JP2007179047A - フッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールの製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】寿命が長く、製造過程に於ける高温状態の前後でゴム硬度がほとんど変化しない定着ロールを得る。
【解決手段】ロール軸の外周面に、(A)脂肪族不飽和炭化水素基含有シロキサン単位の含有量が0.05〜5モル%であるオルガノポリシロキサン(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン(C)白金又は白金系化合物(D)充填剤(E)耐熱性向上剤を含有してなり、かつ硬化後のゴム硬度が15以下であるシリコーンゴム組成物を硬化させたシリコーンゴム層を形成し、このシリコーンゴム層に溶融温度以上に加熱したフッ素樹脂をコーティングするか又はフッ素ラテックスをスプレー塗布して高温焼成するフッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、レーザービームプリンター、ファックス等に使用される定着ロールであって、ロール軸の外周面にシリコーンゴム層が形成され、該シリコーンゴム層表面にフッ素樹脂又はフッ素ラテックスがコーティングされてなるフッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールの製造方法に関する。
従来、複写機、レーザービームプリンター、FAX等に使用する定着ロールには、シリコーンゴムが使用されている。これは、シリコーンゴムのトナーに対する離型性、耐熱性、圧縮永久歪みなどが他のゴム材料に比較して優れているからである。
更に、最近この種の機器の高速化に伴い、トナー離型性を向上させるためにシリコーンオイルをロール表面に供給するオイルフューズが行われ、更に、高速になった際に定着時間を増加させるため、ロール間の定着幅(ニップ幅)を確保する目的でゴム材料の低硬度化が進んでいる。
しかし、シリコーンゴムは、元々シリコーンオイルと同様のシロキサン単位からなるもので親和性がよいため、更に低硬度化することにより、フューズされるシリコーンオイルにより膨潤してしまうという問題が生じている。
そこで、これらを解決する方法として、低硬度のシリコーンゴム、シリコーンゴム発泡体によって作成されたロール表面をフッ素樹脂又はフッ素ラテックスをコーティングすることで形成される被膜で覆うことが行われている。
しかしながら、この方法は、定着ロールとしての寿命を著しく向上させ得るものであるが、例えば、予め円筒状に成形されたフッ素樹脂チューブ内でシリコーンゴムを硬化させて作製されるフッ素樹脂チューブを被覆したシリコーンゴムロールなどの場合とは異なり、フッ素樹脂をシリコーンゴムロール表面にコーティングする際のフッ素樹脂を溶融温度以上でコーティングする工程や、フッ素ラテックスをシリコーンゴムロール表面にコーティング後、高温焼成させる工程で300〜350℃で15分〜1時間という高温状態にする必要があり、この高温状態の前後でゴム硬度が著しく変化し、ロール製造の歩留まりが不良となるという欠点があった。この硬度変化は低硬度ロールになるほど著しく、従って、近年の低硬度化に伴って、ロール材料の改良が急務であった。
なお、フッ素樹脂やフッ素ラテックスをコーティングして被膜を形成させたシリコーンゴムロールは、フッ素樹脂チューブを被覆させたシリコーンゴムロールに比べて、より薄膜状のフッ素樹脂層あるいはフッ素ラテックス層を形成することができ、フッ素樹脂/ラテックス層とシリコーンゴム層とがより強固に接着されると共にフッ素樹脂/ラテックス層とシリコーンゴム層との追従性がよく、より柔軟でかつ耐久性の高いロールを得ることができる点で有利である。
本発明に関連する先行文献としては、下記のものが挙げられる。
特開平9−77980号公報 特開平5−341681号公報 特開平5−323815号公報 特開平7−207163号公報 特開平9−62128号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、定着ロールとしての寿命が長く、ニップ幅を確保することができる上、コーティング工程で高温状態に晒されてもシリコーンゴム層のゴム硬度の変化がほとんどなく、低硬度のシリコーンゴム層を有するフッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、ロール軸の外周面にシリコーンゴム層が形成され、該シリコーンゴム層表面にフッ素樹脂又はフッ素ラテックスがコーティングされてなるフッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールにおいて、前記シリコーンゴム層を(A)一分子中の側鎖のみに珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有し、該脂肪族不飽和炭化水素基含有シロキサン単位の含有量が0.05〜5モル%であるオルガノポリシロキサンと、(B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子に直結した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(C)白金又は白金系化合物と、(D)充填剤と、(E)カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム及び酸化鉄から選ばれる耐熱性向上剤を含有してなり、かつ硬化後のゴム硬度(JIS K6301におけるJIS−A硬度)が15以下であるシリコーンゴム組成物の硬化物で形成することにより、定着ロールとしての寿命が非常に高く、ニップ幅を満足に確保することができる上、フッ素樹脂をシリコーンゴムロール表面にコーティングする際のフッ素樹脂を溶融温度以上でコーティングする工程や、フッ素ラテックスをシリコーンゴムロール表面にコーティング後、高温焼成させる工程で300〜350℃で15分〜1時間という高温状態にしても、この高温状態の前後でゴム硬度がほとんど変化せず、低硬度のシリコーンゴム層を有し、製造時の歩留まりも良い定着ロールが得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、ロール軸の外周面に、
(A)一分子中の側鎖のみに珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有し、該脂肪族不飽和炭化水素基含有シロキサン単位の含有量が0.05〜5モル%であるオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子に直結した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(A)成分のオルガノポリシロキサン中の脂肪族不飽和炭化水素基に対して(B)
成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中の珪素原子直結水素原子のモル比
が0.1〜3となる量
(C)白金又は白金系化合物 触媒量
(D)充填剤 5〜300重量部
(E)カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム及び酸化鉄から選ばれる耐熱性向上剤 0.1〜30重量部
を含有してなり、かつ硬化後のゴム硬度(JIS K6301におけるJIS−A硬度)が15以下であるシリコーンゴム組成物を硬化させたシリコーンゴム層を形成し、このシリコーンゴム層に溶融温度以上に加熱したフッ素樹脂をコーティングするか又はフッ素ラテックスをスプレー塗布して高温焼成することを特徴とするシリコーンゴム層表面にフッ素樹脂又はフッ素ラテックスがコーティングされてなるフッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールの製造方法を提供する。
本発明のフッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールは、定着ロールとしての寿命が非常に高い上、フッ素樹脂をシリコーンゴムロール表面にコーティングする際のフッ素樹脂を溶融温度以上でコーティングする工程や、フッ素ラテックスをシリコーンゴムロール表面にコーティング後、高温焼成させる工程で300〜350℃で15分〜1時間という高温状態にしても、この高温状態の前後でゴム硬度がほとんど変化せず、シリコーンゴム層が低硬度で、製造時の歩留まりも良い。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明のフッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールは、ロール軸の外周面にシリコーンゴム層が形成され、該シリコーンゴム層表面にフッ素樹脂又はフッ素ラテックスの被膜が溶融あるいは焼成などの手段によりコーティングされてなるものであり、前記シリコーンゴム層が上記(A)〜(E)成分を含有してなるシリコーンゴム組成物の硬化物で形成されたものである。
本発明に使用される(A)成分は、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を分子の側鎖のみ(即ち、ジオルガノシロキサン単位の珪素原子に結合した置換基としてのみ)に2個以上含有する、基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンであり、本発明の主剤となる成分である。
ここで、上記オルガノポリシロキサンとしては、下記平均分子式(I)で示されるものを好適に使用することができる。
Figure 2007179047
(但し、R1は、脂肪族不飽和炭化水素基以外の置換又は非置換の一価炭化水素基、R2は一価の脂肪族不飽和炭化水素基であり、m、nはそれぞれm≧38、n≧2、40≦m+n≦20,000、好ましくは100≦m+n≦10,000、0.05≦〔n/(m+n)〕×100≦5、好ましくは0.1≦〔n/(m+n)〕×100≦3を満たす整数である。)
上記式(I)において、R1は好ましくは炭素数1〜12のもの、より好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、これらの基の水素原子の一部又は全部を塩素、臭素、フッ素などのハロゲン原子やシアノ基で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられるが、特にメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基が好ましい。R2はビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6、特に2〜4のアルケニル基などの脂肪族不飽和炭化水素基であり、特にビニル基が好ましい。
上記式(I)において、各置換基は異なっていても同一であってもよいが、本発明の(A)成分のオルガノポリシロキサンは、分子中の側鎖のみ(即ち、R12SiO2/2で示されるジオルガノシロキサン単位の珪素原子に結合した置換基R2としてのみ)に2個以上の脂肪族不飽和炭化水素基を含有し、かつ脂肪族不飽和炭化水素基を含有するシロキサン単位の量が0.05〜5モル%、好ましくは0.1〜3モル%であることが必要である。なお、本発明において脂肪族不飽和炭化水素基を含有するシロキサン単位の量(モル%)は、(A)成分の主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(即ち、R1 2SiO2/2単位とR12SiO2/2単位の合計)に対する脂肪族不飽和基含有シロキサン単位(即ち、R1 2SiO2/2単位)の割合を意味するものである。上記脂肪族不飽和炭化水素基の含有量が0.05モル%に満たないと機械的強度などのゴムとしての物性を保つことが困難となり、また5モル%を超えると低硬度の硬化物を得ることが非常に困難となる。
なお、このオルガノポリシロキサンは、一般的には主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位(即ち、R1 2SiO2/2単位及びR12SiO2/2単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(即ち、R1 3SiO1/2単位)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、部分的にR1SiO3/2単位、R2SiO3/2単位又はSiO4/2単位を含んだ分岐状や環状であってもよい。
また、上記式(I)のオルガノポリシロキサンの重合度(あるいは分子中の珪素原子の数)は50〜20,000、特に100〜15,000、とりわけ500〜10,000程度が好適である。
本発明に使用される(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分と反応し、架橋剤として作用するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状、三次元網状(レジン状)構造等各種のものが使用可能であるが、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上の珪素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有するものであることが必要である。
この珪素原子に結合した水素原子(SiH基)は、分子鎖末端の珪素原子あるいは分子鎖途中の珪素原子のいずれに結合したものであっても、またこの両方に結合したものであってもよい。また、分子中の珪素原子数は200個以下、通常2〜150個、特には4〜50個程度であることが好ましい。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの珪素原子に結合する水素原子以外の置換基としては、(A)成分のオルガノポリシロキサンの置換基R1で例示したものと同様の、特にはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、脂肪族不飽和基以外の非置換又は置換の一価炭化水素基を挙げることができる。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の製造方法によって製造することができる。ごく一般的な製造方法を挙げると、オクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はテトラメチルシクロテトラシロキサンと末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,1’−ジハイドロ−2,2’,3,3’−テトラメチルジシロキサン単位を含む化合物とを硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に−10〜+40℃程度の温度で平衡化させることで容易に得ることができる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサンに含まれる脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンに含まれる珪素原子結合水素原子(SiH基)の量がモル比で0.1〜3となる量、好ましくは0.5〜2となる範囲であり、この比が0.1より少ないと、架橋密度が低くなりすぎ硬化したシリコーンゴムの耐熱性に悪影響を与え、3より多いと、脱水素反応による発泡の問題が生じたり、やはり耐熱性に悪影響を与えるおそれがある。
本発明に使用される(C)成分の白金又は白金系化合物は、前記した(A)、(B)成分の硬化付加反応(ハイドロサイレーション)を促進させるための触媒として使用されるものである。
白金又は白金系化合物としては、公知のものを使用することができ、具体的には白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類等との錯体などが例示される。
この白金又は白金系化合物の添加量は、希望する硬化速度に応じて適宜増減すればよいが、通常は(A)成分と(B)成分の合計重量に対して白金量で0.1〜1,000ppm、特に1〜200ppmの範囲が好ましい。
本発明で使用される(D)成分の充填剤は、液状付加硬化型シリコーンゴム組成物に所定の硬度及び引っ張り強さなどの物理的強度を付与するものである。この充填剤としては、従来シリコーンゴム組成物に通常使用されているものを使用でき、例えばヒュームドシリカ、結晶性シリカ(石英粉)、沈降性シリカ、疎水化処理したシリカなどが挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
このような材料として具体的には、親水性のシリカとしてAerosil 130,200,300(日本アエロジル社、Degussa社製)、Cabosil MS−5,MS−7(Cabot社製),Rheorosil QS−102,103(徳山曹達社製),Nipsil LP(日本シリカ社製)等が、疎水性のシリカとしてAerosil R−812,R−812S,R−972,R−974(Degussa社製)、Rheorosil MT−10(徳山曹達社製),Nipsil SSシリーズ(日本シリカ社製)等が、結晶性シリカとしてクリスタライト、Minusil,Imisil等が挙げられる。
上記充填剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは20〜200重量部である。
(E)成分の耐熱性向上剤としては、カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム及び酸化鉄(ベンガラ)から選ばれるものを単独で又は2種以上併用して使用する。この耐熱性向上剤は、300〜350℃で15分〜1時間の高温状態においてもゴム硬度が変化せず、フッ素樹脂/フッ素ラテックスコーティング層との接着耐久性に優れる硬化物を得るための必須成分である。
ここで、カーボンブラックは、通常その製造方法によってファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等に類別し得るが、硫黄、アミン含有量が多いと組成物の付加硬化型反応に硬化阻害が生じるため、特にアセチレンブラックが好適に使用される。
カーボンブラックの使用量は、(A)成分100重量部に対して0.2〜15重量部、特に2〜10重量部が好適であり、0.2重量部に満たないと耐硬度変化、フッ素樹脂/ラテックス層との接着耐久性に効果がない場合があり、15重量部を超えると材料の流動性が損なわれる場合がある。
酸化セリウム及び水酸化セリウムは、これを単独で使用しても良いが、特に上記カーボン及び/又は酸化鉄と共に添加することで相乗的に作用し、硬度変化を抑えることができると共にフッ素樹脂/ラテックス層との接着耐久性を向上させることができる。酸化セリウム及び水酸化セリウムの使用量はそれぞれ、(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部、特に0.2〜2重量部が好ましく、0.2重量部に満たないと耐硬度変化、接着耐久性に効果がない場合があり、5重量部を超えると組成物の硬化反応に異常をきたし、硬化が阻害される場合がある。
酸化鉄あるいはベンガラとしては、黒色ベンガラ(Fe34)、赤色ベンガラ(Fe23)が好適に使用される。ベンガラの使用量は、(A)成分100重量部に対して0.2〜30重量部、特に2〜20重量部が好適であり、0.2重量部に満たないと耐硬度変化、接着耐久性に効果がない場合があり、30重量部を超えると材料の流動性が損なわれる場合がある。
上記耐熱性向上剤の総使用量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜10重量部であり、0.1重量部に満たないと耐硬度変化、接着耐久性に効果がなく、30重量部を超えると組成物の硬化反応に異常をきたし、硬化が阻害される。
更に、これらの材料を実用に供するため、硬化時間の調整を行う必要がある場合には、制御剤としてテトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンのようなビニル基含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類及びそのシラン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テロラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール及びそれらの混合物からなる群から選ばれる化合物を使用することができる。
本発明に係わるシリコーンゴム組成物は、上記成分を含有してなり、硬化後のゴム硬度がJIS K6301に準じて測定した場合のJIS−A硬度が15以下、好ましくは0〜10、特には0〜6である必要がある。硬化物の硬度が15を超えるとロール間の定着幅(ニップ幅)が充分でなく、定着不良となる。
而して、本発明のフッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティング定着ロールは、ロール軸の外周面に、上記シリコーンゴム組成物の硬化物で形成されたシリコーンゴム層を介してフッ素樹脂又はフッ素ラテックス層が設けられたものである。
上記定着ロールの作成方法としては、例えばロール形成用金型の内部に鉄製又はアルミニウム製の金属製ロール軸を載置して、次いでキャビティーに上記シリコーンゴム組成物を圧入し、これを硬化させる。その後、金型からシリコーンゴムロールを取り出し、ゴムロール表面にプライマー処理を施し、300〜350℃の溶融温度以上に加熱したフッ素樹脂をゴムロール表面にコーティングするか、又はゴムロール表面にフッ素ラテックスをスプレー塗布し、300〜350℃で高温焼成する方法が挙げられる。
この場合、シリコーンゴム層の厚さは、0.1〜30mm、特に1〜10mmであることが好ましい。
また、フッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレンポリプロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)などが挙げられる。
フッ素ラテックス層を形成するフッ素ラテックスとしては、PTFEラテックスやダイエルラテックス(ダイキン工業社製フッ素系ラテックス)などが挙げられる。
フッ素樹脂又はフッ素ラテックス層の厚さとしては、0.1mm以下、特に0.1〜30μmの範囲であることが好ましい。
以下、調製例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において部はいずれも重量部である。また、下記実施例、比較例において、「ダイエルラテックス」はダイキン工業社製フッ素ラテックスである。
[調製例1]
分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、メチルビニルシロキサン単位として側鎖ビニル基を平均約5個有する直鎖状ジメチルシロキサンポリマー(重合度約700、以下、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン共重合体と称する)100部、比表面積が300m2/gである煙霧質シリカ40部、ヘキサメチルジシラザン8部、水1部をニーダーに仕込み、常温で1時間攪拌混合を行った後、150℃に昇温し、2時間保温混合を行った。その後、混合物を常温まで冷却し、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された25℃での粘度が10,000センチポイズであるジメチルシロキサンポリマーを更に20部及び下記式(1)で示される常温での粘度が約10センチポイズであるメチルハイドロジェンポリシロキサンを3部、珪素原子に直結したビニル基〔−Si(CH3)(CH=CH2)O−単位)を5モル%含有する常温での粘度が1,000センチポイズであるビニルメチルポリシロキサンを4部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加し、均一になるまでよく混合し、液状組成物1を得た。
Figure 2007179047
[調製例2]
調製例1で使用した両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン共重合体100部、結晶性シリカ(平均粒径5μm)35部、下記式(2)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン3.1部、白金触媒(Pt濃度1%)0.2部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1部を混合し、液状組成物2を得た。
Figure 2007179047
[調製例3]
調製例1で使用した両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン共重合体100部、結晶性シリカ(平均粒径20μm)20部、上記式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン2部、下記式(3)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5部、白金触媒(Pt濃度1%)0.2部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1部を混合し、液状組成物3を得た。
Figure 2007179047
[実施例1]
液状組成物1を147部に酸化鉄Fe23を3部混合し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物の硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、5であった。
この硬化物表面にダイエルラテックス(ダイキン工業社製フッ素系ラテックス、以下同じ)とシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃で10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、300℃で1時間加熱焼成した。このコーティングしたゴムの硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、6であった。
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加硬化型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。更に、このアルミニウムシャフト上に液状組成物1を147部に酸化鉄Fe23を3部混合した液状組成物を充填し、150℃で30分間加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃で10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、300℃で1時間加熱焼成した。外径26mm×長さ250mmのダイエルラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールが得られた。
次に、直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上の表面にポリテトラフルオロエチレンのラテックスコーティングを施し、300℃で15分間加熱焼成した。このフッ素ラテックス被覆ロールと上記ロールを接触させ、2kgfの荷重をかけ、ニップ幅を測定したところ、20mmであった。
更に、上記ダイエルラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールをPPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、良好な複写物が得られた。また、シリコーンゴム層とダイエルラテックスコーティング層は強固に接着しており、全く剥離は認められなかった。
[比較例1]
液状組成物1を150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物の硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、5であった。
この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃で10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、300℃で1時間加熱焼成した。このコーティングしたゴムの硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、17であり、12ポイントの硬度変化があった。
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加硬化型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。更に、このアルミニウムシャフト上に液状組成物1を147部を充填し、実施例1と同様にして、外径26mm×長さ250mmのダイエルラテックスコーティングシリコーンゴムロールを得た。
また、実施例1と同様にしてニップ幅を測定したところ、8mmであった。
更に、上記ダイエルラテックスコーティングシリコーンゴムロールをPPC複写機の定着ロールとして組み込み、1万枚複写を行ったところ、色むらのある複写物が得られた。また、シリコーンゴム層とダイエルラテックスコーティング層の間には一部剥離が認められた。
[実施例2及び3]
液状組成物2を138部に酸化鉄Fe23を3部と酸化セリウム1部を混合し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物の硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、2であった。
この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃で10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、350℃で1時間加熱焼成した。このコーティングしたゴムの硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、3であった。
また、液状組成物2を138部にアセチレンブラックカーボン2部と酸化セリウム1部を混合し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物の硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、1であった。
この硬化物表面に上記と同様にしてダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR、更にダイエルラテックスGLS−213を塗布し、加熱焼成した。このコーティングしたゴムの硬度をゴム硬度計A型(JISK6301)で測定したところ、2であった。
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト2本の上に付加硬化型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。更に、この2本のアルミニウムシャフト上に液状組成物2を138部に酸化鉄Fe233部と酸化セリウム1部を混合した液状組成物(実施例2)と、液状組成物2を138部にアセチレンブラックカーボン2部と酸化セリウム1部を混合した液状組成物(実施例3)の各々を充填し、150℃で30分間加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物表面にそれぞれダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃で10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、350℃で1時間加熱焼成して、外径26mm×長さ250mmのダイエルラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールが2本得られた。
更に、上記2本のダイエルラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールをそれぞれPPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、いずれも良好な複写物が得られた。また、2本のロールのいずれにおいてもシリコーンゴム層とダイエルラテックスコーティング層は強固に接着しており、全く剥離は認められなかった。
[比較例2]
耐熱性向上剤無添加で液状組成物2のみを使用する以外は実施例2及び3と同様にして評価したところ、この硬化物の硬度は、ゴム硬度計A型(JIS K6301)で1であった。また、350℃で1時間加熱焼成、コーティングしたゴムの硬度は、10であり、9ポイントの硬度変化があった。また、耐熱性向上剤無添加で液状組成物2のみを使用する以外は実施例2及び3と同様にしてダイエルラテックスコーティングシリコーンゴムロールを作成し、PPC複写機の定着ロールとして組み込み、1万回複写を行ったところ、色むらのある複写物が得られた。また、シリコーンゴム層とダイエルラテックスコーティング層の間には一部剥離が認められた。
[実施例4]
液状組成物3を132部にアセチレンブラックカーボン2部を混合し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物の硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ0であったが、ゴム硬度(アスカーC)で測定したところ、10であった。
この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃で10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、300℃で1時間加熱焼成した。このコーティングしたゴムの硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ0であったが、ゴム硬度計(アスカーC)で測定したところ、13であった。
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加硬化型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。更に、このアルミニウムシャフト上に液状組成物3を132部にアセチレンブラックを2部混合した液状組成物を充填し、150℃で30分間加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃で10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、300℃で1時間加熱焼成した。外径26mm×長さ250mmのダイエルラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールが得られた。
次に、直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上の表面にポリテトラフルオロエチレンのラテックスコーティングを施し、300℃で15分間加熱焼成した。このフッ素ラテックス被覆ロールと上記ロールを接触させ、2kgfの荷重をかけ、ニップ幅を測定したところ、25mmであった。
更に、上記ダイエルラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールをPPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、良好な複写物が得られた。また、シリコーンゴム層とダイエルラテックスコーティング層は強固に接着しており、全く剥離は認められなかった。
[比較例3]
液状組成物3を132部を150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物の硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ0であったが、ゴム硬度計(アスカーC)で測定したところ、10であった。
この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃で10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、300℃で1時間加熱焼成した。このコーティングしたゴムの硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、7であり、ゴム硬度計(アスカーC)で測定したところ、30であった(即ち、JIS−A硬度で7ポイント、アスカーC硬度で20ポイントの硬度変化があった)。
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加硬化型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。更に、このアルミニウムシャフト上に液状組成物3を132部を充填し、実施例3と同様にして外径26mm×長さ250mmのダイエルラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールが得られた。また、実施例4と同様にしてニップ幅を測定したところ、5mmであった。
更に、上記ダイエルラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールをPPC複写機の定着ロールとして組み込み、5千枚複写を行ったところ、色むらのある複写物が得られた。また、シリコーンゴム層とダイエルラテックスコーティング層の間には一部剥離が認められた。
[実施例5及び6]
液状組成物2を138部に酸化鉄Fe23を3部と酸化セリウム1部を混合し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物の硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、2であった。
この硬化物表面にシリコーンゴム用プライマー(X−33−156−1、信越化学工業社製)を均一に塗布し、25℃で30分風乾し、更に320℃に溶融加熱したテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)をゴム層表面にコーティングしたゴムの硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、3であった。
また、液状組成物2を138部にアセチレンブラックカーボン2部と酸化セリウム1部を混合し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物の硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、1であった。
この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SRを均一に塗布し、更に350℃に溶融加熱したPTFEをゴム層表面にコーティングしたゴムの硬度をゴム硬度計A型(JIS K6301)で測定したところ、2であった。
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト2本の上に付加硬化型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。更に、この2本のアルミニウムシャフト上に液状組成物2を138部に酸化鉄Fe233部と酸化セリウム1部を混合した液状組成物(実施例5)と、液状組成物2を138部にアセチレンブラックカーボン2部と酸化セリウム1部を混合した液状組成物(実施例6)の各々を充填し、150℃で30分間加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物表面にそれぞれシリコーンゴム用プライマー(X−33−156−1、信越化学工業社製)を均一に塗布し、25℃で30分風乾し、更に320℃に溶融加熱したPFAをゴム層表面にコーティングし、外径26mm×長さ250mmのPFAコーティング低硬度シリコーンゴムロールが2本得られた。
更に、上記2本のPFAコーティング低硬度シリコーンゴムロールをそれぞれPPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、いずれも良好な複写物が得られた。また、2本のロールのいずれにおいてもシリコーンゴム層とPFAコーティング層は強固に接着しており、全く剥離は認められなかった。

Claims (4)

  1. ロール軸の外周面に、
    (A)一分子中の側鎖のみに珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有し、該脂肪族不飽和炭化水素基含有シロキサン単位の含有量が0.05〜5モル%であるオルガノポリシロキサン 100重量部
    (B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子に直結した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (A)成分のオルガノポリシロキサン中の脂肪族不飽和炭化水素基に対して(B)
    成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中の珪素原子直結水素原子のモル比
    が0.1〜3となる量
    (C)白金又は白金系化合物 触媒量
    (D)充填剤 5〜300重量部
    (E)カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム及び酸化鉄から選ばれる耐熱性向上剤 0.1〜30重量部
    を含有してなり、かつ硬化後のゴム硬度(JIS K6301におけるJIS−A硬度)が15以下であるシリコーンゴム組成物を硬化させたシリコーンゴム層を形成し、このシリコーンゴム層に溶融温度以上に加熱したフッ素樹脂をコーティングするか又はフッ素ラテックスをスプレー塗布して高温焼成することを特徴とするシリコーンゴム層表面にフッ素樹脂又はフッ素ラテックスがコーティングされてなるフッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロールの製造方法。
  2. フッ素樹脂の加熱温度又はフッ素ラテックスの焼成温度が300〜350℃である請求項1記載の製造方法。
  3. シリコーンゴム層の厚さが0.1〜30mmであり、フッ素樹脂又はフッ素ラテックス層の厚さが0.1〜30μmである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 硬化後のゴム硬度(JIS K6301におけるJIS−A硬度)が0〜10である請求項1,2又は3記載の製造方法。
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