JP2007175737A - 鋳造装置及び方法、鋳造装置のキャビティ内の圧力測定装置及び方法 - Google Patents
鋳造装置及び方法、鋳造装置のキャビティ内の圧力測定装置及び方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】成形型である固定型3及び可動型5により構成されるキャビティ6内に溶湯を充填して鋳造を行う鋳造装置1であって、キャビティ6の成形面(キャビティ成形面6a)の一部を構成する入子20に圧力検出手段を設けた。
【選択図】図1
Description
こうした鋳造装置に関し、キャビティ内を真空とした状態で鋳造する真空ダイカスト装置などの鋳造装置においては、キャビティ内や射出スリーブ内に存在するガスを吸引して除去するためや、溶湯の保持炉などから射出スリーブ内に溶湯を吸い上げて供給するため、キャビティ内及び射出スリーブ内を所定の減圧度(真空度)まで減圧することが行われる。
このため、キャビティ内や射出スリーブ内の減圧度を検出する技術が従来から提案されており、例えば次に示す特許文献1や特許文献2に示されているようなものがある。
また、特許文献2では、キャビティと型外とを結ぶガス抜き通路を備えた真空ダイカスト装置において、金型とキャビティ内を減圧する真空装置との間に真空度を測定する圧力計を設けている場合、ガス抜き通路が離型剤などで詰まりが生じてキャビティ内の真空度が正確に計測されないことに鑑み、ガス抜き通路のキャビティ近傍にセンサ孔を設け、このセンサ孔の側壁に圧力センサを配設した構成が示されている。
また、特許文献2においては、圧力の測定位置がキャビティと連通するガス抜き通路のキャビティ近傍に設けられてはいるものの、その位置がキャビティに対して該キャビティを減圧するための真空装置側であるため、キャビティ内の真の減圧度より低い(減圧された)値が測定されると考えられる。
また、歪ゲージにより検出される値の信頼性を向上することができ、キャビティ内の圧力をより精度よく測定することが可能となる。
また、圧力検出手段は溶湯に直接触れることがないので、鋳造のサイクルが連続して行われる連続ショット中において、ショット毎の連続的な圧力測定が容易に可能となる。
また、シリンダライナを鋳ぐるむためのボアピンは、比較的大きくその周囲がキャビティに取り巻かれる入子となるので、キャビティ内の圧力をよく反映する位置に高い自由度を持って圧力検出手段を配置することが可能となる。
また、歪ゲージにより検出される値の信頼性を向上することができ、キャビティ内の圧力をより精度よく測定することが可能となる。
また、圧力検出手段は溶湯に直接触れることがないので、鋳造のサイクルが連続して行われる連続ショット中において、ショット毎の連続的な圧力測定が容易に可能となる。
本発明に係る鋳造装置は、成形型により構成されるキャビティ内に溶湯を充填して鋳造を行う鋳造装置であって、前記キャビティの成形面の一部を構成する入子に圧力検出手段が設けられている。
鋳造装置により製造される鋳造品に関し、例えば内燃機関のクランクケースやシリンダブロック等には、製品管理上の製品番号や、製造履歴などを特定するための三次元バーコード等の識別番号のような表示情報が付されるものがある。このような表示情報を鋳造品に付すこととしている鋳造装置においては、鋳造品の表面に表示情報を鋳造の際に形成するための型番ピンや打刻座ピン等のピン入子を鋳型に有する構成のものがある。
このようなピン入子は、型番ピンの場合、例えばその先端部(先端面)に製品番号などの表示情報が成形部(成形面)として形成され、この先端部がキャビティ内に突出するかあるいは面するようにして鋳型内に設けられる。そして、鋳造が行われることにより鋳造品に表示情報が付される(転写される)。また、打刻座ピンの場合、同じくキャビティ内に突出する等して設けられ、これにより鋳造品に製品番号などの表示情報が打刻されるための平面部(打刻座)が形成される。そして、鋳造後において、鋳造品に形成された打刻座に対して打刻機が用いられて表示情報が打刻される。
つまりこれらの場合、型番ピン等のピン入子の一部がキャビティの成形面の一部を構成することとなり、ピン入子がキャビティの成形面の一部を構成する入子となる。
このような鋳ぐるみ鋳造装置においては、シリンダライナ等の鋳ぐるみ部材に嵌合されるボアピン(ボア入子)等の入子が鋳型に設けられキャビティ内に突出形成される。例えば多気筒のシリンダブロックを鋳造する鋳型の場合、気筒ごとにボアピンが形成されることとなる。
つまりこの場合、ボアピン等の入子がシリンダライナ等の鋳ぐるみ部材を介してキャビティの成形面の一部を構成することとなり、このボアピン等の入子がキャビティの成形面の一部を構成する入子となる。
そして、前記圧力検出手段により圧力を検出し、この検出値に基づいてキャビティ内の圧力を測定する。
以下、具体的な実施形態について説明する。
まず、図1を用いて本実施形態に係る鋳造装置の構成について説明する。図1は鋳造装置の第一実施形態の構成を示す図である。
本実施形態に係る鋳造装置は、キャビティ内を減圧してダイカストする、いわゆる真空ダイカスト法に用いられるものである。この鋳造装置において、キャビティの成形面の一部を構成する入子として、型番ピンや打刻座ピン等のピン入子を鋳型に有する構成について説明する。
固定型3と可動型5との間には、キャビティ6が形成されている。つまり、固定型3が有する成形面と可動型5が有する成形面とにより、キャビティ6の成形面(以下、「キャビティ成形面6a」という。)が形成される。
なお、減圧配管9においては、真空バルブ8と真空ポンプ10との間に真空タンク11が設けられる。
射出スリーブ12には、給湯口12aが設けられており、該給湯口12aの上方に設けられるラドル15から注がれる溶湯(溶融金属)が給湯口12aを介して射出スリーブ12内に供給される構成となっている。
まず、可動型5が固定型3に対して近接することにより、所定の型締め力による型締めが行われ、キャビティ6が形成される。
次に、前記シリンダ装置の動作によりプランジャチップ13が射出スリーブ12の給湯口12aよりも後退した状態で、ラドル15から給湯口12aを介して射出スリーブ12内に溶湯が供給される。
そして、真空ポンプ10により真空バルブ8を介してキャビティ6内が所定の減圧度まで減圧されるとともに、プランジャチップ13が前記シリンダ装置により押し出されて前進し、射出スリーブ12内の溶湯がキャビティ6内に充填される。
キャビティ6内に充填された溶湯は、その凝固が完了した後に、可動型5が固定型3に対して離間することにより型開きが行われて鋳造品として取り出される。その後、キャビティ成形面6aに離型剤が塗布される等して次の鋳造のサイクルに入る。
なお、本実施形態においては、固定型3側に入子20が設けられる構成となっているが、これに限定されず、可動型5側に設けられる構成であってもよい。
そして、前述したように、鋳造装置1においてキャビティ成形面6aの一部を構成する入子20に圧力検出手段が設けられる。
すなわち、従来から、鋳造装置の鋳型に備えられる入子については、入子の過熱を防止するとともに鋳造品の冷却を促進する等のため内部冷却構造を備えるものがある。例えば、入子の内部に空洞である冷却水通路が未貫通状態に形成され、この冷却水通路に通水されることにより、入子がその内部から冷却される構造や、入子の内部に空洞が設けられ、この空洞に配管などを介して冷却水が貯留され、この冷却水により入子の内部から冷却が行われる構造である。
そして、本実施形態に係る入子20には、上記ような内部冷却構造を有しない入子が用いられ、この入子20の内部が、圧力検出手段が設けられるために利用される。
具体的には、前述したような型番ピンや打刻座ピン等のピン入子が用いられる。
すなわち、前記のような内部冷却構造を有する入子においては、その内部に冷却水通路などが形成されるため、入子の内部での加工を施すことができる部分が限られることとなり、特に、比較的径などが小さい入子の場合は、入子の強度確保の観点などから内部加工は困難となる。そこで、内部冷却構造を有しない入子の内部に加工を施して圧力検出手段を設けることにより、その加工の際の制約を少なくすることができる。
本実施形態に係る入子20は、キャビティ成形面6aの一部を構成する検出体としての成形ピン21と、この成形ピン21を支持固定するブロック体22とを備えている。
成形ピン21は、キャビティ成形面6aの一部を構成する成形面部21aを有するとともに、この成形面部21aの近傍に中空部23を構成する。成形ピン21は、一側が開口された有底の筒状に構成され、その底部により前記成形面部21aが構成されるとともに、筒部により側壁部21bが構成される。そして、成形面部21aにおいて、成形ピン21の外底面となる面が成形面21cとなり、この成形面21cに前述したような製品番号などの表示情報が形成される。
つまり、成形ピン21は、その成形面部21aの成形面21cがキャビティ6に面した状態あるいは突出した状態(本実施形態においては面した状態)で設けられ、この成形面部21aによりキャビティ成形面6aの一部が構成される。
このように、全体として略円柱状に構成される入子20が、固定型3において一側が成形ピン21の成形面21cによりキャビティ6に面するとともに、他側がブロック体22の基部22aを介して固定盤2に接した状態で内装される。
成形面部21aによりキャビティ成形面6aの一部を構成してキャビティ6に面するとともに、ブロック体22に支持固定される成形ピン21は、キャビティ6内の圧力変化の影響を受け、その圧力を受ける方向に変形(伸縮)する。すなわち、有底筒状に構成される成形ピン21は、その成形面部21aを介して底側(図2において左側)からキャビティ6内の圧力変化を受け、この圧力変化によって側壁部21bが伸縮することとなる。
したがって、成形ピン21の成形面部21aの成形面21cが略平面を構成する場合は、その平面に対する略垂直方向が、成形ピン21がキャビティ6内の圧力変化を受ける方向となり、ブロック体22が成形ピン21を支持する方向となる。このため、これらの方向が入子20の長手方向(成形ピン21とブロック体22との嵌合方向)と略同じ方向となるように入子20が構成される。以下、入子20がキャビティ6内の圧力の変化を受ける方向であるその長手方向に相当する方向を「圧力方向」という。
歪ゲージ24から延出されるケーブル(リード線)25は、ブロック体22内に形成される配線通路22b及び固定型3及び固定盤2に形成される配線通路2aを介して導出され、アンプや出力部などを備えた周知の測定装置16(図1参照)に接続される。
つまり、キャビティ6内の圧力の変化にともなう入子20(の成形ピン21)の変形が、この入子20内部に貼設される歪ゲージ24により検出され、この検出値に基づいてキャビティ6内の圧力が測定される。
耐圧スペーサ26は、主に鋳造時の鋳造圧(正圧)により作用する力に対して成形ピン21を補強する。すなわち、キャビティ6内が減圧されて成形ピン21が伸長する方向を負圧方向とすると、耐圧スペーサ26は主に正圧方向(図2の矢印A参照)の力に対して成形ピン21を補強する。
耐圧スペーサ26は、成形ピン21内の中空部23の形状に沿う略円柱状の部材が、追い込み加工などにより形成される縮径部26aを備えて構成され、この縮径部26aにより歪ゲージ24の配設空間が確保される。つまり、縮径部26aは、歪ゲージ24が成形ピン21の内周面21dに貼設された状態で該歪ゲージ24と耐圧スペーサ26との干渉がないように少なくとも歪ゲージ24の厚さ分の空間が確保されるように縮径される。
したがって、前述したように螺嵌されることにより互いに嵌合される成形ピン21及びブロック体22において、耐圧スペーサ26が成形ピン21及びブロック体22に接触するまで、成形ピン21とブロック体22とが螺合される。
このように、圧力方向における耐圧スペーサ26の両端面が成形ピン21及びブロック体22に対する接触支持面となるので、前記縮径部26aは、耐圧スペーサ26において圧力方向の中途部、好ましくは略中央部に設けられる。換言すると、耐圧スペーサ26においては、縮径部26aを間にして圧力方向の両端部に大径部26b・26cが構成されることとなる。
したがって、耐圧スペーサ26においては、前述した縮径部26aの代わりに、奥側大径部26bから連続する溝部などを設けることで歪ゲージ24の配設空間を確保する構成することもできる。つまり、耐圧スペーサ26は、歪ゲージ24との関係においては、中空部23に設けられる際及び設けられた状態で互いに干渉することのない形状を備えることにより、歪ゲージ24の配設空間を確保することができる形状であればよい。
すなわち、入子20において、鋳造時の正圧に対しては、固定盤2に対して支持されるブロック体22に圧力方向に嵌合される成形ピン21は、その成形面部21aを介してブロック体22に対して押圧されるところ、この押圧力が耐圧スペーサ26により支持されて補強される。一方、キャビティ6内の負圧に対しては、成形ピン21は、耐圧スペーサ26に関係なく伸長する。
また、耐圧スペーサ26は、キャビティ6内が減圧される際の負圧に対しては成形ピン21の変形に影響を及ぼさず、鋳造時の正圧に対しても成形ピン21を補強してその変形を抑制することとなるので、歪ゲージ24により検出される値の信頼性を向上することができ、キャビティ6内の圧力をより精度よく測定することが可能となる。
まず、図4及び図5を用いて本実施形態に係る鋳造装置の構成について説明する。図4は鋳造装置の第二実施形態の構成を示す図、図5は圧力検出手段を備える入子を示す側面断面図である。なお、前述した第一実施形態と共通する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る鋳造装置は、キャビティ内を減圧してダイカストする、いわゆる真空ダイカスト法に用いられるものであり、また、キャビティ内において、別部材を鋳ぐるむ鋳ぐるみ鋳造装置である。
つまり、本実施形態に係る鋳造装置においては、キャビティの成形面の一部を構成する入子として、鋳造製品に鋳ぐるまれる鋳ぐるみ部材を保持する入子が鋳型に備えられる。なお、以下の説明においては、鋳造品を内燃機関のシリンダブロックとし、このシリンダブロックに鋳ぐるまれる鋳ぐるみ部材としてシリンダライナを例に説明する。
固定型33と可動型35との間には、キャビティ36が形成されている。つまり、固定型33が有する成形面と可動型35が有する成形面とにより、キャビティ36の成形面(以下、「キャビティ成形面36a」という。)が形成される。
また、キャビティ36内は、図示せぬシリンダ装置により進退可能に設けられるプランジャチップ13を摺動可能に内装する射出スリーブ12内と連通されている。
入子40は、鋳ぐるみ部材であるシリンダライナ50をキャビティ36内において保持するボアピン(ボア入子)であり、この入子40の側面がシリンダライナ50を介してキャビティ成形面36a(本実施形態においては可動型35側の成形面)の一部を構成する。つまり、入子40に保持されるシリンダライナ50が、鋳造装置31において鋳造されるシリンダブロックに鋳ぐるまれることにより、該シリンダブロックにおいてピストンが摺動自在に内装されるシリンダボアが形成される。
したがって、鋳造品が多気筒のシリンダブロックである場合、キャビティ36内において気筒ごとの入子40が一列に配設されることとなる。また、図示は省略するが、入子40の周囲近傍には、シリンダブロックにおいてウオータジャケットを形成するための入子であるジャケットピン等がキャビティ内に突出形成される。
なお、本実施形態においては、可動型35側に入子40が設けられる構成となっているが、これに限定されず、固定型33側に設けられる構成であってもよい。
まず、固定型33と可動型35とを型開きさせた状態で、鋳ぐるみ部材を保持する入子40に鋳ぐるみ部材としてのシリンダライナ50が嵌合される。これにより、キャビティ36内においてシリンダライナ50が位置決めされた状態でボア入子40により保持された状態となる。
この状態で、可動型35が固定型33に対して近接することにより、所定の型締め力による型締めが行われ、キャビティ36が形成される。
次に、前記シリンダ装置の動作によりプランジャチップ13が射出スリーブ12の給湯口12aよりも後退した状態で、ラドル15から給湯口12aを介して溶湯が射出スリーブ12内に供給される。
そして、真空ポンプ10により真空バルブ8を介してキャビティ36内が所定の減圧度まで減圧されるとともに、プランジャチップ13が前記シリンダ装置により押し出されて前進し、射出スリーブ12内の溶湯がキャビティ36内に充填される。
キャビティ36内に充填された溶湯は、その凝固が完了した後に、可動型35が固定型33に対して離間することにより型開きが行われてシリンダライナ50を鋳ぐるんだ鋳造品(シリンダブロック)として取り出される。その後、キャビティ成形面36aに離型剤が塗布される等して次の鋳造のサイクルに入る。
すなわち、図5に示すように、シリンダブロックにおいてシリンダボアを形成するためのボアピンである入子40は、シリンダライナ50の内部空間に沿うように略円柱状に突設され、この入子40に嵌合されるシリンダライナ50が位置決めされた状態で、入子40の外周面40aとシリンダライナ50の内周面50aとの間に隙間51(間隔G参照)が形成される。
具体的には、図5に示すように、入子40に位置決めされた状態のシリンダライナ50の両端面は、固定型33及び可動型35の成形面に対してそれぞれ溶湯密に衝合した状態、即ち、一側の端面50bと固定型33の成形面33aとの間、及び他側の端面50cと可動型35の成形面35aとの間それぞれにおいて、キャビティ36内に充填される溶湯が流入しない程度の若干の隙間(例えば、0.05mm)を隔てた状態となる。
すなわち、入子40とシリンダライナ50との間に形成される隙間51には、前記のとおりキャビティ36内に充填される溶湯は充填されないものの、この隙間51は、キャビティ36内と連通する空間となる。また、この空間に面することとなる入子40の表面部であってシリンダライナ50の内周面50aと対向する外周面40aは、キャビティ36内に充填される溶湯に直接触れない部分となる。そこで、この入子40の外周面40a近傍となる入子40の表面部に圧力センサ41が設けられる。
つまり、隙間51内においては、その一部には溶湯が流入する構成であっても、圧力センサ41が設けられる部分として、入子40の表面部であってキャビティ36内と連通する空間に面するとともに溶湯に直接触れない部分が確保され、圧力センサ41により圧力が検出される空間として、キャビティ36と連通して溶湯が流入しない空間が確保される構成であればよい。
また、圧力センサ41は溶湯に直接触れることがないので、前述したような鋳造のサイクルが連続して行われる連続ショット中において、ショット毎の連続的な圧力測定が容易に可能となる。
本実施形態に係る入子40は、前記のとおり鋳ぐるみ部材としてのシリンダライナ50を鋳ぐるんでシリンダボアを形成するためのボアピンである。
入子40は、その表面部において、キャビティ36内と連通する空間である隙間51に面するとともに溶湯に直接触れない部分に、圧力検出手段としての圧力センサ41を備えている。
圧力センサ41は、圧力を検出するためのセンサ部41aと、このセンサ部41aから突設される係合部41bとを備える。
圧力センサ41のセンサ部41aとしては、鋳造熱に対する耐熱性を有するものであれば特に限定されず周知のものを用いることができ、例えばピラニ真空度計などが用いられる。
圧力センサ41は、その係合部41bを介して入子40の孔部42に対して嵌合され、この入子40に対して一体的に設けられる。ここで、圧力センサ41の係合部41bの外周面及び入子40の孔部42の内周面にはそれぞれネジ部41s・42sが形成されており、これらネジ部41s・42sを介して圧力センサ41が孔部42に螺嵌される。
すなわち、入子40に設けられる孔部42は、前記ネジ部42sよりも入子40の表面側にザグリ加工などにより形成される凹部42aを備えており、圧力センサ41がその係合部41bを介して孔部42に嵌合されることにより、該圧力センサ41のセンサ部41aが凹部42aに収まる構成となっている。
ここで、圧力センサ41のセンサ部41aを隙間51に近接させてキャビティ36内の圧力をより直接的に検出する観点からは、圧力センサ41が孔部42に埋設された状態でセンサ部41aの外側となる面が、入子40の外周面40aに近接するように(略同一面となるように)凹部42aが設けられることが好ましい。つまり、孔部42の凹部42aの大きさ(深さ)は、圧力センサ41のセンサ部41aの大きさに合わせて定められる。
なお、圧力センサ41において、センサ部41aから延出されることとなるケーブル45は、例えば、係合部41b内に形成される挿通孔を介したり、係合部41bのネジ部41sの外側から迂回させたりすることにより、配線通路40b内へと延出されることとなる。
また、シリンダライナ50を鋳ぐるむためのボアピンは、前述した型番ピン等の入子に対して比較的大きく、その周囲がキャビティ36に取り巻かれる入子となるので、前述したような内部冷却構造を有する入子であっても、該入子においてキャビティ36内の圧力をよく反映する位置に圧力センサを配置することが可能となる。つまり、ボアピンとなる入子40における内部冷却構造の有無にかかわらず、キャビティ36内の圧力をより直接的に検出することができる位置(具体的には、より隙間51側)に高い自由度を持って設けることができる。
3 固定型(成形型)
5 可動型(成形型)
6 キャビティ
6a キャビティ成形面
20 入子(圧力測定装置)
21 成形ピン(検出体)
21a 成形面部
21d 内周面
22 ブロック体
23 中空部
24 歪ゲージ(圧力検出手段)
26 耐圧スペーサ(補強構造)
31 鋳造装置
33 固定型(成形型)
35 可動型(成形型)
36 キャビティ
36a キャビティ成形面
40 入子
41 圧力センサ(圧力検出手段)
50 シリンダライナ(鋳ぐるみ部材)
51 隙間
Claims (11)
- 成形型により構成されるキャビティ内に溶湯を充填して鋳造を行う鋳造装置であって、
前記キャビティの成形面の一部を構成する入子に圧力検出手段を設けたことを特徴とする鋳造装置。 - 前記入子を、内部冷却構造を有しないものとし、該入子の内部に前記圧力検出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鋳造装置。
- 前記入子は、前記成形面の一部を構成する成形面部を有するとともに該成形面部の近傍に中空部を構成する検出体を備え、
前記圧力検出手段は、前記検出体における前記中空部を形成する内周面に貼設され、前記キャビティ内の圧力の変化にともなう前記検出体の変形を検出する歪ゲージであることを特徴とする請求項2に記載の鋳造装置。 - 前記中空部内に、前記歪ゲージの配設空間を確保するとともに前記検出体を補強する補強構造を設けたことを特徴とする請求項3に記載の鋳造装置。
- 前記入子は、前記キャビティ内に突設され、鋳造品に鋳ぐるまれる鋳ぐるみ部材を保持するものであり、該入子の表面部であって、前記キャビティ内と連通する空間に面するとともに前記溶湯に直接触れない部分に、前記圧力検出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鋳造装置。
- 前記入子は、前記鋳ぐるみ部材としてのシリンダライナを鋳ぐるんでシリンダボアを形成するためのボアピンであることを特徴とする請求項5に記載の鋳造装置。
- 成形型により構成されるキャビティ内に溶湯を充填するとともに、前記キャビティ内の圧力を測定しながら鋳造を行う鋳造方法であって、
前記キャビティの成形面の一部を構成する入子に設けられる圧力検出手段により圧力を検出し、該検出値に基づいて前記キャビティ内の圧力を測定することを特徴とする鋳造方法。 - 成形型により構成されるキャビティ内に溶湯を充填して鋳造を行う鋳造装置のキャビティ内の圧力測定装置であって、
前記キャビティの成形面の一部を構成する成形面部を有するとともに該成形面部の近傍に中空部を構成する検出体と、該検出体を支持固定するブロック体と、前記中空部における前記検出体の内周面に貼設され前記キャビティ内の圧力の変化にともなう前記検出体の変形を検出する歪ゲージと、を備えることを特徴とする鋳造装置のキャビティ内の圧力測定装置。 - 前記中空部内に、前記歪ゲージの配設空間を確保するとともに前記検出体を補強する補強構造を設けたことを特徴とする請求項8に記載の鋳造装置のキャビティ内の圧力測定装置。
- 成形型によりキャビティを構成するとともに、該キャビティの成形面の一部を構成する入子を備える鋳造装置のキャビティ内の圧力測定方法であって、
前記キャビティ内の圧力の変化にともなう前記入子の変形を、該入子内部に貼設される歪ゲージにより検出し、該検出値に基づいて前記キャビティ内の圧力を測定することを特徴とする鋳造装置のキャビティ内の圧力測定方法。 - 成形型によりキャビティを構成するとともに、該キャビティの成形面の一部を構成する入子を備える鋳造装置のキャビティ内の圧力測定方法であって、
前記入子の周囲に形成され前記キャビティ内と連通するとともに該キャビティ内に充填される溶湯が流入しない空間内の圧力を検出し、該検出値に基づいて前記キャビティ内の圧力を測定することを特徴とする鋳造装置のキャビティ内の圧力測定方法。
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