JP2007170992A - ホモシステインの免疫学的測定方法 - Google Patents

ホモシステインの免疫学的測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
免疫学的ホモシステイン測定方法において、生体試料由来の免疫反応阻害物質の影響により測定値がばらつくことが知られている。
本発明は免疫反応阻害物質の影響を簡便かつ効率よく排除する方法および当該方法に使用するキットを提供する。
【解決手段】
ポリアニオン存在下においてホモシステインと抗体を反応させることによって免疫反応阻害物質の影響を排除し得る。そこで上記課題は外因性ポリアニオンの存在下で検体と抗体を反応させることを特徴とする、生体試料中に含まれるホモシステインの免疫学的測定方法によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、阻害物質の影響を排除した、免疫学的測定によるホモシステイン検出系に関するものである。
近年、血漿ホモシステインの高値が心臓血管疾患の危険因子の1つであると認識されたことから、臨床において血清または血漿中の総ホモシステイン量を測定する必要性が増している。
免疫学的手法を用いたホモシステイン測定方法は、エルリングらにより開発された(特許文献1参照)。本方法は、SS結合により血中成分と結合したホモシステインを乖離させる段階、および乖離したホモシステインを補助基質(アデノシン)とともに酵素(S−アデノシルホモシステイン加水分解酵素)を用いて反応させることにより免疫学的に測定できる形態に変換する段階から成る前処理工程を経た後に、競合法により免疫学的測定を行うことによってホモシステイン濃度を測定する方法である。
また、ホモシステイン濃度を測定する方法としては免疫学的測定方法の他にも、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いて物理化学的性質を利用して分離測定する方法(非特許文献1参照)やMS(質量スペクトル分析)により測定する方法が知られているが、非常に煩雑な手法であるため、簡便さという観点から、免疫学的測定方法に勝る測定方法は存在しない。
特開平5−513023号公報 「ジャーナルオブクロマトグラフィービー(Journal of Chromatography B)」,第779巻,第2号,2002年11月5日, p. 359−363
従来の免疫学的ホモシステイン測定方法により血清または血漿サンプルを測定する場合には、血中に存在すると考えられる阻害物質の影響により、測定誤差が生じることが知られている。
このような阻害物質の影響を除くために、従来の免疫学的測定方法ではサンプルを直接希釈したり、反応溶液の量を増やすなどのサンプルを希釈する処理が行われていたが、このような処理は測定の手間の増大、希釈による不必要な感度の低下等の不利益を伴うものである。特に全自動測定装置で測定するにあたっては、希釈の手間は処理速度の低下を招き、また、測定装置によっては反応溶液の増加に対応できないなどの問題が存在していた。
したがって、サンプルの希釈を行うことなく、すなわち感度を損なったり余分な操作を行うことなく、免疫学的ホモシステイン測定において阻害物質の影響を取り除く方法の開発が強く望まれていた。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリアニオンと同一または類似の物質がホモシステイン測定系において免疫反応を阻害する原因物質であることを突き止め、含まれるポリアニオン類似物質の量が各検体で異なることが免疫学的ホモシステイン測定値のばらつきの原因であると結論した。
しかし、血清中に存在する特定の物質を取り除くことは通常容易ではない。そこで本願発明者は発想を変えて、十分量のポリアニオンを測定試薬に添加することにより、血清中に存在する阻害物質の影響を相対的に減少させることによって、その阻害作用を実質的に取り除くことに成功した。
(発明の構成)
本発明は上記知見に基づき、検体と抗体の反応時にポリアニオンを共存させることを特徴とする、生体試料中に含まれるホモシステインの免疫学的測定方法を提供するものである。
また、別の態様として本発明は当該免疫測定方法に使用するための、ポリアニオンを含むキットを提供するものである。
本発明の免疫学的ホモシステイン測定方法は、抗原抗体反応を利用した測定方法であればいずれの方法であってもよい。したがって、競合法、あるいはサンドイッチ法などの非競合法のいずれの方法であってもよい。
本発明で用いるポリアニオンの最適添加量は、ポリアニオンの種類によっても異なるが、反応溶液中の血清量がおおよそ1割程度の場合において検体との反応時に1μg/ml以上のポリアニオンを添加すると阻害物質の影響を十分に取り除くことができる。但しこれより少なくても依然効果は認められる。多すぎるポリアニオンは製造コストの増大や粘性の増大による機械的操作の不具合(分注量不足など)をもたらす。使用上限はポリアニオンの種類によっても異なるが、おおよそ100mg/ml である。したがって、好適なポリアニオン濃度は、ポリアニオンの種類や使用する血清の量にもよるが、反応溶液中の血清量がおおよそ10%程度の場合において、抗体とサンプルとの反応時に1μg/ml 〜100 mg/ml の範囲にある。検体量が少ない場合はより少ない濃度で効果が認められ、検体量が多い場合はより高い濃度で顕著な効果が認められる傾向がある。
本発明においてポリアニオンが所望の効果を奏するためには、ホモシステインと抗体との反応時にポリアニオンが共存する必要があるが、ポリアニオンを添加する経路はどのようなものであってもよい。すなわち、ホモシステインと抗体の反応系に関与する試薬であればどの試薬にポリアニオンを添加しても良く、例えば固相化抗体溶液、標識溶液、アッセイ緩衝液、前処理溶液などいずれの溶液中に添加しても良い。
本明細書において「ポリアニオン」とは、1分子中にマイナスイオンが4価以上存在する分子として定義される。1分子中に存在するマイナスイオンがおおよそ10価を超え、分子量が数百以上のものがポリアニオンとして顕著な性質を示す。分子量の上限はその粘性が測定系に影響を与えない範囲で設定できるが、通常は、数十万〜数百万の分子量が上限である。
本発明に使用するポリアニオンは上記定義に該当するものであればいかなる種類のものでも使用できる。好適なポリアニオンとして、炭素のポリマー鎖にカルボキシル基が多価存在するポリアクリル酸やその類似物質、多糖を硫酸基で置換したデキストラン硫酸、ヘパリン、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ−L−アスパラギン酸及びカルボキシメチルセルロースなどがあげられる。また、これらポリアニオンはナトリウム塩やリチウム塩のような塩の形態であってもよい。但し、これらはあくまで例示であって本発明において使用し得るポリアニオンをこれらに限定するものではない。また、使用されるポリアニオンは単独であってもよいし、複数種のポリアニオンの混合物であってもよい。
本発明の免疫学的測定方法において用いる試薬類、例えば抗体、標識物質、還元剤、酵素等は、通常の免疫学的測定法において使用する物質を通常の条件で使用することができる。
本発明において使用する抗体は、抗体によって認識され得るように変換処理されたホモシステインを認識する抗体である。例えば検体が予めs−アデノシルホモシステイン加水分解酵素によって処理されている場合には、抗s−アデノシルホモシステイン抗体を用いる。
この抗体はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれであってもよく、また、完全抗体のみでなく、特異的な活性を有しているものであればFab、Fab’、F(ab’)などの抗体フラグメントであっても、また、遺伝子組換えにより活性部位のみを取り出したものなど、いずれの形態であってもよい。
本発明の免疫学的測定方法で測定対象となる生体試料は、体液や組織抽出物などの生体由来の液体であればいずれのものでもよいが、一般には血漿もしくは血清あるいは尿を用いるのが好ましい。
生体試料中において多くのホモシステインが他のチオールまたはアルブミン等の蛋白質とジスルフィド結合を介して結合していることから、血漿中あるいは尿中等の総ホモシステインを測定するためには、ジチオスレイトール(DTT)等の還元剤で前処理することが望ましい。
ホモシステインを選択的に認識する抗体が得られないことから、免疫学的ホモシステイン測定方法においては、予め酵素処理等によってホモシステインを抗体が認識し得る分子に変換することが必要である。
この前処理で使用される酵素および補助基質は、ホモシステインを免疫学的に測定できる分子に変換できる酵素および補助基質であればどのようなものであっても使用することが可能である。例えば、酵素としてs−アデノシルホモシステイン加水分解酵素、補助基質としてアデノシンを用いることが一般的である。この場合ホモシステインはs−アデノシルホモシステインに変換され、免疫学的測定に供される。
アデノシン等の補助基質は望ましくは還元剤溶液中に入れるが、前処理液または第一反応中に添加される試薬であれば、どの試薬中にも添加することが可能である。
本発明の免疫学的測定方法を用いることにより、サンプルを希釈したり、大量のアッセイ緩衝溶液を使用したりすること無く、サンプル中に存在する阻害物質の影響を取り除くことができ、高感度でかつ信頼性の高い測定結果を簡便に得ることが可能となる。このような本発明の効果は、短時間に大量の検体を処理することが求められる全自動測定において特に有利である。
尚、免疫学的測定法にヘパリン等のポリアニオンを添加することを教示する文献はいくつか存在するが、いずれも本発明の測定方法について言及するものではない。
森らは特開平8−145998号明細書において、インシュリン様成長因子を免疫学的に測定する際に、生体試料を酸処理し、インシュリン様成長因子をインシュリンから遊離させた後に再結合を阻害するための阻害剤としてヘパリンを添加している。
本願発明のホモシステイン測定系では、インシュリン様成長因子に該当する再結合を阻害すべき物質が関与していないことから、森らのl文献はホモシステイン測定系においてヘパリンを添加することを何ら教示、示唆するものではない。
ベイカーらおよび石川らは抗原または抗体を固相化する際の接続物質としてポリアニオンを用いている(特表平7−507871号明細書および特開平2−168162号明細書参照)。これら方法は遊離状態で反応系にポリアニオンを添加する本願発明とは構成が全く異なり、またホモシステイン測定における阻害因子の影響を取り除くという本願発明の効果を奏するものでないことは明らかである。
吉村らはクロマトグラフィーアッセイデバイス中において、赤血球分離のために使用したポリカチオンを中和するためにポリアニオンを使用することを報告している(特表2002−509254号明細書参照)。ホモシステイン測定方法では中和すべきポリカチオンが添加されておらず、したがって吉村らの文献はホモステイン測定系においてポリアニオンを添加することを何ら示唆するものではない。
黒川らは、完全抗体を用いた免疫測定方法における干渉物質の影響が、ポリアニオンであるヘパリンを添加することによって除去されることを教示している(特開平8−29420号明細書参照)。
一方、本願発明はポリアニオン自体が免疫学的ホモシステイン測定系における免疫反応の阻害物質であることを利用して、阻害物質であるポリアニオンを積極的に測定系に添加することにより検体中に存在する阻害物質の影響を相対的に減少させるものである点において両発明はその構成が根本的に相違する。
坂本らは、コロイド粒子を用いたクロマトグラフィーアッセイ系において、血液検体にヘパリンを添加することによって非特異的反応が阻害され、擬陽性の発生を回避し得ることを報告している(特開平7−151754号明細書参照)。
本方法は、抗体を結合させたコロイド粒子の非特異的な結合、即ち非特異的な凝集反応をヘパリン添加によって回避するものであり、ホモシステインと抗体との免疫反応における阻害物質の影響を回避することを目的としてポリアニオンを添加する本願発明とはその構成および目的が全く相違するものである。
ポリアニオンを測定系に添加することによる免疫学的ポリアニオン測定系の改善方法に係る本願発明は、いずれの従来技術ともまったく異なった機作に基づく新たな発明であり、従来技術では期待できなかった効果を奏するものである。
以下の実施例により、本発明の有効性及び利点を詳細に説明するが、本発明の範囲及び本質を限定するものではない。
全自動化学発光測定装置を用いたホモシステイン測定方法
試薬
抗s−アデノシルホモシステインマウスモノクローナル抗体(米国アボットラボラトリーズ社より入手)を、カルボキシル基修飾磁性微粒子(米国アボットラボラトリーズ社より入手)上に、EDC(N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩(シグマアルドリッチ社製 )を用いる方法により結合させ、抗体固相化微粒子とした。抗体固相化微粒子をツイーン20 (関東化学社製)、EDTA(エチレンジアミン4酢酸ナトリウム塩)および塩化ナトリウムを含有するビストリス緩衝液中に添加することにより抗体固相化微粒子溶液を作製した。
アクリジニウム誘導体標識s−アデノシルシステイン(米国アボットラボラトリーズ社より入手)を、トライトンx100(シグマアルドリッチ社製 )を含むMES緩衝液中に添加することにより、トレーサー溶液を作製した。
s−アデノシルホモシステイン加水分解酵素(イギリス、アクシスシールド社より入手)、を、グリセロール30%(体積%)を含有する緩衝液中に添加し、酵素溶液とした。
DTTおよびアデノシンをクエン酸水溶液中に添加し還元剤溶液とした。
方法
アーキテクト全自動免疫測定分析機(アボットジャパン社製)を用いて以下の操作および測定を行った。サンプル18 μlに酵素溶液79 μl、抗体固相化微粒子溶液 50 μlおよび還元剤溶液 10 μl を混合し、第一反応を開始した。本混合溶液内において下記の反応が生じている。(1)サンプル中のホモシステイン結合体が遊離ホモシステインに遊離される、
(2)遊離されたホモシステインがS−アデノシルホモシステインに変換される、(3)変換されたS−アデノシルホモシステインが抗体固相化微粒子に結合する。
21分後に さらにトレーサー溶液を 50 μl混合し、4分間引き続き反応を続けた。この反応により、前記(3)の反応と、トレーサーの間で抗体固相化微粒子に対する競合反応が生じ、サンプル中のホモシステイン濃度に応じて、トレーサーが競合的に抗体固相化微粒子に結合する。すなわちサンプル中のホモシステイン濃度が低いと、多くのトレーサーが抗体固相化微粒子に結合し、サンプル中のホモシステイン濃度が高いと、少量のトレーサーが抗体固相化微粒子に結合する。
次に、本機械専用の洗浄液を用いて洗浄した後に、本機械専用の発光トリガー試薬を用いて発光シグナルを観察した。AxSYM ホモシステインキャリブレーター(アボットジャパン社製)を標準液としてロジスティック4パラ法により標準曲線を作成し、サンプルより得られたシグナルに基づいてホモシステイン濃度を計算することにより、サンプル中のホモシステイン濃度を決定した。
実施例1:ポリアニオン添加試験
検体中に含まれるホモシステインの濃度は、市販のアクシムホモシステインアッセイ試薬およびアクシムアナライザー(共にアボットジャパン社製)を用いて、希釈操作を含む従来技術によって決定した。この測定方法は標識物質に蛍光物質を利用した蛍光偏光免疫測定方法であり、阻害物質の影響を除くために競合反応時に検体がおおよそ300倍に希釈される。
阻害物質の測定系に与える影響、およびポリアニオンの効果を確認するために未希釈の血清および該血清にそれぞれ4.2、42および420 μg/mlのヘパリンを添加した検体について同様にホモシステイン濃度を測定した。
試験結果を図1に示す。
未希釈の検体には、ホモシステイン濃度が正確に測定し得る血清(■)と、シグナル強度が低めに検出されその結果見かけ上ホモシステイン濃度が高く測定される血清(●)が存在することが確認された。
これら2種類の未希釈血清では、ヘパリン未添加でシグナル強度に大きな差が認められたが、ヘパリン添加に伴って両者間の差が小さくなり、42 μg/mlのヘパリンを添加することによって両者間にほぼ差が認められなくなることが確認された。
このことから、後者の血清中には生体由来のヘパリン様ポリアニオン物質が含まれており、これら物質が本測定系を阻害しているのに対し、前者の血清中には阻害物質が含まれておらず、そのために添加されたヘパリンの影響をより強く受けるものと考えられる。
同様にヘパリン採血した血漿(▲)について検討した結果、見かけ上ホモシステイン濃度が高く測定された血清と類似の実験結果が得られた。このことからも見かけ上ホモシステイン濃度が高く測定された血清中には生体由来のヘパリン様ポリアニオン物質が含まれていることが強く示唆される。
以上の結果より、十分量のポリアニオンを検体に加えることにより、各検体に含まれている阻害物質の多少に起因する測定数値の変動を排除することが可能であることが確認された。
ホモシステイン測定系においてリウマチ因子が阻害物質として関与しているか否か確認するために、本実施例において用いた検体についてリウマチ因子の濃度を定量した。
ホモシステインが正確に測定し得た検体6例、見かけ上高濃度に測定された検体4例について測定した結果、ホモシステインが正確に測定し得た検体のうち1例のみが基準値を越えるリウマチ因子を含んでいたが、それ以外の検体はいずれも正常値の範囲内であった。このことは、免疫学的ホモシステイン測定方法においてリウマチ因子が反応阻害物質として関与していないことを示唆している。
実施例2
12種類の血清および2種類のヘパリン採血血漿について、化学発光全自動測定機を用いてホモシステイン濃度を測定し、実施例1と同様にアクシムアナライザーを用いて決定したホモシステイン濃度(既知量)と比較した(図2)。
その結果12種類の血清のうち7種類(□)は実際のホモシステイン濃度と差がなく、5種類の血清(●)では実際の濃度よりも高い測定濃度が得られた。また、ヘパリン採血血漿はともに実際の濃度よりも高い測定濃度が得られた(▲)。
次に、同じ血清および血漿検体を用いて、ヘパリン42 μg/ml存在下で免疫反応を実施した測定結果を示す(図3)。
本実験では、正確に測定し得る検体および実際よりも高濃度の測定値が得られる検体のいずれにおいても、ともに正確な測定結果が得られることが確認された。
この実験結果は、ポリアニオンを添加することによって阻害物質の影響を排除することが可能であるとともに、ポリアニオン存在下で正確にホモシステイン濃度を測定し得ることを示している。
実施例3
ヘパリン以外のポリアニオン添加についても、同様に阻害物質の影響を排除し得るか検討した。
図4にヘパリン、デキストラン硫酸、ポリアクリル酸、ゼラチンおよびガンマグロブリン各濃度における、高めサンプル群と通常サンプル群の解離割合について記した。高めサンプル群および通常サンプル群はそれぞれ7ないし8検体を使用した。
阻害物質によるサンプル間の測定値のばらつきを無くし、適切にホモシステイン濃度を測定するためには、この値が100%±10%程度であることが必要である。
図4より、4.2 μg/ ml 以上のヘパリンが、第一反応中に存在すると効果的に検体による阻害を回避できることが分かる。また、検討した3種類のポリアニオンがいずれも顕著な効果を示す一方で、ポリアニオンでないゼラチンおよびガンマグロブリンがこのような効果を示さなかったことから、阻害物質の影響を排除する効果はポリアニオンが共通して有するものであることが確認された。
典型的なヘパリンは分子量約150に対し1つのアニオンを持つとされるが、ポリアニオンの中にはアニオンがより密集して存在する分子も存在する。例えばポリアクリル酸は分子量71に対し1つのアニオンを持つ。さらにアニオンが密集して存在するポリアニオン分子の存在を考慮すると、ポリアニオン濃度でおおよそ 1ug/ml 以上のときに、顕著な阻害抑制効果が得られることが期待できる。
ホモシステイン測定系におけるヘパリン添加によるシグナル強度の変化を示す。 ヘパリン非存在下におけるホモシステイン測定濃度の既知量に対する比を示す。 ヘパリン存在下におけるホモシステイン測定濃度の既知量に対する比を示す。 見かけ上ホモシステイン濃度が高いサンプル群と正常サンプル群の解離割合に対するポリアニオンの影響を示す。

Claims (7)

  1. 外因性ポリアニオンの存在下で検体と抗体を反応させることを特徴とする、生体試料中に含まれるホモシステインの免疫学的測定方法。
  2. ポリアニオンがヘパリン、ポリアクリル酸およびデキストラン硫酸から成る群より選択される請求項1に記載の免疫学的ホモシステイン測定方法。
  3. 抗体とホモシステインの反応中におけるポリアニオン濃度が1μg/ml以上100mg/ml以下である請求項1または2に記載の免疫学的ホモシステイン測定方法。
  4. 競合的免疫反応を用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のホモシステイン免疫学的測定方法。
  5. 自動化された測定装置を用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のホモシステイン免疫学的測定方法。
  6. サンドイッチアッセイである請求項1ないし3および5のいずれか1項に記載のホモシステイン免疫学的測定方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のホモシステイン免疫学的測定方法に使用するためのポリアニオンを含むキット。
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