JP2007177953A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】緊急時には、機械的なガタに影響を受けることなく、迅速かつ確実に機体を停止作動させることができるようにする。
【解決手段】左右の走行装置5を増減速駆動する走行変速装置14と、左右の走行装置5を少なくとも減速駆動する操向変速装置15とを備えると共に、走行変速装置14及び操向変速装置15を、それぞれ静油圧式無段変速装置24、25を用いて構成した走行機体1であって、走行変速装置14の斜板コントロールバルブ37を操作する主変速レバー43と、操向変速装置15の斜板コントロールバルブ36を操作するステアリングホイール7と、各斜板コントロールバルブ36、37が作動させるサーボシリンダ38、39を直接的に中立位置に戻すことによって機体を停止させる緊急停止手段とを備える。
【選択図】図4
【解決手段】左右の走行装置5を増減速駆動する走行変速装置14と、左右の走行装置5を少なくとも減速駆動する操向変速装置15とを備えると共に、走行変速装置14及び操向変速装置15を、それぞれ静油圧式無段変速装置24、25を用いて構成した走行機体1であって、走行変速装置14の斜板コントロールバルブ37を操作する主変速レバー43と、操向変速装置15の斜板コントロールバルブ36を操作するステアリングホイール7と、各斜板コントロールバルブ36、37が作動させるサーボシリンダ38、39を直接的に中立位置に戻すことによって機体を停止させる緊急停止手段とを備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、クローラトラクタなどの作業車両に関し、特に、左右の走行装置を増減速駆動する変速装置と、左右の走行装置を少なくとも減速駆動する操向装置とを備える作業車両に関する。
左右の走行装置を増減速駆動する変速装置と、左右の走行装置を少なくとも減速駆動する操向装置とを備える作業車両が知られている。例えば、特許文献1に記載される作業車両は、左右の走行装置を同方向に増減速駆動する変速装置と、左右の走行装置を逆方向に増減速駆動する操向装置とを備えており、直進する際、左右の走行装置を同方向に増減速駆動するので、直進性に優れており、また、旋回する際には、左右の走行装置を逆方向に増減速駆動するので、迅速な旋回が可能になる。
特開2002−302062号公報
この種の作業車両では、通常、静油圧式無段変速装置を用いて変速装置や操向装置を構成し、静油圧式無段変速装置の斜板コントロールバルブ操作にもとづいて走行変速操作や操向操作を行っている。また、特許文献1に記載される作業車両は、ペダル操作に応じて変速装置及び操向装置を中立状態に戻し、機体を停止させる緊急停止手段を備えている。しかしながら、特許文献1に示される緊急停止手段は、機械的な連繋機構で構成されているため、機械的なガタの影響を受けやすく、迅速かつ確実に機体を停止作動させることが困難であった。また、緊急停止操作をしても、操向装置が直接的に制動されない場合、作動油のリークによって機体が旋回する可能性があった。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、左右の走行装置を増減速駆動する変速装置と、左右の前記走行装置を少なくとも減速駆動する操向装置とを備えると共に、前記変速装置及び前記操向装置を、それぞれ静油圧式無段変速装置を用いて構成した作業車両であって、前記変速装置の斜板コントロールバルブを操作する走行変速操作具と、前記操向装置の斜板コントロールバルブを操作する操向操作具と、各斜板コントロールバルブが作動させるサーボシリンダを直接的に中立位置に戻すことによって機体を停止させる緊急停止手段とを備えることを特徴とする。このようにすると、緊急時には、サーボシリンダを直接的に中立位置に戻すので、迅速かつ確実に機体を停止作動させることができる。
また、前記操向装置の静油圧式無段変速装置に、出力軸の回転を制動するブレーキを一体的に設けると共に、該ブレーキを、前記緊急停止手段と同期して作動させることを特徴とする。このようにすると、緊急停止時に、操向装置の出力軸が制動されるので、作動油のリークなどに起因する機体の不測な旋回を防止できる。
また、前記走行変速操作具に優先して前記変速装置を減速作動させるペダルを設けると共に、該ペダルの所定操作に応じて前記緊急停止手段を作動させることを特徴とする。このようにすると、ペダルの踏み込みによって機体を徐々に減速した後、緊急停止手段を作動させることができるので、ショックの少ない機体停止を行うことができる。
また、前記変速装置及び前記操向装置の静油圧式無段変速装置に、それぞれ、出力軸の回転を制動するブレーキを一体的に設けると共に、これらのブレーキをネガティブブレーキに構成して、緊急停止ブレーキ及び駐車ブレーキとして使用することを特徴とする。このようにすると、緊急停止時や駐車時にブレーキを自動的に作動させることができ、しかも、静油圧式無段変速装置に設けたブレーキを利用するので、ブレーキの配置空間を別途確保する必要がない。
また、前記操向装置の静油圧式無段変速装置に、出力軸の回転を制動するブレーキを一体的に設けると共に、該ブレーキを、前記緊急停止手段と同期して作動させることを特徴とする。このようにすると、緊急停止時に、操向装置の出力軸が制動されるので、作動油のリークなどに起因する機体の不測な旋回を防止できる。
また、前記走行変速操作具に優先して前記変速装置を減速作動させるペダルを設けると共に、該ペダルの所定操作に応じて前記緊急停止手段を作動させることを特徴とする。このようにすると、ペダルの踏み込みによって機体を徐々に減速した後、緊急停止手段を作動させることができるので、ショックの少ない機体停止を行うことができる。
また、前記変速装置及び前記操向装置の静油圧式無段変速装置に、それぞれ、出力軸の回転を制動するブレーキを一体的に設けると共に、これらのブレーキをネガティブブレーキに構成して、緊急停止ブレーキ及び駐車ブレーキとして使用することを特徴とする。このようにすると、緊急停止時や駐車時にブレーキを自動的に作動させることができ、しかも、静油圧式無段変速装置に設けたブレーキを利用するので、ブレーキの配置空間を別途確保する必要がない。
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1はクローラトラクタの走行機体であって、該走行機体1は、機体の前部に設けられるエンジン2及び前部ケース3、機体の後部に設けられる後部ケース4、機体の下部に設けられる左右一対の走行装置5、後部ケース4の上方に設けられる運転席6、運転席6の前方に設けられるステアリングホイール(操向操作具)7、操作空間を覆うキャビン8などを備えて構成されている。
走行装置5は、駆動スプロケット9、アイドラ10、下部転輪11、上部転輪12などの輪体に、無端帯状のクローラ13を懸回して構成されており、左右の駆動スプロケット9を同方向に増減速駆動することにより機体の直進が行われ、左右の駆動スプロケット9を逆方向に増減速駆動することにより機体の旋回(操向)が行われる。
図2及び図3に示すように、走行機体1には、左右の駆動スプロケット9を同方向に増減速駆動するための走行変速装置(変速装置)14と、左右の駆動スプロケット9を逆方向(背反方向)に増減速駆動するための操向変速装置(操向装置)15とが設けられており、両変速装置14、15の動力は、左右の遊星歯車装置16を介して左右の駆動スプロケット9に伝動される。すなわち、右側の遊星歯車装置16は、走行変速装置14の動力と、操向変速装置15の動力を合成して右側の駆動スプロケット9に伝動する一方、左側の遊星歯車装置16は、走行変速装置14の動力と、逆転ギヤ17で逆転された操向変速装置15の動力を合成して左側の駆動スプロケット9に伝動するように構成されている。
左右の遊星歯車装置16は、前部ケース3に内装され、走行変速装置14及び操向変速装置15は、後部ケース4に内装(又は外部に取り付け)されている。走行変速装置14及び操向変速装置15は、エンジン2に連動連結されており、走行変速装置14が変速した動力は、第一伝動軸18を介して前部ケース3に入力されると共に、前部ケース3内のベベルギヤ19及び走行駆動軸20を介して左右の遊星歯車装置16に伝動される。また、操向変速装置15が変速した動力は、第二伝動軸21を介して前部ケース3に入力されると共に、前部ケース3内のベベルギヤ22、操向駆動軸23及び前記逆転ギヤ17を介して左右の遊星歯車装置16に伝動される。
上記のような配置構成にすると、走行変速装置14及び操向変速装置15のメンテナンスが容易になるという利点がある。つまり、走行変速装置14及び操向変速装置15が設けられる後部ケース4は、運転席6の下方や機体の後部に設けられるパネルの着脱により容易に露出させることができるので、前部ケース3に設ける場合に比べ、走行変速装置14及び操向変速装置15のメンテナンス性を向上させることができる。また、作動油タンクを機体後部に設ける場合、或いは、後部ケース4を作動油タンクに兼用する場合のいずれであっても、走行変速装置14及び操向変速装置15を後部ケース4に設けることにより、機体後部から機体前部に至る長い油圧配管が不要になる。これにより、コストダウンが図れるだけでなく、油圧配管の耐久性も向上させることができる。
図3に示すように、操向変速装置15は、静油圧式無段変速装置(HST)24で構成されるが、走行変速装置14は、静油圧式無段変速装置25及び遊星歯車装置26からなる油圧・機械式無段変速装置(HMT)と、副変速装置27とを備えて構成されている。このようにすると、使用頻度が高い作業時の車速域において、伝動効率の良い機械式の伝動が可能になるだけでなく、副変速装置27の切換えにより、非作業時の高速走行も支障なく行うことができる。
図4に示すように、静油圧式無段変速装置24、25は、可変容量型のポンプPと固定容量型又は可変容量型のモータMを閉回路を介して接続して構成され、ポンプPの斜板コントロールにもとづいてモータMの出力回転を増減速させるが、本実施形態では、モータMを斜板式可変容量型で構成すると共に、その斜板角を2段階に切換える高低速切換バルブ28、29が一体的に設けられているので、ポンプPの斜板コントロールによる無段変速とは別に、2段階の副変速が可能になる。そして、本実施形態では、走行変速装置14の静油圧式無段変速装置25に設けられる高低速切換バルブ28を前述した副変速装置27として使用するが、副変速装置27は、このようなものに限定されない。例えば、油圧クラッチ式の歯車変速装置で副変速装置27を構成してもよい。尚、高低速切換バルブ28、29は、いずれもパイロット操作バルブであり、別途設けられる副変速切換バルブ30、31の電磁切換作動に応じて切換作動される。
また、静油圧式無段変速装置24、25のモータMには、出力軸の回転を制動するブレーキ32、33が一体的に付設されている。ブレーキ32、33は、弾機32a、33aによって常時制動側に付勢されたネガティブブレーキであり、ブレーキ解除バルブ34、35の電磁切換作動に応じて制動解除側に作動される。このようなブレーキ32、33を静油圧式無段変速装置24、25に一体的に備えると、ブレーキの設置スペースを別途確保する必要がないので、後部ケース4をコンパクトに構成できる。しかも、ブレーキ32、33をネガティブブレーキに構成したので、緊急停止ブレーキや駐車ブレーキとして使用できる。例えば、キースイッチのONでブレーキ解除バルブ35を解除側に切換えるようにすれば、キースイッチのOFFに応じてブレーキ33が制動側に作動し、駐車ブレーキとして機能することになる。
静油圧式無段変速装置24、25のポンプPは、斜板コントロールバルブ36、37と、斜板コントロールバルブ36、37の切換作動に応じて斜板角を調節するサーボシリンダ38、39とを備えている。斜板コントロールバルブ36、37は、サーボシリンダ38、39の両端部から選択的に作動油を供給することによりサーボシリンダ38、39を正転方向及び逆転方向に作動させる。また、サーボシリンダ38、39の両端部は、バイパスバルブ40が介在するバイパス油路41、42を介して相互に連通されている。バイパス油路41、42は、通常時、バイパスバルブ40によって閉じられているが、バイパスバルブ40を開くと、サーボシリンダ38、39の両端部が連通されることにより、サーボシリンダ38、39が中立位置に戻され、機体が停止される。つまり、斜板コントロールバルブ36、37が作動させるサーボシリンダ38、39を直接的に中立位置に戻すことによって機体を停止させる緊急停止手段が設けられているので、緊急時には、機械的なガタの影響を受けることなく、迅速かつ確実に機体を停止作動させることができる。バイパスバルブ40の切換作動で機体を緊急停止させる際には、それに同期してブレーキ32を制動側に作動させることが好ましい。このようにすると、緊急停止時に、操向変速装置15の出力軸を確実に停止させ、作動油のリークなどに起因する機体の不測な旋回を防止できる。
走行機体1は、走行変速装置14を増減速作動させる走行変速操作具として主変速レバー43を備え、操向変速装置15を増減速作動させる操向操作具として前述のステアリングホイール7を備えている。図5の(A)に示すように、ステアリングホイール7を中立にした場合、左右の車軸が同期回転することにより機体が直進するが、ステアリングホイール7を左旋回方向に操作すると、操向変速装置15が左車軸回転を減速し、かつ、右車軸を増速することにより機体が左旋回し、また、ステアリングホイール7を右旋回方向に操作すると、操向変速装置15が左車軸回転を増速し、かつ、右車軸を減速することにより機体が右旋回される。このようにすると、ステアリングホイール7を操作したとき、機体の中心車速を低下させることなく、左右の走行装置5を逆方向に増減速駆動させ、迅速な旋回を行うことが可能になる。
また、主変速レバー43を中立にした場合、図5の(B)に示すように、走行変速装置14の静油圧式無段変速装置25の出力軸は所定の回転数で逆回転しており、この回転を遊星歯車装置26に入力することにより走行変速装置14の出力軸が停止される。また、主変速レバー43を前進方向又は後進方向に操作すると、静油圧式無段変速装置25が出力回転を無段階状に増減速し、それに応じて車速が変更される。また、図示しない副変速操作具を操作すると、前述した副変速装置27により主変速レバー43の変速レンジが高速(F2、R2)、低速(F1、R1)の2段階に切り換えられる。
図6に示すように、走行機体1には、主変速レバー43に優先して走行変速装置14を減速作動させるペダル44が設けられている。このようなペダル44を設けると、機体の中心車速が速すぎる場合、旋回中にペダル44を踏込むことにより、機体の中心車速を減速調整し、任意の速度で機体を旋回させることができる。また、旋回時以外であっても、ペダル44の踏み込みにより、機体を一時的に減速させたり、或いは、停止させることができる。
図7に示すように、ペダル44による走行変速装置14の最大減速作動量は、主変速レバー43による走行変速装置14の変速作動量と同一又は略同一に設定することが好ましい。このようにすると、ペダル44の最大踏み込み位置近傍で、走行変速装置14の動力を停止させることができるので、直進中にあっては、機体を一時停止させることができ、また、旋回中にあっては、機体をスピンターンさせることができる。
また、ペダル44は、主変速レバー43に優先して走行変速装置14を減速作動させるだけでなく、前述した緊急停止手段を作動させる緊急停止操作具にも兼用することができる。例えば、図6に示すように、ペダル44の最大踏み込み操作をスイッチ45で検出すると共に、該スイッチ45の検出に応じて前述のバイパスバルブ40を切換作動させる。このようにすると、ペダル44の踏み込みによって機体を徐々に減速した後、緊急停止手段を作動させることができるので、ショックの少ない機体停止を行うことができる。
主変速レバー43及びペダル44は、走行変速作動機構(変速作動機構)46を介して走行変速装置14に連繋されている。走行変速作動機構46は、ペダル44が操作された場合、主変速レバー43に優先して走行変速装置14を減速作動させるリンク機構であるが、本実施形態の走行変速作動機構46は、主変速レバー43の操作に連動したペダル44の作動を規制し、かつ、ペダル44の操作に連動した主変速レバー43の作動を規制する連動規制手段を備えている。これにより、旋回後、ペダル44の踏み込みを解除するだけで、元の車速に復帰して即座に作業を再開できるだけでなく、ペダル44や主変速レバー43の不測な作動を防止できる。
次に、走行変速作動機構46の具体的な構成について、図6を参照して説明する。この図に示すように、走行変速作動機構46は、主変速レバー43にワイヤ47を介して連結され、主変速レバー43の操作に連動して回動する作動アーム48を備えている。回動軸49を支点として回動する作動アーム48の下端部には、作動軸50が設けられており、この作動軸50は、ガイド溝51にスライドローラ52を介して左右移動自在に支持されている。作動軸50には、連動アーム53が連結されている。連動アーム53は、作動軸50から側方上方に向けて傾斜状に延出すると共に、揺動体54の一端部に支点軸55を介して回動自在に連結されており、作動軸50の左右移動に応じて揺動体54を揺動させるようになっている。尚、56は揺動体54の回動軸である。
揺動体54には、その長手方向に円弧状のガイド溝57が形成されており、該ガイド溝57に操作ロッド58の基端部がローラ59を介して係合されている。操作ロッド58の他端部には、ベルクランク60の一端が回動軸61を介して連結され、ベルクランク60の他端には、走行変速装置14の静油圧式無段変速装置25を変速作動させる走行変速ワイヤ62が連結されている。すなわち、主変速レバー43を操作すると、作動アーム48、作動軸50、連動アーム53、揺動体54、操作ロッド58及びベルクランク60を介して、走行変速ワイヤ62を押し引きし、走行変速装置14が変速作動される。尚、63はベルクランク60の回転軸である。
また、走行変速作動機構46には、ワイヤ64を介してペダル44に連結され、ペダル44の踏み込み操作に応じて回動するペダル連動リンク65が設けられている。回動軸66を支点として回動するペダル連動リンク65の上端部と、操作ロッド58の上端部、すなわち揺動体54に係合するローラ59の位置とが、連結プレート67を介して連動連結されており、ペダル44が初期位置のときは、ペダル連動リンク65の上端部が、揺動体54の回動軸56の軸心と合致するようになっている。これにより、主変速レバー43の操作に応じて揺動体54が揺動しても、ペダル連動リンク65が回動することはなく、ペダル44の連動が規制される。また、ペダル44を踏み込み操作すると、ペダル連動リンク65が回動し、揺動体54のガイド溝57に対する操作ロッド58の係合位置が変更されるが、揺動体54自体は揺動しないため、主変速レバー43の連動が規制される。
主変速レバー43が中立位置のときは、揺動体54のガイド溝57が操作ロッド58の回動軸61を中心とする曲率半径の円弧状となっており、この曲率半径が操作ロッド58の回動軸61からローラ59までの長さと等しくなっている。このため主変速レバー43が中立位置のときは、ペダル44の操作により、操作ロッド58の係合位置をガイド溝57に沿って変更させても、操作ロッド58は回動軸61を中心として回動するのみである。一方、主変速レバー43の変速操作により揺動体54が揺動しているときには、ガイド溝57の曲率中心位置が変わるので、ペダル44の操作によって係合位置を変更した操作ロッド58は、回動軸61を中心として回動することなく、長手方向に移動してベルクランク60を回動させる。これにより、走行変速ワイヤ62が減速側に操作され、車速が減速される。尚、68はペダル連動リンク65を付勢するスプリング機構である。
ステアリングホイール7は、操向変速作動機構69を介して操向変速装置15に連繋されている。操向変速作動機構69は、操向変速装置15を変速作動させる操向変速ワイヤ70をステアリングホイール7の操作角に応じて押し引きすることにより機体を旋回させるが、前進時と後進時とでは、いわゆる逆ハンドル現象を防止するために、操向変速ワイヤ70の押し引き方向を逆転させる必要がある。このような逆転機構としては、円錐リンク機構を使用するものが知られているが、本実施形態では、円錐リンク機構を用いることなく、プッシュプルワイヤのインナとアウタの相対的に押し引きする比較的簡単な機構を用いて、操向変速ワイヤ70の押し引き方向を逆転させる。以下、この操向変速作動機構69の具体的な構成を図8〜図11に沿って説明する。ただし、操向変速作動機構69は、基板Kの表裏に対称的に構成されるリンク機構であるため、共通の構成については、表裏いずれか一方のリンク機構についてのみ説明をする。
これらの図に示すように、操向変速作動機構69は、主変速レバー43の操作に連動して上下回動する作動アーム71を備えている。作動アーム71は、前端側が基板Kを前後から挟むように二叉状になっており、その先端部で支持した作動軸72が、基板Kに形成した上下方向のガイド溝73にスライドローラ74を介して上下動自在に支持されている。尚、75は作動アーム71の回動軸である。
作動軸72の前後両端には、表裏一対の連動アーム76が連結されている。各連動アーム76は、作動軸72から側方上方に向けて傾斜状に延出すると共に、揺動体77の基端部に支点軸78を介して回動自在に連結されており、作動軸72の上下動に応じて揺動体77を揺動させるようになっている。尚、79は揺動体77の回動軸である。
揺動体77には、その長手方向に円弧状のガイド溝80が形成されており、該ガイド溝80に操作ロッド81の基端部がローラ82を介して係合されている。操作ロッド81の先端には、ベルクランク83の一端が回動軸84を介して連結され、ベルクランク83の他端には、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70aが連結されている。すなわち、主変速レバー43を操作すると、基板Kの表側に設けられる作動アーム71、作動軸72、連動アーム76、揺動体77、操作ロッド71及びベルクランク73を介して、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70aが押し引きされる。一方、基板Kの裏側に設けられる作動アーム71、作動軸72、連動アーム76、揺動体77、操作ロッド71及びベルクランク73も、主変速レバー43の操作に連動するが、基板Kの裏側に設けられるベルクランク73は、基板Kの表側に跨るように形成され、連結リンク86を介してアウタアーム87を回動させる。そして、このアウタアーム87には、操向変速ワイヤ70のアウターチューブ70bを係止するアウタ受け87aが設けられるので、主変速レバー43の操作に応じて、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70a及びアウタチューブ70bが同方向に押し引きされる。
また、操向変速作動機構69には、ステアリングホイール7の操作に応じて左右に揺動するセクタギヤ88が枢支されている。基板Kの表裏面には、上下回動自在な旋回リンク89が設けられており、その中途部に設けたローラ軸90がそれぞれセクタギヤ88の右上縁と左上縁に支承されている。旋回リンク89の先端部と、操作ロッド71の基端部、すなわち揺動体77に係合するローラ82の位置とが、連結プレート91を介して連動連結されており、ステアリングホイール7が中立位置のときは、旋回リンク89の先端部が、揺動体77の回動軸79の軸心と合致するようになっている。そして、ステアリングホイール7を操舵すると、これに連動して揺動するセクタギヤ88が一方のローラ軸90を押上げ、上動する旋回リンク89が操作ロッド71を引上げて回動させ、揺動体77のガイド溝80に係合した操作ロッド81の係合位置をガイド溝80に沿って変更するようになっている。
主変速レバー43を中立位置として、作動軸72をガイド溝73の中央に位置させたときは、揺動体77のガイド溝80が操作ロッド81の回動軸84を中心とする曲率半径の円弧状となっており、この曲率半径が操作ロッド81の回動軸84からローラ82までの長さと等しくなっている。このため主変速レバー43が中立位置のときは、ステアリングホイール7の操作により、一方の操作ロッド81の係合位置をガイド溝80に沿って変更させても、操作ロッド81は回動軸84を中心として回動するのみである。一方、主変速レバー43の変速操作により揺動体77が回動しているときには、ガイド溝80の曲率中心位置が変わるので、ステアリングホイール7の操作によって係合位置を変更した操作ロッド81は、回動軸84を中心として回動することなく、長手方向に移動してベルクランク83を回動させる。これにより、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70a又はアウタチューブ70bが押し引きされ、機体が旋回される。尚、92は旋回リンク89を付勢するスプリング機構である。
次に、操向変速作動機構69の作用について、図10及び図11を参照して説明する。図10の(A)は、主変速レバー43が中立で、かつ、ステアリングホイール7が中立の状態を示しており、この状態では、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70a及びアウタチューブ70bが中立位置に保持され、操向変速装置15も中立状態を保つ。また、図10の(B)は、主変速レバー43が前進側に操作され、かつ、ステアリングホイール7が中立の状態を示しており、この状態では、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70a及びアウタチューブ70bが上方に引かれるが、インナワイヤ70aとアウタチューブ70bの相対位置は変化しないため、操向変速装置15は中立状態を維持する。また、図10の(C)は、主変速レバー43が前進側に操作され、かつ、ステアリングホイール7が右旋回方向に操作された状態を示しており、この状態では、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70aが下方に押されるため、操向変速装置15が右旋回側に変速作動される。また、図10の(D)は、主変速レバー43が前進側に操作され、かつ、ステアリングホイール7が左旋回方向に操作された状態を示しており、この状態では、操向変速ワイヤ70のアウタチューブ70bが下方に押され、相対的にインナワイヤ70aが上方に引かれるため、操向変速装置15が左旋回側に変速作動される。
図11の(A)は、主変速レバー43が中立で、かつ、ステアリングホイール7が中立の状態を示しており、この状態では、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70a及びアウタチューブ70bが中立位置に保持され、操向変速装置15も中立状態を保つ。また、図11の(B)は、主変速レバー43が後進側に操作され、かつ、ステアリングホイール7が中立の状態を示しており、この状態では、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70a及びアウタチューブ70bが下方に押されるが、インナワイヤ70aとアウタチューブ70bの相対位置は変化しないため、操向変速装置15は中立状態を維持する。また、図11の(C)は、主変速レバー43が後進側に操作され、かつ、ステアリングホイール7が右旋回方向に操作された状態を示しており、この状態では、操向変速ワイヤ70のインナワイヤ70aが上方に引かれるため、操向変速装置15が左旋回側に変速作動される。また、図11の(D)は、主変速レバー43が後進側に操作され、かつ、ステアリングホイール7が左旋回方向に操作された状態を示しており、この状態では、操向変速ワイヤ70のアウタチューブ70bが上方に引かれ、相対的にインナワイヤ70aが下方に押されるため、操向変速装置15が右旋回側に変速作動される。つまり、機体後進時には、操向変速ワイヤ70(インナワイヤ70a)の押し引き方向を逆転し、いわゆる逆ハンドル現象を防止することができる。
叙述の如く構成された本実施形態によれば、左右の走行装置5を増減速駆動する走行変速装置14と、左右の走行装置5を少なくとも減速駆動する操向変速装置15とを備えると共に、走行変速装置14及び操向変速装置15を、それぞれ静油圧式無段変速装置24、25を用いて構成した走行機体1であって、走行変速装置14の斜板コントロールバルブ37を操作する主変速レバー43と、操向変速装置15の斜板コントロールバルブ36を操作するステアリングホイール7と、各斜板コントロールバルブ36、37が作動させるサーボシリンダ38、39を直接的に中立位置に戻すことによって機体を停止させる緊急停止手段とを備えるので、機械的なガタに影響されることなく、迅速かつ確実に機体を停止作動させることができる。
また、操向変速装置15の静油圧式無段変速装置24に、出力軸の回転を制動するブレーキ32を一体的に設けると共に、該ブレーキ32を、緊急停止手段と同期して作動させるので、緊急停止時に、操向変速装置15の出力軸を制動し、作動油のリークなどに起因する機体の不測な旋回を防止できる。
また、主変速レバー43に優先して走行変速装置14を減速作動させるペダル44を設けると共に、該ペダル44の所定操作に応じて緊急停止手段を作動させるので、ペダル44の踏み込みによって機体を徐々に減速した後、緊急停止手段を作動させることができ、その結果、ショックの少ない機体停止を行うことができる。
また、走行変速装置14及び操向変速装置15の静油圧式無段変速装置24、25に、それぞれ、出力軸の回転を制動するブレーキ32、33を一体的に設けると共に、これらのブレーキ32、33をネガティブブレーキに構成して、緊急停止ブレーキ及び駐車ブレーキとして使用するので、緊急停止時や駐車時にブレーキを自動的に作動させることができ、しかも、静油圧式無段変速装置24、25に設けたブレーキ32、33を利用するので、ブレーキの配置空間を別途確保する必要がない。
1 走行機体
2 エンジン
3 前部ケース
4 後部ケース
5 走行装置
7 ステアリングホイール
9 駆動スプロケット
14 走行変速装置
15 操向変速装置
16 遊星歯車装置
18 第一伝動軸
21 第二伝動軸
24、25 静油圧式無段変速装置
26 遊星歯車装置
27 副変速装置
32、33 ブレーキ
36、37 斜板コントロールバルブ
38、39 サーボシリンダ
40 バイパスバルブ
43 主変速レバー
44 ペダル
46 走行変速作動機構
69 操向変速作動機構
2 エンジン
3 前部ケース
4 後部ケース
5 走行装置
7 ステアリングホイール
9 駆動スプロケット
14 走行変速装置
15 操向変速装置
16 遊星歯車装置
18 第一伝動軸
21 第二伝動軸
24、25 静油圧式無段変速装置
26 遊星歯車装置
27 副変速装置
32、33 ブレーキ
36、37 斜板コントロールバルブ
38、39 サーボシリンダ
40 バイパスバルブ
43 主変速レバー
44 ペダル
46 走行変速作動機構
69 操向変速作動機構
Claims (4)
- 左右の走行装置を増減速駆動する変速装置と、左右の前記走行装置を少なくとも減速駆動する操向装置とを備えると共に、前記変速装置及び前記操向装置を、それぞれ静油圧式無段変速装置を用いて構成した作業車両であって、
前記変速装置の斜板コントロールバルブを操作する走行変速操作具と、前記操向装置の斜板コントロールバルブを操作する操向操作具と、各斜板コントロールバルブが作動させるサーボシリンダを直接的に中立位置に戻すことによって機体を停止させる緊急停止手段とを備えることを特徴とする作業車両。 - 前記操向装置の静油圧式無段変速装置に、出力軸の回転を制動するブレーキを一体的に設けると共に、該ブレーキを、前記緊急停止手段と同期して作動させることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
- 前記走行変速操作具に優先して前記変速装置を減速作動させるペダルを設けると共に、該ペダルの所定操作に応じて前記緊急停止手段を作動させることを特徴とする請求項1又は2記載の作業車両。
- 前記変速装置及び前記操向装置の静油圧式無段変速装置に、それぞれ、出力軸の回転を制動するブレーキを一体的に設けると共に、これらのブレーキをネガティブブレーキに構成して、緊急停止ブレーキ及び駐車ブレーキとして使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の作業車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005379109A JP2007177953A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 作業車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005379109A JP2007177953A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 作業車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007177953A true JP2007177953A (ja) | 2007-07-12 |
Family
ID=38303339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005379109A Pending JP2007177953A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 作業車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007177953A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009068680A (ja) * | 2007-09-18 | 2009-04-02 | Chuo Spring Co Ltd | 油圧変速機制御装置 |
JP2013193472A (ja) * | 2012-03-15 | 2013-09-30 | Yanmar Co Ltd | 走行車両 |
JP2013193474A (ja) * | 2012-03-15 | 2013-09-30 | Yanmar Co Ltd | 走行車両 |
JP2019151270A (ja) * | 2018-03-05 | 2019-09-12 | 三菱マヒンドラ農機株式会社 | 作業車輌 |
-
2005
- 2005-12-28 JP JP2005379109A patent/JP2007177953A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013193474A (ja) * | 2012-03-15 | 2013-09-30 | Yanmar Co Ltd | 走行車両 |
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JP7001499B2 (ja) | 2018-03-05 | 2022-01-19 | 三菱マヒンドラ農機株式会社 | 作業車輌 |
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