JP2007181400A - 電気車制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速走行中に主電動機から生じる騒音を低減することができる電気車制御装置を提供すること。
【解決手段】直流を交流に変換するインバータ1と、インバータ1の交流側に接続された主電動機3と、インバータ1の出力電圧の出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算部(11,13,14)と、インバータ1の出力電圧の大きさを演算するインバータ出力電圧演算部5と、インバータ1の出力電圧の周波数と大きさに基づきインバータ1のゲート指令を生成するゲート指令演算部9とを有し、ゲート指令演算部9は正弦波半周期に1パルスを出力する1パルス制御部25と、所定条件下では1パルス制御を行わない1パルス制御制限手段(制御モード選択部29)とから構成され、トルク指令の大きさが所定値よりも小さい場合には1パルス制御制限手段を動作させ、トルク指令の大きさが所定値よりも大きい場合には1パルス制御制限手段を動作させないことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気車の主電動機から発生する騒音を低減するための電気車制御装置に関する。
電気車の主電動機を駆動するインバータでは、高速走行時で出力電圧が大きな状態のときには、損失を低減するとともにインバータの電圧利用率が最大となる1パルス制御が採用されている。この1パルス制御は正弦波半周期に1パルスの電圧を出力する電圧固定モードの制御である。図7は従来の交流電車向けの電気車制御装置を示している。
同図には、交流架線17より給電され主電動機3を駆動する交流電車の電気車制御装置の構成が示されている。交流架線17はパンタグラフ18、主変圧器16の1次巻線、車輪20を介してレール21に接続される。主変圧器16の2次巻線には、単相NPCコンバータ15(Neutral Point Clamped Converter)が接続される。単相NPCコンバータ15の直流側にはフィルタコンデンサ2が2直列で接続され、直流電圧が平滑化される。2直列のフィルタコンデンサ2には、3相の可変電圧可変周波数出力のNPCインバータ1が接続され、主電動機3が駆動制御される。ここでは主電動機3として誘導電動機が用いられている。
電動機制御方式としては、DQ軸回転座標系上にて各種の電気量を制御することで電動機のトルクや速度を制御するベクトル制御が適用されている。主電動機3に流れる電流(相電流)Iu,Iwは電流検出器4によって検出され、座標変換器7によってDQ軸電流Id,Iqに変換される。電圧演算部5では、励磁電流指令IdRefと励磁電流Idとが、トルク電流指令IqRefとトルク電流Iqとがそれぞれ一致するようにDQ軸出力電圧指令Vd*、Vq*が演算出力される。座標変換部6では、DQ軸出力電圧指令Vd*,Vq*が極座標系に変換される。すなわち、DQ軸出力電圧指令の大きさV1*とD軸から出力電圧ベクトルまでの位相差Gammaが生成出力される。加算器24では、静止座標系A軸から回転座標系D軸までの位相角θと前記位相差Gammaとが加算され、静止座標系A軸から出力電圧ベクトルまでの位相角θVが算出される。
変調率演算部22には、座標変換部6で生成された出力電圧の大きさV1*と電圧検出器19で検出された直流電圧Vdcとが入力され、変調率AL0*が算出される。リミッタ23では、変調率AL0*が下限値0、上限値 1でリミットされ、補正後の変調率AL*として出力される。
すべり周波数演算部11では、励磁電流指令IdRefとトルク電流指令IqRefとに基づきすべり周波数ωsが演算出力される。加算器13では、速度検出器10によって検出された主電動機の回転速度ωrとすべり周波数ωs*が加算され、インバータ出力周波数基準ω1*が演算出力される。
一方、ビートレス制御部12には、電圧検出器19によって検出されたインバータ1の直流電圧Vdcが入力される。ビートレス制御部12では直流電圧から脈動分が抽出され、その脈動に応じて、インバータ出力周波数の補正量ω1cmpが演算出力される。このビートレス制御法については、特公平7−46918号公報に記載がある。この公報記載の技術では、単相交流電源を直流変換しているため、電源周波数の2倍の周波数成分の脈動(電源が50Hzの場合、100Hzの脈動)が、コンバータ・インバータの直流側に重畳される。この直流脈動によって生じる電動機のトルク脈動が、ビートレス制御の出力であるインバータ出力周波数補正ω1cmpによって抑制できる。
加算器14では、インバータ出力周波数基準ω1*とインバータ出力周波数補正量ω1cmpとが加算され、インバータ出力周波数ω1が生成される。積分器8では、インバータ出力周波数ω1が積分され、座標変換器6,7で用いる(AB軸静止座標系の基準軸A軸に対する)D軸の位相角θが生成出力される。
ここで、ゲート指令演算部9では、変調率AL*と、静止座標系A軸から出力電圧ベクトルまでの位相角θVとに基づき、基本波電圧が等しくなるようにゲート指令が生成出力される。特に、電気車が高速走行中で出力電圧が大きい場合には、インバータとして最大電圧が出力でき、損失の小さい1パルス制御が実行できる。
特公昭61−48356号公報(変調率を補正するビートレス制御) 特公平7−46918号公報 (周波数を補正するビートレス制御) 特許第3226258号公報 (1パルス制御 … 厳密には電圧固定制御)
従来例における1パルス制御時の波形は、図3(b)に示す通りである。この図は、U相出力電圧指令とU相出力電圧とを示している。図7において、U相出力電圧指令は記載がないが、後述する図2の相変調率指令演算部の出力に所定ゲイン(インバータの直流電圧)を乗じることで換算できる。理想的にはU相出力電圧指令と同一な正弦波状にU相出力電圧が出力されることが望ましく、この場合、電圧高調波あるいは電流高調波は生じない。
しかしながら、実際には、図3(b)に示すように、U相出力電圧指令とU相出力電圧との間には大きな差異がある。特に、U相出力電圧指令のゼロクロス付近では、出力電圧指令と出力電圧との差異が大きく、この部分が高調波発生の最大の要因となっている。この結果、DQ軸回転座標系上の状態量やインバータの直流入力側の状態量に、極めて大きな高調波が生じる。この高調波の周波数は、インバータ出力周波数の6倍であり、インバータ出力周波数の増減とともに、高調波の周波数も推移していく。
一方、主電動機の騒音は、インバータ出力周波数の12倍が支配的である。この騒音は、電流値の絶対値の振幅の変動周波数に相関が強く、よって前記インバータ出力周波数の6倍の更に2倍である12倍成分が大きく現れると考えられる。すなわち、主電動機の騒音は、インバータが1パルス制御を適用した場合の高調波が一因となっている。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、高速走行中に主電動機から生じる騒音を低減することができる電気車制御装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、直流を交流に変換するインバータと、前記インバータの交流側に接続された主電動機と、前記インバータが出力する電圧の出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、前記インバータが出力する電圧の大きさを演算するインバータ出力電圧演算手段と、前記インバータが出力する電圧の周波数と大きさに基づき前記インバータのゲート指令を生成するゲート指令演算手段とを有し、前記ゲート指令演算手段は、少なくとも正弦波半周期に1パルスを出力する1パルス制御手段と、所定条件下においては前記1パルス制御を行わない1パルス制御制限手段とから構成され、トルク指令の大きさが所定値よりも小さい場合には1パルス制御制限手段を動作させ、トルク指令の大きさが所定値よりも大きい場合には前記1パルス制御制限手段を動作させないことを特徴としている。
また、本発明は、直流を交流に変換するインバータと、前記インバータの交流側に接続された主電動機と、前記インバータが出力する電圧の出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、前記インバータが出力する電圧の大きさを演算するインバータ出力電圧演算手段と、前記インバータが出力する電圧の周波数と大きさに基づき前記インバータのゲート指令を生成するゲート指令演算手段と、前記インバータまたは前記主電動機の温度を予測もしくは検出する温度検知手段と、前記ゲート指令演算手段は、少なくとも正弦波半周期に1パルスを出力する1パルス制御手段と、所定条件下においては前記1パルス制御を行わない1パルス制御制限手段とから構成され、前記温度検知手段により検出された温度が所定値より小さい場合には前記1パルス制御制限手段を動作させ、当該温度が所定値より大きい場合には前記1パルス制御制限手段を動作させないことを特徴としている。
さらに、本発明は、直流を交流に変換するインバータと、前記インバータの交流側に接続された主電動機と、前記インバータが出力する電圧の出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、前記インバータが出力する電圧の大きさを演算するインバータ出力電圧演算手段と、前記インバータが出力する電圧の周波数と大きさに基づき前記インバータのゲート指令を生成するゲート指令演算手段とを有し、前記ゲート指令演算手段は、少なくとも正弦波半周期に1パルスを出力する1パルス制御手段と、所定条件下においては前記1パルス制御を行わない1パルス制御制限手段とから構成され、前記電動機の回転数の大きさが所定値よりも小さい場合には1パルス制御制限手段を動作させ、前記電動機の回転数の大きさが所定値よりも大きい場合には前記1パルス制御制限手段を動作させないことを特徴としている。
さらに、本発明は、直流を交流に変換するインバータと、前記インバータの交流側に接続された主電動機と、前記インバータが出力する電圧の出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、前記インバータが出力する電圧の大きさを演算するインバータ出力電圧演算手段と、前記インバータが出力する電圧の周波数と大きさに基づき前記インバータのゲート指令を生成するゲート指令演算手段とを有し、前記ゲート指令演算手段は、少なくとも正弦波半周期に1パルスを出力する1パルス制御手段と、所定条件下においては前記1パルス制御を行わない1パルス制御制限手段とから構成され、前記1パルス制御制限手段は、前記インバータ出力周波数が前記単相交流の周波数の2倍の周波数と一致する時に動作することを特徴としている。
本発明によれば、必要に応じて1パルス制御を制限することにより高速走行中に主電動機から生じる騒音を低減することができる電気車制御装置を提供することができる。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。なお、図7に示した従来例と同一構成部分には同一番号が付されている。
図1に示す第1の実施形態は、図7に示した従来例と同様、交流架線17より給電され主電動機3を駆動する交流電車の電気車制御装置の構成を示している。
すなわち、交流架線17はパンタグラフ18、主変圧器16の1次巻線、車輪20を介してレール21に接続される。主変圧器16の2次巻線には、単相NPCコンバータ15(Neutral Point Clamped Converter)が接続される。単相NPCコンバータ15の直流側にはフィルタコンデンサ2が2直列で接続され、直流電圧が平滑化される。2直列のフィルタコンデンサ2には、3相の可変電圧可変周波数出力のNPCインバータ1が接続され、主電動機3が駆動制御される。ここでは主電動機3として誘導電動機が用いられている。
電動機制御方式としては、DQ軸回転座標系上にて各種の電気量を制御することで、電動機のトルクや速度を制御するベクトル制御が適用されている。主電動機3に流れる電流Iu,Iwは、電流検出器4によって検出され、座標変換器7によってDQ軸電流Id,Iqに変換される。電圧演算部5では、励磁電流指令IdRefと励磁電流Idとが、トルク電流指令IqRe
とトルク電流Iqとがそれぞれ一致するようにDQ軸出力電圧指令Vd*、Vq*が演算出力される。座標変換部6では、DQ軸出力電圧指令Vd*, Vq*が極座標系に変換される。すなわち、DQ軸出力電圧指令の大きさV1*とD軸から出力電圧ベクトルまでの位相差Gammaが生成出力される。加算器24では、静止座標系A軸から回転座標系D軸までの位相角θと前記位相差Gammaとが加算され、静止座標系A軸から出力電圧ベクトルまでの位相角θVが算出される。
変調率演算部22には、座標変換部6で生成された出力電圧の大きさV1*と電圧検出器19で検出された直流電圧Vdcとが入力され、変調率AL0*が算出される。リミッタ23では、変調率AL0*が下限値0、上限値 1でリミットされ、補正後の変調率AL*として出力される。
リミッタ23のリミット上限値ALmaxは、変調率リミット指令Flg_AllimCmd によって切り替えられる。
〔数1〕
ALmax = 1.0 if Flg_AllimCmd = 0
= β if Flg_AllimCmd = 1
ここに、βは所定のセット値であり、β<1.0で定義される。
変調率リミット指令は、変調率リミット指令演算部31でトルク電流指令IqRefに応じて、次式のように生成される。
〔数2〕
Flg_AllimCmd = 1 if |IqRef| < γ
= 0 if |IqRef|>=γ
ここに、γは所定のセット値である。
すべり周波数演算部11では、励磁電流指令IdRefとトルク電流指令IqRefとに基づきすべり周波数ωsが演算出力される。加算器13では、速度検出器10によって検出された主電動機の回転速度ωrとすべり周波数ωs*が加算され、インバータ出力周波数基準ω1*が演算出力される。
一方、ビートレス制御部12には、電圧検出器19によって検出されたインバータ1の直流電圧Vdcが入力される。ビートレス制御部12では直流電圧から脈動分が抽出され、その脈動に応じて、インバータ出力周波数の補正量ω1cmpが演算出力される。このビートレス制御法については、特公平7−46918号公報に記載がある。この公報記載の技術では、単相交流電源を直流変換しているため、電源周波数の2倍の周波数成分の脈動(電源が50Hzの場合、100Hzの脈動)が、コンバータ・インバータの直流側に重畳される。この直流脈動によって生じる電動機のトルク脈動が、ビートレス制御の出力であるインバータ出力周波数補正ω1cmpによって抑制できる。
加算器14では、インバータ出力周波数基準ω1*とインバータ出力周波数補正量ω1cmpとが加算され、インバータ出力周波数ω1が生成される。積分器8では、インバータ出力周波数ω1が積分され、座標変換器6,7で用いる(AB軸静止座標系の基準軸A軸に対する)D軸の位相角θが生成出力される。
ゲート指令演算部9は、図2に示すように、1パルス制御部25と、1ダッシュ(「1´」以下同じ)パルス制御部26と、三角波比較PWM制御部27と、切替器28と、制御モード選択部29と、相変調率指令演算部30とを備え、入力された変調率AL*と、静止座標系A軸から出力電圧ベクトルまでの位相角θVとに基づき、基本波電圧が等しくなるようにゲート指令を生成出力する。
出力電圧指令に一致した基本波電圧が出力されるために各種のPWM制御法があるが、ここでは、三角波比較PWM制御、1ダッシュパルス制御、1パルス制御が採用されている。三角波比較PWM制御は、公知の技術であり、説明を省略し、ポイントになる1パルス制御と1ダッシュパルス制御について以下に説明する。なお、後述するように、「1ダッシュパルス制御」は、極性が切り替わる際に休止区間(ゼロ区間)を設ける点で1パルス制御と異なっている。
まず、図3(a),(b)はU相出力電圧指令とU相出力電圧とを示すものである。同図(b)は1パルス制御の波形を示し、U相電圧指令のゼロクロスのアップエッジとともにU相ゲートがオン状態となり、ゼロクロスのダウンエッジとともにU相ゲートがオフ状態となる。1パルス制御は、インバータが出力し得る最大のモードであるとともに、任意に調整できるパラメータはない。一方、図3(a)は1ダッシュパルス制御の波形を示している。1パルスモードとの差異は、U相出力電圧のゼロクロス付近で、0電位を出力する区間αがある点である。このαによって、基本波電圧を調整制御することができる。
第1の実施形態では、このような3つの制御モードを、制御モード選択部29と切替器28により切り替えることで、インバータ1へのゲート指令が生成される。制御モード選択部29では、変調率AL*を入力とし、次式によって、それぞれの制御モードに対応したナンバーPnumが出力される。
〔数3〕
Pnum = 1 if AL* < x1
= 2 if x1 <= AL* < x2
= 3 if AL* = 1
ここに、x1,x2は所定のセット値でx1<x2の関係を有するものとする。
以上の構成により、変調率リミットフラグFlg_AllimCmdを1にセットすることにより、変調率AL*の上限がβ(β<1.0と定義)になるため、ゲート指令演算部9において、1パルス制御の選択が制限される。1パルス制御では、基本波周波数の6倍の電流高調波が大きく発生し、騒音の原因となるのに対し、この1パルス制御以外の制御モードでは、少なくとも、1パルス制御ほど大きな6倍の電流高調波を生じない。これにより、低騒音化が期待できる。
なお、第1の実施形態では、1パルス制御でない制御モードとして1ダッシュ制御モードを採用しているが、他の制御モードであってもかまわない。
ただし、1パルス制御を選択した場合と1ダッシュパルス制御を選択した場合とを比較すると、同一の出力を得るためには、1パルス制御の方が出力電圧が大きい反面、出力電流は1ダッシュパルス制御の方が大きくなる。このため、1ダッシュパルス制御では各種損失が増加し好ましくない。逆に出力電流を一定とすれば、出力電圧が低い分、出力が低下する。
従って、変調率リミット指令演算部31により、トルクすなわちトルク電流指令の絶対値が小さい場合に限り、低騒音化をねらい1パルス制御を用いないように変調率リミットフラグFlg_AllimCmd=1とする一方、大きな出力が必要であるトルク電流指令の絶対値が大きい場合に限り、1パルス制御を行うように変調率リミットフラグFlg_AllimCmd=0とすることで、部分的ながら低騒音化を図ることができる。
また、上記の出力が低下する問題について、一編成には、複数の上記電気車制御装置が備わるため、編成トータルでの出力が確保されればシステム上問題は生じない。従って、新幹線のグリーン車など、高品質性を要求される車両に備えられる電気車制御装置に限り、変調率リミットフラグFlg_AllimCmd=1とし、普通車ではFlg_AllimCmd=0とすることで、編成でみた総出力の低下と、品質向上とのトレードオフをとることができる。
更に、交流電車に特有の問題として、主電動機のビート現象がある。第1の実施形態では、交流電車で直流電圧が電源周波数の2倍で脈動することに起因するビート現象を、インバータ周波数に同周波数の補償量を重畳することで抑制する方式が示されている。一方、同ビート現象を、インバータの変調率に補償量を重畳することで抑制する方式が特公昭61−48356号公報に記載されている。双方の効果を比較すると、第1の実施形態ではビート現象を抑制するにすぎないが、公報記載のものでは原理的にはビート現象を完全に打ち消すことができる。よって、従来制御においても変調率が1未満の領域では、後者の変調率補償法が採用される。しかしながら、変調率補償法では、時々刻々と変調率がその平均に対し増減するため、騒音の原因である1パルス制御に近い波形が出力されてしまうタイミングが存在する。このため、第1の実施形態のように、変調率をリミットした動作においても、周波数を補償するビートレス制御を適用することにより、より一層の低騒音化を期待することができる。
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す第1の実施形態と比べ、変調率リミット指令演算部31の構成が異なるため、他を省略して説明する。
第2の実施形態における変調率リミット指令演算部31には、電流検出器4で検出され座標変換部7で座標変換された電流値Id, Iq が入力される。変調率リミット指令演算部31では、モータ内での損失が演算され、それに基づきモータ温度が予測される。このモータ温度に基づき、変調率リミットフラグFlg_AllimCmdが切り替えられる。ここで例えば、モータ内の損失Plossは次式に簡易に演算できる。
〔数4〕
Ploss = R1×(Id 2 + Iq 2 ) + ( M / L2 ) 2 × R2 × Iq 2
ここに、R1:1次抵抗、R2:2次抵抗、M:相互インダクタンス、L2:2次
自己インダクタンスである。
また、温度予測値Tmotは次式で簡易に予測できる。
〔数5〕
Tmot = K / (τ×s + 1) × Ploss + Tmot0
ここにKは熱損失から温度までの換算係数、τは熱時定数、sはラプラス演算子、
Tmot0は温度初期値である。
変調率リミットフラグFlg_AllimCmdは、モータ温度予測値Tmotに基づき、次式で決定する。
〔数6〕
Flg_AllimCmd = 1 if Tmot < Tmot_Set
= 0 if Tmot >= Tmot_Set
以上により、モータの温度に基づき、1パルス制御を用いるか、1パルス制御を用いないかが決定される。前述のように、1パルス制御は損失が低いのに対し、それ以外の制御モードでは損失が増加する。よって、モータ温度が低い場合には、低騒音化が可能な1パルス制御を用いない制御モードを選択し、モータ温度が上昇した場合には、モータ温度上昇を抑制するため、損失が少ない1パルス制御を選択するようにする。よって、温度上昇によるモータ焼損あるいは保護といった信頼性の劣化を引き起こすことなく、可能な限り低騒音化を図ることができる。
なお、第2の実施形態ではモータ損失を電流から簡易に予測する方法を示したが、より厳密に、あるいは、温度センサを備えて温度を検出するものであってもかまわない。また、モータ側での温度上昇でなく、インバータの素子温度等の上昇も考慮することがあることから、同様な方法により、インバータの素子温度等を予測あるいは検出し、その温度に基づき変調率リミットフラグを制御するものであっても良い。
<第3の実施形態>
図5は、本発明の第3の実施形態の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、第3の実施形態の電気車制御装置は、インバータ制御部32と、コンバータ制御部33とを備えているが、インバータ制御部32は図7に示した従来例と同一であるため、コンバータ制御部33を中心に説明する。
コンバータ制御部33は、ゼロクロス検知部36と、位相同期制御部37と、加算器38と、直流脈動指令演算部39と、減算器40と、電圧制御部41と、減算器42と、電流制御部43と、加算器44と、PWM制御部46とを備えている。また、コンバータ制御部33には、電流検出器35で検出されたコンバータ15の交流側電流である出力電流Isと、コンバータ15の出力側において電圧検出器19で検出された直流電圧Vdcと、電圧検出器34で検出された主変圧器16の第1巻線の電圧である1次電圧Vsが入力されている。なお、1次電圧Vsの検出点として、電気車では主変圧器16に第3巻線を備え、この3次電圧を1次電圧すなわち架線電圧Vsの代替として用いている例もあり、このような構成であっても良い。
ゼロクロス検知部36では、1次電圧すなわち架線電圧Vsに基づきにそのゼロクロス点が検知される。位相同期制御部37では、架線電圧のゼロクロス点より、架線電圧位相θsが算出される。ここに位相θsのゼロ点は、架線電圧のゼロクロス点であると定義する。
加算器38では、直流電圧指令VdcRef0 と、後述する直流脈動指令演算部39の出力であるVdcRefCmpとを加算して補正後の直流脈動指令VdcRefが生成される。減算器40では、補正後の直流脈動指令VdcRefから、電圧検出器19によって検出されたPN間の直流電圧Vdcが減算される。電圧制御部41には、補正後の直流脈動指令VdcRefと検出されたPN間の直流電圧Vdcとの偏差が入力され、その偏差が零となるように位相同期制御部で生成された前記架線電圧位相θsに基づき、コンバータ電流指令値IsRefが演算される。
〔数7〕
IsRef=[(Kp・s+Ki)/s]・(VdcRef−Vdc)・sin(θs)
電流制御部43では、出力電流指令値IsRefに検出された出力電流Isが一致するように、次式のように出力電圧補正量Vccmpを算出する。
〔数8〕
Vccmp = Kp・(IsRef−Is)
また、架線電圧のフィードフォワード項VsFFを電源電圧FF演算部45にて次式に算出する。ここにVs*は、架線定格電圧のコンバータ交流側への換算値である。
〔数9〕
VsFF = Vs*・sin(θs)
加算器44では、架線電圧フィードフォワード項VsFFと出力電圧補正量Vccmpとを加算することで、コンバータの出力電圧指令値VcRefが算出できる。PWM制御部46では、コンバータの出力電圧指令値Vc*に一致した出力電圧が得られるように、コンバータ15へのゲート指令が三角波比較PWM制御等により生成される。
第3の実施形態のポイントである直流脈動指令演算部39の詳細を説明する。直流脈動指令演算部39には、インバータ制御部32の加算器24の出力であるインバータ出力電圧位相角θVが入力され、次式のように直流電圧指令の補正量VdcRefCmpを算出する。
〔数10〕
VdcRefCmp = K2・sin ( 6 ×θv + Δ)
ここに、K2は所定のゲイン、Δは所定の位相シフト量である。
以上の構成によれば、インバータ出力電圧の位相角に同期し、その6倍、すなわち、インバータ周波数の6倍にてインバータの直流電圧を脈動させることが可能となる。U相出力電圧のゼロクロス付近で、直流電圧が低下するように、また、U相出力電圧のピーク付近で直流電圧が増加するように、前記位相シフト量を調整することにより、インバータが1パルス制御を用いていても、各相の出力電圧が正弦波に近くなることで、インバータ周波数の6倍の高調波電流を低減できる。これにより、低騒音化が期待できる。
<第4の実施形態>
図6は、本発明の第4の実施形態の構成を示すブロック図である。
図7に示す従来例に比べ、インバータ制御部32は同一であり、他にエネルギー蓄積変換手段とその制御部が加わる方式であるため、他を省略して説明する。
インバータ1の直流側にエネルギー蓄積変換手段47を備える。エネルギー蓄積変換手段47は、エネルギー蓄積部51、リアクトル49、エネルギー変換部48からなる。エネルギー蓄積部51は大容量キャパシタやバッテリなどが用いられるが、第4の実施形態の目的だけに限れば、小容量のキャパシタであっても良い。エネルギー変換部48は、スイッチング素子を2つ直列に結合したものである。すなわち、直流チョッパ回路を構成するものである。
このエネルギー蓄積変換手段47の制御部として、エネルギー蓄積変換制御部52がある。この構成は図5に示す第3の実施形態とほぼ同一であるので詳細な説明は省略する。要はインバータ1の直流電圧がその指令値に一致するような電圧制御系を有することがポイントである。直流脈動指令演算部39も、同様に、インバータ制御部32の出力電圧位相角θVを入力とし、その6倍の周波数の補償量を直流電圧指令に重畳する。
以上の構成により、第3の実施形態と同様、インバータの直流電圧を出力電圧の周波数の6倍の周波数にて脈動させることが可能である。よって、インバータが1パルス制御を用いていても、各相の出力電圧が正弦波に近くなることで、インバータ周波数の6倍の高調波電流を低減できる。これにより、低騒音化が期待できる。
<他の実施形態)
なお、第3の実施形態、第4の実施形態のポイントは、インバータの直流電圧を脈動させ、1パルス制御を用いていても、各相出力電圧を正弦波に近づけることである。第3、第4の実施形態では、コンバータやエネルギー蓄積変換手段47を用いた構成を示したが、インバータ自身でトルク電流や励磁電流など電流をインバータ出力周波数の6倍で故意に脈動させて、インバータ直流電圧を脈動させることができる。ただし、トルク電流を脈動させた場合には、トルクに同成分が現れるため、好ましくない。一方、励磁電流をインバータ出力周波数の6倍にて脈動させても、トルクの振動にはほぼ影響を与えない。励磁電流は磁束を制御するものであるが、磁束の応答時定数は数百msである。インバータ出力周波数の6倍とは、数百Hzのオーダーであるため、磁束はほぼ反応しない。よって、トルク電流は一定とし、励磁電流をインバータ出力周波数の6倍にて脈動させることで、インバータ直流電圧を同周波数にて脈動させることが可能となる。これにより、低騒音化が期待できる。
<第5の実施形態>
図8は、本発明の第5の実施形態の構成を示すブロック図である。
第5の実施形態が図1に示す第1の実施形態に比べて、変調率リミット指令演算部31と、ビートレス制御部の2点が異なっている。このため、第1の実施形態と共通する部分の説明は省略する。
第5の実施形態における第1のポイントは、変調率リミット指令演算部31にある。
変調率リミット指令演算部31には、速度検出器10によって検出されたモータ回転速度が入力される。変調率のリミット値、すなわち、出力電圧の大きさのリミット値は、例えば、図9のようなモータ回転速度に応じた関数にする。
高速走行におけるモータ騒音は、モータ電流の5次・7次高調波の影響が大きいことが知られている。図10は、変調率をリミットし、前記1ダッシュパルスで動作させた場合の5次・7次高調波電流の値について、1パルス時の5次・7次高調波電流に対する低減率を示したものである。これより、変調率をリミットし、1パルスで動作させないことで、5次・7次電流高調波を大きく低減し、低騒音化が期待できる。
また、図10に同時に示されるモータ電流の増加率からも理解できるように、同一トルクを得るためには、変調率すなわち出力電圧をリミット(低下)した分、電流を増やし、所定トルクを出力する必要がある。前述のように若干、高調波電流の低下で、電流RMSの低下につながるものの、トータルとしては、同図のようにモータ電流RMSが増加する。モータ電流RMSの増加は、モータやインバータの効率低下となり、また、同機器の温度上昇を引き起こす。この場合、冷却器の強化が不可欠で、装置の大型化・重量化・コストアップにつながる。また、場合によっては、過電流により、運転停止に至る恐れもある。よって、極力モータ電流を増加させないことが望ましい。同図から、弱め界磁制御領域(変調率(出力電圧)がリミットされる領域)の低速側では電流の増加率が小さく、逆にモータが特性領域に入る高速側で電流の増加率が大きくなる。よって、弱め界磁制御領域の低域側では、システムとして許容できる程度まで変調率リミット値を下げて低騒音を図り、逆に高速域では電流許容値の範囲となるように変調率リミット値を速度に応じて増加することで、低騒音化を図るとともに、機器増大を回避することができる。
なお、第5の実施形態では、速度に依存した関数として変調率リミット値を設定しているが、出力に応じて設定することも可能である。出力が大きいときほど基本電流は大きく、モータやインバータの熱的条件が厳しく、また、過電流耐量は小さい。このような大出力の場合には、騒音低下でなく、運転継続性を優先させる必要性がある。
第5の実施形態の第2のポイントは、先に記載のビートレス制御部12に代えてビートレス制御部53を設けた点である。第1の実施形態におけるビートレス制御部12では、直流電圧の脈動に応じて、インバータ出力電圧の位相角を補正していたのに対し、第5の実施形態のビートレス制御部53では、直流電圧の脈動に応じて、変調率を補正するようにしている。
電圧検出器19によって検出された直流電圧は、ビートレス制御部53へ入力される。除算器54では、直流電圧の目標電圧Vdc*を検出された直流電圧で割り算出力する。除算器54の出力は、乗算器55において、リミット23の出力である変調率リミット値に乗算される。
このようにビートレス制御部53では、直流電圧の脈動率を算出し、変調率に乗算することでこれを補正するようにしてる。出力電圧の大きさは、瞬時の変調率×直流電圧であるため、同演算により、直流電圧が脈動した状態においても、出力電圧を一定に維持し、ビート現象を抑制することができる。
この変調率を補正するビートレス制御は、上述のように出力電圧を一定にするため、モータ電流の増大は生じない。一方、第1の実施形態の出力電圧位相角を補正するビートレス制御では、出力電圧は直流電圧に応じて脈動してしまう。ただし、位相角を制御することで、トルクは一定にするものである。この場合、モータ電流の増加が生じてしまう。よって、変調率補正方式が望ましいが、変調率の制御余裕が必要であるため、現状では、弱め界磁制御領域においては適用されていない。
第5の実施形態では、多少のモータ電流の増加を考慮の上、モータ低騒音化を図るため、変調率をリミットするものであり、上記変調率を補正するビートレス制御方式を適用することが好ましい。
一般に、完全に変調率でビートを抑制する場合、直流電圧の脈動率分の変調率の変動範囲が必要である。現状の新幹線では、最大負荷をとった場合、直流電圧の脈動率が概ね5%として計画されている。この場合、変調率を補正するビートレス制御を適用すると平均変調率(すなわち変調率リミット値)は95%以下であることが望まれる。しかしながら、上述のように、低変調率でリミットするとモータ電流増加を招き好ましくない。よって、図9の変調率リミットの速度依存特性のように、ビート現象が顕著に生じる速度帯(インバータ出力周波数が電源周波数の2倍に一致する付近、すなわち、100Hzや120Hz帯)のみ、同95%以下に変調率をリミットし、低騒音とビートレス制御効果を優先し、他の領域ではモータ電流の増加を抑制するため、変調率リミットを増加する方法が有効となる。
本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図。 ゲート指令演算部の構成を示すブロック図。 U相出力電圧波形を示す説明図。 本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図。 本発明の第3の実施形態の構成を示すブロック図。 本発明の第4の実施形態の構成を示すブロック図。 従来例の構成を示すブロック図。 本発明の第5の実施形態の構成を示すブロック図。 変調率リミット指令演算部の動作例を示す説明図。 モータ電流の5次・7次高調波の低減率とモータ電流の増加率との関係を示す特性図。
符号の説明
1…NPCインバータ
2…フィルタコンデンサ
3…主電動機
4,35,50…電流検出器
5…電圧演算部
6,7…座標変換部
8…積分器
9…ゲート指令演算部
10…速度検出部
11…すべり周波数演算部
12,53…ビートレス制御部
13,14,24,38,44…加算器
15…コンバータ
16…主変圧器
17…架線
18…パンタグラフ
19,34…電圧検出器
20…車輪
21…レール
22…変調率演算部
23…リミッタ
25…1パルス制御部
26…1ダッシュパルス制御部
27…三角波比較PWM制御部
28…切替器
29…制御モード選択部
30…相電圧指令演算部
31…変調率リミット指令演算部
32…インバータ制御部
33…コンバータ制御部
36…ゼロクロス検知部
37…位相同期制御部
39…直流脈動指令演算部
40,42…減算器
41…電圧制御部
43…電流制御部
45…電源電圧FF演算部
46…PWM制御部
47…エネルギー蓄積変換手段
48…エネルギー変換部
49…リアクトル
51…エネルギー蓄積部
52…エネルギー蓄積変換制御部
54…除算器
55…乗算器

Claims (4)

  1. 直流を交流に変換するインバータと、
    前記インバータの交流側に接続された主電動機と、
    前記インバータが出力する電圧の出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、
    前記インバータが出力する電圧の大きさを演算するインバータ出力電圧演算手段と、
    前記インバータが出力する電圧の周波数と大きさに基づき前記インバータのゲート指令を生成するゲート指令演算手段とを有し、
    前記ゲート指令演算手段は、少なくとも正弦波半周期に1パルスを出力する1パルス制御手段と、所定条件下においては前記1パルス制御を行わない1パルス制御制限手段とから構成され、
    トルク指令の大きさが所定値よりも小さい場合には1パルス制御制限手段を動作させ、トルク指令の大きさが所定値よりも大きい場合には前記1パルス制御制限手段を動作させないことを特徴とする電気車制御装置。
  2. 直流を交流に変換するインバータと、
    前記インバータの交流側に接続された主電動機と、
    前記インバータが出力する電圧の出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、
    前記インバータが出力する電圧の大きさを演算するインバータ出力電圧演算手段と、
    前記インバータが出力する電圧の周波数と大きさに基づき前記インバータのゲート指令を生成するゲート指令演算手段と、
    前記インバータまたは前記主電動機の温度を予測もしくは検出する温度検知手段と、
    前記ゲート指令演算手段は、少なくとも正弦波半周期に1パルスを出力する1パルス制御手段と、所定条件下においては前記1パルス制御を行わない1パルス制御制限手段とから構成され、
    前記温度検知手段により検出された温度が所定値より小さい場合には前記1パルス制御制限手段を動作させ、当該温度が所定値より大きい場合には前記1パルス制御制限手段を動作させないことを特徴とする電気車制御装置。
  3. 直流を交流に変換するインバータと、
    前記インバータの交流側に接続された主電動機と、
    前記インバータが出力する電圧の出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、
    前記インバータが出力する電圧の大きさを演算するインバータ出力電圧演算手段と、
    前記インバータが出力する電圧の周波数と大きさに基づき前記インバータのゲート指令を生成するゲート指令演算手段とを有し、
    前記ゲート指令演算手段は、少なくとも正弦波半周期に1パルスを出力する1パルス制御手段と、所定条件下においては前記1パルス制御を行わない1パルス制御制限手段とから構成され、
    前記電動機の回転数の大きさが所定値よりも小さい場合には1パルス制御制限手段を動作させ、前記電動機の回転数の大きさが所定値よりも大きい場合には前記1パルス制御制限手段を動作させないことを特徴とする電気車制御装置。
  4. 直流を交流に変換するインバータと、
    前記インバータの交流側に接続された主電動機と、
    前記インバータが出力する電圧の出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、
    前記インバータが出力する電圧の大きさを演算するインバータ出力電圧演算手段と、
    前記インバータが出力する電圧の周波数と大きさに基づき前記インバータのゲート指令を生成するゲート指令演算手段とを有し、
    前記ゲート指令演算手段は、少なくとも正弦波半周期に1パルスを出力する1パルス制御手段と、所定条件下においては前記1パルス制御を行わない1パルス制御制限手段とから構成され、
    前記1パルス制御制限手段は、前記インバータ出力周波数が前記単相交流の周波数の2倍の周波数と一致する時に動作することを特徴とする電気車制御装置。
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