JP2007181987A - セルロースエステルフィルムの製造方法、該フィルムを用いた偏光板、液晶表示装置及び光学補償フィルム - Google Patents

セルロースエステルフィルムの製造方法、該フィルムを用いた偏光板、液晶表示装置及び光学補償フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】ウェブを流延用支持体から容易に剥離出来、横段等の欠陥の発生がない、品質の良好な、光学補償フィルム用セルロースエステルフィルムを塩素系溶媒を使用することなく製造する方法を提供する。
【解決手段】実質的に非塩素系有機溶媒のみを用いた溶液流延法により、乾燥後のフィルム厚みが30μm以上70μm以下となるように製膜するセルロースエステルフィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースエステルフィルムの製造方法、該方法により製造されたセルロースエステルフィルム、該フィルムを用いた偏光板、液晶表示装置及び光学補償フィルムに関する。
液晶表示装置は、低電圧・低消費電力で小型化・薄膜化が可能など様々な利点から、パーソナルコンピューターや携帯機器のモニター、テレビ用途に広く利用されている。このような液晶表示装置は、液晶セル内の液晶分子の配列状態により様々なモードが提案されているが、従来は液晶セルの下側基板から上側基板に向かって約90°捩れた配列状態になるTNモードが主流であった。
一般に液晶表示装置は、液晶セル、光学補償シート、偏光子から構成される。光学補償シートは、画像着色を解消したり、視野角を拡大したりするために用いられており、延伸した複屈折フィルムや透明フィルムに液晶を塗布したフィルムが使用されている。
例えば、特許文献1では、ディスコティック液晶をトリアセチルセルロースフィルム上に塗布し配向させて、固定化した光学補償シートをTNモードの液晶セルに適用し、視野角を広げる技術が開示されている。しかしながら、大画面で様々な角度から見ることが想定されるテレビ用途の液晶表示装置は、視野角依存性に対する要求が厳しく、前述のような手法をもってしても要求を満足することはできていない。そのため、IPS(In−Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensatory Bend)モード、VA(Vertically Aligned)モードなど、TNモードとは異なる液晶表示装置が研究されている。特にVAモードはコントラストが高く、比較的製造の歩留まりが高いことからTV用の液晶表示装置として着目されている。
ところで、セルロースアシレートフィルムは、他のポリマーフィルムと比較して、光学的等方性が高い(レターデーション値が低い)という特徴がある。従って、光学的等方性が要求される用途、例えば偏光板には、セルロースアシレートフィルムを用いることが普通である。
一方、液晶表示装置の光学補償シート(位相差フィルム)には、逆に光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される。特にVA用の光学補償シートでは20〜200nmの正面レターデーション(Re590)、0〜400nmの膜厚方向レターデーション(Rth590)が必要とされる。従って、光学補償シートとしては、ポリカーボネートフィルムやポリスルホンフィルムのようなレターデーション値が高い合成ポリマーフィルムを用いることが普通であった。
以上のように光学材料の技術分野では、ポリマーフィルムに光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される場合には合成ポリマーフィルムを使用し、光学的等方性(低いレターデーション値)が要求される場合にはセルロースアシレートフィルムを使用することが一般的な原則であった。
特許文献2には、従来の一般的な原則を覆して、光学的異方性が要求される用途にも使用できる、高いレターデーション値を有するセルロースアセテートフィルムが提案されている。この提案では、セルローストリアセテートで高いレターデーション値を実現するために、少なくとも2つの芳香環を有する芳香族化合物、中でも1,3,5−トリアジン環を有する化合物を添加し、延伸処理を行っている。一般にセルローストリアセテートは延伸しにくい高分子素材であり、複屈折率を大きくすることは困難であることが知られているが、添加剤を延伸処理で同時に配向させることにより複屈折率を大きくすることを可能にし、高いレターデーション値を実現している。このフィルムは偏光板の保護膜を兼ねることができるため、安価で薄膜な液晶表示装置を提供することができる利点がある。
特許文献3には、炭素数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をAとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をBとしたとき、式2.0≦A+B≦3.0及び式A<2.4を同時に満たすセルロースエステルを含有する光学フィルムが開示されている。
また、一般にセルロースエステルフィルムは、セルロースエステルを、良溶媒であるメチレンクロライドのような塩素系溶媒に溶解し、製膜する方法が知られている。
上述の文献に開示されている方法は、安価で且つ薄い液晶表示装置が得られる点で有効である。しかしながら、近年、セルローストリアセテートを代表とするセルロースエステルに対する良溶媒であるメチレンクロライドのような塩素系炭化水素溶媒は、環境的にその使用に制限が加えられる傾向があり、近年、メチレンクロライドを使用しない製造方法が要望されている。
しかしながら、セルロースエステルの溶媒を非塩素系有機溶媒に代えて良好な品質のドープを得るのは難しい。
上記の様な要求に対して、つぎのような提案がなされている。ウェブと流延用支持体との密着性を軽減する方法として、セルローストリアセテートの原料である綿花リンターとパルプをそれぞれアセチル化してから特定の割合にする提案がある。この方法は、メチレンクロライドのような塩素系有機溶媒を用いてセルローストリアセテートドープとする場合には、効果が認められるが、非塩素系有機溶媒を用いる場合には、必ずしも十分な効果が認められなかった。更にセルローストリアセテート以外のセルロースエステルにはあまり効果的ではなかった。
また、セルローストリアセテートドープを調製するのに、塩素系有機溶媒を用いずに、メチレンクロライドのような塩素系有機溶媒に代えてアセトンや酢酸メチル等を用いて溶解する方法が提案されている。
例えば、実質的にアセトンからなる有機溶媒を用いた、あるいは酢酸メチルやアセトンと他の非塩素系有機溶媒を使用する冷却溶解法が提案されている。また、アセトン以外のエーテル類、ケトン類あるいはエステルから選ばれる有機溶媒を用いて冷却溶解する方法、セルローストリアセテートをアセトンと混合し、10〜5000kg/cmの圧力を加える方法が提案されている。また、アセトンや酢酸メチル等の溶媒に可溶で、アセチル基と炭素原子数3以上のアシル基が特定の関係にあるセルロースの混合脂肪酸エステルを用いて製膜する方法も提案されている。
さらに、特許文献4では、非塩素系溶媒を使用し、位相差をもち、光学補償性に優れた位相差フィルムを製膜する方法も提案されている。この文献では非塩素系溶媒として酢酸メチルが用いられた例が記載されているが、その場合のフィルムの膜厚は80μmの場合の開示があるのみである。
また、近年の液晶テレビの普及、高品質化により、画面の輝度が増加し、フィルムむらや欠陥が見えやすくなったため、より高品位なフィルム面状が求められている。さらに、大画面化により、より広範囲での面状安定性も求められている。
特許第2587398号公報 欧州特許出願公開第911656号明細書 特開2002−71957号公報 特開2003−279729号公報
本発明の目的は、塩素系溶媒を使用することなくセルロースエステルドープを調製し、ウェブを流延用支持体から容易に剥離出来、横段むら等の欠陥の発生がない、品質の良好な、光学補償フィルム用セルロースエステルフィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は下記構成により達成される。
(1) 実質的に非塩素系有機溶媒のみを用いた溶液流延法により、乾燥後のフィルム厚みが30μm以上70μm以下となるように製膜することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
(2) フィルムの搬送方向、及び/または、搬送方向と垂直な方向(幅手方向)に1%以上100%以下延伸する工程を含むことを特徴とする(1)記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(3) 延伸前の残留溶媒量が20%以上60%以下で延伸する工程を含むことを特徴とする(1)または(2)に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(4) 前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の製造方法で作成されたことを特徴とするセルロースエステルフィルム。
(5) フィルムヘイズが0.1以上0.8以下(好ましくは0.1以上0.5以下)であることを特徴とする(4)に記載のセルロースエステルフィルム。なお、ヘイズ値は後記の実施例中の方法で測定した。
(6) 正面レターデーション値Reλ及び膜厚方向のレターデーション値Rthλが、下記数式(1)及び(2)を満たす(4)または(5)に記載のセルロースエステルフィルム。
数式(1):20nm≦Re590≦200nm
数式(2):70nm≦Rth590≦400nm
[式中、Re590、Rth590は、波長λ=590nmにおける値(単位:nm)である。]
なお、レターデーション値は後記の実施例中の方法で測定した。
(7) アシル化度(アシル基の総置換度)が2.50以上2.90以下のセルロースエステルフィルムであることを特徴とする(4)〜(6)のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルム。
(8) アシル基がアセチル基、プロピオニル基またはブチリル基であり、アセチル基の置換度をX、プロピオニル基およびブチリル基の置換度の合計をYとしたとき、
1.75≦X≦2.15
0.60≦Y≦0.80
であることを特徴とする(7)に記載のセルロースエステルフィルム。
(9) 非塩素系溶媒が、環状ジエーテル化合物であることを特徴とする(4)〜(8)のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルム。
(10) (4)〜(9)のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルムに光学異方性層を有することを特徴とする光学補償シート。
(11) 偏光子の少なくとも片側の保護膜に(4)〜(10)のいずれか一項に記載のフィルムを有することを特徴とする偏光板。
(12) (11)に記載の偏光板を、粘着剤により液晶セルに貼着することにより、前記片側の保護膜が液晶セル側に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
(13) (11)に記載の偏光板を、粘着剤により液晶セルに貼着することにより、前記片側の保護膜が液晶セル側に配置されることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
(14) (11)に記載の偏光板を、粘着剤により液晶セルに貼着することにより、前記片側の保護膜が液晶セル側に配置されることを特徴とするOCBモードの液晶表示装置。
環境負荷の少ない非塩素系溶媒を用いた場合でも、剥ぎ取りムラが少なく、表示品質に優れ、かつ、光学補償性にも優れた位相差フィルムを作製することができる。
以下本発明を詳細に説明する。本発明は環境負荷が少ない非塩素系溶媒を使用して作製し、面状等の品質に優れた、光学補償用フィルム、及び、そのフィルムを用いた偏光板、液晶表示装置を提供することを目的としている。実質的に非塩素系有機溶媒のみとは、全有機溶媒量に対して塩素系有機溶媒が10質量%以下をいい、好ましくは5質量%以下、最も好ましくは0質量%で全く含まない場合である。
非塩素系溶媒を使用した場合には、ウェブの剥離性が悪く、剥ぎ取り時に横段むらが発生する問題があったが、本発明者は、フィルムの膜厚を70μm以下に薄くすることで、ウェブの乾燥を促進し、剥ぎ取り時の横段むらを抑制できることを見出した。フィルムの膜厚は、剥ぎ取り性の観点から70μm以下であり、剥ぎ取り後の取り扱い性から、30μm以上である。好ましくは30μm以上65μm以下であり、特に好ましくは30μm以上60μm以下である。
さらに本発明では、延伸前の残留溶媒量が20%以上60%以下であることが好ましい。剥離製向上のため薄膜にすると、正面レターデーション、厚み方向のレターデーションが膜厚分小さくなる。本発明者の鋭意研究により、延伸前の残留溶媒量が多いと、厚み方向のレターデーションRthが増加しやすいことがわかった。よって、薄膜でも適切なレターデーション値を得るために、延伸前の残留溶媒量は、20%以上60%以下であることが好ましく、25%以上60%以下であることが好ましく、30%以上60%以下であることが特に好ましい。剥ぎ取り時の残留溶媒量が60%以上になると、ウェブが軟化しすぎ取り扱い性困難となるため好ましくない。
本発明のセルロースエステルフィルムは偏光子と貼合することによって、環境負荷が少なく、面状にも優れた偏光板を得ることができ、これを用いた表示装置は、環境負荷が少なく、優れた表示特性を発揮することができる。
一般に、液晶表示装置に用いられる偏光板は、偏光膜及びその両側に配置された2枚の透明保護膜からなる。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、2色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。そして、偏光板の一方の保護膜を、上記のポリマーフイルムからなる光学補償シート、もしくは、ポリマーフィルムと液晶性化合物を含む光学異方性層とを積層してなる光学補償シートとすることで、本発明の偏光板を作製することができる。偏光膜と光学補償シートの接着は、溶媒が水を主成分とする接着剤を用いることにより製造することが好ましい。また、偏光膜の他方の保護膜として、通常のセルロースアセテートフイルムを積層してもよい。本発明の偏光板において、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸の関係は、適用される液晶表示装置の種類により以下のように配置することが好ましい。本発明の偏光板を、TN、VA、及びOCBモードの液晶表示装置に用いる場合は、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸を実質的に平行になるように配置し、反射型液晶表示装置に用いる場合は、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸を実質的に45°となるように配置することが好ましい。
本発明の光学補償シートまたはそれを用いる偏光板は、透過型液晶表示装置あるいは反射型液晶表示装置に有利に用いられる。透過型液晶表示装置の例としては、TN、VA、及びOCBモードの液晶表示装置液晶が挙げられる。これらの液晶表示装置は、セル及びその両側に配置された2枚の偏光板からなる。液晶セルは、2枚の電極基板の間に液晶を坦持している。OCBモードの液晶表示装置の場合、本発明の光学補償シートは、ポリマーフィルム上に円盤状化合物、もしくは棒状液晶化合物を含む光学異方性層を有することが好ましい。また、反射型液晶表示装置は、液晶セルを偏光板と反射板により狭持してなる。
本発明の光学補償シートを液晶表示装置に用いる場合は、光学補償シートを、液晶セルと一方の偏光板との間に、1枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に2枚配置する。このように、通常の偏光板と液晶セルとの間に、本発明の光学補償シートを挿入して、従来と同様に液晶セルを光学的に補償することができる。本発明の偏光板を液晶表示装置に用いる場合は、液晶表示装置の2枚の偏光板のうちの少なくとも一方の偏光板を、本発明の偏光板とすればよい。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digestoftech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(OpticallyCompensatoryBend)液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120°にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
本発明の位相差フィルムに用いられるセルロースエステルは、アセチル基の置換度が1.75以上2.15以下で、プロピオニル基及び/またはブチリル基の置換度の合計が0.60〜0.80であるセルロースエステルであることが好ましく、さらに、アセチル基の置換度が1.75以上1.95以下、プロピオニル基及び/またはブチリル基の置換度の合計が0.61以上0.76以下であることが好ましい。アシル化度(アシル基の総置換度)は2.35以上2.95以下であり、2.50以上2.90以下がより好ましい。
このようなセルロースエステルはセルロースの水酸基を無水酢酸、無水プロピオン酸及び/または無水酪酸を用いて常法によりアセチル基、プロピオニル基及び/またはブチル基を上記の範囲内に置換することで得られる。このようなセルロースエステルの合成方法は、特に限定はないが、例えば、特開平10−45804号に記載の方法で合成することができる。
アセチル基、プロピオニル基及び/またはブチル基の置換度は、ASTM−D817−96により測定することができる。
セルロースエステルの極限粘度は、偏光板用保護フィルムとして好ましい機械的強度を得るためには、1.50〜1.75g/cmが好ましく、さらに1.53〜1.63の範囲が好ましい。
セルロースエステルの水分量は、得られるフィルムの高い透明性を得る点から0.01〜2.0質量%であることが好ましく、さらに0.01〜1.5質量%であることが好ましい。これらの特性値はASTM−D817−96により測定することができる。
次に、溶液流延製膜方法によるセルロースエステルフィルムの製造方法について述べる。
本発明のセルロースエステルフィルムに使用するセルロースエステルの原料となるセルロースは特に限定はなく綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を用いることができる。これらを混合して使用してもよい。ベルトやドラムからの剥離性がよい綿花リンターから合成されたセルロースエステルを多く使用した方が生産性効率が高く好ましい。綿花リンターから合成されたセルロースエステルの比率は60質量%以上で剥離性の効果が顕著になるため、60質量%以上が好ましく、より好ましくは85質量%以上、さらには、単独で使用することが最も好ましい。本発明に使用するセルロースエステルについては、アセチル基、プロピオニル基及び/またはブチル基の置換度等は前述の通りである。
置換度の異なるセルロースエステルを2種以上混合して用いることもできる。先ず、セルロースエステルを溶解し得る有機溶媒に溶解してドープを形成する。セルロースエステルのフレークと有機溶媒を混合し、攪拌しながら溶解し、ドープを形成する。溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号、同9−95557号または同9−95538号に記載のように冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号に記載のように高圧で行う方法等種々の溶解方法がある。溶解後ドープを濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。ドープ中のセルロースエステルの濃度は10〜35質量%程度が好ましい。
セルロースエステルを溶解する有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、アセトン、シクロヘキサノン、アセト酢酸メチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、塩化メチレン等を挙げることができる。塩化メチレンのような塩素系有機溶媒は、昨今の厳しい環境問題の中では、使用を見合わせた方がよい場合もあり、非塩素系の有機溶媒の方が好ましい。中でも酢酸メチル、アセトンが好ましく、酢酸メチルがより好ましく使用できる。また、これらの有機溶媒に、メタノール、エタノール、ブタノール等の低級アルコールを併用すると、セルロースエステルの有機溶媒への溶解性が向上したりドープ粘度を低減できるので好ましい。特に沸点が低く、毒性の少ないエタノールが好ましい。
また、1,3−ジオキソラン類としては例えば、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−エチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランなどがあげられる。1,3−ジオキソラン類の中でも1,3−ジオキソランが残留溶媒量を少なくでき特に好ましい。
1,3−ジオキソラン類を単独または2種以上を併用してもかまわないが、他の良溶媒と混合して使用したほうが好ましい。メチレンクロライドを少量混合することも、溶解性が良くドープの粘度が低下するため好ましい。1,3−ジオキソラン類とメチレンクロライドとの比率は、質量比で10:90〜90:10が好ましく、30:70〜70:30がより好ましい。
本発明に使用される貧溶剤は例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等の炭素数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチレングリコール、モノメチルエーテル、アセトン、トルエン等をあげることができ、これらの貧溶媒を単独もしくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができるが、残留溶媒量が多い状態で剥離可能で生産効率が高いため、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサンが好ましく、n−ブタノール、シクロヘキサンがさらに好ましい。
本発明に係るセルロースエステルの溶解方法は、一般的な方法を用いることができるが、好ましい方法としては、セルロースエステルを貧溶媒と混合し、湿潤あるいは膨潤させ、さらに良溶媒と混合する方法である。このとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、撹拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。1,3−ジオキソラン類の比率が増えドープ粘度が上昇した場合には特に有効であり、ゲルやママコの発生を防止することもできる。
一般的に、非塩素系溶媒を用いると、剥離時の抵抗力が強くなる。本発明では、フィルム膜厚を薄くすることで剥離抵抗力を小さくするが、それに加えて、剥離促進剤を使用することも有効である。剥離促進剤は、剥離時の荷重を小さくする効果を有している。剥離促進剤としては、界面活性剤が有効であり、リン酸系,スルフォン酸系,カルボン酸系,ノニオン系,カチオン系などがあるが、これらに特に限定されない。これらの剥離促進剤は、例えば特開昭61−243837号などに記載されている。特開昭57−500833号にはポリエトキシル化リン酸エステルが剥離促進剤として開示されている。特開昭61−69845号には非エステル化ヒドロキシ基が遊離酸の形であるモノまたはジリン酸アルキルエステルをセルロースエステルに添加することにより迅速に剥離できることが開示されている。また、特開平1−299847号には非エステル化ヒドロキシル基およびプロピレンオキシド鎖を含むリン酸エステル化合物と無機物粒子を添加することにより剥離荷重が低減できることが開示されており、それらを用いることも可能である。剥離促進剤は、ドープ溶液に予め添加剤を溶解させ溶液としておくことも可能であるし、他の溶媒に溶解させて添加剤溶液として、ドープ溶液に添加することも可能である。
ドープ中には、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤、レターデーション発現(上昇)剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は、分子内に芳香族環を3個以上有することが好ましく、添加量は0.5〜30質量%が好ましい。
本発明において、セルロースエステルフィルム中に可塑剤を含有させることが好ましい。用いることのできる可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ビフェニルジフェニルホスフェート等を単独あるいは併用するのが好ましい。可塑剤は必要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。セルロースエステルに用いる場合、リン酸エステル系の可塑剤の使用比率は全可塑剤に対し50質量%以下が、セルロースエステルフィルムの加水分解を引き起こしにくく、耐久性に優れるため好ましい。リン酸エステル系の可塑剤比率は少ない方がさらに好ましく、リン酸エステル系の可塑剤、フタル酸エステル系やグリコール酸エステル系の可塑剤、クエン酸エステル、多価アルコールエステルを使用することが特に好ましい。
また、本発明において、セルロースエステルフィルム中に紫外線吸収剤を含有させることが好ましく、紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。特に、波長370nmでの透過率が、10%以下である必要があり、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下である。用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。登録3265393号に記載のベンゾトリアゾール化合物も好ましく用いることができる。紫外線吸収剤は2種以上用いてもよい。紫外線吸収剤のドープへの添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶媒に溶解してから添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。本発明において、紫外線吸収剤の総使用量はセルロースエステルに対し、0.05〜5.0質量%、好ましくは、0.1〜2.0質量%、より好ましくは0.1〜2.0質量%である。
さらに、本発明のセルロースエステルフィルム中には、酸化防止剤を含有させることが好ましく、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
また本発明において、セルロースエステルフィルム中に、取扱性を向上させるため、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子等のマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましい。微粒子の2次粒子の平均粒径は0.01〜1.0μmの範囲で、その含有量はセルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子には有機物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン等が挙げられ、表面にメチル基が存在するような処理が好ましい。微粒子の平均粒径が大きい方がマット効果は大きく、平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nmで、より好ましくは7〜16nmである。これらの微粒子はフィルム中では、通常、凝集体として存在しフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させることが好ましい。二酸化ケイ素の微粒子としてはアエロジル社製のAEROSIL200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはAEROSILR972、R972V、R974、R202、R812である。これらのマット剤は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。この場合、平均粒径や材質の異なるマット剤、例えばAEROSIL200VとR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲で使用できる。
本発明の光学樹脂フィルムにおいては所望の光学性能を得るためにRe発現剤あるいはRth発現剤を好ましく含有することが出来る。
本明細書において、Reλ、Rthλは、それぞれ波長λにおける面内のリターデーション及び厚さ方向のリターデーションを表す。Reλは“KOBRA 21ADH”{王子計測機器(株)製}において、波長λnmの光をフィルムの法線方向に入射させて測定される。Rthλは、前記Reλ、面内の遅相軸(“KOBRA 21ADH”により判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の、合計3つの方向で測定したレターデーション値を基に“KOBRA 21ADH”が算出する。
以下、Re発現剤、Rth発現剤について詳細に説明する。
本発明におけるRe発現剤は350nm〜800nmの波長範囲のモル吸光係数が1000以下であることがフィルムに不要の着色を引き起こさない点から好ましく、330nm〜800nmの波長範囲のモル吸光係数が1000以下であることがさらに好ましい。本発明の光学樹脂フィルムのReの絶対値を制御するには、溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である化合物をレターデーション上昇剤として用いることも好ましい。このような化合物を用いることで、可視域のReの波長依存性を実質変化することなく絶対値を制御することが出来る。
『レターデーション発現剤』とは、ある添加剤を含む光学樹脂フィルムの波長550nmで測定したReレターデーション値が、その添加剤を含まない以外は全く同様に作製した光学樹脂フィルムの波長550nmで測定したReレターデーション値よりも、20nm以上高い値となる『添加剤』を意味する。レターデーション値の上昇は、25nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、35nm以上であることが最も好ましい。
レターデーション上昇の機能の観点では、棒状化合物が好ましく、少なくとも一つの芳香族環を有することが好ましく、少なくとも二つの芳香族環を有することがさらに好ましい。
棒状化合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析または分子軌道計算によって求めることができる。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子の構造を求めることができる。分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造の角度が140度以上であることを意味する。
本発明におけるRe発現剤としては、特開2004−50516号公報の11〜14頁に記載の棒状芳香族化合物を好ましく用いることができる。
また、特開2005−134863号公報に記載の棒状化合物も、好ましく用いることができる。
棒状化合物は、液晶性を示すことも好ましい。棒状化合物は、加熱により液晶性を示す(サーモトロピック液晶性を有する)ことがさらに好ましい。液晶相は、ネマチィク相またはスメクティック相が好ましい。
好ましい化合物としては、特開2004−4550号公報に記載されているが、これに限定されるものではない。溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。
棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J.Am.Chem.Soc.,113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J.Org.Chem.,40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻、16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
また、本発明におけるRe発現剤は、単独あるいは2種類以上混合して用いることができる。本発明におけるRe発現剤の添加量はポリマー100質量部に対して、0.01〜30質量%が好ましく、0.05〜20質量%がさらに好ましい。
本発明におけるRe発現剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランの有機溶媒にRe発現剤を溶解してから、ドープに添加してもよいし、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
(Rth発現剤)
所望のRthレターデーション値を発現するため、Rth発現剤を用いることが好ましい。
ここでの『レターデーション発現剤』とは、ある添加剤を含む光学樹脂フィルムの波長550nmで測定したRthレターデーション値が、その添加剤を含まない以外は全く同様に作製した光学樹脂フィルムの波長550nmで測定したRthレターデーション値よりも、20nm以上高い値となる『添加剤』を意味する。レターデーション値の上昇は、30nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることが最も好ましい。
Rth発現剤は、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物が好ましい。Rth発現剤は、ポリマー100質量部に対して、0.01乃至20(0.01以上20以下)質量部の範囲で使用することが好ましく、0.01乃至15質量部の範囲で使用することがより好ましく、0.05乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好ましく、0.05乃至8質量部の範囲で使用することが最も好ましい。二種類以上のレターデーション上昇剤を併用してもよい。
Rth発現剤は、250乃至400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
Rth発現剤は、延伸により発現するReに影響しないことが好ましく、円盤状の化合物を用いることが好ましい。
円盤状の化合物としては、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含み、特に、芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が好ましく、特に1,3,5−トリアジン環が好ましく用いられる。具体的には、例えば特開2001−166144号公報に開示の化合物が好ましく用いられる。
円盤状の芳香族化合物は、ポリマー100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、ポリマー100質量部に対して、0.05乃至15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.05乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類以上の化合物を併用してもよい。
溶液流延製膜方法は、上記のドープを濾過して、定量ポンプでダイに送り、表面研磨されているステンレスベルトあるいは金属ドラム上にダイからドープを流延し、その金属支持体上で、有機溶媒を蒸発あるいは冷却して固化させて、金属支持体が一周する前にウェブを剥離し、乾燥工程で乾燥してフィルムを形成させるものである。
剥離する際、剥離張力は50〜390N/m程度にすることが好ましく、より好ましくは、100〜300N/m、さらに好ましくは、100〜250N/mである。
乾燥工程では、剥離したウェブをロール搬送乾燥機及び/またはテンター乾燥機に通し乾燥し、最終的にフィルムの残留溶媒量を0.5質量%以下にするが、好ましくは0.01質量%以下である。テンターで乾燥する際には、乾燥によってウェブが収縮するのをクリップで幅を保持する程度にクリップ間の張力を掛ければよいが、延伸倍率を大きくすると、Rth、Reを増加させることができ、残留溶媒量が20〜60質量%のときに延伸倍率1.01〜2.0倍(1%以上100%以下)に延伸することが好ましい。本発明では、Reを30〜200nmとするように延伸条件をコントロールすることが好ましい。また、Rthとして70〜400nmが好ましい。
延伸前の残留溶媒量としては、20%以上60%以下が好ましく、25%以上60%以下がさらに好ましく、30%以上60%以下が特に好ましい。
なお、残留溶剤量は下記式で計算する。
(残留溶剤量)=100×{(ウェブ中の溶剤量)/(ウェブの全体量)}
また、ロール搬送による乾燥工程においても、搬送張力をコントロールすることによりRe、Rthを増加させることができる。搬送張力としては50〜200N/mの範囲とするのが好ましく、より好ましくは、75〜150N/m、さらに好ましくは、75〜120N/mである。
また、本発明の位相差フィルムは、その厚さが30μm以上70μm以下であることが好ましく、さらに30μm以上65μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以上60μm以下である。
上記のように製造された本発明のセルロースエステルを有する位相差フィルムは偏光板用保護フィルムとして偏光板に好ましく用いられる。偏光板は前述のように、偏光子(偏光膜)の少なくとも一面に偏光板用保護フィルムを貼り合わせ積層することによって形成される。偏光子は従来から公知のものを用いることができ、例えば、ポリビニルアルコールフィルムのような親水性ポリマーフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して延伸したものである。セルロースエステルフィルムと偏光子との貼り合わせは、特に限定はないが、水溶性ポリマーの水溶液からなる接着剤により行うことができる。本発明においては、この水溶性ポリマー接着剤は完全鹸化型のポリビニルアルコール水溶液が好ましく用いられる。
このようにして得られた偏光板は、種々の液晶表示装置に使用できるが、本発明の偏光板用保護フィルムとして用いられる位相差フィルムは高いリターデーション値が得られることからVA型液晶表示装置に特に有用である。
本発明のセルロースエステルフィルムを用いた偏光板を、TN型、VA型、OCB型液晶セルの一面側または両面側に設けることにより、安定して広い視野角を有する液晶表示装置を得ることができる。偏光板の位相差フィルムが液晶セル側となるように貼り付けることが好ましい。
偏光板用保護フィルムのセルロースエステルフィルムのRe、Rthを上記の範囲とすることにより、本発明の液晶表示装置は視野角の広い特性を有することができる。
また、本発明の位相差フィルムは光学異方層を設けて、光学補償フィルムとすることもできる。光学異方層は位相差フィルム上に直接または下引き層を設けた上にさらに配向層を形成し、その上に液晶性化合物を塗設し、配向させ、その配向状態を固定化させて形成することができる。
本発明に係る配向層は、透明支持体上に配置され、後述する光学異方層に隣接して、光学異方層中の液晶化合物を配向するために用いられる。
本発明に係る光学異方層について説明する。
液晶層等のよる光学異方性層を塗設する方法が好ましく用いられる。
光学異方性層の形成に用いる液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物及び円盤状液晶性化合物(以下、円盤状液晶性化合物を「ディスコティック液晶性化合物」という場合もある)が挙げられる。棒状液晶性化合物及びディスコティック液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよい。また、最終的に光学異方性層に含まれる化合物は、もはや液晶性を示す必要はなく、例えば、光学異方性層の作製に低分子液晶性化合物を用いた場合、光学異方性層を形成される過程で、該化合物が架橋され液晶性を示さなくなった態様であってもよい。
(棒状液晶性化合物)
本発明に使用可能な棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章及び第11章、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
本発明に用いる棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、不飽和重合性基又はエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基が最も好ましい。
(ディスコティック液晶性化合物)
ディスコティック液晶性化合物には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
前記ディスコティック液晶性化合物には、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基又は置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造の、液晶性を示す化合物も含まれる。分子又は分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。
上記した様に、液晶性化合物から光学異方性層を形成した場合、最終的に光学異方性層に含まれる化合物は、もはや液晶性を示す必要はない。例えば、低分子のディスコティック液晶性化合物が熱又は光で反応する基を有しており、熱又は光によって該基が反応して、重合又は架橋し、高分子量化することによって光学異方性層が形成される場合などは、光学異方性層中に含まれる化合物は、もはや液晶性を失っていてもよい。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入することが好ましい。
本発明において、前記光学異方性層中、前記棒状化合物又は前記円盤状化合物の分子は、配向状態に固定されている。液晶性化合物の分子対称軸の、前記光学フィルム側の界面における配向平均方向は、該光学フィルムの面内の遅相軸との交差角が略45°(度)である。なお、本明細書において、「略45°」とは、45°±5°の範囲の角度をいい、好ましくは42〜48°であり、より好ましくは43〜47°である。
液晶性化合物の分子対称軸の配向平均方向は、一般に液晶性化合物もしくは配向膜の材料を選択することにより、又はラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。
本発明では、例えば、OCB方式用の光学補償フィルムを作製する場合、光学異方性層形成用配向膜をラビング処理によって作製し、光学フィルムの遅相軸に対して45°の方向にラビング処理することで、液晶性化合物の分子対称軸の、少なくともフィルム界面における配向平均方向が、フィルムの遅相軸に対して45°である光学異方性層を形成することができる。
例えば、本発明の光学補償フィルムは、遅相軸が長手方向と直交する長尺状の本発明の光学フィルムを用いると連続的に作製できる。具体的には、長尺状の該光学フィルムの表面に連続的に配向膜形成用塗布液を塗布して膜を作製し、次に該膜の表面を連続的に長手方向に45°の方向にラビング処理して配向膜を作製し、次に作製した配向膜上に連続的に液晶性化合物を含有する光学異方性層形成用塗布液を塗布して、液晶性化合物の分子を配向させて、その状態に固定することで光学異方性層を作製して、長尺状の光学補償フィルムを連続的に作製することができる。長尺状に作製された光学補償フィルムは、液晶表示装置内に組み込まれる前に、所望の形状に裁断される。
また、液晶性化合物の表面側(空気側)の分子対称軸の配向平均方向について、空気界面側の液晶性化合物の分子対称軸の配向平均方向は、光学樹脂フィルムの遅相軸に対して略45°であるのが好ましく、42〜48°であるのがより好ましく、43〜47°であるのがさらに好ましい。空気界面側の液晶性化合物の分子対称軸の配向平均方向は、一般に、液晶性化合物又は液晶性化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。液晶性化合物と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーなどを挙げることができる。分子対称軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性化合物と添加剤との選択により調整できる。特に界面活性剤に関しては、上述の塗布液の表面張力制御と両立することが好ましい。
液晶性化合物と共に使用する可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマーは、ディスコティック液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物の添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が4以上のモノマーを混合して用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高めることが出来る。
[配向膜]
本発明の光学樹脂フィルムは、光学異方性層を形成するために配向膜を有していてもよい。また、光学異方性層を作製する際にのみ配向膜を使用し、配向膜上に光学異方性層を作製した後に、該光学異方性層のみを本発明の光学樹脂フィルム上に転写してもよい。
本発明において、前記配向膜は、架橋されたポリマーからなる層であるのが好ましい。配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーであっても、架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。上記配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、光、熱又はPH変化等により、ポリマー間で反応させて形成する;又は、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間を架橋することにより形成する;ことができる。
架橋されたポリマーからなる配向膜は、通常、上記ポリマー又はポリマーと架橋剤との混合物を含む塗布液を、支持体上に塗布した後、加熱等を行なうことにより形成することができる。
後述のラビング工程において、配向膜の発塵を抑制するために、架橋度を上げておくことが好ましい。前記塗布液中に添加する架橋剤の量(Mb)に対して、架橋後に残存している架橋剤の量(Ma)の比率(Ma/Mb)を1から引いた値(1−(Ma/Mb))を架橋度と定義した場合、架橋度は50%〜100%が好ましく、65%〜100%が更に好ましく、75%〜100%が最も好ましい。
本発明において、前記配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。勿論双方の機能を有するポリマーを使用することもできる。上記ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマー及びシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーであり、さらにゼラチン、ポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。
本発明の光学樹脂フィルムへポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコールを直接塗設する場合、親水性の下塗り層を設けるか、もしくは、鹸化処理を施す方法が好ましく使用される。
上記ポリマーの中で、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては、例えば鹸化度70〜100%のものがあり、一般には鹸化度80〜100%のものが好ましく、鹸化度82〜98%のものがより好ましい。重合度としては、100〜3000のも範囲が好ましい。
変性ポリビニルアルコールとしては、共重合変性したもの(変性基として、例えば、COONa、Si(OX)、N(CH・Cl、C19COO、SONa、C1225等が導入される、但しXはH等を表す。)、連鎖移動により変性したもの(変性基として、例えば、COONa、SH、SC1225等が導入されている)、ブロック重合による変性をしたもの(変性基として、例えば、COOH、CONH、COOR、C等が導入される)等のポリビニルアルコールの変性物を挙げることができる。重合度としては、100〜3000の範囲が好ましい。これらの中で、鹸化度80〜100%の未変性もしくは変性ポリビニルアルコールが好ましく、より好ましくは鹸化度85〜95%の未変性ないしアルキルチオ変性ポリビニルアルコールである。
該ポリビニルアルコールには、光学フィルムと液晶からなる光学異方性層との密着性を付与するために、架橋・重合活性基を導入することが好ましく、その好ましい例としては、特開平8−338913号公報に詳しく記載されている。
配向膜にポリビニルアルコール等の親水性ポリマーを使用する場合、硬膜度の観点から、含水率を制御することが好ましく、0.4%〜2.5%であることが好ましく、0.6%〜1.6%であることが更に好ましい。含水率は、市販のカールフィッシャー法の水分率測定器で測定することができる。
なお、配向膜は、10ミクロン以下の膜厚であるのが好ましい。
本発明では、位相差フィルム上に光学異方層を形成し、本発明の光学補償フィルムとすることができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔位相差フィルムの作製〕
(位相差フィルム1)
表1に記載のアセチル基の置換度(A)、プロピオニル基の置換度(B)であるセルロースアセテートプロピオネート、表1に記載の可塑剤を、表1に記載の溶媒と密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しながら徐々に昇温し、60分かけて50℃まで上げ溶解した。このドープを安積濾紙社製の安積濾紙No.244を使用して3回濾過した後、静置しドープ中の泡を除いた。また、これとは別に、上記セルロースアセテートプロピオネート5kg、表1に記載の添加剤、酢酸メチル75Kgとエタノール25Kgを混合し撹拌溶解し、添加剤溶液を調製した。
上記ドープ100kgに対して添加剤溶液を2kgの割合で加え、スタチックミキサーにより十分混合した後、ダイからステンレスベルト上にドープ温度50℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から50℃の温水を接触させて温度制御されたステンレスベルト上で乾燥した後、さらにステンレスベルトの裏面に、12℃の冷水を接触させて15秒間保持した後、ステンレスベルトから剥離した。次いで剥離したウェブの両端をテンターで把持し、115℃で表2に記載の残留溶媒量の時、幅手方向に表2に記載の倍率で延伸し、次いで、120℃で乾燥させ位相差フィルム1を得た。フィルム膜厚は表2に示すとおりである。残留溶媒量は0.01質量%であった。
Figure 2007181987
なお、脂肪酸セルロースエステルの置換度及び残留溶媒量は以下のようにして測定した。
(脂肪酸セルロースエステルの置換度)
置換度はケン化法によって測定する。乾燥したセルロースエステルを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドの混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定の1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時間ケン化する。フェノールフタレインを指示薬として0.5mol/L硫酸で過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。また上記と同様な方法によりブランクテストを行う。さらに、滴定が終了した溶液の上澄み液を希釈し、イオンクロマトグラフを用いて常法により有機酸の組成を測定する。そして下記に従って置換度(%)を算出する。
TA=(Q−P)×F/(1000×W)
DSac=(162.14×TA)/(1−42.14×TA+(1−56.06×TA)×(AL/AC))
DSpr=DSac×(AL/AC)
式中、Pは試料の滴定に要する0.5mol/L硫酸量(ml)、Qはブランクテストに要する0.5mol/L硫酸量(ml)、Fは0.5mol/L硫酸の力価、Wは試料質量(g)、TAは全有機酸量(mol/g)、AL/ACはイオンクロマトグラフで測定した酢酸(AC)と他の有機酸(AL)とのモル比、DSacはアセチル基の置換度、DSprはプロピオニル基の置換度を示す。
(残留溶媒量)
(残留溶剤量)=100×{(ウェブ中の溶剤量)/(ウェブの全体量)}
(位相差フィルム2〜27)
セルロースエステル、溶媒、可塑剤、添加剤、工程条件を表1に記載のように変更した以外は位相差フィルム1と同様にして、位相差フィルム2〜27を作製した。ただし、位相差フィルム21は、添加剤溶液を作製する際に、酢酸メチル75Kg、エタノール25Kgの変わりに酢酸メチル100Kgを用いた。位相差フィルム22は、添加剤溶液を作製する際に、エタノール25Kgの変わりにブタノール25Kgを用いた。位相差フィルム23は、添加剤溶液を作製する際に、酢酸メチル75Kg、エタノール25Kgの変わりに1,3−ジオキソラン90kg、アセトン10Kgを用いた。位相差フィルム24は、添加剤溶液を作製する際に、酢酸メチル75Kg、エタノール25Kgの変わりに1,3−ジオキソラン90kg、エタノール10Kgを用いた。
また、位相差フィルム13、20には、添加剤溶液に剥離促進剤であるクエン酸エチルエステルを添加した。添加量は表1に記載のとおりである。
得られたフィルムの膜厚は表2に記載のとおりである。
Figure 2007181987
表中の可塑剤、添加剤について説明する。
可塑剤1は、エチルフタリルエチルグリコレート、可塑剤2はトリフェニルフォスフェイト、可塑剤3はジベンジルフタレート、可塑剤4はビフェニルジフェニルホスフェートである。
また、添加剤1はチヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製)、添加剤2はチヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製)、添加剤3はAEROSIL R972V(日本アエロジル社製)、添加剤4はチヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製)である。
レターデーション発現剤1
Figure 2007181987
レターデーション発現剤2
Figure 2007181987
T−1
Figure 2007181987
〔評価〕得られた、位相差フィルム1〜27について下記のようにして評価を行った。
(レターデーション値)
作製したセルロースアシレートフィルムについて、複屈折測定装置“KOBRA 21ADH”{王子計測器(株)製}を用い、25℃、60%RHで波長590nmにおけるRe590値及びRth590値を測定した。Rth590値の計算には平均屈折率として1.48を入力した。レターデーションの詳細については特開2001−166144号公報の段落番号0110を参照。
(ヘイズ値)
JISK−6714に従って、ヘイズメーター(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定し、透明性の指標とした。
(フィルム横段ムラ(剥ぎ取りムラ))
得られたフィルムを目視で観察し、その横段ムラの欠陥を以下のごとく評価した。
A:フィルムに横段ムラは認められない
B:フィルムに横段ムラが僅かに認められた
C:フィルムに横段ムラがかなり認められた
D:フィルムに横段ムラが多量認められた
得られた位相差フィルムの物性について、表2にまとめて示した。
〔偏光板の作製〕
(偏光板1)本発明の位相差フィルム1と市販のセルローストリアセテートフィルム(コニカタックKC8UX2MW、コニカ社製)を偏光板用保護フィルムとして用い、下記の手順で偏光子の両側にそれぞれ貼合して偏光板1を作製した。
(偏光板の作製)
(a)偏光子の作製厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gの比率からなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの比率からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し長尺の偏光子を得た。
(b)偏光板の作製
次いで、下記工程1〜5に従って、偏光子と各偏光板用保護フィルムとを貼り合わせて偏光板を作製した。
工程1:位相差フィルム1とセルローストリアセテートフィルムをそれぞれ2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に55℃で90秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。
工程2:前述の偏光子を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
工程3:工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く取り除き、それを工程1でアルカリ処理したセルローストリアセテートフィルムと位相差フィルム1とで挟み込んで、積層配置した。位相差フィルム1の遅相軸方向と偏光子の吸収軸とが直交するように配置した。
工程4:2つの回転するローラにて20〜30N/cmの圧力で約2m/minの速度で貼り合わせた。このとき気泡が入らないように注意して実施した。
工程5:80℃の乾燥機中にて工程4で作製した試料を3分間乾燥処理して、偏光板1を作製した。
(偏光板2〜27)
位相差フィルム1を位相差フィルム2〜27に変更した以外は同様にしてそれぞれ偏光板2〜27を作製した。
比較例1
実施例1と同様にして、表1に記載の条件で、位相差フィルムZ1、Z2を作製した。また、実施例1と同様にして、位相差フィルムZ1、Z2を用いた偏光板ZP1、ZP2を作製した。
(VAパネルへの実装)
VAモードの液晶TV(LC−32GD7、シャープ(株)製)の表裏の偏光板および位相差板を剥し、表と裏側に実施例1、比較例1で作製した偏光板および、視野角補償板のない市販の偏光板(HLC2−5618、サンリッツ(株)製)を、32インチの大きさで切り出して(辺に対して偏光板の吸収軸が平行になるように切り出した)、ラミネーターロールを用いて、表3の組合せで貼り付けた。
Figure 2007181987
この際、視認側の偏光板の吸収軸をパネル水平方向に、バックライト側の偏光板の吸収軸をパネル鉛直方向となり、位相差フィルム側が液晶セル側となるように配置した。
(視野角特性)
また、測定機(EZ−Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲)を測定した。ともに市販偏光板を用いたものを除き、表3の組合せで本発明のいずれの偏光板を使用した場合も、良好な視野角特性が得られた。
(表示品位)
また、液晶表示装置を黒表示にし、暗室で画面の均一性を評価したところ、比較例の偏光板を使用したパネルでは、画面の縦方向、横方向に、スジ状のムラが確認された。
(OCB型(ベンド配向)液晶セルの作製)
TFT電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップ(二枚のガラス基板の隙間)にフッ素系液晶化合物(物性値はΔn=0.16、Δε=9.3、k11=13.4pN、k22=7.4pN、k33=14.7pN)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。
(光学的位相差補償フイルムの作製)
実施例1で作製した位相差フィルム4、比較例で作製したZ1、Z2上に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。次に、セルロースアセテートフイルムの遅相軸(波長632.8nmで測定)と45゜の方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
Figure 2007181987
Figure 2007181987
得られた配向膜の上に、下記のディスコティック液晶TE=1とエチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)を質量比9対1で混合してメチルエチルケトンを加え、全体として10質量%の溶液を調整した。得られた溶液をスピンコート法により2000rpmで塗布を行い、145℃まで昇温して熱処理した。その後室温まで冷却し、厚さ1.4μmの(ディスコティック)液晶層を形成した。波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は30nmであった。また、円盤面と支持体(セルロースアセテートフイルム)面との間の角度は平均で36゜であった。このようにして光学的位相差補償フイルムA1、Z3、Z4を作製した。
TE−1
Figure 2007181987
実施例1同様にして偏光膜を作製した。ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した光学的位相差補償フイルム(A1、Z3、Z4)のセルロースエステルフィルム側を、セルロースエステルフイルムの遅相軸が偏光膜の透過軸と平行になるように、偏光膜の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。このようにして偏光板AP1、ZP3、ZP4を作製した。
得られたベンド配向セルを挟むように、作製した偏光板を二枚貼り付けた(組み合わせは表4参照)。偏光板の光学異方性層がセル基板に対面し、液晶セルのラビング方向とそれに対面する光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように配置した。液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加した。白表示2V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモードとした。透過率の比(白表示/黒表示)をコントラスト比として、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2007181987
表4の組合せで本発明のいずれの偏光板を使用した場合も、良好な視野角特性が得られた。
(表示品位)
また、液晶表示装置を黒表示にし、暗室で画面の均一性を評価したところ、比較例の偏光板を使用したパネルでは、画面の縦方向、横方向に、スジ状のムラが確認された。

Claims (14)

  1. 実質的に非塩素系有機溶媒のみを用いた溶液流延法により、乾燥後のフィルム厚みが30μm以上70μm以下となるように製膜することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
  2. フィルムの搬送方向、及び/または、搬送方向と垂直な方向に1%以上100%以下延伸する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  3. 延伸前の残留溶媒量が20%以上60%以下で延伸する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法で作成されたことを特徴とするセルロースエステルフィルム。
  5. フィルムヘイズが0.1以上0.8以下であることを特徴とする請求項4に記載のセルロースエステルフィルム。
  6. 正面レターデーション値Reλ及び膜厚方向のレターデーション値Rthλが、下記数式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする請求項4または5に記載のセルロースエステルフィルム。
    数式(1):20nm≦Re590≦200nm
    数式(2):70nm≦Rth590≦400nm
    [式中、Re590、Rth590は、波長λ=590nmにおける値(単位:nm)である。]
  7. アシル化度が2.50以上2.90以下のセルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルム。
  8. アシル基がアセチル基、プロピオニル基またはブチリル基であり、アセチル基の置換度をX、プロピオニル基およびブチリル基の置換度の合計をYとしたとき、
    1.75≦X≦2.15
    0.60≦Y≦0.80
    であることを特徴とする請求項7に記載のセルロースエステルフィルム。
  9. 非塩素系溶媒が、環状ジエーテル化合物であることを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルム。
  10. 請求項4〜9のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルムに光学異方性層を有することを特徴とする光学補償シート。
  11. 偏光子の少なくとも片側の保護膜に請求項4〜10のいずれか一項に記載のフィルムを有することを特徴とする偏光板。
  12. 請求項11に記載の偏光板を、粘着剤により液晶セルに貼着することにより、前記片側の保護膜が液晶セル側に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
  13. 請求項11に記載の偏光板を、粘着剤により液晶セルに貼着することにより、前記片側の保護膜が液晶セル側に配置されることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
  14. 請求項11に記載の偏光板を、粘着剤により液晶セルに貼着することにより、前記片側の保護膜が液晶セル側に配置されることを特徴とするOCBモードの液晶表示装置。
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