JP2007180167A - トロイダルコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】巻線の巻回が容易になると共に、周波数特性を向上させることが可能なトロイダルコイルを提供すること。
【解決手段】リング状に設けられると共に、磁性材から構成されるリング状コア20と、リング状コア20が収納されるハウジング30と、巻線41をハウジング30の周囲に巻回させることにより構成されるコイル40と、巻線41の巻回部位の途中部分に位置して、コイル40を複数の部分に区切るパーティション手段34と、を具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノイズ対策用の電子部品等として用いられるトロイダルコイルに関する。
例えばAC電源ラインでのノイズ対策用のノイズフィルタとして、トロイダルタイプのコイル(トロイダルコイル)が一般的に用いられている。このトロイダルコイルには、特にコモンモードノイズを抑制するため、コモンモードチョークコイルとして用いられるタイプがある。このタイプのトロイダルコイルでは、それぞれ分離している2つのコイルが、同一のリング状のコアに巻回されている。
かかるタイプのトロイダルコイルとしては、特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1の構成では、ケース体の内部に、フェライトを材質とするリング状コアが収納されていると共に、そのケース体の周囲に、2つの巻線が巻回されて、それぞれコイルが形成されている。さらに、2つのコイルを構成する巻線の端末が、互いに接触するのを防止するため、当該2つのコイルを仕切る仕切板が設けられ、両者の間の絶縁耐圧を確保している。以上のようにして、2つのコイルを備えるトロイダルコイルが構成されている。
特開平7−45444号公報(要約、図1、図2等参照)参照)
ところで、リング状コア、またはリング状コアを覆うケース体に対して巻線を巻回させる場合、本来であれば同じ高さ位置(同じ層内)にあるべき巻線同士が互いに重なったり、または互いに絡みついたりする場合がある。かかる重なりや、絡みつきが所定のトロイダルコイルで発生すると、巻線の間の線間容量が変動する等により、高周波におけるノイズ低減効果が安定しない、という不具合が生じる。すなわち、トロイダルコイルごとに、特性にバラつきが生じてしまう、という問題が生じる。
このような問題を防ぐためには、同じ層内においては、巻線同士が重なったり、絡みついたりしないようにして巻回させる必要がある。しかしながら、リング形状を為すリング状コアまたはケース体の内周側と外周側とでは、周方向の長さが異なるため、トロイダルコイルに対しての巻線を正確に行うことは、難しい。それ故、リング状コアまたはケース体に対して、同じ層内の巻線同士が重なったり、絡みつかないようにして巻回させることは難しい。
なお、リング状コアまたはケース体の内周側で、巻線が重ならないように巻回させても、当該リング状コアまたはケース体の外周側で、問題が生じる場合がある。すなわち、リング状コアまたはケース体の内周側において、巻線が重ならないようにすると、外周側では、巻線同士の間に隙間が生じる。そのため、巻線の外周側では、一部の巻線のみが、本来あるべき位置からずれることにより、一方の隙間が狭く、かつ他方側の隙間が広くなる状態(巻線の分布の偏り)が生じる場合がある。
このように、巻線の分布が偏ると、分布容量が変動するため、周波数特性が悪化してしまう。特に、高周波帯域でのノイズを低減する特性が安定しない、という問題が生じる。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、巻線の巻回が容易になると共に、周波数特性を向上させることが可能なトロイダルコイルを提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、リング状に設けられると共に、磁性材から構成されるリング状コアと、リング状コアが収納されるハウジングと、巻線をハウジングの周囲に巻回させることにより構成されるコイルと、巻線の巻回部位の途中部分に位置して、コイルの巻回部位を区切るパーティション手段と、を具備するものである。
このように構成した場合には、分割巻きが為されているそれぞれのコイルは、ハウジングに設けられているパーティション手段により、巻回部分が、その中途部分で区切られる。このとき、パーティション手段は、巻線の巻回に対する位置決めとしての役割を果たす。このため、巻回部分が短くなり、巻回部分が長い場合に問題となる、当該巻回部位の不安定さによる、巻線同士の重なりや、巻線が互いに絡みつく、といった不具合を防止することが可能となる。
また、巻回部分が短くなることにより、ある高さ位置(ある層)の巻線に対して、他の高さ位置(他の層)の巻線が隣接して巻線が重ねられても、重ねられている巻線同士の間での電位差を小さくすることができる。それにより、線間容量容量を小さくすることができ、高周波帯域でのノイズを低減する場合の特性を安定化させることができる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、パーティション手段は、ハウジングに設けられると共に、このパーティション手段は、ハウジングから、そのハウジングの外径側またはリング状コアの軸線方向に向かって突出する突起部材であり、この突起部材の側面は、ハウジングのうち巻線に接触する接触面に対して、略垂直を為すように設けられているものである。
このように構成した場合には、突起部材は、ハウジングの接触面に対して略垂直を為すように設けられている。そのため、ハウジングの接触面に接触しつつ巻回される巻線は、巻線の巻回の際に張力が付与されても、突起部材を持ち上がるようにして、乗り越えることがない。それにより、接触面に接触する巻線に、巻き崩れが生じるのを防止可能となっている。また、かかる接触面での巻き崩れの防止により、コイルの他の部位において、巻き崩れが生じるのを防止可能となっている。そのため、巻線同士の重なりや、巻線が互いに絡みつく、といった不具合を、確実に防止可能となっている。また、突起部材が接触面に対して略垂直を為しているため、ハウジングを成型等によって形成する場合、金型から抜き易くなる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、コイルは、一端側であるハウジングの巻線の巻き始め側から、他端側である突起部分までの間で、巻線の内周側が隣接する状態で巻回して第1層を構成すると共に、他端側から一端側までの間で、第1層に対して重ねられる状態で巻線の内周側が隣接する状態で巻回して第2層を構成し、さらに、必要に応じて、他端側から一端側に向かうように、または一端側から他端側に向かうように、第3層以降の第N層が構成されているものである。
このように構成した場合には、コイルを形成する場合、一端側の巻線の巻き始め側から、他端側の突起部分までの間を、同じ高さ位置となる状態で(層状を為す状態で)巻回され、第1層が構成される。また、この第1層に対して、今度は折り返しながら第2層が重ねられるように巻回される。さらに、必要に応じて、第3層以降の第N層が、上述の第1層および第2層と同様にして、層状を為すようにして巻回される。
このようにすれば、一端側と他端側といった、比較的短い区間で、巻線同士が重ねられる状態となるため、重ねられている巻線同士の間での電位差を小さくすることができる。それにより、線間容量を小さくすることができ、高周波帯域でのノイズを低減する場合の特性を安定化させることができる。すなわち、周波数特性を安定化させることが可能となり、製品ごとの特性のバラ付きを抑えることが可能となっている。
本発明によると、トロイダルコイルにおいて、巻線の巻回が容易になると共に、周波数特性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る、トロイダルコイル10の実施の形態について、図1から図4に基づいて説明する。図1は、本実施の形態のトロイダルコイル10の構成を示す平面図である。また、図2は、トロイダルコイル10の構成を示すと共にコイル40が存在しない状態を示す分解斜視図である。また、図3は、図2の矢示A−A線に沿ってトロイダルコイル10を切断した状態を示す側断面図である。さらに、図4は、巻線41の巻回順序を示すハウジング30およびコイル40の展開図である。
なお、以下の説明においては、後述する底壁312から見て、蓋体32が存在する側を上側とすると共に、蓋体32から見て、底壁312が存在する側を下側として説明する。
図1〜図3に示すように、本実施の形態のトロイダルコイル10は、リング状コア20と、ハウジング30と、コイル40と、を具備している。これらのうち、リング状コア20は、その外観がリング状に設けられているコア部材である。このリング状コア20は、フェライトを材質として形成されているが、フェライトには限られず、パーマロイ等、他の磁性材であっても良い。
このリング状コア20は、ハウジング30に収納される。ハウジング30は、中心に挿通孔30aを備えており、その外観形状がリング形状に設けられている。このハウジング30には、ケース体31と、蓋体32と、仕切り部材33と、が設けられている。そのうち、ケース体31には、図2および図3に示すように、断面が凹形状であると共にリング状に設けられている凹陥部311が設けられている。この凹陥部311には、リング状コア20が収納される。そのため、ケース体31には、下方に位置すると共にリング状の薄肉板状となっている底壁312と、この底壁312のリング状の内周側および外周側にそれぞれ設けられ、厚みの薄いリング状を為す一対の側壁313と、を有している。また、ケース体31のうち、底壁312と対向する部位には、開口部314が設けられていて、この開口部314を介して、リング状コア20を収納可能としている。
また、ケース体31には、蓋体32が取り付けられる。蓋体32は、リング状コア20を凹陥部311に収納した状態で、ケース体31に取り付けられる。それにより、リング状コア20が外部に露出しない状態となる。なお、凹陥部311にリング状コア20を収納した状態で、蓋体32をケース体31に取り付ける場合、リング状コア20がガタ付かない状態となるように、凹陥部311の深さ寸法およびリング状コア20の厚み寸法が設定されている。
また、ハウジング30には、仕切り部材33が設けられている。この仕切り部材33は、2つのコイル40を互いに離間させ、両者の絶縁耐圧を確保するための部材である。なお、本実施の形態では、仕切り部材33は、底壁312(ケース体31)と一体的に設けられている仕切り部材33aと、蓋体32と一体的に設けられている仕切り部材33bとから構成されている。しかしながら、仕切り部材33は、ケース体31または蓋体32のうち、いずれかのみに対して一体的に設けられていても良く、ケース体31または蓋体32のいずれに対しても別体的に設けられていても良い。
また、図1に示すように、仕切り部材33には、幅広部331と、幅狭仕切部332とを有している。これらのうち、幅広部331は、それぞれのコイル40の合計4つの端末42の位置決めを行うと共に、当該幅広部331に端末42が倣うように設けられる。なお、本実施の形態では、いずれか一方側の幅広部331に対して、2つのコイル40の合計4つの端末42が、倣うように設けられている。かかる4つの端末42の絶縁耐圧を確保するために、幅広部331は、幅狭仕切部332よりも十分に広い幅を有している。
なお、本実施の形態では、仕切り部材33のうち、蓋体32側では、幅広部331と幅狭仕切部332とが分離して設けられている。すなわち、図2および図3に示すように、幅広部331は、挿通孔30aに向かい尖形状となるように突出する先割れ部331aを備えていると共に、この先割れ部331aには、幅狭仕切部332の嵌め込みを可能とする嵌合溝331bが設けられている。また、仕切り部材33のうち、ケース体31側には、幅狭仕切部332が一体的に設けられている。この幅狭仕切部332は、蓋体32よりも上方に位置するように突出して設けられている。しかも、この幅狭仕切部332の突出高さは、幅広部331と同程度となっている。また、蓋体32側とは反対の底壁312側では、幅広部331と幅狭仕切部332とは、一体的に設けられている。
なお、ケース体31のうち、幅狭仕切部332の根元の部位には、蓋体32の幅広部331の下面を受け止めるための、台座部315が設けられている。
また、ハウジング30には、パーティション手段および突起部材としてのコイル分割突起34が設けられている。このコイル分割突起34は、ハウジング30の周方向のうち、一対の幅広部331に対して略90度だけずれた部位に設けられている。しかも、コイル分割突起34も、幅広部331と同様に、ハウジング30の中心を挟んで対称となる部位に、それぞれ設けられている。
このコイル分割突起34は、ハウジング30の底壁312の法線方向、または蓋体32の法線方向に向かい、外方に飛び出す状態で突出している。また、コイル分割突起34は、ハウジング30のうち、外周側の部位に設けられている。しかも、コイル分割突起34は、ハウジング30の外周側から、さらに外径側に向かい突出している。すなわち、コイル分割突起34は、ハウジング30の側壁313の高さ方向に沿って設けられている(図2および図3参照)。
なお、コイル分割突起34が法線方向および外径側に向かって突出する長さ寸法は、巻線41の直径よりも数倍程度大きくなるように設けられている。それにより、巻線41をハウジング30に巻回し、その巻線41が層状に重ねられても、巻線41が隣り合うコイル40の側に向かって容易には乗り越えない状態となる。
また、本実施の形態では、コイル分割突起34の円周方向に沿う寸法は、内径側よりも、外径側の方が大きく設けられている。また、コイル分割突起34は、底壁312に対して略垂直を為す状態で突出している。そのため、コイル分割突起34は、巻線41の位置決めを確実に行えると共に、成型時の金型からの抜き易さも確保している。なお、かかるコイル分割突起34を平面視すると、概ね台形状に設けられている。
また、図3に示すように、本実施の形態では、コイル分割突起34は、ケース体31と一体的に設けられているケース側分割突起34aと、蓋体32と一体的に設けられている蓋側分割突起34bとから構成されている。これらのうち、ケース側分割突起34aは、ケース体31の側壁313に、当該ケース体31の高さ方向に沿って設けられている。そのため、ケース側分割突起34aは、その外観が、細長い棒状となっている。また、蓋側分割突起34bは、その下端側が蓋体32の上面と面一となるように、当該蓋体32と一体的に設けられている。しかも、この蓋側分割突起34bは、蓋体32の外縁よりもさらに外径側に向かって突出しており、その突出長さは、ケース側分割突起34aと略同程度となっている。
また、ハウジング30にリング状コア20を収納した状態で、当該ハウジング30には、巻線41が巻回され、コイル40が形成される。このコイル40の両端末42,42は、図1においては、一方の幅広部331の側縁に沿うように、巻回されている。ここで、図1においては、その一例として、左側のコイル40(以下、コイル40Aとする。)の一方の端末42が裏面側、コイル40Aの他方の端末42が表面側に位置するように設けられている。また、右側のコイル40(以下、コイル40Bとする。)の一方の端末42が表面側、コイル40Bの他方の端末42が裏面側に位置するように設けられている。
なお、それぞれ一方の端末42、および他方の端末42は、実装基板に実装される。この実装に際しては、ノーマルモード電流が巻線41を流れる場合には磁束が打ち消されてインピーダンスが発生しないと共に、コモンモード電流が流れる場合には2つのコイルの磁束が加算されて、略2倍のインピーダンスとなって、コモンモード電流を抑制するように、実装されている。
以上のような構成を有するトロイダルコイル10を製造する際の製造方法について、以下に説明する。
トロイダルコイル10を製造する場合、まず、凹陥部311の内部にリング状コア20を挿入する。その後に、蓋体32をケース体31に取り付けて、リング状コア20が外部に露出しない状態とする。このとき、幅広部331の下面は、台座部315によって受け止められる。また、かかる蓋体32の取り付けと共に、ハウジング30に仕切り部材33が存在する状態とする。
この状態で、巻線41をハウジング30に対して巻回させる。ここで、図1のハウジング30の左下の巻回部位WAから巻回を行うとする。このときの巻回の手順を、図4に示す。図4は、巻線41の巻回の内周側を示すと共に、周方向にハウジング30およびコイル40を切断して展開した状態を示す図である。まず、巻線41は、ハウジング30の下面側のうち、幅広部331の縁部のA部から巻回を開始する。このとき、A部は、巻線41の一方の端末42に対応する。また、巻線41は、底壁312の上面に順次並べられる状態で、コイル分割突起34に向かって、巻回される。そして、巻線41の巻回が進行すると、巻き端(巻線41をハウジング30に対して巻回する際に、巻線41の接触の先頭部位)は、コイル分割突起34の付け根のB部に到達する。
すると、巻線41の次の巻回は、B部の上部のC部に位置するように、巻回される。そして、巻線41は、C部からD部に向かい、既に巻回されている第1層(ハウジング30に直接接触する層)に対して重ねられる状態で巻回される。そして、巻線41の巻き端がD部に到達すると、次の巻回は、D部の上部のE部に位置するように巻回される。そして、今度は、このE部からF部に向かい、既に巻回されている第2層に対して、第3層が重ねられる状態で巻回される。なお、図4では、第3層までの巻回を行っているが、巻線41の巻回は、第3層までとする場合には限られず、それ以上の第N層までとしても良い。
以上のようにして、図1において左下の部位における巻線41の巻回が終了する。しかしながら、この巻線41に対して、図1における左上の巻回部位WBでの巻回が開始される。このとき、巻線41は、コイル分割突起34を挟んでB部とは反対側の付け根のG部から、巻回を開始する。なお、この図1における左側の部位での巻線41の巻回は、上述したA〜F部と同様の手順にて為される。つまり、G部からH部、I部、J部、K部を順次経て、L部に至る。そして、L部に至った巻線41の巻き端は、次にM部に至る。なお、このM部は、巻線41の他方側の端末42に対応する。
以上のようにして、巻線41の巻回が終了し、コイル40(コイル40A)が形成される。また、図1において、右側の部位でも、コイル40Aと同様に巻回が為され、コイル40Bが形成される。
このような構成のトロイダルコイル10によれば、コイル40A,40Bは、ハウジング30に設けられているコイル分割突起34により、当該コイル40A,40Bの巻回部分が、その中途部分で区切られる。ここで、コイル分割突起34は、巻線41の巻回に対する位置決めとしての役割を果たす。このため、従来のコイル分割突起34が存在しない構成と比較すると、巻回部分が短くなり、巻回部分が長い場合に問題となる、当該巻回部位の不安定さによる、隣接する巻線41が互いに重なり合ったり、巻線41が互いに絡みつく、といった不具合を防止することが可能となる。
また、巻回部分が短くなることにより、巻線41が重ねられても、重ねられている巻線41の間での電位差を小さくすることができる。それにより、線間容量を小さくすることができ、高周波帯域でのノイズを低減する場合の特性を安定化させることができる。すなわち、周波数特性を安定化させることが可能となり、製品ごとの特性のバラ付きを抑えることが可能となっている。
また、本実施の形態では、ハウジング30には、コイル分割突起34が設けられている。ここで、コイル分割突起34は、外径側かつ底壁312の法線方向に向かって突出している。そのため、巻線41は、巻回の際に張力が付与されても、コイル分割突起34を持ち上げられる状態で乗り越えることはない。それにより、底壁312に接触する巻線41に巻き崩れが生じるのを防止可能となっている。また、かかる底壁312での巻き崩れの防止により、コイル40の他の部位において、巻き崩れが生じるのを防止可能となっている。そのため、巻線41の同じ高さ位置(同じ層内)における巻線41が互いに重なったり、巻線41が互いに絡みつく、といった不具合を確実に防止可能となる。また、コイル分割突起34が底壁312に対して略垂直を為しているため、ハウジング30を成型等によって形成する場合、金型からの抜き易さを確保している。
さらに、本実施の形態では、A部から順次F部まで、層状にかつ各層の巻回の進行が逆向きとなるように、巻線41が巻回されている。それにより、特にコイル40の内周側においては、巻線41を密に巻回させることが可能となり、インダクタンス値を向上させることを可能としている。
また、本実施の形態では、コイル分割突起34の円周方向に倣う寸法は、内径側よりも、外径側の方が大きく設けられている。そのため、巻線41をハウジング30に対して一層容易に巻回させることを可能としている。すなわち、コイル分割突起34においても、ハウジング30の中心からの半径に比例させて、内径側よりも外径側の長さ寸法を大きく設定すれば、コイル分割突起34に対して良好な巻回を行わせることが可能となる。
以上、本発明のトロイダルコイル10の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、2つのコイル40を有するトロイダルコイル10について説明している。しかしながら、トロイダルコイル10は、コイル40を2つ有する場合には限られず、1つのみ有している構成、または3つ以上有している構成に対しても、本発明を適用可能である。
なお、1つのみのコイルを有する構成では、上述の実施の形態のようなコモンモードチョークコイルとはならず、ノーマルモードチョークコイルとなる。また、3つ以上のコイルを有する構成では、コイルの個数に応じた分だけ、上述のコイル分割突起34を設けるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、コイル分割突起34は、1つのコイル40につき、1つずつ設けられている。しかしながら、コイル分割突起34は、1つのコイル40につき、2つ以上設けるように構成しても良い。すると、コイル40は、より多くの巻回部分に分割される。そのため、コイル40を構成する巻線41の線路長が一層短くなり、重ねられる巻線41の間での電位差を一層小さくすることが可能となる。それにより、重ねられる巻線41の間での線間容量を、一層小さくすることが可能となる。
また、上述の実施の形態では、パーティション手段および突起部材として、コイル分割突起34を用いた場合について説明している。しかしながら、パーティション手段は、コイル分割突起34には限られず、例えば、絶縁性を有するテープ部材を貼り付ける等、別途の手法により形成しても良い。なお、コイル分割突起34等の突起には限られず、例えばコイル40を形成する際に板状の治具等を用いて巻回部位を仕切りながら巻線41の巻回を行い、形成後にその治具を取り除くようにしても良い。この場合には、治具がパーティション手段としての機能を果たす。ここで、治具を用いてコイル40を形成する場合、その治具を取り除いた後に、例えば樹脂等で、当該取り除いた後の空間部分を埋めるようにしても良い。
本発明のトロイダルコイルは、電気機器の分野において利用することができる。
本発明の一実施の形態に係るトロイダルコイルの構成を示す平面図である。 図1のトロイダルコイルのうち、コイル40が存在しない状態を示す分解斜視図である。 図1のトロイダルコイルを、図2の矢示A−A線に沿って切断した状態を示す側断面図である。 図1のトロイダルコイルにおける、巻線の巻回順序を示すハウジングおよびコイルの展開図である。
符号の説明
10…トロイダルコイル
20…リング状コア
30…ハウジング
31…カップ体
311…凹陥部
312…底壁
313…側壁
314…開口部
32…蓋体
33…仕切り部材
34…コイル分割突起(パーティション手段および突起部材に対応)
40,40A,40B…コイル
41…巻線
42…端末

Claims (3)

  1. リング状に設けられると共に、磁性材から構成されるリング状コアと、
    上記リング状コアが収納されるハウジングと、
    巻線を上記ハウジングの周囲に巻回させることにより構成されるコイルと、
    上記巻線の巻回部位の途中部分に位置して、上記コイルの巻回部位を区切るパーティション手段と、
    を具備することを特徴とするトロイダルコイル。
  2. 前記パーティション手段は、前記ハウジングに設けられると共に、このパーティション手段は、前記ハウジングから、そのハウジングの外径側または前記リング状コアの軸線方向に向かって突出する突起部材であり、この突起部材の側面は、前記ハウジングのうち前記巻線に接触する接触面に対して、略垂直を為すように設けられていることを特徴とする請求項1記載のトロイダルコイル。
  3. 前記コイルは、
    一端側である前記ハウジングの前記巻線の巻き始め側から、他端側である前記突起部分までの間で、前記巻線の内周側が隣接する状態で巻回して第1層を構成すると共に、
    上記他端側から上記一端側までの間で、上記第1層に対して重ねられる状態で前記巻線の内周側が隣接する状態で巻回して第2層を構成し、
    さらに、必要に応じて、上記他端側から上記一端側に向かうように、または上記一端側から上記他端側に向かうように、第3層以降の第N層が構成されている、
    ことを特徴とする請求項2記載のトロイダルコイル。
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