JP2007245861A - 作業車両の前後進切換制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】HST21の出力回転数を変更するアクチュエータ86と、該HSTの出力軸68と車軸との間の動力伝達経路に設ける正逆転切換機構23と、運転操作部に設けた前記正逆転切換機構23を切り換える前後進切換操作具となる正逆転切換レバー7を備える作業車両において、前記前後進切換操作具の操作位置を検出する手段87と、正逆転切換機構を切り換えるクラッチ61と、これらを制御するコントローラ81を備え、前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間ΔTが設定時間T0よりも短い場合、一方の進行方向から減速して速度0に至ると同時に正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御した。
【選択図】図6
Description
一方、傾斜地における前後進切換操作時には、クラッチペダルを踏んでクラッチを「断」としてブレーキを踏みながら切換操作して、クラッチを「接」に合わせながらアクセルペダルを踏んで下降しないように操作するが、前記同様に面倒な操作なる。このような操作を不要とした技術は公知となっていない。
そこで本発明は、傾斜地において前後進切換操作をする時に、クラッチペダルの操作することなく、容易に変速できる技術を提供しようとするものである。
即ち、請求項1においては、車速を変速する油圧式無段変速と、該油圧式無段変速装置の出力回転数を変更するアクチュエータと、該油圧式無段変速装置の出力軸と車軸との間の動力伝達経路に設ける正逆転切換機構と、運転操作部に設けた前記正逆転切換機構を切り換える前後進切換操作具を備える作業車両において、前記前後進切換操作具の操作位置を検出する手段と、正逆転切換機構を切り換えるクラッチと、これらを制御するコントローラを備え、前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間が設定時間よりも短い場合、一方の進行方向から減速して速度0に至ると同時に正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したものである。
請求項2においては、前記前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間が設定時間よりも長い場合、中立位置に位置してから設定時間経過後に前記クラッチを切り、前後進切換操作具を逆方向に切換と、正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したものである。
請求項1においては、傾斜地における前後進切換操作を頻繁に行うような作業時において、クラッチペダルの操作が不要で、前後進切換操作具を前後に回動操作するだけで、機体が傾斜に沿って自然下降走することなく、前後進走行が可能となり、操作性を向上することができ、作業効率も向上できる。
請求項2においては、前後進操作を頻繁に繰り返さない通常の作業の場合には、前後進切換操作具を中立位置で止めると、クラッチも「断」となり、従来と変わらない操作性を確保できる。
図1は本発明の制御装置を備える作業車両の全体側面図、図2は作業車両の変速機構を示す模式図、図3は作業車両の駆動構成を示すスケルトン図、図4はHMTの構成を示すスケルトン図、図5は変速機構の制御構成を示す図、図6は傾斜地での前後進切換の変速状態を示す図、図7は通常の前後進切換の変速状態を示す図である。
本機の前後に前輪1及び後輪2を支承し、前部のボンネット6内部にはエンジン5を配置し、該ボンネット6の後方にはステアリングハンドル10を設けており、該ステアリングハンドル10の後方にはシート11を配設している。また、シート11の側部には主変速レバー3、副変速レバー4、昇降レバー、PTO変速レバー等が突設され、ステアリングハンドル10のハンドルコラム側部に前後進切換操作具として前後進切換レバー7が配置されている。これらステアリングハンドル10やシート11やレバー類等はキャビン12内の運転部に配置されている。
エンジン5の後方には、HST21および遊星歯車機構22、正逆転切換機構23が配設されている。HST21の油圧ポンプ31は出力軸25により駆動される。
出力軸25の後部にはPTOクラッチ(もしくはダンパー)33を介して伝動軸41に接続されている。該伝動軸41の後部にはPTO変速機構34が配置され、出力軸25より伝達された駆動力が、PTO変速機構34を介してPTO軸15に伝達されて、後部に走した作業機等を駆動できるようにしている。
遊星歯車機構22より合成された出力は、正逆転切換機構23を介して、伝動軸52に伝達される。該伝動軸42から副変速機構24に動力が伝達され、該副変速機構24により前輪1および後輪2に高低変速された動力が伝達される。
副変速機構24の出力軸には、デフ機構36を介して後輪2が駆動され、四輪駆動切換機構37を介して前輪1が駆動される。
作業車両に搭載されるHMT機構は、HST21および遊星歯車機構22により構成される。
HST21の油圧ポンプ31のポンプ軸は一端が前記出力軸25と連結され、他端が伝動軸51に連結されている。該伝動軸51の前部には、歯車54が挿嵌固定されており、歯車54を介して遊星歯車機構22に駆動力が伝達される。
歯車54は歯車55に歯合しており、歯車55は伝動軸52に回動自在に挿嵌されている。さらに、歯車55はプラネタリギヤ58・58を回動自在に枢支する保持体(キャリア)を固設している。そして、歯車55および保持体が一体的に伝動軸52に対して回動する。
プラネタリギヤ58・58は伝動軸52側において、サンギヤ60に歯合している。サンギヤ60は伝動軸52に回動自在に挿嵌されており、歯車57と一体的に回動し、該歯車57は油圧モータ32の駆動軸68上に固設した歯車56と噛合させている。
また、プラネタリギヤ58・58はリング歯車59の内側歯に歯合している。リング歯車59は伝動軸52に回動自在に挿嵌されており、同様に伝動軸52に挿嵌された歯車62と一体的に回動する構成となっている。
歯車62および歯車66のそれぞれのボス部と伝動軸52の間には前後進を切り換えるためのクラッチ61が配設されている。クラッチ61は前進クラッチ61aと後進クラッチ61bからなり、該前進クラッチ61a及び後進クラッチ61bは前後進切換レバー7を回動することにより「入」「切」される。前進クラッチ61aを「接」とすると、歯車62から伝動軸52に動力が伝達され、伝動軸52を正転側に駆動するものである。また、後進クラッチ61bを「接」とすることにより、歯車66から伝動軸52に動力が伝えられ、伝動軸52を逆転側に駆動するものである。
また、クラッチ61は走行系の主クラッチを兼ねており、前進クラッチ61a及び後進クラッチ61bを「切」とすることによりエンジンからの動力が走行輪(前輪1、後輪2)に伝達されず、走行輪側はフリーに回転できる。
このため、前進もしくは後進においては、HST21側の出力制御を行うことにより、円滑に速度制御を行うことができるものである。すなわち、油圧ポンプ31の斜板制御を行うことにより、作業車両の速度調整を行うことができるものである。
さらに、HST21が故障した場合においても、油圧モータ32側駆動軸68を固定することにより、非常時の走行が可能となる。
変速機構の制御は、図5に示すごとく、コントローラ81により行われるものである。
コントローラ81には、エンジン5に配設された回転数を制御する電子ガバナ(ラックアクチュエータ)84、エンジン5の出力軸25の回転数を検出する回転数検出手段85、主変速レバー3の回動位置(変速位置)を検出するポテンションメータ等より構成される角度検出手段88、前後進切換レバー7の回動位置を検出するスイッチまたはポテンションメータ等より構成される位置検出手段87、副変速レバー4の変速位置を検知するポテンションメータ等より構成される角度検出手段90、前後進切換後の伝動軸52の回転数を検出する回転数検出手段89、油圧ポンプ31の斜板の角度を変更するモータまたはシリンダ等よりなるアクチュエータ86、該斜板31aの角度を検知する角度検出手段92、前後進切換を行うクラッチ61の接断を行う電磁弁82・83、前進から後進または後進から前進に切り換えて作業する場合の前後進切換レバー7が中立位置に位置する時間を設定する設定機93が接続されている。
このように、前後切換を素早く行うと動力の切断が殆どないので、傾斜地での前後進切換を行っても、ずり下がることがなく、スムースに作業を行うことができる。図6において、aは目標変速比の変化が示され、斜板31aが目標変速比となるようにアクチュエータ86が駆動される。bは実変速比が示され、目標変速比aに追随するように変速されていることが判る。
例えば、前後進切換レバー7を前進から後進に設定時間T0よりも長い中立位置通過時間Δtで切り換え操作した時には、図7に示すように、中立位置に切り換えて設定時間T0を経過すると前進クラッチ61aをOFFとし、クラッチ61を切った状態とし、ブレーキの制動、または、走行面等の抵抗により停止させる。そして、前後進切換レバー7を中立位置から後進位置に切り換えた時に、後進クラッチ61bをONに切り換えて、アクチュエータ86を逆方向増速側に回動して、設定速度まで増速するのである。
具体的には、図7に示すように、前後進切換レバー7を中立位置に切り換えて設定時間T0を経過すると、目標変速比は0とされ、前進クラッチ61aをOFFとする。この時実変速比b、つまり、斜板31aは速やかに0まで回動される。そして、後進側に前後進切換レバー7を後進側に切り換えると、斜板31aが目標変速位置まで傾斜されて増速されるのである。
このように制御することで、傾斜地における前後進切換操作を頻繁に行うような作業時において、クラッチペダルの操作が不要で、前後進切換操作具を前後に回動操作するだけで、機体が傾斜に沿って自然下降走することなく、前後進走行が可能となり、操作性を向上することができ、作業効率も向上できる。
このように制御することにより、前後進操作を頻繁に繰り返さない通常の作業の場合には、前後進切換操作具を中立位置で止めると、クラッチも「断」となり、従来と変わらない操作性を確保できる。
7 前後進切換レバー
21 HST
22 遊星歯車機構
23 正逆転切換機構
61 クラッチ
Claims (2)
- 車速を変速する油圧式無段変速と、該油圧式無段変速装置の出力回転数を変更するアクチュエータと、該油圧式無段変速装置の出力軸と車軸との間の動力伝達経路に設ける正逆転切換機構と、運転操作部に設けた前記正逆転切換機構を切り換える前後進切換操作具を備える作業車両において、前記前後進切換操作具の操作位置を検出する手段と、正逆転切換機構を切り換えるクラッチと、これらを制御するコントローラを備え、前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間が設定時間よりも短い場合、一方の進行方向から減速して速度0に至ると同時に正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したことを特徴とする作業車両の前後進切換制御装置。
- 請求項1に記載の作業車両の前後進切換制御装置において、前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間が設定時間よりも長い場合、中立位置に位置してから設定時間経過後に前記クラッチを切り、前後進切換操作具を逆方向に切換と、正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したことを特徴とする作業車両の前後進切換制御装置。
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