JP2007178874A - レーザープリンタ用ラベルシートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリンタで印刷する際の粘着剤のはみ出しを防止すると共にプリンタで印刷する際の走行性が良好なレーザープリンタ用ラベルシートを提供する。
【解決手段】枚葉状のレーザープリンタ用ラベルシート10は、一方の面に粘着剤層13が形成された粘着シート11と、一方の面を剥離層18とし、その剥離層18が粘着剤層13に重ねられた剥離シート16とを備える。粘着シート11と剥離シート16とは共に同じ大きさの方形状をなしているので印刷の際の走行性に優れ、対向する二側縁において粘着剤層13の外縁が粘着シート11及び剥離シート16の外縁の内側に位置しているから、印刷の際にプリンタ内の熱とロールの圧縮力を受けて押し出された粘着剤が粘着剤層13の外縁と粘着シートの外縁との間に粘着することでラベルシート10から粘着剤がはみ出すのを防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、レーザープリンタ用ラベルシートおよびその製造方法に関する。
レーザープリンタ等によって印刷される枚葉状のラベルシートは、シート基材の一方の面に粘着剤層が設けられた粘着シートと、その粘着剤層に重ねられ、剥離層が表面に設けられた剥離シートとを貼り合わせた構造である。
このようなレーザープリンタ用ラベルシート(以下、単に「ラベルシート」ともいう)は一般的には次のようにして製造されている。
まず、いわゆるタック紙メーカーが紙メーカーから大きなサイズのロール状に巻かれた原紙9を購入し、図17の上段に示すように、ロール紙の一方の面にシリコン樹脂20を塗工して剥離層を形成し(シリコン塗工工程1)、次いでそのシリコン樹脂20の上に粘着剤22を塗工して粘着剤層を形成し(粘着剤塗工工程2)、更にやはりロール状に巻かれた他の原紙23を引き出しつつこれを粘着剤の上に重ね合わせて(重ね工程3)再び巻き取ってロール状のタック用紙4とする。ここまでの工程は、ロール紙を高速で走行させながら、ロールコーター21等によって各塗工工程等が行われるから、ロール状のタック用紙4にあっては、剥離層及び粘着剤層は原紙の全面に形成されている。
次に、ラベルシートメーカーはタック紙メーカーからロール状のタック用紙4を購入し、自社のラインに搬入して図17の下段に示すように、タック用紙4にラベルシートの商標や説明書き等を印刷し(印刷工程5)、ラベルとして剥がし取るためのスリットを形成し(抜き工程6)、最後に、ロール紙をA4サイズ等の必要な方形の単票サイズに裁断する(裁断工程7)ことでラベルシート8という商品となる。
従来のラベルシート8は上述のような方法によって製造されているから、シート基材、剥離シート及び粘着剤層は全て同じサイズ(例えばA4サイズ)であり、粘着剤層はシート基材の全域を覆うように付着している。
ところが、このようなラベルシート8をレーザープリンタ(以下、単に「プリンタ」ともいう)等に挿入すると、プリンタ内の熱や送りロール等の圧縮力によって粘着剤がラベルシート8の外縁からはみ出すことがある。はみ出した粘着剤はプリンタ内のガイドや送りロールなどに付着するため、そのシートの走行を妨げたり、その後に印刷されるラベルシートの詰まりや印刷位置のずれなどを引き起こすおそれがある。
この課題を解決する手段としては特許文献1に記載のものなどが提案されている。
特開平10−232615号公報
特許文献1に記載のラベルシートは、その外縁が粘着シートの外縁よりも大きい剥離シートを設けることで、プリンタ内の熱やロールの圧縮力を受けてはみ出した粘着剤を一回り大きく形成された剥離シートの端縁付近に付着させることで、プリンタ内のガイドなどに付着するのを防いでいる。
しかし、このラベルシートには粘着シートと剥離シートの大きさが違うことに起因して段差が生じており、プリンタ内で紙詰まりを起こすことがありプリンタで印刷する際の走行性に問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、印刷時の粘着剤のはみ出しを防止してレーザープリンタ内での走行性が良好なレーザープリンタ用ラベルシートを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、シート基材の一方の面に粘着剤層が形成されてなる粘着シートと、一方の面を剥離層としその剥離層が前記粘着剤層に重ねられた剥離シートとを備える枚葉状のレーザープリンタ用ラベルシートにおいて、前記粘着シートと前記剥離シートとは共に同じ大きさの方形状をなし、かつ、少なくとも一組の対向する二側縁においては前記粘着剤層の外縁が前記粘着シート及び前記剥離シートの外縁の内側に位置している構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記粘着剤層の外縁の対向する二側縁において、前記剥離層が剥離シートの外縁の内側に位置することでその外側に粘着剤が粘着可能な領域を形成しているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、一方の面の全面に粘着剤層が形成された粘着シートと、一方の面を剥離層としその剥離層が前記粘着剤層に重ねられた剥離シートとを備える枚葉状のレーザープリンタ用ラベルシートにおいて、前記粘着シートと前記剥離シートとは共に同じ大きさの方形状をなし、かつ、少なくとも一組の対向する二側縁においては前記剥離層の外縁が前記剥離シート及び前記粘着シートの外縁の内側に位置しているところに特徴を有する。
ところで、本発明においては、少なくとも一組の対向する二側縁においては粘着剤層の外縁が粘着シート及び剥離シートの外縁の内側に位置するように塗工してある必要があるから、粘着剤層と基材シートや剥離シートとが同じ大きさになってしまう従来のラベルシートの製造方法によって製造することはできない。もちろん、タック紙メーカーにおいて粘着剤を塗工する際に、ラベルシートよりも小さいサイズとなるようなパターンで粘着剤を塗工することも考えられるが、タック紙メーカーでは、大型のロールコーター等の高速設備でタック紙を量産しているから、そのような特殊製品は、コスト的にも設備的にも製造が極めて困難である。
また、仮にコスト面、設備面の制約を克服して上述のようなロール状の特殊タック紙を製造したとしても、これをラベル紙メーカーが購入してここに印刷、抜き、裁断等の工程を施して枚葉状のラベルシートを製造するには、実際には次のような事情によって大きな困難がある。すなわち、タック紙メーカーから購入した特殊タック紙に印刷、抜き、裁断を施すには、それぞれの工程で、予め塗工されている粘着剤パターンに対して正確に位置決めしなくてはならない。ところが、もともと粘着剤パターンは基材シートと剥離シートとの間に挟まれているから、その位置を正確に目視することはできず、印刷、抜き、裁断等の各工程における位置合わせが非常に困難である。しかも、ロール紙を連続加工する場合には、ロール紙に加工ライン特有のテンションが作用して伸びが発生し、僅かに伸びた状態で各加工が施される。ところが、上述のように粘着剤を塗工する塗工装置と、印刷、抜き、裁断等の各工程を行う装置とが別ラインとなっていると、ライン毎の伸び量が相違するため、位置合わせが一層困難になる。また、ロール紙の伸び量は、加工時の温度、湿度等の環境条件によって異なるという事情もあるため、粘着剤の塗工工程と、印刷、抜き、裁断等の各工程とを、異なる工場の別ラインで異なる日に行うことになる従来の製造方法では、位置合わせが事実上不可能である。
そこで、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかのレーザープリンタ用ラベルシートを製造するにあたり、一方の面に剥離層が形成された剥離性ロール紙に対し、前記剥離層上の所定位置に粘着剤を所定のパターンで塗工する塗工工程と、前記粘着剤を塗工した面にロール状のシート基材を貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記シート基材のみにラベル切り離し用のスリットを形成する抜き工程と、その後、前記剥離性ロール紙及び前記シート基材とを共に方形状に裁断して枚葉状の前記ラベルシートとなす裁断工程を一連に行うこととし、前記裁断工程では前記粘着剤の前記塗工パターンを取り囲む大きなサイズで前記剥離性ロール紙及び前記シート基材を裁断することとした。
請求項5の発明は請求項4に記載ものにおいて、前記塗工工程の実行に先立ち、前記剥離性ロール紙に対し基準マークを印刷する印刷工程を実行し、前記塗工工程以降の工程において、前記基準マークを基準に位置決めを行うことを特徴とする。
<請求項1の発明>
請求項1に記載の発明によれば、少なくとも一組の対向する二側縁においては粘着剤層の外縁が粘着シート及び剥離シートの外縁の内側に位置しているから、粘着シートの対向する二側縁には粘着剤層が形成されていない部分が設けられている。したがって、レーザープリンタで印刷する際にプリンタ内の熱やロールの圧縮力を受けたとしても、粘着剤がラベルシートの外側にはみ出すことがなく、プリンタ内でのラベルシートの走行の妨げになることはない。また、粘着シートと剥離シートとは同じ大きさの方形状をなしていることから、ラベルシートの端縁部に段差が生ずることがなく、送りロールによる紙送りにも支障がない。
<請求項2の発明>
請求項2に記載の発明によれば、粘着シート上に粘着剤層が形成されていない部分が設けられていることに加え、粘着剤層の外縁の対向する二側縁において、剥離層が剥離シートの外縁の内側に位置することで外側に粘着剤が粘着可能な領域が形成されている。したがって、プリンタ内の熱やロールからの圧縮力を受けて粘着剤が横に広がるような動きをしても、その先端部分が剥離シート上の粘着可能な領域に接触して粘着するから、そこで粘着剤の広がりが阻止され、ラベルシートの側縁部分におけるめくれ上がりを防止できると共に、より確実に粘着剤のはみ出しを防止することができる。
<請求項3の発明>
請求項3に記載の発明によれば、少なくとも一組の対向する二側縁においては剥離層の外縁が剥離シート及び粘着シートの外縁の内側に位置しているから、剥離シートの対向する二側縁には剥離層が形成されておらず、粘着剤が粘着可能な領域が形成されている。このため、ラベルシートがプリンタ内の熱やロールの圧縮力を受けて粘着剤が横に広がるような動きをしても、その先端部分が剥離シート上の粘着可能な領域に接触して粘着するから、そこで粘着剤の広がりが阻止され、ラベルシートの側縁部分におけるめくれ上がりを防止できると共に、粘着剤のはみ出しを防止することができる。もちろん、粘着シートと剥離シートとは同じ大きさの方形状をなしていることから、ラベルシートの端縁部に段差が生ずることがなく、送りロールによる紙送りにも支障がない。
<請求項4および請求項5の発明>
請求項4に記載の発明によれば、一方の面に剥離層が形成された剥離性ロール紙に対し、剥離層上の所定位置に粘着剤を所定のパターンで塗工する塗工工程と、抜き工程と、裁断工程とを一連に行うから、各工程を1ライン内で同時的に行うことになる。このため、粘着剤を全面に塗工するのではなく、特定のパターンで塗工することとしても、その塗工パターンに対して抜きや裁断の各工程における位置決めを正確に行うことができるようになる。特に、請求項5に記載の発明によれば、塗工工程の実行に先立ち、剥離性ロール紙に対し基準マークを印刷する印刷工程を実行して位置決めを行うから、その後の一連の工程における位置決めがより正確となる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5および図16によって説明する。
完成形態のレーザープリンタ用ラベルシート10は、図3に示すように、粘着シート11と剥離シート16との積層構造である。粘着シート11と剥離シート16とは、いずれも方形状(本実施形態においては矩形状)の紙等を主たる構成とし、互いの外縁が合致して全体としてA4サイズである。
剥離シート16は剥離シート基材17とその一方の面に積層された剥離層18とからなる。剥離層18は剥離シート16を作成する際に通常使用されるシリコン等の剥離剤の塗布などによって形成され、剥離シート基材17の表面全体に形成されている。
粘着シート11は、文字などを印刷可能なシート基材12と、その一方の面(本実施形態においては裏面)に積層される粘着剤層13とからなる。また、粘着シート11には、シート基材12から粘着剤層13に達する深さの切り込みによって略矩形状に閉じた形態をなすラベル分断スリット14が形成されている。このラベル分断スリット14に囲まれて、複数枚のラベル10Aが周囲から切り離し可能に形成されている。ラベル10Aは、図1に示すように、ラベルシート10の短辺方向に左右一対が並んで配置されるとともにラベルシート10の長辺方向に複数枚が整列状に並んで配置され、長辺方向に隣接するもの同士および短辺方向に隣接するもの同士は、一のラベル分断スリット14により間をあけることなく区画されている。
粘着剤層13は、図2に示すように、二組の対向する二側縁においてその外縁が粘着シート11の外縁の内側に位置しており、全体として略矩形状をなしている。そして、対向する二側縁における外縁と粘着シート11の外縁との間の枠形状をなす領域は粘着剤層13の形成されていない非粘着部15とされる。なお、粘着剤層13を形成している粘着剤としては、通常粘着シート11を作成する際に用いられるものが用いられる。この粘着剤層13は図3に示すように剥離層18の上に重ね合わされ、両者の境界面で互いに剥離可能とされる。
次に本実施形態のラベルシート10の製造方法について説明する。
まず、紙メーカーから剥離性ロール紙41を購入する。紙メーカーでは、図16の上段に示すように、ロール状とされた剥離シート基材17の表面に目止め剤38を目止め剤塗工機39で塗工し(目止め剤処理工程31)、シリコーン樹脂などを主成分とする剥離剤40を剥離シート基材17の表面全体にグラビア印刷機43で塗工して(シリコン塗工工程32)、表面に剥離層18が形成された剥離性ロール紙41を製造する。
この剥離性ロール紙41を、ラインにのせると以下に記載する工程が一連に行われて、本発明の枚葉状のラベルシート10が製造される(図17の下段参照)。
剥離性ロール紙41をラインにのせると、まず、剥離性ロール紙に基準マーク(トンボ)が印刷される(印刷工程33)。ここで印刷された基準マークは次の工程以降における位置決めとされる。この印刷工程33においては、必要に応じて商品名、商標、ロゴマーク、品番なども印刷される。
次に、当該剥離性ロール紙41の剥離層18が形成された表面の所定位置(A4サイズに対して縦と横各1〜5mmずつ狭めた領域)に、粘着剤42をフレキソ塗工する(粘着剤塗工工程34)。次いで粘着剤42を塗工した面に重なるようにロール状のシート基材12を貼り合わせ(貼り合わせ工程35)、当該シート基材12のみにスリットを入れて、ラベル分断スリット14を形成する(抜き工程)。その後、剥離性ロール紙41とシート基材12が同じ大きさのA4の方形状をなし、かつ粘着剤の塗工パターンを取り囲む大きなサイズとなるように裁断して(裁断工程)本実施形態の枚葉状のラベルシート10が作製される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態のラベルシート10をレーザープリンタにセットして走行させる。図3に示すように粘着シート11と剥離シート16とは端縁部が一致しているので円滑にプリンタ内で走行し、プリンタ内の熱やロール20の上下方向から(プリンタの走行方向に直交する方向から)圧縮力を受ける(図5を参照)。このプリンタ内の熱や圧縮力により粘着剤層13の粘着剤がラベルシート10の外縁の方向に押し出されることがあるが、このような場合に、押し出された粘着剤は、粘着シート11の外縁と粘着剤層13の外縁との間に形成された非粘着部15に粘着する。
本実施形態によれば、プリンタで印刷する際にプリンタ内の熱やロール20の圧縮力を受けて粘着剤層13から粘着剤が押し出されても、粘着剤がラベルシート10の外側へはみ出すことはなく、プリンタ内でのラベルシート10の走行の妨げとなることはない。
また、粘着シート11と剥離シート16とは同じ大きさの方形状をなしているから、ラベルシート10の端縁部に段差が生じることがなく送りロールによる紙送りにも支障がないので、プリンタで印刷する際の走行性も良好である。
さらに本実施形態のラベルシート10は、塗工工程以降の工程を一連に行い、各工程を1ライン内で同時的に行うことで製造されるから、上記した塗工パターンに対して抜きや裁断の各工程における位置決めを正確に行うことができる。加えて、剥離性ロール紙に対し基準マークを印刷する印刷工程を経た後に、塗工工程以降の一連の工程を実行するから、より確実に位置ずれを防ぐことができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図6ないし図9によって説明する。
本実施形態においてはラベル10Aの配置と、剥離層18の全外縁が剥離シート11の外縁の内側に位置するように形成されている点で実施形態1とは相違する。その他の点は実施形態1と同様であり、重複する記載は省略する。
粘着シート11においてラベル10Aは、図6に示すように、ラベルシート10の短辺方向に左右一対が並んで配置されるとともにラベルシート10の長辺方向に複数枚が整列状に並んで配置され、それぞれのラベル10Aはラベル分断スリット14によって区画されている。
剥離層18は、図7に示すように、粘着剤層13の外縁の対向する二側縁において、剥離シート16の外縁の内側でかつ、粘着剤層13の外縁の内側に位置するように形成され、剥離層18の外縁と剥離シート16の外縁の間の領域は、剥離層18が形成されていない非離型性を有する非離型部19とされ、粘着剤が粘着可能な領域とされる(請求項2に記載の発明)。
次に本実施形態のラベルシート10の製造方法について説明する。
実施形態1と異なり剥離剤40を剥離シート基材17の表面全体ではなく、所定位置(A4サイズに対して縦と横各2〜10mmずつ狭めた領域)にグラビア印刷機43で塗工したものを使用する。それ以外は実施形態1と同様にして本実施形態のラベルシート10が製造される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態のラベルシート10をプリンタにセットして走行させると、プリンタ内の熱やロール20の上下方向からの圧縮力を受けることがある(図9参照)。このプリンタ内の熱や圧縮力により粘着剤層13から押し出された粘着剤は非粘着部15に粘着することに加え、横に広がった粘着剤の先端部分が、剥離シート16上の非離型部19に接触して粘着することで、粘着剤の広がりが阻止される。
本実施形態によれば、図8に示すように、粘着シート11上に非粘着部15が設けられていることに加え、剥離シート16上には非離型部19が設けられているから、より確実に粘着剤のはみ出しを防止することができると共に、ラベルシート10の側縁部分のめくれ上がりを防止できる。
<実施形態3>
図10ないし図12は本発明の実施形態3を示す。
本実施形態においては図10に示すようにシート基材12の裏面全体に粘着剤層13が形成され、剥離層18は、その外縁が対向する二側縁において剥離シート16及び粘着シート11の外縁の内側に位置するように形成されている(請求項3に記載の発明)ところが実施形態1とは異なる。
本実施形態においては、剥離シート16として、剥離剤40を剥離シート基材17の表面全体ではなく、所定位置(A4サイズに対して縦と横各1〜10mmずつ狭めた領域)にグラビア印刷機43で塗工したものを使用する。剥離層18において当該対向する二側縁と剥離シート16の外縁との間の領域は非離型部19とされる。
次に、本実施形態の作用を説明する。本実施形態のラベルシート10を、プリンタにセットする。図10に示すように粘着シート11と剥離シート16とは外周の端部が一致しているので円滑にプリンタ内で走行し、プリンタ内の熱やロール20の上下方向から圧縮力を受ける(図12参照)。このプリンタ内の熱と圧縮力により粘着剤層13から粘着剤が押し出されることがあるが、押し出された粘着剤の先端部分が剥離シート16上の非離型部19に接触して粘着することで、粘着剤がラベルシート10の外側へ広がるのが阻止される。
本実施形態によれば、シート基材12の裏面全体に粘着剤層13が形成されているものの、剥離シート16上には非離型部19が設けられているから、ラベルシート10の外側への粘着剤のはみ出しを防止すると共にラベルシート10のめくれ上がりを防止することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本発明には、上記実施形態に示した粘着剤層以外に、例えば図13ないし図15に示す形態の粘着剤層13が形成されているものも含まれる。図13に示す粘着剤層13は、複数のラベル10Aが配置されたラベルシート10上の個々のラベル10Aの外縁に沿って枠状をなすように形成されている。そして図14に示す粘着剤層13は、複数のラベル10Aが配置されたラベルシート10上の個々のラベル10Aの外縁に沿って枠状に形成されると共に、この枠状に形成された部分の内側はドット状に形成されている。図15に示す粘着剤層13は、個々のラベル10Aのラベル分断スリット14が中央に配されるように枠状に形成されている。図示されてはいないが、これら以外に、粘着剤層の外縁がラベル分断スリットと同位置となるように設けられたもの、例えばラベルの形状に合わせて全面に粘着剤層が形成されているものなども本発明に含まれる。
(2)上記実施形態においては、粘着剤層は粘着シートの対向する短辺側の二側縁と、対向する長辺側の二側縁とにおいて、その外縁が粘着シートの外縁の内側になるように形成されているが、粘着シートの対向する短辺側の二側縁においてのみ、その外縁が粘着シートの外縁の内側になるように形成されているものや、対向する長辺側の二側縁においてのみ、その外縁が粘着シートの外縁の内側になるように形成されているものであってもよい。
(3)粘着剤層の外縁の対向する二側縁に対応して、剥離層が剥離シートの外縁の内側に位置するように形成され、剥離層の外縁の外側にはみだした粘着剤が粘着可能な非離型部が形成されていれば、例えば、剥離層の外縁と粘着剤層の外縁とが一致するものや、剥離層の外縁が粘着剤層の外縁よりも外側になるように設けられているものも本発明に含まれる。
(4)上記実施形態のラベルシートは、A4形状をなすものであったが、それ以外の形状、例えば連続用紙の形態のものなどであってもよい。また、本発明においてラベルシートは、上記実施形態のものに限定されない。例えば短辺方向に一対ではなく三以上のものが並んでいるもの、ラベルシート一枚につき長辺方向に2枚のラベルが配置されているもの、円形のラベルが配されているものなどについても適用できる。
(5)上記実施形態のラベルシートの製造方法においては、基準マークが印刷される印刷工程を塗工工程の前に先立って実行しているが、印刷工程を実行せずに塗工工程以降の工程を実行しても良い。また、商品名などの印刷については、必ずしも、基準マークが印刷される印刷工程にあわせて行う必要はなく、塗工工程以降の一連の工程の途中で行っても良いし、基準マークが印刷される印刷工程を実行しない場合でも行って良い。
実施形態1のラベルシートの正面図 実施形態1の粘着シートを裏面から見た図 実施形態1のラベルシートの断面図 プリンタに走行させる前のラベルシートの断面図 プリンタのロールで挟まれている状態にあるラベルシートの断面図 実施形態2の粘着シートを裏面から見た図 実施形態2のラベルシートの断面図 プリンタに走行させる前のラベルシートの断面図 プリンタのロールで挟まれている状態にあるラベルシートの断面図 実施形態3のラベルシートの断面図 プリンタに走行させる前のラベルシートの断面図 プリンタのロールで挟まれている状態にあるラベルシートの断面図 他の実施形態の粘着剤層が形成された粘着シートを裏面から見た図 図13とは相違する形態の粘着剤層が形成された粘着シートを裏面から見た図 図13および図14とは相違する形態の粘着剤層が形成された粘着シートを裏面から見た図 本発明のラベルシートの製造工程を示す図 従来のラベルシートの製造工程を示す図
符号の説明
10…ラベルシート
11…粘着シート
12…シート基材
13…粘着剤層
15…非粘着部
16…剥離シート
17…剥離シート基材
18…剥離層
19…非離型部

Claims (5)

  1. シート基材の一方の面に粘着剤層が形成されてなる粘着シートと、一方の面を剥離層としその剥離層が前記粘着剤層に重ねられた剥離シートとを備える枚葉状のレーザープリンタ用ラベルシートにおいて、
    前記粘着シートと前記剥離シートとは共に同じ大きさの方形状をなし、かつ、少なくとも一組の対向する二側縁においては前記粘着剤層の外縁が前記粘着シート及び前記剥離シートの外縁の内側に位置していることを特徴とするレーザープリンタ用ラベルシート。
  2. 前記粘着剤層の外縁の対向する二側縁において、前記剥離層が剥離シートの外縁の内側に位置することでその外側に粘着剤が粘着可能な領域を形成していることを特徴とする請求項1に記載のレーザープリンタ用ラベルシート。
  3. 一方の面の全面に粘着剤層が形成された粘着シートと、一方の面を剥離層としその剥離層が前記粘着剤層に重ねられた剥離シートとを備える枚葉状のレーザープリンタ用ラベルシートにおいて、
    前記粘着シートと前記剥離シートとは共に同じ大きさの方形状をなし、かつ、少なくとも一組の対向する二側縁においては前記剥離層の外縁が前記剥離シート及び前記粘着シートの外縁の内側に位置していることを特徴とするレーザープリンタ用ラベルシート。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかのレーザープリンタ用ラベルシートを製造する方法であって、一方の面に剥離層が形成された剥離性ロール紙に対し、前記剥離層上の所定位置に粘着剤を所定のパターンで塗工する塗工工程と、前記粘着剤を塗工した面にロール状のシート基材を貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記シート基材のみにラベル切り離し用のスリットを形成する抜き工程と、その後、前記剥離性ロール紙及び前記シート基材とを共に方形状に裁断して枚葉状の前記ラベルシートとなす裁断工程を一連に行うこととし、前記裁断工程では前記粘着剤の前記塗工パターンを取り囲む大きなサイズで前記剥離性ロール紙及び前記シート基材を裁断することを特徴とするレーザープリンタ用ラベルシートの製造方法。
  5. 前記塗工工程の実行に先立ち、前記剥離性ロール紙に対し基準マークを印刷する印刷工程を実行し、前記塗工工程以降の工程において、前記基準マークを基準に位置決めを行うことを特徴とする請求項4記載のレーザープリンタ用ラベルシートの製造方法。
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JP2005379288A Pending JP2007178874A (ja) 2005-12-28 2005-12-28 レーザープリンタ用ラベルシートおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011232686A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Toppan Forms Co Ltd プリント用ラベル

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