JP2007181431A - 大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法 - Google Patents

大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実用レベルで大豆煮汁から有用成分を分離回収することを可能にすべく、煮汁発生現場にて、変敗を抑制するため速やかに水分活性を低下させ、貯蔵安定性を改善できるようにする。
【解決手段】大豆煮汁の原液に対して賦形剤を添加し、該煮汁を攪拌型薄膜蒸発装置で固化させる。賦形剤を添加する際には、大豆煮汁に含まれる固形分量に対して50〜100%の割合で、デキストリンを賦形剤として大豆煮汁中に添加する。これにより、大豆由来の有用成分を豊富に含有する食品組成物を生成できる。そして、この食品組成物を大豆由来成分抽出用の原材料や家畜飼料などとして活用することで、食品リサイクルと同時に環境負荷の軽減を図ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、大豆加工食品の製造現場等で生じる大豆煮汁を有効活用して、大豆由来成分を豊富に含有する食品組成物を製造する方法に関する。
[第1の背景]
味噌をはじめとする大豆加工食品の製造現場では、大豆を煮熟する工程で多量の煮汁が発生する。多量の有機物を含む大豆煮汁は工場排水として扱われ、従来は河川等に放流することによって処理されてきた。ところが現在では、海・河川・池の水質汚濁を防止する観点から大豆煮汁の河川等への放流は厳しく規制されており、大豆煮汁を活性汚泥法等によって処理した上で廃棄する必要が生じている。
しかしながら、大豆を原料とする醸造業や食品加工業を営む者にとって、排水処理すべき大豆煮汁の量は極めて膨大であり、そのために大豆煮汁を処理するための設備投資に過大な経済的負担を強いられている。しかも、大豆煮汁のCOD値は30000ppmを超えるため、排水処理施設への負荷率は極めて高い(負荷率約70%)。よって、極めて高負荷運転となる大豆煮汁処理の管理には、過大な労力が必要とされる。
さらに、近年の厳しい環境基準の導入に伴い、年々増加する排水処理コストにより中小零細企業が多数を占める大豆を原料とする食品製造企業においては、経済的負担の増加を強いられることになる。
[第2の背景]
近年における疫学調査等の結果から、大豆に大量に含まれているイソフラボンやサポニン等の高機能成分(有用成分)が注目され始めている。このような高機能成分は、人体に有益に作用する成分として一般的に知られている。
たとえば、イソフラボンについては、乳ガンや前立腺ガン等の各種のガンに対して、予防効果があることが明らかになっている。また、このイソフラボンについては、更年期障害の軽減効果があることも明らかになっている。一方、サポニンについては、過酸化脂質生成の防止、肥満、高血圧の予防効果等が確認され始めている。また、このサポニンは溶血活性を有しないことから、サポニンを(たとえば酸化防止剤や界面活性剤等として)食品へ応用することも検討され始めている。
大豆煮汁中にはこのような高機能成分が大量に移行していることが知られている。大豆煮汁中から得られる成分は、大豆から直接得られる成分と同等であり、過去には、食品リサイクルの観点から大豆由来成分の有効活用を目的とした分離回収法がいくつか検討されてきた。
しかしながら、いずれの手法も煩雑な操作と長時間の作業が要求されるため、タンパク質を多量に含み変敗し易い性質である大豆煮汁に対しては依然として多くの課題を残しており、実用可能なものではなかった。そのため、現場で大量に発生した大豆煮汁は、発生後直ちに工場廃水として処理されているのが現状である。したがって、実用レベルにおいて大豆煮汁から有用成分を分離回収するには、煮汁の発生現場にて、変敗を抑制するため速やかに水分活性を低下させ、貯蔵安定性を改善する手段を確立する必要がある。
また、大豆煮汁中の成分の精製を実用規模で行う場合、精製効率や品質の安定性の観点から、専門業者への委託が不可欠である。そのためには、大豆煮汁の移送・保管が生じることから、大豆煮汁中の水分を除去することで大幅な減容化を図り、同時に水分活性を低下させることにより貯蔵安定性を改善する必要がある。
そこで、上述した大豆煮汁の廃水処理に係る問題点と、大豆煮汁中に移行する有用成分に注目し、本発明の目的は、現在廃棄されている大豆煮汁を食品原料等として有効活用することで、食品リサイクルの実現と同時に環境負荷の軽減を達成することにある。
また、本発明の他の目的は、実用レベルで大豆煮汁から有用成分を分離回収することを可能にすべく、煮汁発生現場にて、変敗を抑制するため速やかに水分活性を低下させ、貯蔵安定性を改善できる方法を提供することにある。
本発明は、大豆煮汁の原液に対して賦形剤を添加し、該煮汁を蒸発装置で乾燥固化させることを特徴とする大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法である。前記賦形剤の添加工程では、大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して50〜100%の割合で(好ましくは100%の割合で)、賦形剤としてデキストリンを大豆煮汁中に添加するようにする。また、前記賦形剤を添加するにあたっては、ダマの形成を抑制する観点から、予め大豆煮汁の温度を60〜80℃程度に調整しておくことが好ましい。
また、本発明は、大豆煮汁を蒸発装置で濃縮させて、固形分50%以上の濃縮液を生成することを特徴とする大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法である。
上述した食品組成物の製造方法では、蒸発装置として攪拌型薄膜蒸発装置を用いることが好ましい。
本発明において大豆煮汁を乾燥固化させる場合に、大豆煮汁原液に賦形剤を添加する理由は、乾燥過程における焦げの発生を抑制し均一で安定的に処理するためである。
また、本発明において大豆煮汁を乾燥固化させる場合に、大豆煮汁原液へのデキストリンの添加量を、固形分に対して50〜100%の割合に限定した理由は以下のとおりである。
すなわち、デキストリンの添加量が50%未満では、完全に乾燥せずにベトついた塊が生成され、しかも全体が焼け焦げて変質するため、有用成分抽出用の原材料や家畜飼料として利用することができない。一方、50〜100%の範囲内では実用可能な程度の乾燥固化物が得られ、デキストリンの添加量が多いほど良好な(焦げ付きのない)固化物が得ることが可能である。ただし、100%を越えた量を添加しても、増加量に応じた改善は認められない。
そこで、大豆煮汁原液へのデキストリンの添加量を、固形分の重量に対して50〜100%の割合、好ましくは100%の割合に決定した。
また、本発明において大豆煮汁を濃縮させる場合に、生成目標の濃縮液の固形分を50%以上に設定した理由は、大豆煮汁を大幅に減容化できるだけでなく、濃縮液が腐敗し難くなって冷凍保存する必要がなくなるからである。
上述した本発明によれば、大豆煮汁を乾燥固化または濃縮することによって、大豆由来の有用成分を豊富に含有する食品組成物(液状または乾燥固化した組成物)を生成できる。そして、この食品組成物を有用成分抽出用の原材料や家畜飼料などとして活用することで、食品リサイクルと同時に環境負荷の軽減を図ることができる。
また、廃棄物として扱われてきた大豆煮汁を食品原料などとして利用することにより、排水処理施設への負荷率を低減させることができ、ひいては企業の排水処理コストを低減させることが可能になる(既存の排水処理負担率を70%軽減可能)。
さらに、大豆煮汁を乾燥固化させた場合は勿論のこと、濃縮した場合には大豆煮汁の水分活性が低下し、貯蔵安定性を改善することが可能になる。また、大豆煮汁を乾燥固化または濃縮させた場合には、常温での移送、保管が可能となり、その結果大豆由来成分の抽出、精製が効率的に実施できる。加えて、大豆煮汁の減容化が達成できれば、抽出、精製を専門業者に委託する場合の輸送コストを低減させることができる。
さらに、可動式攪拌翼を有する攪拌型薄膜蒸発装置を用いることにより、大豆煮汁をワンパスの作業により効率的かつ迅速に濃縮・乾燥固化させることが可能になる。なお、大豆煮汁は濃縮に伴い粘性が増すが、攪拌型薄膜蒸発装置であれば高い濃縮率で安定した濃縮が可能であることが発明者の実験により確認された。
さらに、大豆煮汁を乾燥固化させる場合において、大豆煮汁の原液に賦形剤を添加することにより、焦げの発生が抑制され、均一で安定的に処理することが可能になる。特に、大豆煮汁に含まれる固形分に対して50〜100%の割合で(好ましくは100%の割合で)、デキストリンを大豆煮汁中に添加することにより、焦げの発生が抑制されると同時に、良好な固化物を安定的に得ることができる。
次に、本発明に係る食品組成物の製造方法の実施形態について説明する。
大豆を原料とする味噌の製造現場等では、サポニンやイソフラボン等の高機能成分が大量に溶出,溶解した大豆煮汁が大量に生じる。本発明の製造方法を実施するにあたっては、現場で産出された大豆煮汁を所定の容器に貯留しておき、次いで、この大豆煮汁中に含まれる固形分(タンパク質等の成分から成る固形分)の割合を測定する。
固形分の割合を測定するにあたっては、たとえば、均質状態の大豆煮汁の全体から一定量だけ別容器に移して、この一定量の煮汁に対して通風乾燥(温度:70〜80℃程度)を施し、乾燥後に残った固形分の重量を測定する。すると、乾燥前の一定量の大豆煮汁に含まれる固形分量が分かるので、結果として、大豆煮汁全体に含まれる固形分の割合を求めることができる。
次に、貯留しておいた大豆煮汁の原液に対し、賦形剤としてデキストリンを添加する。その際、大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して50〜100%の割合で、好ましくは100%(すなわち固形分と同量)の割合で、大豆煮汁中にデキストリンを添加し、混合攪拌する。なお、添加するデキストリンが粉体状であるため、大豆煮汁の温度によっては、デキストリンの添加混合時にダマ(デキストリンから成る塊状の溶け残り)を形成してしまう場合がある。そこで、このようなダマの形成を抑制するため、予め大豆煮汁の温度を60〜80℃程度に調整しておくことが好ましい。
続いて、デキストリンが添加された大豆煮汁を蒸発装置に投入して乾燥固化させる。蒸発装置内では、大豆煮汁中の水分が蒸発するとともに、添加されたデキストリンが固化の核として作用する。
次に、上述した大豆煮汁の固化工程で利用する蒸発装置について説明する。
本発明で利用可能な蒸発装置は特に限定されず、種々の蒸発装置を用いることが可能である。ただし、利用可能な好ましい蒸発装置の一つとしては、たとえば特開平4−4001号公報に開示された攪拌型薄膜蒸発装置(商品名「ハイエバオレータ」/商標登録第3068162号)が挙げられる。
以下、図1乃至図3に基づいて、攪拌型薄膜蒸発装置の構成について詳細に説明する。 図1は、本発明で用いる攪拌型薄膜蒸発装置を示す側面図であり、一部を断面で示している。
図2は、図1に示す攪拌型薄膜蒸発装置の横断面図である。
図3は、図1に示す攪拌型薄膜蒸発装置の一部を拡大して示す側面図である。
図1〜図3において、符号1は縦型タイプの攪拌型薄膜蒸発装置を示している。この攪拌型薄膜蒸発装置1において、円筒状のシリンダ(加熱管)3は外側に上下2段のジャケット2,2を有しており、該シリンダ3の上下は、軸受5,メカニカルシール6によって軸支されている。稼動させる際には、シリンダ3内は真空引きされて所定の真空度に設定されるようになっている。
モータ7は所定のベルトプーリ機構を介して回転軸8を回転させるようになっており、該回転軸8には、シリンダ3に同軸的な駆動シャフト9が一体的に設けられている。この駆動シャフト9には、長手方向所定ピッチで、複数のブラケット10,10…が固設されており、該ブラケット10,10…は、周方向に90゜間隔で配置されている(図2参照)。ブラケット10,10のそれぞれには、ピン31により周方向にスイング自在に軸支されたベース32が取り付けられており、該ベース32によってブレード11が把持されている(図2,3参照)。
シリンダ3の上部には供給口12が設けられており、該供給口12を介して上述した大豆煮汁13が供給されるようになっている。また、ジャケット2,2のそれぞれの上部には、供給口14が設けられており、該供給口14を介して所定温度のスチーム(蒸気)15が供給されるようになっている。また、ジャケット2,2のそれぞれの下部には、排出口16が設けられており、該排出口16を介してスチーム15が排出されるようになっている。さらに、シリンダ3の下部には排出口17が設けられており、該排出口17から固化物(大豆煮汁がシリンダ3の内壁を伝って落下する過程で乾燥固化した固化物)が排出されるようになっている。
なお、駆動シャフト9の供給口12に対向する部分には、ディスク状の分散板20が一体的に設けられている。また、その上部の回転軸8には、フィン21,21…が放射状に所定数設けられて排出口22に臨まされている。
上述した構成を有する攪拌型薄膜蒸発装置1において、モータ7を回転させると、回転軸8が軸受5、メカニカルシール6に軸支された状態で、所定速度で回転し始める。そして、回転軸8の回転に伴って、駆動シャフト9も一体的に回転する。この時、駆動シャフト9に設けられた各ブレード11は、駆動シャフト9の回転に伴って生じる遠心力によって、ブラケット10のピン31に枢支された状態でシリンダ3の内面に対し所定間隙を介して旋回する。
そして、供給口12により大豆煮汁13を供給すると、該煮汁13はリング状の分散板20の遠心力により、シリンダ3の内壁面上で薄膜状に均一分散するとともに、自重によってシリンダ3の内壁面を伝って流過していく。さらに、複数のブレード11のそれぞれの旋回作用によって混合攪拌されて、シリンダ3の内面に薄膜状に展延され、さらに、ジャケット2内を流過する所定温度のスチーム15によって熱交換されて加熱される。
真空引きされたシリンダ3内における混合攪拌と加熱作用により、大豆煮汁の揮発性成分(水分)は蒸発し、排出口22から排出蒸気として排出逸散し、又は、真空装置で吸出される。その結果、シリンダ3の内面を流過する大豆煮汁は、その過程で蒸発作用・混合攪拌作用を受けて濃縮されるとともに、デキストリンの固化作用によって最終的に固化する。生成された大豆煮汁由来の固化物は、排出口17から排出される。
上述した実施形態では、デキストリンを用いて大豆煮汁を完全に乾燥固化させる場合について説明したが、大豆煮汁を完全に固化させずに濃縮液を生成するようにしてもよい。この場合には、必ずしもデキストリンを添加する必要はなく、大豆煮汁を原液のまま蒸発装置に投入すれば足りる。また、大豆煮汁は濃縮に伴い粘性を増すことから、濃縮液を生成する場合にも蒸発装置として図示する攪拌型薄膜蒸発装置を用いることが好ましい。
なお、濃縮液を生成する場合には、得られる濃縮液の固形分が50%以上になるように、蒸発装置等の諸条件を設定する。これにより、単に減容化できるだけでなく、得られる濃縮液が腐敗し難くなり冷凍保存の必要性が低下する。
上述した方法で大豆煮汁から得られる乾燥固化物,濃縮液は、たとえば、大豆由来成分を抽出するための原料として利用してもよく、或いは家畜飼料として利用してもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[実施例1]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.07kg(固形分の割合:2.6%)用意した。
上記大豆煮汁の原液に対して添加する賦形剤として、松谷化学工業株式会社製のデキストリン(品名:パインデックス #1)を用意した。
蒸発装置として、図1に示す攪拌型薄膜蒸発装置(株式会社櫻製作所製)を用いた。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して50%の割合で(すなわち65.9g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加し、混合攪拌した。続いて、所定条件に設定された蒸発装置(真空度:50Torr,蒸気の出温度:120℃)に対して、大豆煮汁を定量ポンプで連続的に投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.11kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例2]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.00kg(固形分の割合:4.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して50%の割合で(すなわち100.0g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.24kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例3]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.15kg(固形分の割合:6.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して50%の割合で(すなわち154.5g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.28kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例4]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を4.78kg(固形分の割合:8.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して50%の割合で(すなわち191.2g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.38kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例5]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.09kg(固形分の割合:2.6%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して70%の割合で(すなわち92.6g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.15kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例6]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.13kg(固形分の割合:4.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して70%の割合で(すなわち143.6g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.22kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例7]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.21kg(固形分の割合:6.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して70%の割合で(すなわち218.8g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.38kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例8]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.00kg(固形分の割合:2.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して75%の割合で(すなわち75.0g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.11kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例9]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を4.96kg(固形分の割合:6.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して75%の割合で(すなわち223.2g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.49kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例10]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.10kg(固形分の割合:4.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して100%の割合で(すなわち204.0g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.31kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[実施例11]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.30kg(固形分の割合:6.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して100%の割合で(すなわち318.0g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る乾燥した食品組成物(固化物)が0.41kg生成された。得られた食品組成物についての具体的評価を表1に示す。
[比較例1]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を4.80kg(固形分の割合:2.0%)用意した。
蒸発装置については上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁にデキストリンを添加することなく、そのままの状態で定量ポンプで蒸発装置に連続的に投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る組成物が0.048kg生成された。得られた組成物についての具体的評価を表1に示す。
[比較例2]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を5.00kg(固形分の割合:2.6%)用意した。
蒸発装置については上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁にデキストリンを添加することなく、そのままの状態で定量ポンプで蒸発装置に連続的に投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る組成物が0.05kg生成された。得られた組成物についての具体的評価を表1に示す。
[比較例3]
脱皮大豆を用いた白味噌製造工程において産出された大豆煮汁を4.78kg(固形分の割合:2.0%)用意した。
デキストリンは上記実施例と同種のものを用いた。また、蒸発装置についても上記実施例で用いたものと同じものを用い、同じ条件に設定した。
大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して25%の割合で(すなわち23.9g)、デキストリンを大豆煮汁の原液に添加して混合攪拌し、続いて、蒸発装置に対して連続投入した。その結果、大豆煮汁成分から成る組成物が0.06kg生成された。得られた組成物についての具体的評価を表1に示す。
Figure 2007181431
[評価]
表1に示す結果から分かるように、大豆煮汁中の固形分に対するデキストリンの添加量が50%未満(比較例1〜3)では、完全に乾燥せずにベトついた塊が生成されることが確認された。また、デキストリンの添加量が50%未満の場合には、最終的に得られる組成物の全体が焼け焦げて変質するため、有用成分抽出用の原材料や家畜飼料などとして利用できないことが判明した。
一方、50〜100%(実施例1〜11)の範囲内では、ほとんど変質することなく、有用成分抽出用の原材料等として実用可能な程度の固化物が得られ、また、添加量が多いほど(好ましくは100%)良好な固化物が得られることが確認された。また、別途実施した成分検査により、得られた乾燥固化物に含まれる成分は、大豆から直接に抽出・精製された成分と同等であることが確認された。
よって、本発明によれば、大豆由来の有用成分を豊富に含有する食品組成物(液状または乾燥した組成物)を生成でき、この食品組成物を有用成分抽出用の原材料や家畜飼料などとして活用することで、食品リサイクルと同時に環境負荷の軽減を図ることが可能になる。
本発明で用いる攪拌型薄膜蒸発装置を示す側面図であり、一部を断面で示している。 図1に示す攪拌型薄膜蒸発装置の横断面図である。 図1に示す攪拌型薄膜蒸発装置の一部を拡大して示す側面図である。
符号の説明
1 攪拌型薄膜蒸発装置
2 ジャケット
3 シリンダ(加熱管)
5 軸受
6 メカニカルシール
7 モータ
8 回転軸
9 駆動シャフト
10 ブラケット
11 ブレード
12 供給口
13 大豆煮汁
14 供給口
15 スチーム
16 排出口
17 排出口
20 分散板
21 フィン
22 排出口
31 ピン
32 ベース

Claims (5)

  1. 大豆煮汁の原液に対して賦形剤を添加し、該煮汁を蒸発装置で乾燥固化させることを特徴とする大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法。
  2. 前記賦形剤の添加工程において、
    大豆煮汁に含まれる固形分の重量に対して50〜100%の割合で、賦形剤としてデキストリンを大豆煮汁中に添加することを特徴とする請求項1記載の大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法。
  3. 前記賦形剤の添加に先立って、大豆煮汁の温度を60〜80℃程度に調整しておくことを特徴とする請求項1又は2記載の大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法。
  4. 大豆煮汁を蒸発装置で濃縮させて、固形分50%以上の濃縮液を生成することを特徴とする大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法。
  5. 前記蒸発装置が攪拌型薄膜蒸発装置であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法。
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