JP2007182384A - 抗炎症治療薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】正常細胞におよぼすアポトーシス作用が低く抑えられ、抗炎症効果の増強された治療薬を提供することである。
【解決手段】特定のステロイド剤および黄ごん由来成分を併用することによる。ステロイド剤単独では正常細胞に対するアポトーシスによる副作用が生じるのに対し、黄ごん由来成分を併用することで、正常細胞に対するステロイド剤のアポトーシス作用が軽減させるが、ステロイド剤の抗炎症効果は維持させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、併用効果の優れた抗炎症作用を有する治療薬に関し、より詳細には併用することにより副作用の少ない抗炎症作用を有する治療薬に関する。
ステロイド剤は、強力な抗炎症作用、免疫抑制作用などを示す薬剤として極めて広範な薬物療法に使用されている。ステロイドとはステロイド骨格を持つ化合物であり、もともと生体内の副腎等の臓器で作られている。ステロイド剤は、一般には副腎皮質ステロイド製剤を指す。このステロイド剤の適応範囲は広く、適応症が最も多い薬剤と言える。種々のステロイド剤の中で、対象患者の多い疾患として、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症・アレルギー性鼻炎、突発性難聴、関節リウマチ、膠原病、ネフローゼ症候群、潰瘍性大腸炎などが挙げられる。
炎症は、プロスタグランジンやロイトコリエンなどの物質をメディエータとして誘発される。ステロイド剤は、細胞の核内に取り込まれて遺伝子を活性化することにより蛋白質リポコルチンを合成し、リポコルチンがホスホリパーゼA2を阻害し、その結果プロスタグランジンとロイコトリエンの合成を抑制することにより、抗炎症作用を示す。また最近では、ステロイド剤がIL(インターロイキン)-1、IL-6、IL-8、TNF-αなどの炎症性サイトカイン遺伝子、及びプラスタグランジンの生合成に関わるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)遺伝子の発現を制御すると考えられており、これはステロイド剤の抗炎症作用の主な作用機構として認識されている。
しかしながら、ステロイド剤を長期にわたって適用したり、頻繁に適用したりすると、生体内に十分量のステロイドが存在することになり生体自身がステロイドの生産をやめてしまうため、重度の副作用を発生してしまうという問題がある。また、ステロイド剤の深刻な副作用の一つとして易感染性が挙げられる。これはステロイド剤が胸腺及びリンパ節の重量低下、抗体産生低下、細胞性免疫低下、サイトカイン産生低下などのように免疫系に働きかけ、生体を感染しやすい状態にするためと考えられている。ステロイド剤の副作用は多様であり、骨粗鬆症や動脈硬化病変、消化性潰瘍等がある。
これまでに、ステロイド剤の副作用を軽減すべく種々の対応策が検討されている。例えば、骨粗鬆症に対してはビタミンD製剤やサイアザイド系製剤等の投与、消化性潰瘍に対してはH2ブロッカーの併用投与等が行われている。
また、アレルギー性疾患の治療においては、抗ヒスタミン剤やステロイド剤等の投与による副作用を和らげるため、カンゾウを併用する医薬組成物の使用が報告されている。この医薬組成物は、アトピー性皮膚炎の予防の観点から黄ごんをさらに含むことが推奨されている(特許文献1)。
化粧品や医薬部外品の分野において、アトピー性皮膚炎やにきび、肌荒れ疾患のある場合に使用することのできる抗炎症化粧料が報告されている。該抗炎症化粧料は黄ごんなどのシソ科植物の培養抽出物と酢酸ヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤を含み、少量の抗炎症剤で高い抗炎症効果を得ることができるものである(特許文献2)。しかしながら、化粧料は抗炎症剤を少量でしか含まないため、治療薬のように副作用が問題となることはほとんどない。
柴胡、半夏、桂枝、芍薬、黄ごん等からなる混合生薬として柴胡桂枝湯が知られており、これは従来より胃腸炎等を伴う感冒の症状に用いられている。柴胡桂枝湯エキスを、非ステロイド性抗炎症薬であるイブプロフェンに併用する感冒治療薬が報告されている。この治療薬においては、柴胡桂枝湯エキスがイブプロフェンの血漿中濃度を増加させること、イブプロフェンによる胃腸障害を軽減することが報告されている(特許文献3)。
また、生体が抗体産生細胞などの非自己を識別して自己を守るための生体反応として免疫がある。例えば細胞の生存にとって有害な侵襲が加わった場合、細胞が自らを守るために、免疫を活性化するような一群の蛋白質であるヒートショックプロテインを生産することが知られている。このヒートショックプロテインは正常細胞においても細胞周期や細胞分化に関与し、細胞と組織の生理機能維持のために重要な役割をはたしている。
生薬としての黄ごん及び印度蛇木の抽出エキスが、細胞のストレス蛋白産生を大幅に増加させることのできることが報告されている(特許文献4)。
これまでに、ステロイド剤と黄ごん由来成分との併用により、ステロイド剤による副作用を軽減することのできる治療薬についての報告はない。
特開2002−53485号公開公報 特開2001−354579号公開公報 特開平8−208465号公開公報 特開2001−39875号公開公報
本発明は、正常細胞に及ぼすステロイド剤のアポトーシス作用が低く抑えられ、ステロイド剤の抗炎症作用が維持された治療薬を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ステロイド剤の単剤投与では、疾患に対する有効量を投与すると正常細胞にアポトーシスによる副作用を与えてしまうのに対し、生薬成分、特に黄ごん由来成分を併用することで正常細胞に対するアポトーシス作用が軽減され、かつステロイド剤の抗炎症作用が維持される優れた治療薬となりうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は以下よりなる。
1.ステロイド剤と、ステロイド剤が引き起こす正常細胞に対するアポトーシスによる副作用を防御しうる量の黄ごん由来成分とを併用する抗炎症治療薬。
2.ステロイド剤と黄ごん由来成分の使用する割合が、モル比に換算して1:10〜1:105である前項1に記載の抗炎症治療薬。
3.前記ステロイド剤が、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメサゾン、又はベタメタゾンのいずれか1である前項1又は2に記載の抗炎症治療薬。
4.黄ごん由来成分との併用で使用するステロイド剤を主成分とする前項1〜3のいずれか1に記載の抗炎症治療薬。
5.前記黄ごん由来成分が、フラボノイドを含む成分である前項1〜4のいずれか1に記載の抗炎症治療薬。
6.前記フラボノイドを含む成分が、オウゴニン及び/又はその誘導体を含む前項5に記載の抗炎症治療薬。
7.前項1〜6のいずれか1に記載の抗炎症治療薬を含む医薬組成物。
黄ごん由来成分とステロイド剤とを併用することにより、正常細胞に対するアポトーシス作用は軽減されるが、ステロイド剤の抗炎症作用は維持されることが確認され、正常細胞に対する損傷による副作用が軽減された抗炎症治療薬を提供することができる。
本発明の抗炎症治療薬は、ステロイド剤と、ステロイド剤が引き起こす正常細胞に対するアポトーシスによる副作用を防御しうる量の黄ごん由来成分とを併用することによる。
黄ごん由来成分で、従来生薬として使用されてきた成分はフラボノイドを含み、その主成分はオウゴニン、バイカリン、バイカレインなどが挙げられる。本発明の併用による抗炎症治療薬に使用される成分も、黄ごん由来成分であり、フラボノイドを含み、具体的にはオウゴニン、バイカリン、バイカレイン等を使用することができ、好ましくはオウゴニンを用いることができる。また、本発明の黄ごん由来成分として、天然物より抽出された成分に限定されず、フラボノイドを含み、生薬として実質的に黄ごん由来成分と同等の効果を有する成分も含まれる。このような成分であれば、合成によって得られた成分であっても良い。
フラボノイドを含む上記成分を示す化合物は、次の(化1)に表される基本骨格を含む構造によって表される。
Figure 2007182384
フラボノイドを含む化合物として、具体的には次の(化2)〜(化6)で表される化合物が例示される。(化2)〜(化6)の各化合物について、式中、R1〜R5は、各々について水素原子、水酸基、メトキシ基、又はメチレンジオキシ基を示す。これらの化合物のうち好ましい化合物は、(化2)で表される化合物であるオウゴニン及びその誘導体であり、特に好ましいのはオウゴニンである。オウゴニンとは、(化2)においてR1〜R5の全てが水素原子の化合物である。
Figure 2007182384
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Figure 2007182384
Figure 2007182384
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ステロイド剤としては、例えば、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメサゾン、パルミチン酸デキサメサゾン、ベタメタゾン、酢酸パラメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸ハロプレドン等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上混合して用いることができる。なかでも、本発明の所望の効果を得る観点からヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメサゾン、ベタメタゾンのいずれか1が好ましい。
ヒドロコルチゾンは生理的コルチコステロイドであり、作用時間が比較的短い上に副作用が強い。プレドニゾロンは経口投与剤として汎用されており、ヒドロコルチゾンのステロイド骨格の1,2位に二重結合を有し、このためヒドロコルチゾンよりも強力な抗炎症作用を持つ。デキサメサゾンはプレドニゾロンの9位にフッ素、16位にメチル基を導入した合成グルココルチコイドであり、プレドニゾロンよりも強力な抗炎症、抗アレルギー作用を持つ。ベタメタゾンはデキサメサゾンの異性体であり、長時間作用する強力なステロイド剤である。
これらのステロイド剤は、膠原病、気管支炎等の各種炎症、喘息、アレルギー性疾患等の治療に用いられている。しかしながら、感染症、消化性潰瘍、骨粗鬆症、緑内障、副腎萎縮等の種々の重篤な副作用を発現することが知られている。
上記ステロイド剤は、例えば、市販のものを粉末にして使用することができる。
本発明の治療薬においては、併用するステロイド剤と黄ごん由来成分の量は、正常細胞に対するアポトーシス作用に基づいて決定することができる。即ち、ステロイド剤と黄ごん由来成分は、ステロイド剤単独使用の場合には正常細胞に対してアポトーシス作用を引き起こすが、黄ごん由来成分を併用した場合には、ステロイド剤の正常細胞に対するアポトーシス作用を軽減させうるような量で使用される。
ステロイド剤は、単独使用の場合に抗炎症作用を示す量であればよい。この場合、併用する黄ごん由来成分は、前記ステロイド剤の抗炎症作用を維持することができ、かつ前記ステロイド剤の正常細胞に対するアポトーシス作用を軽減させうる量を使用することができる。
このように、ステロイド剤の抗炎症作用を最大限に発揮させながら、正常細胞に対するアポトーシス作用による副作用を可能な限り軽減させうる量の、ステロイド剤と黄ごん由来成分の併用量は、ステロイド剤の種類や治療目的とする疾患の種類により適宜選択することができる。例えば、ステロイド剤:黄ごん由来成分の割合は、モル比に換算して1:10〜1:105の範囲から選択することができ、好ましくは1:102〜1:104、より好ましくは1:102〜1:103の範囲から選択することができる。
具体的には、前記ステロイド剤は培養細胞条件下で0.0001 μM〜10 μM、好ましくは0.001 μM〜5 μM、より好ましくは0.01 μM〜1 μMとなるように使用することができる。これに対して、黄ごん由来成分は上記条件を満たす量であり、0.001 μM〜 106 μM、好ましくは0.1 μM〜104 μM、より好ましくは1 μM〜100 μMとなる範囲から選択することができる。
アポトーシス作用は、生化学的、形態学的に確認することができる。たとえば、DNAの断片化を測定することにより、アポトーシスを確認することができる。DNAの断片化の測定は公知の方法に従って行うことができる(McConkey, D. J., et al., Glucocorticoids activate a suicide process in thymocytes through an elevation of cytosolic Ca2+ concentration. Arch.Biochem.Biophys., 269: 365-370, 1989)。
また、アポトーシスにより細胞が破壊すると、カスパーゼ-3様活性が認められることから、該活性の測定により、アポトーシスを確認することができる。カスパーゼ-3様活性の測定は公知の方法により行うことができる(Takahashi, A., et al., Affinity labeling displays the stepwise activation of ICE-related proteases by Fas, staurosporine, and CrmA-sensitive caspase-8. Oncogene, 14: 2741-2752, 1997)。
アポトーシス作用による細胞に及ぼす形態学的影響は、公知の方法に従って観察することができる(Lee, E. et al., A novel DNA cleaving agent, 2,2'-bis (2-aminoethyl) -4,4'-bithiazole, induces thymocyteapoptosis. Biochem.Mol.Biol.Int., 40: 151-157, 1996)。
抗炎症作用は、公知である種々の方法によって確認することができる。たとえば、ラットにおけるカラゲニン誘導浮腫を評価することにより、抗炎症作用を確認することができる。カラゲニン浮腫法は公知の方法に従って行うことができる(薬理学実習の実際とデータの見方、日本私立薬科大学協会・薬理学関連教科検討委員会編、1999年11月10日第1版第1刷、南山堂)。
本発明の抗炎症治療薬の適応症は、用いるステロイド剤が適応可能な疾患であれば適応でき、その範囲は極めて広い。具体的には、気管支喘息、関節リウマチや膠原病等の自己免疫疾患、ネフローゼ症候群、潰瘍性大腸炎、肝炎、膵炎、甲状腺炎等の臓器炎症等の疾患に対して使用することができる。
本発明は、ステロイド剤と黄ごん由来成分とを併用することを特徴とする治療薬に関する。また、本発明は治療薬を含み、上記疾患に対して効果を発揮する医薬組成物にまで及ぶ。医薬組成物には、薬理学的に許容される塩を含むことができる。「薬理学的に許容される塩」とは、慣用の無毒性の塩すなわち酸付加塩及び各種塩基との塩を挙げることができる。より具体的には、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸塩、酢酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸等の有機酸塩、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸塩及びアラニン、ロイシン、グルタミン酸等のアミノ酸塩並びにアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム塩、カルシウム塩等)等の無機塩基塩及びトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。
本発明における医薬組成物は、適宜、担体、香料、色素等を用いて、ペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、ゼラチン等で被覆してカプセルに加工して利用することもできる。医薬組成物の形態として、当業者公知の種々の形態の医薬製剤、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤及びトローチ剤等の経口剤、並びに軟膏、ローション、クリーム等の経皮吸収剤、注射剤、点眼剤、エアゾール剤、及び坐剤等の非経口剤が挙げられる。注射剤の場合は、安定性の点から、バイアル等に充填後、冷凍し、通常の凍結乾燥処理により水分を除き、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、体重、疾患の種類・程度、投与方法等によって異なるが、現在市場において通常用いられている量と同程度の量のステロイドを含むように使用することができる。また、ステロイド剤によるアポトーシスの副作用が軽減されることから、通常用いられている量よりも多い量を含むように使用してもよい。
以下により本発明の理解を深めるために実施例を用いて説明するが、これらは具体例のひとつであって本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1) 正常細胞に各種ステロイド剤とオウゴニンを併用したときのDNA断片化について
幼若雄性ラット (4-5週齢) の胸腺より胸腺細胞を採取し、10%ウシ胎児血清を含むRPMI 1640培地中で細胞密度10×106 cells/mlとした。細胞は採取直後に実験に供した。
ステロイド剤としてヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメサゾン、又はベタメタゾンを各々濃度を変えて(0 μM、0.01 μM、0.1 μM、又は1 μM)加え、5%CO2、37 ℃条件下で、6時間培養系と、オウゴニンを100 μM加えた培養系について、DNA断片化を測定することによりアポトーシス作用を確認した。DNA断片化率は断片化DNAと非断片化DNAを分離し、定量することにより測定した。DNA量は、McConkey, D. J., et al., Glucocorticoids activate a suicide process in thymocytes through an elevation of cytosolic Ca2+ concentration. Arch.Biochem.Biophys., 269: 365-370, 1989に記載の方法に従って、ジフェニルアミン法により測定した。総DNA量 (断片化DNA+非断片化DNA) に対する断片化DNA量の割合を%で表示した。
その結果、ステロイド剤単独の場合にはDNA断片化の傾向が認められ、オウゴニンを添加するとDNA断片化の軽減が認められた。その軽減効果は、プレドニゾロン(図2)、デキサメサゾン(図3)についてはステロイド剤の濃度がいずれの場合でも顕著であり、ヒドロコルチゾン(図1)、ベタメタゾン(図4)についてはステロイド剤の濃度が0.1 μM以上のときに、顕著であった。このことから、ステロイド剤は正常細胞に対してアポトーシス作用があるが、オウゴニンの添加により正常細胞に対するアポトーシス作用が軽減されることが確認された。従って、ステロイド剤による副作用がオウゴニンの添加により軽減されることが示唆された。
(実施例2) 正常細胞にデキサメサゾンとオウゴニンを併用したときのカスパーゼ-3様活性について
胸腺細胞(10×106 cells/mlを10 ml)をオウゴニン100 μM存在下又は非存在下でデキサメサゾン 0.1 μMとともに1〜4時間培養した後、50μlの抽出用緩衝液 (50 mM PIPES-NaOH (pH 7.4)、50 mM KCl、5 mM EGTA、2 mM MgCl2、20 μM サイトカラシンB、1 mM フェニルメチルスルホニルフルオリド、1 mM ジチオスレイトール、 1 μg/ml キモスタチン、1 μg/ml ロイペプチン、1 μg/ml ペプスタチン A、2.83 μg/ml E-64-d) に懸濁して凍結融解を繰り返したものを酵素標品とした。活性測定用緩衝液 (100 mM HEPES-KOH、 10% スクロース、0.1% 3-[(3-コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸 (CHAPS)、10 mM ジチオスレイトール、0.1mg/ml オボアルブミン) で酵素標品を希釈した後、100 μM アセチル-Asp-Glu-Val-Asp-α-(4メチル-クマリル-7-アミド)(Ac-DEVD-MCA) と37 ℃で反応し、7-アミノ-4-メチル-クマリン (AMC) の蛍光を測定した。
その結果、何も加えないコントロール条件及びオウゴニンを単独で加えた系では、培養時間の経過に伴うカスパーゼ-3様活性の急激な増加は認められなかった。
デキサメサゾンを単独で加えた系では、培養時間の経過に従いカスパーゼ-3様活性の上昇を認めたが、オウゴニンを加えた系では、デキサメサゾン単独の場合に比べてカスパーゼ-3様活性の上昇が抑えられた(図5)。
この結果からデキサメサゾンとオウゴニンとを加えた系では、デキサメサゾン単独の系よりカスパーゼ-3様活性が低く抑えられたので、正常細胞に対するデキサメサゾンのアポトーシス作用が軽減されることが示唆された。
(実施例3)
各群4〜5匹のラットに対し、デキサメサゾンを0.3 mg/kgで腹腔内に、及びオウゴニンを10.4 mg/kgで皮下に投与した。コントロール、及びデキサメサゾン又はオウゴニンの単独投与群には、腹腔内又は皮下に溶媒の0.5% CMC溶液を投与した。その2時間後に、起炎物質である1%カラゲニン溶液をラットの右足蹠に、0.1 ml注射した。さらに2及び4時間後にラットの右足容積を測定した。投与前の足容積に対する増加率を浮腫率として算出した。
その結果、何も加えないコントロール条件及びオウゴニンを単独で加えた系では、時間の経過に伴い浮腫率が増加した。
デキサメサゾン単独で加えた系及びデキサメサゾンにオウゴニンを加えた系では、コントロール条件及びオウゴニンを単独で加えた系に比べて、カラゲニン投与2時間後及び4時間後ともに、浮腫率が著しく低く抑えられた(図6a、b)。
この結果からデキサメサゾンはカラゲニンによる足浮腫を劇的に抑制し、さらにオウゴニンを加えてもデキサメサゾンの抗炎症作用を全く低減させないことが示唆された。
以上説明したように、本発明のステロイド剤と黄ごん由来成分の併用による抗炎症治療薬により、正常細胞に対するアポトーシス副作用が軽減化され、かつ疾患に対する抗炎症作用は維持することができるので、ステロイド剤による副作用が軽減され、より効果的な抗炎症効果を示す抗炎症治療薬及び該治療薬を含む医薬組成物を提供することができる。また本発明によると、ステロイド剤のアポトーシス副作用が軽減化されるので、通常に比べてステロイド剤の投与量増加が期待できることが示唆された。
正常細胞にヒドロコルチゾンとオウゴニンとを併用したときのDNA断片化率を示す図である。(実施例1) 正常細胞にプレドニゾロンとオウゴニンとを併用したときのDNA断片化率を示す図である。(実施例1) 正常細胞にデキサメサゾンとオウゴニンとを併用したときのDNA断片化率を示す図である。(実施例1) 正常細胞にベタメタゾンとオウゴニンとを併用したときのDNA断片化率を示す図である。(実施例1) 正常細胞にデキサメサゾンとオウゴニンとを併用したときのカスパーゼ-3様活性を示す図である。(実施例2) デキサメサゾンとオウゴニンとを併用したときのカラゲニン浮腫誘導2時間後における抗炎症作用を示す図である。(実施例3) デキサメサゾンとオウゴニンとを併用したときのカラゲニン浮腫誘導4時間後における抗炎症作用を示す図である。(実施例3)

Claims (7)

  1. ステロイド剤と、ステロイド剤が引き起こす正常細胞に対するアポトーシスによる副作用を防御しうる量の黄ごん由来成分とを併用する抗炎症治療薬。
  2. ステロイド剤と黄ごん由来成分の使用する割合が、モル比に換算して1:10〜1:105である請求項1に記載の抗炎症治療薬。
  3. 前記ステロイド剤が、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメサゾン、又はベタメタゾンのいずれか1である請求項1又は2に記載の抗炎症治療薬。
  4. 黄ごん由来成分との併用で使用するステロイド剤を主成分とする請求項1〜3のいずれか1に記載の抗炎症治療薬。
  5. 前記黄ごん由来成分が、フラボノイドを含む成分である請求項1〜4のいずれか1に記載の抗炎症治療薬。
  6. 前記フラボノイドを含む成分が、オウゴニン及び/又はその誘導体を含む請求項5に記載の抗炎症治療薬。
  7. 請求項1〜6のいずれか1に記載の抗炎症治療薬を含む医薬組成物。
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