JPWO2009041352A1 - 多孔フイルムの製造方法、及び多孔フイルム、複合材料 - Google Patents

多孔フイルムの製造方法、及び多孔フイルム、複合材料 Download PDF

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Abstract

有機溶媒、高分子化合物、及び前記高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤(TPPやBDPなど)を含む溶液(11)をエンドレスベルト(51)にキャストする。キャストされた溶液(11)は、キャスト膜(22)となる。結露により、第1エリア(46)を通過するキャスト膜(22)上に水滴が形成する。第2エリア(47)を通過するキャスト膜(22)上の水滴が成長するとともに、有機溶媒が蒸発する。第3エリア(48)を通過するキャスト膜(22)上の水滴が蒸発する。剥取ローラ(57)により、第3エリア(48)を経たキャスト膜(22)は、柔軟性に富む多孔フイルム(17)としてエンドレスベルト(51)から剥ぎ取られる。

Description

本発明は、微細なパターンを有する多孔フイルムの製造方法、及び多孔フイルム、複合材料に関するものである。
今日、光学分野や電子分野では、集積度の向上や情報量の高密度化、画像情報の高精細化といった要求がますます大きくなっている。そのため、それら分野に用いられるフイルムに対しては、より微細な構造(微細パターン構造)を形成すること(微細パターニング)が強く求められている。また、再生医療分野の研究においては、表面に微細な構造を有する膜が、細胞培養の場となる材料として有効である。
このような微細パターンを有するフイルム(以下、多孔フイルムと称する)に機能性微粒子を含有させたものは光学材料及び電子材料として用いられる。例えば、偏光板に用いられる多孔フイルムとして、モスアイ構造を有する反射防止機能を発現する多孔フイルムがある。この多孔フイルムは、サブミクロン〜数十ミクロンサイズの規則正しい微細パターンが形成されている。その形成方法の中でも主流であるのは、光リソグラフィを中心としたマイクロ加工技術を用いた版を作成し、その版の構造をフイルムに転写する方法である。
フイルムの微細パターニングには、前述した方法の他、所定のポリマー溶液を支持体上にキャストして、支持体上のキャスト膜に加湿空気をあてて、キャスト膜上に水滴を形成し、キャスト膜に含まれる溶媒及び水滴の順に乾燥させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。このような方法で製造される多孔フイルムは、その微細パターンの形成挙動から自己組織化膜とも称される。
特開2002−335949号公報
ところで、通常、ポリマーフイルムに柔軟性を付与するために、ポリマー溶液の添加剤として可塑剤が用いられることは周知である。しかしながら、キャスト膜における可塑剤の存在は、キャスト膜上で多数の水滴が互いに均一なサイズで規則的に配列したようにできることを阻害するため、特許文献1に記載されるような方法を行う際、ポリマー溶液に添加剤を添加することができなかった。具体的には、可塑剤があると、発生初期の極微小な水滴である核が多く発生しすぎたり、水滴核が成長しすぎて水滴のサイズが所望の大きさを超えてしまい、これにより、複数の水滴がひとつに合わさって、孔径が不均一となったり、孔がフイルムの厚み方向にランダムに並んだいわゆる多孔構造の積層化がみられるようになったり、孔がつぶれてフイルムが変形しまうという問題がある。したがって、特許文献1に記載される方法から得られる多孔フイルムは、非常に脆く、取り扱いが非常に困難であることから、用いられる分野が限られていた。
本発明の目的は、柔軟性に富み、取り扱いが容易な多孔フイルムの製造方法、並びに、この方法によって得られる多孔フイルム及び複合材料を提供することにある。
本発明の多孔フイルムの製造方法は、支持体上に、有機溶媒、高分子化合物、及び前記高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤を含む液をキャストし、キャスト膜を形成するキャスト工程と、結露により、前記キャスト膜上に水滴を形成する水滴形成工程と、前記水滴を成長させ、かつ前記キャスト膜に含まれる前記有機溶媒を蒸発させる水滴成長工程と、前記水滴成長工程の後に、前記水滴を前記キャスト膜から蒸発させる水滴蒸発工程と、を備えることを特徴とする。
前記高分子化合物として、セルローストリアセテートまたは、セルロースアセテートプロピオネートを含むことが好ましい。また、前記可塑剤として、リン酸エステル系化合物とフタル酸エステル系化合物とグリコール酸エステル系化合物とのうちいずれか1つを含むことが好ましい。
前記水滴形成工程では、前記キャスト膜との相対速度が0.02m/秒以上2m/秒以下の加湿空気を、前記キャスト膜にあてることが好ましい。また、前記キャスト膜の周辺の雰囲気の露点TDから前記キャスト膜の表面温度TSを減じた値をΔTとするとき、3℃≦ΔT≦15℃の条件下で前記水滴形成工程を行うことが好ましい。
前記支持体が前記高分子化合物を含み、前記水滴蒸発工程を経た前記キャスト膜及び前記支持体を多孔フイルムとすることが好ましい。また、前記水滴蒸発工程を経た前記キャスト膜を多孔フイルムとして前記支持体から剥ぎ取ることが好ましい。
本発明の多孔フイルムは、径が0.1μm以上30μm以下の穴を表面に備え、高分子化合物と前記高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤とを含むことを特徴とする。
前記高分子化合物として、セルローストリアセテートまたは、セルロースアセテートプロピオネートを含むことが好ましい。また、前記可塑剤として、リン酸エステル系化合物とフタル酸エステル系化合物とグリコール酸エステル系化合物とのうちいずれか1つを含むことが好ましい。更に、前記穴の径が0.1μm以上1μm以下であることが好ましい。
本発明の複合材料は、径が0.1μm以上30μm以下の穴を表面に備え、高分子化合物とこの高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤とを含む多孔フイルムと、前記多孔フイルムの片面に設けられ、前記多孔フイルム中の前記高分子化合物と同じ高分子化合物を含む膜とを備えることを特徴とする。
本発明の多孔フイルムの製造方法によれば、走行する支持体上に、有機溶媒、高分子化合物、及び前記高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤を含む液をキャストし、キャスト膜を形成するため、柔軟性に富み、取り扱いが容易な多孔フイルム及び多孔フイルムを備える複合材料を製造することができる。
本発明に係るフイルム製造工程の概要を示す工程図である。 本発明に係る多孔フイルムが形成される状態の説明図である。 本発明に係る第1の多孔フイルムの平面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 図3のV−V線に沿う断面図である。 第2の多孔フイルムの断面図である。 第3の多孔フイルムの断面図である。 本発明に係る第1のフイルム製造設備の概略図である。 本発明に係る第2のフイルム製造設備の概略図である。 本発明に係る第3のフイルム製造設備の概略図である。 第3のフイルム製造設備により得られる第4の多孔フイルムの断面図である。
符号の説明
10 フイルム製造工程
12 キャスト工程
13 水滴形成工程
14 水滴成長工程
15 水滴蒸発工程
17,33,34,127 多孔フイルム
21 支持体
22,126 キャスト膜
25 水滴
26 溶媒
27 水蒸気
41 フイルム製造設備
42 溶液
46〜48 第1〜第3エリア
61,63,64,71〜74 送風吸気ユニット
125 ベースフイルム
144 複合材料
図1のように、フイルム製造工程10は、キャスト工程12と、水滴形成工程13と、水滴成長工程14と、水滴蒸発工程15とを有する。キャスト工程12では、高分子化合物、有機溶媒や可塑剤等を含む溶液11を支持体21の上にキャスト(流延)し、キャスト膜を形成する(図2の(a))。キャスト方法は、静置した支持体上に溶液11を載せて塗り広げる方法と、走行する支持体上に溶液11を流延ダイから流出する方法とがあり、本発明ではいずれの方法も用いることができる。前者は少ない生産量で多品種つくる場合、すなわち少量多品種生産の場合に一般には適し、後者は大量生産に一般には適する。なお、後者の方法では、連続的に溶液11を流出すると長尺の多孔フイルムをつくることができるし、断続的に溶液11を流出、つまり所定の時間で流延ダイからの流出のオン・オフを繰り返すと、所定長さの多孔フイルムを複数枚連続して製造することができる。
図2の(a)及び(b)のように、水滴形成工程13は、結露により、キャスト工程12で形成したキャスト膜22上に水滴25を形成させる、いわゆる核形成を目的とする。このとき生じた水滴25は、極めて小さく、肉眼で認めることができないような大きさである。次に、水滴成長工程14では、水滴25をゆっくり成長させる。この水滴成長工程14は、水滴形成工程13で発生した極めて小さな水滴25を成長させること、いわゆる核成長を目的とする。この水滴25の成長過程の間と後との少なくともいずれか一方で、キャスト膜22に含まれている有機溶媒26を蒸発させる。図2の(c)に示すように、水滴25の成長や有機溶媒26の蒸発により、水滴25はキャスト膜22の中に入り込む。なお、結露による水滴25に代えて、別の化合物の凝結体を用いてもよい。
図2の(d)のように、水滴蒸発工程15では、水滴25の状態が所望の状態となったところで、キャスト膜22中の水滴25を水蒸気27として蒸発させる。キャスト膜22の中に有機溶媒26が残留していた場合には、できるだけ多くの有機溶媒26を蒸発させた後に水滴25を蒸発させるような条件とする。水滴蒸発工程15を経たキャスト膜22を、多孔フイルム17として支持体21から剥ぎ取る。こうして、フイルム製造工程10(図1参照)により、溶液11から多孔フイルム17を得ることができる。
図3のように、多孔フイルム17の表面には、孔31が形成される。孔31は、規則的に配列し、その形状及び寸法は、略一定に形成される。本発明に係る多孔フイルムの孔には、図4及び図5に示す孔31のように、多孔フイルム17の両面を突き抜けるように形成される形態や、図6及び図7に示す窪み33a,34aのように、多孔フイルム33,34の片面側のみに形成される形態が含まれる。また、孔31や窪み33a、34aによって形成される多孔フイルム17、33、34の表面の開口部の径を開口径AP1とし、孔31や窪み33a、34aの径のうち最大のものを径AP2とすると、多孔フイルム17、34のように、開口径AP1が、孔31や窪み34aの径AP2よりも小さい場合、或いは、図6の多孔フイルム33のように、開口径AP1が、窪み33aの径AP2と等しい場合があるが、本発明の多孔フイルムは、いずれの形態であってもよい。したがって、本発明の多孔フイルムには、図3〜図7に示す多孔フイルム17、33,34が含まれる。
多孔フイルム33,34は、いずれも、窪み33a,34aのひとつひとつが独立して形成されているが、この態様に本発明は限定されない。例えば、本発明では、窪みが連なるように、つまり、隣り合う窪みの中心間距離Dが開孔径AP1または径AP2よりも小さくされた多孔フイルム(図示なし)もつくることができる。孔31及び窪み33a,34aの配列は、フイルム製造工程10における水滴の大きさ、水滴の形成分布の疎密の度合い、形成する液滴の種類、乾燥速度、溶液の固形分濃度、水滴成長工程における水滴成長度合いに対する有機溶媒26の蒸発のタイミング等によって異なるものとなる。
本発明により製造される多孔フイルム17,33,34の形態は特に限定されるものではないが、本発明は、例えば、厚みL1が0.05μm以上100μm以下の多孔フイルム17,33,34を製造する場合や、孔31の径D1が0.05μm以上100μm以下、隣りあう孔31の中心間距離L2が0.1μm以上120μm以下であるような多孔フイルム17を製造する場合に特に効果がある。また、開孔径AP1は、0.1μm以上30μm以下であることが好ましく、0.1μm以上20μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上1μm以下であることが更に好ましい。なお、開孔径AP1が0.1μm以上1μm以下の場合は、反射防止機能が発現するため、多孔フイルムを反射防止フイルムとして用いることができる。
以下、多孔フイルム17を製造する場合を本発明の一例として説明するが、多孔フイルム33,34を製造する場合もこれと基本的に同じである。したがって、多孔フイルム33,34の製造方法については、説明を略す。
(原料)
本実施形態においては、高分子化合物としてセルロースアシレートを用いているが、本発明はセルロースアシレートに限定されるものではない。セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACを用いる場合には、その90重量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1である)を意味する。
全アシル置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6は2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)である。
セルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていても良い。2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位及び6位の水酸基のアセチル基による置換度の総和をDSAとし、2位,3位及び6位の水酸基のアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DSBは0.30以上であり、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBはその20%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは25%以上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。さらに、6位のアシル置換度が0.75以上であり、さらには0.80以上であり特には0.85以上であることが好ましい。これらのセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液(ドープ)をつくることができ、特に非塩素系有機溶媒を使用して、良好なドープをつくることができる。また、粘度が低く、ろ過性の良い溶液が作製可能である。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター,パルプのどちらから得られたものでも良い。
炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル、ブタノイルである。なお、Bがプロピオニル基のものをCAP(セルロースアセテートプロピオネート)と称し、Bがブチリル基のものをCAB(セルロースアセテートブチレート)と称する。
セルロースアシレートとしてCAPまたはCABを用いる場合には、上記式(III)は、1.25≦B≦3.0であることが好ましく、1.3≦B≦2.97であることがより好ましく、1.4≦B≦2.97であることが最も好ましい。
多孔フイルム17の主たる成分としての高分子化合物は、用途等に応じて決定することができるが、その数平均分子量(Mn)が10,000〜10,000,000であるものが好ましく、50,000〜1,000,000であるものがより好ましい。
なお、本発明におけるポリマーは、セルロースアシレートに限られない。本発明において用いられるセルロースアシレート以外のポリマーとしては、ビニル重合ポリマ(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリビニルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等)、ポリラクトン(例えばポリカプロラクトンなど)、ポリアミド又はポリイミド(例えば、ナイロンやポリアミド酸など)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアロマティックス、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリシロキサン誘導体、などが挙げられる。これらは、溶解性、光学的物性、電気的物性、強度、弾性等の観点から、ホモポリマであってもよいし、コポリマやポリマブレンド、ポリマアロイとしてもよい。
また、多孔フイルム17の原料または添加剤として、両親媒性化合物を用いてもよい。両親媒性化合物は親水基と疎水基をもつ化合物である。
(両親媒性化合物)
両親媒性化合物の例としてはポリアクリルアミドがある。その他の両親媒性化合物としては、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、親油性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つもの、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、などが挙げられる。親油性側鎖は、アルキレン基、フェニレン基等の非極性直鎖状基であり、エステル基、アミド基等の連結基を除いて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性基を分岐しない構造であることが好ましい。親油性側鎖は、例えば、アルキレン基を用いる場合には5つ以上のメチレンユニットからなることが好ましい。親水性側鎖は、アルキレン基等の連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基、又はオキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ましい。
両親媒性化合物としては、市販される多くの界面活性剤のような単量体の他に、二量体や三量体等のオリゴマー、高分子化合物を用いることができる。両親媒性化合物をセルロースアシレートと混合することにより、キャスト膜の露出面に水滴を形成しやすくなる。また、セルロースアシレートに対する分散状態を制御することにより、水滴が形成される位置をより容易に制御することができる。セルロースアシレートと両親媒性化合物とを混合して用いる場合には、セルロースアシレートの重量に対する両親媒性化合物の重量の割合は0.1%以上20%以下の範囲とすると、形成される水滴の大きさが均一となりやすいので、孔が均一であるフイルムを得やすくなる。セルロースアシレートの重量に対する両親媒性化合物の重量の割合が0.1%未満であると、両親媒性化合物の添加効果がほとんどなく、形成される水滴が不安定で大きさが不均一となる場合がある。一方、セルロースアシレートの重量に対して低分子である両親媒性化合物の重量の割合を20%よりも大きくすると、多孔フイルムの強度が下がることがある。
セルロースアシレートと混合される両親媒性化合物については、(親水基の数):(疎水基の数)が0.1:9.9〜4.5:5.5であることが好ましい。これにより、より細かな水滴をより密に、キャスト膜22の上に形成することができる。(親水基の数):(疎水基の数)が上記範囲に含まれない場合には、孔の大きさが大きくばらつき、具体的には、{(孔の径の標準偏差)/(孔の平均値)}×100で示される孔径変動係数(単位;%)が10%以上になる場合がある。また、(親水基の数):(疎水基の数)が上記範囲に含まれない場合には、孔の配列の規則性が乱れる場合もある。
互いに異なる2種以上の両親媒性化合物を用いると水滴の形成位置、水滴の大きさを制御することができるので好ましい。また、セルロースアシレートについても、互いに異なる2種以上の化合物を用いることにより同様の効果を得ることができる。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼン、四塩化炭素、1-ブロモプロパンなど)、シクロヘキサン、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。
なお、本発明において、有機溶媒は、上記化合物の単体だけでなく、上記化合物のうち数種類の溶媒からなる混合物でも良いし、上記化合物と単体又は混合物に、アルコール等が添加されたものを用いてもよい。
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない場合の有機溶媒組成についても検討が進み、この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、1-ブロモプロパン等の臭素系炭化水素等が好ましく用いられる。これらは、互いに混合して用いられることもある。例えば、酢酸メチル、アセトン、エタノール、n−ブタノールの混合有機溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン、エステル及びアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン、エステル及びアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。
溶媒として互いに異なる2種以上の化合物を用い、その割合を適宜代えて用いることにより、水滴25の形成速度、及び水滴25のキャスト膜22への入り込み深さ等を制御することができる。
(添加剤)
本発明の溶液には、用途に応じた種々の添加剤(例えば、剥離促進剤、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤など)を加えることができる。
(可塑剤)
本発明で好ましい可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート(BDP)、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートが含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジメトキシエチルフタレート、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、が含まれる。
その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。グリコール酸エステルの例としては、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、メチルフタリルメチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートなどがある。中でもトリフェニルフォスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。特にトリフェニルフォスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。
また、可塑剤としてオリゴマーを用いることができる。オリゴマーとしては、スチレン系オリゴマーとアクリル系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマーとが好ましい。スチレン系オリゴマーとアクリル系オリゴマーとしては次の化1の(I)と(II)との各一般式で表される化合物がある。
Figure 2009041352
化1の一般式(I)は、芳香族ビニル系単量体から得られる構造単位である。当該芳香族ビニル系単量体の具体例としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのアルキル置換スチレン類;4−クロロスチレン、4−ブロモスチレンなどのハロゲン置換スチレン類;p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレンなどのヒドロキシスチレン類;ビニルベンジルアルコール類;p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、m−t−ブトキシスチレンなどのアルコキシ置換スチレン類;3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸などのビニル安息香酸類;メチル−4−ビニルベンゾエート、エチル−4−ビニルベンゾエートなどのビニル安息香酸エステル類;4−ビニルベンジルアセテート;4−アセトキシスチレン;2−ブチルアミドスチレン、4−メチルアミドスチレン、p−スルホンアミドスチレンなどのアミドスチレン類;3−アミノスチレン、4−アミノスチレン、2−イソプロペニルアニリン、ビニルベンジルジメチルアミンなどのアミノスチレン類;3−ニトロスチレン、4−ニトロスチレンなどのニトロスチレン類;3−シアノスチレン、4−シアノスチレンなどのシアノスチレン類;ビニルフェニルアセトニトリル;フェニルスチレンなどのアリールスチレン類、インデン類などが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。これらの単量体は、二種以上を共重合成分として用いてもよい。これらのうち、工業的に入手が容易で、かつ安価な点で、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
化1の一般式(II)はアクリル酸エステル系単量体から得られる構造単位である。当該アクリル酸エステル系単量体の例としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−メトキシエチル)、アクリル酸(2−エトキシエチル)アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸(2または4−クロロフェニル)、メタクリル酸(2または4−クロロフェニル)、アクリル酸(2または3または4−エトキシカルボニルフェニル)、メタクリル酸(2または3または4−エトキシカルボニルフェニル)、アクリル酸(oまたはmまたはp−トリル)、メタクリル酸(oまたはmまたはp−トリル)、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェネチル、メタクリル酸フェネチル、アクリル酸(2−ナフチル)、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸(4−メチルシクロヘキシル)、メタクリル酸(4−メチルシクロヘキシル)、アクリル酸(4−エチルシクロヘキシル)、メタクリル酸(4−エチルシクロヘキシル)等、または上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものを挙げることが出来るが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。これらの単量体は、二種以上を共重合成分として用いてもよい。これらのうち、工業的に入手が容易で、かつ安価な点で、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、または上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものが好ましい。
本発明において、可塑剤としてポリマーを用いることができる。ポリエステル系ポリマーとして用いられるポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)および/またはヒドロキシカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主原料として、縮合反応することにより得られるものが挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。ジカルボン酸は2種類以上用いてもよい。
また、ジオールとしては炭素数2〜20の脂肪族グリコール、すなわち、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、分子量400〜6000の長鎖グリコール、すなわち、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。ジオールは2種類以上用いてもよい。
これらの重合体ないしは共重合体の例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ビスフェノールA(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレンナフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリプロピレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレン(テレフタレート/イソフタレート)ポリ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)テレフタレート、ポリ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)(テレフタレート/イソフタレート)などが挙げられる。
その他、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなるサーモトロピック液晶性を示す熱可塑性ポリエステル樹脂を使用することもできる。
ここでいう芳香族オキシカルボニル単位としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4´−ヒドロキシジフェニル−4−カルボン酸から生成した構造単位を、芳香族ジオキシ単位としては、4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノンから生成した構造単位を、芳香族ジカルボニル単位としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸から生成した構造単位を、芳香族イミノオキシ単位としては、例えば、4−アミノフェノールから生成した構造単位を例示することができる。具体例としては、p−オキシ安息香酸/ポリエチレンテレフタレート、p−オキシ安息香酸/6−オキシ−2−ナフトエ酸などのサーモトロピック液晶性ポリエステルが挙げられる。
これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上併用してもよい。得られる多孔フイルムの柔軟性を高め、取り扱い性を向上させるため、可塑剤の添加量は、高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下であることが好ましく、1重量%以上40重量%以下であることがより好ましく、1重量%以上30重量%以下であることが更に好ましい。可塑剤の添加量が、高分子化合物に対して0.01重量%未満では、可塑剤の添加の効果が得られず、多孔フイルムが硬くなり、割れや破断などが起こりやすくなり、容易に取り扱うことが困難になる。一方、可塑剤の添加量が高分子化合物に対して50重量%を超えると、ポリマーの特性が損なわれ、多孔フイルムに脆性が発現する、または軟膜化により多孔フイルムの自己支持性が失われるなどの問題により、取り扱い性が低下するため好ましくない。
(溶液)
上記原料となる高分子化合物を有機溶媒に溶解させたものを溶液11とする。溶液11に含まれる高分子化合物の量が、有機溶媒100重量部に対し0.02重量部以上30重量部以下とすることが好ましい。これにより、生産性良く高品質の多孔フイルムを製造することができる。高分子化合物の量が有機溶媒100重量部に対し0.02重量部未満であると、溶液における溶媒割合が大きすぎて蒸発に要する時間が長くなるので、フイルムの生産性が悪くなり、一方、高分子化合物の量が有機溶媒100重量部に対し30重量部を超えると、結露で発生した水滴がキャスト膜中の溶液を変形できず、そのため不均一な凹凸が形成された多孔フイルムになってしまうことがある。
溶液11については、その粘度を高くするほど結露で発生した水滴の移動性が悪くなり、低くするほど水滴同士が結合して合体してしまい、孔径が不均一になってしまう傾向がある。そして、この粘度を0.1mPa・s以上1000mPa・s以下の範囲とすると、より均一な孔をもつ多孔フイルムを製造することができる。更に、粘度を、1mPa・s以上100mPa・s以下とすることが好ましい。溶液11の粘度が0.1mPa・s未満であると、任意の水滴が連結してしまい、開口径AP1や径AP2が不均一となってしまうことがあり、一方、溶液11の粘度が1000mPa・sよりも大きいと、水滴の配列が乱れてしまい規則性がなくなることがある。
溶液11は、フイルム製造設備41に送られる前に、予めろ過されることが好ましい。これにより多孔フイルム17への異物混入を防止することができる。ろ過は複数回実施することが好ましい。例えばろ過を2回実施するときには、上流側のろ過装置(図示なし)には、多孔フイルム17の孔の径よりも大きな絶対ろ過精度(絶対ろ過孔径)をもつフィルタが備えられ、下流側のろ過装置(図示なし)には、多孔フイルム17の空隙よりも小さな絶対ろ過精度をもつフィルタが備えられることが好ましい。
(多孔フイルム製造設備)
図8のように、多孔フイルム製造設備41は、流延室43を有する。キャスト工程12、水滴形成工程13、水滴成長工程14、水滴蒸発工程15(いずれも図1参照)は、いずれも流延室43で実施される。流延室43で気体となった有機溶媒は、回収装置(図示せず)で回収された後に、流延室43の外に備えられる再生装置(図示せず)で再生されて再利用に供される。本実施形態では、キャスト工程12と水滴形成工程13(図1参照)とを行うための第1エリア46と、水滴成長工程14(図1参照)を行うための第2エリア47と、水滴蒸発工程15(図1参照)を行う第3エリア48とが区画された一体型の流延室43を用いているが、それぞれのエリアを独立させてもよい。ただし、第1エリア46と第2エリア47とは互いにできるだけ近くに設けられることが好ましい。以上のような第1エリア46〜第3エリア48を経ることにより、キャスト膜22から、多孔フイルム17を得ることができる。
支持体として用いるエンドレスバンド51は、流延室43に設けられるローラ52,53に掛け渡される。流延ダイ56は、第1エリア46内の、エンドレスバンド51の上方に備えられる。ローラ52,53のうち、少なくとも一方は図示しない駆動装置により回転する。ローラ52,53の回転によりエンドレスバンド51は、第1エリア46〜第3エリア48までを巡回走行する。ローラ52,53は、温調機54と接続する。温調機54は、ローラ52,53の温度を調整する。ローラ52,53の温度調整により、ローラ52,53に接触するエンドレスバンド51の温度を所望の範囲に保持することができる。
エンドレスバンド51は、熱伝導率kと厚みLとが、100W/(m・K)≦k/L≦100000W/(m・K)の条件を満たすものであることが好ましい。厚みLは0.05mm以上10mm以下であることが好ましい。これにより、より速く、より精緻な温度制御が可能になる。特に、キャスト膜22の周辺空気の条件制御を瞬時に変化させられない場合にはこのようなエンドレスバンド51が有効である。k/Lが100W/(m・K)よりも小さいと、熱伝導性が低いことからエンドレスバンド51の温度変化に対する応答性が悪くなり、結果的にキャスト膜22の温度制御性に乏しくなり、開口径や径を所定の値にすることができなくなってしまうことがあり、100000W/(m・K)よりも大きいと、温調機54の伝熱ムラ、つまり温度制御精度のばらつきがキャスト膜22に即座に伝わり、結果的に開口径や径が不規則になってしまうことがある。
また、このエンドレスバンド51の上に、さらに第二の支持体としての平板部材もしくは可撓性のあるシート(フレキシブルシート)を配し、この第2の支持体の上にキャスト膜を形成してもよい。一方、エンドレスバンド51に代えて、平板部材やフレキシブルシートとし、これらがそれぞれペルチェモジュールを備えるものが好ましい。これらの平板部材やフレキシブルシートを、温度制御可能であって水平面をもつ部材上に配することにより、平板部材毎あるいはフレキシブルシート毎に高精度に温度を制御することができる。
流延ダイ56は、第1エリア46を通過するエンドレスバンド51の上に、溶液11をキャストする。エンドレスバンド51上にキャストされた溶液11は、キャスト膜22となる。第1エリア46のキャスト膜22の走行路の上方には送風吸気ユニット61が設けられる。送風吸気ユニット61は、加湿空気をキャスト膜22の近傍で流し出す送風口61aと、キャスト膜22の周辺気体を吸気する吸気口61bとを有するとともに、送風系における加湿空気の温度、露点、湿度、風速、吸気系における吸引力を独立して制御する送風コントローラ(図示せず)を備える。送風口61aには、塵埃度、つまり加湿空気の清浄度を保つためのフィルタが備えられる。送風吸気ユニット61はエンドレスバンド51の走行方向に複数並べて設けられてもよい。
ここで、送風口61aから送り出される加湿空気の露点をTDとするとき、TD−TSで求められる値をΔTとする。ΔTが下記の式(1)を満たすように、表面温度TSと露点TDとの少なくともいずれか一方を制御する。なお、キャスト膜22の表面温度TSは、例えば、市販される赤外式温度計等の非接触式温度測定手段をキャスト膜22の近傍に設けて測定することができる。ΔTが3℃未満であると、水滴が発生しにくい。一方、ΔTが15℃よりも大きいと水滴が急激に発生してしまい、水滴の大きさが不均一になってしまう、或いは、水滴が2次元、つまり平面に並ばずに3次元に重なってできてしまうことがある。なお、第1エリア46においては、ΔTは大きな値から小さい値に変化させることが好ましい。これにより、水滴の発生速度や発生する水滴の大きさをコントロールすることができ、2次元、つまりキャスト膜22の面方向に径が均一な水滴を形成することができる。
3℃≦ΔT≦15℃・・・(1)
第1エリア46においては、キャスト膜22の表面温度TSは、エンドレスバンド51と、このエンドレスバンド51に対向して配された温度制御板(図示なし)とにより制御されるが、いずれか一方により制御されてもよい。また、露点TDについては、送風吸気ユニット61から出される加湿空気の条件を制御することにより制御される。
第2エリア47には、2つの送風吸気ユニット63,64がキャスト膜22の走行路に沿って順に配される。上流側の送風吸気ユニット63は、第1エリア46の送風吸気ユニット61のすぐ下流側とされる。これは第1エリア46で形成された水滴を、一様に成長させるためである。第1エリア46と第2エリア47とが互いに離れるほど、つまり水滴を形成してから第2エリア47に入るまでの時間が長くなるほど、成長し終えたときの水滴の大きさが不均一になってしまう。送風吸気ユニットの数は、本実施形態の数、つまり2に限定されず、1または3以上であってもよい。送風吸気ユニット63,64は、送風吸気ユニット61と同じものとしているがこれに限定されない。
第2エリア47では、ΔTが下記の式(2)を満たすように、表面温度TSと露点TDとの少なくともいずれか一方を制御する。表面温度TSの制御は、主に温度制御板(図示なし)によりなされる。この温度制御板は、第1エリア46の温度制御板と基本的には同一の構造であり、エンドレスバンド51の走行方向に沿って温度を変化させることができる。また、露点TDの制御は送風口63aからの加湿空気の条件制御によりなされる。なお、この第2エリア47においては、キャスト膜22の表面温度TSは、上記と同様な温度測定手段をキャスト膜22の近傍に設けて測定することができる。第2エリア47の条件をこのように設定することにより、水滴をゆっくり成長させて毛管力により水滴の配列を促し、均一な水滴を密に形成することができる。ΔTが0℃以下の場合には、水滴の成長が不十分で密な状態に形成せず、孔の形状や大きさ及び多孔フイルム17における孔の配列が不均一となることがある。また、ΔTが10℃よりも大きいと、水滴が局所的に多層化、つまり三次元的に形成され、孔の形状や大きさ及び多孔フイルムにおける孔の配列が不均一となることがある。
0℃<ΔT≦10℃・・・(2)
水滴を成長させている間に、できるだけ多くの有機溶媒をキャスト膜22から蒸発させることが好ましい。第2エリア47における表面温度TSと露点TDとを上記範囲にすることにより、有機溶媒を十分に蒸発させるとともに、急激な蒸発を抑制することができる。また、水滴を蒸発させずに有機溶媒だけを選択的に蒸発させることが好ましい。したがって、有機溶媒としては、同温同圧下において水滴よりも蒸発速度が速いものが好ましい。これにより、有機溶媒の蒸発に伴い水滴がキャスト膜22の内部に入り込むことがより容易になる。
第3エリア48には、4つの送風吸気ユニット71〜74がキャスト膜22の走行路に沿って順に配される。送風吸気ユニットの数は、本実施形態の数、つまり4に限定されず、1以上3以下または5以上であってもよい。送風吸気ユニット71〜74は、送風吸気ユニット61と同じものとしているがこれに限定されない。
表面温度TSと露点TDとが下記の式(3)を満たすように、表面温度TSと露点TDとの少なくともいずれか一方を制御する。表面温度TSの制御は、主に温度制御板(図示しない)によりなされる。また、露点TD制御は送風口71aからの乾燥空気の条件制御によりなされる。なお、この第3エリア48においては、キャスト膜22の表面温度TSは、上記と同様な温度測定手段をキャスト膜22の近傍に設けて測定することができる。第3エリア48の条件をこのように設定することにより、水滴の成長を止めて蒸発させることができる。TS≦TDとすると、水滴の上にさらに結露して、形成された多孔構造を破壊してしまうことがある。
TS>TD・・・(3)
第3エリア48では、水滴の蒸発を主たる目的としているが、第3エリア48に至るまでに蒸発しきれなかった溶媒も蒸発させてもよい。
第3エリア48における水滴蒸発工程15では、送風吸気ユニット71〜74に代えて減圧乾燥装置や、いわゆる2Dノズルを用いてもよい。減圧乾燥を行うことで、有機溶媒と水滴との蒸発速度をそれぞれ調整することがより容易になる。これにより、有機溶媒の蒸発と水滴の蒸発とをより良好にし、水滴をより良好にキャスト膜22の内部に形成することができるので、前記水滴が存在する位置に、大きさ、形状が制御された孔31を形成することができる。なお、前記2Dノズルとは、風を出す給気ノズル部材と、キャスト膜22近傍の空気を吸い込む排気用ノズル部材とをもつものである。この2Dノズルとしては、キャスト膜22全幅に渡り、均一に給気と排気とを行えるものが好ましい。なお、エンドレスバンド51の温度は、第1エリア46から第3エリア48まで徐々に上昇させることが好ましい。これにより、蒸発速度を制御して多孔構造を壊すことなく効率的に溶媒を蒸発させることができる。この温度上昇は、0.005℃/秒以上3℃/秒以下の範囲で実施することが好ましい。
フイルム製造設備41は、剥取ローラ57を備える。剥取ローラ57は、キャスト膜22を多孔フイルム17として、エンドレスバンド51から剥ぎ取り、多孔フイルム17を次工程に案内する。次工程とは、例えば、多孔フイルム17に種々の機能を施すための機能付与工程や、多孔フイルム17をロール状に巻き取る巻取工程等である。
本発明において、送風吸気ユニット61からの加湿空気の送風速度V1は、キャスト膜22の移動速度、つまりエンドレスバンド51の走行速度との相対速度である。送風速度V1が、0.02m/秒以上2m/秒以下の範囲であることが好ましく、0.05m/秒以上1m/秒以下の範囲であることがより好ましい。前記送風速度V1が0.02m/秒未満であると、水滴が細密に配列して形成されないうちに、キャスト膜22が第3エリア48に導入されてしまうことがある。一方、前記送風速度V1が2m/秒を超えると、キャスト膜22の露出面が乱れたり、結露が充分に進行しなかったりするおそれがある。また、加湿空気の風向及び風速は、エンドレスバンド51の幅方向にわたりできるだけ一定であることが好ましい。なお、送風吸気ユニット63、64から送られる加湿空気の送風速度が、V1であってもよい。
本発明は、原料となるポリマーとともに可塑剤を含む溶液11を用いて多孔フイルム17をつくる。したがって、本発明により得られる多孔フイルム17は、柔軟性に富み、取り扱い性がよい。同様にして、エンドレスバンド51からキャスト膜22を剥ぎ取る際も、剥ぎ残りなどが起こりにくくなるため、効率よく多孔フイルム17を製造することができる。更に、セルロースアシレートは親水性が高く、キャスト膜22上で水滴形成が発生しやすいため、加湿空気の風速を前記範囲内で保持することにより、キャスト膜22上における余剰の結露を防ぎつつ、水滴形成工程13を行うことが可能となり、結果として、多孔フイルム17を効率よく製造することができる。
エンドレスバンド51の搬送路近傍であって、第1エリア46と第2エリア47と第3エリア48との各下流端には、キャスト膜22の態様を検出する検出手段(図示無し)を備え、この検出手段による検出結果に基づき、前述の送風コントローラ(図示無し)と温調機54とが制御される。検出手段としては、キャスト膜22の露出面を観察するために設けられイメージセンサを備えたマイクロスコープや、キャスト膜22にレーザ光を照射する光源と照射されたレーザ光の回折状態を解析する解析部とを備えるレーザ回折機等が挙げられる。前者を用いた場合には、各水滴の大きさ、水滴の大きさのばらつきの程度、水滴の数、水滴と水滴との間隔、水滴の配列状態、水滴のキャスト膜22への潜り込みの程度等を観察する。後者を用いた場合には、キャスト膜22に光源からレーザを照射し、レーザの回折スポットからキャスト膜22における水滴の大きさ、水滴の大きさのばらつきの程度、水滴の密度、水滴の配列状態、水滴のキャスト膜22への潜り込みの程度等を求める。
検出手段によりキャスト膜の態様が検出されると、この検出結果に応じて、送風コントローラによる送風吸気ユニット61,63,64.71〜72の各送風吸引条件の独立制御と、また、温調機54によるローラ52,53の周面温度の制御とを行う。
第1エリア46の下流端に備えられた検出手段の検出結果が、以下の(X1)〜(X4)の少なくともいずれかひとつにあたるときには、(Xa)〜(Xc)の少なくともいずれかひとつを実施することが好ましい。なお、以下の(X1)〜(X3)での「所定値」とは範囲をもって決められる場合もある。
(X1)水滴の大きさが所定値よりも大きい場合
(X2)水滴の数が所定値よりも多い場合、
(X3)水滴の密度が所定値よりも大きい場合、
(X4)複数の小さな水滴と、その2倍程度の大きな水滴が混在している場合。
(Xa)送風口61aからの加湿空気のエンドレスバンド51に対する相対速度が小さくなるように風速を下げる、
(Xb)送風口61aからの加湿空気の流量を小さくする、
(Xc)第1エリア46におけるΔTが小さくなるように、ローラ52,53の温度を上げたり、送風口61aからの加湿空気の湿度を下げる。
一方、第1エリア46の下流端に備えられた検出手段の検出結果が、以下の(Y1)〜(Y3)の少なくともいずれかひとつの場合にあたるときには、(Ya)〜(Yc)の少なくともいずれかひとつを実施することが好ましい。なお、以下の(Y1)〜(Y3)での「所定値」とは範囲をもって決められる場合もある。
(Y1)水滴の大きさが所定値よりも小さい場合、
(Y2)水滴の数が所定値よりも少ない場合、
(Y3)水滴の密度が所定値よりも小さい場合。
(Ya)送風口61aからの加湿空気のエンドレスバンド51に対する相対速度が大きくなるように風速を上げる、
(Yb)送風口61aからの加湿空気の流量を大きくする、
(Yc)第1エリア46におけるΔTが大きくなるように、ローラ52,53の温度を下げたり、送風口61aからの加湿空気の湿度を上げる。
第1エリア46における上記(X1)〜(X4)の場合に対する(Xa)〜(Xc)の実施や上記(Y1)〜(Y3)の場合に対する(Ya)〜(Yc)の実施と同様に、第2エリア47、第3エリア48においてもその水滴及びキャスト膜の態様に応じて、ΔTを変化、さらには、加湿空気や空気の条件を変える。水滴の成長が所定速度よりも速い場合や水滴の蒸発速度が所定値よりも大きい場合には、加湿空気や空気の各風速を下げたり、風量を少なくしたり、ΔTを小さくするようにするとよく、一方、基本的には、水滴の成長が所定速度よりも遅い場合や水滴の蒸発速度が所定値よりも小さい場合には、加湿空気や空気の各風速を上げたり、風量を大きくしたり、ΔTを大きくするとよい。
用いた可塑剤の化学構造や量に応じて、水滴の発生具合や、発生した水滴の成長具合は異なるので、用いた可塑剤及び添加量に応じて、上記のような検出手段と送風コントローラと温調機54とによる製造方法を実施することにより、水滴の形成、成長、溶媒の蒸発、水滴の蒸発をより精緻に制御して、種々の可塑剤を多孔フイルムの成分として用いることができるようになる。
なお、本実施形態では、連続的に溶液11をエンドレスバンド51へ流延することにより、長尺の多孔フイルム17を製造する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、溶液11を断続的に流延して、シート状の多孔フイルムを次々に製造する形態も本発明に含まれる。図9は、本発明の第2の実施形態であるフイルム製造設備の要部概略図である。なお、前述した部材や装置と同一の部材、装置については、同一の符号を付す。
フイルム製造設備101は、シート状の多孔フイルムを製造する設備であり、溶液11を支持体105に流延し、キャスト膜106を形成し、結露によりキャスト膜106上に水滴を形成する第1エリア111と、キャスト膜106上の水滴を成長させつつ、キャスト膜106に含まれる有機溶媒を蒸発させる第2エリア112と、水滴を蒸発させる第3エリア113と、支持体105を第1エリア111〜第3エリア113にかけて順次搬送する搬送ベルト115とを有する。搬送ベルト115により、支持体105が第1エリア111に案内される。
流延ダイ56は、第1エリア111を通過する支持体105に溶液11を流延する。支持体105上の溶液11からキャスト膜106が形成する。送風吸気ユニット61は、第1エリア111を通過するキャスト膜106に送風速度V1の加湿空気をあてる。そして、送風吸気ユニット61からの加湿空気により、結露が起こり、キャスト膜106上に水滴が形成する。その後、搬送ベルト115により、水滴が形成されたキャスト膜106は、支持体105とともに第2エリア112に案内される。送風吸気ユニット63、64は、第2エリア112を通過するキャスト膜106に加湿空気をあてる。送風吸気ユニット63、64からの加湿空気により、キャスト膜106上の水滴が成長する。その後、搬送ベルト115により、所望の寸法まで成長した水滴が内部に入り込んだキャスト膜106は、第3エリア113に案内される。送風吸気ユニット71〜73は、第3エリア113を通過するキャスト膜106に乾燥空気をあてる。送風吸気ユニット71〜73からの乾燥空気により、キャスト膜106の内部或いは表面上の水滴が蒸発する。第3エリア113を経たキャスト膜106を支持体105から剥ぎ取ることにより、多孔フイルムを得ることができる。このように、第1エリア111〜第3エリア113での各工程を支持体105単位で実施し、間欠的に支持体105を搬送することにより、シート状の多孔フイルムを製造することができる。
なお、幅方向の長さが流延ダイ56よりも短い流延ダイを、支持体の幅方向に複数ならべて、幅が小さなキャスト膜を形成することもできる。さらに、キャスト工程における支持体の搬送を、より短い時間間隔で間欠的にすることにより、より小さなキャスト膜を支持体上に複数形成することもできる。また、流延ダイの溶液の流出口を幅方向で複数に仕切り、溶液11を断続的に流延することにより、短冊状の多孔フイルムを次々と製造することもできる。
図10に、本発明に係る第3の実施形態であるフイルム製造設備121を示す。なお、前述した多孔フイルム製造設備41(図8参照)、101(図9参照)と同じ装置、部材、作用の説明は省略する。
フイルム製造設備121は、流延ダイ56を用いて、支持体であるセルロースアシレートフイルム(以下、ベースフイルムと称する)125上に溶液11を流延し、キャスト膜126を形成し、結露によりキャスト膜126上に水滴を形成する第1エリア131と、キャスト膜126上の水滴を成長させつつ、キャスト膜126に含まれる有機溶媒を蒸発させる第2エリア132と、水滴を蒸発させる第3エリア133と、ロール状に巻き取られたベースフイルム125を収納して第1エリア131に送り出す送出装置141と、ベースフイルム125と第3エリア133で形成された多孔フイルム127とが重なった複合材料144を巻き取る巻取装置145とを有する。送出装置141及び巻取装置145により、ベースフイルム125は、第1エリア131〜第3エリア133を順次通過する。
流延ダイ56は、第1エリア131を通過するベースフイルム125に溶液11をキャストする。ベースフイルム125上にキャストされた溶液11からキャスト膜126が形成する。送風吸気ユニット61から送り出された、送風速度V1の加湿空気により、キャスト膜126上に水滴が形成する。その後、水滴が形成されたキャスト膜126は、ベースフイルム125とともに第2エリア132に案内される。送風吸気ユニット63、64から送り出された加湿空気により、キャスト膜126上の水滴が成長する。その後、水滴が内部に入り込んだキャスト膜126は、第3エリア133に案内される。送風吸気ユニット71〜73から送り出された乾燥空気により、キャスト膜126の内部或いは表面上の水滴が蒸発する。水滴の蒸発により、キャスト膜126には孔が形成され、ベースフイルム125の上で多孔フイルム127が形成される。ベースフイルム125の走行により、孔を有する多孔フイルム127は巻取装置145へ案内される。巻取装置145は、多孔フイルム127及びベースフイルム125を、薄膜(フイルム)形状の複合材料144として巻き取る。
図11のように、フイルム製造設備121により得られる薄膜形状の複合材料144は、ベースフイルム125と孔を有する多孔フイルム127とからなる。この複合材料144の片面には、孔147が形成されている。孔147の形状は、前述した孔31等と同様であり、多孔フイルム127の厚さL11は、前述したL1と同様である。ベースフイルム125の厚さL12は、10μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上60μm以下であることがより好ましい。
従来の多孔フイルムは、脆く、取り扱い性が悪かったが、本発明では、可塑剤が添加されているため、多孔フイルムの塑性や延性が向上し、その取り扱い性が向上する。そして、この多孔フイルムが可撓性を備えるベースフイルムに重なっている態様にすることにより、塑性や延性が向上されながらも、取り扱い性がより向上するものとなる。このように、本発明によれば、取り扱い性が良く、膜厚が厚い多孔フイルム及び多孔フィルムを備える複合材料を製造することができる。
薄膜形状の複合材料144をつくる場合においては、ベースフイルム125及び多孔フイルム127の原料となるポリマーは、同一の化合物であることが好ましい。原料となるポリマーとして、TACやCAPを含む場合には、複合材料144を反射防止フイルムとして用いることもできる。
なお、図8のフイルム製造設備41を用いた上記実施形態では、キャスト工程12において、長尺状の支持体であるエンドレスバンド51に溶液11をキャストしてキャスト膜22をつくったが、本発明はこれに限らず、支持体として、軸を中心に回転する回転ドラムを用いて、回転ドラムの周面に溶液11をキャストしてもよい。
キャスト工程12では、支持体上の溶液11を乾燥してキャスト膜22をつくってもよいし、支持体上の溶液11を冷却してキャスト膜をつくってもよいし、これらを組み合わせてキャスト膜をつくってもよい。
支持体上の溶液11を冷却してキャスト膜を作る場合には、冷却したキャスト膜22上で、水滴形成工程13や水滴成長工程14を行っても良いし、支持体から剥ぎ取ったキャスト膜22をピンテンタなどで搬送する際に、水滴形成工程13や水滴成長工程14を行っても良い。なお、水滴形成工程13や水滴成長工程14における水滴の状態は、液状に限られず、固体でもよい。
本発明では、可塑剤が添加されているため、多孔フイルムの塑性や延性が向上し、その取り扱い性が向上する。そして、この多孔フイルムが可撓性を備えるベースフイルムに重なっている態様にすることにより、塑性や延性が向上されながらも、取り扱い性がより向上するものとなる。このように、本発明によれば、取り扱い性が良く、膜厚が厚い多孔フイルム及び多孔フイルムを備える複合材料を製造することができる。そこで、曲面上での使用や、可撓性の材料との複合化が可能となる。

Claims (12)

  1. 支持体上に、有機溶媒、高分子化合物、及び前記高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤を含む液をキャストし、キャスト膜を形成するキャスト工程と、
    結露により、前記キャスト膜上に水滴を形成する水滴形成工程と、
    前記水滴を成長させ、かつ前記キャスト膜に含まれる前記有機溶媒を蒸発させる水滴成長工程と、
    前記水滴成長工程の後に、前記水滴を前記キャスト膜から蒸発させる水滴蒸発工程と、
    を備える多孔フイルムの製造方法。
  2. 前記高分子化合物として、セルローストリアセテートまたは、セルロースアセテートプロピオネートを含む請求の範囲第1項記載の多孔フイルムの製造方法。
  3. 前記可塑剤として、リン酸エステル系化合物とフタル酸エステル系化合物とグリコール酸エステル系化合物とのうちいずれか1つを含む請求の範囲第2項記載の多孔フイルムの製造方法。
  4. 前記水滴形成工程では、前記キャスト膜との相対速度が0.02m/秒以上2m/秒以下の加湿空気を、前記キャスト膜にあてる請求の範囲第3項記載の多孔フイルムの製造方法。
  5. 前記キャスト膜の周辺の雰囲気の露点TDから前記キャスト膜の表面温度TSを減じた値をΔTとするとき、3℃≦ΔT≦15℃の条件下で前記水滴形成工程を行う請求の範囲第4項記載の多孔フイルムの製造方法。
  6. 前記支持体が前記キャスト膜中の前記高分子化合物と同じ高分子化合物を含み、
    前記支持体と前記水滴蒸発工程を経て孔が形成された多孔層との複層構造とする請求の範囲第5項記載の多孔フイルムの製造方法。
  7. 前記水滴蒸発工程を経た前記キャスト膜を多孔フイルムとして前記支持体から剥ぎ取る請求の範囲第5項記載の多孔フイルムの製造方法。
  8. 径が0.1μm以上30μm以下の穴を表面に備え、
    高分子化合物と前記高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤とを含む多孔フイルム。
  9. 前記高分子化合物として、セルローストリアセテートまたは、セルロースアセテートプロピオネートを含む請求の範囲第8項記載の多孔フイルム。
  10. 前記可塑剤として、リン酸エステル系化合物とフタル酸エステル系化合物とグリコール酸エステル系化合物とのうちいずれか1つを含む請求の範囲第9項記載の多孔フイルム。
  11. 前記穴の径が0.1μm以上1μm以下である請求の範囲第10項記載の多孔フイルム。
  12. 径が0.1μm以上30μm以下の穴を表面に備え、高分子化合物とこの高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤とを含む多孔フイルムと、
    前記多孔フイルムの片面に設けられ、前記多孔フイルム中の前記高分子化合物と同じ高分子化合物を含む膜とを備える複合材料。
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