するように設定されている。このような露出によって、裏向きナットが反時計方向のように向きを変えることができる。
前述の反転構造部23は、ガイド形状部19の外周側に配置されているが、図7は、反転構造部23がガイド形状部19の内周側に配置されている例である。この場合には、反転構造部19に並行している部分の部品搬送路15は、内周側が低くなるような傾斜とされ、突条20は部品搬送路15の外周側に配置されている。反転構造部23の具体的な構造は、前述のものと同じである。図7(B)に示すように、部品搬送路15から滑落した裏向きナットは、前述のものと同様の起立溝部24において起立状態で移送され、その後、傾倒をへて反転される。
以上に説明した実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
請求項1記載の発明においては、正常な表向きナット1はその溶着用突起6が突条20に係止された状態で送出振動により部品搬送路15を移動して行き、送出管16から送り出される。一方、異常な裏向きナットが突条20にさしかかると、その溶着用突起6は上方を向いているので、突条20に係止されることなく部品搬送路15の傾斜と送出振動により反転構造部23の起立溝部24に滑落する。反転構造部23においては、ナット1が移送されながら表向きに反転されて再び部品搬送路15に復帰する。
上述のように、表向きナットが部品搬送路15を正常に移送されて行くのに並行して、反転構造部23に転落したナット1が表向きに反転されて部品搬送路15に復帰するものであるから、部品搬送路15に移載されたナット1は全てのものが表向きの状態で送出される。したがって、単位時間当たりの表向きナットの送出量がほぼ100%近くの確率でえられ、パーツフィーダとしての送出効率が著しく向上する。すなわち、前述の数値である約70%の裏向きナットが、表向きナットの移動と並行して表向きに変換されることとなり、上記のような高い送出効率が確保できる。
さらに、ガイド形状部19の外周側または内周側に反転構造部23が並行した状態で配置されているので、円周方向で見た構造部分の寸法が短くなり、種々な機能構造部を円周方向に配置することにとってスペース上、効果的である。つまり、部品搬送路15には、重合ナットの排除構造,過大または過小ナットの排除構造,表裏選別構造,転落ナットの回収構造,異常な溶着用突起ナットの除去構造など種々な機能構造が設置されるのであるが、このような場合、円周方向のスペースにできるだけ余裕を持たせることが必要となる。このような必要性に応えることにとって前記並行配置がきわめて有効である。
前記突条20が設けられている部品搬送路15は、反転構造部23側が低くなるように傾斜している。
このような傾斜によって、裏向きナットは確実に反転構造部23へ滑り落ちて、裏向きのまま部品搬送路15を移行することが防止できる。
前記反転構造部23は、少なくとも部品搬送路15から滑落したプロジェクションナット1を起立状態で移送する起立溝部24と、この起立溝部24に連続し起立状態のプロジェクションナット1を傾倒させる傾斜部材27を備えている。
裏向きナットが部品搬送路15から滑落すると、そのナット1は直ちに起立溝部24を起立状態で移送されるので、前記傾斜部材27によって確実に傾倒させることができ、反転が確実に行われる。このように滑落した裏向きナットが一旦正確に起立状態とされるので、次の傾倒変位への移行が確実になされて、反転動作の信頼性が保証される。
前記反転構造部23の後流側の部品搬送路15に、裏向きナットの通過を禁止する通過規制手段38が設けられている。
反転構造部23の後流側においては、全てのナット1が表向きになっているのであるが、何等かの原因で、例えば、作業者によってボウル12に投げ込まれたナット1が、裏向きで反転構造部23の後流側の部品搬送路15に位置することがある。このような事態が発生した場合であっても、通過規制手段38において裏向きナットの通過が禁止されるので、パーツフィーダとしての動作信頼性が確保できる。
前記通過規制手段38は、プロジェクションナット1の通過空間39を形成する空間形成部材(ゲート部材)40と、プロジェクションナット1のねじ孔4の軸線方向に通過空間39内に突出している規制部材41によって構成され、正常な向きの表向きナット1は、溶着用突起6の突出高さによって形成された空隙部10を前記規制部材41が相対的に通過することにより、通過規制手段38の後方へ移動し、異常な向きの裏向きナット1は、溶着用突起6とは反対側の横側面5の部分が前記規制部材41に受け止められることにより通過規制手段38の後方への移動が禁止されるように構成した。
上述の構成であるから、表向きナットは、溶着用突起6の突出高さによって形成された空隙部10を前記規制部材41が相対的に通過することにより、通過規制手段38の後方へ移動し、裏向きナットは、溶着用突起6とは反対側の横側面5の部分が前記規制部材41に受け止められることにより通過規制手段38の後方への移動が禁止される。
前記反転構造部23の後流側の部品搬送路15が所定の方向に傾斜させてあり、この部品搬送路15には表向きナットの溶着用突起6を係止する溝50が設けられているとともに、この溝50が前記ゲート部材40に到達した状態で形成され、このゲート部材40近傍の部品搬送路15が裏向きナットを部品搬送路15から滑落させる滑落部52とされている。
表向きナットは、その溶着用突起6が溝50に係止されながら所定の方向性を保って部品搬送路15上を移動し、このまま通過規制手段38の通過空間39を通り抜けて送出管16の方へ移動する。そして、裏向きナットは、通過規制手段38に到達する前に滑落部52から滑落する。したがって、表向きナットは溝50によって確実に通過規制手段38まで到達させられて、通過規制手段38を通過する。一方、裏向きナットは、滑落部52から滑り落ちるので、通過規制手段38に到達することがなく、通過規制手段38に制止されて部品搬送路15上で絡み合うようにして渋滞したりすることがない。つまり、裏向きナットは滑落部52で事前に排除されるのである。
前記規制部材41と空間形成部材40の入口側端部55との間の長さL2は、規制部材41に受け止められている裏向きナットが前記入口側端部55から露出して向きを変えながら部品搬送路15から滑落できる長さとされている。
万一、裏向きナットが空間形成部材40内に入っても、それは規制部材41によって受け止められ、しかも裏向きナットが入口側端部55から露出して向きを変えながら部品搬送路15から滑落できるように規制部材41の配置位置が設定されているので、裏向きナットは確実に排除される。さらに、裏向きナットが規制部材41を乗り越えてゲート部材40を通り抜けようとしても、ゲート部材40の内側上面すなわち高さ方向規制面48に溶着用突起6が突き当たって、このような通り抜けが防止される。プロジェクションナット1の製作誤差によって、溶着用突起6の高さが若干低いものが発生することがあるが、高さ方向規制面48の位置を精密に設定することによって、裏向きナットの通り抜けが防止できる。
請求項8記載の発明は、パーツフィーダの送出効率が厳密に問われない場合に有効なものである。すなわち、部品搬送路15上の裏向きナットを通過規制手段38とその近傍に配置された滑落部52によって確実に排除するものである。正常な向きのプロジェクションナット1は、溶着用突起6の突出高さによって形成された空隙部10を前記規制部材41が相対的に通過することにより、通過規制手段38の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起6とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材41に受け止められて向きを変えながら部品搬送路15から滑落し通過規制手段38の後方への移動が禁止される。
さらに、裏向きナットが規制部材41を乗り越えて通過規制手段38を通り抜けようとしても、空間形成部材40の内側上面すなわち高さ方向規制面48に溶着用突起6が突き当たって、このような通り抜けが防止される。プロジェクションナット1の製作誤差によって、溶着用突起6の高さが若干低いものが発生することがあるが、高さ方向規制面48の位置を精密に設定することによって、裏向きナットの通り抜けが防止できる。
前記請求項1に関連する通過規制手段38や滑落部52などの作用効果が、請求項8記載の発明の作用効果として発揮される。
前記通過規制手段38が前記送出管16の上流側に連続した状態で配置されている。
通過規制手段38の後流側に送出管16が連続しているので、通過規制手段38を通り抜けた表向きナットが円滑に送出管16に移行して送出されてゆく。通過規制手段38と送出管16との間に隙間などが存在すると、送出管16の入口端部に表向きナットがひっかかったりして、送出動作に支障をきたす恐れがあるが、このようなことを回避することが可能である。
上述のように、本発明によれば、表向きナットだけが効率よくしかも正確に送出されるので、消費電力などが節約されて広い産業分野での活用が期待される。
パーツフィーダの平面図,側面図,斜視図,断面図である。 ガイド形状部と反転構造部の平面図である。 反転構造部の各部の断面図である。 通過規制手段付近の平面図や断面図である。 空間形成部材付近の断面図である。 空間形成部材の断面図である。 反転構造部を内周側に配置した場合の平面図と断面図である。 プロジェクションナットの斜視図と断面図である。
符号の説明
1 プロジェクションナット
4 ねじ孔
5 横側面
6 溶着用突起
10 空隙部
11 パーツフィーダ
12 ボウル
14 外壁板
15 部品搬送路
16 送出管
19 ガイド形状部
23 反転構造部
24 起立溝部
27 傾斜部材
38 通過規制手段
39 通過空間
40 空間形成部材,ゲート部材
41 規制部材
49 ガイド形状部
52 滑落部
55 入口側端部

Claims (9)

  1. ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とし、プロジェクションナットを収容する円形の振動式ボウルが設けられ、このボウルの外壁板に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有し、この部品搬送路に送出管が接続されている形式のものにおいて、
    前記溶着用突起が下向きになった正常な向きのプロジェクションナットを送出するとともに、溶着用突起が上向きになった異常な向きのプロジェクションナットは送出しないように機能するものであって、
    正常な向きのプロジェクションナットの溶着用突起を係止するガイド形状部が所定の方向に傾斜している部品搬送路に設けられ、前記ガイド形状部の外周側または内周側に沿ってガイド形状部から滑落した異常な向きのプロジェクションナットを反転させて部品搬送路へ復帰させる反転構造部が設けられていることを特徴とするプロジェクションナット用パーツフィーダ。
  2. 前記ガイド形状部が設けられている部品搬送路は、前記反転構造部側が低くなるように傾斜している請求項1記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
  3. 前記反転構造部は、少なくとも部品搬送路から滑落したプロジェクションナットを起立状態で移送する起立溝部と、この起立溝部に連続し起立状態のプロジェクションナットを傾倒させる傾斜部材を備えている請求項1または請求項2記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
  4. 前記反転構造部の後流側の部品搬送路に、異常な向きのプロジェクションナットの通過を禁止する通過規制手段が設けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
  5. 前記通過規制手段は、プロジェクションナットの通過空間を形成する空間形成部材と、プロジェクションナットのねじ孔の軸線方向に通過空間内に突出している規制部材によって構成され、正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められることにより通過規制手段の後方への移動が禁止されるように構成した請求項4記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
  6. 前記反転構造部の後流側の部品搬送路が所定の方向に傾斜させてあり、この部品搬送路には正常な向きのプロジェクションナットの溶着用突起を係止するガイド形状部が設けられているとともに、このガイド形状部が前記通過規制手段に到達した状態で形成され、この通過規制手段近傍の部品搬送路が異常な向きのプロジェクションナットを部品搬送路から滑落させる滑落部とされている請求項4または請求項5記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
  7. 前記規制部材と空間形成部材の入口側端部との間の長さは、規制部材に受け止められている異常な向きのプロジェクションナットが前記入口側端部から露出して向きを変えながら部品搬送路から滑落できる長さとされている請求項5または請求項6記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
  8. ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とし、プロジェクションナットを収容する円形の振動式ボウルが設けられ、このボウルの外壁板に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有し、この部品搬送路に送出管が接続されている形式のものにおいて、
    前記溶着用突起が下向きになった正常な向きのプロジェクションナットを送出するとともに、溶着用突起が上向きになった異常な向きのプロジェクションナットは送出しないように機能するものであって、
    前記部品搬送路に異常な向きのプロジェクションナットの通過を禁止する通過規制手段が設けられ、この通過規制手段は、プロジェクションナットの通過空間を形成する空間形成部材と、プロジェクションナットのねじ孔の軸線方向に通過空間内に突出している規制部材によって構成され、
    前記空間形成部材にいたる部品搬送路に正常な向きのプロジェクションナットの溶着用突起を係止するガイド形状部が空間形成部材に到達した状態で形成され、空間形成部材近傍の部品搬送路が異常な向きのプロジェクションナットを部品搬送路から滑落させる滑落部とされ、
    前記規制部材と空間形成部材の入口側端部との間の長さは、規制部材に受け止められている異常な向きのプロジェクションナットが前記入口側端部から露出して向きを変えながら部品搬送路から滑落できる長さとされ、
    正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められて向きを変えながら部品搬送路から滑落し通過規制手段の後方への移動が禁止されるように構成したことを特徴とするプロジェクションナット用パーツフィーダ。
  9. 前記通過規制手段が前記送出管の上流側に連続した状態で配置されている請求項8記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
JP2006030278A 2006-01-10 2006-01-10 プロジェクションナット用パーツフィーダ Pending JP2007186341A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006030278A JP2007186341A (ja) 2006-01-10 2006-01-10 プロジェクションナット用パーツフィーダ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006030278A JP2007186341A (ja) 2006-01-10 2006-01-10 プロジェクションナット用パーツフィーダ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007186341A true JP2007186341A (ja) 2007-07-26

Family

ID=38341776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006030278A Pending JP2007186341A (ja) 2006-01-10 2006-01-10 プロジェクションナット用パーツフィーダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007186341A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202407A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Yoshitaka Aoyama 突起付き部品の表裏判別装置
CN114043056A (zh) * 2021-11-08 2022-02-15 成都润信实业有限公司 一种非标准垫片的定位轨道及具有该定位轨道的焊接装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202407A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Yoshitaka Aoyama 突起付き部品の表裏判別装置
CN114043056A (zh) * 2021-11-08 2022-02-15 成都润信实业有限公司 一种非标准垫片的定位轨道及具有该定位轨道的焊接装置
CN114043056B (zh) * 2021-11-08 2022-11-22 成都润信实业有限公司 一种非标准垫片的定位轨道及具有该定位轨道的焊接装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2360805T3 (es) Sistemas de transporte y de acumulación de productos con transportador doble.
JP2007186341A (ja) プロジェクションナット用パーツフィーダ
TW201607866A (zh) 振動式零件搬送裝置
JP4582478B2 (ja) プロジェクションナット用パーツフィーダ
JP6593142B2 (ja) パーツフィーダ
JP2008094618A (ja) 部品送給装置および送給方法
JP4034891B2 (ja) 振動式部品供給機における部品表裏整列装置
JP4632033B2 (ja) プロジェクションナット用パーツフィーダ
JP5164006B2 (ja) 部品送出通路構造
KR200402641Y1 (ko) 스폿용접기의 용접너트 선별장치용 정 방향 공급구조
JP4721131B2 (ja) フランジ付き部品用パーツフィーダ
JP6206827B2 (ja) 過長部品の通過規制構造部およびパーツフィーダ
JP5147303B2 (ja) ボルトフィーダ
JP7044598B2 (ja) シート搬送装置
JP2005041685A (ja) パーツフィーダ
JP4984305B2 (ja) プロジェクションナットの通路部材およびパーツフィーダ
JP2008037620A (ja) 部品供給装置、及びトラック調整方法
JP2005041686A (ja) パーツフィーダおよびパーツフィーダの製造方法
JP5904029B2 (ja) ワーク整列搬送装置
JP6160925B2 (ja) 過長部品の通過規制構造部およびパーツフィーダ
JP2019151446A (ja) 姿勢整列装置
JP2008094617A (ja) パーツフィーダ
JP2008156025A (ja) 部品供給装置
JP2006213516A (ja) パーツフィーダ
JP2004244169A (ja) パーツフィーダ