JPH08154628A - チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品の製造方法 - Google Patents

チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品の製造方法

Info

Publication number
JPH08154628A
JPH08154628A JP6330441A JP33044194A JPH08154628A JP H08154628 A JPH08154628 A JP H08154628A JP 6330441 A JP6330441 A JP 6330441A JP 33044194 A JP33044194 A JP 33044194A JP H08154628 A JPH08154628 A JP H08154628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chicken
dried
drying
weight
product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6330441A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoari Sada
朋存 佐田
Masahiro Ishinoda
雅弘 石野田
Motoko Ogura
素子 小倉
Tadashi Ogami
忠司 大神
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KUNOOLE SHOKUHIN KK
Knorr Foods Co Ltd
Original Assignee
KUNOOLE SHOKUHIN KK
Knorr Foods Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KUNOOLE SHOKUHIN KK, Knorr Foods Co Ltd filed Critical KUNOOLE SHOKUHIN KK
Priority to JP6330441A priority Critical patent/JPH08154628A/ja
Publication of JPH08154628A publication Critical patent/JPH08154628A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seasonings (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品を
製造するにあたり、チキンエキス又はチキンブイヨンに
ついて、脱水,濃縮操作と、その固形分の10重量%以
上、100重量%未満の澱粉と、その固形分の0.01
重量%以上、3重量%未満の乳化剤とを加える操作とを
行なって、全体の水分が65〜95重量%の範囲内とな
るように調整した後、ドラム型乾燥機にて乾燥すること
を特徴とするチキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品
の製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、特殊な作業や機器を
要することなく、安定した乾燥を長時間行なうことがで
き、その結果、乾燥による品質の変化の少ないチキンエ
キス又はチキンブイヨンの乾燥品を低コストで製造する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチキンエキス又はチキン
ブイヨンの乾燥品の製造方法に関し、詳しくは特殊な作
業や機器を要することなく、安定した乾燥を長時間行な
うことができ、この結果、乾燥による品質の変化の少な
いチキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品を低コスト
で製造しうる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】鶏肉及
び/又は鶏ガラより、水溶性固形分を抽出して得られる
チキンエキスと、鶏肉及び/又は鶏ガラに水、野菜、香
辛料などを加え煮沸して作るチキンブイヨンは、共に旨
み成分であるアミノ酸、核酸などを豊富に含むため、
「だし」として洋風・和風・中華を問わず、広く一般の
料理に使用されている。加工食品においても、チキンエ
キス、チキンブイヨンは、冷凍、缶詰、乾燥品など形態
を問わず頻繁に用いられているが、特に乾燥して形状を
粉末としたものが、その保存性、簡便性、保管に場所を
とらないなどの理由から、広く用いられている。
【0003】上記チキンエキス又はチキンブイヨンの乾
燥品を製造する場合、通常、液状のチキンエキス又はチ
キンブイヨンを適宜濃縮し、水分含有量を調整した後、
乾燥機にて乾燥する方法が採られており、乾燥方法とし
ては、噴霧乾燥法(スプレードライ)、真空乾燥法(バ
キュームドライ)、真空凍結乾燥法(フリーズドライ)
などが用いられている。
【0004】噴霧乾燥法においては、均一な粉末であっ
て、乾燥前と比較して品質変化の少ない乾燥物が得られ
るものの、一般的に乾燥設備が非常に大掛かりであり、
一回あたりの乾燥処理量が大量でなければ採算に合わな
いという問題点がある。具体的には、乾燥終了後、重量
が最低でもおよそ0.5トン以上得られる規模にて実施
するのが通常である。一方、加水抽出して得られる、液
状のチキンエキス又はチキンブイヨンの固形分含有量
は、10重量%未満であり、多くは5重量%前後に過ぎ
ない。従って、上記規模の乾燥を実施するにあたり必要
な原料抽出液の量は10トン近くにも達し、その原料の
鶏肉又は鶏ガラもおよそ同重量必要となってしまい、大
量の鶏原料供給と、大掛かりなエキス抽出設備を付帯す
る必要性が生じてしまうもので、原料供給も含めた上記
全設備を建設、稼働させるには多大な設備投資を要する
上に、少量生産には向いておらず、必要な少量のみを生
産することが困難である。
【0005】かかる噴霧乾燥法におけるチキンエキス又
はチキンブイヨンの乾燥においては、通常、鶏供給量に
見合った規模の抽出設備にて、チキンエキス又はチキン
ブイヨンを抽出し、必要に応じて濃縮し、水分調整した
ものに、場合により食塩を添加して、一旦冷凍又は冷蔵
保管し、乾燥処理に充分な量が確保された後に、噴霧乾
燥を行なうといった手順にて対処されているが、保管時
に場所、エネルギーなどのコストを要し、乾燥作業前に
も大量の保管品の解凍または希釈・殺菌,前処理等の作
業と設備を要し、効率的な方法とは言い難い状況であ
る。
【0006】また、噴霧乾燥法以外に用いられている真
空乾燥法、真空凍結乾燥法においては、実施に減圧圧力
容器、減圧装置、冷凍機を含む水分凝集装置などの高価
で複雑な設備が必要な上に、運転も長時間に及び、大き
なエネルギーを要する。また、被乾燥物を薄く整形し、
棚積みを繰り返すなど、作業者を大きな労力を要し、乾
燥後の品も固いブロック状となることが多く、使用に供
することが可能となるように粉砕するのに特殊な機器を
用いる必要性が生じたりする。これらを総合すると、極
めてコストが高い方法となり、付加価値の高いものに限
られてしまうのが現状である。
【0007】ところでドラム型乾燥機を用いる乾燥法
は、高温で回転する円柱状のドラムの側表面に被乾燥物
を薄く均一に塗布し、一定時間経過した後、剥離させる
ことにより、連続的に乾燥させる方法である。すなわ
ち、この乾燥法は、円周上の一地点で、乾燥したい液体
を塗り付け、回転させながら一定時間が経過して、水分
が充分に蒸発する頃に到達する別の円周上の一地点で、
ナイフによって乾燥品をドライヤー表面より剥離する手
法である。この乾燥法は、運転が比較的簡単で、低コス
トである上に、設備設計次第では小規模の乾燥設備にも
対応可能な方法であり、しかも連続的な乾燥法であるの
で、必要量のみを効率良く乾燥することかできるといっ
た利点を有しており、この点では上記した乾燥法の欠点
を解消し、チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥に大
変適している方法と言うことができる。
【0008】しかしながら、この乾燥法では、高温のド
ラム表面に被乾燥物が直接接触するため、他の乾燥法と
比較して乾燥中の品温が高くなる傾向があり、熱変性に
かかわる問題が生じやすい。特にタンパク質とアミノ酸
含有量が多い鶏抽出物(チキンエキス又はチキンブイヨ
ン)においては、タンパク質の熱凝固による凝固粒子の
発生や、アミノ酸の熱変性を原因とする褐変が生じやす
い。さらに、この乾燥法では、野菜由来の糖分も豊富に
含まれているチキンブイヨンにおいては、加熱により糖
−アミノ反応による褐変が急速に進行してしまい、他の
乾燥法と比較して、良好な品質の乾燥物が得られないと
いう問題がある。
【0009】また、この乾燥法では、被乾燥物とドラム
が動きながら接触するため、被乾燥物の物理的な性状が
限定されてしまい、乾燥可能な物質が限られてしまうと
いった欠点がある。具体的には、チキンエキス又はチキ
ンブイヨンは、ゼラチン質の含有割合が多いため粘度が
大きく、回転し続けるドラム表面、特にドラムの径が大
きいものでは、同じ回転数でも表面の移動速度が非常に
速くなるが、そういった場合に薄く均一に塗布するのが
困難な上、加熱乾燥中にドラム表面での表面張力による
被乾燥液の流動が生じてしまう。これらの理由により、
ドラム表面における薄膜形成維持が困難であって、膜厚
が一定とならず、水分が蒸発しきらない部位と過加熱に
より焦げの生ずる部位が同時に発生してしまうため、得
られる乾燥品は、保存性においても味覚においても満足
に食品に使用できるものではない。
【0010】さらに、上記チキンエキス又はチキンブイ
ヨンの粘度と部分的に発生する焦げが原因で、ドラム表
面で乾燥されたチキンエキス又はチキンブイヨンが付着
したまま剥離できずに、そのまま焦げ付いてしまい、継
続した乾燥ができなくなってしまうため、商業的な乾燥
は困難を伴うものであった。
【0011】本発明者は、かかる現状の欠点を解決すべ
く鋭意研究を重ねた結果、ドラム型乾燥機を使用して、
その長所はそのままに、乾燥による品質の変化が他の乾
燥法と同程度か、より良好であり、特殊な作業や機器を
要せずに安定したチキンエキス又はチキンブイヨンの乾
燥を長時間連続して行なうことができる方法を見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、チキ
ンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品を製造するにあた
り、チキンエキス又はチキンブイヨンについて、脱水,
濃縮操作と、その固形分の10重量%以上、100重量
%未満の澱粉と、その固形分の0.01重量%以上、3
重量%未満の乳化剤とを加える操作とを行なって、全体
の水分が65〜95重量%の範囲内となるように調整し
た後、ドラム型乾燥機にて乾燥することを特徴とするチ
キンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品の製造方法を提
供するものである。
【0013】以下に、本発明の内容について詳しく述べ
る。本発明においては、チキンエキスとは、鶏肉又は鶏
ガラ、或いは両者の混合物に水を加え、常圧又は加圧の
条件下において、加熱或いは非加熱で、必要に応じてp
Hの調整を行ないながら、鶏肉や鶏ガラ中に含まれる水
溶性成分を水中に溶出させた水溶液のことである。
【0014】また、チキンブイヨンとは、鶏肉又は鶏ガ
ラ、或いは両者の混合物にタマネギ、ニンジン、セロ
リ、パセリ、わけぎなどの野菜を加え、必要に応じて食
塩、コショウ、ローレル(月桂冠)、クローブ、タイム
などの調味料・香辛料を適宜加えたものを水に浸し、加
熱調理することにより、各々の原料の水溶性成分を水中
に溶出させた水溶液のことである。
【0015】ここで鶏肉、野菜、調味料、香辛料は、い
ずれも使用部位、産地、形状などの制限はなく、好みに
応じて選択、使用することができ、また配合量も同様に
決定することができる。また、チキンブイヨンに用いる
野菜、調味料、香辛料も、目的に応じて、1種類或いは
2種類以上を組み合わせて使用することができ、さらに
必要がない場合には使用しなくとも良い。また、添加す
る水の量も、原料や抽出に使用する容器に応じて好みの
量を使用することができるが、効率的に実施するために
は原料重量の0.7倍から2倍重量の範囲とするのが好
ましい。
【0016】抽出の際の加熱温度、圧力、抽出時間等の
条件は、目的に応じて適宜決定すればよい。一般的な方
法としては、95℃以上、130℃以下の範囲の温度に
て、1気圧以上、2.5kg/cm2 の範囲の圧力で、
30分間以上、15時間以下といった条件に保つことに
より、良好なチキンエキス又はチキンブイヨンが得られ
る。また、抽出中に表面に浮いてくるアクや油を除去す
ることが好ましいが、この作業は省略しても本発明の効
果に影響するものではない。
【0017】本発明は、このようにして得られる液状の
チキンエキス又はチキンブイヨンについて、脱水,濃縮
操作と、特定割合の澱粉と乳化剤とを加える操作とを行
なって、全体の水分が65〜95重量%の範囲内となる
ように調整した後、ドラム型乾燥機にて乾燥することを
特徴とするものである。
【0018】澱粉としては、小麦澱粉、コーンスター
チ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉など、通常使用されてい
る澱粉を用いることができる。さらに、澱粉としては、
リン酸架橋・エステル化等の化学的処理を施されている
ものも、そうでないものを使用することができるが、そ
の価格や重量あたりの粘性などの理由から、馬鈴薯澱
粉,タピオカ澱粉,コーンスターチが好ましい。ここで
澱粉の代わりに、デキストリンなどの澱粉分解物や、蔗
糖・乳糖などの糖類を用いたのでは、本発明の目的を達
成することはできない。また、澱粉は予め糊化したもの
も使用することができるが、被乾燥液中の水分量に対し
て使用澱粉量が多い場合、液の粘性が大き過ぎて、乾燥
並びにこれに付随する作業に支障を来す場合があるの
で、糊化していない通常の澱粉粒子を用いることが好ま
しい。さらに、同様の理由から、乾燥機へ投入する前の
澱粉添加後の被乾燥液の加熱、特に添加されている澱粉
の糊化温度を上回る温度となるような加熱は避けること
が好ましい。
【0019】ここで澱粉の添加量は、チキンエキス又は
チキンブイヨンの固形分、換言すれば抽出液中の固形量
に対して、10重量%以上、100重量%未満であり、
好ましくは20重量%以上、70重量%以下である。澱
粉の添加量が上記割合より少ないと、乾燥時にドラム表
面での乾燥液の薄膜形状維持が困難となり、未乾燥部と
過加熱部とが同時に生じてしまう。一方、澱粉の添加量
が上記割合以上であると、乾燥液がドラム表面に塗布さ
れる前に固まってしまい乾燥不能となるか、或いは乾燥
できてもチキンエキス又はチキンブイヨンとしての味覚
が弱く、目的とする用途に使用できないものとなってし
まう。
【0020】次に、乳化剤としては、グリセリン脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、レシチンなど、食品に使用が許可されているも
のであれば特に制限はなく、これらのうちの1種類を単
独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用することが
できる。また、乳化剤としては、前記のように混合物を
用いてもよいし、或いは添加物製剤など、どのような状
態のものでも使用することができる。
【0021】ここで乳化剤の添加量は、チキンエキス又
はチキンブイヨンの固形分、換言すれば抽出液中の固形
量に対して、0.01重量%以上、3重量%未満であ
り、好ましくは0.05重量%以上、1.0重量%以下
である。乳化剤の添加量が上記割合より少ないと、ドラ
ム表面に乾燥液が均一な厚さのシートとして塗布できな
かったり、乾燥物がドラムの表面から剥がれずに焦げ付
いたりしてしまう。一方、乳化剤の添加量が上記割合よ
り多いと、ドラム表面に乾燥液が均一な厚さのシートと
して塗布できなかったり、乾燥中に発泡してしまった
り、或いは乾燥物から乳化剤由来の異味・異臭が生じた
りして好ましくない。なお、ここで乳化剤の量とは、乳
化剤以外の物質と混合された製剤を使用するときは、そ
の中に含まれる乳化剤の有効成分量の部分のみを指す。
【0022】前記したように、本発明においては、上記
の如く澱粉及び乳化剤を加える操作と、脱水,濃縮操作
とを行なって、全体の水分が65〜95重量%、好まし
くは70〜85重量%の範囲内となるように調整し、そ
の後、ドラム型乾燥機にて乾燥する。本発明において
は、澱粉及び乳化剤を加える操作と、脱水,濃縮操作と
は、いずれを先に行なっても差支えないが、脱水,濃縮
操作には品温上昇を伴うものが多く、澱粉や乳化剤を加
えてから不用意に加熱すると、これらが添加の期待に反
した状態で熱変成してしまう場合があるので、澱粉及び
乳化剤を加える前に、脱水,濃縮操作を行なっておいた
方が好ましい。例えば、澱粉と乳化剤とを加えるにあた
って、予めチキンエキス又はチキンブイヨンを、遠心薄
膜式濃縮機などを用いて適宜濃縮し、水分含有量を50
重量%程度に調整しておくと良い。このようなものに澱
粉及び乳化剤を所定量加えることにより、全体の水分が
65〜95重量%の範囲となるように調整するわけであ
る。脱水,濃縮操作は、水溶液の脱水,濃縮が可能であ
れば、減圧薄膜式濃縮機、遠心薄膜式濃縮機など、一般
的なものを使用することができる。なお、濃縮時の品温
が57℃を超え、添加している澱粉の糊化温度を上回る
ような濃縮法を用いる場合には、澱粉及び乳化剤の添加
は濃縮後とすることが特に好ましい。
【0023】本発明においては、かかる要領で調整され
たチキンエキス又はチキンブイヨンの調整液をドラム型
乾燥機にて乾燥する。ドラム型乾燥機は、大きく分けて
2種類あり、直径の同じ加熱ドラムが僅かな隙間を隔て
て並列に並び、両ドラムの間に上記調整液を注入するダ
ブルドラムドライヤーと、加熱ドラムが1個で、これに
加熱機構を持たない小直径のロールが付随しており、両
者の隙間に上記調整液を注入するシングルドラムドライ
ヤーとがある。本発明では、どちらのタイプも使用する
ことができる。
【0024】乾燥に係わる乾燥機の運転条件は、被乾燥
液(上記調整液)の水分量や、鶏等の原料の品質、配合
などを考慮して最適条件を決定すれば良い。一般的に
は、ドラムの表面温度が110℃以上、130℃以下の
範囲で、被乾燥液の塗布される厚さが0.03mm以
上、0.4mm以下であり、被乾燥液がドラム表面と接
触している時間が15秒間以上、2分間以下である範囲
内において乾燥される。ここでドラムの表面温度が11
0℃より低いと、水分を充分に蒸発させることができ
ず、得られた乾燥品がべとついたり、保存性に劣るもの
となってしまう。一方、ドラムの表面温度が130℃よ
り高いと、焦げや褐変が生じてしまう。また、ドラムへ
の塗布厚が0.03mmより薄い場合や、被乾燥液がド
ラム表面と接触している時間が2分間より長い場合に
は、焦げや褐変が生じてしまう。一方、ドラムへの塗布
厚が0.4mmより厚い場合や、被乾燥液がドラム表面
と接触している時間が15秒間より短い場合には、水分
を充分に蒸発させることができなくなる。
【0025】このようにドラム型乾燥機にて乾燥された
チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品(以下、本発
明品と称することがある。)は、そのままの状態で使用
しても充分に目的を達成することができるが、細かく砕
いて粉末形状とすると、より簡便である。本発明品は、
現存する噴霧乾燥、減圧乾燥等により得られたチキンエ
キス又はチキンブイヨンの乾燥品と同様に使用すること
ができ、得られる品質・効果・用途も同様である。
【0026】
【実施例】次に実施例によって本発明を更に詳細に説明
する。 実施例1 (1)チキンブイヨンの製造 鶏ガラ600重量部を蒸気圧1.6kg/cm2 、温度
128℃にて20分間加熱したものに、タマネギ乱切り
(1cm厚)50重量部、セロリ10重量部及び水10
00重量部を加え、これを常圧で280分間沸騰した
後、アクや油など表面の浮遊物を除去し、水分含量9
7.5重量%のチキンブイヨンを得た。
【0027】(2)チキンブイヨン乾燥品の製造 得られたチキンブイヨンを遠心薄膜式濃縮機(大川原製
作所製、エバポール)にて水分含量50重量%となるま
で濃縮し、この濃縮物100重量部に対して、タピオカ
澱粉(水分含量15重量%)25重量部、モノグリセリ
ン脂肪酸エステル製剤(武田薬品工業製、エマルシー)
0.9重量部、水200重量部を加え、均一となるまで
混合した。この混合液の水分を測定したところ78重量
%であった。この混合液を直径2m、可乾燥表面積17
平方メートルのドラム2機よりなるダブルドラムドライ
ヤー(ブロ・ノクス社製)にて以下の運転条件で乾燥し
た。双方のドラムを蒸気圧1.4kg/cm2 、表面温
度123℃に加熱し、このときの両ドラム間の隙間を
0.2mmとし、この部位に上記混合液を室温で適宜注
入した。両方のドラムを毎分2回転の速度で回転させ、
隙間部通過から24秒経過後に表面が到達する地点にて
乾燥品をナイフにてドラム表面から剥ぎ取った。乾燥品
はシート状につながって得られ、水分含量は1.43重
量%であった。シート状の乾燥物を遠心式粉砕機により
粉末としたもの(本発明品)5gに、90℃の湯100
ccを注いで溶解すると、美味で風味豊かなチキンブイ
ヨンとなった。
【0028】本発明品の比較対象として、上記濃縮前の
チキンブイヨン同一物を噴霧乾燥した。噴霧乾燥は、乾
燥を補助する目的でブイヨン固形量に対して30重量%
の澱粉分解物を加えられ、125℃の熱風中を落下乾燥
された。市販の固形状コンソメ1個(約7g)に300
ccの熱湯を注いだものに、上記本発明品と比較対象品
を、それぞれブイヨン由来の固形分量が全体の3重量%
となるように添加し、味覚を比較した。比較は、本発明
品を溶解したコンソメ2食と、比較対象品を溶解したコ
ンソメ1食、又はその逆の数で合計3食分を任意に配列
し、正解を知らされていないパネル15名に喫食させ、
1つだけ異なると思われるサンプルを選択させたとこ
ろ、正解者は15名中4名であった。
【0029】実施例2 前記実施例1(1)で得られたチキンブイヨン(水分含
量97.5重量%)に、澱粉及び乳化剤を第1表に示す
割合で添加したこと以外は、実施例1(2)と同様にし
てドラム乾燥を行ない、チキンブイヨン乾燥品を得た。
乾燥機の運転条件は、表面温度を実施例1の条件に固定
し、ドラム間の隙間を0.05〜0.5mm、回転数を
0.5〜2.0rpmの間で暫時移動させて実施した。
また、チキンブイヨンは、乾燥機に供給する際の水分調
整の目的で、予め水分含量50重量%に濃縮したものを
試験に使用した。すなわち、乾燥前の混合液の水分は、
上記濃縮ブイヨン・澱粉・乳化剤の混合物に水を加える
ことによって調整した。ドラム乾燥した結果を第2表に
示す。なお、澱粉はコーンスターチを使用し、乳化剤は
ショ糖脂肪酸エステル(三菱化成食品工業製、リョート
ーシュガーエステルP−970)を使用した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】なお、配合No.9は、乳化剤として、レ
シチンを使用しても、同様の結果となった。また、澱粉
をタピオカ澱粉とし、前記と同様の試験を行なったとこ
ろ、ほぼこれと同様の結果となった。
【0033】実施例3 前記実施例1(1)で得られたチキンブイヨン(水分含
量97.5重量%)をエバポレーターを用いて、水分含
量80重量%となるよう濃縮した。この濃縮ブイヨン1
00重量部につき、デキストリン(松谷化学工業製、パ
インデックスNo.1)8重量部とモノグリセリン脂肪
酸エステル(武田薬品工業製、エマルシー)0.3重量
部を混合し、これを直径2m、可乾燥表面積18平方メ
ートルのドラム2機よりなるダブルドラムドライヤー
(ブロ・ノクス社製)にて、双方のドラムの蒸気圧1.
4kg/cm2 、表面温度123℃、このときの両ドラ
ム間の隙間0.2mm、ドラム回転速度毎分2回転の条
件で乾燥した後、粉砕し、粉末状の比較対象品を得た。
一方、上記濃縮ブイヨン100重量部につき、タピオカ
澱粉(水分15重量%)8重量部と、モノグリセリン脂
肪酸エステル(武田薬品工業製、エマルシー)0.3重
量部を混合し、上記比較対象品と同様の条件でダブルド
ラムドライヤーにて乾燥した後、粉砕し、本発明品を得
た。比較対象品と本発明品の水分と色差(L値)は第3
表の通りであった。
【0034】
【表3】
【0035】さらに、比較対象品と本発明品をそれぞれ
3重量%の割合で熱湯に溶解し、訓練された評価評価者
15名で5項目にわたって官能評価を行なった。結果を
第4表に示す。評価は、比較対象品と本発明品の2サン
プルを並べて比較し、より強く感じる、又はより好まし
く感じられる方を選択した。
【0036】
【表4】
【0037】第4表からも明らかなように、本発明の方
法で乾燥されたもの(本発明品)の方が、比較対象品に
比べて、乾燥による変化が小さい傾向にあった。なお、
比較対象品には、少量の沈澱物が見られた。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ドラム型乾燥機
を使用して、ドラム型乾燥機の有する長所(運転が比較
的簡単であり、低コストである上に設備設計次第では小
規模の乾燥にも対応可能であり、しかも連続的な乾燥法
であるので、必要量のみを効率良く乾燥することができ
る。)はそのままに、乾燥による品質の変化が他の乾燥
法(噴霧乾燥法や真空乾燥法、真空凍結乾燥法などの方
法)と同程度か、より良好であり、特殊な作業や機器を
要せずに安定してチキンエキス又はチキンブイヨンの乾
燥を長時間連続して行なうことができる。すなわち、本
発明の方法によれば、特殊な作業や機器を要することな
く、安定した乾燥を長時間行なうことができ、その結
果、乾燥による品質の変化の少ないチキンエキス又はチ
キンブイヨンの乾燥品を低コストで製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 素子 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台1番地の 87 (72)発明者 大神 忠司 神奈川県横浜市磯子区岡村7丁目7番15号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥
    品を製造するにあたり、チキンエキス又はチキンブイヨ
    ンについて、脱水,濃縮操作と、その固形分の10重量
    %以上、100重量%未満の澱粉と、その固形分の0.
    01重量%以上、3重量%未満の乳化剤とを加える操作
    とを行なって、全体の水分が65〜95重量%の範囲内
    となるように調整した後、ドラム型乾燥機にて乾燥する
    ことを特徴とするチキンエキス又はチキンブイヨンの乾
    燥品の製造方法。
JP6330441A 1994-12-08 1994-12-08 チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品の製造方法 Pending JPH08154628A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6330441A JPH08154628A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6330441A JPH08154628A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08154628A true JPH08154628A (ja) 1996-06-18

Family

ID=18232659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6330441A Pending JPH08154628A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08154628A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6793948B2 (en) * 2002-07-03 2004-09-21 Ariake Japan Co. High quality dried bouillon and methods for preparation thereof
JP2006101823A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Riken Shokuhin Kk 液状あるいはスラリー状食品の乾燥方法
JP2007181431A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Izutsu Miso:Kk 大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法
WO2010047404A1 (ja) * 2008-10-24 2010-04-29 有限会社梅田事務所 常温保存安定化機能性乾燥物またはその粉砕物とその抽出画分の製造方法、およびそれらの用途

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5577869A (en) * 1978-11-13 1980-06-12 Gen Foods Corp Production of improved starch for instant pudding
JPH05252864A (ja) * 1992-03-13 1993-10-05 Kunoole Shokuhin Kk トマトパウダーの製造法
JPH05276891A (ja) * 1992-03-31 1993-10-26 Tokyo Tanabe Co Ltd 夕顔乾燥食品の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5577869A (en) * 1978-11-13 1980-06-12 Gen Foods Corp Production of improved starch for instant pudding
JPH05252864A (ja) * 1992-03-13 1993-10-05 Kunoole Shokuhin Kk トマトパウダーの製造法
JPH05276891A (ja) * 1992-03-31 1993-10-26 Tokyo Tanabe Co Ltd 夕顔乾燥食品の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6793948B2 (en) * 2002-07-03 2004-09-21 Ariake Japan Co. High quality dried bouillon and methods for preparation thereof
JP2006101823A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Riken Shokuhin Kk 液状あるいはスラリー状食品の乾燥方法
JP2007181431A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Izutsu Miso:Kk 大豆煮汁中の有効成分を含有した食品組成物の製造方法
WO2010047404A1 (ja) * 2008-10-24 2010-04-29 有限会社梅田事務所 常温保存安定化機能性乾燥物またはその粉砕物とその抽出画分の製造方法、およびそれらの用途
JP5656640B2 (ja) * 2008-10-24 2015-01-21 有限会社梅田事務所 常温保存安定化機能性乾燥物またはその粉砕物とその抽出画分の製造方法、およびそれらの用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hayashi Drying technologies of foods-their history and future
US3681090A (en) Method for manufacturing practically sterile,concentrated aromas of spices,vegetables and mushrooms
US3796811A (en) Method of producing a concentrated meat product and product produced thereby
FI59527B (fi) Foerfarande foer framstaellning av en torr agglomererad homogent blandad produkt anvaendbar i en snabbmatprodukt
US2572761A (en) Method and technique of food drying
JPH08154628A (ja) チキンエキス又はチキンブイヨンの乾燥品の製造方法
JP2004154028A (ja) ルウの製造方法
CN108651937B (zh) 一种基于超声波喷雾冷冻干燥生产高汤调味粉的方法
KR101927835B1 (ko) 즉석 미역된장국의 제조방법
JP3843674B2 (ja) 乾燥エキスの製造法、エキス乾燥品及びその利用
JP4364591B2 (ja) チキンエキス乾燥品の製造方法並びに該方法により製造されたチキンエキス乾燥品
CN110638024B (zh) 一种应用滚筒干燥技术制备猪肉香精的方法
BR112019015823A2 (pt) Método de produção de um produto alimentício desidratado tufado e produto alimentício desidratado tufado
JP6994143B2 (ja) 食品粉末の製造方法
JP2004097146A (ja) 顆粒食品とその製造方法
JP2004290009A (ja) エキスの抽出方法及びエキス
JP2000041613A (ja) 乾燥調味料の製造方法、乾燥調味料及びその利用
JP4608279B2 (ja) 液状あるいはスラリー状食品の乾燥方法
CN110506914A (zh) 一种改善冲调性的冻干奶油蘑菇汤块的制备方法
AU2019379984B2 (en) Onion flavour composition and method for the preparation thereof
ES2913133T3 (es) Composición con sabor a cebolla y método para la preparación de la misma
US2777771A (en) Edible powders and method of producing same
JPH0243469B2 (ja)
RU2171051C2 (ru) Пищевая композиция "рафаэл"
JPS6394960A (ja) 即溶性粉末の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021029