JP2012109440A - チョークコイル - Google Patents
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Abstract
【課題】大電流に対応することができ、かつ強い振動を受ける機器類に組み込んだ場合においても、割れ等を生じるおそれが無く、安定的な特性を得ることできるトロイダル構造を有するチョークコイルを提供する。
【解決手段】リング状のコアの外周に、コイルが巻回されたトロイダル構造のチョークコイルにおいて、上記リング状のコアは、複数のコア片6が全体としてリング状に配置されるとともに、周方向に隣接する上記コア片6の対向面間にギャップGが形成されてなる。
【選択図】図1
【解決手段】リング状のコアの外周に、コイルが巻回されたトロイダル構造のチョークコイルにおいて、上記リング状のコアは、複数のコア片6が全体としてリング状に配置されるとともに、周方向に隣接する上記コア片6の対向面間にギャップGが形成されてなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、大電流仕様にも安定的に対応可能なトロイダル構造のチョークコイルに関するものである。
近年、EMI対策用のコモンモードチョークコイル等に対して、30〜40Aといった大電流に対応する要請がある。
一方、大電流対応のチョークコイルとしては、EE型やER型のコアを用いたものが多用されている。しかしながら、これらのチョークコアは、部品点数や設計工数が多くなり、コストが嵩むとともに、小型化が難しいという欠点がある。
一方、大電流対応のチョークコイルとしては、EE型やER型のコアを用いたものが多用されている。しかしながら、これらのチョークコアは、部品点数や設計工数が多くなり、コストが嵩むとともに、小型化が難しいという欠点がある。
これに対して、リング状(円環状)のコアにコイルを巻回したトロイダル構造のチョークコイルは、部品点数が少なく、かつ構造が単純で小型化が容易であるとともに、インダクタンスの安定性や再現性に優れるという利点がある。ところが、上記トロイダル構造のチョークコイルは、直流重畳特性に問題があり、大電流用のチョークコイルとして用いることが難しいという問題点がある。
そこで、例えば下記特許文献1においては、リング状のコアに、円周方向に不連続とするギャップを形成した開環リング状のトロイダル磁心が提案されている。
このようなトロイダル磁心を備えたチョークコイルによれば、当該ギャップを有していない従来のものと比較して、インダクタンスが低下する直流バイアス電流値を高めることができ、この結果大電流に対応することが可能になる。
このようなトロイダル磁心を備えたチョークコイルによれば、当該ギャップを有していない従来のものと比較して、インダクタンスが低下する直流バイアス電流値を高めることができ、この結果大電流に対応することが可能になる。
しかしながら、上記構成からなるトロイダル磁心を有するチョークコイルにあっては、ギャップを形成することによってトロイダル磁心の機械的強度が低下してしまうために、例えば自動車等の強い振動を受ける機器類に組み込んだ場合に、当該振動によってトロイダル磁心にひびを生じて特性が悪化したり、さらには割れを生じて使用不能になったりするおそれがあった。
さらに、上記ギャップの間隔を増加させると、より大きな電流に対応することができるものの、他のリング状部分との間に磁束の偏りが生じて、性能の不安定化を招くおそれもあった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、大電流に対応することができ、かつ強い振動を受ける機器類に組み込んだ場合においても、割れ等を生じるおそれが無く、安定的な特性を得ることできるトロイダル構造を有するチョークコイルを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、リング状のコアの外周に、コイルが巻回されたトロイダル構造のチョークコイルにおいて、上記リング状のコアは、複数のコア片が全体としてリング状に配置されるとともに、周方向に隣接する上記コア片の対向面間にギャップが形成されてなることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記リング状のコアの外周に、当該リング状のコアを覆う絶縁材からなるコアカバーが配置されるとともに、当該コアカバー内に、上記ギャップを保持した状態で各々の上記コア片を位置決めする突起部が形成されていることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記コア片が、各々長辺を外周側に、短辺を内周側に配して斜辺を周方向に対向させた台形柱状または円環を複数に分割した円弧柱状に形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記コアカバーが、リング状の天板を有する筒状の上部コアカバーと、リング状の底板を有する筒状の下部コアカバーを備えてなり、これら上部コアカバーおよび下部コアカバーが同一形状であることを特徴とするものである。
請求項1〜4のいずれかに記載の発明によれば、リング状のコアを周方向に複数に分割したコア片によって構成し、かつ隣接するコア片間にギャップを形成しているために、1箇所にギャップを形成した上記従来のトロイダル磁心と比較して、周方向に上記コア片間のギャップの総和としての大きなギャップを得ることが可能になる。これにより、大電流の仕様にも、容易に対応することができる。
しかも、上記リング状のコアは、周方向に均等にギャップが分散・形成されているために、磁束の偏りが生じることを抑制することができる。この結果、1箇所に大きなギャップを形成するものと比較して、より一層安定的な性能を得ることができる。なお、かかる観点から、全てのコア片を同一形状とし、かつ隣接するコア片間のギャップを、全て等しい隙間となるように配置することが好ましい。
さらに、リング状のコアは、予め周方向に分割された複数のコア片によって形成されているために、強い振動を受ける機器類に組み込まれた場合にも、割れやひびが生じるおそれもない。
また、請求項2に記載の発明によれば、リング状のコアを覆う絶縁材からなるコアカバーの内壁面に、上記ギャップを保持した状態で各々の上記コア片を位置決めする突起部を形成しているために、組み立てが容易であるとともに、確実に上記特性の安定性を担保することができる。
ここで、上記コア片の形状としては、全体としてリング状をなす形状であればよく、例えば請求項3に記載の発明のような、台形柱状または円環を複数に分割した円弧柱状が好適である。
また、請求項4に記載の発明のように、コアカバーを、同一形状の上部コアカバーおよび下部コアカバーによって形成すれば、一種類の金型によって当該コアカバーを構成することができ、経済的であるとともに、部品管理が容易になる。
(第1の実施形態)
図1〜図3は、本発明に係るチョークコイルの第1の実施形態を示すもので、図中符号1が上部コアカバーであり、符号2が下部コアカバーである。
この上部コアカバー1は、絶縁性を有する合成樹脂によって射出成形されたもので、円環板状の天板の外周に、外壁3が一体に形成されるとともに、内周に内壁4が一体に形成されたものである。
図1〜図3は、本発明に係るチョークコイルの第1の実施形態を示すもので、図中符号1が上部コアカバーであり、符号2が下部コアカバーである。
この上部コアカバー1は、絶縁性を有する合成樹脂によって射出成形されたもので、円環板状の天板の外周に、外壁3が一体に形成されるとともに、内周に内壁4が一体に形成されたものである。
ここで、外壁3と内壁4との対向面3a、4a間には、8角形の環状凹部が形成されている。さらに、内壁4側の対向面4aには、8角形の頂部から外壁3の対向面3a側に突出する突起部5が形成されている。これら8本の突起部5は、同一寸法形状に形成されている。
他方、下部コアカバー2は、上記構成からなる上部コアカバー1を、その天板が底板となるように天地したものであり、当該上部コアカバー1と同一形状である。そして、これら上下部コアカバー1、2の上記環状凹部内に、コアが収納されている。
このコアは、フェライトあるいはカーボニル鉄等の磁性体からなる8個のコア片6によって構成されたものである。各コア片6は、台形柱状に形成されたもので、長辺6aが外壁3の対向面3aにおける8角形の各辺の長さより僅かに短く形成されるとともに、短辺6bが内壁4の対向面4aにおける8角形の各辺の長さより僅かに短く形成されている。ちなみに、8個のコア片6は、全て同一形状に形成されている。
そして、各コア片6は、長辺6aを外壁3側(外周側)に位置させ、短辺6bを内壁4側(内周側)に位置させるとともに、隣接するコア片6との間に突起部5が挿入された状態で位置決めされることにより、斜辺6c間にギャップGが形成された状態で、上記環状凹部内に収納されている。これにより、上下部コアカバー1、2の環状凹部内には、全体として八角形のリング状(環状)をなし、かつ斜辺6c間に同一寸法のギャップGが形成された8個のコア片6からなる上記コアが配置されている。
そして、本実施形態に係るチョークコイルは、図3に示すように、さらに上記コアを収納した上下部コアカバー1、2の外周に、コイル7がバイファイラ巻き、またはキャンセル巻きによって巻回されることにより構成されている。
(第2の実施形態)
図4および図5は、本発明に係るチョークコイルの第2の実施形態を示すものである。
本実施形態のチョークコイルにおいては、絶縁性を有する合成樹脂によって射出成形された同一形状の上部コアカバー10および下部コアカバー11の外壁12および内壁13間に円環状の凹部が形成され、当該円環状の凹部内にコアが収納されている。
図4および図5は、本発明に係るチョークコイルの第2の実施形態を示すものである。
本実施形態のチョークコイルにおいては、絶縁性を有する合成樹脂によって射出成形された同一形状の上部コアカバー10および下部コアカバー11の外壁12および内壁13間に円環状の凹部が形成され、当該円環状の凹部内にコアが収納されている。
このコアは、フェライト等の磁性体からなる8個の円弧柱状のコア片14によって構成されたものである。ちなみに、8個のコア片6は、全て同一形状に形成されており、隣接するコア片6との間に等しいギャップGが形成された状態で、上記環状凹部内に収納されている。これにより、上下部コアカバー10、11の円環状の凹部内には、全体としてリング状(円環状)をなし、かつ相互間に同一寸法のギャップGが形成された8個のコア片14からなる上記コアが配置されている。
ここで、上下部コアカバー10、11の天板あるいは底板には、それぞれ隣接するコア片14間に突出して、両コア片14のギャップGを一定の保持する突起部15が一体に形成されている。そして、このチョークコイルは、図3に示したもとの同様に、上記コアを収納した上下部コアカバー10、11の外周に、コイル(図示を略す。)が巻回されることにより構成されている。
以上の構成からなる第1および第2の実施形態に示したチョークコイルによれば、リング状のコアを周方向に複数(両実施形態においてはいずれも8個)に分割したコア片6、14によって構成し、かつ隣接するコア6、14片間に等間隔のギャップGを形成しているために、コア全体として、コア片6、14間のギャップGの総和となる大きなギャップ(8×G)を形成することができる。これにより、大電流の仕様にも、容易に対応することができる。
しかも、リング状のコアは、周方向に等間隔をおいて均等なギャップGが分散・形成されているために、磁束の偏りが生じることを抑制することができる。この結果、安定的な特性を得ることができる。さらに、リング状のコアは、予め8分割されたコア片6、14によって形成されているために、強い振動を受ける機器類に組み込まれた場合にも、割れやひびが生じるおそれもない。
加えて、上下部コアカバー1、2、10、11の内壁面に、ギャップGを保持した状態で各々のコア片6、14を位置決めする突起部5、15を形成しているために、組み立てが容易であるとともに、確実に上記特性の安定性を担保することができる。
さらに、リング状のコアを構成する各コア片6、14を、各々同一の形状に形成するとともに、コアカバーも、同一形状の上部コアカバー1、10および下部コアカバー2、11によって形成しているために、当該コア片6、14あるいは上下部コアカバー1、2、10、11を各々一種類の金型によって構成することができ、経済的であるとともに、部品管理が容易になる。
なお、上記第1および第2の実施形態においては、いずれも上下部コアカバー1、2あるいは10、11を、一種類の金型によって成形された同一形状のものを天地することにより用いた場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図6に示すように、下部コアカバー20をコア片の略全長を収納可能な深底に形成し、上部コアカバー21を、上記下部コアカバー20の上部開口を閉じる蓋状に形成することも可能である。
大電流仕様にも安定的に対応可能な、EMI対策用のトロイダル構造のチョークコイルとして利用可能である。
1、10、20 上部コアカバー
2、11、21 下部コアカバー
3、12 外壁
4、13 内壁
5、15 突起部
6、14 コア片
2、11、21 下部コアカバー
3、12 外壁
4、13 内壁
5、15 突起部
6、14 コア片
Claims (4)
- リング状のコアの外周に、コイルが巻回されたトロイダル構造のチョークコイルにおいて、上記リング状のコアは、複数のコア片が全体としてリング状に配置されるとともに、周方向に隣接する上記コア片の対向面間にギャップが形成されてなることを特徴とするチョークコイル。
- 上記リング状のコアの外周に、当該リング状のコアを覆う絶縁材からなるコアカバーが配置されるとともに、当該コアカバー内に、上記ギャップを保持した状態で各々の上記コア片を位置決めする突起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチョークコイル。
- 上記コア片は、各々長辺を外周側に、短辺を内周側に配して斜辺を周方向に対向させた台形柱状または円環を複数に分割した円弧柱状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のチョークコイル。
- 上記コアカバーは、リング状の天板を有する筒状の上部コアカバーと、リング状の底板を有する筒状の下部コアカバーを備えてなり、これら上部コアカバーおよび下部コアカバーが同一形状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のチョークコイル。
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JP2014036157A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-02-24 | Aisin Seiki Co Ltd | コイルボビン |
WO2018185990A1 (ja) * | 2017-04-07 | 2018-10-11 | スミダコーポレーション株式会社 | コイル部品用コア、及び、コイル部品 |
WO2019176686A1 (ja) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | 三菱電機株式会社 | リアクトル |
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2010
- 2010-11-18 JP JP2010257905A patent/JP2012109440A/ja active Pending
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